JP2004142196A - 画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッドにたとえ記録不可能状態の記録素子が存在しても、高品位の画像記録を行なうことができる画像処理方法を提供することである。
【解決手段】多値画像データに擬似中間調処理を施し、記録ヘッドを用いる記録を行なうために複数画素の2値画像データから成る濃度パターンに変換して出力する際に、入力多値画像データの注目画素を記録するために用いる記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べ、その調査結果に従って、量子化数を制限するように注目画素の多値画像データを量子化し、その量子化によって発生した誤差を後続する画素に拡散する一方、その量子化データを前記調査結果に従って濃度パターンに変換し、その得られた濃度パターンの2値画像データを出力する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理方法に関し、特に、多値画像データを画像処理し、例えば、インクジェット記録装置を用いて記録を行なうための画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画素毎に複数の階調を有する多値画像データを、例えば、インクジェット記録装置のようなオン又はオフの2値記録のみ可能な記録装置によって記録するために、2値画像データに変換する方法として、濃度パターン法や誤差拡散法が知られている。
【0003】
濃度パターン法は、多値画像の1画素を複数の2値画素から構成される画素ブロックに対応させ、各画素ブロック内のオン、オフ画素数の増減により階調再現を行なうものである。しかしながら、濃度パターン法では、画素ブロックのサイズが小さいと表現可能な階調数が少なく、なめらかな階調再現が困難であり、逆に、多くの階調数を得るために画素ブロックのサイズを大きくすると画像の解像度の低下につながるという欠点がある。
【0004】
誤差拡散法は多値画像データが表現する各画素に対して得られる2値画像データが表現する画素も1画素である2値化方法である。誤差拡散法では、2値化のための判定値と多値画像データの画素値との比較を行ない、出力のオンオフを決定すると同時に、その判定値と注目画素値の差(以下、誤差と呼ぶ)を計算し、その誤差を周辺の画素に伝播させるものである。誤差拡散法では、画像の濃度は保存される。
【0005】
誤差拡散法では、2値化の際に発生した誤差を拡散することで、優れた階調再現を得ることができ、高画質な2値化画像が得られる。しかしながら、多値画像データ1画素に対して2値画像データ1画素を対応させて拡散処理等をするため2値化処理に多くの時間が必要であるという欠点がある。
【0006】
そこで従来より、より滑らかな中間調の画像をより短い処理時間で得るために、マトリックスサイズの小さな濃度パターン法に誤差拡散法を組み合わせた方法(以下、インデックス法と呼ぶ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平09−083794号公報。
【0008】
ここで、インデックス法について、解像度が600×600dpiの多値画像データを入力し、出力画像の解像度が1200×1200dpiとなるインクジェット記録装置を例に説明する。
【0009】
図8は、インデックス法の処理の流れを示す図である。
【0010】
図8によれば、解像度600×600dpiの多値画像データが5値化処理部101に入力されて多値誤差拡散法により量子化され5値インデックスデータが出力される。次に、解像度600×600dpiの5値インデックスデータはインデックスパターン出力部102において変換されて解像度1200×1200dpiの2値データとなり、これがインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)103に転送されて出力される。
【0011】
次に、5値化処理について、図9〜図10を参照して説明する。
【0012】
図9は閾値判定について示す図である。
【0013】
ここで、入力多値画像データは1画素8ビットのデータとし、各画素について階調値0から255の256階調を表現できるデータとする。
【0014】
そして、図9に示すように、5値化のための量子化閾値は“32”、“96”、“160”、“224”とし、5値化によって得られる出力階調値は、“0”、“64”、“128”、“192”、“255”とし、これらの出力階調値にそれぞれ対応して5値インデックスデータ“0”、“1”、“2”、“3”、“4”を出力する。
【0015】
従って、入力多値画像データの階調値(L)が0≦L≦32のとき、出力階調値は“0”、5値インデックスデータは“0”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が33≦L≦96のとき、出力階調値は“64”、5値インデックスデータは“1”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が97≦L≦160のとき、出力階調値は“128”、5値インデックスデータは“2”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が161≦L≦224のとき、出力階調値は“192”、5値インデックスデータは“3”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が225≦L≦255のとき、出力階調値は“255”、5値インデックスデータは“4”である。
【0016】
そして、それぞれの場合において、出力階調値と入力階調値の差を誤差として周辺画素に拡散する。
【0017】
図10は誤差拡散について示す図である。
【0018】
図10(a)は矢印Aで示すようにラスターの左から右方向に量子化する場合のものである。
【0019】
図10(a)において、301aは量子化する注目画素である。302a、303a、304a、305aは、注目画素301aを量子化した際に生じた誤差を分配する画素であり、e1、e2、e3、e4は、その誤差を分配する正規化された割合を表している。従って、e1+e2+e3+e4=1である。
【0020】
図10(b)は矢印Bで示すようにラスターの右から左方向に量子化する場合のものである。
【0021】
同様に、図10(b)において、301bは量子化する注目画素であり、302b、303b、304b、305bは注目画素301bを量子化した際に生じた誤差を分配する画素である。
【0022】
次に、5値インデックスデータからインデックスパターンへの変換について図11を用いて説明する。
【0023】
図11は、5値インデックスデータ“0”から“4”までに対応するインデックスパターンを示す図である。
【0024】
図11に示されているように、5値インデックスデータの値に応じて、インデックスパターンへ変換する。この際、インデックスパターンが複数ある、即ち、5値インデックスデータが“1”、“2”、“3”の場合は、これら複数のパターンの中からランダムに選択して変換するか、あるいは、それぞれの5値インデックスデータの値に対応するパターン全てもしくはその一部を、順番に繰り返し選択して変換する。
【0025】
以上説明したようにインデックス法では、解像度が低下することなく、また、多値データ1画素を2値データ1画素に対応させた誤差拡散法よりも処理時間を短縮して、600×600dpiの多値画像データを1200×1200dpiの2値データに変換することができる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来例のインデックス法では以下のような問題があった。
【0027】
即ち、記録ヘッドの記録素子の状態に関係なく2値化処理を行なうため、せっかく濃度を保存して処理しても、記録ヘッドに記録不可能状態の記録素子が存在する場合、記録媒体に形成された画像の濃度は保存されない。
【0028】
インクジェット記録装置の場合であれば、記録ヘッドに不吐ノズルが存在すると、その不吐ノズルに供給されるデータは記録媒体に記録されないことになる。この場合、せっかく2値化処理の段階では保存されていた濃度も、記録媒体に実際に形成された画像では濃度が保存されず、また、不吐ノズルのせいで記録媒体に形成された画像には白スジが発生し、画像品位を低下させてしまう。
【0029】
本発明は上記従来例とのその問題点に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドにたとえ記録不可能状態の記録素子が存在しても、高品位の画像記録を行なうことができる画像処理方法を提供することを目的としている。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の画像処理方法は以下の工程からなる。
【0031】
即ち、多値画像データに擬似中間調処理を施し、記録ヘッドを用いる記録を行なうために複数画素の2値画像データから成る濃度パターンに変換して出力する画像処理方法であって、多値画像データを入力する入力工程と、前記入力工程において入力される多値画像データの注目画素を記録するために用いる前記記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べる調査工程と、前記調査工程における調査結果に従って、量子化数を制限するように前記注目画素の多値画像データを量子化する量子化工程と、前記量子化工程における量子化によって発生した誤差を後続する画素に拡散する誤差拡散工程と、前記量子化工程において量子化された量子化データを前記調査工程における調査結果に従って濃度パターンに変換する変換工程と、前記変換工程において得られた濃度パターンの2値画像データを出力する出力工程とを有することを特徴とする画像処理方法を備える。
【0032】
また、本発明は、上記画像処理方法における各工程をコンピュータによって実行するために、コンピュータが実行可能なコードによって記述されたプログラムの形態であっても良い。
【0033】
さらに、そのプログラムは、コンピュータが読み取り可能であるように、コンピュータ可読の記憶媒体に格納するように備えられても良い。
【0034】
このようにして、プログラムや記憶媒体の形で本発明を実現することも可能である。
【0035】
またさらに、本発明は、上記画像処理方法を実行できる画像処理装置の形態であっても良い。
【0036】
即ち、本発明は、多値画像データに擬似中間調処理を施し、記録ヘッドを用いる記録を行なうために複数画素の2値画像データから成る濃度パターンに変換して出力する画像処理装置であって、多値画像データを入力する入力手段と、前記入力手段によって入力される多値画像データの注目画素を記録するために用いる前記記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べる調査手段と、前記調査手段による調査結果に従って、量子化数を制限するように前記注目画素の多値画像データを量子化する量子化手段と、前記量子化手段による量子化によって発生した誤差を後続する画素に拡散する誤差拡散手段と、前記量子化手段によって量子化された量子化データを前記調査手段による調査結果に従って濃度パターンに変換する変換手段と、前記変換手段によって得られた濃度パターンの2値画像データを出力する出力手段とを有することを特徴とするものである。
【0037】
またさらに、本発明は以上の構成の画像処理装置を組み込んだ記録装置の形態でも良い。
【0038】
以上の構成により本発明は、多値画像データに擬似中間調処理を施し、記録ヘッドを用いる記録を行なうために複数画素の2値画像データから成る濃度パターンに変換して出力する際に、入力多値画像データの注目画素を記録するために用いる記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べ、その調査結果に従って、量子化数を制限するように注目画素の多値画像データを量子化し、その量子化によって発生した誤差を後続する画素に拡散する一方、その量子化データを前記調査結果に従って濃度パターンに変換し、その得られた濃度パターンの2値画像データを出力する。
【0039】
【発明の実施の形態】
さて、以上説明したような画像処理装置では、記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べるために前記状態を格納した記憶手段を備えると良い。
【0040】
また、量子化データを前記調査手段による調査結果に従って濃度パターンに変換する際には、量子化数を考慮した複数の濃度パターンを予め格納したメモリを備えると良い。
【0041】
例えば、量子化数が5である場合には、5値の各々の値に対応した複数の濃度パターンを第1のメモリに格納し、量子化数が3である場合には、3値の各々の値に対応した複数の濃度パターンを第2のメモリに格納しておき、これら第1、第2のメモリから量子化データに対応した濃度パターンを選択する選択手段をさらに備えると良い。
【0042】
また、入力される多値画像データが表現する画像の解像度を第1の解像度としたときに、出力される2値画像データが表現する画像の解像度である第2の解像度は第1の解像度の整数倍であると良い。
【0043】
さらに、以上のような構成の画像処理装置を組み込んだ記録装置には、インクジェット方式に従って記録を行なう記録ヘッドを備えていることが望ましく、前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出するために、インクに与える熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えていることが好ましい。
【0044】
そのような記録装置には、外部のホスト装置から画像データを入力するインタフェースを備えるとともに、インクジェット記録ヘッドの複数の記録素子の状態を検出する手段を備えていることが望ましく、その検出結果は画像処理装置の記憶手段の情報を更新するために用いられる。
【0045】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について、さらに具体的かつ詳細に説明する。
【0046】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット方式に従う記録ヘッドを用いた記録装置を例に挙げて説明する。
【0047】
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0048】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0049】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0050】
またさらに、「ノズル」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
【0051】
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
【0052】
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置という)は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータM1によって発生する駆動力を伝達機構4より伝え、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させるとともに、例えば、記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
【0053】
また、記録ヘッド3の状態を良好に維持するためにキャリッジ2を回復装置10の位置まで移動させ、間欠的に記録ヘッド3の吐出回復処理を行う。
【0054】
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
【0055】
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能で、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
【0056】
さて、キャリッジ2と記録ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。記録ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。特に、この実施形態の記録ヘッド3は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用し、熱エネルギーを発生するために電気熱変換体を備え、その電気熱変換体に印加される電気エネルギーが熱エネルギーへと変換され、その熱エネルギーをインクに与えることにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
【0057】
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝達機構4の駆動ベルト7の一部に連結されており、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の絶対位置を示すためのスケール8が備えられている。この実施形態では、スケール8は透明なPETフィルムに必要なピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は板バネ(不図示)で支持されている。
【0058】
また、記録装置1には、記録ヘッド3の吐出口(不図示)が形成された吐出口面に対向してプラテン(不図示)が設けられており、キャリッジモータM1の駆動力によって記録ヘッド3を搭載したキャリッジ2が往復移動されると同時に、記録ヘッド3に記録信号を与えてインクを吐出することによって、プラテン上に搬送された記録媒体Pの全幅にわたって記録が行われる。
【0059】
さらに、図1において、14は記録媒体Pを搬送するために搬送モータM2によって駆動される搬送ローラ、15はバネ(不図示)により記録媒体Pを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダ、17は搬送ローラ14の一端に固着された搬送ローラギアである。そして、搬送ローラギア17に中間ギア(不図示)を介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。
【0060】
またさらに、20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録媒体Pを記録装置外ヘ排出するための排出ローラであり、搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動されるようになっている。なお、排出ローラ20は記録媒体Pをバネ(不図示)により圧接する拍車ローラ(不図示)により当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダである。
【0061】
またさらに、記録装置1には、図1に示されているように、記録ヘッド3を搭載するキャリッジ2の記録動作のための往復運動の範囲外(記録領域外)の所望位置(例えば、ホームポジションに対応する位置)に、記録ヘッド3の吐出不良を回復するための回復装置10が配設されている。
【0062】
回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面をクリーニングするワイピング機構12を備えており、キャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の吸引手段(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク流路内の粘度の増したインクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行う。
【0063】
また、非記録動作時等には、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピング機構11によるキャッピングすることによって、記録ヘッド3を保護するとともにインクの蒸発や乾燥を防止することができる。一方、ワイピング機構12はキャッピング機構11の近傍に配され、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク液滴を拭き取るようになっている。
【0064】
これらキャッピング機構11及びワイピング機構12により、記録ヘッド3のインク吐出状態を正常に保つことが可能となっている。
【0065】
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
【0066】
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納したROM602、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等を設けたRAM604、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給するA/D変換器606、多値画像データをインデックス法によって2値画像データに変換する画像処理プロセッサ607などで構成される。
【0067】
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。
【0068】
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのプリントスイッチ622、及び記録ヘッド3のインク吐出性能を良好な状態に維持するための処理(回復処理)の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受けるためのスイッチから構成される。630はホームポジションhを検出するためのフォトカプラなどの位置センサ631、環境温度を検出するために記録装置の適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される装置状態を検出するためのセンサ群である。
【0069】
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。
【0070】
以上のような構成で、記録装置本体はホスト装置610からインタフェース611を介して転送された多値画像データをRAM602に展開する。その多値画像データは各色成分毎に画像処理プロセッサ607により2値画像データに変換され、その2値画像データはRAM602の別の領域に確保される。
【0071】
この別の領域は記録走査において記録ヘッド3に記録データを転送するために参照されるRAM602上の2次元の矩形領域として確保される記憶領域(プリントバッファ)であり、その横サイズを主走査方向の記録可能領域分の画素数Vpに対応したもの、その縦サイズを記録ヘッドの1回の記録走査で記録される副走査方向の画素数に対応したものとして構成されている。
【0072】
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM602の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出ヒータ)の駆動データ(DATA)を転送する。
【0073】
次に以上の構成の記録装置における画像処理について説明する。
【0074】
ここでは、画像処理の対象となる画像データの色成分を特定せずに説明するが画像データがカラー画像データである場合には、各色成分データごとに以下に示す処理が実行されることは言うまでもなく、白黒画像データである場合にはブラック成分のみの画像データが処理される。
【0075】
図3は画像処理プロセッサ607の機能構成を示す図である。
【0076】
図3において、501は記録ヘッドの記録素子が記録可能状態にあるか、記録不可能状態にあるかを記憶する記録素子状態記憶部、502は多値画像データを入力する端子、503は誤差加算部、504は閾値判定部、505は誤差拡散部、506は誤差記憶部、507はパターン出力部、508は2値化された画像データを出力する端子である。
【0077】
以上の構成において、端子502からラスタライズされた多値画像データが入力される。ここでは、多値画像データは各色成分について1画素8ビット、即ち、画素値が0〜255であり256の階調を表現できるデータとする。
【0078】
誤差加算部503では、現在処理対象となる注目画素の前画素までに拡散された誤差値と現在入力された多値画像データの画素値とが加算される。そして、閾値判定部504では、誤差加算部503で加算されたデータと複数の閾値との比較を行ない、量子化されたデータと、量子化の際に生じた誤差を出力する。その際、記録素子状態記憶部501を参照する。閾値判定部504の処理についての詳細は後述する。
【0079】
閾値判定部504から出力された誤差は、誤差拡散部505において所定の誤差拡散マトリックスに従って周辺画素に拡散され、加算する対象画素毎に誤差記憶部506に格納される。
【0080】
パターン出力部507は、閾値判定部504から出力された量子化されたデータをインデックスパターンに変換する。その際、記録素子状態記憶部501を参照する。パターン出力部507の処理についての詳細は後述する。
【0081】
そして、出力端子508より2値化されたデータが出力される。
【0082】
図4は入力多値画像データの画素と出力2値画像データの画素と記録ヘッドのインク吐出ノズルとの関係を示す図である。
【0083】
この実施形態では、入力多値画像データの解像度を600×600dpi、出力2値画像データの解像度を1200×1200dpiとしている。従って、図4に示すように入力多値画像データの1画素が出力2値画像データの2×2の4画素に対応する。
【0084】
図4において、801、802はインク吐出ノズル(以下、ノズルという)、810は多値データの1画素(600×600dpi)、811、812、813、814は2値データの1画素(1200×1200dpi)を表しており、これら2値データの4画素が多値データの1画素810に対応する。そして、2値データの画素811、812はノズル801を用いて記録し、2値データの画素813、814はノズル802を用いて記録する。
【0085】
ここで、閾値判定部504の処理の詳細について説明する。
【0086】
例えば、図4において、ノズル801、802の両方が記録可能な状態であれば、2値データの画素811〜814の画素値をオン、オフさせることにより、5階調での記録が可能である。
【0087】
従って、従来例の図9に示されているように、5値化の処理を行なう。
【0088】
即ち、入力多値画像データの階調値(L)が0≦L≦32のとき、出力階調値は“0”、5値インデックスデータは“0”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が33≦L≦96のとき、出力階調値は“64”、5値インデックスデータは“1”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が97≦L≦160のとき、出力階調値は“128”、5値インデックスデータは“2”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が161≦L≦224のとき、出力階調値は“192”、5値インデックスデータは“3”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が225≦L≦255のとき、出力階調値は“255”、5値インデックスデータは“4”である。
【0089】
そして、それぞれの場合において、出力階調値と入力階調値の差を誤差として周辺画素に拡散する。
【0090】
しかしながら、一方のノズル、例えば、ノズル801が吐出不良ノズルである場合、画素811、812に記録を行なうことができないため、多値データ810に対応させて3階調の記録しかできない。
【0091】
そこで、閾値判定部504では多値画像データを多値誤差拡散法にて5値化する際、記録素子状態記憶部501を参照し、処理している注目画素を記録する記録素子の状態を調べ、2つのノズルの内1つが記録不可能状態である場合には、5値化処理の出力を0〜2の3階調に制限する。言い換えると、実際には3値化処理を行なう。
【0092】
図5は閾値判定部504が実行する入力多値画像データを3値化する処理を示す図である。
【0093】
図5によれば、入力多値画像データの階調値(L)が0≦L≦32のとき、出力階調値は“0”、5値インデックスデータは“0”である。同様に、入力多値画像データの階調値(L)が33≦L≦96のとき、出力階調値は“64”、5値インデックスデータは“1”である。そして、入力多値画像データの階調値(L)が97≦L≦255のときは、すべて、出力階調値“128”、5値インデックスデータ“2”とする。そして、それぞれの場合において、出力階調値と入力階調値の差を誤差として周辺画素に拡散する。
【0094】
さらに、処理している注目画素を記録する2つのノズル両方が、記録不可能状態の場合には、全く記録することができないため、5値インデックスデータを“0”とし、入力多値画像データの画素値を全て誤差として周辺画素へ拡散する。
【0095】
なお、記録素子状態記憶部501に格納される情報はMPU601から提供され、MPU601が定期的に実行する吐出不良ノズルの検出処理の結果がフィードバックされて適宜、その情報が最新の記録ヘッドのノズル状態を反映するように更新される。また、吐出不良ノズルの検出処理は公知であるので、ここで、その詳細については説明しないが、吐出不良ノズルの検出方法としては、例えば、(1)記録ヘッドからインク吐出して記録媒体Pに所定のドットパターンを形成し、この形成されたドットパターンを読取センサにて読み取ることで吐出不良ノズルの検出する方法や、(2)発行素子と受光素子を記録装置に設け、その発光素子から出た光ビームの中にノズルからインク滴を吐出し、その光ビームを受ける受光素子の出力変化から吐出不良ノズルを検出する方法がある。
【0096】
次に、パターン出力部507の処理の詳細について説明する。
【0097】
パターン出力部507では閾値判定部504から出力された量子化データである5値インデックスデータを入力してインデックスパターンに変換する際には、記録素子状態記憶部501にアクセスし、処理している注目画素を記録する記録素子が記録可能状態か記録不可能状態かを示す情報を読み込んでから、その変換を行なう。
【0098】
処理している注目画素を記録する2つのノズル両方が、記録可能状態の場合には、5値インデックスデータそれぞれに対して、従来例で説明した図11に示したようなインデックスパターンが存在する。この場合には、図11に示したインデックスパターンの全部もしくは一部を、パターン出力部507に備えられたパターンメモリ507aに格納しておき、入力5値インデックスデータに対応するインデックスパターンをパターンメモリ507aから、順番にもしくはランダムに読み込んでパターンに変換し2値データを出力する。
【0099】
これに対して、処理している注目画素を記録する2つのノズルの内1つが記録不可能状態の場合には、記録媒体への記録が可能なインデックスパターンは限定される。この場合、ノズルの状態に応じて記録可能なインデックスパターンを格納したパターンメモリ507b、507cから3値インデックスデータに対応したインデックスパターンを読み込んで変換を行なう。
【0100】
図6は記録に必要な2つのノズルの内1つが不良吐出ノズルである場合に出力されるインデックスパターンの例を示す図である。
【0101】
図6(a)において、801a、802aはインク吐出ノズル、811a、812a、813a、814aは2値データの1画素(1200×1200dpi)であり、これら2値データの4画素が多値データの1画素(600×600dpi)に対応する。
【0102】
さて、ノズル802aが吐出不良ノズルである場合、画素813a、814aには記録することができない。従って、ノズル801a、802aを用いて記録できるパターンは図6(a)に示した4つのパターンになる。このパターンを格納しているパターンメモリ507bから、5値インデックスデータ(実際には3値インデックスデータとなる)に対応したパターンを、順番にもしくはランダムに読み込んで変換し2値データを出力する。
【0103】
同様に図6(b)において、801b、802bはインク吐出ノズル、811b、812b、813b、814bは2値データの1画素(1200×1200dpi)である。ノズル801bが吐出不良ノズルである場合には、ノズル801b、802bを用いて記録できるパターンは図6(b)に示したものであり、これらを格納したパターンメモリ507cからインデックスパターンを読み込んで5値インデックスデータ(実際には3値インデックスデータとなる)を2値データに変換して出力する。
【0104】
なお、処理している注目画素を記録する2つのノズル両方が記録不可能状態の場合には、入力される5値インデックスデータは必ず“0”であるので、パターンメモリから読み込むことなく4画素全て“0”の2値データを出力する。
【0105】
以上述べたように処理された2値画像データがRAM604に出力され、このデータが記録ヘッド3へと転送され記録媒体への画像形成が行なわれる。
【0106】
図7は閾値判定部504とパターン出力部507とが実行する処理を示したフローチャートである。
【0107】
まず、ステップS205では注目画素の多値画像データを入力し、次のステップS210では記録素子状態記憶部501からその注目画素を記録する2つのノズルの状態を示す情報を入力し、さらにステップS215では、それら2つのノズルの状態がどのようなものであるかを調べる。
【0108】
ここで、2つのノズルの状態とも良好であれば、処理はステップS220に進み、注目画素の多値画像データの画素値を5値化処理して5値のインデックスデータを出力する。さらに、ステップS230ではパターンメモリ507aにアクセスして5値のインデックスデータに対応するインデックスパターンを読込み、そのパターンに対応する2値データを出力する。その後、処理はステップS260に進む。
【0109】
一方、2つのノズルの内1つが吐出不良であれば、処理はステップS240に進み、注目画素の多値画像データの画素値を3値化処理して3値のインデックスデータを出力する。さらに、ステップS245ではパターンメモリ507b或いは507cにアクセスして3値のインデックスデータに対応するインデックスパターンを読込み、そのパターンに対応する2値データを出力する。その後、処理はステップS260に進む。
【0110】
なお、ステップS245において、注目画素を記録する2つのノズルの内、これらが左右に並んでいるとしたとき、右側のノズルが吐出不良であれば、パターンメモリ507bにアクセスして図6(a)に示すようなインデックスパターンを出力し、左側のノズルが吐出不良であれば、パターンメモリ507cにアクセスして図6(b)に示すようなインデックスパターンを出力する。
【0111】
さらに、2つのノズルの両方ともに吐出不良であれば、処理はステップS250に進み、インデックスデータとして“0”を出力し、さらにステップS255では全ての値が“0”である2値データを出力する。その後、処理はステップS260に進む。
【0112】
最後に、ステップS260では全て画素についての画像処理が終了したかどうかを調べ、処理未終了であれば、処理はステップS205に進み、画像処理終了と判断されたなら処理を終了する。
【0113】
なお、以上の構成では、図3に示すような機能構成をもった画像処理プロセッサを用いて多値画像データを2値データに変換したが、この画像処理プロセッサは機能各部が専用回路で構成されたプロセッサを用いても良いし、図7に示すような処理を行なうプログラムを実行するプロセッサを用いても良い。その場合にはそのプログラムは画像処理プロセッサ内のROM(不図示)に格納されても良いし、ROM602に格納して、記録装置が電源オンとなったときにROM602からそのプログラムをロードしても良い。
【0114】
また、記録装置全体をコストを削減したり、或いは、画像処理に高速性が要求されない場合には、画像処理プロセッサ607を搭載するのではなく。MPU601がその機能を代替しても良い。
【0115】
従って以上説明した実施形態に従えば、記録ヘッドの記録素子の状態に従って動作不良となった記録素子を用いずに全体の濃度が保存されるような画像処理を行い良好な記録素子だけを用いて記録を行なうことができるので、記録画像全体の濃度が保存された画質の良好な画像を記録することができる。
【0116】
さらに、記録不可能状態である記録素子で記録するはずであった画像データの濃度はその周辺の画素に拡散されて記録されるので、マクロ的には濃度が保存されて白スジが見えにくくなり、高品位の画像を記録することができる。
【0117】
なお、以上説明した実施形態で用いた、入力画像データの解像度、多値画像データの階調数、量子化の閾値、量子化の出力階調値、インデックスパターンを格納するパターンメモリ数、インデックスパターンのマトリックス、出力画像の解像度等は例示に過ぎず、これらの値によって本発明は限定されるものではない。
【0118】
言い換えると、本発明は、記録ヘッドの記録素子が記録可能状態か記録不可能状態かを示す情報を参照して、多値画像データの量子化とその量子化データをパターンデータへと変換を行なうことにより、記録不可能状態である記録素子に画像データが割り当てられず、周辺の記録素子に拡散されることにより、記録媒体に形成された画像において濃度が保存されていることを特徴としている。
【0119】
さらに、以上説明した実施形態では記録装置が多値画像データをホスト装置から入力して記録装置内部で2値データに変換する構成としたが、本発明はこれによって限定されるものではない。例えば、ホスト装置が記録装置から記録ヘッドの記録素子の状態を受信できる構成であれば、ホスト装置のドライバが上述したような多値画像データを2値データに変換する処理を行い、2値データを記録装置に転送する構成としても良い。
【0120】
さらに、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0121】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0122】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0123】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0124】
また、以上の実施形態は記録ヘッドを走査して記録を行なうシリアルタイプの記録装置であったが、記録媒体の幅に対応した長さを有する記録ヘッドを用いたフルラインタイプの記録装置であっても良い。フルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0125】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0126】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0127】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0128】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0129】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0130】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、記録不可能状態である記録素子が存在した場合にも、記録媒体に形成された画像の濃度が保存される。また、従来技術では記録不可能状態である記録素子のために白スジが発生して画像品位を低下させていたが、本発明では、記録不可能状態である記録素子の周辺の記録素子に、画像データが拡散されることにより、白スジを見えにくくし、画像品位の低下を軽減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるインクジェット記録装置の構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示すインクジェット記録装置の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】画像処理プロセッサ607の機能構成を示す図である。
【図4】入力多値画像データの画素と出力2値画像データの画素と記録ヘッドのインク吐出ノズルとの関係を示す図である。
【図5】閾値判定部504が実行する入力多値画像データを3値化する処理を示す図である。
【図6】記録に必要な2つのノズルの内1つが不良吐出ノズルである場合に出力されるインデックスパターンの例を示す図である。
【図7】閾値判定部504とパターン出力部507とが実行する処理を示したフローチャートである。
【図8】インデックス法の処理の流れを示す図である。
【図9】閾値判定について示す図である。
【図10】誤差拡散について示す図である。
【図11】5値インデックスデータ“0”から“4”までに対応するインデックスパターンを示す図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
501 記録素子状態記憶部
502 入力端子
503 誤差加算部
504 閾値判定部
505 誤差拡散部
506 誤差記憶部
507 パターン出力部
507a、507b、507c パターンメモリ
508 出力端子
600 コントローラ
601 MPU
602 ROM
603 ASIC
604 RAM
605 システムバス
606 A/D変換器
607 画像処理プロセッサ
610 ホスト装置
801a インク吐出ノズル
802a インク吐出ノズル(不吐出ノズル)
801b インク吐出ノズル(不吐出ノズル)
802b インク吐出ノズル
811a、812a、813a、814a 2値データの1画素
811b、812b、813b、814b 2値データの1画素

Claims (1)

  1. 多値画像データに擬似中間調処理を施し、記録ヘッドを用いる記録を行なうために複数画素の2値画像データから成る濃度パターンに変換して出力する画像処理方法であって、
    多値画像データを入力する入力工程と、
    前記入力工程において入力される多値画像データの注目画素を記録するために用いる前記記録ヘッドの複数の記録素子の状態を調べる調査工程と、
    前記調査工程における調査結果に従って、量子化数を制限するように前記注目画素の多値画像データを量子化する量子化工程と、
    前記量子化工程における量子化によって発生した誤差を後続する画素に拡散する誤差拡散工程と、
    前記量子化工程において量子化された量子化データを前記調査工程における調査結果に従って濃度パターンに変換する変換工程と、
    前記変換工程において得られた濃度パターンの2値画像データを出力する出力工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
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