JPH11325401A - 蒸気製造装置 - Google Patents

蒸気製造装置

Info

Publication number
JPH11325401A
JPH11325401A JP15216098A JP15216098A JPH11325401A JP H11325401 A JPH11325401 A JP H11325401A JP 15216098 A JP15216098 A JP 15216098A JP 15216098 A JP15216098 A JP 15216098A JP H11325401 A JPH11325401 A JP H11325401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steam
heating
evaporator
amount
bypass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15216098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3717096B2 (ja
Inventor
Shiyoujiro Koike
省次郎 小池
Naoki Koshikawa
直己 越川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
Priority to JP15216098A priority Critical patent/JP3717096B2/ja
Publication of JPH11325401A publication Critical patent/JPH11325401A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3717096B2 publication Critical patent/JP3717096B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸気製造装置における熱効率の向上等の性能
向上を達成しつつ、装置全体を小型化する。 【解決手段】 供給水を加熱する加熱缶と、該加熱缶か
らの気液混合水を液膜流下方式で蒸発させる蒸発缶とを
有し、蒸発缶の出口と加熱缶の入口を連通した蒸気製造
装置において、加熱缶から蒸発缶への流路と加熱缶の入
口側とを連通するバイパス路を設けたことを特徴とする
蒸気製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気製造装置に関
し、とくに熱効率の向上等の装置の性能向上をはかりつ
つ、装置全体をとくに高さ方向に小型化して安価に製作
可能な蒸気製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】脱イオン水等の高純度水から純枠蒸気を
製造したり、さらに製造した蒸気を凝縮して高純度の蒸
留水を製造可能な蒸気製造装置として、各種タイプのも
のが知られている。
【0003】たとえば図2に示すように、加熱缶101
と蒸発缶102を並設し、供給水(たとえば、脱イオン
水等の高純度水)をプレヒータ103で加熱した後加熱
缶101に供給し、加熱蒸気ライン104から供給され
る加熱蒸気によって加熱する。加熱缶101で加熱され
た供給水は、蒸気と液滴との気液混合相の状態で、発生
蒸気の上昇力により蒸発缶102に供給される。蒸発缶
102では、その伝熱管壁面に沿って蒸気が下降すると
ともに液膜が流下し、単に通過した蒸気と液膜から蒸発
した蒸気とが気液分離器105に送られる。分離器10
5の上部から、分離された純粋蒸気(PS)がユースポ
イントへ供給され、分離された液は、蒸発缶102の出
口側からの余剰水とともにブローライン106を介して
廃棄される。分離器105の出口側で蒸気圧力検知手段
107または圧力検知兼制御信号発生手段(PIC)に
よって蒸気圧力が検知され、その信号に基づいて加熱蒸
気の供給量が弁108で制御される。なお、プレヒータ
103での加熱には、通常、加熱缶101、蒸発缶10
2で消費した加熱蒸気のスチームトラップ109a、1
09bによるドレンが有効活用される。
【0004】このような蒸気製造装置においては、液膜
流下方式であるから蒸発缶102における伝熱係数を大
きくすることができ、蒸発缶102を小さく構成して装
置全体を小型化できる長所がある。また、発生蒸気の圧
力を所定の圧力にするまでの立ち上がり時間が短いとい
う長所もある。
【0005】しかし、ユースポイントでの蒸気使用量が
変動すると、その影響を直接的に受けるため、蒸発缶1
02による蒸気発生圧力の変動が激しく、所望の圧力の
蒸気を安定して供給することが困難であるという短所が
ある。また、ユースポイントでの蒸気使用量が無くなっ
た場合でも、装置およびユースポイントまでの配管内の
圧力を保持するために、高純度水の供給を続けなくては
ならないので、常時蒸発缶102の下部から余剰純水を
廃棄しなければならない。この余剰純水の廃棄量は、ユ
ースポイントでの蒸気使用量に反比例することになり、
廃棄量が多くなる程、無駄に捨てられる熱量が多くなっ
て装置全体としての熱効率が低下するとともに、純水使
用量が多くなって、有効に使用される蒸気の単価が増大
する。
【0006】また、図3に示すような、いわゆるサーモ
サイホンリボイラ方式の蒸気製造装置も知られている。
この装置では、たとえば、供給された高純度水はプレヒ
ータ201で加熱された後フラッシュタンク202の下
部から缶体内に供給され、そこから蒸発缶203へと供
給される。蒸発缶203では、その伝熱管204内に導
入された高純度水が、胴体205内に供給される加熱蒸
気を熱源として加熱されることにより蒸発していく。蒸
発缶203で発生した蒸気は、フラッシュタンク202
の内部上方空間に導かれ、そこから気液分離器206を
介して純粋蒸気(PS)がユースポイントへと送られ
る。分離器206の出口側で蒸気圧力検知手段207
(PIC)によって蒸気圧力が検知され、その信号に基
づいて加熱蒸気の供給量が弁208で制御される。分離
された液は、フラッシュタンク202からの余剰水とと
もにブローライン209を介して廃棄される。
【0007】このような蒸気製造装置においては、サー
モサイホンリボイラ方式であり、常にフラッシュタンク
202内に多量の蒸気が用意されているため、ユースポ
イントでの蒸気使用量の変動に伴う蒸気発生圧力の変動
を小さく抑えることができ、安定した運転が可能にな
る。また、純水供給量も必要な量だけ、つまり、ユース
ポイントで使用した量に見合う量だけ補給すればよいの
で、使用量が少なくて済む。レベルスイッチ210(L
S)を設けておけば、保有水の定量制御も可能になる。
さらに、フラッシュタンク202や蒸発缶203の缶体
内保有水の濃縮防止のための系外ブロー量は、ユースポ
イントでの蒸気使用量に関わらず常に一定に保つことが
できる。
【0008】しかし、サーモサイホンリボイラ方式で
は、一般に伝熱係数が小さくなることから、蒸発缶20
3を大きくせざるを得ず、装置全体が大型化するという
短所がある。また、容量の大きな蒸発缶203やフラッ
シュタンク202を所定の温度、所定の蒸気発生状態に
するまでの立ち上がり時間が長いという短所もある。
【0009】さらに、図2に示した従来装置に対し、熱
効率を高めるために、図4に示すような蒸気製造装置が
提案されている(特公昭63−24428号公報)。こ
の蒸気製造装置は、プレヒータ301から供給されてく
る高純度水を、加熱缶302で沸騰させ、その発生蒸気
の上昇力で蒸気と液との混合水を蒸発缶303に供給し
て、蒸発缶303で液膜流下方式で純粋蒸気を発生させ
るものである。そしてその公報第1図や第2図で開示さ
れている装置では、蒸発缶303の下部出口側と加熱缶
302の下部入口側とを配管304で連通してリボイラ
運転も可能とし、かつ、蒸発缶303が水没して液膜流
下方式による蒸発が行えなくなるのを防止するために、
蒸発缶303を加熱缶302に対し上位に位置させ、水
没防止用にレベルスイッチ305(LS)を設けてい
る。
【0010】このような蒸気製造装置においては、加熱
缶302で高純度水を沸騰するまで加熱することによ
り、蒸発缶303内部での熱効率を高めることができ
る。また、蒸発缶303の下部出口側が加熱缶302の
下部入口側に連通されているので、ユースポイントでの
純粋蒸気(PS)の使用量が変動しても、使用した量だ
け、つまり必要な量だけ供給水を補給すればよく、蒸気
単価が安くなる。さらに、保有水濃縮防止のためのブロ
ーライン306からのブロー量も、ユースポイントでの
蒸気使用量に関わらず常に一定に保つことができる。
【0011】しかし、蒸発缶303での液膜流下方式に
よる効率の良い蒸発を保つためには、蒸発缶303の水
没を防止する必要があり、蒸発缶303は必ず加熱缶3
02よりも高い位置に設置しなければならない。そのた
め、蒸気製造装置の全高が大きくなり、装置が、とくに
高さ方向に大型化してしまうという問題がある。また、
蒸発缶303を高所に設置しなければならないため、そ
の架台等にも大型のものが要求され、装置全体のコスト
が増大するとともに、保守、点検にも支障を来すことに
なる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、従来から知られている上記のような種々のタイプの
蒸気製造装置における長所と短所を総合的に考慮し、こ
れらの長所を生かしつつ、短所を克服した、とくに高熱
効率を達成しつつ、ユースポイントでの蒸気使用量の変
動にも適切に対応でき、かつ、供給水の使用量も必要最
小限で済み、しかも、装置全体をとくに高さ方向に小型
化できる、実用的かつ安価な蒸気製造装置を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の蒸気製造装置は、供給水を加熱する加熱缶
と、該加熱缶からの気液混合水を液膜流下方式で蒸発さ
せる蒸発缶とを有し、蒸発缶の出口と加熱缶の入口を連
通した蒸気製造装置において、加熱缶から蒸発缶への流
路と加熱缶の入口側とを連通するバイパス路を設けたこ
とを特徴とするものからなる。
【0014】この蒸気製造装置においては、通常、加熱
缶と蒸発缶はともに垂設される。また、本蒸気製造装置
においては、加熱缶と蒸発缶は、上下方向に、実質的に
同じ高さの位置に並設できる。ここで「実質的に同じ高
さの位置」とは、垂設された加熱缶と蒸発缶の中心位置
が同一高さにある場合はもちろんのこと、両機器の一部
が同じ高さに位置している場合まで含む。
【0015】上記バイパス路には、該バイパス路中の液
面を検知するレベルスイッチが設けられていることが好
ましい。また、このレベルスイッチからの信号に基づい
て、加熱缶への供給水の供給を制御する弁、たとえば自
動弁を有することが好ましい。すなわち、バイパス路中
で液相の高純度水がある液面レベルまで溜まったら、そ
れ以上の高純度水の供給を停止できるようにする。
【0016】また、この蒸気製造装置には、従来装置同
様、加熱缶への供給水を加熱するプレヒータを設けるこ
とができ、蒸発缶の出口側には、蒸気と液滴を分離する
気液分離器を設けることができる。さらに、分離器の蒸
気出口側には、蒸気圧力検知手段を設けることができ、
該手段からの信号に基づいて、加熱缶や蒸発缶への加熱
蒸気の供給量を制御することができる。
【0017】また、蒸発缶の出口側には、保有水の濃縮
防止のためにブローラインを接続することができ、この
ブローラインは、蒸発缶の出口と加熱缶の入口との連通
路や、上記気液分離器の液排出側と連通させることがで
きる。
【0018】さらに、蒸発缶の出口側に、蒸発缶からの
蒸気を凝縮する凝縮器を設けておけば、この蒸気製造装
置を高純度蒸留水製造装置として使用できる。通常、凝
縮器は、上記気液分離器の蒸気出口側に接続する。
【0019】このような本発明に係る蒸気製造装置にお
いては、加熱缶で加熱され蒸気と液滴との二相状態とさ
れた気液混合水は、蒸発缶に供給され、液膜流下方式に
て蒸発が進められ、高い伝熱係数をもって高熱効率で蒸
気が製造される。蒸発缶の出口側からは、気液分離器等
を介して純粋蒸気がユースポイントに供給され、分離さ
れた液あるいは蒸発缶の出口側における余剰水は、蒸発
缶の出口と加熱缶の入口との連通路を介して加熱缶の入
口側に循環される。したがって、蒸発缶内部で熱効率が
高く維持されるとともに、ユースポイントでの蒸気使用
量に応じた量だけ高純度水を補給すればよいので、高純
度水の無駄使いがなく蒸気の単価を安価に維持できる。
また、保有水の濃縮防止のための系外ブロー量は、ユー
スポインでの蒸気使用量に関わらず常時一定に保つこと
ができ、しかもそのブロー量はごく僅かでよいから、極
めて安定した系となる。
【0020】そして、本発明に係る蒸気製造装置におい
てはバイパス路が設けられているので、ユースポイント
での蒸気の使用量が変動する場合、とくに蒸気使用量が
減少する場合、蒸発缶側からの背圧により、加熱缶から
の気液混合水は自然にバイパス路へと流れ出す。このバ
イパス路への分岐流の量は、蒸発缶出口側における蒸気
使用量に応じて自然に制御され、蒸気使用量が少なくな
る程バイパス路への流量は多くなる。このバイパス路は
加熱缶への入口側へと連通しているから、加熱缶とバイ
パス路とでリボイラ運転の系が作られ、加熱缶の出口側
から蒸発缶の入口側までの流路では、常に安定した気液
二相状態に維持され、常時、必要な量だけ蒸発缶に所定
の気液二相状態の高純度水を供給できる態勢に維持され
る。したがって、ユースポイントでの蒸気使用量に関わ
らず、蒸気発生圧力の変動を極めて小さく抑えることが
でき、ユースポイントでの蒸気使用量に応じて、常に安
定して所望の純粋蒸気を供給できる。
【0021】また、ユースポイントでの蒸気使用量が減
少した場合にも、加熱缶からの気液二相流、とくに液相
の高純度水はバイパス路に流入して加熱缶の入口側へと
循環されるから、蒸発缶が水没するおそれはなくなる。
その結果、蒸発缶を加熱缶と同等の高さ位置に設置する
ことが可能となり、両機器を上下方向に同じ高さ位置に
並設することにより、装置の全高を大幅に低減でき、装
置全体を高さ方向に大幅に小型化できる。
【0022】さらに、バイパス路にレベルスイッチ等を
設けて、加熱缶とバイパス路とで形成されるリボイラ系
に過剰な高純度水が供給されないように制御すれば、こ
の系の保有水も常に最適な量に維持できる。その結果、
必要最小限の供給水量で、ユースポイントでの蒸気使用
量に応じた量の蒸気を、効率よく製造できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一
実施態様に係る蒸気製造装置を示している。図1におい
て、1は蒸気製造装置全体を示しており、2は高純度水
の供給ラインを示している。供給ライン2から供給され
てくる高純度水は、自動弁3を介してプレヒータ4に送
られ、プレヒータ4で所定の予加熱が行われる。自動弁
3は、プレヒータ4への高純度水の供給、つまり、この
蒸気製造装置1への高純度水の供給を制御する。
【0024】プレヒータ4で加熱された高純度水は、流
路5を介して加熱缶6へと供給される。加熱缶6は上下
方向に垂設され、その入口部6aと出口部6bとを連通
する複数の伝熱管6cと、伝熱管6c周囲の胴体6dと
を有している。プレヒータ4からの加熱高純度水は、入
口部6aを通して伝熱管6c内に導入され、胴体6d内
に供給された加熱蒸気によって加熱され、気液二相の気
液混合水とされて出口部6bから流路7へと送り出され
る。
【0025】流路7は、加熱缶6の出口部6bと蒸発缶
8の入口部8aとを接続している。蒸発缶8は、上下方
向に垂設されており、本実施態様では加熱缶6と実質的
に同じ高さ位置に設置されている。蒸発缶8は、入口部
8aと出口部8bとを連通する複数の伝熱管8cと、伝
熱管8c周囲の胴体8dとを有している。流路7からの
気液混合水は、入口部8aを通して伝熱管8c内に導入
され、蒸気部分の大部分はそのまま通過するとともに、
液相の高純度水は伝熱管8cの内面に薄い液膜を形成し
て流下し、胴体8d内に供給された加熱蒸気によって蒸
発される。つまり、液膜流下方式により高熱効率で蒸発
され、出口部8bでは大部分が気相(蒸気)となってい
る。
【0026】蒸発缶8の出口部8bの下部からは、流路
9が垂下され、流路9は流路10へと合流している。流
路10は、加熱缶6の入口側に、本実施態様では、加熱
缶6の入口部6a直前の流路5部分へと連通されてい
る。したがって、蒸発缶8の出口部8bにおける余剰水
あるいは出口部8bで既に蒸気から分離された高純度水
は、流路9、流路10を通して加熱缶6の入口側へと循
環されるようになっている。
【0027】この循環水を含めた系内保有水の濃縮防止
のために、流路10にはブローライン11が接続されて
おり、弁12で制御された量だけ系外にブロー(排出)
できるようになっている。
【0028】蒸発缶8の出口部8bには、流路13を介
して気液分離器14が接続されており、該分離器14内
で、純粋蒸気と液とに分離される。分離された純粋蒸気
(PS)は、蒸気供給ライン15を通して所望のユース
ポイントへと送られる。分離された液は、分離器14の
下部から垂下された流路16を介して、ブローライン1
1へと送られる。
【0029】加熱缶6と蒸発缶8の加熱には、本実施態
様では別の系で生成された加熱蒸気が使用され、加熱蒸
気は供給ライン17を通して供給される。加熱蒸気の供
給量は、弁18によって制御される。この加熱蒸気制御
弁18は、分離器14の出口側において、蒸気供給ライ
ン15中の蒸気圧が蒸気圧力検知装置19(PIC)に
よって検知され、該装置19からの制御信号に基づいて
制御される。弁18で制御された加熱蒸気は、加熱缶6
へのライン20と蒸発缶8へのライン21とに分流され
た後、それぞれ加熱缶6と蒸発缶8の胴体6d、8d内
に供給されて加熱に供される。
【0030】加熱缶6と蒸発缶8で使用済の加熱蒸気
は、ライン22、23によって導出され、スチームトラ
ップ24、25を通した後、プレヒータ4における加熱
に供され、しかる後にドレンポート26から排出され
る。
【0031】加熱缶6から蒸発缶8への流路7は、途中
でバイパス路27として分岐されており、バイパス路2
7は、流路7と加熱缶6の入口側とを連通している。本
実施態様では、バイパス路27は、加熱缶6の入口部6
a直前の流路5部分へと連通されている。したがってバ
イパス路27は、加熱缶6とバイパス路27により形成
される系によってリボイラ運転を可能としている。この
バイパス路27には、バイパス路27内の液面を検知す
るレベルスイッチ28が設けられており、レベルスイッ
チ28の信号は、自動弁3の制御に用いられている。こ
の制御系により、バイパス路27内に過剰な高純度水が
保有されないように、たとえばバイパス路27内の液面
が常にレベルスイッチ28の上下限の間の高さになるよ
うにコントロールされる。また、この蒸気製造装置1
に、要求される蒸気発生量に見合うだけの必要最小限の
供給水が補給されるようになっている。
【0032】なお、図示は省略するが、バイパス路27
の加熱缶6入口側への接続部近傍には、流路5からバイ
パス路27への逆流を防止するための逆止弁を設けてお
いてもよい。ただし、このような逆止弁を設けなくて
も、バイパス路27においては、常に加熱缶6の出口側
からの蒸気圧力が作用し、バイパス路27内を上方から
下方へと流す一定方向の圧力が作用するので、上記のよ
うな逆流は生じない。
【0033】このように構成された蒸気製造装置1にお
いては、加熱缶6で加熱された気液二相の高純度水が蒸
発缶8により液膜流下方式で蒸発されるので、高伝熱係
数をもって効率よく蒸気が製造される。分離器14で分
離された純粋蒸気は、ユースポイントでの蒸気使用量に
応じて供給され、蒸気として供給されなかった余剰水
は、再び加熱缶6の入口側に循環されて蒸気製造に供さ
れる。したがって、蒸気製造のための高純度水の供給
は、実際に使用された蒸気の使用量に応じた量だけ補給
すればよいことになり、高純度水の供給量が低減され
る。
【0034】また、余剰水が循環使用されるので、保有
水の濃縮防止のための系外ブロー量は、ユースポイント
での蒸気使用量に関わらず、濃縮防止に必要な最小限の
一定量に保てばよいことになり、系全体として極めて安
定した運転を行うことができる。
【0035】また、ユースポイントでの蒸気使用量が変
動する場合、とくに蒸気使用量が減少していくと、蒸発
缶8側からの背圧が高まり、加熱缶6から流路7中へ送
り出された気液混合水はバイパス路27へと流れ始め
る。流路7中での気液混合水の蒸発缶8側への供給量
と、バイパス路27内への流入量との割合は、蒸発缶8
で生成される蒸気の使用量、つまりユースポイントでの
蒸気使用量に応じて自然に変化し、蒸気使用量が少なく
なる程バイパス路27への流入量は多くなる。つまり、
自然に自動調整される。
【0036】バイパス路27内に流入した気液混合水
は、加熱缶6の入口側へと循環され、加熱缶6とバイパ
ス路27とでリボイラ運転系が自然に構成される。この
リボイラ運転系は、蒸発缶8に対しては、バッファある
いは待機系をなすものであり、蒸発缶8による生成蒸気
の使用量の変動を自動的に吸収する。
【0037】ユースポイントでの蒸気使用量が少ない状
態が継続されると、上記加熱缶6とバイパス路27から
なるリボイラ運転系では液相が多くなり、保有水が多く
なるが、バイパス路27に設けたレベルスイッチ28に
よってバイパス路27中の液面が検知され、該液面のレ
ベルが常時最適なレベルに制御されるよう、自動弁3で
高純度水の補給量が制限、制御される。したがって、こ
のリボイラ運転系に、ひいては蒸気製造装置1全体に対
して、高純度水が過剰に供給されることはなく、最終的
にユースポイントでの蒸気使用量に応じた量の必要最小
限の量の高純度水が供給されることになる。すなわち、
バイパス路27を設けることによって、ユースポイント
での蒸気使用量がどのように変化しても、その変化に見
合った最適な量だけ供給できるようになる。しかも、ユ
ースポイントでの蒸気使用量の変動に対応できるよう
に、たとえばユースポイントでの蒸気使用量が減少状態
から急激に増大するような場合にあっても適切に対応で
きるように、必要な蒸気発生態勢に常時待機させておく
ことができるようになる。したがって、ユースポイント
での蒸気使用量が変動しても、蒸気発生圧力の変動を極
めて小さく抑えることができ、常時安定して所望量の蒸
気を供給することが可能になる。
【0038】そして、蒸気使用量が減少した場合にも、
バイパス路27により液相の高純度水は加熱缶6の入口
側へと自然に循環されるから、蒸発缶8が水没するおそ
れはなくなる。レベルスイッチ28からの信号に基づい
て自動弁3により高純度水の補給量を制限すれば、一層
確実に蒸発缶8の水没が防止される。蒸発缶8の水没の
おそれがなくなる結果、蒸発缶8の設置位置、とくに高
さ方向の位置に実質的に制約がなくなり、図1に示した
ように、蒸発缶8を加熱缶6と同等の高さ方向位置に並
設できる。その結果、蒸気製造装置1の全高が大幅に低
減され、とくに高さ方向に装置全体が大幅に小型化され
る。したがって、蒸発缶8を高所に設置する必要がなく
なり、蒸発缶8用の大がかりで高価な架台の必要もなく
なり、蒸気製造装置1を安価に構成できる。また、設置
スペース的にも大幅に縮小可能となる。
【0039】このような高性能でかつ、小型化可能で安
価な蒸気製造装置1は、高純度蒸留水の製造装置として
も使用できる。たとえば図1に2点鎖線で示すように、
気液分離器14の出口側に凝縮器30を接続し、分離器
14からの純粋蒸気を凝縮して高純度蒸留水を製造でき
る。このような高純度蒸留水の製造装置として使用して
も、前述と全く同様の作用、効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蒸気製造
装置によれば、熱効率の向上、必要最小限の供給水の補
給、蒸気発生圧力の変動抑制、ブロー量の抑制、安定化
等の装置の性能向上を達成しつつ、同時に装置全体をと
くに高さ方向に大幅に小型化することができ、優れた蒸
気製造装置を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る蒸気製造装置の機器
系統図である。
【図2】従来の蒸気製造装置の機器系統図である。
【図3】従来の別の蒸気製造装置の機器系統図である。
【図4】さらに別の従来の蒸気製造装置の機器系統図で
ある。
【符号の説明】
1 蒸気製造装置 2 高純度水の供給ライン 3 自動弁 4 プレヒータ 5 プレヒータから加熱缶への流路 6a 加熱缶の入口部 6b 加熱缶の出口部 6c 伝熱管 6d 胴体 7 加熱缶から蒸発缶への流路 8 蒸発缶 8a 蒸発缶の入口部 8b 蒸発缶の出口部 8c 伝熱管 8d 胴体 9 蒸発缶出口部からの流路 10 加熱缶入口側への流路 11 ブローライン 12 弁 13 気液分離器への流路 14 気液分離器 15 蒸気供給ライン 16 気液分離器からの垂下流路 17 加熱蒸気供給ライン 18 加熱蒸気制御弁 19 蒸気圧力検知装置 20、21 加熱蒸気ライン 22、23 使用済加熱蒸気のライン 24、25 スチームトラップ 26 ドレンポート 27 バイパス路 28 レベルスイッチ 30 凝縮器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給水を加熱する加熱缶と、該加熱缶か
    らの気液混合水を液膜流下方式で蒸発させる蒸発缶とを
    有し、蒸発缶の出口と加熱缶の入口を連通した蒸気製造
    装置において、加熱缶から蒸発缶への流路と加熱缶の入
    口側とを連通するバイパス路を設けたことを特徴とする
    蒸気製造装置。
  2. 【請求項2】 加熱缶と蒸発缶がともに垂設されてい
    る、請求項1の蒸気製造装置。
  3. 【請求項3】 加熱缶と蒸発缶が、上下方向に実質的に
    同じ高さの位置に並設されている、請求項1または2の
    蒸気製造装置。
  4. 【請求項4】 バイパス路に、該バイパス路中の液面を
    検知するレベルスイッチが設けられている、請求項1な
    いし3のいずれかに記載の蒸気製造装置。
  5. 【請求項5】 レベルスイッチからの信号に基づいて加
    熱缶への供給水の供給を制御する弁を有する、請求項4
    の蒸気製造装置。
  6. 【請求項6】 蒸発缶の出口側に、蒸発缶からの蒸気を
    凝縮する凝縮器が設けられている、請求項1ないし5の
    いずれかに記載の蒸気製造装置。
JP15216098A 1998-05-15 1998-05-15 蒸気製造装置 Expired - Lifetime JP3717096B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15216098A JP3717096B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 蒸気製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15216098A JP3717096B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 蒸気製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11325401A true JPH11325401A (ja) 1999-11-26
JP3717096B2 JP3717096B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=15534344

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15216098A Expired - Lifetime JP3717096B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 蒸気製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3717096B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025901A (ja) * 2015-07-16 2017-02-02 株式会社神戸製鋼所 熱エネルギー回収装置及びその起動方法
CN108119885A (zh) * 2016-11-29 2018-06-05 宜兴龙驰药化设备有限公司 一种纯蒸汽发生器
JP2019196870A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 オルガノ株式会社 蒸気供給装置およびその制御方法
JP2020041771A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 三浦工業株式会社 蒸気発生装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025901A (ja) * 2015-07-16 2017-02-02 株式会社神戸製鋼所 熱エネルギー回収装置及びその起動方法
CN108119885A (zh) * 2016-11-29 2018-06-05 宜兴龙驰药化设备有限公司 一种纯蒸汽发生器
JP2019196870A (ja) * 2018-05-10 2019-11-14 オルガノ株式会社 蒸気供給装置およびその制御方法
JP2020041771A (ja) * 2018-09-12 2020-03-19 三浦工業株式会社 蒸気発生装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3717096B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6303006B1 (en) System and method for distilling liquid
JPS60103275A (ja) 吸収装置
JPH11325401A (ja) 蒸気製造装置
KR20010074933A (ko) 흡수냉동기
US3517522A (en) Device for automatically adjusting concentration of absorbent solution
JPS63137705A (ja) 膜蒸留装置
US5791158A (en) Internally fired generator with improved solution flow
RU2661121C2 (ru) Кожухотрубное устройство для рекуперации тепла из горячего технологического потока
HU176256B (en) Process for preparing a developing gas containing ammonia to evaporate from an aqueous ammonia solution for the development of copying materials of diazo-type
JPS63151301A (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮処理装置
JPH10263301A (ja) 液体濃縮方法
JP3194075B2 (ja) 液位測定装置
JP2001300512A (ja) 蒸発濃縮装置
US2721455A (en) Absorption refrigeration
JPH07190306A (ja) 脱気装置
JPS6326231Y2 (ja)
JPH07104065B2 (ja) 吸収式ヒートポンプ装置
JPH11304102A (ja) 自然循環方式のガス竪流れ型排ガスボイラ
JPH02287068A (ja) 抽気装置
JP2952506B2 (ja) 写真処理廃液の蒸発濃縮装置
JPS61271002A (ja) 水溶液の蒸発濃縮装置
JPH05245302A (ja) 蒸発濃縮装置
JPS6291761A (ja) 吸収式冷温水機
JP3273698B2 (ja) 脱気装置内蔵型復水器
JPH10249101A (ja) 液濃縮装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050826

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080909

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090909

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100909

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110909

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120909

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130909

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term