JP2001088328A - 記録方法および記録装置 - Google Patents

記録方法および記録装置

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JP2001088328A
JP2001088328A JP26937199A JP26937199A JP2001088328A JP 2001088328 A JP2001088328 A JP 2001088328A JP 26937199 A JP26937199 A JP 26937199A JP 26937199 A JP26937199 A JP 26937199A JP 2001088328 A JP2001088328 A JP 2001088328A
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烈 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低
減させ、記録画像の画質を向上させることができる記録
方法を提供する。 【解決手段】 各階調値に対応して駆動すべき記録素子
の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブル4a
と、該組合わせを選択する順番を、テストパターンを記
録して評価した結果に基づいて決定し、組合わせ選択パ
ターンテーブル4cとして記憶媒体4に格納し、画像入
力部1から入力され画像処理部6で記録階調値に変換さ
れた記録データの各画素の階調値に応じて記録素子組合
わせテーブル4aから組合わせ選択パターンテーブル4
cに従って順次選択し、該選択された組合わせに従って
記録素子を駆動して多階調記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録方法および記
録装置に関し、特に、インクを吐出する記録素子を複数
有するインクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の
各画素に対して吐出されるインク滴の数を変化させて多
階調記録を行う記録方法および記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】複写装置や、ワードプロセッサ,コンピ
ュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴
ない、それらの機器からの情報を出力する記録装置とし
て、インクジェット方式による記録ヘッドを用いて画像
記録を行うものが急速に普及している。また、上記情報
処理機器や通信機器における視覚情報の高品位化および
カラー化に伴ない、記録装置においても高画質化、カラ
ー化に対する要望が増えつつある。
【0003】このような要望に応えるための記録装置と
しては、記録画素の微細化等に対応するために複数の記
録素子を集積配列してなる記録素子列を有し、インク吐
出口および液路を高密度で複数集積した記録ヘッドを、
カラー化に対応するために、例えばシアン、マゼンタ、
イエロー、ブラックの各インク毎に複数個備えたものが
一般的である。
【0004】しかしながら、インク吐出口および液路を
高密度で集積するのには一定の限界があり、従って、記
録される画素の微細化にも一定の限界かある。このよう
な記録装置で記録された画像は、各画素を形成するドッ
トが比較的大きくなるため、濃度の低い画像ハイライト
部等で粒状感を与え画質が問題となることがある。
【0005】これに対し、インク吐出口および液路の集
積密度を高くする代わりに、すなわち、1画素のサイズ
を小さくする代わりに、吐出されるインク滴の液量を少
なくし、1画素を記録濃度に応じた数のインク滴により
形成するいわゆるマルチドロップ方式が知られている。
マルチドロップ方式では記録紙上に記録されるインクド
ット径を比較的小さくできるのでハイライト部等の低濃
度部における粒状感は改善され得る。
【0006】しかしながら、インク滴の液量が少なくな
るに従い、吐出が不安定となるため、インクドットの微
細化にも一定の限界があり、高画質化にも限界が生ず
る。また、この方式では記録階調度を高くする程、1画
素に対して吐出すべきインク滴の数が増すため、記録速
度の低下を招くこととなり、高画質化するに従い記録速
度が低下するという相反する関係が発生する。
【0007】また、吐出口集積密度を高くせずに高画質
化を図る他の手法として、インク濃度の異なる同系色の
濃淡2種類のインクを用いる濃淡記録方式が知られてい
る。この方式では、ハイライト部等を低濃度の淡インク
で記録しインクドットによる粒状感を目立たなくすると
ともに、高濃度部を濃インクで記録するようにする。こ
のため、マルチドロップ方式のように吐出するインク滴
の数を増やさずに高濃度部を形成することができ、記録
に使用するインク液滴量の増加や、記録速度の低下を抑
制することができる。
【0008】この濃淡記録方式では、入力画像濃度に対
応する出力画像濃度を表現するために記録に使用するイ
ンクの種類および液滴数を、例えば濃淡インク振り分け
テーブルを用いて決定する。図8は、2種類の濃淡イン
ク(濃インク、淡インク)を用いた際の、8階調の濃度
に対する濃淡インク振り分けテーブルの一例である。入
力画像の各画素の階調値(濃度)に基づいてテーブルか
ら使用する濃淡インクの種類および液滴数が決定され、
それぞれのインクにあわせて入力画像を展開する。
【0009】濃淡インク振り分けテーブルにより使用す
る濃淡インクが決定されると、その出力濃度に従ってそ
れぞれ、2値化回路で2値化処理が施され、記録素子列
の駆動信号が生成される。
【0010】上記説明した構成によって記録された画像
は、その画像ハイライト部等の低濃度領域が淡インクで
記録されてインクのドットを目立たなくするとともに、
高濃度部では主に濃インクで記録される。これにより、
画像品位を向上させることができる。
【0011】また、上記2値化処理による疑似中間調処
理方法としてディザ法、誤差拡散法、平均濃度保存法等
が知られている。
【0012】ディザ法は、ディザマトリクスによって定
められる各画素毎のしきい値によってそれぞれの画素の
データを2値化するものである。
【0013】誤差拡散法は、例えば文献R.FLOYD
&L.STEINBERG,”ANADAPTIVE
ALGORITHM FOR SPETIAL GRA
YSCALE”,SID 75 DIGEST,PP3
6〜37に記載されているように、注目画素の多値画像
データを2値化(最濃レベルかまたは最淡レベルに変
換)し、前記2値化レベルと2値化前の値の差(誤差)
を周辺の画素に分配し加算していくものである。
【0014】また、平均濃度保存法は例えば特開平2−
210962号公報に記載されているように、注目画素
近傍の既に2値化された2値データ、もしくは注目画素
を黒または白に2値化したものを含めたものに基づいて
しきい値を求め、このしきい値により注目画素の画像デ
ータを2値化するものである。
【0015】さらに、これら上記方法に加えて、たとえ
ば医療用X線フィルムのような透過画像を出力する場合
などには、透過画像であるが故に濃度に対する視覚の分
解能が高まる。その結果、濃淡インクを使用した場合に
おいても各画素毎の濃度差が認識され、画像が荒いとい
った印象を受ける。そのような場合には、各画素ごとの
階調数を、より増やすことが必要となり、濃度の異なる
インクの種類数を増やすことで対応することができる。
【0016】また、このようなインクジェット記録方法
において高画質記録を行う場合には、一般的に、マルチ
パス記録方法が用いられることが多い。濃淡インクを用
いたマルチパス記録方法は、具体的には、特開平7−4
7698号公報等に記載されておりここでは詳細を省略
するが、各画像領域を記録ヘッドで複数回走査して異な
った記録素子から吐出される複数のインク滴を同一画素
領域内に着弾させてインクドットを形成し、上記インク
滴の数および濃、淡を適切に組み合わせることによりそ
の画素の階調を表現するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来例においても、以下に示すような課題が生じ
ていた。
【0018】第1に、記録ヘッドから吐出されるインク
が記録ヘッドの吐出口の形状や吐出面の表面状態の不均
一性等の原因により、所定の着弾位置からずれる場合が
ある。この現象を通常「よれ」と呼んでいるが、特に同
じ階調値で一定面積以上記録する場合に、同一の記録素
子を使用して形成されるインクドットが周期的に現れる
と、この「よれ」による着弾位置のずれが周期性を持つ
いわゆる「すじ」となって認識され、画像品位を劣化さ
せる原因となる。
【0019】この「よれ」による影響を少なくするため
に、上述のマルチパス記録方法等が用いられ、例えばマ
ルチパス記録のパス数を増やして「よれ」の周期性を変
化させたり、分散させることが行われている。しかしな
がら、マルチパス記録のパス数を増やすと、より多くの
記録時間を必要とすることとなり、少ないパス数でより
効果的に「すじ」を減少させる方法が望まれている。
【0020】第2に、一定時間以上インク滴を吐出しな
かった記録素子から最初に吐出されるインク滴は、記録
素子のインク吐出口の状態が一定間隔で吐出を行ってい
る通常の状態とは異なった状態となることにより、通常
とは異なったインクドットを形成する場合がある。
【0021】このようなインクドットが形成されると、
記録すべき階調値と異なった階調値で画素が記録される
こととなる。これは特に濃度の低いインクにおいて現れ
やすい傾向にあり、このため、濃淡インク記録方法にお
いて発生する可能性が高い。
【0022】第3に、インクジェット記録装置で使用す
る記録ヘッドは、永久に使用できるものではなく、一定
期間以上使用すると、破損や汚染により記録画質に悪影
響を与える可能性が増える。そのため、記録ヘッドは一
定期間毎に交換することが望ましい。
【0023】その際、従前の記録ヘッドによる記録物
と、新しい記録ヘッドによる記録物の画質は同等である
ことが好ましいが、個々の記録ヘッドの特性の相違によ
り、記録物の画質が変化する場合がある。
【0024】本発明は、上述の課題を解決するためにな
されたものであり、記録画像中の「よれ」や「すじ」の
発生を低減させ、記録画像の画質を向上させることがで
きる記録方法および記録装置を提供することを目的とす
る。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の記録方法は上記
目的を達成するために、インクを吐出する記録素子を複
数有するインクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上
の各画素に対して吐出されるインク滴の数を変化させて
多階調記録を行う記録方法であって、各階調値に対応し
て駆動すべき記録素子の組合わせを複数含む記録素子組
合わせテーブルを用意するテーブル作成工程と、各階調
値毎に前記複数の記録素子の組合わせのいくつかをそれ
ぞれ異なった順番で選択するテストパターンを複数記録
するテストパターン記録工程と、記録された前記テスト
パターンの濃度を各テストパターンに対して複数箇所で
測定する濃度測定工程と、前記複数箇所で測定された濃
度を評価して、記録データ作成の際に使用するパターン
を各階調値毎に決定するパターン決定工程とを備えてい
る。
【0026】また、上記目的を達成する本発明の記録装
置は、インクを吐出する記録素子を複数有するインクジ
ェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素に対して
吐出されるインク滴の数を変化させて多階調記録を行う
記録装置であって、各階調値に対応して駆動すべき記録
素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブル
と、各階調値毎に前記複数の記録素子の組合わせのいく
つかをそれぞれ異なった順番で選択する複数のテストパ
ターンと、前記テストパターンを記録したときに、濃度
を各テストパターンに対して複数箇所で測定する濃度測
定手段と、前記複数箇所で測定された濃度を評価して、
記録データ作成の際に使用するパターンを各階調値毎に
決定するパターン決定手段とを備えている。
【0027】すなわち、本発明では、各階調値に対応し
て駆動すべき記録素子の組合わせを複数含む記録素子組
合わせテーブルを用意し、各階調値毎に複数の記録素子
の組合わせのいくつかをそれぞれ異なった順番で選択す
るテストパターンを複数記録し、記録されたテストパタ
ーンの濃度を各テストパターンに対して複数箇所で測定
し、測定された濃度を評価して、記録データ作成の際に
使用するパターンを各階調値毎に決定し、該決定された
パターンに従って記録素子を駆動して多階調記録を行
う。
【0028】このようにすると、記録素子の組合わせを
所定の順番で使用するパターンを、実際の記録結果を評
価して決定するので、記録素子の特性のばらつきによる
記録画像中の濃度変化(「よれ」や「すじ」等)による
画質の低下を最小限とすることができる。また、記録デ
ータの階調値から駆動する記録素子の組合わせが直接求
められるので、各記録素子の駆動データを求めるまでの
時間が短縮される。
【0029】従って、記録素子の駆動データを得るまで
の処理が単純となり処理時間が低減されると共に、記録
素子の特性のばらつきによる記録画像中の「よれ」や
「すじ」の発生を低減させ、記録画像の画質を向上させ
ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】始めに、本発明の原理について具
体的に説明する。
【0031】例えば、n種類の濃淡インクを使用する場
合、それぞれの濃淡インクで形成するドット数の組み合
わせ(以下“濃淡組み合わせ”と称す)は、1画素を1
ドットだけで形成する場合には、n種の濃淡インクの中
から1種類だけ選択するので、n1=n通りの組み合わ
せが存在する。また、1画素を2ドットで形成する場合
には、n種の濃淡インクの中から2種類を選択してそれ
ぞれのインクで1ドットずつ形成する、n2=n(n−
1)/2通りに、n種の濃淡インクの中から1種類を選
択してそのインクで2ドット形成する、n1=n通りを
加えた組み合わせが存在する。
【0032】すなわち、1画素の形成に使用するドット
数が増えるに従い、また、使用する濃淡インクの種類数
が増えるに従い、その濃淡組み合わせ数は増加していく
事になる。また、使用する濃淡インクの濃度比によりほ
ぼ同一濃度となる濃淡組み合わせも多数存在する事とな
る。
【0033】なお、ここで述べた一画素の形成に使用す
るインクドット数は、記録媒体の特性や、吐出されるイ
ンク滴の容量等に依存し、記録システム上制限される量
である。一般的に、300dpiの画素を記録するのに
使用されるインク滴の容量は、30〜600ng程度で
ある。
【0034】また、複数の記録素子を集積配列してなる
記録素子列を有する記録ヘッドでマルチパス記録を行う
場合、例えば、マルチパス記録のパス数を4回とする
と、記録媒体の同一画素を記録するのに使用可能な記録
素子の数は4個となる。図5は、キャリッジ20に搭載
された、それぞれ16個の記録素子を主走査方向に配列
した4つの記録素子列56−a、56−b、56−c、
56−dを有する記録ヘッドをインク吐出面側から見た
図である。
【0035】図5の記録素子列56−aを用いたパス数
を4回のマルチパス記録で、記録媒体の同一画素を記録
するのに使用可能な記録素子の数は、a−1−1、a−
2−1、a−3−1、a−4−1の計4個となる。
【0036】ここで複数のインクドットで1つの画素を
形成する場合、例えば2個のインクドットで1つの画素
を記録する場合、上記図5の記録素子列56−aで使用
する記録素子の組み合わせは、42=6通りである。さ
らに、濃度の異なる複数種類のインクを使用する場合
や、同一濃度のインクを吐出する記録素子列を複数備え
る場合には、この組合せは飛躍的に増加する。
【0037】例えば、濃インクの記録媒体上での光学濃
度が、淡インクの実質的に2倍の濃度となるような2種
類のインクを用い、更に図5に示すように、淡インクを
吐出する記録素子列が2列(56−a、56−b)、濃
インクを吐出する記録素子列が2列(56−c、56−
d)あるような場合に、最大4個のインクドットで1つ
の画素を記録するものとし、表現できる階調値を8通り
とすると、画素の記録に使用する記録素子の組合せは、
81828181×818382× 818
28481×8282×8281×838
4=2012通り存在することになる。
【0038】図7は、この組み合わせの一部を示す図で
ある。図中「ON」と書かれた記録素子が駆動されてイ
ンク滴が吐出される。本発明では、このような使用する
記録素子の組合せデータ(以下、記録素子組合わせテー
ブル)に基づいて使用する記録素子を決定する。
【0039】本発明の記録素子組合わせテーブルは、1
つの画素を記録するのに使用する濃淡インクのドット数
と、どの記録素子を使用するのかを一元的に管理するこ
とができるように構成されており、記録の際にはこの記
録素子組合わせテーブルに基づいて、実際に使用する一
連の記録素子の組合せを選択することとなる。
【0040】この記録素子組合わせテーブルは、インク
の種類、記録素子の数、マルチパス記録のパス数が増え
ると上述のように組合せ数が膨大に増加して情報量が大
きくなるので、定められた容量のメモリ装置に記憶でき
るように、実際はいくつか限られた数の組合せを記憶し
ておくことが望ましい。
【0041】また、階調数を設定する際には、人間の視
覚特性等を考慮すると共に、より多くの階調値が濃淡2
種類のインクを使用した複数のインクドットの組み合わ
せを含むように選択する事が望ましい。このようにする
と、上述の課題をより改善することとなる。
【0042】実際には、階調数として256以上を用意
することが望まれる。このような階調数は、出力する解
像度にもよるが、1つの画素を記録するのに最大12〜
16個のインクドットを使用し、濃度の異なる5〜6種
類のインクを用意することで実現可能である。
【0043】この際に記録される画素の大きさは、記録
素子の吐出するインクドットの大きさ、インクの濃度種
類数、および1つの画素を記録するのに使用するインク
ドットの数にもよるが、1つのインクドット径の2〜4
倍程度あれば、上述の256階調以上を表現可能であ
る。
【0044】このようにして、選択された一連の記録素
子組合せの中から、入力画像に基づいて各画素毎に使用
する階調値および記録素子組合せを決定する。ここで、
同じ階調値に対する記録素子の組合せが複数存在する場
合、より具体的には、A、B、Cという3種類の組み合
わせが同一の階調値となる場合、その階調値を表現する
際には画素ごとにABCABCABC…というように種
類の異なった記録素子組合せを所定の順序に使用する。
【0045】あるいは、ACBCBABBCAA…とい
うように種類の異なった記録素子組合せをランダムに使
用することも考えられるが、この場合、ある大きさの領
域全体を同じ階調で記録する(以下、ベタ記録と称す
る)動作を行う度に、記録特性が変化する可能性がある
ので、本発明においては望ましくない。
【0046】このような使用する記録素子の組合わせを
選択する所定の順序を、本明細書においては組合わせ選
択パターンを呼ぶ。本発明においてはこの組合わせ選択
パターンに基づいて決定された記録素子の組合わせに従
って、各階調値が記録素子の駆動データに変換されて記
録が行われる。
【0047】本発明に用いるインクジェット記録方法に
は、インクの液滴をノズル(記録素子)より吐出して記
録を行なわせる従来公知の様々な駆動方式のいずれも、
適用可能である。その代表例として、特開昭54−59
936号公報に記載されている、熱エネルギーの作用を
受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化に
よる作用力によって、インクをノズルから吐出させる駆
動方式を例に挙げることができる。
【0048】以下、上記で説明した原理にもとづいて記
録を行う、本発明の実施形態について図を参照して詳細
に説明する。
【0049】本実施形態は、白黒256階調の医療用X
線透過画像を2種類の黒の濃淡インクを使用し、かつ、
1画素を最大4つのインクドットにて形成する記録シス
テムである。
【0050】図1は、本実施形態の構成を示すブロック
図である。図中1は画像入力部、2は操作部、3は各種
処理を行うCPU部、4は各種データを記憶する記憶媒
体、4aは上記で説明したような記録素子組合わせテー
ブル、4bは各種制御プログラム群、5はRAM、6は
画像処理部、7は画像出力を行うプリンタ制御部、8は
記録された画像の濃度を測定する濃度測定部であり、9
は各種データを転送するバス部である。
【0051】画像入力部1はスキャナやデジタルカメラ
などで構成され、入力された画像を256階調のデジタ
ルデータで出力する。操作部2は各種パラメータの設定
および記録開始を指示するための各種キーを備えたキー
ボード形態で提供される。CPU3は記憶媒体4中の各
種プログラムに従って本記録装置全体を制御する。
【0052】記憶媒体4に格納されている制御プログラ
ム群4bは、制御プログラムやエラー処理プログラムな
どの本記録装置を動作させるためのプログラムを含んで
いる。本実施形態はすべてこのプログラムに従って動作
する。該プログラムを格納する記録媒体4としては、R
OM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁
気ディスクなどを用いる事ができる。
【0053】RAM5は記憶媒体4中の各種プログラム
のワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画
像処理時のワークエリアとして用いられる。また、記録
媒体4の中の各種テーブルをRAM5にコピーした後、
そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを
参照しながら画像処理を進めることも可能である。
【0054】画像処理部6は入力画像に対して各種処理
を行って、プリンタ部7で多階調記録を実現するための
吐出パターンを作成する。
【0055】プリンタ部7は記録時に画像処理部6で作
成された吐出パターンに基づいてインクを吐出してドッ
トにより画像を形成する。バスライン9は本実施形態内
のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送する。
【0056】濃度測定部8は、キャリッジの外側に搭載
されており、記録画像を照射する光源と、反射光を受光
して電気信号に変換するCCDとを含んでいる。
【0057】図2は本実施形態のプリンタ部7の構成を
示す部分上面図である。本実施形態のプリンタ部7は、
インクジェット記録方式に従って記録を行うインクジェ
ットプリンタの形態で提供されている。
【0058】キャリッジ20上には、複数のインクジェ
ットユニット21−1〜21−4が搭載されている。そ
れぞれのインクジェットユニット21にはインクを吐出
する記録素子列があり、各インクジェットユニット21
の記録素子列は所定の間隔を置いて設置されている。各
インクジェットユニット21−1〜21−4の対応する
記録素子列へのインクはインクカートリッジ22から供
給されており、22−1、22−3は淡インク、22−
2、22−4は濃インクを供給するインクカートリッジ
である。各濃度については後述する。
【0059】インクジェットユニット21への制御信号
などはフレキシブルケーブル23を介して送られる。用
紙やプラスチック薄板等からなる記録シート24は不図
示の搬送ローラを経て排紙ローラ25に挟持され、搬送
モータ26の駆動に伴い矢印方向に送られる。ガイドシ
ャフト27、およびリニアエンコーダ28によりキャリ
ッジ20が案内支持されている。キャリッジ20は駆動
ベルト29を介してキャリッジモータ30の駆動により
ガイドシャフト27に沿って往復運動させられる。
【0060】前述のインクジェットユニット21のイン
ク吐出口の内部(液路)にはインク吐出用の熱エネルギ
ーを発生する発熱素子(電気熱エネルギー変換体)が設
けられている。キャリッジ20の走査方向にガイドシャ
フト27に沿って設けられたキャリッジの位置検出のた
めのリニアエンコーダ28の読みとりタイミングに伴
い、前記記録素子を記録信号に基づいて駆動し、記録シ
ート上にインク液滴を飛翔させ、このインク滴が付着す
ることで画像を形成することができる。
【0061】記録領域外に設定されたキャリッジ20の
ホームポジションには、キャップ部31を持つ回復ユニ
ット32が設置されている。記録を行わないときには、
キャリッジ20をホームポジションに移動させてキャッ
プ部31の各キャップ31−1から31−4により対応
するインクジェットユニット21のインク吐出口面を密
閉し、インク溶剤の蒸発に起因するインクの固着あるい
は塵埃などの異物の付着などによる目詰まりを防止す
る。
【0062】また、上記キャップ部31のキャッピング
機能は記録頻度の低いインク吐出口の吐出不良や目詰ま
りを解消するために、インク吐出口から離れた状態にあ
るキャップ部へインクを吐出させる空吐出に利用された
り、キャップした状態で不図示のポンプを作動させ、イ
ンク吐出口からインクを吸引し、吐出不良を起こした吐
出口の吐出回復に利用される。33はインク受けで、各
インクジェットユニット21−1から21−4が記録直
前にインク受け33上部を通過する時に、インク受け3
3をめがけ予備吐出を行う。またキャップ部隣接位置に
不図示のブレード、拭き部材を配置することにより、イ
ンクジェットユニット21のインク吐出口形成面をクリ
ーニングすることが可能である。
【0063】キャリッジ20のインクジェットユニット
21の外側には、濃度測定部8を構成する光源とCCD
とを含むセンサ35が搭載されており、このセンサ35
によって記録シートに記録されたテストパターンの濃度
が測定される。記録シートの搬送方向にいくつかのテス
トパターンが記録された記録シートは、排紙ローラ25
によって搬送され、センサ35は通過するテストパター
ンの濃度を順次測定する。また、センサ35は、使用し
ない時には記録の際に発生するインクミストによる汚れ
を防止するように、不図示のカバーで覆われる。
【0064】センサ35の濃度測定のピッチ(分解能)
は、プリンタの記録可能な記録密度にもよるが、100
dpi以上であることが好ましい。ピッチがこれ以上大
きいと、わずかな濃度変化による「すじ」を検出できな
い可能性がある。また、センサ35の濃度測定の際の測
光面積は、100dpiの画素(ドット)よりも大きい
と、同様にわずかな濃度変化による「すじ」を検出でき
ない可能性があるので、100dpiの画素よりも小さ
い面積を単位とするのが好ましい。
【0065】本実施形態のインクジェットプリンタにお
いては、インクジェットユニット上に記録素子列を有す
る記録ヘッドを、2種の濃淡インクをそれぞれ2列ずつ
並置したが、これら記録ヘッドを並列に並べずに、記録
ヘッドを縦列に分割しても良いことはいうまでもない。
同様に、記録素子列についても並列に並べずに、1列の
記録素子列を縦列に4つに分割しても良い。
【0066】ここではセンサ35が反射光による濃度測
定を行うものとしたが、本発明における濃度測定は反射
光を利用したものに限られるものではなく、透過光での
濃度測定が可能なように濃度測定部8を構成して、フィ
ルム状の透明な記録シートに記録された画像の透過濃度
を測定するようにしてもよい。
【0067】また、上記医療用X線透過画像の記録以外
の用途でカラーの記録が必要な場合には、ブラック、シ
アン、マゼンタ、イエローなどのインクがそれぞれ入っ
ている記録ヘッドをキャリッジ上に並べることで可能で
ある。また、それぞれの色毎に複数の濃淡インクを使用
するように構成することもできる。
【0068】次に、本実施形態で使用するインクと記録
素子組み合わせテーブルについて説明する。
【0069】記録素子組合わせテーブル4a内には、使
用するインクに関するデータも格納されている。本実施
形態で使用するインクは、以下の表1に示す染料濃度比
率および反射濃度を有する2種類である。なお、インク
は、染料及び溶媒からなり、溶媒には、界面活性剤、保
湿材、等の各種添加剤が含まれている。これら添加剤
は、記録素子からの吐出特性、受像紙上での吸収特性と
を制御するものである。
【0070】
【表1】 これら2種類のインクを用いて、1画素を最大4つのイ
ンクドットで形成する場合、一つの画素で表すことので
きる濃淡組み合わせは、81828181×81
8382×81828481×8282×
8281×8384=2012通りとなる。この中
から各階調値ごとに4種類ずつパターンを選択し、計3
2個のパターンを有する記録素子組合せテーブルを本実
施形態では使用した。各階調値に対する4つの記録素子
組合せパターンの選択は無作為に行った。
【0071】図3は、本実施形態で使用する記録素子組
合せテーブルの一部を示す図である。図中の記載「1」
は、対応する記録素子からインクが吐出されて記録媒体
上の実質的な同一画素領域内にインクドットが形成され
ることを示し、「0」は、記録素子からインクが吐出さ
れないことを示している。
【0072】また、図3における記録素子の符号は、上
記において説明した図5の記録素子列を用いて、図6に
示したような4パスのマルチパス記録を行うことを想定
しており、各記録素子の符号は図5に対応している。す
なわち、本実施形態の記録方法において同一画素に対し
て使用する記録素子の数は、各パスの走査で4つであ
り、4つのパスの総計で16個である。
【0073】例えば、図3に示された画素に対しては、
1パス目でa−1−1、b−1−1、c−1−1、d−
1−1の4つが使用され、2パス目でa−2−1、b−
2−1、c−2−1、d−2−1の4つが使用され、3
パス目でa−3−1、b−3−1、c−3−1、d−3
−1の4つが使用され、4パス目でa−4−1、b−4
−1、c−4−1、d−4−1の4つが使用される。こ
の16個の記録素子のうち最大で4つが駆動されてイン
ク滴が吐出されて階調値に応じたドットが形成される。
【0074】各階調値(濃度レベル)は、1画素に対し
て吐出される総インク滴量に含まれる染料の合計量と完
全に比例するものではないが、おおよそにおいて対応し
ており、特に、反射性の記録媒体や透過性の記録媒体上
での低濃度部分の視覚認識度において実用上問題ないレ
ベルである。
【0075】256階調で表わされた入力画像を、図3
の記録素子組合せテーブルを使用して記録する場合、階
調数を8+1値に変換する必要がある。そこで、画像処
理部6において、8+1値の多値誤差拡散の処理を行
う。ここでは、多値誤差拡散法を用いる場合を例にとる
が、特にこの方法に限られるものではなく、たとえば平
均濃度保存法やディザマトリックス法等、任意の中間調
処理方法で行うことができる。
【0076】次に、8+1値の多値誤差拡散の処理につ
いて説明する。多値誤差拡散が通常の誤差拡散と大きく
異なる点は、2値化するためのしきい値が複数個、ここ
では8個存在する点である。これらのしきい値は、通常
8値および無信号の白紙状態の階調値の中点として決定
してよい。
【0077】このようにして多値化処理されたデータ
は、画像処理部6において、記憶媒体4に格納された記
録素子組合せテーブル4aを参照しながら、具体的には
図3に示した記録素子組合せテーブルを参照して、各画
素毎に記録に使用する記録素子に対して吐出または不吐
出を示す駆動信号に変換される。
【0078】記録素子組合わせテーブルには、例えば階
調値1に対しては図3に示されたように1−1、1−
2、1−3、1−4の4つの記録素子組合わせがあり、
各階調値に対して4つの記録素子組合わせが登録されて
いる。上述のように、本発明では異なった記録素子組合
わせを所定の順序(組合わせ選択パターン)で選択する
が、この組合わせ選択パターンの決定は、各組合わせ選
択パターンに従ってテストパターンを記録して、記録さ
れたテストパターンを濃度測定部8、より具体的にはセ
ンサ35で測定した結果に基づいて行われる。
【0079】以下、本実施形態における組合わせ選択パ
ターンの決定方法について図9のフローチャートを参照
して説明する。
【0080】図10は、本実施形態において記録したテ
ストパターンと、濃度測定によって決定された組合わせ
選択パターンとを各階調値毎に示すテーブルである。こ
こでは各階調値に対してAからDの4つのテストパター
ンが記載されている。各テストパターンの数字は、図3
の記録素子組合わせテーブルにおいて各階調値毎に選択
された4つのパターンの末尾の数字を表わしている。す
なわち、階調値1のテストパターンAは、1111と記
されているが、これは図3の階調値1の1−1で示され
た記録素子組合わせを連続して選択することを示してい
る。
【0081】次に、このようなテストパターンの記録方
法(ステップS901)について説明する。
【0082】例えば画素の位置をXY座標(i,j)で
表わした場合、階調値4のパターンCを記録するときに
は、Xが奇数である画素に対しては、図3の記録素子組
合わせテーブルから4−1の記録素子組合わせを選択し
て駆動データを得、Xが偶数である画素に対しては、4
−2の記録素子組合わせを選択して駆動データを得る。
また、階調値4のパターンDを記録する時には、Xが奇
数である画素に対しては、図3の記録素子組合わせテー
ブルから4−3の記録素子組合わせを選択して駆動デー
タを得、Xが偶数である画素に対しては、4−4の記録
素子組合わせを選択して駆動データを得る。
【0083】テストパターンの大きさは、3cm×3c
mの正方形とし、この画像を各階調値(1〜8)に対し
て合計32個のテストパターンを、図5に示した記録素
子列によって図6の4パス記録で記録を行った。
【0084】上記のようにして記録されたテストパター
ンを、各テストパターンに対して濃度測定部8において
300dpiピッチで主走査方向16ポイント×副走査
方向4ポイントの計64ポイントで濃度を測定し、画像
処理部6で測定値をA/D変換し、8ビットの汎用画像
信号を得た(ステップS902)。
【0085】そして、最適なパターンを決定するため
に、この画像信号の値から記録画像中の濃度のバラツキ
を求めるため、標準偏差を算出した。各階調値の4つの
テストパターンの標準偏差の値を比較して、値の最も小
さいテストパターンを組合わせ選択パターンとして決定
する。決定された組合わせ選択パターンは各階調値に対
応してテーブル形式で記憶媒体4に組合わせ選択パター
ンテーブル4cとして格納する(ステップS903)。
【0086】実際に画像の記録を行う場合には、図4の
フォローチャートに従って処理が行われる。すなわち、
入力された画像の階調値が8であるか否か判定され(ス
テップS401)、階調値が異なる場合には多値化処理
が行われ(ステップS402)、記録素子組合わせテー
ブル4aおよび組合わせ選択パターンテーブル4cを参
照して各画素に対する記録素子の組合わせが決定され
(ステップS403)、全ての画素に対する処理を行っ
て、各記録素子列毎に吐出、不吐出を示す2値の駆動デ
ータが得られる(ステップS404a〜404d)。
【0087】本実施形態による記録結果としては、「よ
れ」や「すじ」が減少し良好な階調画像を得ることがで
きた。
【0088】更に、本実施形態における組合わせ選択パ
ターンの決定を、プリンタ部7の使用期間が所定の期間
に達した時や、記録ヘッドを交換した時等に適宜行うこ
とにより、各記録素子の経時変化による記録品質の低下
や、記録ヘッド交換による記録特性の相違により記録結
果が変化することを最小限とすることができる。
【0089】[他の実施形態]なお、以上の実施形態に
おいて、記録ヘッドから吐出される液滴はインクである
として説明し、さらにインクタンクに収容される液体は
インクであるとして説明したが、その収容物はインクに
限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や
耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために
記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがイン
クタンクに収容されていても良い。
【0090】以上の実施形態は、特にインクジェット記
録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用され
るエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例え
ば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギ
ーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いるこ
とにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0091】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0092】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0093】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0094】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても良い。
【0095】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0096】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0097】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0098】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0099】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0100】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0101】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0102】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0103】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることは言うまでもない。
【0104】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0105】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明した(図4および/または図
9に示す)フローチャートに対応するプログラムコード
が格納されることになる。
【0106】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、記
録素子の組合わせを所定の順番で使用するパターンを、
実際の記録結果を評価して決定するので、記録素子の特
性のばらつきによる記録画像中の濃度変化(「よれ」や
「すじ」等)による画質の低下を最小限とすることがで
きる。また、記録データの階調値から駆動する記録素子
の組合わせが直接求められるので、各記録素子の駆動デ
ータを求めるまでの時間が短縮される。
【0107】従って、記録素子の駆動データを得るまで
の処理が単純となり処理時間が低減されると共に、記録
素子の特性のばらつきによる記録画像中の「よれ」や
「すじ」の発生を低減させ、記録画像の画質を向上させ
ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1におけるプリンタ部の構成を示す概略図で
ある。
【図3】実施形態の記録素子組合せテーブルの例を示す
図である。
【図4】実施形態の画像処理の動作を示すフローチャー
トである。
【図5】キャリッジに設けられた4つの記録素子列の概
略図である。
【図6】マルチパス記録の動作を説明するための図であ
る。
【図7】記録素子組合せテーブルの一例を説明する図で
ある。
【図8】従来例におけるインク分配テーブルの一例を示
す図である。
【図9】テストパターンによる組合わせ選択パターン決
定のフローチャートである。
【図10】テストパターンと決定された組合わせ選択パ
ターンを示す図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 操作部 3 CPU 4 記憶媒体 4a 記録素子組合わせテーブル 4b 制御プログラム群 4c 組み合わせ選択パターンテーブル 5 RAM 6 画像処理部 7 プリンタ部 8 濃度測定部 9 バスライン 20 キャリッジ 21−1〜21−4 インクジェットユニット 22−1〜22−4 インクカートリッジ 23 フレキシブルケーブル 24 被記録材 25 排紙ローラ 26 搬送モータ 27 ガイドシャフト 28 リニアエンコーダ 29 駆動ベルト 30 キャリッジモータ 31−1〜31−4 キャップ 32 回復ユニット 33 インク受け 35 濃度測定部(光源および受光部) 56−a,56−b 淡インク用記録素子列 56−c,56−d 濃インク用記録素子列

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する記録素子を複数有する
    インクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素
    に対して吐出されるインク滴の数を変化させて多階調記
    録を行う記録方法であって、 各階調値に対応して駆動すべき記録素子の組合わせを複
    数含む記録素子組合わせテーブルを用意するテーブル作
    成工程と、 各階調値毎に前記複数の記録素子の組合わせのいくつか
    をそれぞれ異なった順番で選択するテストパターンを複
    数記録するテストパターン記録工程と、 記録された前記テストパターンの濃度を各テストパター
    ンに対して複数箇所で測定する濃度測定工程と、 前記複数箇所で測定された濃度を評価して、記録データ
    作成の際に使用するパターンを各階調値毎に決定するパ
    ターン決定工程とを備えることを特徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】 前記濃度測定工程は、受光した光信号を
    電気信号に変換する光電変換素子を含む光センサを用い
    て前記濃度を測定することを特徴とする請求項1に記載
    の記録方法。
  3. 【請求項3】 前記パターン決定工程は、前記複数箇所
    で測定された濃度の偏差の小さいテストパターンを、記
    録データ作成の際に使用するパターンとして決定するこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 前記記録素子組合わせテーブルを記憶手
    段に記憶する記憶工程を更に備えることを特徴とする請
    求項1から3のいずれか1項に記載の記録方法。
  5. 【請求項5】 濃度の異なるインクを吐出するインクジ
    ェット記録ヘッドを複数用いることを特徴とする請求項
    1から4のいずれか1項に記載の記録方法。
  6. 【請求項6】 インクを吐出する記録素子を複数有する
    インクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素
    に対して吐出されるインク滴の数を変化させて多階調記
    録を行う記録装置であって、 各階調値に対応して駆動すべき記録素子の組合わせを複
    数含む記録素子組合わせテーブルと、 各階調値毎に前記複数の記録素子の組合わせのいくつか
    をそれぞれ異なった順番で選択する複数のテストパター
    ンと、 前記テストパターンを記録したときに、濃度を各テスト
    パターンに対して複数箇所で測定する濃度測定手段と、 前記複数箇所で測定された濃度を評価して、記録データ
    作成の際に使用するパターンを各階調値毎に決定するパ
    ターン決定手段とを備えることを特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】 前記濃度測定手段は、受光した光信号を
    電気信号に変換する光電変換素子を含む光センサを有す
    ることを特徴とする請求項6に記載の記録装置。
  8. 【請求項8】 前記パターン決定手段は、前記複数箇所
    で測定された濃度の偏差を算出する手段を有し、算出さ
    れた偏差の小さいテストパターンを、記録データ作成の
    際に使用するパターンとして決定することを特徴とする
    請求項6または7に記載の記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録素子組合わせテーブルを記憶す
    る記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項6から
    8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 【請求項10】 濃度の異なるインクを吐出するインク
    ジェット記録ヘッドを複数備えることを特徴とする請求
    項6から9のいずれか1項に記載の記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利
    用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに
    与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換
    体を備えていることを特徴とする請求項6から10のい
    ずれか1項に記載の記録装置。
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