JPH11320864A - 画像処理方法及び装置及び記録装置 - Google Patents

画像処理方法及び装置及び記録装置

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JPH11320864A
JPH11320864A JP11058876A JP5887699A JPH11320864A JP H11320864 A JPH11320864 A JP H11320864A JP 11058876 A JP11058876 A JP 11058876A JP 5887699 A JP5887699 A JP 5887699A JP H11320864 A JPH11320864 A JP H11320864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像データの濃度に応じて複数の記録剤を重
ねて記録する場合、これら記録剤の濃度変化を予測し、
その予測した濃度値に基づいて記録に使用する記録剤を
決定するデータを生成する。 【解決手段】 それぞれ異なる濃度のインクを有するイ
ンクジェットヘッドユニットを複数備え、画像データの
濃度に対応して複数の異なる濃度のインクの重ね記録情
報をインク種分配テーブルとして記憶しておき、更にイ
ンク濃度特性変化テーブルに記憶されている、連続する
インク非吐出回数(インク非吐出時間)に基づく各ノズ
ルにおけるインク濃度の上昇値を予測し、その予測値と
インク種分配テーブルとを参照して、その画像データを
記録するのに最適なインク種の分配、即ち、記録に使用
するインクジェットヘッドユニットを決定する2値デー
タを作成して記録する。更に、これにより記録される画
素の濃度値を予測し、その予測した濃度値と元の画素の
濃度値との誤差を、その画素の周辺画素に配分して画像
データを変換し、その変換した画像データに基づいて画
像の記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異なる濃度の記録
剤を用いて画像を記録するための画像データを作成する
画像処理方法及び装置と、異なる濃度の記録剤を用いて
画像を記録する記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて紙やプラスチック薄板等
の被記録媒体上にドットパターンからなる画像を記録す
るように構成されている。このような記録装置は、その
記録方式により、例えばインクジェット式、ワイヤドッ
ト式、サーマル式、レーザービーム式等に分類される。
これらのうち、インクジェット式(インクジェット記録
装置)は、記録ヘッドの吐出口からインク(記録液)滴
を吐出飛翔させ、これを被記録媒体上に付着させて記録
するように構成されている。
【0003】また近年、コンピュータの普及に伴って数
多くの記録装置が使用されるようになり、これらの記録
装置に対して、高速記録、高解像度、高画像品質、低騒
音などの要求が高まっている。このような要求に応える
記録装置として、前述のインクジェット記録装置は、比
較的小型であり、カラー化にも容易に対応できるため急
速に普及している。
【0004】インクジェット記録装置では、記録速度を
向上させるために、複数のインク吐出口(ノズル)を集
積配列した記録ヘッドを用いるもの、また、カラー対応
として複数の記録ヘッドを備えたものが多く用いられて
いる。また、高解像度、高画像品質の要求から、これら
のインクジェット記録装置で画像情報の階調を忠実に再
現する方法として、ディザ法、誤差拡散法などの中間調
処理法が用いられている。
【0005】これらの階調の再現方法では、記録装置の
解像度が充分に高い(1000ドット/インチ程度以
上)場合、優れた階調記録が可能である。しかし、記録
装置の解像度が低い(360から720ドット/インチ
程度)場合、ハイライト部における記録ドットが目立
ち、画素の不連続性から画像のざらつき感が生じ易い。
そこで、さらに階調数を増やすために、記録ドット自体
を多値化する方法が行われている。例えば、記録ヘッド
に印加する電圧またはパルス幅等を制御することによ
り、被記録媒体に付着する記録ドットの径を変調して階
調を再現する方法が知られている。しかし、このような
方法は環境依存性が高く、記録ドットの径が安定しない
といった点や、記録可能な最小記録ドットの大きさに限
界があり、安定して階調を再現することが難しい。
【0006】また、ドットサイズは一定のまま、ドット
マトリクス(所定面積)内でのドットの密度を変える密
度変調法があるが、階調数を上げるためにはかなりの面
積を必要とするため解像度が悪くなる。
【0007】そこで、このようなインクジェット記録装
置を用いて、階調特性を改善し、高密度でかつ高階調の
画像を得る方法としては、複数の液滴を被記録媒体上の
実質的同一箇所に着弾させて1つのドットを形成すると
ともに、そこに着弾させる液滴の個数を変えることによ
って階調を表現する、いわゆるマルチドロップレット方
式や、濃度の異なる複数のインクを用いて、同系色につ
いて少なくとも2種類の濃度の異なる記録ドットにより
階調を再現する記録方式、または、これら二つの方式を
組み合わせた方式等が提案され実用化されている。
【0008】一方、疑似階調再現の一つの手投として誤
差拡散法(文献:アール フロイド&エル ステインバ
ーグ,「空間的グレースケールのための適応型アルゴリ
ズム」”エスアイ デイ 75 ダイジェスト(R. FLO
YD & L. STEINBERG, "An Adaptive Algorithm for Spat
ial Grey Scale" SID75 DIGEST), pp36-37)がある。
【0009】この誤差拡散法を応用した画像記録方法と
して、例えば、Katoh, Y. Arai, Y.Yasuda による「多
値誤差拡散法」(National Conference of Communicati
on,Department in Showa 53 Year, Society of Electro
nic Communication in Japan (1973),pp504)では、1
つの固定閾値を設ける従来の誤差拡散法に対して、複数
の閾値を設ける誤差拡散方法を実現している。例えば、
画像データの範囲が0〜255であるとすると、従来は
「128」を閾値として誤差拡散して2値データを得て
いるが、上記加藤(katoh)らによる「多値誤差拡散法」
では、2種のインク濃度で濃淡画像を記録する場合、閾
値として「85」,「175」を設定し、2種類の濃度
値で3値化した記録データを得るようにしている。さら
に近年では、3種類以上の濃度値で多値化したデータを
得、高品位な画像を表現する方法の試みもなされてい
る。
【0010】またインクジェット記録装置の記録品位の
低下時の回復手段として、吸引手段や加圧手段により、
記録ヘッドのノズルからインクを排出させて液路内の異
物や気泡を除去し、或いはインク吐出面をワイパーで清
掃する等して吐出口近傍のインク固着物を除去してい
る。また、記録動作中にも、インクの吐出によって記録
ヘッドの吐出口面にインクが付着して吐出不良の原因と
なるので、所定のタイミングで記録ヘッドの吐出口面の
拭き取りが行われる。
【0011】さらに、記録動作中の不使用ノズルから、
溶媒の蒸発で増粘したインクを吐き出さすため、記録と
は別の吐出を行う予備吐出を所定のタイミングで行い、
常に新鮮なインクをノズル内に供給し、安定した記録を
行う方法も行われている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た回復動作により新鮮なインクがノズル内に供給される
が、この回復動作の直後からインクを形成している溶媒
がノズル先端部より徐々に蒸発し、ノズル先端部のイン
ク濃度が時間とともに上昇する現象が見られる。特に、
マルチドロップレット方式や、同系色で濃度の異なるイ
ンクを用いて階調を表現する方式では、インク濃度の上
昇により階調のバランスが崩れ、階調の滑らかさを失
い、これにより疑似輪郭が生じて画質が損なわれる場合
があった。
【0013】本発明は上記従来例に鑑みてなされたもの
で、画像データの濃度に応じて複数の記録剤を重ねて記
録する場合、これら記録剤の濃度変化を予測し、その予
測した濃度値に基づいて記録に使用する記録剤を決定す
るデータを生成する画像処理方法及び装置と、このよう
な記録剤を用いて画像を記録する記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0014】また本発明の目的は、同系色で濃度の異な
る複数の記録剤を被記録材上の略同一箇所に重ねて記録
して1つの画素を形成して階調を表現する際に、各記録
剤の濃度変化を予測して、重ねる記録剤を変更する画像
処理方法及び装置と、このような記録剤を用いて画像を
記録する記録装置を提供することにある。
【0015】又本発明の目的は、周囲環境に対応した記
録剤の濃度変化を予測し、その予測した濃度値に基づい
て記録に使用する記録剤を決定するデータを生成する画
像処理方法及び装置と、このような記録剤を用いて画像
を記録する記録装置を提供することにある。
【0016】更に本発明の目的は、上述のようにして記
録剤の濃度変化を予測し、その予測した濃度値に基づい
て記録に使用する記録剤を決定して記録を行うととも
に、その記録される画素の濃度値と実際の画素データの
濃度値との誤差を、その画素の周辺画素に振り分けて濃
度補間を行うことにより、より階調の再現性を高めた画
像データを作成する画像処理方法及び装置と、このよう
な記録剤を用いて画像を記録する記録装置を提供するこ
とにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像処理装置は以下のような構成を備える。
即ち、画像濃度に対応した異なる濃度の記録剤の重ね記
録情報を記憶する記憶手段と、入力した画像信号の注目
画素濃度に基づいて、前記記憶手段に記憶された重ね記
録情報を選択する選択手段と、前記選択手段により選択
された重ね記録情報に基づく記録剤の濃度変化を予測す
る予測手段と、前記予測手段により予測される濃度変化
に基づいて、前記選択手段により選択された重ね記録情
報を補正し、記録を行うための記録情報として決定する
決定手段とを有することを特徴とする。
【0018】上記目的を達成するために本発明の画像処
理方法は以下のような構成を備える。即ち、画像濃度に
対応して異なる濃度の記録剤を用いて画像を記録するた
めの画像情報を求める画像処理方法であって、画像濃度
に対応した異なる濃度の記録剤の重ね記録情報を記憶す
るメモリを有し、入力した画像信号の注目画素濃度に基
づいて、前記メモリに記憶された重ね記録情報を選択す
る選択工程と、前記選択工程で選択された重ね記録情報
に基づく記録剤の濃度変化を予測する予測工程と、前記
予測工程で予測される濃度変化に基づいて、前記選択工
程で選択された重ね記録情報を補正し、記録を行うため
の記録情報として決定する決定工程とを有することを特
徴とする。
【0019】上記目的を達成するために本発明の記録装
置は以下のような構成を備える。即ち、それぞれ異なる
濃度の記録剤を用いて記録を行う複数の記録ヘッドを備
えた記録装置であって、画像濃度に対応した異なる濃度
の記録剤の重ね記録情報を記憶する記憶手段と、入力し
た画像信号の注目画素濃度に基づいて、前記記憶手段に
記憶された重ね記録情報を選択する選択手段と、前記選
択手段により選択された重ね記録情報に基づく記録剤の
濃度変化を予測する予測手段と、前記予測手段により予
測される濃度変化に基づいて、前記選択手段により選択
された重ね記録情報を補正し、記録を行うための記録情
報として決定する決定手段と、前記決定手段により決定
された記録情報に応じて前記複数の記録ヘッドのそれぞ
れを駆動して前記注目画素を記録媒体上に記録する記録
制御手段とを有することを特徴とする。
【0020】上記目的を達成するために本発明の記録装
置は以下のような構成を備える。即ち、インクを吐出し
て記録を行うインクジェット記録装置において、吐出さ
れるインクの経時変化によって生じる記録濃度の変化を
予測する予測手段と、前記予測手段により予測された濃
度変化を補正する濃度補正手段とを有することを特徴と
する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の好適な実施の形態を詳細に説明する。また本実施の形
態では、説明を簡単にするため、加成性のあるインク/
フィルム系を使用して透過画像(transmission image)を
記録する場合を例にして説明する。
【0022】[加成性(additive property)について]
まず、加成性のあるインク/フィルム系とは、透過画像
を記録する際に使用する透過フィルムにインクジェット
法により画像を記録する場合、同じ画素位置に複数回イ
ンクを重ね打ちすると、その画素の濃度が上昇すること
をいう。
【0023】この加成性の成り立つ一例を挙げる。
【0024】記録シートとして、トランスペアレンシィ
フィルム(CF−301)上に、染料系のC.I.ダイ
レクトブラック19の2%溶液を、インクジェットプリ
ンタを用いて一様に記録すると0.8Dの透過濃度(tra
nsmission density)を持つ画像となり、また同様に、
C.I.ダイレクトブラック19の1%溶液を用いて一
様に記録すると0.4Dの透過濃度を持つ画像となる。
更に、これら2種類の濃度のインクを重ね合わせて記録
すると1.2Dの透過濃度を得ることができる。このイ
ンク/フィルム系では、“0”から“2.5D”の範囲
で加成性がほぼ成り立つことが実験で確かめられてい
る。
【0025】このような、加成性の成り立つインク/フ
ィルム系においては、濃度の異なる複数種のインクを同
じ画素位置に重ね打ちすることにより、表現できる階調
数を大幅に増やすことができる。
【0026】[インクの濃度について]次に、インクジ
ェットヘッドユニットのインク濃度について説明する。
【0027】まず、4種類のインクを用いて画像形成す
る場合を考える。ここではインクが記録媒体上で溢れる
ことなく一画素に4回の重ね打ちができ、かつ、加成性
が成り立つ場合には、インクD1、D2、D3、D4の
濃度の比を1:2:4:8として、各インクの吐出の組
み合わせを変えて、記録できる階調数を最大とすること
ができる。
【0028】図3は、画像データ(濃度データ)に対す
るインク吐出を説明するためのインク種分配テーブルの
内容を示す図である。
【0029】図中、d1〜d4はインクD1からD4に
対する吐出の有無を表すデータであり、その値が“1”
ならばそのインクを吐出すること、“0”ならば非吐出
を意味する2値データである。一例として、画像データ
(濃度データ)が“10”の場合には、同じ画素位置に
インクD2とD4が重ねて吐出される(d2=d4=
1)。ここでは、インクD1〜D4の濃度比を前述のよ
うに“1:2:4:8”としているために、これらの各
インクの組み合わせることにより、濃度“0”から“1
5”までの画像データを連続した濃度で表現することが
できる。つまり、インクの濃度がn種類あり、記録媒体
が同じ位置にn回重ね打ちされたインク量を吸収できる
場合、最大の階調数を表現するための各インクの濃度比
は、 D1:D2:…:Di:…:Dn = 1:2:…:2
の(i-1)乗:…:2の(n-1)乗 であり、そのときの最大階調数Dsは、 Ds=(1+2+…+2の(i-1)乗+…+2の(n-1)乗)
+1=2のn乗 で表されることが分かる。
【0030】言い換えれば、n種類の濃度のインクを備
える場合、濃度比が、1:2:…:2の(i-1)乗:…:
2の(n-1)乗で表されるn種類のインクを組み合わせる
ことにより、1画素あたりの階調数を最大の2のn乗に
することができる。
【0031】以下、図面を参照して本実施の形態を説明
する。尚、以下に説明する本実施の形態ではインクジェ
ット記録装置の構成として説明するが本発明はこれに限
定されるものでなく、例えば、本実施の形態における画
像データから記録データの変換処理はホストコンピュー
タ等のコンピュータ機器で行われても良く、また或はプ
リンタドライバ等により実行されても良い。
【0032】また本実施の形態ではインクジェット記録
装置の例で説明するが、本発明はこれに限らず、例えば
カラー熱転写記録装置などであっても良い。
【0033】[実施の形態1]図1は、本実施の形態1
のインクジェット記録装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0034】図1において、1はスキャナなどの画像入
力部、2は各種パラメータの設定およびプリント開始を
指示する各種キーを備えている操作部、3は記憶媒体4
に記憶された各種プログラムに従ってこの記録装置全体
を制御するCPUである。記憶媒体4は、制御プログラ
ムやエラー処理プログラムに従ってこの記録装置を動作
させるためのプログラムなどを格納している。本実施の
形態の動作はすべてこのプログラムに基づいて実行され
る。このようなプログラムを格納する記憶媒体4として
は、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカー
ド、光磁気ディスクなどを用いることができる。
【0035】記憶媒体4において、4aはガンマ変換処
理で参照するためのガンマ補正変換テーブル、4bは後
述のインク種分配処理で参照するためのインク種分配テ
ーブル、4eは多階調処理とインク種分配処理の過程で
参照される、非吐出の時間に対するインク濃度の上昇度
合いを示すデータを記憶しているインク濃度変化特性テ
ーブル、4dは各種プログラムを格納している制御プロ
グラム群をそれぞれ示している。
【0036】5はRAMで、記憶媒体4の各種プログラ
ムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び
画像処理時のワークエリアとして用いられる。また、こ
のRAM5に記録媒体4の各種テーブル4a,4b,4
d,4eをコピーした後、そのテーブルの内容を変更
し、この変更したテーブルを参照しながら後述する画像
処理を行うことも可能である。6は画像処理部で、入力
画像データを基にインクジェット法により多階調を実現
するための吐出パターンを作成する。7はプリンタ部
(プリンタエンジン)で、画像の記録時に画像処理部6
で作成された記録データに基づいて、記録用紙等の記録
媒体にドット画像を形成する。8はバスラインで、上述
の各部を接続し、アドレス信号、データ、制御信号など
を伝送している。
【0037】次に、図2を参照して実施の形態1の画像
処理部6について説明する。
【0038】図2Aは実施の形態1の画像処理部6にお
ける処理の流れを示す図である。
【0039】画像入力部1で入力された画像信号CVは
ガンマ補正処理11に入力されて、ガンマ補正変換テー
ブル4aを参照して濃度を表す濃度信号CDに変換され
る。こうしてガンマ補正された画像の濃度信号CDは、
RAM5の画像処理ワークエリアのページメモリ領域に
格納される。
【0040】注目画素選択処理12は、RAM5のペー
ジメモリ領域内のこれから処理をしようとする1画素を
選択し、その選択した画素の濃度データCDを得る。イ
ンク種分配処理13では、注目画素選択処理12で選択
された注目画素の濃度値(CD値)を基にインク種分配
テーブル4bを参照して、その注目画素の濃度CDを表
現するための、各種インクの組み合わせ候補を選択す
る。
【0041】濃度上昇補正処理14では、各ノズルの不
使用時間を算定し、最小二乗法演算で線形近似されたイ
ンク濃度変化特性テーブル4bを参照し、インク種分配
処理13で選択された各種インクの組み合わせが、理想
的な濃度に対してどのくらい変動するかを予測する。そ
して必要に応じて、インク種分配処理13で選択された
各種インクの組み合わせを変更して、最適なインク濃度
の組み合わせ、即ち、各画素濃度に対して対応するイン
ク(ヘッド)の吐出、非吐出を示す2値データd1,d
2,d3,…,が決定される。
【0042】このようにして、注目画素に対する2値デ
ータが決定され、その2値データのそれぞれが対応する
インクジェットヘッドユニットに送られて記録が実行さ
れる。
【0043】図2Bは、この実施の形態1の変形例を示
す図で、前述の図2Aと共通する部分は同じ番号で示
し、それらの説明を省略する。
【0044】この実施の形態1の変形例では、更に、そ
の決定されて記録された注目画素の記録濃度とその注目
画素の濃度値との誤差を計算し、その誤差を注目画素の
周辺画素に分配する誤差拡散処理16を行っている。
【0045】濃度誤差計算処理15は、上述したインク
の加成性に従って、濃度上昇補正処理14で決定したイ
ンクの組み合わせで表現できる濃度と注目画素のCD値
との差分を算出する。誤差拡散処理16は、濃度誤差計
算処理15で算出された差分を、RAM5のページメモ
リ上で、その注目画素の周辺画素に配分係数に従って拡
散する。
【0046】このようにして、画像入力部1から入力さ
れた画像データの全ての画素に対して、前述の注目画素
選択処理12から誤差拡散処理16を繰り返すことによ
り、異なるインク濃度のインクを有するそれぞれのヘッ
ドに対する各画素ごとのインク吐出、非吐出の2値デー
タd1,d2,d3,…が作成される。
【0047】プリンタ部7では、こうして決定された2
値データd1、d2、d3、…に応じて、異なる濃度を
有するインクジェットヘッドユニットの対応するインク
吐出口列よりインクを吐出して多階調画像を形成する。
尚、図2A,図2Bにおいて、17−1,17−2、…
は遅延回路であり、各インク吐出列から同じ画素位置に
インクを重ね打ちするためのタイミングをとる働きをす
る。
【0048】次に、図4を参照して本実施の形態のプリ
ンタ部7について説明する。
【0049】図4は、本実施の形態のプリンタ部7の主
要部の構成を示す概観図である。
【0050】キャリッジ20上には、複数のインクジェ
ットヘッドユニット21−1〜21−4が載置されてい
る。それぞれのインクジェットヘッドユニット21は、
インクを吐出するための吐出口(ノズル)列が設けられ
ており、各インクジェットヘッドユニット21は所定の
間隔を置いて設置されている。その結果、各インクジェ
ットヘッドユニットのノズル列の間隔も所定間隔となっ
ている。各インクジェットヘッドユニット21−1〜2
1−4の各ノズル列に供給されるインクは、インクカー
トリッジ22−1〜22−4のそれぞれから供給されて
おり、インクカートリッジ22−1〜22−4のそれぞ
れは、各インクD1、D2、D3、D4を供給するため
のインクカートリッジである。尚、これら各カートリッ
ジに収容されているインクの濃度については後述する。
これらインクジェットヘッドユニット21への制御信号
や記録信号などはフレキシブルケーブル23を介して前
述の画像処理部6より送られる。
【0051】24は被記録媒体で、例えば用紙やプラス
チック薄板等であり、不図示の搬送ローラを経て排紙ロ
ーラ25に挟時され、搬送モータ26の回転駆動に伴っ
て矢印方向に送られる。27はキャリッジ20の走行を
案内支持するためのガイドシャフト、28はリニアエン
コーダで、キャリッジ20の走行位置を検出している。
キャリッジ20は、キャリッジモータ30の回転駆動に
より駆動ベルト29を介して搬送駆動され、ガイドシャ
フト27に沿って往復運動させられる。
【0052】前述のインクジェットヘッドユニット21
のインク吐出口の内部(液路)にはインク吐出用の熱エ
ネルギーを発生する発熱素子(電気・熱エネルギー変換
体)が設けられている。リニアエンコーダ28の読みと
りタイミングに伴い、前記発熱素子を記録データに基づ
いて駆動し、インクD1、D2、D3、D4の順に記録
媒体24上にインク液滴を飛翔させて付着させることに
より、被記録媒体24上に画像を形成することができ
る。
【0053】インクジェットヘッドユニット21による
記録領域外に設定されたキヤリッジ20のホームポジシ
ョンには、キャップ部31−1〜31−4を備える回復
ユニット32が設置されている。これにより記録を行わ
ないときには、キャリッジ20をホームポジションに移
動させてキャップ部31の各キャップ31−1〜31−
4により、対応するインクジェットヘッドユニット21
−1〜21−4のインク吐出口面を密閉し、吐出口内の
インク溶剤の蒸発に起因するインクの固着あるいは塵挨
などの異物の付着などによる目詰まりを防止する。
【0054】また、このキャップ部31は、記録頻度の
低いインク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消するため
に、インク吐出口から離れた状態でキャップ部31にイ
ンクを吐出させる空吐出に利用されたり、またキャップ
部31によりインク吐出口をキャップした状態で不図示
のポンプを作動させてインク吐出口からインクを吸引す
ることにより、吐出不良を起こしたインク吐出口の吐出
回復に利用される。33はインク受けで、各インクジェ
ットヘッドユニット21−1から21−4が記録直前に
インク受け33上部を通過する時に、このインク受け3
3に向けて予備吐出を行うのに利用される。またキャッ
プ部31の隣接位置に不図示のブレード、拭き部材を配
置することにより、インクジェットヘッドユニット21
−1〜21−4のインク吐出口形成面をクリーニングす
ることが可能である。
【0055】図5は、インクジェットヘッドユニット2
1−1〜21−4のインク吐出口(ノズル)列の配置を
被記録媒体24側から見た図である。この図5を参照し
て、本実施の形態のプリンタ部7におけるインク吐出口
列の構成および画像形成法について説明する。
【0056】図5において、40−1〜40−4のそれ
ぞれはインクD1乃至D4を吐出する吐出口列であり、
各ユニットの吐出口列は1インチあたり600ドット
(600dpi)ピッチで、縦(副走査)方向に256
個の吐出口を備えている。こうして主走査方向へのキャ
リッジ20の1回の走査により、副走査方向にインクD
1からD4の4種類のインクを重ね合わせた256ドッ
ト幅の画像を形成することができる。これによりプリン
ト時間を短くして高階調の画像を生成できる。
【0057】図6は、本実施の形態のインク種分配テー
ブル4bの構成を示す図で、画像データ(濃度データ)
に対するインクD1、D2、D3、D4の吐出(1)・
非吐出(0)を表わす2値データを記憶するインク種分
配テーブルと、各インクD1、D2、D3、D4の透過
濃度と、インクの組み合わせによる重ね打ちの透過濃度
を表わしている。
【0058】ここで濃度データは8ビットで表され、値
の小さい方が低濃度(明るい)、大きい方が高濃度(暗
い)であるとする。また、説明を簡略化するため、被記
録媒体である透明フィルムの透過濃度は「0D」として
いる。更にインクD1、D2、D3、D4のそれぞれの
透過濃度は、インクジェット記録装置で、それぞれのイ
ンクだけで100%べたで記録した時の透過濃度で表わ
し、インクD1、D2、D3、D4の濃度比は、「1:
2:4:8」である。ここでは、8ビットの濃度データ
を「0D」から「2.4D」の16階調で表現する場合
を考える。
【0059】[インクの濃度上昇グラフ]図7は、イン
クの非吐出時間に対する濃度上昇率を表わすグラフの一
例を示す図である。この値は実験結果をもとに、代表濃
度を最小二乗法により線形近似したものである。図7に
おいて、横軸はインクの連続非吐出時間を示し、縦軸は
インクの透過濃度(OD)の上昇率を表わしている。こ
こでいう非吐出時間とは、インクジェットヘッドユニッ
トの1つのノズルからインクを吐出した後、そのノズル
から次にインクを吐出するまでの時間のことである。
【0060】本実施の形態では、インクジェット記録装
置のインクジェットヘッドユニット21において、ノズ
ル列からインクを吐出する周波数が10kHzの場合に
ついて説明する。べた記録の場合、毎秒10,000発
のインク滴がインクジェットヘッドユニット21のノズ
ル列から600dpiのピッチで吐出される。その時の
キヤリッジ20の走査速度は約423.3mm/sec
で、約0.7秒でA3用紙の短辺を走査する。
【0061】図7に示すように、A3用紙の短辺(29
7mm)をキャリッジ20が走査する間、本実施の形態
で使用するインク濃度の上昇率は、連続非吐出時間に比
例することが実験で確かめられている。
【0062】記録のための走査中のインクの濃度上昇
は、ノズル先端部のインク溶剤の蒸発に起因するもので
あるが、一度、濃度が上昇したノズル先端部のインクが
液滴として放出されると、そのノズル先端部に新鮮なイ
ンクが充填される。これによりノズル先端部のインク濃
度は濃度上昇前の規定濃度に戻る。
【0063】図8は、図7における横軸の非吐出時間
を、吐出周波数10kHzの場合の連続非吐出回数で表
現したものである。
【0064】インクの吐出、非吐出を表す2値データを
形成する処理において、このインク濃度上昇グラフを参
照することで、過去の連続する非吐出回数を基にインク
の濃度上昇を予測し、その濃度上昇分に基づいてインク
濃度値を補正する。これにより、インク非吐出間隔が長
くなることによるインク濃度の上昇に影響されることな
く、所望の濃度の画像を記録することが可能となる。
【0065】本実施の形態では、画像処理を行う画像処
理部6がインクの濃度上昇を参照しやすいように、図8
を基にインク濃度特性変化テーブル4e(図9)を作成
する。
【0066】本実施の形態では、図8に示すように、連
続非吐出期間が5000回(ドット分)の時点でインク
の濃度上昇率は150%である。これをもとにしてイン
ク濃度変化特性テーブル4eの内容を説明する。
【0067】図9は,本実施の形態におけるインク濃度
変化特性テーブル4eの一例を示す図である。
【0068】この図9に示す値は、図8で示した連続非
吐出回数に対応する濃度上昇率dDに基づいて計算した
結果に基づいており、連続非吐出回数に対応して図9の
インク濃度変化特性テーブル4eに書き込まれている。
このように予め計算した結果を書き込んだインク濃度変
化特性テーブル4eを作成しておくことにより、画像処
理部6における計算量を減らすことができ、処理の高速
化が可能となる。ここで濃度上昇率dDを4バイトのデ
ータとすると、インク濃度変化特性テーブル4eのアド
レスオフセットは4アドレスおきとなる。
【0069】図9において、連続非吐出回数はアドレス
のオフセットに対応し、そのアドレスに対応させるには
非吐出回数を4倍すればよい。この値をインク濃度変化
特性テーブル4eのベースアドレスに加算してアクセス
するアドレスを求め、そのアドレスの内容を読み出すこ
とにより濃度上昇率を求めることができる。更に、この
濃度上昇率に、求めようとするインクの基本濃度を乗じ
ることにより、その時点でのインク濃度が予測できる。
【0070】[画像処理部6の詳細]画像処理部6にお
ける処理例について図2を用いて説明したが、ここで、
インク吐出、非吐出を示す2値データの作成方法を具体
的に説明する。
【0071】図10は、図4で示したプリンタ部7の主
走査の概略を示す図である。図10(a)は、プリンタ
部7の記録部を被記録媒体24の記録面に平行な側面
(図4に平行な方向)から見た図、図10(b)は、記
録部の被記録媒体24を上(図4に垂直な方向)から見
た図である。
【0072】プリント開始信号がプリンタ部7に送られ
ると、インクジェットヘッドユニット21−1から21
−4を搭載したキャリッジ20は、不図示のホームポジ
ションから矢印Sの方向に移動を開始し、インクジェッ
トヘッドユニット21−1が、インク受け33を通過す
る時点ではキャリッジ20は一定速で移動している。イ
ンク受け33の上部を各インクジェットヘッドユニット
がインクジェットヘッドユニット21−1、21−2、
21−3、21−4の順番で通過し、Aの位置(インク
受け33の位置)でインク受け33に予備吐出を行う。
【0073】この実施の形態では、被記録媒体24のB
−Cの問が記録領域で、Dで示された位置から記録が開
始される。
【0074】1回目の走査で、図10(b)に示す幅E
−Fの画像が記録され、次の走査で幅F−Gで示される
幅の画像が記録される。ここで本実施の形態のインクジ
ェット記録装置のインクジェットヘッドユニット21が
ノズル列からインクを吐出する周波数は10kHz、主
走査方向の記録密度は600dpiである。これより、
キャリッジ20の主走査速度は約423.3mm/se
cである。また予備吐出位置Aから記録開始位置Dまで
の距離は211.7mmであるとする。以上の前提に基
づいて、各インクジェットヘッドユニット21は、予備
吐出後0.5秒で記録開始位置Dに到達し、記録データ
に従って記録を開始する。
【0075】前述のように、インクの吐出を行うと、イ
ンクジェットヘッドユニット21のそのノズル先端部で
濃度上昇したインクが液滴となって飛び出すため、その
インクが吐出されたノズル先端部のインク濃度は正常値
に戻る。
【0076】図6で示したインク種分配テーブル4b、
インク濃度、濃度データに対する重ね打ち濃度を使用
し、各インクD1、D2、D3、D4の濃度上昇率はと
もに、図7及び図8の特性であるとする。このとき図1
0(a)(b)において、インク受け33の位置Aでの
予備吐出の直後にノズル先端部のインク濃度は正常値と
なり、記録開始位置Dで各インクのノズル先端部の濃度
は約50%上昇していることになる。
【0077】図11は、図10に示すように、被記録媒
体24に記録するためにRAM5の画像処理ワークエリ
アのページメモリ領域に格納された画像データの濃度デ
ータの一例を示している。図において、D,E,S等の
記号は図10の各記号に対応し、図11における1つの
枠は、記録される600(dpi)画像の1画素データ
に相当する。
【0078】図11の例では、濃度「100」の画素が
3つ連続し、次に濃度「0」の画素が6画素、その後に
濃度「100」の画素が複数連続しており、同様のパタ
ーンが以下に続くものとする。
【0079】本実施の形態での、記録された濃度値(O
D)と濃度データとの関係は、以下の式で表わされる。
【0080】OD=(2.4/255)×濃度データ 以上のように、濃度データとOD値は比例関係にあるの
で、各インクに対応する記録データの生成に当たって
は、OD値ではなく濃度データのデジタル値でインク濃
度を予測しながら処理を行う。即ち、OD値の50%上
昇は、濃度データでの50%上昇に相当する。
【0081】一方、図8より、キャリッジ20が1画素
分移動するごとに未吐出のノズルのインク濃度は0.0
1%上昇する。しかし、図11のx方向に示された10
画素程度であれば、そのインク濃度上昇率は0.1%と
なるので、説明を簡単にするためここでは、これら連続
する濃度値「0」の6画素でのインク非吐出によるイン
ク濃度の上昇は無視して以下に説明する。
【0082】また、図6におけるインクD1、D2、D
3、D4のそれぞれの透過濃度は、濃度データでそれぞ
れ「17」、「34」、「68」、「136」に相当す
るものとする。
【0083】図12は、図6に示すインク種分配テーブ
ル4bに、前述の図2Bに示す処理に対応する多値誤差
拡散の閾値と、インクの透過濃度の濃度データ相当値を
追加したものである。
【0084】図13は、前述の実施の形態1の変形例で
行う多値誤差拡散処理16(図2B)において、注目画
素の誤差を周辺画素へ配分するための重み付けの一例を
示している。図において、「*」は注目画素を示す。イ
ンクの組み合わせで表現可能な濃度(OD)と濃度デー
タとの差分(誤差)を、図13に示した誤差配分係数に
従って注目画素の周辺画素に振り分ける。
【0085】図11において、上辺、左辺に割当てられ
た「0」から始まる番号は画素のアドレスを示してい
る。横方向をx、縦方向をyとし、任意の画素を座標
(x,y)で表わしている。即ち、画素(0,0)は図
11の左上の画素を示す。更に、主走査方向Sにインク
ジェットヘッドユニット21が移動するため、主走査方
向に並んだ画素行は、各インク濃度のインクジェットヘ
ッドユニット21の1つのノズルに対応している。
【0086】まず最初に、画素(0,0)に注目して処
理を行う。画素(0,0)の濃度データは「100」で
ある。図12よりインクの組み合わせを考えると、組合
わせ番号(No.)が「6」のインクD2とD3の組み
合わせが候補として選択される。しかし、図10を参照
して前述したように、この記録開始点Dに到達した時点
でインクD2、D3ともインク濃度が50%上昇してい
る。これにより、インクD2の濃度は「34」から「5
1」に、インクD3の濃度は「68」から「102」に
上昇していると予測される。これにより、インクD2と
D3の組み合わせでは、その重ね打ち濃度は、目標濃度
「102」に対して約50%濃度が高い「153」とな
ってしまう。
【0087】ここで図12で得られる理想的なインクの
組合わせ濃度レベルは「102」であり、画素(0,
0)の濃度「100」を表現する場合を考えると、イン
クD2は濃度「51」に上昇しているのでインクD2を
吐出させずに、インクD3(予測濃度値「102」)だ
けを吐出させる。これにより、記録される予測濃度は
「102」となる。このようにして決定されたインクの
組み合わせは、各インクの吐出、非吐出の2値データと
して、メモリMd1、Md2、Md3、Md4の画素に
対応したアドレスに記憶される。
【0088】以上が図2Bにおける濃度上昇補正処理1
4までの処理(図2Aに対応)に関する説明である。前
述したように、こうして決定された2値データがインク
ジェットヘッドユニットに出力されて、その画像濃度に
応じた画像を記録されることになる。更に、これに図2
Bに示す濃度誤差計算15及び誤差拡散処理16を実行
する場合で説明する。
【0089】このときの差分誤差は、画素(0,0)の
濃度データ「100」から表現可能な予測濃度値「10
2」を引いた差分「−2」となる。これを図13で示し
た誤差配分係数に従って注目画素の周囲画素に振り分け
ると、右隣の画素(1,0)には「−1」、真下の画素
(0,1)には「−0.75」が振り分けられる。この
ようにして、対象となるそれぞれの周辺画素に誤差が加
算されることにより、画素(1,0)の濃度値は「9
9」に、画素(0,1)の濃度値は「99.25」に書
き換えられる。
【0090】以上で、注目した画素(0,0)に対する
処理が終了し、インクD1、D2、D3、D4の画素
(0,0)に対する吐出、非吐出の2値データd1、d
2、d3、d4が決定される。
【0091】次に注目画素を図11における右隣の画素
(1,0)に移す。この画素(1,0)の濃度データ
は、前述の画素(0,0)の誤差拡散により濃度値「9
9」になっている。ここでも画素(0,0)の場合と同
様にして図12のテーブルを参照し、組合わせ番号(N
o.)が「6」のインクD2とD3の組み合わせ(濃度
値「102」)がもっとも近い候補値として選択され
る。前述のように画素(0,0)ではインクD3は吐出
されているため、インクD3の濃度はほぼ正常値に戻っ
ている。これに対し他の濃度のインクは、図10(a)
の位置Aでの予備吐出以後全く吐出されてていないた
め、前述と同様に濃度値が50%上昇したままである。
【0092】濃度予測でインクD2の濃度値は「5
1」、インクD3の濃度値は「68」で、インクD2と
D3の組み合わせで濃度レベルは「118」となる。ま
た、インクD1は50%濃度が上昇しているため、その
濃度値は「17」の1.5倍の「25.5」である。従
って、インクD1とD3の組み合わせによる濃度値は
「93.5」となり、インクD1とD3の組み合わせに
よる濃度値の方が、インクD2とD3との組み合わせよ
りも画素(1,0)の濃度レベル「99」を表現するの
に適していることになる。よって、この場合は、インク
D1とD3とを吐出する。このようにして決定されたイ
ンクの組み合わせは、各インクの吐出、非吐出を示す2
値データとして、メモリMd1、Md2、Md3、Md
4の、その画素(1,0)に対応したアドレスに記憶さ
れる。
【0093】この時の差分誤差は、画素(1,0)の濃
度レベル「99」から表現可能な予測濃度値「93.
5」を引いた差分「5.5」となる。これを図13に示
した誤差配分係数に従って注目画素の周辺画素に振り分
けると、右隣の画素(2,0)には「22/8」、真下
の画素(1,1)には「16.5/8」、左斜め下の画
素(0,1)には「5.5/8」がそれぞれ振り分けら
れ、注目画素の各周辺画素(2,0)、(1,1)、
(0,1)の濃度値に、これらの誤差がそれぞれ加算さ
れる。
【0094】同様に注目画素を更に右隣の画素(2,
0)に移す。この画素(2,0)の濃度は画素(1,
0)からの誤差拡散により「102.75」になってい
る。図12の閾値を参照すると、組合わせ番号(N
o.)が「6」のインクD2とD3の組み合わせが候補
として選択される。これらインクD1とD3は画素
(1,0)で吐出されているため、これらインクD1と
D3の濃度は正常値に戻っている。これに対し他のイン
クは、予備吐出以後、全く吐出されていないため、それ
らの濃度値が50%上昇したままである。
【0095】これに基づいて濃度予測を行うと、インク
D2の濃度値は「51」、インクD3の濃度値は「6
8」となり、インクD2とD3の組み合わせで濃度は
「118」となる。また、インクD1とD3の組み合わ
せの場合では濃度は「85」で、インクD2とD3の組
み合わせの方が、画素(2,0)の濃度レベル「10
2.75」を表現するのに適していることが分かる。こ
うして画素(2,0)を記録するためにインクD2とD
3とが吐出される。こうして決定されたインクの組み合
わせは、各インクの吐出、非吐出の2値データパターン
として、メモリMd1、Md2、Md3、Md4の画素
(2,0)のデータが記憶されていたアドレスに記憶さ
れる。
【0096】この時の差分誤差は、画素(2,0)の画
像濃度値「102.75」から予測濃度値「118」を
引いた差分「−15.25」となる。これを図13で示
した誤差配分係数に従って周囲の画素に振り分けると、
右隣の画素(3,0)には「−61/8」、真下の画素
(2,1)には「−45.75/8」、左斜め下の画素
(1,1)には「−15.25/8」がそれぞれ振り分
けられ、対象となるそれぞれの周辺画素(3,0)、
(2,1)、(1,1)の濃度値に、これら各誤差が加
算される。
【0097】このように、画像の各画素の濃度値を基に
前述の処理を、それぞれ順次選択された主走査方向Sの
注目画素に対して行うことにより、異なるインク濃度を
持つそれぞれのインクジェットヘッドユニット21に対
する各画素ごとのインク吐出、非吐出の2値データd
1、d2、d3、d4が求められる。これらは、各イン
ク毎にインク吐出、非吐出を示す2値データとして、メ
モリMd1、Md2、Md3、Md4の、それら画素デ
ータ(濃度データ)が記憶されていたアドレスに記憶さ
れる。
【0098】こうして1主走査ラインの画素データに対
する処理が終了すると、今度は注目画素を次の走査ライ
ンの先頭画素(0,1)に移し、前述と同様に主走査方
向Sに向かって処理を開始する。この時には、注目画素
が画素(0,0)の時と同様に、注目画素(0,1)の
位置では、各インクの濃度は50%上昇しているとの予
想のもとに処理を始める。以下、各走査ラインごとに同
様の処理を繰り返し、インクの吐出、非吐出を示す2値
データが作成され、それぞれ元の画素データが記憶され
ていたメモリのアドレスに記憶される。
【0099】図14(a)〜(d)は、本実施の形態で
RAM5上に作成されたインクD1、D2、D3、D4
の吐出、非吐出を示す2値データ(ビットプレーン)M
d1、Md2、Md3、Md4の一例を示す図である。
この2値データに応じて、各インクジェットヘッドユニ
ット21−1〜21−4が、キャリッジ20の走行に同
期して駆動される。即ち、図14(a)〜(d)の例で
は、インクジェットヘッドユニット21−1は2値デー
タMd1に応じて駆動され、インクジェットヘッドユニ
ット21−2は2値データMd2に応じて,以下同様
に、インクジェットヘッドユニット21−3,21−4
はそれぞれ2値データMd3、Md4に基づいて駆動さ
れる。
【0100】図15は、本実施の形態におけるインク種
分配テーブル4bを基にインクの組み合わせを変更し、
図14(a)〜(d)に示す2値データに基づいて各イ
ンクジェットヘッドユニットが駆動されることにより記
録が行なわれた例を示す図で、図11に示すような入力
した濃度データに対応して、実際に記録される濃度値
(OD)が示されている。
【0101】図15に示すように、画像の記録開始部分
Dにおける極端な記録濃度の上昇が抑えられていること
が分かる。即ち、インク濃度の上昇を考慮しない場合に
は、濃度「100」の画素(0,0)が記録される濃度
値は図12の濃度値「102」に対応してインクD2と
d3の組み合わせとなる。これにより記録される濃度
は、50%のインク濃度の上昇により(「51」+「9
6」=)「147」となるのに対し、この実施の形態に
よれば、「102」に抑えられている。
【0102】尚、以下に説明する実施の形態2乃至6、
及びそれらの各変形例において、上述した濃度誤差計算
処理、誤差拡散処理及び2値データに基づく記録処理の
説明を省略するが、以下の実施の形態でも、その基本原
理は同じである。
【0103】[実施の形態2]図16は本発明の実施の
形態2のインクジェット記録装置の概略構成を示すブロ
ック図で、前述の図1と共通する部分は同じ番号で示し
ている。尚、以下の実施の形態2,3において、濃度誤
差計算処理15及び誤差拡散処理16における処理の説
明は前述の実施の形態1の場合と同様であるため、それ
らの説明を省略する。
【0104】記憶媒体4において、4eは、インクの連
続非吐出の時間に対するインク濃度の変化特性を示すイ
ンク濃度変化テーブル(図9)、5は記憶媒体4中の各
種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避
エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いるRA
Mである。各種プログラムのワークエリアの内には、濃
度変化の予測で使用する、各インクジェットヘッドユニ
ットのノズルの連続非吐出回数をカウントする記録履歴
カウンタ5aが含まれる。また、RAM5は、記録媒体
4の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの
内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画
像処理を進めることも可能である。また、RAM5に
は、濃度変動データをもとに直接、インク濃度変化特性
テーブル4eを作ることも可能である。
【0105】図17Aは、本発明の実施の形態2の画像
処理部6における画像処理の流れを説明する図である。
尚、この実施の形態2のインクジェット記録装置の構成
は前述の図1と同様であるため、その説明を省略する。
また前述の図2と共通する部分は同じ番号で示してい
る。
【0106】図17Aは、キャリッジ20の1回の主走
査により記録ヘッド幅分の画像のプリントを完了する
(1パス)プリントアルゴリズムの画像処理例を説明す
るための流れ図である。
【0107】この実施の形態2では、前述の実施の形態
1でも述べたように、インクの連続非吐出時間が長くな
ると、そのノズルのインク濃度が高くなるため、各ノズ
ル毎に記録履歴を記憶するためのカウンタ5aを備えて
いる。この記録履歴カウンタ5aの数は、このインクジ
ェット記録装置で使用されるインクの種類とプリントア
ルゴリズムにより決定され、このカウンタ5はハードウ
ェアの形態で設けられても、或は図16のようにRAM
5に設けられても良い。
【0108】例えば、各濃度のインクを備えたインクジ
ェットヘッドユニットの、画像1ラインに対応する1つ
のノズルを使用し、その画像データの1ラインを、1回
の主走査でプリントするアルゴリズム(1パスプリン
ト)の場合は、その主走査方向の走査では各ヘッドユニ
ットのノズルが順番に選択されるので、記録履歴カウン
タ5aはその1ラインをプリントするのに使用されるノ
ズルの数(インクジェットヘッドユニットの数)だけあ
ればよい。
【0109】この実施の形態2では、インクD1,D
2,D3,D4に対応する記録履歴カウンタ5aを設
け、それらをC1,C2,C3,C4とする。
【0110】最初に、ガンマ補正処理11は画像入力部
1から入力される画像信号CVを、ガンマ補正変換テー
ブル4aを用いて濃度を表す信号CDに変換し、RAM
5の画像処理用のワークエリアのページメモリ領域に格
納する。次に、各インクジェットヘッドユニット21に
対応した記録履歴カウンタ5aに初期値をセットする
(S11)。これら初期値は、各走査におけるプリント
前の予備吐出位置(図10のA)から、画像のプリント
開始位置(図10のD)までのヘッドの移動時間をプリ
ントドット数に換算した値である。
【0111】注目画素選択処理12では、インクジェッ
トヘッドユニット21の移動に伴って、RAM5のペー
ジメモリ領域に記憶されている、これから処理をしよう
とする1画素データを順次選択して読み出し、その画素
の濃度データCDを得る。
【0112】インク種分配処理13では、その読み出し
た注目画素のCD値を基に、図6に示すインク種分配テ
ーブル4bを参照して、注目画素の濃度値CDを表現す
るインクの組み合わせ候補を選択する。
【0113】濃度変化予測処理10では、その画素をプ
リントするのに使用するノズルの記録履歴カウンタ5a
の値を基に、実験値から最小二乗法演算で線形近似した
インク濃度変化特性テーブル4e(図9)を参照し、理
想的な濃度に対して、実際にプリントした場合のインク
濃度がどのくらい変動するかを予測する。
【0114】こうして注目画素の濃度値に対応して、各
濃度のインクを有する各インクジェットヘッドにおける
吐出、非吐出を示す2値データd1,d2,d3,…が
決定され、この2値データのそれぞれが各対応するイン
クジェットヘッドユニットに送られてヘッドユニットが
駆動されることにより記録が行われる。
【0115】S12では、各インクジェットヘッドユニ
ットのノズルにおけるインクの吐出、非吐出を示す2値
データd1,d2,d3,…を基に、それらのノズルに
対応する記録履歴カウンタC1,C2,C3,…に対す
る処理を行う。ここでは、インク非吐出と決定されたノ
ズルに対応する記録履歴カウンタ5aは、そのカウント
値を1つだけカウントアップ(インクリメント)し、イ
ンク吐出と決定されたノズルに対応する記録履歴カウン
タ値は「1」に設定される。即ち、本実施の形態2にお
ける記録履歴カウンタ5aの値は、ノズルの連続的な非
吐出ドット数を表わすことになる。
【0116】このようにして画像の濃度値(CD)を基
に、図17Aの注目画素選択処理12から濃度上昇補正
処理14までの処理を、1ラインの画像データの全ての
画素に対して行い、更にS11の履歴カウンタの初期化
を各ライン毎に行うことにより、異なる濃度のインクを
有する各ヘッドユニットに対する各画素ごとのインク吐
出、非吐出の2値データd1,d2,d3,…が生成さ
れる。
【0117】図17Bは、この実施の形態2の変形例を
示すフローチャート図で、前述の図17Aと共通する部
分は同じ番号で示し、それらの説明を省略する。
【0118】ここでは記録に使用する2値データを求め
た後、前述の実施の形態1の変形例のように、濃度上昇
補正処理14により、濃度変化予測処理10の予測濃度
をもとに、インク種分配処理13で選択されたインク種
の組み合わせでの濃度変動を計算し、必要に応じてイン
クの組み合わせを変更し、最適な濃度のインクの組み合
わせ、即ち、各濃度のインクを有する各インクジェット
ヘッドにおける吐出、非吐出を示す2値データd1,d
2,d3,…が決定している。
【0119】即ち、濃度誤差計算15では、加成性に従
い濃度上昇補正処理14で決定したインクの組み合わせ
で表現できる濃度、即ち、濃度変化予測を考慮した濃度
(OD)と、注目画素の濃度値(CD値)との差分を算
出する。誤差拡散処理16では、濃度誤差計算15で算
出された差分(誤差)を、ページメモリの、その注目画
素の周辺画素に図13に示す配分係数に従って拡散させ
る。
【0120】以上の処理を行うことにより、注目画素に
対する処理が終了する。
【0121】このようにして画像の濃度値(CD)を基
に、図16の注目画素選択処理12から誤差拡散処理1
6までの処理を、画像データの全ての画素に対して行う
ことにより、異なる濃度のインクを有する各ヘッドユニ
ットに対する各画素ごとのインク吐出、非吐出の2値デ
ータd1,d2,d3,…が生成される。
【0122】尚、濃度誤差計算処理15,誤差拡散処理
16の詳細は、図11〜図15を参照して前述した説明
と同様であるため、その詳細な説明を省略する。
【0123】図18は、あるノズルにおけるインク濃度
が吐出状態により変化する例を説明するための図であ
る。
【0124】図18では、予備吐出から最初に1ドット
のインクが吐出されるまで時間とともにインク濃度が上
昇し、一回のインク吐出でインク濃度が標準に戻り、そ
の後、インクの非吐出状態が連続すると時間とともにイ
ンク濃度が上昇していることが分かる。また、連続して
インクを吐出し続けると、そのノズルのインク濃度は上
昇しないことが分かる。
【0125】前述の実施の形態では、連続する非吐出数
を示す各カウント値毎に濃度上昇率データを参照した
が、人間の目の認識能力を考慮すると、図9に示したよ
うな各非吐出回数(N)ごとに濃度上昇率を参照する必
要はなく、例えば、2つおき、4つおき、8つおき、…
というように、連続非吐出回数のある値毎に参照しても
よい。特に、隣接する濃度変化特性テーブル値の差分に
インクの濃度上昇前の濃度を掛けた値が「0.01D」
以下ならば画質への影響は少ないと考えられる。
【0126】また、低濃度のインクは、高濃度のインク
よりも濃度上昇率に対する濃度値(OD)の変化が少な
いので、低濃度のインクの場合は高濃度のインクの場合
よりもより大きな範囲で参照しても良い。例えば、図9
の場合において、どの程度まで分割できるかを計算す
る。
【0127】ここで、連続非吐出回数のいくつおきに参
照するかを示す数、即ち、図9の連続非吐出回数をいく
つに分割するかを示す数をxとすると、上記から、 x < 0.01×(5000/0.5)/(インク濃
度) が成り立つ。
【0128】そこでこの実施の形態2で示したインク濃
度D1,D2,D3,D4のOD値をもとに、xの値を
画像処理部で処理し易いように2のべき乗で考えると、
以下のようになる。
【0129】インクD1(0.16D):x=512 インクD2(0.32D):x=256 インクD3(0.64D):x=128 インクD4(1.28D):x=64 特に、各インクごとにテーブルを持つ場合、インクD
1,D2,D3,D4で濃度変化特性テーブル(図9)
のデータ量を、例えば1/512、1/256,1/1
28,1/64にできる。これにより、インク濃度変化
特性テーブル4eのメモリ容量を大幅に少なくでき、経
済的な効果が期待できる。
【0130】また、インク濃度変化特性テーブル4eを
共用する場合でも図9のテーブルの1/64に容量を減
らすことができる。
【0131】この場合のテーブル参照方法は、記録履歴
カウンタの値を必要なだけビットシフトにより、記録履
歴カウンタの値を2のべき乗分の1とし、余りは切り捨
て、その値をインク濃度変化特性テーブル4eのベース
アドレスに加算し、そのアドレスにある濃度情報を読み
出せばよい。[実施の形態3]次に本発明の実施の形態
3を説明する。
【0132】図19は、本発明の実施の形態3のインク
ジェット記録装置の構成を示すブロック図で、前述の実
施の形態1及び2の構成と共通する部分は同じ番号で示
し、その説明を省略する。
【0133】図19において、4fはキャリッジ移動特
性テーブルで、キャリッジ20の走行駆動を行うキャリ
ッジモータ20の速度変化特性を記憶している。
【0134】図20Aは、実施の形態3における画像処
理を説明するための流れ図で、前述の図2A及び図17
Aと共通する部分は同じ番号で示し、その説明を省略す
る。ここでは1回の主走査でヘッド幅分の画像が記録さ
れる(1パス)プリント・アルゴリズムの場合を示して
いる。
【0135】画像入力部1から入力された画像データは
ガンマ補正処理が施され、濃度データ(CD)に変換さ
れる。この実施の形態3では、記録履歴メモリ5bをR
AM5に備え、各インクD1,D2,D3,D4のそれ
ぞれに対応して記録履歴メモリM1,M2,M3,M4
が設けられている。
【0136】ステップS20では、各記録履歴メモリ5
bに初期値をセットする。これら各記録履歴メモリ5b
の初期値は、各主走査における予備吐出位置(図10の
A)から、各インクジェットヘッドユニットのノズルが
画像のプリント開始位置(図10のD)まで移動するの
に要する時間データである。この時間データは、時間デ
ータそのものでもよく、或はインク濃度変化特性テーブ
ル4e(図9)の濃度変化値を参照できるデータであれ
ば良い。
【0137】注目画素選択処理12では、これから処理
しようとする注目画素を選択し、その濃度データCDを
得る。インク種分配処理13では、注目画素の濃度値を
基に、インク種分配テーブル4bを参照し、その注目画
素の濃度で記録するためのインクの組合わせ候補を決定
する。濃度変化予測処理10では、各ノズルの記録履歴
メモリ5bに記憶されている、そのノズルの連続インク
非吐出時間データを基に、実験値から最小二乗法演算で
線形近似されたインク濃度変化特性テーブル4eを参照
し、理想的な濃度に対してどのくらい変動するかを予測
する。濃度上昇補正処理14では、濃度変化予測処理1
0の予測濃度をもとに、インク種分配処理13で選択さ
れたインクの組み合わせでの濃度変動を計算し、必要に
応じてインクの組み合わせを変更し、最適な濃度の組み
合わせ、即ち、各濃度インクを有するヘッドでのインク
吐出、非吐出を示す2値データd1,d2,d3,…が
決定される。
【0138】S21では、各濃度のインクを有するノズ
ルでの吐出、非吐出を示す2値データd1,d2,d
3,…をもとに、それらのノズルに対応する記録履歴メ
モリ5bのM1,M2,M3,…の更新処理を行う。こ
こでは、「非吐出」に決定されたノズルに対応する記録
履歴メモリ5bには、キャリッジ移動特性テーブル4f
の値と、現在の画素の位置との関係から求められる、次
のインク吐出タイミングまでの時間データが加算され
る。これに対し「インク吐出」に決定されたノズルに対
応する記録履歴メモリ5bは加算されず、次の吐出タイ
ミングまでの時間データがセットされる。
【0139】こうして注目画素の濃度値に対応して、各
濃度のインクを有する各インクジェットヘッドにおける
吐出、非吐出を示す2値データd1,d2,d3,…が
決定され、この2値データのそれぞれが各対応するイン
クジェットヘッドユニットに送られてヘッドユニットが
駆動されることにより記録が行われる。
【0140】このようにして画像の濃度値(CD)を基
に、図20Aの注目画素選択処理12から濃度上昇補正
処理14までの処理を、1ラインの画像データの全ての
画素に対して行い、更に、各ライン毎にS20の履歴メ
モリの初期化を行うことにより、異なる濃度のインクを
有する各ヘッドユニットに対する各画素ごとのインク吐
出、非吐出の2値データd1,d2,d3,…が生成さ
れる。
【0141】図20Bは、実施の形態3の変形例の画像
処理を示すフロー図で、前述の図20Aと共通する部分
は同じ符号で示し、それらの説明を省略する。
【0142】濃度誤差計算15では、インクの加成性に
従い濃度上昇補正処理14で決定したインクの組み合わ
せで表現できる濃度、即ち、濃度変化予測を考慮した濃
度(OD)と注目画素のCD値との差分を算出する。誤
差拡散処理16では、濃度誤差計算15で算出された差
分(誤差)を、ページメモリ上の周辺画素に配分係数
(図13)に従って拡散させる。
【0143】以上の処理を行うことにより、注目した一
画素の処理が終了する。
【0144】画像の濃度データCDをもとに、前述した
図20Bの符号12から符号16で示す処理を全画素に
対して実行することにより、異なる濃度のインクを有す
る各ヘッドユニットに対する各画素ごとの吐出、非吐出
を示す2値データd1,d2,d3,…が形成される。
【0145】図21は、実施の形態3におけるキャリッ
ジ20(インクジェットヘッドユニット21)の被記録
媒体に対する移動特性を示す図である。
【0146】図において、横軸は主走査方向への移動時
間を示し、縦軸が移動速度を示している。
【0147】図22は、図4で示したプリンタ部7の主
走査記録とインク吐出タイミングを説明する図である。
【0148】図22(a)は、プリンタ部7の記録部を
被記録媒体24の記録面に平行な側面から見た図、図2
2(b)は、記録部の被記録媒体24を上から見た図で
ある。
【0149】プリント開始信号がプリンタ部7に送られ
ると、インクジェットヘッドユニット21−1から21
−4を搭載したキャリッジ20は、不図示のホームポジ
ションから矢印Sの方向に移動を開始し、インクジェッ
トヘッドユニット21−1が、インク受け33を通過す
る時点ではキャリッジ20は一定速で移動している。イ
ンク受け33の上部を各インクジェットヘッドユニット
がインクジェットヘッドユニット21−1、21−2、
21−3、21−4の順番で通過し、Aの位置(インク
受け33の位置)でインク受け33に予備吐出を行い、
B−Cの間でプリントが行われる。
【0150】こうして1走査によるプリントが終了する
とキャリッジ20の移動方向が反転し、ホーム位置に戻
る。この反転動作の間に被記録媒体24は、1主走査に
よりプリントされた幅だけ副走査方向(F)に送られ、
次の主走査によるプリントの準備が行われる。
【0151】図22(c)は、キャリッジ20に搭載さ
れたインクジェットヘッドユニット21の主走査時の被
記録媒体24に対する移動特性を示す図である。
【0152】ここで横軸は主走査方向でのキャリッジ2
0の位置を示し、縦軸は吐出タイミングの時間間隔を示
している。尚、横軸の位置は、画像処理時に参照しやす
いように吐出密度を基に吐出ドット単位で表現しても良
い。
【0153】Aは予備吐出位置、Hはホームポジション
を示している。P1はインクジェットヘッドユニット2
1−1の最初のインク吐出位置で、T1は被記録媒体2
4上の位置P1におけるインクジェットヘッドユニット
21−1の吐出タイミングを示している。P2〜P4の
それぞれは、インクジェットヘッドユニット21−2,
21−3,21−4のそれぞれが予備吐出位置Aを通過
する時にインクジェットヘッドユニット21−1が位置
している位置を示している。即ち、T2,T3,T4の
それぞれは、インクジェットヘッドユニット21−2乃
至21−4のそれぞれが位置P1を通過する時の吐出タ
イミングを示していることになる。
【0154】いま各インクジェットヘッドユニットによ
るプリント開始位置Bが同じ位置(P1)であるとする
と、インクジェットヘッドユニット21−1が位置P1
を通過するときのインク濃度の変化は、インクジェット
ヘッドユニット21−1が予備吐出位置AからP1に到
達する時間を基に図7を参照してインクの濃度上昇を求
め、図9のインク濃度変化特性テーブル4eを参照すれ
ば良い。
【0155】実施の形態3におけるように、リニアエン
コーダ28によりキャリッジ20の移動距離の制御、及
びインクの吐出タイミングの生成を行っている場合に
は、記録密度に基づいて距離に対するドット数を求め、
そのドット数に基づいて位置Aと位置P1との間の距離
を表現することができる。
【0156】ここで前述の予備吐出位置Aから位置P1
にインクジェットヘッドユニット21−1が到達するま
での時間は、図22(c)に示した移動特性における位
置Aから位置P1間のドット数から、そのドット毎の吐
出タイミング間隔を加算することにより求めることがで
きる。
【0157】またインクジェットヘッドユニット21−
2が位置P1を通過する時のインク濃度の変化は、前述
と同様に、インクジェットヘッドユニット21−2が予
備吐出位置Aから位置P1に到達するまでの時間をもと
に図9に示すインク濃度変化特性テーブル4eを参照す
れば良い。ここでインクジェットヘッドユニット21−
2は、先行するインクジェットヘッドユニット21−1
から距離(P2−P1)だけ離れている。
【0158】このように図22(c)を参照して、予備
吐出位置Aから位置P1にインクジェットヘッドユニッ
ト21−2が到達するまでの時間を求めるためには、先
行するインクジェットヘッドユニット21−1が距離
(P2−P1)だけ離れていることを考慮すれば良く、
この時間はインクジェットヘッドユニット21−1が予
備吐出位置Aから位置P2に到達するまでの時間に等し
い。
【0159】同様に、予備吐出位置Aから位置P1にイ
ンクジェットヘッドユニット21−3が到達する時間
は、インクジェットヘッドユニット21−1が予備吐出
位置Aから位置P3に到達するまでの時間となり、イン
クジェットヘッドユニット21−4の場合には位置P4
に到達するまでの時間となる。このような時間値をもと
に、図20A,図20Bの画像処理において、各ライン
の最初に記録履歴メモリ5bに記憶される初期値は、そ
れぞれ以上のようにして求めることができる。
【0160】このように、インクジェットヘッドユニッ
ト21−1のキャリッジ移動特性テーブル4fを使用し
て他のインクジェットヘッドユニットの移動特性を求め
るには、インクジェットヘッドユニット21−1に対す
るそれぞれの相対位置を考慮することにより算出するこ
とが可能となる。
【0161】以上のことを図20A,20Bの画像処理
に応用し、注目画素の位置と各インクジェットヘッドユ
ニットによる記録位置とを対応させ、図22(c)のキ
ャリッジ移動特性データを参照することにより、各イン
クジェットヘッドユニットの被記録媒体24上での各地
点での吐出タイミングを制御することができる。このタ
イミング間隔の予測方法を前述の図20A,20Bの画
像処理に適用することにより、定速時、加速時、減速時
に拘らず非吐出ノズルの濃度変化予測及びその補正が可
能となる。
【0162】尚、濃度誤差計算処理15,誤差拡散処理
16の詳細は、図11〜図15を参照して前述した説明
と同様であるため、その詳細な説明を省略する。 [キャリッジ移動特性テーブル]次に図22(c)に示
すキャリッジ移動特性テーブルの作成方法について説明
する。
【0163】まず最初にキャリッジ20をホーム位置H
に移動して停止させる。次に実際のプリントの場合と同
様にキャリッジモータ30の回転駆動を開始し、キャリ
ッジ20を加速する。このキャリッジ20の移動開始と
同時にタイマ(図示せず)による計時を開始し、キャリ
ッジ20の移動に同期して発生するエンコーダ28から
のパルス信号の間隔を計測し、それぞれのキャリッジ位
置に対応するキャリッジ移動特性データを求めてRAM
5のワークエリアに書き込む。
【0164】この計測をキャリッジ20が定速走行にな
り、やがて減速して停止して1走査が終了するまで行う
ことにより、図22(c)に示すキャリッジ移動特性デ
ータが生成される。
【0165】この測定を複数回繰返し行い、得られたデ
ータの平均値を求めることにより、より精度の高いキャ
リッジ移動特性データを求め、そのデータに基づいてキ
ャリッジ移動特性テーブル4fを作成することができ
る。またこのように、キャリッジ20の実際の挙動を測
定することが可能なため、主走査の制御に拘らずキャリ
ッジ移動特性テーブル4fを作成することができる。
【0166】[実施の形態4]図23は、本発明の実施
の形態4のインクジェット記録システムの機能構成を示
すブロック図で、前述の図面と共通する部分は同じ番号
で示し、それらの説明を省略する。又、この実施の形態
4におけるプリンタ7のインクジェットヘッド等の構成
は前述の図4と同じであるため、それらの説明も省略す
る。
【0167】図において、4cは多階調処理とインク種
分配処理の過程で参照される、インク非吐出の時間に対
するインク濃度の変化特性を示すテーブル群で、湿度と
温度の条件により複数のインク濃度変化特性テーブルが
用意されている。9は画像入力部1から入力された画像
データを格納するイメージメモリである。410は2値
化された画像データを格納するビットプレーンメモリで
ある。411は湿度センサで、プリンタ7の周囲の環境
湿度を測定している。412は温度センサで、プリンタ
7の環境温度を測定しており、これら2つのセンサはプ
リンタ7の内部に設置されている。
【0168】[インク濃度変化特性テーブル4cについ
て]この実施の形態4では、プリンタ7のインクジェッ
トユニット21がノズル列からインクを吐出する周波数
が10kHzの場合について説明する。べた記録の場
合、毎秒10000発のインク滴がインクジェットユニ
ット21のノズル列から600dpiのピッチで吐出さ
れる。その時のキャリッジ20の走査速度は約423.
33mm/secで、約0.7秒でA3用紙の短辺を走
査する。
【0169】A3用紙の短辺(297mm)をキャリッ
ジ20が走査する間、この実施の形態4で使用するイン
ク濃度の上昇率は、非吐出時間に比例することが、また
その傾きは温度や湿度により変化することが実験で確か
められている。ここでいう非吐出時間とは、インクジェ
ットユニット21の1つのノズルからインクを吐出後、
次の吐出を行うまでの時間のことである。
【0170】図26は、インクの非吐出時間に対するイ
ンク濃度の変化率を表わすインク濃度変化特性テーブル
4cのデータを説明する図である。
【0171】ここでは実験結果を基に、代表濃度を最小
二乗法により線形近似したもので、横軸はインクの非吐
出時間、縦軸はインクの透過濃度(OD)の上昇率を表
わしている。図26(a)は、温度30℃で一定で、湿
度を10%から70%まで10%単位で変えたときのイ
ンク濃度の上昇率を示し、図26(b)は湿度40%で
一定で、周辺温度を15℃から35℃まで5℃単位で変
えたときのインク濃度の上昇を示している。
【0172】[吐出によるインク濃度特性について]イ
ンクジェットユニット21の走査中のインクの濃度上昇
は、ノズル先端部のインク溶剤の蒸発に起因するもので
あるが、一回のインク吐出で、濃度が上昇したノズル先
端部のインクが液滴として放出され、そのノズル内に新
鮮なインクが充填されるので、ノズル先端部の濃度は濃
度上昇前の規定濃度に戻る。
【0173】[実験例について]図26に示すインク濃
度変化特性テーブル4cのデータを得るための実験例を
以下に示す。
【0174】吐出されたインクの濃度上昇率を測定する
ため、プリンタ7を温度と湿度を管理できる不図示の環
境試験室に持ち込み、温度と湿度を一定に保ち、ある特
定のインクで図27(b)に示す濃度上昇率の測定用テ
ストパターンを記録し、その記録したパターンを不図示
の濃度計で計測することにより、ある環境下での、イン
ク非吐出時間に対して変化するインク濃度のデータを得
た。
【0175】更に、温度と湿度の組み合わせを段階ごと
に変化させ、1つの組み合わせごとにそれぞれ濃度上昇
率測定用テストパターンを記録し、その記録結果を不図
示の濃度計で測定することにより、各温度及び湿度ごと
のインク濃度の変化特性データが得られる。上記と同様
の測定を、他のインクの全てに対して行うことにより、
各インクの各環境下での変化特性データが得られる。
【0176】以上の実験結果を基にインク濃度上昇率を
計算し、各点の濃度上昇率を最小二乗法により線形近似
し、温度を一定とした場合、或は湿度を一定とした場合
のデータを特性テーブルとして、各インクの種類ごとに
まとめることにより、図26(a)、或は図26(b)
に示す様なインク濃度変化特性テーブル群が得られる。
【0177】図28は、透過濃度3.2Dのインクの温
度30℃、湿度15%、及び温度15℃、湿度15%、
及び温度30℃、湿度80%の環境下での、インク非吐
出時間に対するインク濃度上昇率の実測結果と、最小二
乗法による線形近似曲線の一例を示す図である。
【0178】[濃度上昇率測定用テストパターンについ
て]上記実験例を更に詳しく説明する。
【0179】図27は、図4で示したプリンタ7の主走
査部の概略を示す図で、図27(a)は記録部を側面か
ら見た図、図27(b)は、図27(a)の記録部の被
記録媒体24を上から見た図である。図4と同様に、2
0はキャリッジ、21−1〜21−4はインクジェット
ヘッドユニットで、33は予備吐出用のインク受けであ
る。キャリッジ20は矢印Sの方向に一定速で移動し、
各ヘッドユニット21−1〜21−4は、インク受け3
3の上部を通過するAの位置で、インク受け33に予備
吐出を行うことができる。
【0180】ここではインクジェットヘッドユニット2
1−1を用いた、実施の形態4における濃度変化の測定
用テストパターンの記録方法の一例を図27を参照して
説明する。
【0181】この実施の形態4では、インクジェットヘ
ッドユニット21における吐出周波数を10KHz、主
走査方向の記録密度を600dpiとする。以上の条件
の下で、B−C間の長さは200ドット相当、C−D間
の長さは200ドット相当とする。
【0182】いま、図27(b)のバンドW1に対応す
る副走査位置にインクジェットヘッドユニット21が来
るように、図4の搬送モータ26を回転駆動して被記録
媒体24を矢印Fの方向に搬送して停止させる。このバ
ンドW1の幅は各インクジェットヘッドのノズル幅に相
当している。ここで600dpiの記録密度で、かつ1
0KHzの吐出周波数でインクを吐出するためのキャリ
ッジ20の移動速度は423.3mm/secである。
なお、記録時には、キャリッジ20は被記録媒体24上
を一定の速度で移動する。
【0183】まず1回目の走査ではキャリッジ20は不
図示のホーム位置からスタートし、インクジェットヘッ
ドユニット21−1はA位置でインク受け33に対して
予備吐出を行う。次にB位置でヘッドユニット21−1
の全ノズルから同時にインク滴を吐出し、その後C位置
で全ノズルから同時にインク滴を吐出した後、主走査を
停止し、不図示のホーム位置に戻り、被記録媒体24は
送らずに1回目の走査を終了する。
【0184】2回目の走査では、同様にインクジェット
ヘッドユニット21−1はA位置で予備吐出を行う。次
にB位置の右1ドット隣に全ノズルから同時にインク滴
を吐出し、その後C位置の右1ドット隣に全ノズルから
同時にインク滴を吐出した後、主走査を停止し、不図示
のホーム位置に戻り、被記録媒体24は送らずに2回目
の走査を終了する。
【0185】3回目以降も同様に、前回の走査の記録位
置に対して1ドットずつ記録位置をずらしながらB−C
間、C−D間がドットで埋まるまで被記録媒体24の紙
送りを行うことなく、合計200回、同様の動作を繰り
返し、バンドW1の記録を終了する。
【0186】次にバンドW2を記録するため、1バンド
分だけ被記録媒体24を矢印F方向に送る。このバンド
W2の記録は、図27(b)に示す如く、B−C間とE
−F間で行う。ここでB−C間はバンドW1と同様に2
00ドット、E−F間は200ドット、B−E間は50
0ドットである。
【0187】まず1回目の走査では、インクジェットヘ
ッドユニット21−1によりA位置で予備吐出を行う。
次にB位置で全ノズルから同時にインク滴を吐出し、そ
の後E位置で全ノズルから同時にインク滴を吐出した
後、主走査を停止し、不図示のホーム位置に戻り、被記
録媒体54を送らずに1回目の走査を終了する。
【0188】同様に2回目の走査でもA位置で予備吐出
を行い、次にB位置の右1ドット隣にヘッドユニット2
1−1の全ノズルから同時にインク滴を吐出し、その
後、E位置の右1ドット隣に全ノズルから同時にインク
滴を吐出した後、主走査を停止し、不図示のホーム位置
に戻り、被記録媒体24は送らずに2回目の走査を終了
する。
【0189】3回目以降も同様にして、前回の走査の記
録に対し1ドットずつ記録位置をずらしながらB−C
間、E−F間がドットで埋まるまで、被記録媒体24の
紙送りを行うことなく合計200回、同様の動作を繰り
返し、バンドW2の記録を終了する。
【0190】次にバンドW3の記録を行うため、1バン
ド分、被記録媒体24を不図示の搬送ローラで矢印Fに
送る。このバンドW3の記録は、B−C間とG−H間で
行う。B−C間はバンドW1と同様に200ドット、G
−H間は200ドット、B−G間は800ドットであ
る。
【0191】以上のように、各バンドごとに、ドットの
間隔を300ドットずつ広げて行くと、図27(b)に
示すテストパターンが記録される。ここで10KHzの
吐出周波数で100ドット離れた位置に打たれたドット
の時間差は0.01秒であるから、バンドW1に記録さ
れたパターン55は、記録されたドット間隔が200ド
ットで、この間隔は非吐出時間の0.02秒に相当す
る。
【0192】又、バンドW2に記録されたパターン56
は、記録されたドット間隔が500ドットで、この間隔
は非吐出時間の0.05秒に相当する。
【0193】更に、バンドW3に記録されたパターン5
7は、記録されたドット間隔が800ドットで。この間
隔は非吐出時間が0.08秒に相当する。
【0194】このようにして0.03秒の時間間隔で非
吐出時間が長くなった場合のインク濃度変化を測定可能
なパターンができあがる。
【0195】以上説明したパターンを、温度30℃で湿
度15%、温度15℃で湿度15%、温度30℃で湿度
80%の各環境下で、透過濃度0.24Dのインクを使
用して記録した結果、それらから得られたデータを基
に、インク濃度の上昇率を計算した結果を示すのが図2
8である。
【0196】尚、上述の例では、濃度計の測定スポット
が大きいものでも測定できるように、記録されたドット
間隔を最小200ドットとしたが、濃度計の測定スポッ
トが小さいものや、スリットタイプのものが利用できる
場合には、この記録幅はより小さく、例えば数10ドッ
トでも良い。
【0197】[実施の形態4における画像処理部6につ
いて]図24A、及び図24Bは、本発明の実施の形態
4に係る画像処理部6における処理の流れを説明する流
れ図で、前述の図2、図17及び図20と共通する部分
は同じ記号で示し、それらの詳細な説明を省略する。
【0198】図24A及び図24Bはキャリッジ20を
1回だけ走査して、インクジェットヘッドユニット21
のヘッド幅分の画像の記録を完了する1パス記録アルゴ
リズムでの画像処理例を示している。この画像処理に必
要な記録履歴メモリ5bの数は、記録に使用するインク
の種類と記録アルゴリズムにより決定される。尚、この
記録履歴メモリ5bはRAM5に設けられている。
【0199】例えば、画像の1ラインを各濃度のインク
を有する各インクジェットヘッドユニットの、その画像
の1ラインに対応する1本のノズルを使用し、1回の走
査でその1ラインを記録するアルゴリズム(1パス記
録)の場合には、その走査方向に注目画素を順番に選択
しながら処理するので、記録履歴メモリ5bはその1ラ
イン上で吐出に使用されるノズルの数(インクジェット
ヘッドユニットの数)だけあればよい。
【0200】まず最初に、ガンマ補正処理11は画像入
力部1で入力される画像信号CVを、ガンマ補正変換テ
ーブル4aを用いて、濃度を表す信号CDに変換してイ
メージメモリ9に格納する。次に、S11で記録履歴メ
モリ5bに初期値をセットする。この記録履歴メモリ5
bの初期値は、各走査の記録前の予備吐出位置(図27
の位置Aに相当)からそれぞれのヘッドのノズルが画像
の記録開始位置(図27のBに相当)まで移動するのに
要する時間データである。注目画素選択12では、イメ
ージメモリ9の、これから処理をしようとする一画素を
順次選択し、その画素の濃度データCDを得る。インク
種分配処理13では、その注目画素のCD値を基にイン
ク種分配テーブル4bを参照して、その注目画素の濃度
CDを表現するインクの組み合わせを選択する。
【0201】インク濃度変化特性テーブル群4cは、本
実施の形態のプリンタ7の動作可能な環境範囲での湿
度、温度ごとのインク濃度変化特性テーブルが格納され
ている。例えば、湿度20%〜90%の範囲を10%ご
とに分け、その環境湿度の下で更に環境温度0℃〜50
℃を10℃ごとに分け、実験値から最小二乗法演算で線
形近似された合計48種類のインク濃度変化特性テーブ
ルが用意されている。
【0202】濃度変化予測処理10では、まず、湿度セ
ンサ411と温度センサ412により検知されたインク
ジェットユニット周囲の環境湿度の状態量と環境温度の
状態量とを基に、インク濃度変化特性テーブル群4cの
中からプリンタ7が設置されている環境に一番近いイン
ク濃度変化テーブルを選択する。次に、各ノズルの記録
履歴メモリ5bに記憶された非吐出時間データを基に、
選択したインク濃度変化特性テーブルを参照し、理想的
な濃度に対して、そのノズルのインクによる記録濃度が
どのくらい変動するかを予測する。
【0203】濃度変動補正処理14では、濃度変化予測
処理10の予測濃度を基に、インク種分配処理13で選
択されたインク種の組み合わせでの実質的な記録濃度の
変動値を計算し、必要に応じてインクの組み合わせを変
更し、最適なインク濃度の組み合わせ、即ち、各ヘッド
ユニットのノズルからのインク吐出、非吐出を決定する
2値データd1、d2、d3、d4を決定する。そして
S12では、各ノズルでのインク吐出、非吐出を示す2
値データd1、d2、d3、d4を基に、それらのノズ
ルに対応する記録履歴メモリ5bの更新処理を行う。
【0204】ここでは、選択される注目画素は、注目画
素選択情報や、各画素の処理毎に+1されるカウンタな
どを用いて求められる。注目画素の処理では、記録履歴
メモリ5bの値を基に濃度変化予測が行われ、各ノズル
からのインク吐出タイミングの時間間隔分だけインク濃
度が上昇することが予想される。このため、非吐出に決
定したノズルに対応する記録履歴メモリ5bには、次の
インク吐出タイミングまでの時間データを加算する。ま
たインクを吐出すると決定されたノズルに対応する記録
履歴メモリ5bは加算されず、次のインク吐出タイミン
グまでの時間データをセットする。即ち、記録履歴メモ
リ5bの内容は、対応するノズルの連続的な非吐出時間
を表わしている。また2値データd1、d2、d3、d
4は、バッファメモリ430に転送された後、ビットプ
レーンメモリ410に格納される。このバッファメモリ
430では、1ビットずつ送られてくる2値データを、
送られてくる毎にビットシフトし、規定量蓄積するとビ
ットプレーンメモリ410に転送している。
【0205】この様にして、画像の濃度データCDを基
に、S11乃至S12の処理を繰返し実行することによ
り、各インクジェットユニットに対応する2値データd
1、d2、d3、d4からなるビットプレーンが、ビッ
トプレーンメモリ410のそれぞれ異なるアドレス領域
に形成される。
【0206】図24Bは、上記処理に加え、更に濃度誤
差を求めて、その誤差を周辺画素に拡散する等による濃
度補間する、実施の形態4の変形処理の流れを示す流れ
図で、S12までの処理は前述の図24Aの場合と同じ
であるため、その説明を省略する。
【0207】濃度誤差計算15では、前述したインクの
加成性に従って、濃度変動補正処理14で決定したイン
クの組み合わせで表現できる濃度、即ち濃度変化予測を
考慮した濃度と注目画素のCD値との差分を算出する。
【0208】誤差拡散処理16では、濃度誤差計算15
で算出された差分をページメモリ上の、注目画素の周辺
画素に、図13に示す配分係数に従って拡散させる。こ
のようにして、注目画素に対する処理が終了する。
【0209】[実施の形態5]実施の形態5では、湿度
を10%ごとに分け、その湿度の下で、更に温度を10
℃ごとに分けた数のインク濃度変化特性テーブルを用意
したが、これは本発明におけるインク濃度変化特性テー
ブルを分ける基準を限定するものではなく、使用するイ
ンクにより階調補正を良好に行える範囲で自由に用意す
れば良い。
【0210】また、インク濃度変化特性テーブルの数
は、インクごとに濃度上昇率が異なる場合にはインクの
数だけ用意すれば良く、濃度上昇率をグループ分けでき
る場合には、そのグループの数だけ用意すれば良い。
【0211】[実施の形態6]前述の実施の形態では、
湿度を10%ごとに分け、その湿度の下で更に温度を1
0℃ごとに分けるというように、複数のインク濃度変化
特性テーブルを用意したが、例えば、前述の図26に示
したように、インク濃度変化特性テーブルの値が実験値
から最小二乗法演算で線形近似できるのであれば、それ
ぞれの湿度と温度下でのインクごとの濃度変化特性を記
憶媒体4に記憶しておき、画像処理時に、湿度センサ4
11及び温度センサ412により検知された環境湿度と
環境温度に基づいてインク濃度変化特性テーブルを作成
し、そのテーブルを濃度変化予測処理で参照しても良
い。
【0212】図25A及び図25Bは、本発明の実施の
形態6に係る画像処理部6における処理の流れを示すフ
ロー図で、前述の図面と共通する部分は同じ番号で示
し、それらの説明を省略する。
【0213】まずガンマ補正処理11は、画像入力部1
で入力される画像信号CVをガンマ補正変換テーブル4
aを用いて、濃度を表す信号CDに変換し、イメージメ
モリ9に格納する。
【0214】インク濃度変化特性テーブル作成処理S3
1では、湿度センサ411と温度センサ412により検
知された、プリンタの周辺湿度の状態量と温度の状態量
を基に、記憶媒体4に記憶されている不図示の環境湿度
と環境温度下での、各インクごとの濃度変化特性を示す
データからインク濃度変化特性テーブルを作成する。こ
れ以降の処理は前述の図24Aに示す処理の流れの同様
であるため、これらの説明を省略する。
【0215】また図25Bは、実施の形態6の変形例を
示す図で、ここでは更に、濃度誤差計算処理15、誤差
拡散処理16が行われ、イメージメモリ9の注目画素周
辺の画素値が、これら誤差に基づいて変更される。
【0216】[実施の形態7]前述の実施の形態で濃度
誤差の補正方法では、面積階調処理として誤差拡散法を
利用した場合で説明したが、このような面積階調処理と
しては誤差拡散に限定するものではなく、例えば濃度階
調法やディザ法などの他の面積階調処理方法でも良い。
【0217】以下に、本発明の実施の形態7に係る濃度
階調法を使用した場合のインク種を決定して記録する方
法、更にそれに発生する濃度誤差を振り分ける濃度誤差
補正方法の一例について説明する。尚、この実施の形態
7におけるインクジェット記録装置の構成は前述の実施
の形態の構成と同様であるので、それの説明は省略す
る。
【0218】まず、ここでは説明のために、画像の1画
素を2ドット×2ドットの濃度階調マトリクス(図2
9)で表現するが、本発明はこれに限定されず、例えば
4ドット×4ドット等のマトリクスサイズであっても良
い。この濃度階調マトリクスを構成する1ドットは、前
述の実施の形態と同様に、4種類の濃淡インクD1、D
2、D3、D4を重ね合わせて記録されるものとする。
この場合、各ドットで表現できる8ビット濃度レベル、
ならびに重ね打ち透過濃度は前述の図6に示すとおりで
ある。
【0219】図29において、2×2の濃度階調マトリ
クス内の各ドットの位置を、左上を(0,0)、右上を
(1,0)、左下を(0,1)、右下を(1,1)と定
義する。
【0220】図30は、図6で示した濃度データの階調
表現(濃度データが“17”単位に増加する)で、各ド
ットをマトリクス内の各座標位置に順番に割当てること
により濃度階調パターンを構成した例を示す図である。
これによれば、2ドット×2ドットの平均濃度が、4.
25(=17/4)間隔で、濃度“0”から“255”
まで61通りの階調表現が可能となる。図30における
マトリクス内の各ドットの濃度値は、図6に示した1ド
ットで表現できる8ビット濃度データに対応している。
また各マトリクスの下に示した値は、そのマトリクスに
おける平均濃度(記録濃度値)を示している。
【0221】図31は図30に示したパターンを構成す
るためのインク種分配テーブル4bの内容を説明する図
で、画像信号(濃度データ)に対する2×2の濃度階調
マトリクスの各ドットのインクD1、D2、D3、D4
の吐出/非吐出を表すインク種分配テーブルと、各イン
クD1、D2、D3、D4の透過濃度と、インク種分配
テーブルのインクの組み合わせで重ね打ちされたマトリ
クス単位での透過濃度を表している。
【0222】以上の構成に基づいて、前述の図2A、図
17A及び図20Aを参照して説明したように、図31
に示すインク種分配テーブル4bを用いて、注目画素に
対するインク種分配処理13を行う。更に、インク濃度
変化特性テーブル4eを参照して、インクの非吐出時間
に応じてインク濃度の変化を予測し(濃度変化予測処理
10)、その予測した濃度上昇に伴うインク種の決定の
補正処理を行う(濃度上昇補正処理14)。但し、この
場合、これら図におけるインク種分配処理13では、1
つの画素に対して2つのノズルに出力するデータが決定
される点が前述の実施の形態とは異なっている。
【0223】次に実施の形態7において、前述の図2
B、図17B及び図20Bに示すように、更に濃度上昇
補正処理により決定された濃度値と、実際に記録される
濃度との誤差を求めて画像データの画素の濃度補正を行
う場合について述べる。
【0224】注目画素選択処理12で選択した画素の濃
度データが“42.5”であるとする。この濃度の画素
を記録するために、マトリクス配置の各ドットは、図3
0の符号300で示されるように、(0,0)=51、
(1,0)=51、(0,1)=34、(1,1)=3
4となる。ここでまず位置(0,0)に注目し、前述の
実施の形態と同様の方法により、画素の各マトリクスの
値とインク種分配テーブル4bとに基づいて、その画素
の記録に使用するインク種を選択し(インク種分配処理
13)、次にインク濃度変化特性テーブル4eを参照
し、各ノズルの非吐出期間から各インクの濃度上昇分を
考慮し、理想的なインクの組み合わせを決定する(濃度
上昇補正処理14)。その組み合わせの濃度と目的の濃
度データ“51”との誤差を計算し(濃度誤差計算1
5)、その誤差ΔEを位置(1,0)の画素データ“5
1”に振り分ける。これにより、位置(1,0)の目的
とする画素濃度は“51+ΔE0”となる(濃度誤差拡
散処理16)。
【0225】次に同様に、各ノズルの非吐出期間から各
インクの濃度上昇分を考慮し、位置(1,0)の画素濃
度“51+ΔE0”を表現するのに最適な組み合わせを
選択する。その組み合わせの濃度値と目的の濃度値“5
1+ΔE0”との誤差を計算し、その誤差ΔE1を位置
(0,1)の画素“34”に振り分ける。これにより位
置(0,1)の画素の濃度値は“34+ΔE1”とな
る。
【0226】この位置(0,1)を記録する記録ヘッド
のノズルは、位置(0,0),(1,0)のドットを記
録したノズルの1つ下のノズルとなる。このため、その
ノズルの非吐出時間を参照するための履歴カウンタは、
そのノズルに対応したものとなる。そして、参照する履
歴カウンタが異なるだけで、それ以外は前述の場合と同
様にして、各ノズルの非吐出期間に基づいて、そのノズ
ルにおけるインクの濃度上昇分を考慮し、濃度非34+
ΔE1”を表現する最適なインクの組み合わせを決定す
る。その組み合わせの濃度と目的の濃度非34+ΔE
1”との差分を計算し、その誤差ΔE2を位置(1,1)
の画素“34”に振り分ける。ここで位置(1,1)の
画素の濃度は“34+ΔE2”となる。
【0227】次に、各ノズルの非吐出期間から各インク
の濃度上昇分を考慮し、濃度“34+ΔE2”を表現す
るのに最適な組み合わせを決定する。ここでは、その組
み合わせの濃度と目的の濃度“34+ΔE2”との誤差
が発生するが、ここで発生する誤差は他の濃度階調マト
リクスには振り分けず、この処理はこのマトリクス内で
完結させる。このマトリクス内で最後に生じた1ドット
(1,1)の誤差は、ディザのマトリクス単位で考える
と1/4の濃度誤差となるため、画像の劣化を最小限に
抑えることができる。
【0228】このように実施の形態7では、前述の実施
の形態と異なり、1つの注目画素に対して4つの記録デ
ータを決定しなければならないため、1つの注目画素デ
ータに対してインク種分配処理13乃至誤差拡散処理1
6までを4回繰返し実行しなければならない。
【0229】上記のディザの場合の処理において、誤差
を位置(1,0)、(0,1)、(1,1)の順番に振
り分けたが、誤差の振り分けはこれに限定されるもので
はなく、ある適当な配分係数を基に未処理のドットに振
り分けても良い。例えば、位置(0,0)で生じた誤差
ΔE0を1/3ずつ位置(1,0)、(0,1)、
(1,1)に振り分け、位置(1,0)で生じた誤差Δ
E1を1/2ずつ(0,1)、(1,1)に振り分け、
更に誤差(0,1)で生じた誤差ΔE2を(1,1)に
振り分けるというような処理を行っても良い。
【0230】また、前述した濃度階調マトリクスのサイ
ズ、インクの組み合わせなどは、上述の実施の形態で示
したものに限定するものではない。
【0231】なお、インクの濃度上昇率と非吐出の時間
の関係が比例関係でない場合、例えば、ある時間が過ぎ
ると濃度上昇が頭打ちになるなどの場合には、その関係
を図9のインク濃度変化特性テーブル4eに反映させれ
ばよい。
【0232】また実施の形態では、インク濃度変化特性
テーブルについて説明したが、濃度変化特性テーブルは
濃度上昇に限定するものではない。即ち、インクの濃度
変化特性を示すものであればどのような曲線でもよい。
【0233】またインク濃度変化特性テーブルを、たと
えばRAM5のような書き換え可能な記憶媒体内に設け
れば任意な特性に書き換えが可能となる。
【0234】また前述の実施の形態では、濃度上昇前の
インク種分配テーブル4bを基にインクの組み合わせを
行ったが、標準的なインク濃度のインク種分配テーブル
で標準濃度の一番濃いインクを必ず打つようなアルゴリ
ズムにすると、絶対的なOD値の上昇が抑えられるので
画像の乱れを少なくできる。
【0235】本実施の形態の濃度変化特性テーブルは、
インクに限定するものではない。即ち、熱昇華型などの
フィルム、熱転写テープ、感熱紙など、プリント結果の
濃度変化特性を示すものであればどのようなものでもよ
い。
【0236】本実施の形態で説明したの濃度変化テーブ
ルをプリント・デューティと濃度上昇の関係に置き換え
れば、記録濃度の上昇が予測でき、それに見合った補正
が可能となる。例えば、記録履歴情報を過去一定期間の
畜熱量などに換算すれば予測が可能となる。
【0237】また、感熱紙、インクリボン、熱昇華プリ
ンタのカートリッジフィルムなどの、経時変化によるプ
リント濃度の変動等のパラメータを濃度変化テーブル内
に取り込むことにより、これらの補正も可能となる。
【0238】尚、本発明は、複数の機器(例えばホスト
コンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0239】以上の実施の形態では、インク吐出を行わ
せるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを
発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式として説明したが、これに限らず、インクの吐
出を行わせる手段として圧電素子を用いる方式において
も本発明を適用することができる。かかる方式によれば
記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0240】尚、インクを吐出させる手段として熱エネ
ルギーを発生する手段を用いた構成や原理については、
例えば、米国特許第4723129号明細書、同第47
40796号明細書に開示されている基本的な原理を用
いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマ
ンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
ている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生
じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液
体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。こ
の気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イ
ンク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。
この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の
成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0241】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0242】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、
共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を
開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構
成としても良い。
【0243】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0244】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0245】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にでき
るので好ましいものである。これらを具体的に挙げれ
ば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニ
ング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるい
はこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせに
よる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モ
ードを行うことも安定した記録を行うために有効であ
る。
【0246】以上説明した本発明の実施の形態において
は、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以
下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液
化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方
式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内
で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用記録
信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0247】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。本発
明においては、上述した各インクに対して最も有効なも
のは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0248】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0249】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現するこ
とになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は
本発明を構成することになる。
【0250】プログラムコードを供給するための記憶媒
体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディス
ク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM,CD
−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMな
どを用いることができる。
【0251】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が
実現される場合も含まれる。
【0252】さらに、記憶媒体から読出されたプログラ
ムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボード
やコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる
メモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に
基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わ
るCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれる。
【0253】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、同系色で濃度の異なるそれぞれのインクの濃度変化
特性を基に、実質的に同一箇所に記録させるインクの組
み合わせを変更することにより、画像の書き出し部で極
端な濃度上昇を抑えることができる。
【0254】さらに、インクの組み合わせの変更だけで
は補正しきれない部分を、誤差拡散等の画像処理により
補正することにより、インクの濃度が変化しても階調性
の優れた高品位の記録を提供することができる。
【0255】また本実施の形態では、インクジェット記
録装置の場合で説明したが、他の記録装置についても応
用が可能である。例えば熱昇華プリンタなど、発熱ヘッ
ドを用いるプリンタ装置等の場合は、記録動作が連続す
るとヘッドの温度が上がり、記録された画像の濃度が上
昇する特性を示す。本実施の形態で説明したの濃度変化
テーブルを記録デューティと濃度上昇の関係に置き換え
れば、記録される画像濃度の上昇が予測できそれに見合
った補正が可能となる。
【0256】また本実施の形態では、熱によるインクジ
ェット方式の場合で説明したが本発明はこれに限定され
るものでなく、例えばピエゾ素子を使用したインクジェ
ット方式の場合にも適用できることはもちろんである。
また感熱紙、インクリボン、熱昇華プリンタのカートリ
ッジフィルムなどの、経時変化による記録濃度の変動等
のパラメータを濃度変化テーブル内に取り込むことによ
り、これらの補正も可能となる。
【0257】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、画
像データの濃度に応じて複数の記録剤を重ねて記録する
場合、これら記録剤の濃度変化を予測し、その予測した
濃度値に基づいて記録に使用する記録剤を決定するデー
タを生成することができる。
【0258】また本発明によれば、同系色で濃度の異な
る複数の記録剤を被記録材上の略同一箇所に重ねて記録
して1つの画素を形成して階調を表現する際に、各記録
剤の濃度変化を予測して、重ねる記録剤を変更すること
により、階調の再現性の良い画像を形成できる。
【0259】又本発明によれば、周囲環境に対応した記
録剤の濃度変化を予測し、その予測した濃度値に基づい
て記録に使用する記録剤を決定するデータを生成するこ
とができる。
【0260】更に本発明によれば、上述のようにして記
録剤の濃度変化を予測し、その予測した濃度値に基づい
て記録に使用する記録剤を決定して記録を行うととも
に、その記録される画素の濃度値と実際の画素データの
濃度値との誤差を、その画素の周辺画素に振り分けて濃
度補間を行うことにより、より階調の再現性を高めた画
像データを作成し、又は記録することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のインクジェット記録装
置の構成を示すブロック図である。
【図2A】実施の形態1に係る画像処理の流れを説明す
るための図である。
【図2B】実施の形態1に係る画像処理の流れの変形例
を説明するための図である。
【図3】本実施の形態におけるインク種分配テーブルの
一例を示す図である。
【図4】本実施の形態のインクジェット記録装置のプリ
ント機構の要部構成を示す図である。
【図5】本実施の形態におけるインクジェットヘッドユ
ニットのインク吐出口列の配置を示す図である。
【図6】本実施の形態におけるインク種分配テーブルの
データ例と、インク濃度、重ね打ちによる透過濃度を記
憶したテーブルの一例を示す図である。
【図7】本実施の形態におけるインク非吐出時間に対す
るインク濃度の上昇率を説明する図である。
【図8】本実施の形態における非吐出ドット数に対する
インク濃度の上昇例を示す図である。
【図9】本実施の形態におけるインク濃度変化特性テー
ブルの一例を示す図である。
【図10】本実施の形態のプリンタ部における主走査に
よる記録処理を説明する図である。
【図11】本実施の形態において画像処理ワークエリア
のページメモリ領域に格納された画像の濃度信号レベル
の一例を示す図である。
【図12】本実施の形態におけるインク種分配テーブル
に多値誤差拡散の閾値と、インクの透過濃度の画像濃度
信号レベル相当値を追加したテーブル例を示す図であ
る。
【図13】本実施の形態の多値誤差拡散処理において注
目画素の誤差の周辺画素へ配分の重み付けの一例を示す
図である。
【図14】本実施の形態におけるメモリ上に作成された
インクD1、D2、D3、D4のインク吐出、非吐出の
2値データ(ビットプレーン)Md1、Md2、Md
3、Md4を説明する図である。
【図15】本実施の形態における図11の濃度信号の描
画例を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態2のインクジェット記録
装置の構成を示すブロック図である。
【図17A】実施の形態2における画像処理の流れを説
明するための図である。
【図17B】実施の形態2の変形例である画像処理の流
れを説明するための図である。
【図18】インクジェットヘッドユニットの各ノズルに
おけるインク吐出と非吐出に伴う濃度上昇を説明する図
である。
【図19】本発明の実施の形態3のインクジェット記録
装置の構成を示すブロック図である。
【図20A】実施の形態3における画像処理の流れを説
明するための図である。
【図20B】実施の形態3の変形例における画像処理の
流れを説明するための図である。
【図21】実施の形態3のキャリッジの移動特性を示す
図である。
【図22】実施の形態3のプリンタ部における主走査に
よる記録処理とキャリッジの移動特性を説明する図であ
る。
【図23】本発明の実施の形態4のインクジェット記録
装置の構成を示すブロック図である。
【図24A】実施の形態4における画像処理の流れを説
明するための図である。
【図24B】実施の形態4の変形例における画像処理の
流れを説明するための図である。
【図25A】実施の形態6における画像処理の流れを説
明するための図である。
【図25B】実施の形態6の変形例における画像処理の
流れを説明するための図である。
【図26】実施の形態4におけるインク濃度の上昇の一
例を説明する図である。
【図27】実施の形態4のプリンタ部における主走査に
よるテストパターンの記録を説明する図である。
【図28】インク濃度上昇率の実験結果と最小二乗法に
よる線形近似曲線の一例を示す図である。
【図29】実施の形態7における2×2のディザマトリ
クスのドット位置を説明する図である。
【図30】図29のマトリクス構成で表現できる重ね打
ち透過濃度を説明する図である。
【図31】実施の形態7におけるマトリクス構成で表現
できるインク種分配テーブルのデータ例と、インク濃
度、重ね打ちによる透過濃度を記憶したテーブルの一例
を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 秀彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像濃度に対応した異なる濃度の記録剤
    の重ね記録情報を記憶する記憶手段と、 入力した画像信号の注目画素濃度に基づいて、前記記憶
    手段に記憶された重ね記録情報を選択する選択手段と、 前記選択手段により選択された重ね記録情報に基づく記
    録剤の濃度変化を予測する予測手段と、 前記予測手段により予測される濃度変化に基づいて、前
    記選択手段により選択された重ね記録情報を補正し、記
    録を行うための記録情報として決定する決定手段と、を
    有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記記録剤は、インクであることを特徴
    とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記予測手段は、前記記録剤が連続して
    記録に使用されない時間に応じて前記記録剤の濃度変化
    を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の画
    像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記予測手段は、前記記録剤が連続して
    記録に使用されない記録回数を計数する計数手段を有
    し、前記計数手段による計数値に応じて前記記録剤の濃
    度変化を予測することを特徴とする請求項1又は2に記
    載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記予測手段は、前記記録剤が連続して
    記録に使用されない時間を、記録ヘッドの走行開始位置
    から記録開始位置までの距離と記録を行う記録ヘッドの
    走行特性に応じて求め、前記時間に応じて前記記録剤の
    濃度変化を予測することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】 周辺環境情報を検知する検知手段と、 前記周辺環境情報と前記記録剤が連続して記録に使用さ
    れない時間とに応じた前記記録剤の濃度変化予測情報を
    記憶する予測情報記憶手段とを更に有し、 前記予測手段は、前記検知手段により検知された周辺環
    境情報に対応する前記濃度変化予測情報に基づいて前記
    記録剤の濃度変化を予測することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の画像処理装置。
  7. 【請求項7】 前記周辺環境情報は、湿度及び温度の少
    なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項6に記
    載の画像処理装置。
  8. 【請求項8】 前記濃度変化予測情報を作成する手段を
    更に有することを特徴とする請求項6に記載の画像処理
    装置。
  9. 【請求項9】 注目画素の濃度と、前記記録を行うため
    の重ね記録情報に基づく濃度との間の誤差を前記注目画
    素の近傍で面積階調法により濃度補間を行う濃度補間手
    段を更に有することを特徴とする請求項1乃至8のいず
    れか1項に記載の画像処理装置。
  10. 【請求項10】 前記濃度補間手段は、前記決定手段に
    より決定された重ね記録情報に基づいて記録される前記
    注目画素の予測記録濃度値と前記注目画素の画素データ
    との誤差を前記注目画素の周辺画素に分配することを特
    徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 【請求項11】 前記重ね記録情報は、画像濃度に応じ
    て異なる濃度を有する記録剤のいずれを記録に使用する
    かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 【請求項12】 前記記憶手段は、同系色で異なる濃度
    のそれぞれのインクごとに画像濃度に応じて異なる濃度
    を有するインクのいずれを用いるかを示す情報を記憶す
    ることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  13. 【請求項13】 画像濃度に対応して異なる濃度の記録
    剤を用いて画像を記録するための画像情報を求める画像
    処理方法であって、 画像濃度に対応した異なる濃度の記録剤の重ね記録情報
    を記憶するメモリを有し、 入力した画像信号の注目画素濃度に基づいて、前記メモ
    リに記憶された重ね記録情報を選択する選択工程と、 前記選択工程で選択された重ね記録情報に基づく記録剤
    の濃度変化を予測する予測工程と、 前記予測工程で予測される濃度変化に基づいて、前記選
    択工程で選択された重ね記録情報を補正し、記録を行う
    ための記録情報として決定する決定工程と、を有するこ
    とを特徴とする画像処理方法。
  14. 【請求項14】 前記記録剤は、インクであることを特
    徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  15. 【請求項15】 前記予測工程では、前記記録剤が連続
    して記録に使用されない時間に応じて前記記録剤の濃度
    変化を予測することを特徴とする請求項13又は14に
    記載の画像処理方法。
  16. 【請求項16】 前記予測工程では、前記記録剤が連続
    して記録に使用されない記録回数を計数する計数工程を
    有し、前記計数工程による計数値に応じて前記記録剤の
    濃度変化を予測することを特徴とする請求項13又は1
    4に記載の画像処理方法。
  17. 【請求項17】 前記予測工程では、前記記録剤が連続
    して記録に使用されない時間を、記録ヘッドの走行開始
    位置から記録開始位置までの距離と記録を行う記録ヘッ
    ドの走行特性に応じて求め、前記時間に応じて前記記録
    剤の濃度変化を予測することを特徴とする請求項13又
    は14に記載の画像処理方法。
  18. 【請求項18】 周辺環境情報を検知する検知工程と、 前記検知工程で検知された前記周辺環境情報に応じた、
    前記記録剤が連続して記録に使用されない時間とに応じ
    た前記記録剤の濃度変化予測情報に基づいて前記記録剤
    の濃度変化を予測することを特徴とする請求項13又は
    14に記載の画像処理方法。
  19. 【請求項19】 前記周辺環境情報は、湿度及び温度の
    少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項18
    に記載の画像処理方法。
  20. 【請求項20】 前記濃度変化予測情報を作成する工程
    を更に有することを特徴とする請求項18に記載の画像
    処理方法。
  21. 【請求項21】 注目画素の濃度と、前記記録を行うた
    めの重ね記録情報に基づく濃度との間の誤差を前記注目
    画素の近傍で面積階調法により濃度補間を行う濃度補間
    工程を更に有することを特徴とする請求項13乃至20
    のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  22. 【請求項22】 前記濃度補間工程では、前記決定工程
    で決定された重ね記録情報に基づいて記録される前記注
    目画素の予測記録濃度値と前記注目画素の画素データと
    の誤差を前記注目画素の周辺画素に分配することを特徴
    とする請求項21に記載の画像処理方法。
  23. 【請求項23】 前記重ね記録情報は、画像濃度に応じ
    て異なる濃度を有する記録剤のいずれを記録に使用する
    かを示す情報を含むことを特徴とする請求項13乃至2
    2のいずれか1項に記載の画像処理方法。
  24. 【請求項24】 前記メモリは同系色で異なる濃度のそ
    れぞれのインクごとに画像濃度に応じて異なる濃度を有
    するインクのいずれを用いるかを示す情報を記憶するこ
    とを特徴とする請求項14に記載の画像処理方法。
  25. 【請求項25】 それぞれ異なる濃度の記録剤を用いて
    記録を行う複数の記録ヘッドを備えた記録装置であっ
    て、 画像濃度に対応した異なる濃度の記録剤の重ね記録情報
    を記憶する記憶手段と、 入力した画像信号の注目画素濃度に基づいて、前記記憶
    手段に記憶された重ね記録情報を選択する選択手段と、 前記選択手段により選択された重ね記録情報に基づく記
    録剤の濃度変化を予測する予測手段と、 前記予測手段により予測される濃度変化に基づいて、前
    記選択手段により選択された重ね記録情報を補正し、記
    録を行うための記録情報として決定する決定手段と、 前記決定手段により決定された記録情報に応じて前記複
    数の記録ヘッドのそれぞれを駆動して前記注目画素を記
    録媒体上に記録する記録制御手段と、を有することを特
    徴とする記録装置。
  26. 【請求項26】 前記記録剤はインクであることを特徴
    とする請求項25に記載の記録装置。
  27. 【請求項27】 前記記録制御手段は、複数の記録ヘッ
    ドを主走査方向に走査して前記異なる濃度の記録剤を同
    じ画素位置に重ねて記録することを特徴とする請求項2
    5又は26に記載の記録装置。
  28. 【請求項28】 前記予測手段は、前記記録ヘッドの連
    続して記録に使用されないノズルの不使用時間に応じて
    前記ノズルにおけるインクの濃度変化を予測することを
    特徴とする請求項25又は26に記載の記録装置。
  29. 【請求項29】 前記予測手段は、前記記録剤が連続し
    て記録に使用されない記録回数を計数する計数手段を有
    し、前記計数手段による計数値に応じて前記記録剤の濃
    度変化を予測することを特徴とする請求項25又は26
    に記載の記録装置。
  30. 【請求項30】 前記予測手段は、前記記録剤が連続し
    て記録に使用されない時間を、前記記録ヘッドの走行開
    始位置から記録開始位置までの距離と記録を行う記録ヘ
    ッドの走行特性に応じて求め、前記時間に応じて前記記
    録剤の濃度変化を予測することを特徴とする請求項25
    又は26に記載の記録装置。
  31. 【請求項31】 前記記憶手段は、画像濃度に応じて、
    前記異なる濃度を有するインクのいずれを使用するかを
    示す情報を含むことを特徴とする請求項26に記載の記
    録装置。
  32. 【請求項32】 前記記憶手段は、同系色で異なる濃度
    のそれぞれのインクごとに画像濃度に応じて異なる濃度
    を有するインクのいずれを用いるかを示す情報を記憶す
    ることを特徴とする請求項26に記載の記録装置。
  33. 【請求項33】 前記複数の記録ヘッドは走査方向に複
    数並べて配置されており、前記記録ヘッドの走行特性
    は、前記記録ヘッドのそれぞれが予備吐出位置から各記
    録位置に到達するまでの時間に基づいて決定されること
    を特徴とする請求項30に記載の記録装置。
  34. 【請求項34】 前記記録ヘッドの走行位置を検出する
    位置検出手段と、 前記記録ヘッドの走行開始からの時間経過を計測する計
    測手段とを更に有し、前記記録ヘッドの走行特性は、前
    記記録ヘッドを記録時と同様にして走行制御し、前記位
    置検出手段により検出される走行位置と前記計測手段に
    より計測される時間とに基づいて決定されることを特徴
    とする請求項30に記載の記録装置。
  35. 【請求項35】 注目画素の濃度と、前記記録を行うた
    めの重ね記録情報に基づく濃度との間の誤差を前記注目
    画素の近傍で面積階調法により濃度補間を行う濃度補間
    手段を更に有することを特徴とする請求項25乃至34
    のいずれか1項に記載の記録装置。
  36. 【請求項36】 インクを吐出して記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 吐出されるインクの経時変化によって生じる記録濃度の
    変化を予測する予測手段と、 前記予測手段により予測された濃度変化を補正する濃度
    補正手段と、を有することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  37. 【請求項37】 前記予測手段は、前記記録剤が連続し
    て記録に使用されない間の時間に基づいて濃度変化の予
    測を行うことを特徴とする請求項35に記載のインクジ
    ェット記録装置。
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