JPH0524679Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は用紙を搬送させる用紙搬送装置に関
し、特に用紙を吸着搬送するバキユーム式トラン
スポートと、このバキユーム式トランスポートか
ら搬送された用紙を排出するローラ式用紙排出手
段とを具えた用紙搬送装置の改良に関する。

〔従来の技術〕

第２図は従来の用紙搬送装置１を適用した定着
装置２の概念断面図である。

この定着装置２は複写機等の画像形成装置とは
独立して定着機能のみを実行する、いわゆるオフ
ライン定着装置で、この定着装置２の装置本体３
内には、用紙挿入口４から挿入された未定着の記
録用紙５を吸着搬送するバキユーム式トランスポ
ート６と、このバキユーム式トランスポート６か
ら搬送された記録用紙５を装置本体３の外部に排
出するローラ式用紙排出手段７からなる用紙搬送
装置１が配置されている。このうち、バキユーム
式トランスポート６は負圧を発生する吸引ボツク
ス８と、この吸引ボツクス８の周面に巻回された
弾性体の吸着ベルト９からなり、この吸着ベルト
９は前記吸引ボツクス８内に配設された搬送ロー
ラ１０に巻回している。なお、この吸着ベルト９
の周面には所定のピツチで記録用紙５を吸引する
吸引孔９ａ（第３図）が形成されている。一方、
前記ローラ式用紙排出手段７は対向して配設され
たドライブローラ１１とピンチローラ１２とから
なり、該ピンチローラ１２はアイドル軸１３に遊
転自在に支承され、またドライブローラ１１は図
示せぬモータ等の駆動手段により駆動されるドラ
イブ軸１４に固着されている。なお、前記バキユ
ーム式トランスポート６の吸着ベルト９の周速は
前記用紙排出手段７のドライブローラ１１の周速
に比べて遅く設定され、ローラ式用紙排出手段７
とバキユーム式トランスポート６との間を通過す
る記録用紙５に適度の引張力を与えて、コルゲー
シヨンの発生を可及的に阻止するようにしてい
る。

なお、第２図で符号１４′は記録用紙５の上面
に形成された未定着のトナー像を加熱定着させる
加熱装置で、この加熱装置１４′は対向するクオ
ーツ式のヒータランプ１５とプレートヒータ１６
からなり、このうちヒータランプ１５は開口面に
金属製の網１６を張設した断面コの字形状の反射
板１７内に収容設置されている。

上述した用紙搬送装置１を具えた定着装置２に
よると、情報が転写された未定着の記録用紙５が
用紙挿入口４から挿入されると、装置本体４の内
部に配設されたバキユーム式トランスポート６に
より記録用紙５が加熱装置１４′へ吸着搬送され、
さらに加熱装置１４′により記録用紙５の上面に
可視化されたトナー像が順次加熱定着された後、
ローラ式用紙排出手段７によつて装置本体３の後
方に排出される。

〔考案が解決しようとする問題〕

ところで、上述した用紙搬送装置１では、バキ
ユーム式トランスポート６により、用紙幅の狭い
記録用紙から、用紙幅の広い記録用紙まで種々の
サイズの用紙を吸着し搬送するが、特に、第２図
のＡ，Ａ断面拡大図で示す第３図のように、バキ
ユーム式トランスポート６の幅Ｗよりも用紙幅の
狭い記録用紙５を搬送させる場合は、バキユーム
式トランスポート６の吸引ボツクス８周面に巻回
された複数の吸着ベルト９全体に記録用紙５が密
着しないので、記録用紙５の側方部５ａ，５ｂに
対するバキユーム式トランスポート６の吸引力が
低下する傾向がある。このため、従来の用紙搬送
装置１では、第３図に示すように、記録用紙５の
中央部分５ｃの用紙搬送速度はバキユーム式トラ
ンスポート６の強力な吸引力により、該トランス
ポート６の用紙搬送速度に従うが、記録用紙５の
両側方部５ａ，５ｂの用紙排出速度はバキユーム
式トランスポート６の吸引力が低下しているの
で、ドライブローラ１１の用紙搬送速度に従い、
この結果、記録用紙５の両側方部５ａ，５ｂが中
央部５ｃに先行して排出され、記録用紙５の中央
に円弧形状の波打ち変形５ｄが発生し、用紙幅の
狭い記録用紙を安定して搬送させることが出来な
い問題点があつた。なお、このような従来の用紙
搬送装置１を適用した定着装置２では、特に用紙
幅が狭い記録用紙を使用すると、前記波打ち変形
５ｄによりスマツジ（トナー画像のこすれ）が発
生し、記録用紙５上に形成された情報に欠落を生
じさせる虞れがある。

この考案は上述した事情に鑑み、バキユーム式
トランスポートの幅よりも用紙幅の狭い用紙を安
定して搬送させることができる用紙搬送装置を提
供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

上述した問題点を解決するため、この考案で
は、用紙を負圧により吸着し搬送する吸着ベルト
を有するバキユーム式トランスポートと、ドライ
ブ軸に固着された複数のドライブローラと該複数
のドライブローラに相対向して配設されアイドル
軸に対し遊転自在に配設された複数のピンチロー
ラとを有し前記バキユーム式トランスポートから
搬送された用紙を前記複数のドライブローラと前
記複数のピンチローラ間に把持して搬送するロー
ラ式用紙搬送手段とを具えるとともに、前記ドラ
イブローラの周速を少なくとも前記吸着ベルトの
周速よりも速く設定するようにした用紙搬送装置
において、前記複数のドライブローラの径を、前
記バキユーム式トランスポートと前記ローラ式用
紙搬送手段とを結ぶ用紙搬送路の中央から幅方向
両端部へ向けて順次小さく形成するとともに、前
記アイドル軸に対し遊転自在に配設された複数の
ピンチローラの径を前記バキユーム式トランスポ
ートと前記ローラ式用紙搬送手段とを結ぶ用紙搬
送路の中央から幅方向両端部へ向けて順次大きく
形成し、もつて前記ドライブローラによる用紙の
搬送速度を前記用紙搬送路の中央から幅方向両端
部へ向けて順次減少させることによつて、前記ド
ライブローラによる用紙の搬送速度を前記用紙搬
送路の中央から幅方向両端部へ向けて順次減少さ
せ、これによりバキユーム式トランスポートから
搬送された幅の狭い用紙を、ローラ式用紙排出手
段により用紙の幅方向に沿つて均等な速度で搬送
させるようにしている。

〔実施例〕

以下、この考案に係わる用紙搬送装置の一実施
例を詳述する。

第１図は、この考案に係わる用紙搬送装置２０
の概念平面図で、特に複写機等の画像形成装置と
は独立して定着機能のみを実行する、いわゆるオ
フライン定着装置２（第２図）に適用した場合を
示し、また第３図と同一部分を同一符号で示す。

この用紙搬送装置２０では、バキユーム式トラ
ンスポート６から用紙幅が狭い記録用紙５が搬送
されると、この記録用紙５はローラ式用紙５が搬
送されると、この記録用紙５はローラ式用紙排出
手段７のドライブ軸１４に固着された径の異なる
複数のドライブローラ２１，２２，２３，２４，
２５，２６によつて排出される。この各ドライブ
ローラ２１，２２，２３，２４，２５，２６の径
はそれぞれ、バキユーム式トランスポート６およ
びローラ式用紙排出手段２１を結ぶ略直線状の用
紙搬送路（矢印Ｂ）に対し、その中央から幅方向
両端部へ向けて順次小さく形成されている。即ち
上述したドライブローラの径のうちドライブロー
ラ２３，２４の径Ｌが最も大きく、次いでドライ
ブローラ２２，２５の径Ｍ、その次にドライブロ
ーラ２１，２６の径Ｎとなつている。なお、上述
した各ドライブローラ２１〜２６に対向して圧接
する、図示せぬアイドル軸に遊転自在に配設され
た複数のピンチローラの径の大きさは、上述した
ドライブローラ２１〜２６の径の大きさとは逆の
順序、すなわち用紙搬送路の中央から幅方向両端
部へ向けて順次大きく形成されている。このよう
に、ローラ式用紙排出手段７を構成する各ドライ
ブローラの径を用紙搬送路Ｂの中央から幅方向両
端部へ向けて順次小さく形成すると、各ドライブ
ローラによる周速は用紙搬送路Ｂの中央から幅方
向両端部へ向けて順次減少することとなる。な
お、上述した各ドライブローラの周速のうち、そ
の最も周速の小さいドライブローラ２１，２６の
周速は、バキユーム式トランスポート６の吸着ベ
ルト９の周速よりも若干大きく設定されているこ
とは言うまでもない。

次に、上述した用紙搬送装置２０の作用を説明
し、併せて構成をより詳細に説明する。

バキユーム式トランスポート６の幅Ｗに対し用
紙幅の狭い記録用紙５を該バキユーム式トランス
ポート６により吸着搬送させると、バキユーム式
トランスポート６の吸引ボツクス８周面に巻回さ
れた複数の吸着ベルト９全体に記録用紙５が吸着
せず、このため記録用紙５の側方部５ａ，５ｂに
対するバキユーム式トランスポート６の吸引力が
低下する。このため、記録用紙５の中央部分５ｃ
の用紙搬送速度はバキユーム式トランスポート６
の強力な吸引力により、該トランスポート６の吸
着ベルト９の周速に従い、また前記記録用紙５の
両側方部５ａ，５ｂの用紙搬送速度はバキユーム
式トランスポート６の吸引力が低下しているの
で、ドライブローラ２３，２４よりも周速が低い
ドライブローラ２２，２５の周速に従うこととな
る。この結果、ドライブローラ２２，２５による
記録用紙５の両側方部５ａ，５ｂの用紙搬送速度
と、トランスポート６の吸着ベルト９による記録
用紙５の中央部５ｃの用紙搬送速度との差が極め
て僅かとなり、このため記録用紙５はその幅方向
に沿つてほぼ均等な速度で搬送されることとな
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように、この考案では、ローラ式
用紙搬送手段を構成する複数のドライブローラの
径を用紙搬送路の中央から幅方向両端部へ向けて
順次小さく形成するとともに、対向して圧接する
複数の遊転自在なピンチローラの径を用紙搬送路
の中央から幅方向両端部へ向けて順次大きく形成
したから、ドライブローラによる用紙の搬送速度
は用紙搬送路の中央から幅方向両端部へ向けて順
次減少することとなり、このためバキユーム式ト
ランスポートから搬送された幅の狭い用紙はロー
ラ式用紙排出手段により用紙の幅方向に沿つて均
等な速度で搬送され、このためバキユーム式トラ
ンスポートとローラ式用紙排出手段との間を通過
する用紙に円弧形状の波打ち変形やスマツジを発
生させることなく用紙を安定して搬送させ、用紙
に形成された情報の欠落を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係わる用紙搬送装置を示
す概念平面図、第２図は従来の用紙搬送装置を適
用した定着装置の概念断面図、第３図は第２図の
Ａ，Ａ断面概念図である。 ５……用紙、６……バキユーム式トランスポー
ト、７……ローラ式用紙排出手段、９……吸着ベ
ルト、２０……用紙搬送装置、２１，２２，２
３，２４，２５，２６……ドライブローラ、Ｂ…
…用紙搬送路、Ｌ，Ｍ，Ｎ……径。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 用紙を負圧により吸着し搬送する吸着ベルトを
   有するバキユーム式トランスポートと、ドライブ
   軸に固着された複数のドライブローラと該複数の
   ドライブローラに相対向して配設されアイドル軸
   に対し遊転自在に配設された複数のピンチローラ
   とを有し前記バキユーム式トランスポートから搬
   送された用紙を前記複数のドライブローラと前記
   複数のピンチローラ間に把持して搬送するローラ
   式用紙搬送手段とを具えるとともに、前記ドライ
   ブローラの周速を少なくとも前記吸着ベルトの周
   速よりも速く設定するようにした用紙搬送装置に
   おいて、 前記複数のドライブローラの径を、前記バキユ
   ーム式トランスポートと前記ローラ式用紙搬送手
   段とを結ぶ用紙搬送路の中央から幅方向両端部へ
   向けて順次小さく形成するとともに、前記アイド
   ル軸に対し遊転自在に配設された複数のピンチロ
   ーラの径を前記バキユーム式トランスポートと前
   記ローラ式用紙搬送手段とを結ぶ用紙搬送路の中
   央から幅方向両端部へ向けて順次大きく形成し、
   もつて前記ドライブローラによる用紙の搬送速度
   を前記用紙搬送路の中央から幅方向両端部へ向け
   て順次減少させるようにしたことを特徴とする用
   紙搬送装置。