JP2015123736A - データ生成装置、データ生成方法、記録装置及び記録方法 - Google Patents
データ生成装置、データ生成方法、記録装置及び記録方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】発熱によりインクを吐出する記録ヘッドを用いる場合、記録媒体が搬送される位置によってヘッド温度が異なるが、それに応じた適切な量の紙面予備吐出を行う記録装置を提供する。【解決手段】記録媒体を搬送する位置と画像を記録する前のヘッド温度に基づいて、紙面予備吐出パターンを生成することで、最適な量の紙面予備吐出を行う。【選択図】図5
Description
本発明は、発熱によりインクを吐出する記録素子を用いて画像を記録するためのデータ生成装置、データ生成方法、記録装置及び記録方法に関する。
従来、インクジェット記録装置において、画像記録のためのインク吐出とは別にノズルからインクを吐出することにより、ノズル内のインクの増粘による吐出不良を防ぐ目的で予備吐出動作が行われている。特に、ラインヘッドを用いるインクジェット記録装置においては、実画像データとは別に作成された予備吐出データに基づいて実画記録時に紙面上に予備吐出を行う方法(以下、紙面予備吐出と称する)が知られている。
特許文献1には、不要な紙面予備吐出を低減させるために、所定期間内に各ノズルから吐出が行われた否かを検知して紙面予備吐出パターンを設定する方法が開示されている。また、特許文献2には、記録ヘッドの温度を検知して、画像記録情報の伴わない位置における予備吐出動作の吐出回数を変更する方法が開示されている。
しかしながら、記録素子として発熱体を用いてインクに熱を加えてインク滴を吐出する、所謂サーマルインクジェット方式の記録ヘッドを用いる場合には、記録媒体を搬送する位置によって使用するノズルが異なり、ヘッド温度の上昇度合いが異なる。すなわち、記録媒体を搬送する位置によって必要な紙面予備吐出の頻度が異なる。
特許文献1及び2のように、記録媒体を搬送する位置を考慮せずに紙面予備吐出を行う場合には、紙面予備吐出を行う量に過不足が生じる可能性がある。
このような課題を鑑み、本願発明は、発熱によりインクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が設けられた記録ヘッドに対して、前記所定方向に置いて前記ノズル列が記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体を搬送することにより、前記記録媒体に対して画像を記録するためのデータを生成するデータ生成装置であって、前記複数のノズルのうち前記画像の記録に用いる一部のノズルの温度を取得する取得手段と、前記温度に基づいて、前記記録媒体上における前記画像を記録する領域に対して前記一部のノズルの吐出状態を維持するための予備吐出を行うための予備吐出データを生成する生成手段と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、画像の記録に用いる記録素子の吐出状態に応じた適切な量の紙面予備吐出を行うことができる。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の概念的な構成を示す斜視図である。ヘッドユニット1には、7つの記録ヘッド1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gが配置されている。記録ヘッド1a〜1gのそれぞれには、記録素子として発熱体(不図示)を内部に備えた複数の吐出口(ノズル)が設けられている。本実施形態では、発熱体として電気熱変換体を用いている。そして、7つの記録ヘッドは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、グレイ(Gy)の7種類のインクにそれぞれ対応している。尚、7色分のインクを備えるインクタンク3がインク供給チューブ4を介して記録ヘッド1a〜1gに接続されており、記録ヘッド毎にインクタンクからインクが供給される。また、記録ヘッド1a〜1gには、フレキシブルケーブル(不図示)が接続されており、制御回路から制御信号が送られる。
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の概念的な構成を示す斜視図である。ヘッドユニット1には、7つの記録ヘッド1a、1b、1c、1d、1e、1f、1gが配置されている。記録ヘッド1a〜1gのそれぞれには、記録素子として発熱体(不図示)を内部に備えた複数の吐出口(ノズル)が設けられている。本実施形態では、発熱体として電気熱変換体を用いている。そして、7つの記録ヘッドは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ライトシアン(Lc)、ライトマゼンタ(Lm)、グレイ(Gy)の7種類のインクにそれぞれ対応している。尚、7色分のインクを備えるインクタンク3がインク供給チューブ4を介して記録ヘッド1a〜1gに接続されており、記録ヘッド毎にインクタンクからインクが供給される。また、記録ヘッド1a〜1gには、フレキシブルケーブル(不図示)が接続されており、制御回路から制御信号が送られる。
本実施形態において、記録媒体2は、搬送ローラや排紙ローラ等(不図示)に挟持され、搬送モータの駆動に伴って、図中矢印で示す主走査方向(以下、X方向とする)に搬送される。各記録ヘッド1a〜1gは、位置調整機構(不図示)によって主走査方向と交差する方向(以下、Y方向または所定方向とする)に移動することで、記録媒体2との相対位置を調整することができる。そして、位置を固定された記録ヘッド1a〜1gとX方向に搬送される記録媒体2との相対移動において、記録媒体2に対してインクを吐出することにより画像が記録される。尚、記録媒体2としては普通紙、高品位専用紙、OHPシート、光沢紙、光沢フィルム、ハガキ等があり、Y方向の幅が異なる複数種類の記録媒体に対して記録可能である。
(ヘッド構造)
図2(a)は、本実施形態の記録ヘッド1aおよび記録ヘッド1bの詳細構造を示した図である。記録ヘッド1c〜1gの構造は記録ヘッド1aと同様である。記録ヘッド1aには、複数の記録素子が設けられた吐出基板である、記録チップ11a、12a、13a、14aが千鳥状に並べて配置されている。各記録チップには、電気熱変換体である記録素子が備えられたノズルがY方向に沿って並ぶノズル列111a、112a、113a、114aがX方向に沿って配置されている。また、各記録チップには、吐出基板表面の温度を検出するためのダイオードセンサ6が、Y方向において複数設けられている。尚、各記録チップ11a〜14aはインク供給路5によって直列につながれており、図の左から右に向かって矢印で示す順番の流路でインクが供給される。記録ヘッド1b〜1gの構造も記録ヘッド1aと同様であるが、各記録ヘッドの配置は、Y方向において記録チップのつなぎ部分が同じ位置と重ならないようにずれて配置されている。
図2(a)は、本実施形態の記録ヘッド1aおよび記録ヘッド1bの詳細構造を示した図である。記録ヘッド1c〜1gの構造は記録ヘッド1aと同様である。記録ヘッド1aには、複数の記録素子が設けられた吐出基板である、記録チップ11a、12a、13a、14aが千鳥状に並べて配置されている。各記録チップには、電気熱変換体である記録素子が備えられたノズルがY方向に沿って並ぶノズル列111a、112a、113a、114aがX方向に沿って配置されている。また、各記録チップには、吐出基板表面の温度を検出するためのダイオードセンサ6が、Y方向において複数設けられている。尚、各記録チップ11a〜14aはインク供給路5によって直列につながれており、図の左から右に向かって矢印で示す順番の流路でインクが供給される。記録ヘッド1b〜1gの構造も記録ヘッド1aと同様であるが、各記録ヘッドの配置は、Y方向において記録チップのつなぎ部分が同じ位置と重ならないようにずれて配置されている。
記録媒体2を搬送する際、Y方向の位置は複数の位置を変更可能であり、記録ヘッドの温度上昇を考慮すると、記録ジョブ毎に変更することが望ましい。例えば、画像記録を指示するジョブを受信した際に、図中の記録媒体2の位置で搬送し、次に画像記録を指示するジョブを受信した際には、前回と隣の位置である記録媒体2’の位置で搬送する。これにより、記録ヘッドの記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体に画像を記録する場合には、複数の記録位置で記録を行うことができる。この記録位置の変更は、ジョブ毎であってもよく、所定時間毎であってもよく、所定枚数の画像毎であってもよい。また、上記例では、連続する2回のジョブにおいて前回の記録位置の隣の位置に移動したが、記録範囲の重なりがあってもよく、もっと離れた位置であってもよい。
図2(b)は、図2(a)で説明した各記録チップを裏側から見た図であり、記録ヘッド1aの内部のインク供給路5の構造を示している。図中、斜線で示す部分が図2(a)で示した記録チップ11a〜13aである。そして、矢印で示す順番でインクが流れ、上流の記録チップ11aから下流の記録チップ14aまでインクが供給される。そして、各記録チップに設けられた記録素子が発熱することによってインクに膜沸騰を生じさせ、その際に発生する気泡の圧力によってノズル(吐出口)からインク滴が吐出される。このインク滴の吐出タイミングと記録媒体2の搬送タイミングとを調整することで、記録媒体上に画像が形成される。
図3は、画像記録を行った際にダイオードセンサ6が検出した記録ヘッド1aの温度分布を示す図である。4aは記録チップ11aの温度分布、4bは記録チップ12aの温度分布、4cは記録チップ13aの温度分布、4dは記録チップ14aの温度分布である。画像の記録中は記録ヘッドからの熱を受けてインクの温度が上昇するため、図からわかるように、インクが流路を流れる方向において温度差が生じている。インク供給路5の上流に位置する記録チップほど温度が低く、下流に位置する記録チップほど温度が高い傾向にある。このような温度差は、インク供給路5を流れるインクが各記録チップから吐出に利用した熱エネルギーの一部を受け取り、さらにはインクが上流から下流に流れるまでに熱エネルギーが蓄積され続けるためだと考えられる。
(電気ブロック図)
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。51は画像データ入力部、52は操作部、53は各種処理を行うCPU部、54は各種データを記憶する記憶媒体である。記憶媒体54のプリント情報格納メモリには、記録媒体の主に種類に関する情報54a、プリントに用いるインクに関する情報54b、記録時の温度・湿度などの環境に関する情報54cが格納される。54dは、各種制御プログラム群である。55はRAM、56は画像データ処理部、57は画像出力を行う画像記録部、58は紙面予備吐出パターン生成部、59は記録に使用するノズル位置を決めるY位置決定部、60は各種データを転送するバス部である。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置における制御系の構成を示すブロック図である。51は画像データ入力部、52は操作部、53は各種処理を行うCPU部、54は各種データを記憶する記憶媒体である。記憶媒体54のプリント情報格納メモリには、記録媒体の主に種類に関する情報54a、プリントに用いるインクに関する情報54b、記録時の温度・湿度などの環境に関する情報54cが格納される。54dは、各種制御プログラム群である。55はRAM、56は画像データ処理部、57は画像出力を行う画像記録部、58は紙面予備吐出パターン生成部、59は記録に使用するノズル位置を決めるY位置決定部、60は各種データを転送するバス部である。
画像データ入力部51は、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの多値画像データやパーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている多値画像データが入力される。操作部52は、各種パラメータの設定および記録開始を指示する各種キーを備えている。CPU53は、記憶媒体中の各種プログラムに従って本記録装置全体を記録制御手段として制御する。記憶媒体54は、制御プログラムやエラー処理プログラムに従って本記録装置を動作させるためのプログラムなどを格納している。本実施形態における動作は、全てこのプログラムに従って行われる。このようなプログラムを格納する記憶媒体54としては、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどを用いることができる。RAM55は、記憶媒体54中の各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア、および画像処理時のワークエリアとして用いられる。また、RAM55は、記憶媒体54の中の各種テーブルをコピーした後、そのテーブルの内容を変更し、この変更したテーブルを参照しながら画像処理を進めることも可能である。
画像データ処理部56は、入力された多値画像データをN値の画像データに画素毎に量子化するデータ生成手段として機能する。尚、Nは3以上の整数である。次いで、量子化された各画素が示す階調値“N”に基づいて、その階調値に対応するドット配置パターンを選択する。このドット配置パターンは、ドットの記録の有無、すなわちインクの吐出または非吐出を示す2値のパターンである。従って、ドット配置パターンの選択によって2値の吐出データを得ることができる。このように、画像データ処理部56は、入力された多値画像データをN値化処理した後、そのN値の画像データに基づいて2値の吐出データを作成する。例えば、8bit(256階調)で表現される多値画像データが画像データ入力部51に入力され場合、画像データ処理部56において出力する画像データの階調値を、例えば25(=24+1)値に量子化する。次いで、画像データ処理部56において、25値の画像データにドット配置パターンを割り当て、インクの吐出または非吐出を示す2値の吐出データが生成される。その後、生成された2値の吐出データを複数のノズル列に分配することにより、各ノズル列に対応する複数の2値の吐出データが生成される。尚、入力階調画像データのN値化処理を行う方法は、本実施形態で採用した多値誤差拡散法に限るものではなく、例えば、平均濃度保存法やディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を用いることができる。また、画像データ処理部56は、多値画像データから最終的に2値の吐出データを生成できればよく、上述したようにN値化処理を介在させることは必須ではない。例えば、画像データ処理部56に入力された多値画像データを、直接2値の吐出データに変換するような2値化処理を行ってもよい。
画像記録部57は、画像データ処理部56で生成された2値の吐出データに基づいて、対応するノズルからインク滴を吐出することにより、記録媒体上に画像を形成する。バスライン60は、本記録装置内のアドレス信号、データ、制御信号などを伝送する。
Y位置決定部59は、画像を記録すべき記録媒体のサイズに基づいて記録に用いるノズルの位置を決定する。ここでは、Y方向における記録ヘッドが記録可能な幅(記録幅と呼ぶ)よりも狭い幅の記録媒体に画像を記録する場合、前回同じ幅の記録媒体に対して画像を記録した際の使用ノズル位置を取得し、Y方向においてその隣の位置を使用ノズル位置として決定する。
(紙面予備吐パターン生成処理)
図5を用いて、紙面予備吐出パターンを決定し紙面予備吐出の吐出データを生成する紙面予備吐出データ生成処理を説明する。本実施形態では、ノズルからのインク滴の吐出状態を示す情報として、記録前のヘッド温度(ベース温度)とこれから画像を記録するためにインク滴を吐出する回数を用いる。そして、ベース温度とインク滴を吐出する回数に基づいて、記録ヘッドが到達する最高温度を推定する。推定した最高温度から、画像の記録中に画像を記録する領域に対して、記録ヘッドの吐出状態を維持するための予備吐出(紙面予備吐出)を行う間隔を決定する。
図5を用いて、紙面予備吐出パターンを決定し紙面予備吐出の吐出データを生成する紙面予備吐出データ生成処理を説明する。本実施形態では、ノズルからのインク滴の吐出状態を示す情報として、記録前のヘッド温度(ベース温度)とこれから画像を記録するためにインク滴を吐出する回数を用いる。そして、ベース温度とインク滴を吐出する回数に基づいて、記録ヘッドが到達する最高温度を推定する。推定した最高温度から、画像の記録中に画像を記録する領域に対して、記録ヘッドの吐出状態を維持するための予備吐出(紙面予備吐出)を行う間隔を決定する。
記録を指示するジョブを受信すると、ステップS1において、これから画像を記録する記録媒体と同じ幅の記録媒体に対して前回画像を記録した際に使用したノズルを示す情報を取得する。そして、前回使用したノズル位置とは異なる位置に、今回の画像記録に使用するノズルの位置を決定する。ここで決定されるノズル位置は、前回使用したノズルの範囲と一部のノズルが重複していても構わないが、重複していない方がより好ましい。本実施形態では、今回の記録動作では、前回の記録動作で使用したノズルを用いないように、前回使用したノズル範囲に対してY方向において隣に位置する範囲のノズルをノズル使用位置として決定する。ノズル使用位置が決定すると、決定したノズル使用位置に関する情報が記録ヘッド1の位置調整機構に送られ、位置調整機構が記録ヘッドのY位置を調整する。
ステップS2において、ダイオードセンサ6を用いて、画像記録を行う前の記録ヘッドの温度をノズルグループ毎に取得する。以下、この温度をベース温度と呼ぶ。ここでは、各インク色の記録ヘッドについて、Y方向において複数のノズルグループに分割する。各ノズルグループは、Y方向において連続する所定数のノズルを含む。本実施形態では、X方向において同色のインクを吐出する複数のノズル列を備える記録チップを用いているが、X方向において同じ位置を記録可能なノズルは同じノズルグループに属するように分割される。
尚、ノズルグループ毎にベース温度を取得する上で、ノズルグループ毎に少なくとも1つのダイオードセンサ6が配置されていることが好ましい。1つのノズルグループに対して複数のダイオードセンサが配置されている場合には、平均値を用いることで精度を上げることができる。また、ノズルグループ毎にダイオードセンサが配置されていない場合には、近傍の2つのダイオードセンサ6の温度と各ダイオードセンサまでの距離から補完演算することにより温度を取得してもよい。
ステップS3では、画像データ処理部によって生成された2値の吐出データに基づいて、各ノズルグループのノズル使用回数、すなわち、これから画像を記録する上でインク滴を吐出する回数を取得する。
ステップS4において、ステップS2で取得したベース温度と、ステップS3で取得したノズル使用回数とに基づいて、各ノズルグループの最高到達温度Tを推定する。
図6は、ステップS2で取得したベース温度tとステップS3で取得したインク使用回数に基づいて、ステップS4で用いる最高到達温度Tを推定するためのテーブルである。このテーブルにおいて、記録開始前のベース温度によって記録ヘッドの昇温度合いが異なるため、予めこのようなテーブルを生成し、記憶媒体54に記憶しておく。
ステップS5において、紙面予備吐出パターン生成部58は、S4で推定した各ノズルグループの最高到達温度に基づいて、インク色毎の紙面予備吐出を行う間隔を決定する。ここでは、インク色毎に、記録に使用するノズルグループそれぞれの最高到達温度のうち最も高い最高到達温度を取得し、この温度に対応する値を紙面予備吐出間隔として決定する。
図7(a)は、紙面予備吐出データの記録媒体上の2値のイメージ図を表している。図7(a)において、各マス目は、記録媒体上の領域に1200dpi×1200dpiの解像度で設定された画素を示している。そして、黒マスはインク滴を吐出する画素、白マスはインク滴を吐出しない画素を示している。図中、Aは、紙面予備吐出としてインク滴を吐出した後、次に吐出するまでの画素数を表す吐出間隔である。
図7(b)は、紙面予備吐出パターンを決めるためのテーブルであり、インク色と最高到達温度Tに対応して設定された吐出間隔Aの値を示している。ヘッド温度が高いほど、インク中の水分の蒸発が促進され、インクの粘度が高くなるため、最高到達温度Tが高くなるほど紙面予備吐出を短い間隔で行うように、吐出間隔Aの値が小さくなるように設定されている。
ステップS6において、紙面予備吐出パターン生成部58は、インク色毎に画像記録に用いるノズルグループの最高到達温度Tに基づいてテーブルから吐出間隔Aを参照し、図7(a)のパターンデータに基づいて紙面予備吐出の吐出データを生成する。尚、図7(a)のパターンデータを繰り返し用いることで、記録媒体上の全領域に対する紙面予備吐出データを生成する。
図8は、ユーザが記録を指示した記録画像の吐出データと紙面予備吐出の吐出データとを合成する処理のフローチャートである。まず、ステップS11において、0〜255の256階調で示される多値データを取得し、2値化処理が行われる。2値化手法としては、誤差拡散、INDEX展開方法など特に問わないが、ここでは前述した通り、多値データを誤差拡散法によりN値データに量子化し、そのN値データにドット配置パターンを割り当てることで2値化する処理を行う。ステップS12において、ステップS11で生成した記録画像の2値の吐出データと、図5の紙面予備吐出パターン生成フローで生成された2値の紙面予備吐出データとの論理和をとって合成する。そして、ステップS13において、合成された吐出データを各ノズル列に分配し、記録媒体上に画像を記録する。
以上のように、本実施形態では、記録ヘッドの各位置の最高到達温度に基づいて紙面予備吐出間隔を決定する。これにより、記録ヘッドのすべての位置で記録ヘッドの最高到達温度に合わせた紙面予備吐出を行う場合に比べて、紙面予備吐出によるインク消費量を低減することができる。また、紙面予備吐量を適切に調整することにより、紙面予備吐出に起因する記録画像の明度低下を抑制することも可能となる。
尚、本実施形態では、記録媒体を一定の記録速度で搬送する例を示しているが、記録速度が変わる形態であってもよい。記録速度が変わると紙面予備吐出を行う距離間隔が変化する。このため、紙面予備吐出を所望の時間間隔で行うために、テーブルに定められた値に、記録速度に応じた係数を乗算する方法を用いても良い。係数は記録速度が大きくなるほど大きな値になる特徴を持つ。尚、係数を持たずに、記録速度毎に紙面予備吐出パターンを決めるためのテーブルを用意する方法であっても良い。
尚、最高到達温度を決める際には、画像の記録に用いるノズル使用位置として決定された範囲のノズルを複数のグループに分け、各グループについて最高到達温度を取得する形態であってもよい。また、Y方向において複数のグループを設定しておき、ノズル使用位置として決定された範囲に含まれるグループに対し、それぞれ最高到達温度を取得する形態であってもよい。
また、記録媒体のY方向においては同じ紙面予備吐出パターンを用いる形態を示したが、記録媒体をY方向に複数の領域に分け、各領域で紙面予備吐出パターンを決定する形態であっても良い。また、本実施形態では、テーブル参照位置の決定にあらかじめ記録されている各記録チップの最高到達温度を用いたが、各記録チップのダイオードセンサ6の値を取得し、取得した温度に基づいてテーブル参照位置を決定しても良い。
また、本実施形態では、ベース温度とノズル使用回数とに基づいて最高到達温度を決定する構成としたが、ノズル使用回数からヘッド温度の上昇度合いを推定する形態であってもよい。この場合、ノズル使用回数と温度上昇分を関連づけたデータを予め記憶しておき、ノズル使用回数に基づいて温度上昇分を取得し、取得した温度上昇分をベース温度に加算して最高到達温度を推定すればよい。
(第2実施形態)
前述の実施形態では、インク色毎に最高到達温度を予測して紙面予備吐出間隔を決定する方法を述べたが、本実施形態では、記録に用いるインクのうち有彩色インクの紙面予備吐出による色転びを考慮した紙面予備吐間隔を決定する方法について説明する。
前述の実施形態では、インク色毎に最高到達温度を予測して紙面予備吐出間隔を決定する方法を述べたが、本実施形態では、記録に用いるインクのうち有彩色インクの紙面予備吐出による色転びを考慮した紙面予備吐間隔を決定する方法について説明する。
複数色の有彩色インクで紙面予備吐出を行う場合、紙面予備吐出されるインク量によっては、記録される画像の色の色味がずれてしまう、所謂「色転び」が生じる場合がある。この色転びの発生を抑制するために、紙面予備吐出によって作られる画像の色が無彩色になるよう、各有彩色インクの紙面予備吐出の吐出発数を調整することが好ましい。
本実施形態では、有彩色インクとしてY、Lc、Lmインク、無彩色インクとしてGyインクの紙面予備吐出を行う場合を例に挙げて説明する。予め図7(b)のテーブルを生成する際に、有彩色インクの紙面予備吐出によって生成される画像の色が無彩色となるように、テーブルの縦に並ぶ紙面予備吐間隔の値を設定しておく。例えば、最高到達温度Tは10℃≦T<20℃の場合、Yインクの紙面予備吐間隔A=576、Lcインクの紙面予備吐間隔A=280、Lmインクの紙面予備吐間隔A=280となっている。これは、Y、Lc、Lmインクがそれぞれ上記間隔で紙面予備吐出された場合に記録された画像が無彩色であるように調整された値である。従って、第1実施形態のように、インク色毎に最高到達温度から紙面予備吐間隔Aを決定すると、有彩色インクのバランスがくずれ、記録される画像の色味が変わってしまう可能性がある。
そこで本実施形態では、有彩色インクの紙面予備吐出については、各インクの最高到達温度のうち最も高い最高到達温度を判定し、判定された最高到達温度に対応する紙面予備吐出間隔Aの値に決定する。すなわち、最高到達温度が最も高いインクに合わせて、他の有彩色インクの紙面予備吐間隔も決定する。
図9は、本実施形態における紙面予備吐出パターン生成の処理を示すフローチャートである。ステップS21において、紙面予備吐出パターン生成部58は、紙面予備吐出パターンを生成する対象のインクが、無彩色インクであるか否かを判定する。無彩色インクであると判定された場合には、ステップS22に進み、無彩色インクの紙面予備吐出パターン生成処理を行う。無彩色インクの紙面予備吐パターン生成処理は、第1実施形態と同様に各インク毎に紙面予備吐間隔を決定する方法であり、図5のフローチャートと同じ処理であるためここでは省略する。ステップ21において、無彩色インクではない、すなわち有彩色インクであると判定された場合には、ステップS23に進み、判定された有彩色インクについて、最高到達温度を取得する。ステップS24において、紙面予備吐出を行う全てのインクについて判定が行われたかどうかを判断し、全てのインクについて行われていない場合にはステップS21に戻る。紙面予備吐出を行う全てのインクに判定が行われた場合には、ステップS25に進み、有彩色インクそれぞれについて取得した最高到達温度のうち最も高い最高到達温度Tを判定し、判定された最高到達温度に対応する紙面予備吐出間隔を決定する。例えば、Yインクの最高到達温度が15℃、Lcインクの最高到達温度が35℃、Lmインクの最高到達温度が25℃である場合、最も高い温度は35℃であるため、これらのインクの紙面予備吐出間隔を30℃≦T<40℃の値に合わせる。すなわち、Yインクの紙面予備吐間隔A=1152、Lcインクの紙面予備吐間隔A=560、Lmインクの紙面予備吐間隔A=560である。ステップS26において、ステップS25で決定した紙面予備吐出間隔を用いて有彩色インクの紙面予備吐出パターンを生成する。
以上のように、有彩色の各インクの紙面予備吐出を独立に決定せずに、紙面予備吐出を行う有彩色インクヘッドの中で最も高い最高到達温度を用いて決定する。これにより、有彩色インクの紙面予備吐出に起因する色転びを抑制しつつ、適切な紙面予備吐出量を調整することができる。
1 ヘッドユニット
1a〜1g 記録ヘッド
2 記録媒体
3 インクタンク
11a〜14a 記録チップ
5 インク供給路
1a〜1g 記録ヘッド
2 記録媒体
3 インクタンク
11a〜14a 記録チップ
5 インク供給路
Claims (13)
- 発熱によりインクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が設けられた記録ヘッドに対して、前記所定方向に置いて前記ノズル列が記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体を搬送することにより、前記記録媒体に対して画像を記録するためのデータを生成するデータ生成装置であって、
前記複数のノズルのうち前記画像の記録に用いる一部のノズルの温度を取得する取得手段と、
前記温度に基づいて、前記記録媒体上における前記画像を記録する領域に対して前記一部のノズルの吐出状態を維持するための予備吐出を行うための予備吐出データを生成する生成手段と、
を備えることを特徴とするデータ生成装置。 - 前記画像が記録される際の前記記録媒体と前記記録ヘッドとの前記所定方向における相対位置が変更可能であり、
前記取得手段は、前記相対位置に基づいて前記一部のノズルの温度を取得することを特徴とする請求項1に記載のデータ生成装置。 - 前記温度は、前記ノズルが設けられた吐出基板に配置されたセンサによって取得されることを特徴とする請求項1または2に記載のデータ生成装置。
- 前記一部のノズルは、前記所定方向において複数のノズルグループに分割され、
前記取得手段は、前記複数のノズルグループのそれぞれについて前記温度を取得し、
前記生成手段は、前記複数のノズルグループのそれぞれの前記温度に基づいて前記予備吐出データを生成することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ生成装置。 - 前記取得手段は、前記画像に対応するインク滴の吐出または非吐出を示す吐出データをさらに取得し、
前記生成手段は、前記複数のノズルグループのそれぞれの前記温度と前記吐出データとに基づいて前記複数のノズルグループそれぞれの最高温度を推定し、推定された前記最高温度のうち最も高い最高温度に基づいて、前記予備吐出データを生成することを特徴とする請求項4に記載のデータ生成装置。 - 前記生成手段は、前記最高温度に基づいて前記予備吐出データにおける予備吐出の間隔を決定し、当該間隔に基づいて前記予備吐出データを生成することを特徴とする請求項5に記載のデータ生成装置。
- 前記記録ヘッドには、複数のノズルが備えられた複数の吐出基板が前記所定方向に並ぶように配置され、且つ、前記記録ヘッドに供給されるインクの流路は前記所定方向にインクが流れるように配置されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のデータ生成装置。
- 複数の前記記録ヘッドを用いて前記画像を記録する場合、前記生成手段は、前記記録ヘッド毎に前記予備吐出データを生成することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のデータ生成装置。
- 複数の前記記録ヘッドは複数色のインクにそれぞれ対応することを特徴とする請求項8に記載のデータ生成装置。
- 前記所定方向と交差する方向に前記記録媒体が搬送され、前記搬送の間に前記画像が記録されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のデータ生成装置。
- 発熱によりインクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が設けられた記録ヘッドに対して、前記所定方向に置いて前記ノズル列が記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体を搬送することにより、前記記録媒体に対して画像を記録するためのデータを生成するデータ生成方法であって、
前記複数のノズルのうち前記画像の記録に用いる一部のノズルの温度を取得する取得工程と、
前記温度に基づいて、前記記録媒体上における前記画像を記録する領域に対して前記一部のノズルの吐出状態を維持するための予備吐出を行うための予備吐出データを生成する生成工程と、
を備えることを特徴とするデータ生成方法。 - 発熱によりインクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が設けられた記録ヘッドに対して、前記所定方向に置いて前記ノズル列が記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体を搬送することにより、前記記録媒体に対して画像を記録するための記録装置であって、
前記複数のノズルのうち前記画像の記録に用いる一部のノズルの温度を取得する取得手段と、
前記温度に基づいて、前記記録媒体上における前記画像を記録する領域に対して前記一部のノズルの吐出状態を維持するための予備吐出を行うための予備吐出データを生成する生成手段と、
前記画像を記録するためのインク滴の吐出または非吐出を示す吐出データと、前記予備吐出データと、に基づいて、前記記録ヘッドを駆動することにより前記画像を記録する記録制御手段と、
を備えることを特徴とする記録装置。 - 発熱によりインクを吐出する複数のノズルが所定方向に並ぶノズル列が設けられた記録ヘッドに対して、前記所定方向に置いて前記ノズル列が記録可能な幅よりも狭い幅の記録媒体を搬送することにより、前記記録媒体に対して画像を記録するための記録方法であって、
前記複数のノズルのうち前記画像の記録に用いる一部のノズルの温度を取得する取得工程と、
前記温度に基づいて、前記記録媒体上における前記画像を記録する領域に対して前記一部のノズルの吐出状態を維持するための予備吐出を行うための予備吐出データを生成する生成工程と、
前記画像を記録するためのインク滴の吐出または非吐出を示す吐出データと、前記予備吐出データと、に基づいて、前記記録ヘッドを駆動することにより前記画像を記録する記録制御工程と、
を備えることを特徴とする記録方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013272036A JP2015123736A (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | データ生成装置、データ生成方法、記録装置及び記録方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020100072A (ja) * | 2018-12-21 | 2020-07-02 | ローランドディー.ジー.株式会社 | インクジェットプリンタ |
JP2020168835A (ja) * | 2019-04-05 | 2020-10-15 | キヤノン株式会社 | 記録装置、記録方法、およびプログラム |
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2013
- 2013-12-27 JP JP2013272036A patent/JP2015123736A/ja active Pending
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