JPH11319525A - 脱塩素用薄膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法 - Google Patents

脱塩素用薄膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法

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JPH11319525A
JPH11319525A JP10140311A JP14031198A JPH11319525A JP H11319525 A JPH11319525 A JP H11319525A JP 10140311 A JP10140311 A JP 10140311A JP 14031198 A JP14031198 A JP 14031198A JP H11319525 A JPH11319525 A JP H11319525A
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JP
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thin film
dechlorination
polyamic acid
solution
coating film
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JP10140311A
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English (en)
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Masatoshi Hasegawa
匡俊 長谷川
Yoshihiko Asano
義彦 浅野
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック等を含む廃棄物を熱分解処理し
た際に発生する塩素系ガスを除去するための脱塩素用薄
膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 ガラス板等の被塗着物に塗着したポリア
ミド酸溶液の溶媒を蒸発させてポリアミド酸薄膜を得
て、該ポリアミド酸薄膜の加熱処理によって脱塩素性を
有する多孔質の有機機能性薄膜であるポリイミド薄膜を
作製した脱塩素用薄膜とその製造方法を提供することが
基本手段となっている。また、プラスチック等を含む廃
棄物を熱分解処理した際に発生する塩素系ガスを、多孔
質の有機機能性薄膜であるポリイミド薄膜に300℃〜
400℃の温度範囲で接触反応させて、塩素性ガスを吸
収処理するようにした塩素系ガスの除去方法を提案す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック等を含
む廃棄物を対象として熱分解処理した際に発生する塩素
系ガスを除去するための脱塩素用薄膜とその製造方法及
び塩素系ガスの除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭から排出されるプラスチック類(不
燃性ごみ)とか、各種事業所から排出される塩化ビニ
ル,塩化ビニリデン,合成樹脂,ゴム等を含むプラスチ
ック廃棄物をそのまま焼却処理する際に、これらの廃棄
物が完全燃焼した場合には、排気ガス中に有機物がほと
んど残存しないため特に問題ないが、廃棄物が未燃焼も
しくは不完全燃焼した場合には排気ガス中に含まれてい
る有機物により、有害な塩素系ガス(塩素ガス,塩化水
素ガス)が多量に発生し、大気汚染ととともにダイオキ
シン発生等の問題を引き起こす虞れがある。
【0003】上記に鑑みて、都市部においてはプラスチ
ック廃棄物は埋立処分されているのが現状であるが、膨
大な処理量をまかなう処分場を確保することが困難であ
り、しかも埋立処分に伴って地下水の汚染とか臭気の発
生などの公害を引き起こす問題が生じるため、近時は焼
却等の加熱処理によって有害な塩素系ガスの発生を防止
しながら廃棄物を減容化する処理方法が希求されてい
る。
【0004】塩素系ガス中の塩化水素ガスの排出は、大
気汚染防止法により排出濃度規制値が430ppm(=
700mg/Nm3)と定められており、排気ガス中に
含まれている塩化水素ガスに対しては、消石灰等のアル
カリ剤を焼却炉等の熱分解装置の煙道に粉体で吹き込
み、塩化カルシウム等の固体として処理する方法が一般
に用いられている。
【0005】更にポリ塩化ビニルを苛性アルカリと金属
アルミニウムの共存のもとで加熱することによりポリ塩
化ビニルを分解する方法(特開昭51−46544号公
報参照)とか、焼却前にプラスチック類を約300℃か
ら600℃に加熱して、該プラスチック類から塩素成分
のみ分離除去した後に焼却処理する方法、バグフィルタ
を用いた処理等があり、これら各種の方法によって有害
な塩素系ガスが大気中に放出されることを防止してい
る。
【0006】また、単にプラスチック廃棄物を燃焼させ
るだけでなく、燃焼時の高熱を利用して蒸気タービンを
回転させて「ごみ発電」を行う方法とか、発生するガス
を燃料として用いて「ガス発電」を行う方法等を採用し
て、プラスチック類の燃料に伴う付加価値を高めた手段
も一部で検討されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】焼却等の加熱処理によ
っプラスチック廃棄物を減容化する処理の問題点とし
て、これらのプラスチック類は高発熱物質であることか
ら、焼却炉等における高度な燃焼管理及び廃ガス対策が
必要であることが挙げられる(例えば廃棄物学会消費者
市民部会:第7回廃棄物学会研究発表会講演論文集,p
p54−57,1995を参照)。
【0008】特にプラスチック類の燃焼により発生する
ガスは強酸であるため、配管部材等が早期に腐食してし
まい、装置類の短命化をきたしてしまうという課題が存
在する。又、焼却炉等から発生する多量の塩素系ガスに
対応してアルカリ剤を注入するためには大型の設備が要
求され、且つ処理後の塩化物の残渣も増大するため、こ
れら残渣の処理に要する費用もかかり、総体的に運転費
用が高騰してしまうという難点がある。
【0009】前記したように、消石灰等のアルカリ剤を
焼却炉等の熱分解装置の煙道に粉体で吹き込んで塩化カ
ルシウム等の固体として処理する方法とか、金属アルミ
ニウムを利用して加熱下でポリ塩化ビニルを分解する方
法を用いた場合には、塩素系ガスの除去に用いられるア
ルカリ剤が約200℃という低温で最適な効果が得られ
るため、発生するガスを水冷等により一旦減温してから
これらのアルカリ剤と接触させる必要がある。
【0010】しかし発生するガスを減温することによっ
てエネルギーの利用効率が低下してしまい、特に「ごみ
発電」とか「ガス発電」を効率よく行うためには、焼却
炉等から発生するガスを高温のまま利用することが肝要
であって、減温することでは所期の発電効果を期待する
ことができない。
【0011】前記した焼却前のプラスチック類を約30
0℃から600℃に加熱して、該プラスチック類から塩
素成分のみ分離除去した後に焼却処理する方法は、焼却
処理時に発生する少量の塩素系ガスのみをアルカリ剤な
どを利用して処理すればよいため、設備費用は安価にな
る利点があるが、加熱処理時にプラスチック類が溶解し
て焼却炉に付着してしまうため、焼却炉のメンテナンス
面での問題点が残存している。更にプラスチック類は熱
伝導性が小さいため、焼却炉による焼却処理が効率よく
行えないという問題点もある。
【0012】そこで本発明は上記に鑑みてなされたもの
であって、有機物を含有する可燃性物質を焼却とか乾留
等の手段により熱分解処理した際の排気ガス中に含まれ
る塩素系ガスを効率的に除去するための脱塩素用薄膜と
その製造方法及び塩素系ガスの除去方法を提供すること
を目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、請求項1に記載したガラス板等の被塗着物に
塗着したポリアミド酸溶液の溶媒を蒸発させてポリアミ
ド酸薄膜を得て、該ポリアミド酸薄膜の加熱処理によっ
て脱塩素性を有する多孔質の有機機能性薄膜であるポリ
イミド薄膜を作製し、脱塩素用薄膜として用いたことが
基本構成となっている。
【0014】この脱塩素用薄膜の製造方法として、芳香
族ジアミンにジアミノピリジンを加えて、脱水した非プ
ロトン性アミド溶液に溶解し、この溶液に芳香族酸二無
水物を徐々に加えることによって全溶質濃度を一定にし
てポリアミド酸溶液を作製し、このポリアミド酸溶液を
ガラス板等の被塗着物に塗着してから乾燥により溶媒を
蒸発させることによりポリアミド酸薄膜を得て、この薄
膜を所定の温度と時間内で加熱することによって脱塩素
性を有する多孔質のポリイミド薄膜を得ている。
【0015】更に上記ポリアミド酸溶液をガラス板に塗
着した直後、又は短時間乾燥させてから水中に浸漬する
ことによりポリアミド酸薄膜を得て、この薄膜を所定の
温度と時間内で加熱することによって脱塩素性を有する
多孔質のポリイミド薄膜とする方法を提供する。
【0016】ポリイミド薄膜を多孔質化する方法とし
て、得られたポリアミド酸溶液に水溶性ポリマーの非プ
ロトン性アミド溶液を混合し、ガラス板等被塗着物上に
流延後、所定の温度と時間により熱風乾燥し、乾燥した
ポリアミド酸薄膜を水中に浸漬して親水性ポリマーのみ
を溶出させることにより多孔質のポリイミド薄膜とする
方法と、ポリアミド酸溶液に水溶性の無機塩粒子を混合
してからガラス板に塗着して水中に浸漬することにより
無機塩粒子を溶出した後に加熱することによって多孔質
ポリイミド薄膜を得るようにした脱塩素用薄膜の製造方
法を提供する。また、得られたポリアミド酸溶液をゼオ
ライト等の多孔質材料に塗着、焼成しても良い。
【0017】請求項7に記載したように、プラスチック
等を含む廃棄物を熱分解処理した際に発生する塩素系ガ
スを、多孔質の有機機能性薄膜であるポリイミド薄膜に
300℃〜400℃の温度範囲で接触反応させて、塩素
性ガスを吸収処理するようにした塩素系ガスの除去方法
を提案する。
【0018】かかる脱塩素用薄膜とその製造方法及び塩
素系ガスの除去方法によれば、得られた脱塩素用薄膜
を、プラスチック等を含む廃棄物を熱分解処理した際に
発生する塩素性ガスに接触反応させることにより、熱分
解装置から発生する初期塩素系ガスがポリイミド薄膜に
より吸収処理されるため、該ポリイミド薄膜が脱塩素用
薄膜として十分に使用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明にかかる脱塩素用薄
膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法の実施の形
態を説明する。本実施の形態における脱塩素用薄膜と
は、乾式で塩素系ガスを吸着除去する機能を持つ合成さ
れた有機機能性薄膜を指している。
【0020】本実施の形態における脱塩素用薄膜は、合
成時には粘性を有する溶液であり、溶液のままでの利用
も可能である。しかし本例では得られた溶液をガラス板
等の被塗着物に塗着して、400℃程度で焼成すること
によって所定の強度を有する薄膜を得ている。
【0021】本実施の形態によれば、ポリイミドの多孔
質膜にピリジンを組み込み、このピリジンを塩素系ガス
と反応させて、ポリイミドの多孔質膜上に塩素塩を形成
することによって該塩素系ガスを吸収処理することが可
能となる。形成された塩素塩は、水あるいは弱アルカリ
溶液で洗浄することで脱離させることが可能であり、塩
酸として回収できる。
【0022】以下に本発明の実施形態例を説明する。先
ずポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の合成方法を
説明すると、図1(A)の化学式に明示したように、芳
香族ジアミンAモル(例えばp-phenylenediamineやoxyd
ianiline等)にジアミノピリジンBモル(例えば2,6-di
aminopyridine)を加えて、脱水した非プロトン性アミ
ド溶液(例えばN,N-dimethylacetamide,DMAc)等
に室温で24時間放置して溶解し、この溶液に芳香族酸
二無水物(例えば3,4.3,4-biphenyltetracarboxylic di
anhydrideやpyromellitic dianhydride等)の粉末を徐
々に加えて全溶質濃度を約10wt%とし、更に室温で
数時間撹拌することにより、同図(B)に示す黄色の粘
性のあるポリアミド酸溶液(Poly amic acid)が得られ
る。
【0023】次に多孔質ポリイミド薄膜を合成するため
に、上記により得られたポリアミド酸溶液をドクターブ
レードを用いてガラス板に塗着し、所定の温度と時間,
例えば60℃,2時間熱風乾燥器中で溶媒を蒸発させる
ことにより、透明で緻密なポリアミド酸薄膜を得ること
ができる。この薄膜を300℃〜400℃で約1時間加
熱すると、同図(C)に示す黄色透明の緻密なポリイミ
ド薄膜(Polyimide)が得られる。
【0024】また、ガラス板にポリアミド酸溶液を塗着
した直後のもの、又は短時間乾燥させた生乾きのものを
水中に浸漬することにより、白色の多孔質ポリアミド酸
薄膜が得られるので、この薄膜を300℃〜400℃で
約1時間加熱することによって多孔質ポリイミド薄膜が
得られる。
【0025】更にポリアミド酸溶液をゼオライトあるい
はコージェライト等の多孔質材料に液状のまま塗着して
焼成しても脱塩素用の素材を得ることができる。
【0026】ポリイミド薄膜を多孔質化する他の方法と
して、ポリアミド酸溶液とポリビニルアルコール等の水
溶性ポリマーの非プロトン性アミド溶液(DMAc)と
を混合し、ガラス等の基板上に流延後、60℃,2時間
熱風乾燥させ、充分乾燥したポリアミド酸薄膜を水中に
浸漬して親水性ポリマーのみを溶出させる方法がある。
ポリマーは熱力学的に相分離するため、ブレンドフィル
ム(ポリアミド酸薄膜)には親水性ポリマーが細かく分
散していることから、親水性ポリマー溶出後には薄膜に
微細な孔が形成されることになる。
【0027】ガラス板に塗着するポリアミド酸溶液の膜
厚は塗着量により調整可能であり、ポリイミド薄膜の多
孔質材としての孔寸法は、塗着後の焼成条件及び冷却条
件を変化させることで制御可能であり、成形加工時の自
由度が大きいという特徴がある。
【0028】図2は非プロトン性アミド溶液(DMA
c)の化学式であり、図3はポリアミド酸溶液又はポリ
イミド薄膜を構成するアルキル基(Ar,Ar′)の一
例を示している。
【0029】多孔質ポリイミド薄膜を得るもう一つの方
法は、得られたポリアミド酸溶液に水溶性の無機塩粒子
を混合し、ガラス板等の被塗着物に塗着後、十分乾燥し
て得たポリアミド酸薄膜を水中に浸漬することにより無
機塩粒子を溶出し、その後に加熱することによっても多
孔質ポリイミド薄膜が得られる。この方法では、混合す
る粒子の粒径をコントロールすることにより、薄膜中の
細孔径を制御することができる。
【0030】芳香族ポリイミドは高い耐熱性(約400
℃)を持ち、しかも本実施形態例のポリイミドではポリ
マー鎖中のピリジン基がHCl分子を補足する能力を有
している。
【0031】次に上記各実施形態例により作製した有機
機能性薄膜である脱塩素用薄膜を用いた脱塩素実験例を
以下に説明する。尚、実験装置ではプラスチック類とし
てポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポ
リスチレン(PS),ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
の混合物42gを用いて、これらを燃焼させることで塩
素ガスを発生させた。
【0032】脱塩素実験における塩素ガスの濃度は、該
塩素ガスをNaOH水溶液に吸収させてイオンメータに
より分析して測定した。
【0033】〔脱塩素実験例1〕上記により合成したポ
リアミド酸溶液をガラス板(100×100mm)に塗
着し、400℃で数時間焼成した後、50℃まで10℃
/分で減温し、50℃で水洗浄して膜厚が0.1mmの
フィルム状のポリイミド薄膜を作製した。得られたポリ
イミド薄膜は十分な多孔質形状を呈している。
【0034】次に実験装置により塩素ガスを発生させ、
この塩素ガスを300℃〜400℃の温度範囲でポリイ
ミド薄膜に接触して反応させた。
【0035】〔脱塩素実験例2〕上記により得られた多
孔性ポリイミド薄膜に塩素ガスを200℃〜300℃の
温度範囲で接触して反応させた。
【0036】上記脱塩素実験例1,2による塩素ガス処
理能量の結果を、脱塩素用薄膜を用いずに処理した比較
例1,2の結果とともに表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1中の比較例1と実験例1は、プラスチ
ック類を300℃〜400℃で1時間燃焼することによ
り発生する初期塩素ガス量760mgが、ポリイミド薄
膜の有無によって吸収処理される塩素ガス量(mg)を
測定したものであり、比較例2と実験例2は同様にプラ
スチック類を200℃〜300℃で1時間燃焼すること
により発生する初期塩素ガス量1300mgが、ポリイ
ミド薄膜の有無によって吸収処理される塩素ガス量(m
g)を測定したものである。
【0039】表1によれば、比較例1,2がともに処理
塩素ガス量が0mgであったのに対して、実験例1,2
とも処理塩素ガス量が初期塩素ガス量760mgと13
00mgと一致しており、本実施形態例により得られた
ポリイミド薄膜が脱塩素用薄膜として十分に使用可能で
あることが実証された。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる脱
塩素用薄膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法に
よれば、ポリイミド薄膜でなる脱塩素用薄膜をプラスチ
ック等をの廃棄物を熱分解処理した際に発生する塩素性
ガスに接触反応させることにより、初期塩素系ガスが吸
収処理されて高い脱塩素効果が得られる。
【0041】特に従来のように発生する塩素系ガスに対
応して多量のアルカリ剤を注入する必要がなく、処理後
の塩化物の残渣もないことにより、総体的な運転費用の
低廉化が可能となる。更に発生する強酸性ガスによる配
管部材等の腐食現象が防止され、処理時に溶解したプラ
スチック類が焼却炉等に付着する懸念はないため、熱分
解装置のメンテナンス面でも有利であり、且つ装置類の
寿命を延長するという効果が得られる。
【0042】更に発生するガスを減温せずに高温のまま
で脱塩素反応が進行するため、エネルギーの利用効率を
高めて「ごみ発電」とか「ガス発電」を効率よく行うこ
とができる。
【0043】従って本発明によれば、有機物を含有する
可燃性物質を焼却とか乾留等の手段により熱分解処理し
た際の排気ガス中に含まれる塩素性ガスを効率的に除去
し、しかも既存の設備にも適用できるためコスト的にも
安価で且つ燃焼エネルギーの利用効率を高めた脱塩素用
薄膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法を提供す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる脱塩素用薄膜の製造方法を説明
するための概略化学式。
【図2】溶媒としての非プロトン性アミド溶液(DMA
c)の化学式。
【図3】ポリイミド薄膜を構成するアルキル基の一例を
示す化学式。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年9月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】以下に本発明の実施形態例を説明する。先
ずポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の合成方法を
説明すると、図−1(A)の化学式に明示したように、
芳香族ジアミンAモル(例えばp−phenylene
diamineやoxydianiline等)にジア
ミノピリジンBモル(例えば2,6−diaminop
yridine)を加えて、脱水した非プロトン性アミ
ド溶液(例えばN,N−dimethylacetam
ide,DMAc)等に溶解し、この溶液に芳香族酸二
無水物(例えば3,4,3’,4’−biphenyl
tetracarboxylic dianhydri
deやpyromellitic dianhydri
de等)の粉末を徐々に加えて全溶質濃度を約10wt
%とし、更に室温で数時間撹拌することにより、同図
(B)に示す黄色の粘性のあるポリアミド酸溶液(Po
lyamic acid)が得られる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】ガラス板に塗着するポリアミド酸溶液の膜
厚は塗着量により調整可能であり、ポリイミド薄膜の多
孔質材としての孔寸法は、塗着後のポリアミド酸フィル
ム作製条件を変化させることで制御可能であり、成形加
工時の自由度が大きいという特徴がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】〔脱塩素実験例1〕上記により合成したポ
リアミド酸溶液をガラス板(100×100mm)に塗
、多孔質化処理し、400℃で数時間焼成した後、5
0℃まで10℃/分で減温し、50℃で水洗浄して膜厚
が0.1mmのフィルム状のポリイミド薄膜を作製し
た。得られたポリイミド薄膜は十分な多孔質形状を呈し
ている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図 1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08J 9/26 C08J 9/28 CFG 9/28 CFG 101 101 B01D 53/34 134A // B29K 77:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板等の被塗着物に塗着したポリア
    ミド酸溶液の溶媒を蒸発させてポリアミド酸薄膜を得
    て、該ポリアミド酸薄膜の加熱処理によって脱塩素性を
    有する多孔質の有機機能性薄膜であるポリイミド薄膜を
    作製したことを特徴とする脱塩素用薄膜。
  2. 【請求項2】 芳香族ジアミンにジアミノピリジンを加
    えて、脱水した非プロトン性アミド溶液に溶解し、この
    溶液に芳香族酸二無水物を徐々に加えることによって全
    溶質濃度を一定にしてポリアミド酸溶液を作製し、この
    ポリアミド酸溶液をガラス板等の被塗着物に塗着してか
    ら乾燥により溶媒を蒸発させることによりポリアミド酸
    薄膜を得て、この薄膜を所定の温度と時間内で加熱する
    ことによって脱塩素性を有する多孔質のポリイミド薄膜
    としたことを特徴とする脱塩素用薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 芳香族ジアミンにジアミノピリジンを加
    えて、脱水した非プロトン性アミド溶液に溶解し、この
    溶液に芳香族酸二無水物を徐々に加えることによって全
    溶質濃度を一定にしてポリアミド酸溶液を作製し、この
    ポリアミド酸溶液をガラス板等の被塗着物に塗着した直
    後、又は短時間乾燥させてから水中に浸漬することによ
    りポリアミド酸薄膜を得て、この薄膜を所定の温度と時
    間内で加熱することによって脱塩素性を有する多孔質の
    ポリイミド薄膜としたことを特徴とする脱塩素用薄膜の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 得られたポリアミド酸溶液に水溶性ポリ
    マーの非プロトン性アミド溶液を混合し、ガラス板等被
    塗着物上に流延後、所定の温度と時間により熱風乾燥
    し、乾燥したポリアミド酸薄膜を水中に浸漬して親水性
    ポリマーのみを溶出させることにより多孔質のポリイミ
    ド薄膜としたことを特徴とする請求項3に記載の脱塩素
    用薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 得られたポリアミド酸溶液に水溶性の無
    機塩粒子を混合してからガラス板等の被塗着物に塗着し
    て水中に浸漬することにより無機塩粒子を溶出し、その
    後に加熱することによって多孔質ポリイミド薄膜とした
    ことを特徴とする請求項3に記載の脱塩素用薄膜の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 得られたポリアミド酸溶液をゼオライト
    等の多孔質材料に塗着、焼成して得たことを特徴とする
    請求項3に記載の脱塩素用薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 プラスチック等を含む廃棄物を熱分解処
    理した際に発生する塩素系ガスを、多孔質の有機機能性
    薄膜であるポリイミド薄膜に300℃〜400℃の温度
    範囲で接触反応させて、塩素性ガスを吸収処理すること
    を特徴とする脱塩素用薄膜を用いた塩素系ガスの除去方
    法。
JP10140311A 1998-05-22 1998-05-22 脱塩素用薄膜とその製造方法及び塩素系ガスの除去方法 Pending JPH11319525A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002146085A (ja) * 2000-11-13 2002-05-22 Nitto Denko Corp 多孔質ポリイミドの製造方法及び多孔質ポリイミド
WO2015129553A1 (ja) * 2014-02-26 2015-09-03 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法

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