JP3652181B2 - 記録方法および記録装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録方法および記録装置に関し、特に、インクを吐出する記録素子を複数有するインクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素に対して吐出されるインク滴の数を変化させて多階調記録を行う記録方法および記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写装置や、ワードプロセッサ,コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴ない、それらの機器からの情報を出力する記録装置として、インクジェット方式による記録ヘッドを用いて画像記録を行うものが急速に普及している。また、上記情報処理機器や通信機器における視覚情報の高品位化およびカラー化に伴ない、記録装置においても高画質化、カラー化に対する要望が増えつつある。
【0003】
このような要望に応えるための記録装置としては、記録画素の微細化等に対応するために複数の記録素子を集積配列してなる記録素子列を有し、インク吐出口および液路を高密度で複数集積した記録ヘッドを、カラー化に対応するために、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各インク毎に複数個備えたものが一般的である。
【0004】
しかしながら、インク吐出口および液路を高密度で集積するのには一定の限界があり、従って、記録される画素の微細化にも一定の限界かある。このような記録装置で記録された画像は、各画素を形成するドットが比較的大きくなるため、濃度の低い画像ハイライト部等で粒状感を与え画質が問題となることがある。
【0005】
これに対し、インク吐出口および液路の集積密度を高くする代わりに、すなわち、1画素のサイズを小さくする代わりに、吐出されるインク滴の液量を少なくし、1画素を記録濃度に応じた数のインク滴により形成するいわゆるマルチドロップ方式が知られている。マルチドロップ方式では記録紙上に記録されるインクドット径を比較的小さくできるのでハイライト部等の低濃度部における粒状感は改善され得る。
【0006】
しかしながら、インク滴の液量が少なくなるに従い、吐出が不安定となるため、インクドットの微細化にも一定の限界があり、高画質化にも限界が生ずる。また、この方式では記録階調度を高くする程、1画素に対して吐出すべきインク滴の数が増すため、記録速度の低下を招くこととなり、高画質化するに従い記録速度が低下するという相反する関係が発生する。
【0007】
また、吐出口集積密度を高くせずに高画質化を図る他の手法として、インク濃度の異なる同系色の濃淡2種類のインクを用いる濃淡記録方式が知られている。この方式では、ハイライト部等を低濃度の淡インクで記録しインクドットによる粒状感を目立たなくするとともに、高濃度部を濃インクで記録するようにする。このため、マルチドロップ方式のように吐出するインク滴の数を増やさずに高濃度部を形成することができ、記録に使用するインク液滴量の増加や、記録速度の低下を抑制することができる。
【0008】
この濃淡記録方式では、入力画像濃度に対応する出力画像濃度を表現するために記録に使用するインクの種類および液滴数を、例えば濃淡インク振り分けテーブルを用いて決定する。図8は、2種類以上の濃淡インク(濃インク、淡インク)を用いた際の、8階調の濃度に対する濃淡インク振り分けテーブルの一例である。入力画像の各画素の階調値(濃度)に基づいてテーブルから使用する濃淡インクの種類および液滴数が決定され、それぞれのインクにあわせて入力画像を展開する。
【0009】
濃淡インク振り分けテーブルにより使用する濃淡インクが決定されると、その出力濃度に従ってそれぞれ、2値化回路で2値化処理が施され、記録素子列の駆動信号が生成される。
【0010】
上記説明した構成によって記録された画像は、その画像ハイライト部等の低濃度領域が淡インクで記録されてインクのドットを目立たなくするとともに、高濃度部では主に濃インクで記録される。これにより、画像品位を向上させることができる。
【0011】
また、上記2値化処理による疑似中間調処理方法としてディザ法、誤差拡散法、平均濃度保存法等が知られている。
【0012】
ディザ法は、ディザマトリクスによって定められる各画素毎のしきい値によってそれぞれの画素のデータを2値化するものである。
【0013】
誤差拡散法は、例えば文献R.FLOYD&L.STEINBERG,”ANADAPTIVE ALGORITHM FOR SPETIAL GRAYSCALE”,SID 75 DIGEST,PP36〜37に記載されているように、注目画素の多値画像データを2値化(最濃レベルかまたは最淡レベルに変換)し、前記2値化レベルと2値化前の値の差(誤差)を周辺の画素に分配し加算していくものである。
【0014】
また、平均濃度保存法は例えば特開平2−210962号公報に記載されているように、注目画素近傍の既に2値化された2値データ、もしくは注目画素を黒または白に2値化したものを含めたものに基づいてしきい値を求め、このしきい値により注目画素の画像データを2値化するものである。
【0015】
さらに、これら上記方法に加えて、たとえば医療用X線フィルムのような透過画像を出力する場合などには、透過画像であるが故に濃度に対する視覚の分解能が高まる。その結果、濃淡インクを使用した場合においても各画素毎の濃度差が認識され、画像が荒いといった印象を受ける。そのような場合には、各画素ごとの階調数を、より増やすことが必要となり、濃度の異なるインクの種類数を増やすことで対応することができる。
【0016】
また、このようなインクジェット記録方法において高画質記録を行う場合には、一般的に、マルチパス記録方法が用いられることが多い。濃淡インクを用いたマルチパス記録方法は、具体的には、特開平7−47698号公報等に記載されておりここでは詳細を省略するが、各画像領域を記録ヘッドで複数回走査して異なった記録素子から吐出される複数のインク滴を同一画素領域内に着弾させてインクドットを形成し、上記インク滴の数および濃、淡を適切に組み合わせることによりその画素の階調を表現するものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来例においても、以下に示すような課題が生じていた。
【0018】
第1に、記録ヘッドから吐出されるインクが記録ヘッドの吐出口の形状や吐出面の表面状態の不均一性等の原因により、所定の着弾位置からずれる場合がある。この現象を通常「よれ」と呼んでいるが、特に同じ階調値で一定面積以上記録する場合に、同一の記録素子を使用して形成されるインクドットが周期的に現れると、この「よれ」による着弾位置のずれが周期性を持ついわゆる「すじ」となって認識され、画像品位を劣化させる原因となる。
【0019】
この「よれ」による影響を少なくするために、上述のマルチパス記録方法等が用いられ、例えばマルチパス記録のパス数を増やして「よれ」の周期性を変化させたり、分散させることが行われている。しかしながら、マルチパス記録のパス数を増やすと、より多くの記録時間を必要とすることとなり、少ないパス数でより効果的に「すじ」を減少させる方法が望まれている。
【0020】
第2に、一定時間以上インク滴を吐出しなかった記録素子から最初に吐出されるインク滴は、記録素子のインク吐出口の状態が一定間隔で吐出を行っている通常の状態とは異なった状態となることにより、通常とは異なったインクドットを形成する場合がある。
【0021】
このようなインクドットが形成されると、記録すべき階調値と異なった階調値で画素が記録されることとなる。これは特に濃度の低いインクにおいて現れやすい傾向にあり、このため、濃淡インク記録方法において発生する可能性が高い。
【0022】
第3に、インクジェット記録装置で使用する記録ヘッドは、永久に使用できるものではなく、一定期間以上使用すると、破損や汚染により記録画質に悪影響を与える可能性が増える。そのため、記録ヘッドは一定期間毎に交換することが望ましい。
【0023】
その際、従前の記録ヘッドによる記録物と、新しい記録ヘッドによる記録物の画質は同等であることが好ましいが、個々の記録ヘッドの特性の相違により、記録物の画質が変化する場合がある。
【0024】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、記録画像の画質を向上させることができる記録方法および記録装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の記録方法は上記目的を達成するために、濃度の異なるn種類のインクを吐出する記録素子を複数有するインクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素に対して吐出される前記n種類のインク滴の数を変化させて多階調記録を行う記録方法であって、
各階調値に対応して駆動すべき記録素子あるいは記録素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブルから、各画素の階調値に応じて、駆動する記録素子あるいは記録素子の組合わせを1つ選択する選択工程を備え、
前記記録素子組合わせテーブルに格納される複数の前記記録素子の組合せのいずれも、同じ画素の記録に使用できる記録素子の最大数よりも少ない数の記録素子の組合わせで構成される
【0026】
また、上記目的を達成する本発明の記録装置は、濃度の異なるn種類のインクを吐出する記録素子を複数有するインクジェット記録ヘッドを備え、記録媒体上の各画素に対して吐出される前記n種類のインク滴の数を変化させて多階調記録を行う記録装置であって、
各階調値に対応して駆動すべき記録素子あるいは記録素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブルを記憶した記憶手段と、
各画素の階調値に応じて、前記記憶手段に記憶された記録素子組合わせテーブルから駆動する記録素子あるいは記録素子の組合わせを1つ選択する選択手段とを備え
前記記録素子組合わせテーブルに格納される複数の前記記録素子の組合せのいずれも、同じ画素の記録に使用できる記録素子の最大数よりも少ない数の記録素子の組合わせで構成される
【0027】
すなわち、本発明では、濃度の異なるn種類のインク滴の数を変化させて多諧調記録を行う際に、各階調値に対応して駆動すべき記録素子あるいは記録素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブルから、各画素の階調値に応じて駆動する記録素子の組合わせを1つ選択し、該選択された組合わせに従って記録素子を駆動して多階調記録を行い、記録素子組合わせテーブルに格納される複数の記録素子の組合せのいずれも、同じ画素の記録に使用できる記録素子の最大数よりも少ない数の記録素子の組合わせで構成する
【0028】
このようにすると、記録データの階調値から駆動する記録素子の組合わせが直接求められるので、各記録素子の駆動データを求めるまでの時間が短縮される。また、同じ階調値に対して駆動すべき記録素子の組合わせを適切に変えるようにすれば、全ての記録素子をより平等に使用して記録が行えので、各記録素子の使用頻度が異なることに起因する画質の低下を防止することができる。
【0029】
従って、記録素子の駆動データを得るまでの処理が単純となり処理時間が低減されると共に、記録素子の特性のばらつきによる記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、記録画像の画質を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
始めに、本発明の原理について具体的に説明する。
【0031】
例えば、n種類の濃淡インクを使用する場合、それぞれの濃淡インクで形成するドット数の組み合わせ(以下“濃淡組み合わせ”と称す)は、1画素を1ドットだけで形成する場合には、n種の濃淡インクの中から1種類だけ選択するので、n1=n通りの組み合わせが存在する。また、1画素を2ドットで形成する場合には、n種の濃淡インクの中から2種類を選択してそれぞれのインクで1ドットずつ形成する、n2=n(n−1)/2通りに、n種の濃淡インクの中から1種類を選択してそのインクで2ドット形成する、n1=n通りを加えた組み合わせが存在する。
【0032】
すなわち、1画素の形成に使用するドット数が増えるに従い、また、使用する濃淡インクの種類数が増えるに従い、その濃淡組み合わせ数は増加していく事になる。また、使用する濃淡インクの濃度比によりほぼ同一濃度となる濃淡組み合わせも多数存在する事となる。
【0033】
なお、ここで述べた一画素の形成に使用するインクドット数は、記録媒体の特性や、吐出されるインク滴の容量等に依存し、記録システム上制限される量である。一般的に、300dpiの画素を記録するのに使用されるインク滴の容量は、30〜600ng程度である。
【0034】
また、複数の記録素子を集積配列してなる記録素子列を有する記録ヘッドでマルチパス記録を行う場合、例えば、マルチパス記録のパス数を4回とすると、記録媒体の同一画素を記録するのに使用可能な記録素子の数は4個となる。図5は、キャリッジ20に搭載された、それぞれ16個の記録素子を主走査方向に配列した4つの記録素子列56−a、56−b、56−c、56−dを有する記録ヘッドをインク吐出面側から見た図である。
【0035】
図5の記録素子列56−aを用いたパス数を4回のマルチパス記録で、記録媒体の同一画素を記録するのに使用可能な記録素子の数は、a−1−1、a−2−1、a−3−1、a−4−1の計4個となる。
【0036】
ここで複数のインクドットで1つの画素を形成する場合、例えば2個のインクドットで1つの画素を記録する場合、上記図5の記録素子列56−aで使用する記録素子の組み合わせは、42=6通りである。さらに、濃度の異なる複数種類のインクを使用する場合や、同一濃度のインクを吐出する記録素子列を複数備える場合には、この組合せは飛躍的に増加する。
【0037】
例えば、濃インクの記録媒体上での光学濃度が、淡インクの実質的に2倍の濃度となるような2種類のインクを用い、更に図5に示すように、淡インクを吐出する記録素子列が2列(56−a、56−b)、濃インクを吐出する記録素子列が2列(56−c、56−d)あるような場合に、最大4個のインクドットで1つの画素を記録するものとし、表現できる階調値を8通りとすると、画素の記録に使用する記録素子の組合せは、81828181×818382×81828481×8282×8281×8384=2012通り存在することになる。
【0038】
図7は、この組み合わせの一部を示す図である。図中「ON」と書かれた記録素子が駆動されてインク滴が吐出される。本発明では、このような使用する記録素子の組合せデータ(以下、記録素子組合せ情報)に基づいて使用する記録素子を決定する。
【0039】
本発明の記録素子組合せ情報は、1つの画素を記録するのに使用する濃淡インクのドット数と、どの記録素子を使用するのかを一元的に管理することができるように構成されており、記録の際にはこの記録素子組合せ情報に基づいて、実際に使用する一連の記録素子の組合せを選択することとなる。
【0040】
この記録素子組合せ情報は、インクの種類、記録素子の数、マルチパス記録のパス数が増えると上述のように組合せ数が膨大に増加して情報量が大きくなるので、定められた容量のメモリ装置に記憶できるように、実際はいくつか限られた数の組合せを記憶しておくことが望ましい。
【0041】
また、階調数を設定する際には、人間の視覚特性等を考慮すると共に、より多くの階調値が濃淡2種類のインクを使用した複数のインクドットの組み合わせを含むように選択する事が望ましい。このようにすると、上述の課題をより改善することとなる。
【0042】
実際には、階調数として256以上を用意することが望まれる。このような階調数は、出力する解像度にもよるが、1つの画素を記録するのに最大12〜16個のインクドットを使用し、濃度の異なる最大5〜6種類のインクを用意することで実現可能である。
【0043】
この際に記録される画素の大きさは、記録素子の吐出するインクドットの大きさ、インクの濃度種類数、および1つの画素を記録するのに使用するインクドットの数にもよるが、1つのインクドット径の2〜4倍程度あれば、上述の256階調以上を表現可能である。
【0044】
このようにして、選択された一連の記録素子組合せの中から、入力画像に基づいて各画素毎に使用する階調値および記録素子組合せを決定する。ここで、同じ階調値に対する記録素子の組合せが複数存在する場合、より具体的には、A、B、Cという3種類の組み合わせが同一の階調値となる場合、その階調値を表現する際には画素ごとにABCABCABC…というように3種類の異なった記録素子組合せを周期的に使用する。もしくは、ACBCBABBCAA…というように3種類の異なった記録素子組合せをランダムに使用することが好ましい。このランダム化の方法については特に限定されるものではない。
【0045】
本発明に用いるインクジェット記録方法には、インクの液滴をノズル(記録素子)より吐出して記録を行なわせる従来公知の様々な駆動方式のいずれも、適用可能である。その代表例として、特開昭54−59936号公報に記載されている、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルから吐出させる駆動方式を例に挙げることができる。
【0046】
[第1の実施形態]
以下、上記で説明した原理にもとづいて記録を行う、本発明の実施形態について図を参照して詳細に説明する。
【0047】
本実施形態は、白黒256階調の医療用X線透過画像を2種類の黒の濃淡インクを使用し、かつ、1画素を最大4つのインクドットにて形成する記録システムである。
【0048】
図1は、本実施形態の構成を示すブロック図である。図中1は画像入力部、2は操作部、3は各種処理を行うCPU部、4は各種データを記憶する記憶媒体、4aは上記で説明したような記録素子組合せ情報、4bは各種制御プログラム群、5はRAM、6は画像処理部、7は画像出力を行うプリンタ制御部、8は各種データを転送するバス部である。
【0049】
画像入力部1はスキャナやデジタルカメラなどで構成され、入力された画像を256階調のデジタルデータで出力する。操作部2は各種パラメータの設定および記録開始を指示するための各種キーを備えたキーボード形態で提供される。CPU3は記憶媒体4中の各種プログラムに従って本記録装置全体を制御する。
【0050】
記憶媒体4に格納されている制御プログラム群4bは、制御プログラムやエラー処理プログラムなどの本記録装置を動作させるためのプログラムを含んでいる。本実施形態はすべてこのプログラムに従って動作する。該プログラムを格納する記録媒体4としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いる事ができる。
【0051】
RAM5は記憶媒体4中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア及び画像処理時のワークエリアとして用いられる。また、記録媒体4の中の各種テーブルをRAM5にコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
【0052】
画像処理部6は入力画像に対して各種処理を行って、プリンタ部7で多階調記録を実現するための吐出パターンを作成する。
【0053】
プリンタ部7は記録時に画像処理部6で作成された吐出パターンに基づいてインクを吐出してドットにより画像を形成する。バスライン8は本実施形態内のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送する。
【0054】
図2は本実施形態のプリンタ部7の構成を示す部分上面図である。本実施形態のプリンタ部7は、インクジェット記録方式に従って記録を行うインクジェットプリンタの形態で提供されている。
【0055】
キャリッジ20上には、複数のインクジェットユニット21−1〜21−4が搭載されている。それぞれのインクジェットユニット21にはインクを吐出する記録素子列があり、各インクジェットユニット21の記録素子列は所定の間隔を置いて設置されている。各インクジェットユニット21−1〜21−4の対応する記録素子列へのインクはインクカートリッジ22から供給されており、22−1、22−3は淡インク、22−2、22−4は濃インクを供給するインクカートリッジである。各濃度については後述する。
【0056】
インクジェットユニット21への制御信号などはフレキシブルケーブル23を介して送られる。用紙やプラスチック薄板等からなる記録シート24は不図示の搬送ローラを経て排紙ローラ25に挟持され、搬送モータ26の駆動に伴い矢印方向に送られる。ガイドシャフト27、およびリニアエンコーダ28によりキャリッジ20が案内支持されている。キャリッジ20は駆動ベルト29を介してキャリッジモータ30の駆動によりガイドシャフト27に沿って往復運動させられる。
【0057】
前述のインクジェットユニット21のインク吐出口の内部(液路)にはインク吐出用の熱エネルギーを発生する発熱素子(電気熱エネルギー変換体)が設けられている。キャリッジ20の走査方向にガイドシャフト27に沿って設けられたキャリッジの位置検出のためのリニアエンコーダ28の読みとりタイミングに伴い、前記記録素子を記録信号に基づいて駆動し、記録シート上にインク液滴を飛翔させ、このインク滴が付着することで画像を形成することができる。
【0058】
記録領域外に設定されたキャリッジ20のホームポジションには、キャップ部31を持つ回復ユニット32が設置されている。記録を行わないときには、キャリッジ20をホームポジションに移動させてキャップ部31の各キャップ31−1から31−4により対応するインクジェットユニット21のインク吐出口面を密閉し、インク溶剤の蒸発に起因するインクの固着あるいは塵埃などの異物の付着などによる目詰まりを防止する。
【0059】
また、上記キャップ部31のキャッピング機能は記録頻度の低いインク吐出口の吐出不良や目詰まりを解消するために、インク吐出口から離れた状態にあるキャップ部へインクを吐出させる空吐出に利用されたり、キャップした状態で不図示のポンプを作動させ、インク吐出口からインクを吸引し、吐出不良を起こした吐出口の吐出回復に利用される。33はインク受けで、各インクジェットユニット21−1から21−4が記録直前にインク受け33上部を通過する時に、インク受け33をめがけ予備吐出を行う。またキャップ部隣接位置に不図示のブレード、拭き部材を配置することにより、インクジェットユニット21のインク吐出口形成面をクリーニングすることが可能である。
【0060】
本実施形態のインクジェットプリンタにおいては、インクジェットユニット上に記録素子列を有する記録ヘッドを、2種の濃淡インクをそれぞれ2列ずつ並置したが、これら記録ヘッドを並列に並べずに、記録ヘッドを縦列に分割しても良いことはいうまでもない。同様に、記録素子列についても並列に並べずに、1列の記録素子列を縦列に4つに分割しても良い。
【0061】
また、上記医療用X線透過画像の記録以外の用途でカラーの記録が必要な場合には、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどのインクがそれぞれ入っている記録ヘッドをキャリッジ上に並べることで可能である。また、それぞれの色毎に複数の濃淡インクを使用するように構成することもできる。
【0062】
次に、本実施形態で使用するインクと記録素子組み合わせテーブルについて説明する。
【0063】
記録素子組合わせ情報4a内には、使用するインクに関するデータも格納されている。本実施形態で使用するインクは、以下の表1に示す染料濃度比率および透過濃度を有する2種類であり、濃度の高い方から順にA、Bと称する。なお、インクは、染料及び溶媒からなり、溶媒には、界面活性剤、保湿材、等の各種添加剤が含まれている。これら添加剤は、記録素子からの吐出特性、受像紙上での吸収特性とを制御するものである。
【0064】
【表1】
Figure 0003652181
これら2種類のインクを用いて、1画素を最大4つのインクドットで形成する場合、一つの画素で表すことのできる濃淡組み合わせは、81828181×818382×81828481×8282×8281×8384=2012通りとなる。この中から各階調値ごとに4種類ずつパターンを選択し、計32個のパターンを有する記録素子組合せテーブルを本実施形態では使用した。各階調値に対する4つの記録素子組合せパターンの選択は無作為に行った。
【0065】
図3は、本実施形態で使用する記録素子組合せテーブルの一部を示す図である。図中の記載「1」は、対応する記録素子からインクが吐出されて記録媒体上の実質的な同一画素領域内にインクドットが形成されることを示し、「0」は、記録素子からインクが吐出されないことを示している。
【0066】
また、図3における記録素子の符号は、上記において説明した図5の記録素子列を用いて、図6に示したような4パスのマルチパス記録を行うことを想定しており、各記録素子の符号は図5に対応している。すなわち、本実施形態の記録方法において同一画素に対して使用する記録素子の数は、各パスの走査で4つであり、4つのパスの総計で16個である。
【0067】
例えば、図3に示された画素に対しては、1パス目でa−1−1、b−1−1、c−1−1、d−1−1の4つが使用され、2パス目でa−2−1、b−2−1、c−2−1、d−2−1の4つが使用され、3パス目でa−3−1、b−3−1、c−3−1、d−3−1の4つが使用され、4パス目でa−4−1、b−4−1、c−4−1、d−4−1の4つが使用される。この16個の記録素子のうち最大で4つが駆動されてインク滴が吐出されて階調値に応じたドットが形成される。
【0068】
各階調値(濃度レベル)は、1画素に対して吐出される総インク滴量に含まれる染料の合計量と完全に比例するものではないが、おおよそにおいて対応しており、特に、反射性の記録媒体や透過性の記録媒体上での低濃度部分の視覚認識度において実用上問題ないレベルである。
【0069】
256階調で表わされた入力画像を、図3の記録素子組合せテーブルを使用して記録する場合、階調数を8+1値に変換する必要がある。そこで、画像処理部6において、8+1値の多値誤差拡散の処理を行う。ここでは、多値誤差拡散法を用いる場合を例にとるが、特にこの方法に限られるものではなく、たとえば平均濃度保存法やディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法で行うことができる。
【0070】
次に、8+1値の多値誤差拡散の処理について説明する。多値誤差拡散が通常の誤差拡散と大きく異なる点は、2値化するためのしきい値が複数個、ここでは8個存在する点である。これらのしきい値は、通常8値および無信号の白紙状態の階調値の中点として決定してよい。
【0071】
このようにして多値化処理されたデータは、画像処理部6において、記録素子組合せ情報4aを参照しながら、具体的には図3に示した記録素子組合せテーブルを参照して、各画素毎に記録に使用する記録素子に対して吐出または不吐出を示す駆動信号に変換される。
【0072】
このとき、本実施形態では、同じ階調値の画素が出現する度に図3の記録素子組合わせテーブルから選択する組合わせパターンを順次変更する。たとえば注目する画素(i,j)の階調値が4である時、濃度4の記録素子組合せ情報から4−1の組合せパターンを選択して駆動データに変換する。次の画素(i+1,j)も階調値が4である時、4−2の記録素子組合せパターンを選択して駆動データに変換する。その次の画素が階調値4でない場合、次に階調値4のデータが出現した時に4−3の記録素子組合せパターンを選択する。
【0073】
以上の処理を行うことにより、1つの注目画素に対する処理が終了する。そして、多値化処理された画像の全ての画素に対してこのような処理を繰り返すことにより、それぞれの記録素子列に対する各画素ごとの吐出、不吐出の2値の駆動信号が形成される。
【0074】
このようにして得られた駆動データに基づいて図5に示した各記録素子列を駆動し、図6のような4パス記録を行って画像を記録した。本実施形態によって得られた画像を従来の記録方法で記録した画像と比較すると、「よれ」等による劣化の少ない良好な階調画像を得ることができた。
【0075】
以上説明したように本実施形態によれば、記録素子組合せテーブルによって駆動データを直接得ることができるので、画像処理の処理工程を減じることができ処理の高速化が期待できる。
【0076】
また、各記録素子の駆動周期の差を少なくして吐出間隔があいて吐出が不安定となる可能性を低減すると共に、一定以上の面積を同一の記録素子を使用して記録するという状況も減らすこととなり、記録画像における「よれ」や「すじ」の発生を低減して記録画像の品質を向上することができる。
【0077】
更に、記録ヘッドを交換した場合においても特性の変化による画質の変化少なくすることができる。
【0078】
[第2の実施形態]
第2の実施形態も上記第1の実施形態と同様な、医療用X線透過画像を2種類の黒の濃淡インクを使用し、かつ、1画素を最大4つのインクドットにて形成する記録システムであり、図3の記録素子組合わせテーブルからパターンを選択する手法のみが第1の実施形態と異なっており、以下ではこの相違点についてのみ述べる。
【0079】
第2の実施形態は、画素のX座標(水平方向位置)に基づいて、選択するパターンを決定するものであり、具体的には、X座標の値を4で除算して余った数に対応するパターンを記録素子組合せテーブルから選択し、多値化画像データから記録素子の駆動データに変換するものである。
【0080】
すなわち、第1の実施形態では、同じ階調値が出現する度に順次異なったパターンを選択するようにしたが、本実施形態では座標の値に従って、図3の記録素子組合せテーブルから選択するパターンが決定される。
【0081】
例えば、注目画素(i,j)の階調値が4であり、iを4で割った余りが1であるとき、階調値4の記録素子組合せテーブルから4−1のパターンを選択する。次に画素(i+1,j)の階調値が4でなく、その次の画素(i+2,j)の階調値が4であるときには、第1の実施形態と異なり、記録素子組合せテーブルから4−3のパターンを選択する。
【0082】
このようにして得られた駆動データに基づいて図5に示した各記録素子列を駆動し、図6のような4パス記録を行って画像を記録した。本実施形態によって得られた画像を従来の記録方法で記録した画像と比較すると、「よれ」等による劣化の少ない良好な階調画像を得ることができた。
【0083】
[第3の実施形態]
第3の実施形態も上記第1および第2の実施形態と同様な、医療用X線透過画像を2種類の黒の濃淡インクを使用し、かつ、1画素を最大4つのインクドットにて形成する記録システムであり、図3の記録素子組合わせテーブルからパターンを選択する手法のみが第1および第2の実施形態と異なっており、以下ではこの相違点についてのみ述べる。
【0084】
第3の実施形態は、図3の記録素子組合せテーブルから選択するパターンを順番ではなくランダムに選択するものである。すなわち、第1および第2の実施形態ではそれぞれ出現順および座標値に応じて4つのパターンを、例えば階調値4に対するパターンを4−1、4−2、4−3、4−4の順番に選択したが、第3の実施形態では特定の順番に従わずランダムに選択する。
【0085】
このようにして得られた駆動データに基づいて図5に示した各記録素子列を駆動し、図6のような4パス記録を行って画像を記録した。本実施形態によって得られた画像を従来の記録方法で記録した画像と比較すると、「よれ」等による劣化の少ない良好な階調画像を得ることができた。
【0086】
[第1の比較例]
上記第1から第3の実施形態と比較するため、同様の記録システムにおいて、濃度の異なる2種類の濃淡インクを使用し、図8のインク分配テーブルに従って、各階調値に対する2種類のインクと2列の記録素子列の使用パターンを得て、その後各記録素子列毎に、例えば1/4千鳥マスク等を使用する所定の方法で、マルチパス記録を行う際の各パス毎の記録素子の駆動データを生成した。
【0087】
図9は、本比較例の駆動信号を生成する処理を示すフローチャートである。図示されたように、本比較例では入力された画像データの階調数が8である否かを判定し(ステップS901)、階調数が8でない場合には多値化処理を行い(ステップS902)、図8のインク分配テーブルを参照してインクおよび記録素子列のパターンを決定し(ステップS903)、所定の方法でマルチパス記録を行う際の各パス毎に使用する記録素子を求め(ステップS904)、各記録素子列毎に記録素子の駆動データを得る(ステップS905a〜S905d)。
【0088】
上記の第1から第3の実施形態と比較すると、ステップS903の分配テーブル参照の後にステップS904のマルチパス化処理を行う必要があるため、処理工程が1つ多くなり全体的な処理時間が長くなる。
【0089】
[第4の実施形態]
第4の実施形態も上記第1から第3の実施形態と同様な、医療用X線透過画像を2種類の黒の濃淡インクを使用し、かつ、1画素を最大4つのインクドットにて形成する記録システムである。
【0090】
本実施形態は、記録素子列中に何らかの原因で不吐出となった記録素子がある場合に、この記録素子を使用しないパターンのみを使用して記録を行うものである。具体的には、例えば、図5のa−2−1の記録素子が不吐出となった場合、図3に示された記録素子組合せテーブルにおいて該記録素子a−2−1を使用するパターンである、3−3、4−2、5−3、6−3、7−3を選択対象から除外して、残りのパターンのみを選択対象とするものである。
【0091】
図4は、本実施形態で駆動データを得る処理を示すフローチャートである。図示されたように、本実施形態では入力された画像データの階調数が8である否かを判定し(ステップS401)、階調数が8でない場合には多値化処理を行う(ステップS402)。
【0092】
その後、不吐出となった記録素子がある否かを判定し(ステップS403)、不吐出となった記録素子がある場合には、該記録素子を使用しない組合わせパターンのみを選択するように記録素子組合わせテーブルのデータを変更する(ステップS404)。
【0093】
そして、記録素子組合わせテーブルを参照して画素毎に駆動データを得(ステップS405)、全ての画素に対する駆動データに基づいて各記録素子列毎に記録素子の駆動データを得る(ステップS406a〜S406d)。
【0094】
このようにして得られた駆動データに基づいて図5に示した各記録素子列を駆動し、図6のような4パス記録を行って画像を記録した。不吐出となった記録素子が存在するにもかかわらず、「よれ」等による劣化の少ない良好な階調画像を得ることができた。
【0095】
[第2の比較例]
第4の実施形態と比較するため、上記第1の比較例と同様に、図8のインク分配テーブルに従って、各階調値に対する2種類のインクと2列の記録素子列の使用パターンを得て、マルチパスにおける各パス毎の駆動データに変換するときに、単純な1/4千鳥マスクによる記録信号への変換を行う際に、不吐出となった記録素子であるa−2−1にて記録する分を、単純に記録素子b−2−1に割り当てて駆動データを得た。
【0096】
このようにして得られた駆動データに基づいて図5に示した各記録素子列を駆動し、図6のような4パス記録を行って画像を記録した。本比較例では記録素子b−2−1を連続的に吐出させる場合が生じ、これにより記録素子b−2−1の吐出特性が変化したものと思われ、記録画像において同一濃度が連続する領域では、若干の横すじが生じ品位が低下した。
【0097】
[他の実施形態]
なお、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0098】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0099】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0100】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0101】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0102】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0103】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0104】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0105】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0106】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0107】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0108】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0109】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0110】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0111】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0112】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0113】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図4に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録データの階調値から駆動する記録素子の組合わせが直接求められるので、各記録素子の駆動データを求めるまでの時間が短縮される。また、同じ階調値に対して駆動すべき記録素子の組合わせを適切に変えるようにすれば、全ての記録素子をより平等に使用して記録が行えので、各記録素子の使用頻度が異なることに起因する画質の低下を防止することができる。
【0115】
従って、記録素子の駆動データを得るまでの処理が単純となり処理時間が低減されると共に、記録素子の特性のばらつきによる記録画像中の「よれ」や「すじ」の発生を低減させ、記録画像の画質を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1におけるプリンタ部の構成を示す概略図である。
【図3】第1の実施形態の記録素子組合せテーブルの例を示す図である。
【図4】第4の実施形態の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図5】キャリッジに設けられた4つの記録素子列の概略図である。
【図6】マルチパス記録の動作を説明するための図である。
【図7】記録素子組合せテーブルの一例を説明する図である。
【図8】従来例におけるインク分配テーブルの一例を示す図である。
【図9】従来のインク分配テーブルを用いた画像処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像入力部
2 操作部
3 CPU
4 記憶媒体
4a 記録素子組合せテーブル
4b 制御プログラム群
5 RAM
6 画像処理部
7 プリンタ部
8 バスライン
20 キャリッジ
21−1〜21−4 インクジェットユニット
22−1〜22−4 インクカートリッジ
23 フレキシブルケーブル
24 被記録材
25 排紙ローラ
26 搬送モータ
27 ガイドシャフト
28 リニアエンコーダ
29 駆動ベルト
30 キャリッジモータ
31−1〜31−4 キャップ
32 回復ユニット
33 インク受け
56−a,56−b 淡インク用記録素子列
56−c,56−d 濃インク用記録素子列

Claims (10)

  1. 濃度の異なるn種類のインクを吐出する記録素子を複数有するインクジェット記録ヘッドを用い、記録媒体上の各画素に対して吐出される前記n種類のインク滴の数を変化させて多階調記録を行う記録方法であって、
    各階調値に対応して駆動すべき記録素子あるいは記録素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブルから、各画素の階調値に応じて、駆動する記録素子あるいは記録素子の組合わせを1つ選択する選択工程を備え、
    前記記録素子組合わせテーブルに格納される複数の前記記録素子の組合せのいずれも、同じ画素の記録に使用できる記録素子の最大数よりも少ない数の記録素子の組合わせで構成されることを特徴とする記録方法。
  2. 前記選択工程は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせを所定の順序で選択することを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  3. 前記選択工程は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせを前記記録媒体上における画素の位置に応じて選択することを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  4. 前記選択工程は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせをランダムに選択することを特徴とする請求項に記載の記録方法。
  5. インクの吐出不良が発生した記録素子を検出する検出工程を更に備え、前記選択工程は前記検出された記録素子を含む前記組合わせを選択対象から除外する工程を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の記録方法。
  6. 濃度の異なるn種類のインクを吐出する記録素子を複数有するインクジェット記録ヘッドを備え、記録媒体上の各画素に対して吐出される前記n種類のインク滴の数を変化させて多階調記録を行う記録装置であって、
    各階調値に対応して駆動すべき記録素子あるいは記録素子の組合わせを複数含む記録素子組合わせテーブルを記憶した記憶手段と、
    各画素の階調値に応じて、前記記憶手段に記憶された記録素子組合わせテーブルから駆動する記録素子あるいは記録素子の組合わせを1つ選択する選択手段とを備え
    前記記録素子組合わせテーブルに格納される複数の前記記録素子の組合せのいずれも、同じ画素の記録に使用できる記録素子の最大数よりも少ない数の記録素子の組合わせで構成されることを特徴とする記録装置。
  7. 前記選択手段は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせを所定の順序で選択することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  8. 前記選択手段は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせを前記記録媒体上における画素の位置に応じて選択することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  9. 前記選択手段は、前記記録素子組合わせテーブルから前記組合わせをランダムに選択することを特徴とする請求項に記載の記録装置。
  10. インクの吐出不良が発生した記録素子を検出する検出手段を更に備え、前記選択手段は前記検出された記録素子を含む前記組合わせを選択対象から除外することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の記録装置。
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