JPH10249101A - 液濃縮装置 - Google Patents

液濃縮装置

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JPH10249101A
JPH10249101A JP5951697A JP5951697A JPH10249101A JP H10249101 A JPH10249101 A JP H10249101A JP 5951697 A JP5951697 A JP 5951697A JP 5951697 A JP5951697 A JP 5951697A JP H10249101 A JPH10249101 A JP H10249101A
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liquid
concentrator
chamber
evaporation
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JP5951697A
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Kazuharu Takada
和治 高田
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KOOYO TECHNO KK
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】多段式濃縮装置のように効率よく液濃縮を行う
液濃縮装置において、蒸発室内の温度を低温化しても、
所定の蒸発処理能力を備え、装置全体があまり大型化し
ない液濃縮装置の提供を目的とする。 【解決手段】液濃縮装置1は、複数の蒸発室が連接して
設けられていて、熱源となる蒸気が通されて蒸発室内の
被濃縮液を加熱し、被濃縮液中の蒸発成分を蒸発させて
被濃縮液を濃縮する伝熱管が各蒸発室内に設けられてお
り、上手側の蒸発室で濃縮された濃縮液が隣接する下手
側の被濃縮液として供給されるようになっているととも
に、上手側の被濃縮液の濃縮時に発生する二次蒸気が下
手側の伝熱管に熱源として通されるようになっている多
段式の主濃縮装置2と、少なくとも一つの蒸発室を有す
る副濃縮装置3とが、主濃縮装置2の最も下手側の蒸発
室24で濃縮された濃縮液を副濃縮装置3の蒸発室31
に供給する濃縮液供給路4を介して一体に接続されてい
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液濃縮装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、工場の排水等を濃縮処理する
場合、図6に示されるように、複数の蒸発室(効用缶)
101、101が連結された多段式濃縮装置(多重効用
蒸発缶)100が用いられている。上記多段式濃縮装置
100は、各蒸発室101に設けられた伝熱管110内
に熱源となる蒸気を通し、蒸発室101内の被濃縮液1
20を蒸発濃縮させ、上手側の蒸発室101で濃縮され
た濃縮液が隣接する下手側の蒸発室101の被濃縮液と
して供給されて、より濃縮されるようになっているとと
もに、上手側の被濃縮液120の濃縮時に発生する二次
蒸気130が下手側の伝熱管110に熱源として通され
るようになっている。
【0003】上述したように、多段式濃縮装置は、上手
側の蒸発室で蒸発濃縮を行う際に放出される熱を、下手
側の蒸発室における蒸発濃縮の熱源とすることで、熱を
有効に使用する工夫がなされている。したがって、蒸発
室の数を増やすほど、熱を有効に使用することができ、
より熱効率の良い蒸発濃縮を行うことができる。
【0004】ところで、多段式濃縮装置は、各蒸発室の
伝熱管に供給される蒸気温度が、その蒸発室内で濃縮さ
れる被濃縮液の濃度および蒸発室で発生する二次蒸気の
温度によって決定される。すなわち、最も効率よく規定
された温度の二次蒸気を得るには、被濃縮液を得ようと
する二次蒸気の温度に被濃縮液の濃度に応じた沸点上昇
値を加えた温度に設定する必要がある。そして、このよ
うな沸点上昇値を加えた温度になった被濃縮液を効率よ
く蒸発させるには、伝熱管に通される蒸気を、被濃縮液
より少しの高い温度にし、蒸気と被濃縮液との間に若干
の温度差(伝熱温度差)を設けなければならない。
【0005】しかも、多段式濃縮装置は、熱を効率良く
利用することでランニングコストを安く抑えるようにす
るため、最終蒸発室で発生する二次蒸気を、常温の冷却
水で凝縮できる温度に設定するのが普通である。したが
って、最も下手側の蒸発室(以下、「最終蒸発室」と記
す。)の被濃縮液の蒸発温度を基準として、つぎつぎに
上手側の蒸発室の蒸発温度が設定されるようになってお
り、上手側の蒸発室になるほど、被濃縮液の温度が高く
なる。
【0006】なお、「沸点上昇」とは、不揮発性溶質が
溶解している溶液の蒸発温度と、同じ圧力下での、溶媒
の蒸発温度との蒸発温度差をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の多段式濃縮装置を用いて、エッチング(etchi
ng)加工等に使用された後の塩酸等の強酸性成分を含
んだ廃液を濃縮処理しようとした場合、チタンやチタン
合金などの耐蝕性金属材料を用いた濃縮装置であって
も、蒸発室の温度が高くなり過ぎると、強酸性成分の腐
食活性が上がり、蒸発室内面から装置が腐食されてしま
うという問題がある。
【0008】そこで、最も上手側の蒸発室の被濃縮液の
温度を強酸性成分の腐食活性が上がらない程度の低温に
設定すると、装置自体の耐久性が確保できるのである
が、装置の蒸発処理液量が低下すると言う問題がある。
一方、伝熱面積を大きくすれば、最も上手側の蒸発室の
被濃縮液の温度を強酸性成分の腐食活性が上がらない程
度の低温に設定しても蒸発処理液量が低下すると言う問
題は解消できるが、装置全体が大型化してしまい、設置
スペースの確保が困難になったり、装置全体の構成材料
が多く必要で製作費が高くついてしまうという問題があ
った。
【0009】そこで、本発明は、上記問題点を鑑みて、
上手側の蒸発室の被濃縮液の温度を低温化しても、所定
の蒸発処理能力を備え、装置全体があまり大型化しない
液濃縮装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における液濃縮装置は、複数の蒸発室が連接
して設けられていて、熱源となる蒸気が通されて蒸発室
内の被濃縮液を加熱し、被濃縮液中の蒸発成分を蒸発さ
せて被濃縮液を濃縮する伝熱管が各蒸発室内に設けられ
ており、上手側の蒸発室で濃縮された濃縮液が隣接する
下手側の被濃縮液として供給されるようになっていると
ともに、上手側の被濃縮液の濃縮時に発生する二次蒸気
が下手側の伝熱管に熱源として通されるようになってい
る多段階式の主濃縮装置と、少なくとも1つの蒸発室を
有する副濃縮装置とが、主濃縮装置の最も下手側の蒸発
室で濃縮された濃縮液を副濃縮装置の蒸発室に供給する
濃縮液供給路を介して一体に接続されている構成となっ
ている。
【0011】なお、副濃縮装置の濃縮手段は、主濃縮装
置と同様に多段式濃縮でも良いし、それ以外の濃縮方法
を用いても良いし、特に限定されないが、被濃縮液が、
塩酸等の酸成分を含む腐食性成分を有している場合、蒸
発室内の設定温度を被濃縮液の腐食速度が活性化しない
温度に温度設定することが望ましい。また、液濃縮装置
の接液部の材質は、特に限定されないが、伝熱性に優
れ、被濃縮液が、塩酸等の酸成分を含む腐食性成分を有
している場合でも、腐食が起こりにくいように、チタ
ン、パラジウム等を含むチタン合金等の金属材料が好ま
しい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる液濃縮装
置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1
は、本発明にかかる液濃縮装置の一実施形態を示した模
式図である。図1に示すように、液濃縮装置1は、主濃
縮装置2と副濃縮装置3とが濃縮液供給路4を介して一
体に接続されている。
【0013】主濃縮装置2は、第一蒸発室21、第二蒸
発室22、第三蒸発室23、および第四蒸発室24とを
備えている。各蒸発室21〜24は、図2に示すよう
に、2枚の管板40、40によって蒸発室本体20と、
この蒸発室本体20を挟むように設けられた蒸気室とな
る小室41、42とに仕切られている。
【0014】蒸発室本体20は、中間位置に、多数の伝
熱管(図では2本しか表していない。)5が水平に設け
られ、伝熱管5の上方にシャワーノズル6が設けられ、
伝熱管5の下側に被濃縮液が溜まるようになっている。
伝熱管5は、その両端が小室41、42に開口してい
て、後述するように、小室41、42内に通された蒸気
が伝熱管5内を通るようになっている。
【0015】シャワーノズル6は、ポンプ25によって
汲み上げられた伝熱管5の下側に溜まった被濃縮液をシ
ャワー状にして伝熱管5の表面に振り掛けるようになっ
ている。また、一方の小室41は、上室41aと下室4
1bとに、さらに分かれていて、上室41aに加熱用蒸
気の供給口11が設けられている。
【0016】そして、供給口11から上室41aに入っ
た蒸気は、伝熱管5を介して他方の小室42に入り込ん
だ後、他の伝熱管5を介して下室41bに送られるよう
になっていて、この下室41bまで送られる間に、伝熱
管5の表面に振り掛けられた被濃縮液を伝熱管5の壁面
ごしに加熱するようになっている。各蒸発室21〜24
で発生したドレンは、両側の小室41、42の下端に設
けられたドレン排出管28を介して蒸発室21〜24外
に排出されるようになっている。
【0017】下室41bが面する管板40には、下室4
1bのドレン溜まりより上側の部分に抽気孔7が穿設さ
れていて、この抽気孔7を介してドレンとならずに残っ
た余剰蒸気および蒸気とともに含まれる空気等の不凝縮
ガスが蒸気室本体20内に入り込むようになっている。
また、蒸発室本体20の上部には、蒸発室本体20内で
被濃縮液の濃縮によって発生した二次蒸気の排出路12
0が形成されている。
【0018】さらに、この主濃縮装置2は、隣接する蒸
発室の蒸発室本体20同士が濃縮液供給管8によって接
続されていて、上手側の蒸発室21(22、23)で濃
縮された濃縮液がこの供給管8を介して下手側の蒸発室
22(23、24)の被濃縮液として次々に送られるよ
うになっているとともに、第一蒸発室21の二次蒸気排
出口12が第二蒸発室22の蒸気供給口11に、第二蒸
発室22の二次蒸気排出口12が第三蒸発室23の蒸気
供給口11に、第三蒸発室23の二次蒸気排出口12が
第四蒸発室24の蒸気供給口11に二次蒸気の排出路1
20を介して、それぞれ接続されている。
【0019】すなわち、一次蒸気は、第一蒸発室21の
蒸気供給口11からのみ供給されるようになっている。
一方、副濃縮装置3は、図3に示すように、主濃縮装置
2の各蒸発室21〜24より小型の第一小蒸発室31と
第二小蒸発室32の二つの蒸発室からなり、主濃縮装置
2の第四蒸発室24で得られた濃縮液が濃縮液供給路4
を介して第一小蒸発室31の蒸発室本体30内へ供給さ
れるようになっているとともに、第二小蒸発室32で得
られた濃縮液が、最終濃縮液排出管90を介して最終濃
縮液として取り出せるようになっている以外は、主濃縮
装置2と同様の構造となっている。
【0020】また、図1〜図3に示すように、第四蒸発
室24の蒸気排出口12および第二小蒸発室32の蒸気
排出口14が、それぞれ廃棄蒸気路122および廃棄蒸
気路132に接続され、廃棄蒸気路122および廃棄蒸
気路132が凝縮器Cを介して真空ポンプ(図示せず)
に接続され、第四蒸発室24および第二小蒸発室32に
おいて発生した二次蒸気が凝縮器Cで凝縮されたのち、
空気が真空ポンプで排気されるようになっている。
【0021】なお、図3において、図1および図2と同
じ番号は、主濃縮装置2と同じものをあらわしている。
この液濃縮装置1は、以上のように、真空ポンプを稼働
させ、各蒸発室内21〜24、31、32を減圧すると
ともに、ポンプ25およびポンプ35を稼働させて、各
蒸発室内の被濃縮液を循環させることで、主濃縮装置2
および副濃縮装置3において、従来の多段蒸発濃縮装置
と同様にして熱効率よく、被濃縮液の濃縮が行われるよ
うになっている。
【0022】そして、主濃縮装置2の最終蒸発室である
第四蒸発室24で得られた濃縮液が副濃縮装置3の第一
小蒸発室31に被濃縮液として供給され、副濃縮装置3
でさらに濃縮されるようになっているので、主濃縮装置
2での蒸発濃縮量を従来の4段式多段蒸発濃縮装置の蒸
発濃縮量より下げて第一蒸発室21での被濃縮液の温度
を低下させるようにしても、装置全体としての蒸発濃縮
量は低下することがない。
【0023】すなわち、蒸発濃縮量を低下させることな
く、かつ、装置を傷めることなく、強酸性成分等の腐食
性被濃縮液でも濃縮処理することができる。しかも、小
型の副濃縮装置3を一体に設けるだけであるので、蒸発
室の伝熱面積を大きくする方法に比べて装置全体を小型
化することができる。より詳しく説明すると、多段式濃
縮装置における被濃縮液の蒸発濃縮を行う際、多段式濃
縮装置の蒸発能力を落とすと、上手側の蒸発室の温度を
低温化することができるが、所望濃度まで蒸発濃縮させ
ることはできない。しかし、ある程度濃縮が行われて濃
度が一定以上である被濃縮液は、図7にしめしたグラフ
からも分かるように、少し蒸発濃縮させるだけでも、濃
度は大きく上昇する。
【0024】したがって、副濃縮装置3で行う濃縮は、
被濃縮液の濃度が濃く、沸点上昇が大きいにもかかわら
ず、蒸発量を少なく抑えることができるため、蒸発室の
温度の低温化を図ることができる。なお、本発明にかか
る液濃縮装置1は、上記の実施の形態に限定されない。
たとえば、濃縮液供給路4にバイパスを設けて、主濃縮
装置2の最終濃縮液を直接取り出せるようにするととも
に、副濃縮装置3の第一小蒸発室31に別の被濃縮液を
供給できるようにしてもよい。
【0025】このようにすれば、腐食性のない被濃縮液
を濃縮する場合、主濃縮装置2と副濃縮装置3とを別個
に使用して濃縮速度を向上させることができる。また、
蒸気の加熱手段としては、ボイラーを用いて作り出す蒸
気に限らず、特に限定されないが、たとえば、凝縮器C
で凝縮されるべき蒸気をヒートポンプ等を用いて再利用
すると、蒸気を作るのに効率がよくなる。
【0026】さらに、主濃縮装置の蒸発室の数は、二つ
以上であれば特に限定されものではないし、副濃縮装置
は、少なくとも一つ以上の蒸発室を備えていればよく、
蒸発手段も多段式濃縮に限らない。また、本発明の液濃
縮装置の構造は、上記実施の形態のように、蒸発室内で
循環した被濃縮液がシャワー状に伝熱管の表面に振り掛
けられる構造に限らず、図6に示したように、伝熱管が
被濃縮液に浸ってる構造でも構わない。
【0027】
【実施例】以下に、本発明の液濃縮装置1を用いて実際
に、塩酸を含んだ濃度8%の被濃縮液を40%まで濃縮
した実施例を、従来の四段式濃縮装置10を用いて行っ
た濃縮を比較例として図に基づいて詳細に記す。なお、
液濃縮装置1および四段式濃縮装置10の蒸発室内の接
液部の材質としては、耐酸性を有するパラジウム入りチ
タン合金を用いた。
【0028】図7は、塩酸を含む濃度8%の被濃縮液を
100kg蒸発させたときの、蒸発量と被濃縮液の濃度
との関係をあらわすグラフである。図7に示したグラフ
より、濃度8%の被濃縮液100kgを濃度40%にな
るまで濃縮するには、80kgの蒸発を行えば良いこと
が分かる。 <実施例1>図4に示すように、主濃縮装置2と副濃縮
装置3とが、濃縮液供給路4を介して一体に接続されて
いる液濃縮装置1を用いて、以下の設定で塩酸を含む濃
度8%の被濃縮液100kgの濃縮を、最終蒸発室であ
る副濃縮装置3の小蒸発室32から得られる濃縮液が濃
度40%になるまで行った。
【0029】なお、このとき、凝縮器Cで処理する主濃
縮装置2の蒸発室24および副濃縮装置3の蒸発室32
から発生する二次蒸気の温度が40℃になるように温度
設定した。また、液濃縮装置1のそれぞれの蒸発室内に
おける伝熱温度差は、5℃に設定した。
【0030】液濃縮装置1の温度変化は、主濃縮装置2
の蒸発室の蒸発能力を17.5kg/hに設定し、副濃
縮装置3の蒸発室の蒸発能力を5kg/hに設定したと
き、主濃縮装置2の蒸発室21の温度が89.5℃、蒸
発室22の温度が79.6℃、蒸発室23の温度が6
8.3℃、蒸発室24の温度が54.5℃となり、副濃
縮装置3の小蒸発室31の温度が82℃、小蒸発室32
の温度が60℃となった。 <比較例1>図5に示すように、四つの蒸発室を備えた
四段式濃縮装置10を用いて、塩酸を含む濃度8%の被
濃縮液100kgの濃縮を濃度40%になるまで行っ
た。
【0031】なお、このとき、凝縮器Cで処理する最終
蒸発室54で発生する二次蒸気の温度が40℃になるよ
うに温度設定した。また、四段式濃縮装置10のそれぞ
れの蒸発室内における伝熱温度差は、5℃に設定した。
上記実施例1と同様の蒸発(80kgの蒸発)で蒸発濃
縮を行うために、各蒸発室の蒸発能力を20kg/hに
設定したとき、四段式濃縮装置10の温度変化は、第一
蒸発室51の温度が97℃、第二蒸発室52の温度が8
7℃、第三蒸発室53の温度が75℃、第四蒸発室54
の温度が60℃となった。
【0032】このように、本発明の液濃縮装置は、図7
のグラフに示したような、液体の蒸発量に比べて濃度の
上昇が少なく、沸点上昇も高くならない部分(グラフ中
Xより左側)で蒸発濃縮を主に行い、少しの蒸発量で濃
度が上昇し、沸点上昇も高くなる部分(グラフ中Xより
右側)で残りの少量の蒸発を行うというように、被濃縮
液の濃度に合わせて蒸発させる量を設定することができ
るため、装置全体の蒸発量が従来の四段式濃縮装置10
と同じであっても、最も上手側の蒸発室の温度を下げる
ことができる。
【0033】なお、図4および図5中のBPRは、その
濃度における沸点上昇値(℃)を示している。因みに、
AlCl3 が4.45%、HClが4.15%溶解した
液を蒸発濃縮して重量が1/6.47に減少した液(濃
縮倍率が6.47重量倍になった液)にパラジウム入り
チタン(パラジウム含有量0.15%)を2280時間
浸漬して、このパラジウム入りチタンの腐食減量を調べ
たテストによると、97℃では、17%腐食減量し、8
9.5℃では、1.95%腐食減量した。さらに、70
℃まで温度を下げると、0.01%腐食減量した。
【0034】したがって、97℃に比べると、89.5
℃では約8.7倍の寿命延長が図られ、70℃では、1
700倍の寿命延長が図られると考えられる。
【0035】
【発明の効果】以上のようになっているので、本発明の
液濃縮装置は、腐食性被濃縮液の濃縮をしても、装置内
が腐食されるのを抑制し、装置の寿命を延長化すること
ができ、しかも、装置全体の大きさを巨大化させること
もなく、設置スペースの確保も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる濃縮装置の一実施形態を示した
模式図である。
【図2】主濃縮装置の蒸発室の構成図である。
【図3】副濃縮装置の蒸発室の構成図である。
【図4】本発明の濃縮装置を用いて、被濃縮液の水分を
段階的に濃縮していったときの模式図である。
【図5】従来の蒸発室を4つ備えている四段式濃縮装置
を用いて、被濃縮液の水分を段階的に濃縮していったと
きの温度変化を示した模式図である。
【図6】従来の多段式濃縮装置の説明図である。
【図7】塩酸を含む濃度8%の被濃縮液を100kg蒸
発させたときの、被濃縮液の状態変化図である。
【符号の説明】
1 濃縮装置 2 主濃縮装置 3 副濃縮装置 4 濃縮液供給路 5 伝熱管 21 第一蒸発室(蒸発室) 22 第二蒸発室(蒸発室) 23 第三蒸発室(蒸発室) 24 第四蒸発室(蒸発室)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の蒸発室が連接して設けられていて、
    熱源となる蒸気が通されて蒸発室内の被濃縮液を加熱
    し、被濃縮液中の蒸発成分を蒸発させて被濃縮液を濃縮
    する伝熱管が各蒸発室内に設けられており、上手側の蒸
    発室で濃縮された濃縮液が隣接する下手側の被濃縮液と
    して供給されるようになっているとともに、上手側の被
    濃縮液の濃縮時に発生する二次蒸気が下手側の伝熱管に
    熱源として通されるようになっている多段階式の主濃縮
    装置と、少なくとも1つの蒸発室を有する副濃縮装置と
    が、主濃縮装置の最も下手側の蒸発室で濃縮された濃縮
    液を副濃縮装置の蒸発室に供給する濃縮液供給路を介し
    て一体に接続されている液濃縮装置。
JP5951697A 1997-03-13 1997-03-13 液濃縮装置 Pending JPH10249101A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102698451A (zh) * 2012-07-05 2012-10-03 大连理工大学 一种热泵型低温蒸发装置及方法
CN107555695A (zh) * 2017-10-27 2018-01-09 深圳市洁驰科技有限公司 一种酸性蚀刻再生液的零排放系统以及处理方法
CN107854857A (zh) * 2017-12-24 2018-03-30 无锡诚尔鑫环保装备科技有限公司 一种多程浓缩提纯装置及其使用方法

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