JP2010201693A - サーマルヘッド駆動方法および印画装置 - Google Patents

サーマルヘッド駆動方法および印画装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱量により印画するサーマルヘッドの駆動方法に関する発明で印画時間を高速にして、かつ濃度や先鋭度や階調数の印画品質を損なわないサーマルヘッド駆動方法を提供する。
【解決手段】この発明にかかるサーマルヘッド駆動方法は、互いに平行し、接近して配置された複数のサーマルヘッド6a,6bを有する印画装置における、複数のサーマルヘッドの駆動方法であって、(a)入力される印画データ1における階調をサーマルヘッド6a,6bに分担するために、サーマルヘッド6a,6bと階調との対応関係を予め定める工程と、(b)印画装置に入力される印画データに応じて、対応関係に従いサーマルヘッド6a,6bの駆動量を印画データ判断部2において決定する工程と、(c)サーマルヘッド6a,6bの互いの配置関係に応じて、その駆動タイミングを制御しながら決定された駆動量に従ってサーマルヘッドを駆動する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、サーマルヘッドを使用した感熱プリンタや熱昇華プリンタなどの印画装置およびサーマルヘッド駆動方法に関する。
従来のサーマルヘッド駆動方法は、図6、および図7のステップS7−1に示すように、1行に数千ドット配置された発熱素子(サーマルヘッド)を印画データに応じて1ドット単位で独立に発熱させ、そのサーマルヘッドに感熱紙やインクシートシートを圧接して発熱素子行とは垂直方向に動かす事により、平面の画像が得られるというものであった。
1行のサーマルヘッドが一般的ではあるが、高速で印画したい場合に、一行印画では濃度に限界があった。この改善策として、下記特許文献1〜3に示されるように、2行サーマルヘッドを駆動して印画させる駆動方法がある。2行サーマルヘッドは通常、特許文献1〜3に示されるように、2行とも同じデータ(すなわち入力された印画データそのもの)で駆動することにより印画して、高速でかつ高濃度を実現しようとしている。
特開昭61−280955号公報 特開平1−1744468号公報 特開平3−143643公報
従来の1行のサーマルヘッド駆動方法では、高速に印画させようとすると、以下の2つの問題があり高速化できなかった。
1つ目は、高速化するためには発熱体の単位あたりのエネルギーを上げる必要があり、単位あたりのエネルギーを上げると感熱紙やインクシートにダメージを与えてマット化やインクシートシート破損が発生するため、単位あたりのエネルギーには上限があるというものであった。
2つ目は、発熱体駆動ICの最短ON/OFF時間を例えば4μsecと仮定すると256階調表現するのに、4μsec×256 = 1msecが1ラインに必要であり、これ以上高速化するためには階調数を落とすか、発熱体の最短ON/OFF時間を短くする必要があるというものであった。
従来から2行のサーマルヘッドによる駆動方法があるが、その方法においても前述の2つ目の課題である、発熱体のON/OFF時間が、高速化のための問題として残っていた。
このように、従来のサーマルヘッド駆動方法では、高速に印画すると、印画可能な階調数が減少したり、濃度が低下したり、先鋭度が悪くなったりして印画品質が損なわれるという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、階調数等を落とさずに、印画の高速化が可能であるサーマルヘッド駆動方法および印画装置の提供を目的とする。
この発明にかかるサーマルヘッド駆動方法は、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを有する印画装置において、前記複数のサーマルヘッドの駆動方法であって、(a)前記印画装置に入力される印画データにおける階調を前記複数のサーマルヘッドに分担するために、前記複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係を予め定める工程と、(b)前記印画装置に入力される前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する工程と、(c)前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する工程とを備える。
また、この発明にかかる印画装置は、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを備え、前記複数のサーマルヘッドは、入力される印画データにおける階調を分担するために、当該複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係が予め定められており、前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する決定部と、前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する制御部とをさらに備える。
この発明による、サーマルヘッド駆動方法は、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを有する印画装置において、前記複数のサーマルヘッドの駆動方法であって、(a)前記印画装置に入力される印画データにおける階調を前記複数のサーマルヘッドに分担するために、前記複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係を予め定める工程と、(b)前記印画装置に入力される前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する工程と、(c)前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する工程とを備えることにより、複数のサーマルヘッドそれぞれは、分担された印画データの階調のON時間のみが必要となり、印画に必要となるON時間が短縮され、階調数等を落とさずに印画を高速にすることができる。
また、この発明による、印画装置は、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを備え、前記複数のサーマルヘッドは、入力される印画データにおける階調を分担するために、当該複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係が予め定められており、前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する決定部と、前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する制御部とをさらに備えることにより、複数のサーマルヘッドそれぞれは、分担された印画データの階調のON時間のみが必要となり、印画に必要となるON時間が短縮され、階調数等を落とさずに印画を高速にすることができる。
本発明の実施の形態1にかかる印画装置の構成概念図である。 本発明の実施の形態1にかかる印画制御のフローチャートである。 本発明の実施の形態1および2にかかる印画媒体上の熱分布イメージを示した図である。 本発明の実施の形態2にかかる印画装置の構成概念図である。 本発明の実施の形態2にかかる印画制御のフローチャートである。 従来の印画装置の構成概念図である。 従来の印画制御のフローチャートである。
<A.実施の形態1>
<A−1.構成>
本発明にかかる印画装置の構成について、図1を参照しながら説明する。
本発明にかかる印画装置は、印画データ1が入力されるサーマルヘッド駆動回路10と、サーマルヘッド駆動回路10の制御によって駆動されるサーマルヘッド6a,6bとを備える。本実施の形態1においては、サーマルヘッド6a,6bは、2列がたがいに平行、かつ、接近(距離Lとする)して備えられている場合を示す。なお、サーマルヘッドは2列に限定する必要はない。
後述するように、印画装置に入力される印画データ1における階調をサーマルヘッド6a,6bに分担するために、サーマルヘッド6a,6bと階調との対応関係は予め定められる。
望ましくは、連続した階調列を区切ってサーマルヘッド6a,6bと同数の部分に分け、サーマルヘッド6a,6bと前記部分との対応関係を予め定める。
より望ましくは、2列のサーマルヘッド6a,6bを階調の最低階調から中間階調までの部分と、中間階調から最高階調までの部分との2つの部分に対応づける。
前述のサーマルヘッド駆動回路10は、入力される印画データ1を階調によって第1行のサーマルヘッド6aか、または第1行、第2行のサーマルヘッド6a,6bの双方かを駆動させる判断をし決定する印画データ判断部2と、印画データ判断部2における判断に基づいて、それぞれに対応するサーマルヘッド6a,6bの駆動量(発熱量)を制御する第1行発熱制御部3、第2行発熱制御部4と、それぞれのサーマルヘッド6a,6bの配置関係から、発熱のタイミングを制御する発熱タイミングコントロール部5を備える。
<A−2.動作>
以下、図1におけるサーマルヘッド駆動回路10の動作について説明する。
サーマルヘッド駆動回路10に印画したい印画データ1が入力される。印画データ1は印画データ判断部2にて印画したい濃度を判断され、薄い印画の場合は第1行のサーマルヘッド6aのみ使用し(図1のA参照)、濃い印画の場合は1行目と2行目の双方のサーマルヘッド6a、6bを使用する(図1のB参照)。また、双方のサーマルヘッド6a、6bを2回とも印画紙上の同じ位置で発熱するように、サーマルヘッド6a,6bの発熱タイミングを発熱タイミングコントロール部5においてコントロールする(図1のC参照)。
具体的には図2の印画制御のフローチャートに従って、サーマルヘッド6a,6bは制御される。従来の印画制御のフローチャート(図7)と比較し、印画データ判断部2における動作(ステップS2−1)が加わっている。
印画データ1が256階調(8bit)であるとすると、従来は図7に示すように256階調を1つ、または複数備えられたサーマルヘッドに割り当てていたが、印画データ1の階調が0〜127階調(薄い印画データ)時は、1行目のサーマルヘッド6aだけを駆動して(ステップS2−3)、印画データ1の階調が128〜255階調(濃い印画データ)時は1行目と2行目のサーマルヘッド6a,6bを使用する(ステップS2−2)。つまり、印画データ1の階調が0〜127階調の場合は、1行目のサーマルヘッド6aのみの128分解能のON時間で制御して(ステップS2−3)、印画データ1の階調が128〜255階調の場合は、1行目のサーマルヘッド6aは128階調分を全てONして、2行目のサーマルヘッド6bは印画データ1の階調から、サーマルヘッド6aに分担される128階調分を差し引いた、残りの128分解能のON時間で制御する(ステップS2−2)。
図3の左に示すように、サーマルヘッド6a,6bが印画媒体上の同じ位置で発熱するように、2行のサーマルヘッド6a,6bの発熱タイミングを、発熱タイミングコントロール部5においてコントロールする(L/V時間ずらして駆動することで、同じ位置に発熱可能)事で、各サーマルヘッドによる熱量は集中し加算され、濃い印画が可能となる。このとき、印画の先鋭度が向上するが、媒体へのダメージにより、濃度が上げられないという問題もある。
また、256階調のON時間を2行のサーマルヘッド6a,6bに分散することによって、1行あたりは128階調分のON時間の制御ですむため、印画の高速化が可能となる。例えば、本サーマルヘッド6a,6bの駆動最少ON/OFF時間を4μsecと仮定すると、従来のヘッド駆動の1行印画では4μsec×256 = 1msec 必要であるが、本発明の実施の形態1により、サーマルヘッド1行当たりは半分の制御ですむため、4μsec×128 = 0.5msec で同様の印画結果を得られ、1行の印画時間を半分にする、印画の高速化が可能になる。
<A−3.効果>
この発明にかかる実施の形態1によれば、サーマルヘッド駆動方法において、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッド6a,6bを有する印画装置において、複数のサーマルヘッドの駆動方法であって、(a)印画装置に入力される印画データ1における階調を複数のサーマルヘッド6a,6bに分担するために、複数のサーマルヘッド6a,6bと階調との対応関係を予め定める工程と、(b)印画装置に入力される印画データに応じて、対応関係に従い複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動量を印画データ判断部2、第1行発熱制御部2、第2行発熱制御部3において決定する工程と、(c)複数のサーマルヘッド6a,6bの互いの配置関係に応じて、複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動タイミングを発熱タイミングコントロール部5において制御しながら決定された駆動量に従って複数のサーマルヘッドを駆動する工程とを備えることで、例えば濃い濃度の印画をしたい場合には、1行目と2行目両方のサーマルヘッド6a,6bを第1行発熱制御部3、第2行発熱制御部4の制御によって駆動し、薄い濃度の印画をしたい場合には、1行目のみのサーマルヘッド6aを第1行発熱制御部3の制御によって駆動する事により、複数のサーマルヘッド6a,6bそれぞれは、分担された印画データの階調のON時間のみが必要となり、印画に必要となる階調のON時間が短縮され、印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1によれば、サーマルヘッド駆動方法において、(a)印画装置に入力される印画データ1における階調を複数のサーマルヘッド6a,6bに分担するために、複数のサーマルヘッド6a,6bと階調との対応関係を予め定める工程は、連続した階調列を区切ってサーマルヘッド6a,6bと同数の部分に分け、複数のサーマルヘッド6a,6bと前記部分との対応関係を予め定める工程であることで、印画したい階調の範囲に応じて駆動させるサーマルヘッド6a,6bを選択し、これにより印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1によれば、サーマルヘッド駆動方法において、複数のサーマルヘッド6a,6bは、2列のサーマルヘッドであり、(a)印画装置に入力される印画データ1における階調を複数のサーマルヘッド6a,6bに分担するために、複数のサーマルヘッド6a,6bと階調との対応関係を予め定める工程は、2列のサーマルヘッドを前記階調の最低階調から中間階調までの部分と、中間階調から最高階調までの部分との2つの部分に対応づける工程であることで、印画したい階調の範囲に応じて駆動させるサーマルヘッド6a,6bを選択し、これにより印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1によれば、印画装置において、互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッド6a,6bを備え、複数のサーマルヘッド6a,6bは、入力される印画データ1における階調を分担するために、複数のサーマルヘッド6a,6bと前記階調との対応関係が予め定められており、印画データ1に応じて、前記対応関係に従い複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動量を決定する決定部としての印画データ判断部2、第1行発熱制御部3、第2行発熱制御部4と、複数のサーマルヘッド6a,6bの互いの配置関係に応じて、複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動タイミングを制御しながら決定された駆動量に従って複数のサーマルヘッド6a,6bを駆動する制御部に含まれる発熱タイミングコントロール部5とをさらに備えることで、例えば濃い濃度の印画をしたい場合には、1行目と2行目両方のサーマルヘッド6a,6bを第1行発熱制御部3、第2行発熱制御部4の制御によって駆動し、薄い濃度の印画をしたい場合には、1行目のみのサーマルヘッド6aを第1行発熱制御部3の制御によって駆動する事により、複数のサーマルヘッド6a,6bそれぞれは、分担された印画データの階調のON時間のみが必要となり、印画に必要となる階調のON時間が短縮されるので、印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1によれば、印画装置において、複数のサーマルヘッド6a,6bは、連続した階調列に区切って前記サーマルヘッドと同数の部分に分けた各前記部分に対応づけられることで、印画したい階調の範囲に応じて駆動させるサーマルヘッド6a,6bを選択し、印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態1によれば、印画装置において、複数のサーマルヘッドは、2列のサーマルヘッドであり、階調の前記部分は、最低階調から中間階調までの部分と、中間階調から最高階調までの部分との2つの部分であることで、印画したい階調の範囲に応じて駆動させるサーマルヘッド6a,6bを選択し、これにより印画を高速にし、かつ階調数等の印画品質を損なわない印画を実現することができる。
<B.実施の形態2>
<B−1.構成>
図4に示す本実施の形態2にかかる印画装置は、実施の形態1にかかる印画装置において、印画データ判断部2が、さらに印画データ演算部7を備え、またサーマルヘッド駆動回路10が、印画データ演算部7における判断に応じてサーマルヘッド6a、6bの発熱位置をコントロールする発熱タイミングコントロール部8を備える。その他の構成要素については、実施の形態1におけるものと同様であるので、説明を省略する。
<B−2.動作>
図3は、実施の形態1における印画紙上の熱分布(左)と、本実施の形態2における印画紙上の熱分布(右)とを示したものである。
また図3の熱分布イメージ図に示すように1行目と2行目のサーマルヘッド6a,6b発熱タイミングは、1行目と2行目のサーマルヘッド6a,6bの距離がL、感熱紙等の走行速度がVとした場合に、1行目と2行目のサーマルヘッド6a,6bの発熱ONのスタート時間をL/V時間ずらす事により媒体(感熱紙やインクシート)上で1行目と2行目のサーマルヘッド6a,6bの発熱位置を合わせる事ができ、発熱位置があわせれば1画素の熱集中が増し、先鋭度を高くする事が可能になる。実施の形態1では、このような制御により印画をしている。
図3は本発明の媒体上の熱分布イメージを表す図である。図3の左に示すのはL/V時間ずらした媒体上の熱分布を表し、2行のサーマルヘッド6a,6bが重なり熱集中している(実施の形態1の場合)。図3の右に示すのはL/V±α時間ずらした場合の媒体上の熱分布を表し、少しの時間(α)ずらす事で熱はその分分散することになる。このとき、2回に分けて熱を与えられるので熱集中を避けられ、媒体へのダメージを少なくでき、濃度を濃くする事ができる。ただし、先鋭度は低下する。
図3のL/V±α時間ずらした場合(右)に示すように,実施の形態1で述べたL/V時間ずらした位置から、さらに±α時間ずらす制御をする事で、発熱の集中と分散をコントロールする事が可能になり、画質の相反する下記2点が調整可能となる。
1つ目は、発熱点が集中しすぎると、先鋭度は上がるが、ダメージが大きく、実現できる濃度が薄くなる点である。
2つ目は、発熱点が分散しすぎると、ダメージが小さく、濃度は濃く出せるが、先鋭度は下がる点である。
これらの2点を考慮しつつ、発熱の集中と分散をコントロールする。
具体的には、図4で示すように印画データ判断部2において印画データ演算部7を設け、印画データ演算部7において入力される印画データ1の濃度と先鋭度のパラメータを算出し、ずらし時間±αを演算する。印画データ演算部7において、画像毎にずらし時間を算出して、先鋭度と濃度を最適化できるサーマルヘッド駆動方法を得る事が可能となる。最適化については、印画したい内容によって濃度と先鋭度のバランスを考慮し行うことができる。
例えば図5のフローに示すように、印画データ演算部7にて印画データ1にエッジ部が多いか、黒ベタ部が多いかを判断し(ステップS5−1)、黒ベタが多いと判断した場合は2行の媒体への発熱位置をずらして濃度を高くし(ステップS5−2)、エッジ部が多いと判断した場合は、2行のサーマルヘッド6a,6bの印画媒体への発熱位置を合わせるよう発熱タイミングコントロール部8において制御し、先鋭度を高くする(ステップS5−3)。黒ベタが多いと判断した場合には、2行のサーマルヘッド6a,6bの印画媒体への発熱位置をずらす(α)よう発熱タイミングコントロール部8において制御し、濃度を高くする。ずらす程度は、画像ごとに印画データ演算部7において演算し判断する。
図5の本フローチャートは、エッジ部多いか黒ベタ多いかの2者選択フローチャートであるが、演算により発熱位置のずらす量を最適化する事で、印画する画像毎に、濃度が必要な画像には濃度を高く出し、また先鋭度が必要な画像には先鋭度を上げるような最適なずらし量を得ることが可能である。印画する画像毎に演算をさせる事で、印画毎に最適なサーマルヘッド駆動方法を得る事が可能となり、印画の高速化と高画質化が図れる。
<B−3.効果>
この発明にかかる実施の形態2によれば、サーマルヘッド駆動方法において、(d)印画データ1においてエッジ部が多いか、黒ベタ部が多いかを演算部である印画データ演算部7において演算し判断する工程をさらに備え、(c)複数のサーマルヘッド6a,6bの互いの配置関係に応じて、複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動タイミングを発熱タイミングコントロール部5において制御しながら決定された駆動量に従って複数のサーマルヘッドを駆動する工程は、エッジ部が多いと判断する場合には、第1のタイミングで複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動タイミングを制御し、黒ベタ部が多いと判断する場合には、制御部に含まれる発熱タイミングコントロール部8において、第1のタイミングからずらした第2のタイミングで複数のサーマルヘッド6a,6bの駆動タイミングを制御する工程であることで、印画する画像ごとに濃度と先鋭度をコントロールし、最適な印画を実現することができる。
また、この発明にかかる実施の形態2によれば、印画装置において、印画データ1においてエッジ部が多いか、黒ベタ部が多いかを演算し判断する演算部である印画データ演算部7をさらに備え、制御部に含まれる発熱タイミングコントロール部8は、エッジ部が多いと判断する場合には、制御部に含まれる発熱タイミングコントロール部5において制御した場合と同様に、第1のタイミングで複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御し、黒ベタ部が多いと判断する場合には、第1のタイミングからずらした第2のタイミングで複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御することで、印画する画像ごとに濃度と先鋭度をコントロールし、最適な印画を実現することができる。
本発明の活用例として、昇華プリンタや感熱プリンタの高速印画に適用できる。
1 印画データ、2 印画データ判断部、3 第1行発熱制御部、4 第2行発熱制御部、5,8 発熱タイミングコントロール部、6a,6b サーマルヘッド、7 印画データ演算部、10 サーマルヘッド駆動回路。

Claims (8)

  1. 互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを有する印画装置において、前記複数のサーマルヘッドの駆動方法であって、
    (a)前記印画装置に入力される印画データにおける階調を前記複数のサーマルヘッドに分担するために、前記複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係を予め定める工程と、
    (b)前記印画装置に入力される前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する工程と、
    (c)前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する工程と、
    を備えるサーマルヘッド駆動方法。
  2. 前記工程(a)は、連続した階調列を区切って前記サーマルヘッドと同数の部分に分け、前記複数のサーマルヘッドと前記部分との対応関係を予め定める工程である、
    請求項1に記載のサーマルヘッド駆動方法。
  3. (d)前記印画データにおいてエッジ部が多いか、黒ベタ部が多いかを演算し判断する工程をさらに備え、
    前記工程(c)は、前記エッジ部が多いと判断する場合には、第1のタイミングで前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御し、前記黒ベタ部が多いと判断する場合には、前記第1のタイミングからずらした第2のタイミングで前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御する工程である、
    請求項1または2に記載のサーマルヘッド駆動方法。
  4. 前記複数のサーマルヘッドは、2列のサーマルヘッドであり、
    前記工程(a)は、前記2列のサーマルヘッドを前記階調の最低階調から中間階調までの部分と、中間階調から最高階調までの部分との2つの部分に対応づける工程である、
    請求項2に記載のサーマルヘッド駆動方法。
  5. 互いに平行し、かつ、接近して配置された複数のサーマルヘッドを備え、
    前記複数のサーマルヘッドは、入力される印画データにおける階調を分担するために、当該複数のサーマルヘッドと前記階調との対応関係が予め定められており、
    前記印画データに応じて、前記対応関係に従い前記複数のサーマルヘッドの駆動量を決定する決定部と、
    前記複数のサーマルヘッドの互いの配置関係に応じて、前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御しながら前記決定された駆動量に従って前記複数のサーマルヘッドを駆動する制御部とをさらに備える、
    印画装置。
  6. 前記複数のサーマルヘッドは、連続した階調列に区切って前記サーマルヘッドと同数の部分に分けた各前記部分に対応づけられる、
    請求項5に記載の印画装置。
  7. 前記印画データにおいてエッジ部が多いか、黒ベタ部が多いかを演算し判断する演算部をさらに備え、
    前記制御部は、前記エッジ部が多いと判断する場合には、第1のタイミングで前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御し、前記黒ベタ部が多いと判断する場合には、前記第1のタイミングからずらした第2のタイミングで前記複数のサーマルヘッドの駆動タイミングを制御する、
    請求項5または6に記載の印画装置。
  8. 前記複数のサーマルヘッドは、2列のサーマルヘッドであり、
    前記階調の前記部分は、最低階調から中間階調までの部分と、中間階調から最高階調までの部分との2つの部分である、
    請求項6に記載の印画装置。
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