JP2004269652A - ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリ塩化ビニルを熱分解して処理するにあたり、約280℃のポリ塩化ビニルの分解温度よりも低温で熱分解することができ、しかも生成する有機化合物が処理し易い固体となるようにする。
【解決手段】ポリ塩化ビニルを酸化亜鉛とよく混合し、180℃〜210℃に加熱することで激しい熱分解反応が発生し、その主生成物として、塩化亜鉛、水の他に、黒色の炭素質物質が生成するが、この熱分解反応においてはベンゼン等の有機化合物の生成は僅かなものとなる。
【選択図】 図1
【解決手段】ポリ塩化ビニルを酸化亜鉛とよく混合し、180℃〜210℃に加熱することで激しい熱分解反応が発生し、その主生成物として、塩化亜鉛、水の他に、黒色の炭素質物質が生成するが、この熱分解反応においてはベンゼン等の有機化合物の生成は僅かなものとなる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、ポリ塩化ビニル等のハロゲンを含有する合成樹脂が産業あるいは家庭廃棄物として大量に発生しているが、このようなハロゲン含有合成樹脂を燃焼により処理しようとすると、燃焼排ガス中にハロゲン化水素が含まれることになって燃焼炉(反応装置)の腐食劣化が促進するだけでなく、ダイオキシン等の有害物質が大気中に拡散する等して環境への悪影響が大きいという問題がある。そこで特許文献1に示されるように、ハロゲン含有合成樹脂をアルカリ液と接触させてハロゲン元素を補足するようにしたものが知られている。ところがこのものは、高圧での反応が必要になって反応装置が大型化すると共に、汎用性に欠けるという問題がある。これに対し、特許文献2に示されるように、ハロゲン含有合成樹脂に、アルカリ金属の水酸化物等を添加し、250〜700℃の温度で熱分解させる技術が提示されている。そしてこのものは、特許文献1のように高圧にする必要がなく、汎用性の点では高い価値を有するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−219258号公報
【特許文献2】
特開平7−188674号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでポリ塩化ビニルは熱を加えると単独で熱分解するが、この分解状態を熱分析(示差熱分析(TGA)、加熱重量減分析(TGA))した結果を図3に示すが、これによると、ポリ塩化ビニルは、約250℃を越えた時点で重量減状態となると共に、吸熱状態となって熱分解が進行することが確認される。これは、ポリ塩化ビニルが約250℃を越えた時点あたりから熱分解により重量が減少(TGA曲線)していくと共に、塩化水素の脱離により気化熱が奪われて吸熱状態(ピーク温度は約280℃)になった(TGA曲線)ものと推測される。また、このようにポリ塩化ビニルを熱分解したときに発生するガスをガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果を図5に示すが、その中には低沸点化合物としてベンゼン(別分析により同定した)が発生していることが確認された。
このようなことから、前記特許文献2のように、ポリ塩化ビニルを、アルカリ金属の水酸化物や酸化物等の無機物を添加して280℃以上の温度で熱分解した場合、ポリ塩化ビニルの熱分解により発生した塩化水素をアルカリ金属で捕捉して金属塩化物とし、これにより塩化水素の発生をそれなりに抑制できる一方で、分解温度が280℃以上と高いだけでなく、ベンゼン等の有機化合物が発生するが、該発生する有機化合物は、ベンゼンだけでなく、さまざまな有機化合物の混合物であって、これら化合物を単離するには高度な分離装置が必要であって事実上難しいという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法であって、該ハロゲン含有合成樹脂に酸化亜鉛(ZnO)を添加し、180〜210℃の範囲で熱分解することを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法である。
請求項2の発明は、請求項1において、ハロゲン含有合成樹脂はポリ塩化ビニルであることを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法である。
そして本発明は、このようにすることで、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有合成樹脂を、塩化水素は勿論のこと、ベンゼンのような有機化合物を殆ど発生させることなく分解温度よりも低い温度で熱分解することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述したようにポリ塩化ビニルを熱分解するにあたり、該ポリ塩化ビニルに酸化亜鉛(ZnO)を添加し、これを加温(加熱)していくと、ポリ塩化ビニルが自ら熱分解する280℃よりも低い温度である180℃を越えたあたりから熱分解反応が始まり、そして塩化亜鉛の他に炭素質固体を生成することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本熱分解反応の詳しいメカニズムについてはこれから詳細に検討する必要があるが、酸化亜鉛がポリ塩化ビニルの熱分解反応の触媒として機能し、ポリ塩化ビニルの熱分解温度よりも低い200℃近辺で熱分解したものと推定される。そしてその化学反応式は
PVC+ZnO→ZnCl2+H2O+炭素質固体
となるものと推定される。
【0008】
[実験例1]
市販の粉末状のポリ塩化ビニル(PVC)の6.25gと、粉末状の酸化亜鉛(ZnO)の6.10g(0.075mol)とを枝付きフラスコに入れてよく混合させる。ヘリウム雰囲気下にして加熱していくと、約200℃あたりで激しく反応するのが観測され、前記混合物は灰色の粉末に変化した。生成した灰色粉末中の成分は、塩化亜鉛(ZnCl2)が6.20g(理論値:6.81g)、炭素質固体2.72g(理論値:2.60g)、残留酸化亜鉛は2.34g(理論値:2.03g)であった。さらに塩化水素ガス(HCl)の発生が僅かに観測されたが、その発生量は0.03g(理論値:0g)であった。また生成した炭素質固体の同定はできなかった。スパチュラにとってバーナーの炎中に入れたところ燃焼した。
【0009】
[実験例2]
そこで次に、ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを重量比1:1で混合し、ヘリウムガス雰囲気下で熱分析(TGAとDTA)をした。昇温速度は10℃/分とした。その結果を図1に示す。この結果から、ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを混合したものは、約200℃付近で発熱反応をして重量減少していることが確認された。
【0010】
[実験例3]
さらにポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを重量比1:1で混合し、ヘリウムガス雰囲気下で室温(20℃)から約210℃まで加熱したときに発生したガスについてガスクロマトグラフ分析をした。測定条件は、INJ/DET:120℃、col:100℃とし、使用カラムはPEG6000、2mとした。その結果を図2に示す。熱分解時の昇温速度を10℃/分、30℃/分とした。何れのものも、発生ガスには、低分子量有機化合物とベンゼン(同定した)とが生成していることが確認できたが、低分子量有機化合物の同定はできなかった。
【0011】
[比較例1〜3]
ポリ塩化ビニル単体(比較例1)、酸化亜鉛に代えて酸化カルシウム(CaO)にしたもの(比較例2)、酸化マグネシウム(MgO)にしたもの(比較例3)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)にしたもの(比較例4)について、
水酸化カルシウムを用いたもの(比較例3)について、実験例1〜3と同様の実験をした。図3にポリ塩化ビニル単体の熱分析結果を、図4にポリ塩化ビニルと酸化カルシウムの混合物の熱分析結果を、図5にポリ塩化ビニル単体と、ポリ塩化ビニルと水酸化カルシウムの混合物とを熱分解したガス成分のガスクロマトグラフ分析の結果を示す。
【0012】
[考察]
これらの結果を図6の表図に示す。そしてポリ塩化ビニルを熱分解するにあたり、酸化亜鉛を用いた場合にはポリ塩化ビニルの熱分解温度は200℃付近であるのに対し、酸化亜鉛以外のものの熱分解温度は何れも280℃付近と高く、本発明の有効性が認められる。
しかも燃焼により生成した黒色粉末中の塩化亜鉛は水溶性のため、黒色粉末を水に入れて塩化亜鉛を溶かし、不溶の炭素質固体を濾過することで回収し、燃料等として利用できる一方、水に溶けた塩化亜鉛は酸化亜鉛に再生する等して利用することができ、このようなリサイクルプロセスが成立することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛との混合物の熱分析の結果を示すグラフ図である。
【図2】ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛との混合物を熱分解したとき生成したガス成分のガスクロマトグラフ分析した結果を示すグラフ図である。
【図3】ポリ塩化ビニル単体の熱分析した結果を示すグラフ図である。
【図4】ポリ塩化ビニルと酸化カルシウムの混合物の熱分析した結果を示すグラフ図である。
【図5】ポリ塩化ビニル単体と、ポリ塩化ビニルと水酸化カルシウムの混合物とを熱分解したガス成分のガスクロマトグラフ分析の結果を示すグラフ図である。
【図6】実験例、比較例の結果を示す表図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、ポリ塩化ビニル等のハロゲンを含有する合成樹脂が産業あるいは家庭廃棄物として大量に発生しているが、このようなハロゲン含有合成樹脂を燃焼により処理しようとすると、燃焼排ガス中にハロゲン化水素が含まれることになって燃焼炉(反応装置)の腐食劣化が促進するだけでなく、ダイオキシン等の有害物質が大気中に拡散する等して環境への悪影響が大きいという問題がある。そこで特許文献1に示されるように、ハロゲン含有合成樹脂をアルカリ液と接触させてハロゲン元素を補足するようにしたものが知られている。ところがこのものは、高圧での反応が必要になって反応装置が大型化すると共に、汎用性に欠けるという問題がある。これに対し、特許文献2に示されるように、ハロゲン含有合成樹脂に、アルカリ金属の水酸化物等を添加し、250〜700℃の温度で熱分解させる技術が提示されている。そしてこのものは、特許文献1のように高圧にする必要がなく、汎用性の点では高い価値を有するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−219258号公報
【特許文献2】
特開平7−188674号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでポリ塩化ビニルは熱を加えると単独で熱分解するが、この分解状態を熱分析(示差熱分析(TGA)、加熱重量減分析(TGA))した結果を図3に示すが、これによると、ポリ塩化ビニルは、約250℃を越えた時点で重量減状態となると共に、吸熱状態となって熱分解が進行することが確認される。これは、ポリ塩化ビニルが約250℃を越えた時点あたりから熱分解により重量が減少(TGA曲線)していくと共に、塩化水素の脱離により気化熱が奪われて吸熱状態(ピーク温度は約280℃)になった(TGA曲線)ものと推測される。また、このようにポリ塩化ビニルを熱分解したときに発生するガスをガスクロマトグラフィーを用いて分析した結果を図5に示すが、その中には低沸点化合物としてベンゼン(別分析により同定した)が発生していることが確認された。
このようなことから、前記特許文献2のように、ポリ塩化ビニルを、アルカリ金属の水酸化物や酸化物等の無機物を添加して280℃以上の温度で熱分解した場合、ポリ塩化ビニルの熱分解により発生した塩化水素をアルカリ金属で捕捉して金属塩化物とし、これにより塩化水素の発生をそれなりに抑制できる一方で、分解温度が280℃以上と高いだけでなく、ベンゼン等の有機化合物が発生するが、該発生する有機化合物は、ベンゼンだけでなく、さまざまな有機化合物の混合物であって、これら化合物を単離するには高度な分離装置が必要であって事実上難しいという問題があり、ここに本発明の解決すべき課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法であって、該ハロゲン含有合成樹脂に酸化亜鉛(ZnO)を添加し、180〜210℃の範囲で熱分解することを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法である。
請求項2の発明は、請求項1において、ハロゲン含有合成樹脂はポリ塩化ビニルであることを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法である。
そして本発明は、このようにすることで、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有合成樹脂を、塩化水素は勿論のこと、ベンゼンのような有機化合物を殆ど発生させることなく分解温度よりも低い温度で熱分解することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述したようにポリ塩化ビニルを熱分解するにあたり、該ポリ塩化ビニルに酸化亜鉛(ZnO)を添加し、これを加温(加熱)していくと、ポリ塩化ビニルが自ら熱分解する280℃よりも低い温度である180℃を越えたあたりから熱分解反応が始まり、そして塩化亜鉛の他に炭素質固体を生成することを見出し、本発明を完成した。
【0007】
本熱分解反応の詳しいメカニズムについてはこれから詳細に検討する必要があるが、酸化亜鉛がポリ塩化ビニルの熱分解反応の触媒として機能し、ポリ塩化ビニルの熱分解温度よりも低い200℃近辺で熱分解したものと推定される。そしてその化学反応式は
PVC+ZnO→ZnCl2+H2O+炭素質固体
となるものと推定される。
【0008】
[実験例1]
市販の粉末状のポリ塩化ビニル(PVC)の6.25gと、粉末状の酸化亜鉛(ZnO)の6.10g(0.075mol)とを枝付きフラスコに入れてよく混合させる。ヘリウム雰囲気下にして加熱していくと、約200℃あたりで激しく反応するのが観測され、前記混合物は灰色の粉末に変化した。生成した灰色粉末中の成分は、塩化亜鉛(ZnCl2)が6.20g(理論値:6.81g)、炭素質固体2.72g(理論値:2.60g)、残留酸化亜鉛は2.34g(理論値:2.03g)であった。さらに塩化水素ガス(HCl)の発生が僅かに観測されたが、その発生量は0.03g(理論値:0g)であった。また生成した炭素質固体の同定はできなかった。スパチュラにとってバーナーの炎中に入れたところ燃焼した。
【0009】
[実験例2]
そこで次に、ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを重量比1:1で混合し、ヘリウムガス雰囲気下で熱分析(TGAとDTA)をした。昇温速度は10℃/分とした。その結果を図1に示す。この結果から、ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを混合したものは、約200℃付近で発熱反応をして重量減少していることが確認された。
【0010】
[実験例3]
さらにポリ塩化ビニルと酸化亜鉛とを重量比1:1で混合し、ヘリウムガス雰囲気下で室温(20℃)から約210℃まで加熱したときに発生したガスについてガスクロマトグラフ分析をした。測定条件は、INJ/DET:120℃、col:100℃とし、使用カラムはPEG6000、2mとした。その結果を図2に示す。熱分解時の昇温速度を10℃/分、30℃/分とした。何れのものも、発生ガスには、低分子量有機化合物とベンゼン(同定した)とが生成していることが確認できたが、低分子量有機化合物の同定はできなかった。
【0011】
[比較例1〜3]
ポリ塩化ビニル単体(比較例1)、酸化亜鉛に代えて酸化カルシウム(CaO)にしたもの(比較例2)、酸化マグネシウム(MgO)にしたもの(比較例3)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)にしたもの(比較例4)について、
水酸化カルシウムを用いたもの(比較例3)について、実験例1〜3と同様の実験をした。図3にポリ塩化ビニル単体の熱分析結果を、図4にポリ塩化ビニルと酸化カルシウムの混合物の熱分析結果を、図5にポリ塩化ビニル単体と、ポリ塩化ビニルと水酸化カルシウムの混合物とを熱分解したガス成分のガスクロマトグラフ分析の結果を示す。
【0012】
[考察]
これらの結果を図6の表図に示す。そしてポリ塩化ビニルを熱分解するにあたり、酸化亜鉛を用いた場合にはポリ塩化ビニルの熱分解温度は200℃付近であるのに対し、酸化亜鉛以外のものの熱分解温度は何れも280℃付近と高く、本発明の有効性が認められる。
しかも燃焼により生成した黒色粉末中の塩化亜鉛は水溶性のため、黒色粉末を水に入れて塩化亜鉛を溶かし、不溶の炭素質固体を濾過することで回収し、燃料等として利用できる一方、水に溶けた塩化亜鉛は酸化亜鉛に再生する等して利用することができ、このようなリサイクルプロセスが成立することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛との混合物の熱分析の結果を示すグラフ図である。
【図2】ポリ塩化ビニルと酸化亜鉛との混合物を熱分解したとき生成したガス成分のガスクロマトグラフ分析した結果を示すグラフ図である。
【図3】ポリ塩化ビニル単体の熱分析した結果を示すグラフ図である。
【図4】ポリ塩化ビニルと酸化カルシウムの混合物の熱分析した結果を示すグラフ図である。
【図5】ポリ塩化ビニル単体と、ポリ塩化ビニルと水酸化カルシウムの混合物とを熱分解したガス成分のガスクロマトグラフ分析の結果を示すグラフ図である。
【図6】実験例、比較例の結果を示す表図である。
Claims (2)
- ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法であって、該ハロゲン含有合成樹脂に酸化亜鉛(ZnO)を添加し、180〜210℃の範囲で熱分解することを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法。
- 請求項1において、ハロゲン含有合成樹脂はポリ塩化ビニルであることを特徴とするハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061277A JP2004269652A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061277A JP2004269652A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004269652A true JP2004269652A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33123537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003061277A Pending JP2004269652A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004269652A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006131652A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-05-25 | Shinshu Univ | 含塩素樹脂を含む廃棄プラスチック混合物の無害化方法 |
KR20170131935A (ko) * | 2016-05-23 | 2017-12-01 | 울산대학교 산학협력단 | 할로겐 함유 플라스틱의 분리방법 |
JP7401300B2 (ja) | 2019-12-26 | 2023-12-19 | Ube三菱セメント株式会社 | 低カリウム木質バイオマス灰の製造方法、木質バイオマス灰のカリウム低減方法、セメントの製造方法、及び木質バイオマス灰のセメント資源化方法 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003061277A patent/JP2004269652A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006131652A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-05-25 | Shinshu Univ | 含塩素樹脂を含む廃棄プラスチック混合物の無害化方法 |
JP4565259B2 (ja) * | 2004-11-02 | 2010-10-20 | 国立大学法人信州大学 | 含塩素樹脂を含む廃棄プラスチック混合物の無害化方法 |
KR20170131935A (ko) * | 2016-05-23 | 2017-12-01 | 울산대학교 산학협력단 | 할로겐 함유 플라스틱의 분리방법 |
KR101884517B1 (ko) | 2016-05-23 | 2018-08-01 | 울산대학교 산학협력단 | 할로겐 함유 플라스틱의 분리방법 |
JP7401300B2 (ja) | 2019-12-26 | 2023-12-19 | Ube三菱セメント株式会社 | 低カリウム木質バイオマス灰の製造方法、木質バイオマス灰のカリウム低減方法、セメントの製造方法、及び木質バイオマス灰のセメント資源化方法 |
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