JP2006076004A - インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 不良ノズルによる画質劣化を抑制する。
【解決手段】 濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて、高濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、この着目画素の量子化誤差の隣接画素への配分量を低濃度のときの配分量に比べて多くし、周辺画素へ拡散するので、誤差拡散によって不良ノズル周辺に過剰に高濃度な領域が広がることを抑制するとともに、不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるので、不良ノズルによる画質劣化を抑制することができる。
【選択図】 図7

Description

本発明はインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に係り、特に、各画素に対応するドットを記録する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法に関する。
インクをノズルから吐出させることにより画像データに応じた画像の記録動作を行う記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置では、複数のノズルからインクを吐出することで、画像データの各画素に対応するドットを記録する。
この種のインクジェット記録装置では、近年ノズルの高密度化が進み、記録ヘッド内のノズル数も多くなってきている。また、印字スピードの高速化への要求から、記録ヘッドを固定して、紙等の印字媒体を搬送する方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)の1ラインの記録を記録ヘッドの複数ノズルから1回インクを吐出することにより行う1パスによる画像記録が行われている。このようなインクジェット記録装置では、画像データの各画素の階調値を、記録ヘッドでドットを記録可能な階調値に変換する量子化を行った後に、変換後の階調値に応じた大きさのドットを記録している。
更に、特許文献1に示されるように、量子化によって発生した変換前の階調値と変換後の階調値との量子化誤差によって、記録したときの画像全体の濃度が量子化前の階調値に基づいて記録した画像全体の濃度と異なる濃度になることを抑制するために、着目画素の量子化誤差を着目画素の周辺の周辺画素各々に拡散する誤差拡散を行い、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を対応する画素の量子化による変換前の階調値に加算することによって、着目画素の量子化誤差を周辺画素で吸収し、画像全体で擬似的に元の画像全体の濃度を表現している。
ここで、1パスによる画像記録で良好な画質を得るには、全ノズルにおいて良好なインク吐出が望まれるが、現実には、加工精度やコストの面から全ノズルにおいて良好なインク吐出を行うことは難しく、1ヘッド当たりのノズル数が増えていることもあり、正常なドット記録が困難な不良ノズルを含まない記録ヘッドの製造は困難である。このため、不良ノズルによるインクの吐出不良や不吐出などによって白筋等の発生による画質劣化の問題があった。
このような不良ノズルによる画質劣化を抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の技術では、不良ノズルで記録する画素の階調値を最小値に変換することによって不良ノズルからインク滴を吐出することを禁止するとともに、不良ノズルに隣接するノズルで記録する画素に対応するドットを通常記録時に比べて約2倍の大きさで記録するように制御する。ドットを大きくするために、量子化するときにこのドットに対応する画素の階調値を上げて濃度を高くしている。このように不良ノズルに隣接するノズルで記録する画素の濃度を高くすることによって、不良ノズルで記録する画素による白筋の発生を抑制することができる。
特開2003―103768号公報 特開平11―348246号公報
上記従来技術では、不良ノズルに隣接するノズルで記録する画素の濃度を上げることによって、不良ノズルによる白筋の発生を抑制することはできるが、不良ノズル周辺の不良周辺ノズルで記録する画素の量子化による変換前の濃度が高い場合には、誤差拡散により不良ノズル及び不良ノズルに隣接するノズルで記録する画素の量子化誤差が周辺画素に拡散されると、不良ノズルで記録する画素の量子化誤差を周辺画素で吸収することが困難となり、着目画素から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がり画質劣化を招く、という問題があった。
本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、不良ノズルによる画質劣化を抑制することが可能なインクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のインクジェット記録装置は、インク滴を複数のノズルの各々から吐出することによって、各画素に対応するドットを記録する記録ヘッドと、濃度に応じた階調値で各画素のデータが表された画像データの対応する各画素の階調値に入力された累積量子化誤差を加算する加算手段と、前記画像データの着目画素を正常なドット形成が不可能な不良ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を最小値に変換し、前記着目画素を該不良ノズルの周辺に位置する不良周辺ノズルで記録するとき、及び前記不良ノズル及び前記不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を前記記録ヘッドがドットを記録可能な階調値に変換する量子化手段と、前記着目画素の変換前の階調値と変換後の階調値とで定まる量子化誤差を、該着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に該着目画素からの距離が大きくなる程小さくなるように分配する配分量を定めた第1の誤差拡散ウィンドウ、及び前記第1の誤差拡散ウィンドウに比べて各隣接画素の配分量が大きくなるように各周辺画素毎の配分量を定めた第2の誤差拡散ウィンドウを予め記憶した記憶手段と、前記着目画素を前記正常ノズルで記録するとき、または低濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第1の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、中濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第2の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、高濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または該着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を前記加算手段へ入力する誤差拡散手段と、前記量子化手段によって階調値が変換された画像データに基づいて、階調値が最小値の画素のドット形成を禁止するとともに、階調値が大きくなるほど大きいドットが記録されるように前記記録ヘッドを制御する制御手段と、を備えて構成されている。
また、本発明のインクジェット記録方法は、インク滴を複数のノズルの各々から吐出することによって、各画素に対応するドットを記録し、濃度に応じた階調値で各画素のデータが表された画像データの着目画素を正常なドット形成が不可能な不良ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を最小値に変換し、前記着目画素を該不良ノズルの周辺に位置する不良周辺ノズルで記録するとき、及び前記不良ノズル及び前記不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を前記記録ヘッドがドットを記録可能な階調値に変換し、前記着目画素の変換前の階調値と変換後の階調値とで定まる量子化誤差を、該着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に該着目画素からの距離が大きくなる程小さくなるように分配する配分量を定めた第1の誤差拡散ウィンドウ、及び前記第1の誤差拡散ウィンドウに比べて各隣接画素の配分量が大きくなるように各周辺画素毎の配分量を定めた第2の誤差拡散ウィンドウを予め記憶し、前記着目画素を前記正常ノズルで記録するとき、または低濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第1の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、中濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第2の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、高濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または該着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を入力し、前記画像データの対応する各画素の階調値に入力された累積量子化誤差を加算し、前記量子化手段によって階調値が変換された画像データに基づいて、階調値が最小値の画素のドット形成を禁止するとともに、階調値が大きくなるほど大きいドットが記録されるように前記記録ヘッドを制御することを特徴とする。
本発明のインクジェット記録装置の加算手段は、濃度に応じた階調値で各画素のデータが表された画像データの対応する各画素の階調値に入力された量子化誤差の累積量子化誤差を加算する。量子化手段は、画像データの各画素の内の着目画素を記録ヘッドの複数のノズルの内の正常なドット形成が不可能な不良ノズルで記録するときは、着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を最小値に変換する。また、量子化手段は、着目画素を不良ノズルの周辺に位置する不良周辺ノズルで記録するとき、または不良ノズル及び不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録するときは、着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を、記録ヘッドがドットを記録可能な階調値に変換する。
誤差拡散手段は、着目画素の量子化手段によって変換される前の階調値と変換後の階調値との量子化誤差を、着目画素の周辺の各周辺画素毎に量子化誤差の配分量を定めた誤差拡散ウィンドウに基づいて着目画素の周辺の周辺画素へ拡散し、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を加算手段へ入力する。
着目画素を不良ノズルで記録するときは、着目画素の階調値は最小値に変換されるので、不良ノズルで記録する着目画素の量子化誤差は、不良周辺ノズル及び正常ノズルで記録する着目画素の量子化誤差に比べて大きい。更に、着目画素を不良ノズルで記録するときは、着目画素の量子化手段による変換前の階調値に応じた濃度が高濃度であるほど、低濃度のときに比べて量子化誤差が大きくなる。一般的に隣接する画素では同じような階調値が連続する事が多いので、不良ノズルで記録する画素の濃度と、不良周辺ノズルで記録する画素の濃度とは同様な濃度となることが多い。このため、着目画素の濃度によらず同一の誤差拡散ウィンドウに基づいて着目画素の量子化誤差を周辺画素各々に拡散すると、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素が高濃度であるほど着目画素の量子化誤差が周辺画素で吸収されきれず、着目画素から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がり、画質劣化を引き起こす。
そこで、記憶手段は、第1の誤差拡散ウィンドウ及び第2の誤差拡散ウィンドウを予め記憶する。第1の誤差拡散ウィンドウは、着目画素の量子化誤差を着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に着目画素からの距離が大きくなる程小さくなる配分量を定めた誤差拡散ウィンドウである。第2の誤差拡散ウィンドウは、着目画素に隣接する隣接画素の配分量を、第1の誤差拡散ウィンドウに比べて大きくなるように定めた誤差拡散ウィンドウである。誤差拡散手段は、着目画素を正常ノズルで記録するとき、または低濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、着目画素の量子化誤差を第1の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散する。また、誤差拡散手段は、中濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、着目画素の量子化誤差を第2の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散する。また、誤差拡散手段は、高濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または着目画素の量子化誤差の拡散を禁止する。
制御手段は、量子化手段によって、各画素の階調値が変換された画像データに基づいて、階調値が最小値の画素のドット形成を禁止する。このように階調値が最小値の画素のドット形成を禁止することによって、階調値を最小値に変換された不良ノズルでドット形成を禁止することができる。また、制御手段は、量子化手段によって変換された各画素の階調値が大きくなるほど大きいドットが形成されるように記録ヘッドを制御する。記録ヘッドは、制御手段の制御によって、複数のノズルの各々かインク滴を吐出することによって、各画素に対応するドットを記録する。
このように、高濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、既に不良周辺ノズルで記録する画素が大きなドットを記録しやすい状態にあることから、着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または着目画素の量子化誤差の周辺画素への拡散を行わない。このため、不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるとともに、誤差拡散によって高濃度な領域が過剰な範囲に広がることを抑制することができる。また、中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、着目画素の量子化誤差が、低濃度の着目画素の量子化誤差の周辺画素への拡散に比べて隣接画素へ多く拡散されるので、不良周辺ノズルで記録する画素では大きなドットが記録されやすくなる。このため、不良ノズルによる白筋を抑制することができる。また、正常ノズルで着目画素を記録するときと、低濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、着目画素の量子化誤差を所定領域内の各周辺画素各々に着目画素からの距離が大きくなるほど小さくなる配分量に応じて拡散するので、着目画素からの距離に応じて着目画素の量子化誤差を拡散することができる。
従って、濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて、高濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、この着目画素の量子化誤差の隣接画素への配分量を低濃度のときの配分量に比べて多くし、周辺画素へ拡散するので、誤差拡散によって不良ノズル周辺に過剰に高濃度な領域が広がることを抑制するとともに、不良ノズル周辺で大きなドットの割合が増えるため不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるので、不良ノズルによる画質劣化を抑制することができる。
前記第2の誤差拡散ウィンドウは、前記第1の誤差拡散ウィンドウの前記所定領域より狭い前記隣接画素を含む領域内の各周辺画素毎に配分量を定めることができる。中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、量子化誤差を低濃度の着目画素に比べて着目画素の周辺に集中的に拡散させることができるので、誤差拡散により着目画素から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がることを抑制することができる。
前記量子化手段は、前記記録ヘッドの複数のノズルの配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素及び反配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素に向かって交互に前記着目画素を順次変更して該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を変換し、前記誤差拡散手段は、前記量子化手段によって階調値が変換された前記着目画素の量子化誤差を順次拡散することができる。このように、ノズルの配列方向及び反配列方向に、交互に着目画素の階調値を読取ることによって、着目画素の量子化誤差が一方向の周辺画素79にのみ拡散されることを抑制することができる。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法によれば、濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて、高濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、この着目画素の量子化誤差の隣接画素への配分量を低濃度のときの配分量に比べて多くし量子化誤差を周辺画素へ拡散するので、不良ノズル周辺での大きなドットにより不良ノズルによる白筋の発生を抑制するとともに、誤差拡散によって不良ノズルで記録する着目画素から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がり、過剰に広範囲の高濃度の周辺画素に対応するドットが記録されることを抑制することができ、不良ノズルによる画質劣化を抑制することができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置12の筐体14内の下部には給紙トレイ16が設けられており、給紙トレイ16内に積層された用紙Qをピックアップロール18で1枚ずつ取り出すことができる。取り出された用紙Qは、所定の搬送経路22を構成する複数の搬送ローラ対20で搬送される。
給紙トレイ16の上方には、駆動ロール24及び従動ロール26に張架された無端状の搬送ベルト28が配置されている。搬送ベルト28の上方には記録ヘッドアレイ30が配置されており、搬送ベルト28の平坦部分28Fに対向している。この対向した領域が、記録ヘッドアレイ30からインク滴が吐出される吐出領域SEとなっている。搬送経路22を搬送された用紙Qは、搬送ベルト28で保持されてこの吐出領域SEに至り、記録ヘッドアレイ30に対向した状態で、記録ヘッドアレイ30から画像データに応じたインク滴が吐出される。
記録ヘッドアレイ30は、用紙Qの幅方向(搬送方向と直交する方向)に図示を省略する複数のインクジェット記録ヘッドが配列された構成の長尺状のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色の記録ヘッド32が、搬送方向に沿って配列された構成となっており、フルカラーの画像を記録可能になっている。
図4(B)に示すように、各色記録ヘッド32を構成する複数のインクジェット記録ヘッド33各々は、インクを吐出するためのノズル33B、ノズル33Bに連通するインク圧力室33C、及びインク圧力室33Cに接して設けられた圧電素子33Dを含んで構成されている。圧電素子33Dは、周知のように、電圧を印加することにより形状が変化する性質を有しており、この形状変化を利用して、インク圧力室33C内に圧力をかけることにより、ノズル33Bからインク滴を吐出して、用紙Q上にドットを記録する。このとき、図4(A)及び図4(C)に示すように、圧電素子33Dに印加する電圧を制御することによって、ノズル33Bから大滴のインク滴(図4(B)参照)、ノズル33Bから小滴のインク滴(図4(D)参照)、または図示を省略するドット形成の禁止や、中滴の吐出等を制御し、大滴、中滴、小滴、及び滴無し等のドットサイズを制御することができる。
なお、本実施の形態では、圧電素子33Dを用いてインクを吐出する場合を説明するが、このような形態に限られるものではない。例えば、インク圧力室33C内のインクに熱を加えることによって、インク滴の吐出によって記録されるドットの大きさを制御するようにしてもよい。
記録ヘッドアレイ30の近傍には、記録ヘッド32各々に対応するメンテナンス機構34各々が配置されている。記録ヘッド32に対してメンテナンスを行う場合には、図2に示すように、記録ヘッドアレイ30が上方へ移動し、搬送ベルト28との間に構成された間隙にメンテナンス機構34が移動して入り込む。そして、ノズル面に対向した状態で、ノズル内のインクを吸引する復旧処理を行う。
なお、搬送ベルト28は、一例として、半導電性ポリイミド材(例えば、表面抵抗値1010〜1013Ω/m2、体積抵抗値109〜1012Ω・cm)を、厚さ75μm、幅380mm、周長1000mmに成形したものを使用できる。また、駆動ロール24及び従動ロール26としては、一例として、直径50mmのSUSロールを使用できる。
図3に示すように、記録ヘッドアレイ30の上流側には、帯電ロール36が配置されている。帯電ロール36は、従動ロール26との間で搬送ベルト28及び用紙Qを挟みつつ従動し、用紙Qを搬送ベルト28に押圧する押圧位置(図3参照)と、搬送ベルト28から離間した離間位置(図示省略)との間を移動可能とされている。押圧位置では、接地された従動ロール26との間に所定の電位差が生じるため、用紙Qに電荷を与えて搬送ベルト28に静電吸着させることができる。
帯電ロール36としては、例えば、シリコーンゴムの表面に導電性カーボンを被覆し、体積抵抗値106〜107Ω・cm程度に調整した直径14mmのロールを使用することができる。
なお、帯電ロール36よりもさらに上流側には、図示しないレジロールが設けられており、用紙Qが搬送ベルト28と帯電ロール36との間に至る前に位置合わせされる。
記録ヘッドアレイ30の下流側には、剥離プレート40が配置されており、用紙Qを搬送ベルト28から剥離することができる。剥離プレート40としては、たとえば、厚さ0.5mm、幅330mm、長さ100mmのアルミプレートを使用することができる。
剥離された用紙Qは、剥離プレート40の下流側で排出経路44を構成する複数の排出ローラ対42で搬送され、筐体14の上部に設けられた排紙トレイ46に排出される。
剥離プレート40の下方には、駆動ロール24との間で搬送ベルト28を挟持可能なクリーニングロール48が配置されており、搬送ベルト28の表面をクリーニングするようになっている。
給紙トレイ16と搬送ベルト28の間には、複数の反転用ローラ対50で構成された反転経路52が設けられており、片面に画像記録された用紙Qを反転させて搬送ベルト28に保持させることで、用紙Qの両面への画像記録を容易に行えるようになっている。
搬送ベルト28と排紙トレイ46の間には、4色の各インクをそれぞれ貯留するインクタンク54が設けられている。インクタンク54のインクは、図示を省略するインク供給配管によって、記録ヘッドアレイ30に供給される。インクとしては、水性インク、油性インク、溶剤系インク等、公知の各種インクを使用できる。
このような全体構成とされた本実施形態のインクジェット記録装置12では、上記したように、給紙トレイ16から取り出された用紙Qが搬送され、搬送ベルト28に至る。そして、帯電ロール36によって搬送ベルト28に押し付けられると共に、帯電ロール36からの印加電圧によって搬送ベルト28に吸着(密着)して保持される。この状態で、搬送ベルトの循環によって用紙Qが吐出領域SEを通過しつつ、記録ヘッドアレイ30からインク滴が吐出されて、吐出領域SE上に画像が記録される。
本実施の形態では、複数のインクジェット記録ヘッドが配列された構成の長尺状のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及びブラック(K)の4色の記録ヘッド32が、搬送方向に沿って配列された構成となっており、フルカラーの画像を記録可能になっているが、それぞれの記録ヘッド32の配列数は、4個に限定されるものではない。
図5に示すように、本実施の形態に係るインクジェット記録装置12の制御系は、制御部60、色・濃度変換部62、画像処理部64、記録データ作成部66、及び画像記録部68を含んで構成されている。なお、色・濃度変換部62、画像処理部64、及び記録データ作成部66は、パーソナルコンピュータ等の外部装置側に設けられていてもよい。
制御部60は、色・濃度変換部62、画像処理部64、記録データ作成部66、及び画像記録部68を統括制御する。なお、画像記録部68は、上記図1乃至図3を参照して説明したインクジェット記録装置12の内、インクジェット記録ヘッド33等の画像の記録に関する構成要素を含むものである。
色・濃度変換部62は、外部から入力された画像データがRGBデータの場合には、YMCKデータに変換する。なお、本実施の形態では、外部から入力された画像データは、各画素R、G、及びB各々について、記録したときの最大濃度を最大値とし、記録したときの最小濃度を最小値とする階調値で各画素のデータが表された画像データである。従って、色変換された画像データも同様に、Y、M、C、及びK各々の画素について、記録したときの最大濃度を最大値とし、記録したときの最小濃度を最小値とする階調値で各画素のデータが表された画像データである。本実施の形態では、階調値を8ビットで表し、最大値を255、最小値を0とするが。階調値を他のビットで表しても良い。また、色・濃度変換部62は、用紙Qやインクの特性に応じて各画素の階調値を変換することによって、記録したときの濃度と階調値との関係が、最小濃度から最大濃度まで線形になるように濃度変換処理を実行する。色変換された画像データの各画素の階調値と、用紙Qに記録されるときの濃度とは、階調値が高い領域では濃度が飽和する。飽和濃度とは、各画素の階調値の増加に対して記録したときの濃度変化が飽和するときの濃度である。色変換された画像データの各画素の階調値を変換せずに該階調値に基づいて画像記録を行うと、記録したときの濃度分布は、高濃度領域へ偏る。このため、色・濃度変換部62では、濃度と階調値との関係が線形になるように定める濃度変換処理を行う。
画像処理部64は、詳細は後述するが、色・濃度変換部62によって各画素の階調値が変換された画像データを更にインクジェット記録装置12で記録可能な階調数の画像データに変換する量子化、及び量子化によって発生する量子化による変換前の各画素の階調値と変換後の階調値との量子化誤差を、色・濃度変換された画像データの各画素の内の処理対象とする着目画素の周辺の周辺画素に拡散する誤差拡散、及び拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を対応する各画素の量子化による変換前の階調値に加算する加算処理等を実行する。画像処理部64には、メモリ65が設けられている。メモリ65には、量子化による変換前の各画素の階調値に応じた濃度に応じて、着目画素の量子化誤差を着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に配分する配分量を、周辺画素毎に定めた、同一周辺画素に対する配分量の異なる複数種の誤差拡散ウィンドウが予め記憶されている。
本実施の形態では、図6に示すように、複数種の誤差拡散ウィンドウとして量子化による変換前の画素の階調値によって定まる濃度に応じて、第1の誤差拡散ウィンドウ70、第2の誤差拡散ウィンドウ72、及び第3の誤差拡散ウィンドウ74各々が予め記憶されている。
第1の誤差拡散ウィンドウ70は、低濃度に対応する誤差拡散ウィンドウであって、着目画素76に隣接する隣接画素78を含む所定領域77内の周辺画素79毎に、着目画素76からの距離が大きくなるほど小さくなる配分量を予め定めている。ここでいう、着目画素76からの距離とは、詳細には、着目画素76を記録するノズルから、周辺画素79各々を記録するノズルまでの距離を示している。
第2の誤差拡散ウィンドウ72は、中濃度に対応する誤差拡散ウィンドウであって、第1の誤差拡散ウィンドウ70に比べて隣接画素78への配分量が大きくなるように配分量を定めるとともに、第1の誤差拡散ウィンドウ70に比べて着目画素76の量子化誤差を拡散する領域が狭い領域77内の周辺画素79毎に分配量を定めている。
第3の誤差拡散ウィンドウ74は、高濃度に対応し、着目画素76の量子化誤差を周辺画素79へ拡散させることを禁止するために、周辺画素79各々への配分量を定めていない誤差拡散ウィンドウである。
なお、本実施の形態では、メモリ65は、着目画素76の量子化誤差を周辺画素79各々へ拡散するための誤差拡散ウィンドウとして、同一周辺画素79の配分量の異なる3種類の誤差拡散ウィンドウを予め記憶したが、記憶する誤差拡散ウィンドウの種類は3種類以上であればよく、3種類に限られるものではない。
また、メモリ65には、各色記録ヘッド32各々に設けられた複数のインクジェット記録ヘッド33の内、インク滴の不吐出や吐出不良により正常にインク滴を吐出することが困難な不良ノズルを示す予め記録ヘッド32の製造段階で検出された位置情報が、不良ノズルの位置を示す位置情報として画像処理部64に記憶されている。
記録データ作成部66は、画像処理部64で処理された画像データを、画像記録部68が解読可能なデータ構造に変換し、記録順序(転送順序)にデータを並び替えて画像記録部68へ出力する。このとき、インクジェット記録ヘッド33やノズル33Bの配列にマッピングさせた吐出タイミングやデータ配列も考慮して記録データを作成する。
画像記録部68は、記録データ作成部66で作成されたYMCKの記録データに従って、各インクジェット記録ヘッド33のノズル33B各々からインクを吐出させる。これにより、用紙Q上にドットが記録され、画像が記録される。
画像処理部64では、図7に示す処理ルーチンが実行される。
ステップ100では、色・濃度変換部62で色変換及び濃度変換された画像データの画素から、着目画素76の階調値を読込む。
次のステップ102では、着目画素76の階調値に、量子化誤差の対応する画素の累積量子化誤差を加算する。
次のステップ104では、メモリ65に記憶された不良ノズルの位置を示す位置情報と、着目画素76の用紙Qに記録される画像上の位置情報とに基づいて、上記ステップ100で読込んだ着目画素76が不良ノズルで記録する画素か否かを判別する。
ステップ104で否定されると、ステップ106へ進み、上記ステップ100で読込んだ着目画素76について、不良ノズルからの距離が所定距離以下の不良周辺ノズルで記録する画素か否かを判別し、肯定されるとステップ108へ進む。不良周辺ノズルで記録する画素とは、例えば、不良ノズルに隣接するノズル及びこの隣接するノズルに更に隣接するノズル等で記録する画素である。
ステップ108では、着目画素76の累積量子化誤差が加算された階調値に基づいて、この着目画素の記録したときの濃度が高濃度、中濃度、及び低濃度の何れであるかを判別する。例えば、階調値0から階調値31の範囲内のときは低濃度と判別し、階調値32から階調値159の範囲内のときは中濃度と判別し、階調値160から階調値255の範囲内のときは高濃度と判別する。
次のステップ110では、色・濃度変換され累積量子化誤差が加算された着目画素76の階調値が、記録ヘッド32で記録可能な階調値に変換する量子化を実行した後にステップ112へ進む。本実施の形態では、図8に示すように、色・濃度変換されるとともに累積量子化誤差が加算された階調値を、階調値0、階調値85、階調値170、または階調値255の4階調となるように変換する。ステップ110の量子化によって、階調値が大きくなるほどドットサイズが大きくなるように、記録したときのドットサイズが設定される。具体的には、ステップ110の処理によって、不良周辺ノズルで記録する画素の、記録するときのドットサイズとして「滴無し」、「小滴」、「中滴」、及び「大滴」の何れかが設定される。なお、記録ヘッド32で記録可能な階調数は、上記4階調に限られるものではなく、例えば、3種類や5種類以上の複数種類の階調数としてもよい。
一方、上記ステップ104で肯定されると、ステップ126へ進み、上記ステップ108と同様の処理が実行されて、着目画素76の濃度が、高濃度、中濃度、及び低濃度の何れであるかを判別する。
次にステップ128では、色・濃度変換され累積量子化誤差が加算された着目画素76の階調値を、最小値0へ変換することによって記録するときのドットサイズとして「滴無し」を設定する。ステップ126の処理によって、不良ノズルでの画素のドットの記録を禁止することができる。
次のステップ112では、色・濃度変換されると共に、累積量子化誤差が加算された画素の階調値と、量子化後の階調値との量子化誤差を算出する。例えば、図8に示すように、不良ノズルで記録する着目画素76の量子化による変換前の階調値150は、変換後の階調値0に変換されることから、量子化誤差は150となる。また、不良周辺ノズルで記録する画素の量子化による変換前の階調値200が変換後の階調値255に変換されると、量子化誤差は−55となる。着目画素76を不良ノズルで記録するときは、着目画素76の階調値は階調値0に変換されるので、不良ノズルで記録する着目画素76の量子化誤差は、不良周辺ノズル及び正常ノズルで記録する着目画素76の量子化誤差に比べて大きい。更に、着目画素76を不良ノズルで記録するときは、着目画素76の量子化による変換前の階調値に応じた濃度が高濃度であるほど、低濃度のときに比べて量子化誤差が大きくなる。一般的に隣接する画素では同じような階調値が連続する事が多いので、不良ノズルで記録する着目画素76の濃度と、不良周辺ノズルで記録する着目画素76の濃度とは同様な濃度となることが多い。このため、着目画素76の濃度によらず同一の誤差拡散ウィンドウに基づいて着目画素76の量子化誤差を周辺画素79各々に拡散すると、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素76が高濃度であるほど着目画素76の量子化誤差が周辺画素で吸収されきれず、着目画素76から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がり、画質劣化を引き起こす恐れがある。
次のステップ114では、上記ステップ126またはステップ108で判別した量子化前の着目画素76の濃度に応じた誤差拡散ウィンドウをメモリ65から読み取る。例えば、低濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、第1の誤差拡散ウィンドウ70を読取り、中濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、第2の誤差拡散ウィンドウ72を読取り、高濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、第3の誤差拡散ウィンドウ74を読取る。
次のステップ116では、上記ステップ112で算出した量子化誤差を、上記ステップ114で濃度に応じて読取った誤差拡散ウィンドウに示される着目画素76の周辺画素79毎に定められた配分量に基づいて、周辺画素79各々に拡散する。ステップ116の処理によって、低濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、第1の誤差拡散ウィンドウ70に基づいて、着目画素76の量子化誤差は、着目画素76からの距離が大きくなるほど小さくなる分配量で周辺画素79各々へ拡散される。
また、中濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、第2の誤差拡散ウィンドウ72に基づいて、第1の誤差拡散ウィンドウ70に比べて隣接画素78への配分量が多くなるように、かつ第1の誤差拡散ウィンドウ70に比べて狭い領域77内の周辺画素79各々に拡散される。すなわち、中濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには、着目画素76に隣接する隣接画素78へ着目画素76の量子化誤差が集中的に配分されるとともに、低濃度のときの量子化誤差の拡散範囲に比べて隣接画素78を含む狭い範囲内の周辺画素に量子化誤差が配分される。
更に、量子化前の着目画素の階調値が高濃度を示す階調値である場合には、第3の誤差拡散ウィンドウ74に基づいて、着目画素の量子化誤差は拡散されない。
一方、上記ステップ106で否定されると、ステップ120へ進み、上記ステップ110の処理と同様に、色・濃度変換され累積量子化誤差が加算された着目画素76の階調値を、量子化する。
次のステップ122では、上記ステップ112と同様に、色・濃度変換されると共に、累積量子化誤差が加算された着目画素76の階調値と、量子化による変換後の階調値との量子化誤差を算出する。
次のステップ124では、メモリ65から、低濃度に対応する第1の誤差拡散ウィンドウ70を基準となる誤差拡散ウィンドウとして読取り、次のステップ125において、読取った誤差拡散ウィンドウに応じて、上記ステップ116の低濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときの誤差拡散と同様に、着目画素76の周辺画素79へ量子化誤差を拡散する。
画像データの全画素についてドットレベルの設定が終了されるまで以上の処理を繰り返し、全画素についてドットレベルの設定が終了すると、本ルーチンを終了する。
以上説明したように、本発明のインクジェット記録装置12では、不良ノズルによるドットの記録を禁止するとともに、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素76の量子化による変換前の階調値に応じた濃度が高濃度のときには、既に不良周辺ノズルで記録する画素が大きなドットを記録しやすい高濃度であることから、着目画素76の量子化誤差の周辺画素79への拡散を行わない。このようにすることで、不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるとともに、誤差拡散を行わないことから、誤差拡散によって高濃度な領域が過剰な範囲に広がることを抑制することができる。また、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素76の量子化による変換前の階調値に応じた濃度が中濃度のときには、着目画素76の量子化誤差が、低濃度のときの着目画素の量子化誤差の周辺画素79への拡散に比べて隣接画素78へ集中的に分配されるので、不良ノズルに隣接するノズルから大きなドットを記録しやすくすることができる。更に、低濃度のときの着目画素76の量子化誤差の拡散する領域に比べて狭い領域内の周辺画素79へ量子化誤差を拡散するので、誤差拡散による高濃度の領域が過剰に広くなることを抑制することができる。また、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素76の変換前の階調値に応じた濃度が低濃度のとき、または正常ノズルで着目画素76を記録するときには、着目画素76の量子化誤差を所定領域内の各周辺画素各々に着目画素からの距離が大きくなるほど小さくなる配分量に応じて拡散され、ドットはまだらに分布するため、不良ノズルによる白筋は目立たないので、基準となる誤差拡散ウィンドウを共に使うことができる。
従って、濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて、高濃度の着目画素を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、この着目画素の量子化誤差の隣接画素への配分量を低濃度のときの配分量に比べて多くし、周辺画素へ拡散するので、誤差拡散によって不良ノズル周辺に過剰に高濃度な領域が広がることを抑制するとともに、不良ノズルで発生した量子化誤差により不良ノズル周辺でのドットが大きくなるため不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるので、不良ノズルによる画質劣化を抑制することができる。
前記第2の誤差拡散ウィンドウは、前記第1の誤差拡散ウィンドウの前記所定領域より狭い前記隣接画素を含む領域内の各周辺画素毎に配分量を定めることができる。中濃度の着目画素を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、量子化誤差を低濃度の着目画素に比べて着目画素の周辺に集中的に拡散させることができるので、誤差拡散により着目画素から過剰に広範囲の周辺画素へ高濃度領域が拡がることを抑制することができる。
従って、濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて、高濃度の着目画素76を不良ノズルまたは不良周辺ノズルで記録するときには着目画素76の量子化誤差の拡散を禁止し、中濃度の着目画素76を不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録するときには、この着目画素76の量子化誤差の隣接画素78への配分量を低濃度のときの配分量に比べて多くし、周辺画素へ拡散するので、誤差拡散によって不良ノズル周辺に過剰に高濃度な領域が広がることを抑制するとともに、不良ノズル周辺で大きなドットが出やすくなることで不良ノズルによる白筋の発生を抑制することができるので、不良ノズルによる画質劣化を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、不良ノズル及び不良周辺ノズルで記録する着目画素76の量子化による変換前の階調値に応じた濃度が高濃度のときには、既に不良周辺ノズルで記録する画素が大きなドットを記録しやすい高濃度であることから、着目画素76の量子化誤差の周辺画素79への拡散を行わない場合を説明したが、着目画素76の量子化による変換前の階調値に応じた濃度が高濃度のときに、着目画素76に隣接する隣接画素78へのみ量子化誤差の拡散を行うようにしてもよい。
なお、上記ステップ100における、色・濃度変換された画像データの内の、着目画素76の階調値の読取りは、図9に示すように、各画素を記録するノズルの配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素、及び反配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素へ、交互に読取りを行う。このように、ノズルの配列方向及び反配列方向に、交互に着目画素76の階調値を読取ることによって、着目画素76の量子化誤差が一方向の周辺画素79にのみ拡散されることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、不良周辺ノズルにおいて、量子化前の濃度に応じた誤差拡散ウィンドウに基づいて量子化誤差を拡散する場合を説明したが、図10に示すように、量子化誤差の拡散時に、不良ノズル33B1で記録する周辺画素79については量子化誤差の拡散を禁止してもよい。この場合、ステップ114の処理の後で且つステップ116の処理前に、対応する誤差拡散ウィンドウの不良ノズルで記録する周辺画素79に対応する配分量を0に修正し、修正の後に誤差拡散を行った後に、配分量を修正前の値に戻せばよい。
このようにすれば、不良ノズルで記録する画素への誤差拡散を禁止することができるので、誤差拡散処理を効率良く行うことができる。
本発明のインクジェット記録装置を画像記録状態で示す概略図である。 本発明のインクジェット記録装置のメンテナンス状態を示す概略図である。 本発明のインクジェット記録装置の搬送ベルト及びその近傍を示す概略構成図である。 記録ヘッドから吐出されるインク滴の大きさ制御を示すイメージ図であり、(A)は、大滴のインクを記録ヘッドから吐出するために圧電素子へ印可する電圧を示す波形であり、(B)は大滴を吐出するときの記録ヘッドの断面図であり、(C)は、小滴のインクを記録ヘッドから吐出するために圧電素子へ印加する電圧を示す波形であり、(D)は、小滴を吐出するときの記録ヘッドの断面図である。 本発明に係るインクジェット記録装置の制御ブロック図である。 濃度に応じた複数種の誤差拡散ウィンドウの一例を示す模式図である。 画像処理部で実行される処理を示すフローチャートである。 量子化及び誤差拡散の流れを示す模式図である。 画像データの各画素の誤差拡散処理のノズルの配列方向に対する進行方向を示す模式図である。 不良ノズルで記録する画素には誤差拡散を行わない事を示す模式図である。
符号の説明
12 インクジェット記録装置
32 記録ヘッド
33 インクジェット記録ヘッド
64 画像処理部

Claims (4)

  1. インク滴を複数のノズルの各々から吐出することによって、各画素に対応するドットを記録する記録ヘッドと、
    濃度に応じた階調値で各画素のデータが表された画像データの対応する各画素の階調値に入力された累積量子化誤差を加算する加算手段と、
    前記画像データの着目画素を正常なドット形成が不可能な不良ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を最小値に変換し、前記着目画素を該不良ノズルの周辺に位置する不良周辺ノズルで記録するとき、及び前記不良ノズル及び前記不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を前記記録ヘッドがドットを記録可能な階調値に変換する量子化手段と、
    前記着目画素の変換前の階調値と変換後の階調値とで定まる量子化誤差を、該着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に該着目画素からの距離が大きくなる程小さくなるように分配する配分量を定めた第1の誤差拡散ウィンドウ、及び前記第1の誤差拡散ウィンドウに比べて各隣接画素の配分量が大きくなるように各周辺画素毎の配分量を定めた第2の誤差拡散ウィンドウを予め記憶した記憶手段と、
    前記着目画素を前記正常ノズルで記録するとき、または低濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第1の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、中濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第2の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、高濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または該着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を前記加算手段へ入力する誤差拡散手段と、
    前記量子化手段によって階調値が変換された画像データに基づいて、階調値が最小値の画素のドット形成を禁止するとともに、階調値が大きくなるほど大きいドットが記録されるように前記記録ヘッドを制御する制御手段と、
    を備えたインクジェット記録装置。
  2. 前記第2の誤差拡散ウィンドウは、前記第1の誤差拡散ウィンドウの前記所定領域より狭い前記隣接画素を含む領域内の各周辺画素毎に配分量を定めた請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記量子化手段は、前記記録ヘッドの複数のノズルの配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素及び反配列方向の一端のノズルで記録する画素から他端のノズルで記録する画素に向かって交互に前記着目画素を順次変更して該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を変換し、前記誤差拡散手段は、前記量子化手段によって階調値が変換された前記着目画素の量子化誤差を順次拡散する請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. インク滴を複数のノズルの各々から吐出することによって、各画素に対応するドットを記録し、
    濃度に応じた階調値で各画素のデータが表された画像データの着目画素を正常なドット形成が不可能な不良ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を最小値に変換し、前記着目画素を該不良ノズルの周辺に位置する不良周辺ノズルで記録するとき、及び前記不良ノズル及び前記不良周辺ノズル以外の正常ノズルで記録するときは、該着目画素の累積量子化誤差が加算された階調値を前記記録ヘッドがドットを記録可能な階調値に変換し、
    前記着目画素の変換前の階調値と変換後の階調値とで定まる量子化誤差を、該着目画素に隣接する隣接画素を含む所定領域内の各周辺画素毎に該着目画素からの距離が大きくなる程小さくなるように分配する配分量を定めた第1の誤差拡散ウィンドウ、及び前記第1の誤差拡散ウィンドウに比べて各隣接画素の配分量が大きくなるように各周辺画素毎の配分量を定めた第2の誤差拡散ウィンドウを予め記憶し、
    前記着目画素を前記正常ノズルで記録するとき、または低濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第1の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、中濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を前記第2の誤差拡散ウィンドウに基づいて周辺画素各々に拡散し、高濃度の前記着目画素を前記不良ノズルまたは前記不良周辺ノズルで記録するときには、該着目画素の量子化誤差を隣接画素のみへ拡散または該着目画素の量子化誤差の拡散を禁止し、拡散された量子化誤差の各画素毎の累積量子化誤差を入力し、
    前記画像データの対応する各画素の階調値に入力された累積量子化誤差を加算し、
    前記量子化手段によって階調値が変換された画像データに基づいて、階調値が最小値の画素のドット形成を禁止するとともに、階調値が大きくなるほど大きいドットが記録されるように前記記録ヘッドを制御する、
    インクジェット記録方法。
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