JP2000070401A - 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法

Info

Publication number
JP2000070401A
JP2000070401A JP10247180A JP24718098A JP2000070401A JP 2000070401 A JP2000070401 A JP 2000070401A JP 10247180 A JP10247180 A JP 10247180A JP 24718098 A JP24718098 A JP 24718098A JP 2000070401 A JP2000070401 A JP 2000070401A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic halogen
halogen compound
treatment
calcium
calcium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10247180A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Masuda
誠一 増田
Kaoru Masame
薫 眞目
Fumiyoshi Saito
文良 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP10247180A priority Critical patent/JP2000070401A/ja
Publication of JP2000070401A publication Critical patent/JP2000070401A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Crushing And Grinding (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機ハロゲン化合物の非加熱による脱ハロゲ
ン化処理を効率よくおこなう方法を提供する。 【解決手段】 (1) 有機ハロゲン化合物を含有する物質
を酸化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含
有する物質と混合し、常温で所定時間メカノケミカル処
理した後、水洗濾過することを特徴とする有機ハロゲン
化合物からの非加熱ハロゲン除去方法。(2) ハロゲン含
有量の化学量論的モル当量の2倍以上となるように酸化
カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを混合する
とよい。(3) 酸化カルシウムおよび/または水酸化カル
シウム源としては、鉄鋼スラグを使用できる。(4) 反応
促進剤として酸化アルミニウム含有物質を添加するのが
好ましい。(5) 有機ハロゲン化合物としては、ポリ弗化
エチレン、ポリ塩化ビフェニル、およびダイオキシンが
好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばダイオキシ
ン、ポリ塩化ビフェニル等の有害物質やポリ弗化エチレ
ン等の燃焼処理時に有害ガスを発生する有機ハロゲン化
合物を対象にした非加熱のハロゲン除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビフェニルは良好な難燃性から
トランス等に広く用いられてきている。しかし、その有
毒性から廃棄はもちろん、運搬することもできず、保管
されているのが現状であり、試験的に熱プラズマを用い
た超高温分解処理や高温高圧容器を用いた超臨界水によ
る分解処理も試みられている程度である。
【0003】ダイオキシンは前述のゴミ焼却施設からの
発生が現在社会問題となっている。それに対して、連続
高温燃焼の規制による発生の抑制やバグフィルター等の
集塵方法の改善が行われているが、いずれにしても焼却
灰や集塵ダスト中にはダイオキシンが含まれている。従
って、焼却灰や集塵ダスト中のダイオキシンの処理が必
要とされているが、高温プラズマを用いた処理が試験的
に試みられているにすぎず、新しい簡便な処理法の開発
が望まれているのが現状である。
【0004】ポリ塩化ビニル樹脂は耐熱性、耐食性、成
形加工性等に優れていることから、各種方面で広く使用
されている。従って、廃棄されるポリ塩化ビニルが年々
増加しており、そのまま他の生ゴミと共に焼却処理され
て、焼却施設からの有害ガスの発生として社会問題化し
ている。一部には分別収集されてはいるが、その場合で
も埋め立て処理されている。また、試験的には脱塩素処
理として250〜300℃に加熱分解し塩酸として回収
されているが、高温処理であるため処理設備の安全性の
問題から普及には至っていない。
【0005】以上述べたごとく有機ハロゲン化合物は化
学的安定性と種々の良好な特性から、難燃繊維、樹脂、
殺虫剤、農薬等、多方面で用いられているが、その化学
的安定性から廃棄物としての処理が困難で、処理に苦慮
しているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
ハロゲン化合物の非加熱による脱ハロゲン処理方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は有機ハロゲン化
合物が化学的に安定で難燃性、高温安定性を有すること
に対して、炭素とハロゲン元素の結合力が比較的弱く小
さなエネルギーでも機械的に離すことができることに着
目し、メカノケミカル処理を適用できるとの着想から生
まれた。
【0008】すなわち、水素または酸素と炭素の結合力
は、例えば、C−H、C−C、C−O、C=C、C=O
で、各々4.71、4.06、4.96、11.0、1
3.0(105 dyne/cm)であるのに対して、ハ
ロゲン元素と炭素の結合力は、例えば、C−Cl、C−
Br、C−Iで、各々3.14、2.63、2.16
(105 dyne/cm)と水素または酸素と炭素の結
合力に比較して小さい値となっている。
【0009】機械的粉砕過程で化学反応が起こることは
比較的古くから知られており、一般にメカノケミカル反
応と総称されている。この反応は、ショックと摩擦に伴
う爆薬の力学的な起爆感度に関することを中心に、第2
次世界大戦前から戦中にかけて研究されていた。
【0010】戦後、セメントの固化促進、希土類金属の
溶出促進、鉱物肥料等の合成、酸化物の焼結性の改善、
メカニカルアロイングによる特殊合金の製造等に応用さ
れてきた。さらには、有機合成、医薬品の製造等の有機
化学分野にまで応用が広がってきている。
【0011】メカノケミカル処理とは、ボールミル等の
衝撃粉砕装置で反応物を混合粉砕す処理である。粉砕に
より反応物が物理的に引きちぎられ、活性の高い分子面
ができる。このことにより常温では起こり得ない反応を
進行させることができる。
【0012】本発明は、上記メカノケミカル処理が常温
で行える処理であることに注目し、ハロゲンと化合物を
作りやすいカルシウムを酸化物、水酸化物の形態で混合
し、粉砕機により混合粉砕することにより化学反応を起
こさせ、カルシウムのハロゲン化物として取り出すこと
を着想し、本発明は完成した。
【0013】本発明の骨子は、下記(1) 〜(7) に示すと
おりである。 (1) 有機ハロゲン化合物を含有する物質を酸化カルシウ
ムおよび/または水酸化カルシウムを含有する物質と混
合し、常温で所定時間メカノケミカル処理した後、水洗
濾過することを特徴とする有機ハロゲン化合物からの非
加熱ハロゲン除去方法。
【0014】(2) 酸化カルシウムおよび/または水酸化
カルシウムを含有する物質のカルシウム含有量が、有機
ハロゲン化合物中のハロゲン含有量の化学量論的モル当
量の2倍以上であることを特徴とする上記(1) に記載の
有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
【0015】(3) 酸化カルシウムおよび/または水酸化
カルシウムを含有する物質が鉄鋼生産で発生するスラグ
を使用することを特徴とする上記(1) または(2) に記載
の有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
【0016】(4) 反応促進剤として酸化アルミニウム含
有物質を添加することを特徴とする上記(1) 〜(3) のい
ずれかに記載の有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除
去方法。
【0017】(5) 有機ハロゲン化合物がポリ弗化エチレ
ン成分で、廃棄ポリ弗化エチレン成型品中のものである
上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物
の非加熱ハロゲン除去方法。
【0018】(6) 有機ハロゲン化合物がポリ塩化ビフェ
ニル成分である上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の有機
ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
【0019】(7) 有機ハロゲン化合物がダイオキシン成
分である上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の有機ハロゲ
ン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
【0020】なお、ダイオキシンとは、2、3、7、8
−テトラクロロジベンゾパラジオキシンのことである
が、以下ダイオキシンという。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態をまずポリ弗
化エチレンを例にのべる。粉末状のポリ弗化エチレンを
含有する物質と酸化カルシウムおよび/または水酸化カ
ルシウムを混合し、ボールミル等で粉砕する。粉砕時間
は2〜3時間で、場合によっては数時間を超えることも
ある。粉砕容器及び粉砕用のボールの材質は特に限定す
るものではないが、ステンレス鋼、クローム鋼、タング
ステンカーバイト、メノウ等が望ましい。
【0022】粉砕時のボールの運動エネルギーは極力高
い方が短時間で処理できる。混合粉砕終了後、前記混合
処理物を取り出し、重量で約10倍量以上の水中で攪拌
しながら1〜2時間弗素を溶出させる処理を行い、濾過
脱水し脱弗素化処理が終了する。弗素の場合は塩素や臭
素と異なり、アンモニウム塩の水溶液を用いた方が水洗
除去はより容易になる。
【0023】添加混合する酸化カルシウムおよび/また
は水酸化カルシウム含有物質中のカルシウム分は少なく
とも処理物のハロゲン含有量と反応モル当量(以下、単
に反応当量ともいう)が必要であり、反応当量の2倍以
上が望ましい。当量の場合でもハロゲンの除去は可能で
あるが除去率が70〜80%に止まり、反応当量の約2
倍で90%の除去率が得られ、99%以上の除去率を得
るには、反応当量の3〜5倍量を必要とする。
【0024】添加量が多いほど短時間で除去率は上昇で
きるが、反応当量の10倍以上添加すると反応系全体に
おけるハロゲン濃度が低下し、除去速度は低下する傾向
がある。
【0025】しかし、ダイオキシンのように含有量がか
なり低い物質を処理する場合には、処理対象物とほぼ同
重量のカルシウム含有量を添加してメカノケミカル処理
を行うと効率的に無害化処理ができ、そのまま廃棄して
も有害性はない。
【0026】ポリ塩化ビフェニルのように常温で液体状
の処理物は、酸化カルシウムおよび/または水酸化カル
シウム含有物質中に含浸させる操作を行うことににより
処理ができる。添加するカルシウム分としては鉄鋼スラ
グ中に含有されたカルシウムでも使用することができ
る。鉄鋼スラグとしては、例えば高炉スラグ、転炉スラ
グ、取鍋残留スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグ、
取鍋精錬スラグ等が該当し、特にアルミナを含むスラグ
を用いた方が反応速度は速い。
【0027】アルミナ含有量の低いカルシウム含有物質
でもボーキサイト、アルミナ煉瓦等のアルミナ含有物質
を添加するとその反応速度は上昇する。
【0028】
【実施例】(実施例1)ポリ弗化エチレン5gに対して
各割合で酸化カルシウムを添加し1〜3時間遊星ボール
ミルにてメカノケミカル処理を行い、その混合試料を取
りだし、約1時間攪拌水中(500ccの容量)で水洗
し、濾過した残渣中の弗素分析を行い脱弗素率を求め
た。表1は、各条件下における脱弗素率(%)の値を示
す。
【0029】
【表1】
【0030】反応当量のカルシウム分を添加した場合は
3時間の処理で42%しか脱弗素できていない。この条
件で6時間処理を行っても70%程度の脱弗素率であっ
た。
【0031】それに対して2倍以上の反応当量で添加し
た場合、添加量の増加に伴い脱弗素化率が上昇し、3時
間の処理時間で少なくとも98%以上の脱弗素化率が得
られた。
【0032】(実施例2)ポリ弗化エチレン5gに対し
て各割合で高炉滓、転炉滓、取鍋残留滓を添加し1〜3
時間遊星ボールミルにてメカノケミカル処理を行い、そ
の混合試料を取りだし、約1時間攪拌水中(500cc
の容量)で水洗し、濾過した残渣中の弗素分析を行い脱
弗素率を求めた。
【0033】表2は、表5に示す組成の高炉スラグを使
用した場合の各条件下での脱弗素率(%)の値を示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【表5】
【0036】表5の成分分析に従って、高炉スラグ中の
カルシウム分を反応当量相当になるように計算し添加し
た。高炉スラグの場合でも2倍以上の反応当量で添加し
た場合、添加量の増加に伴い脱弗素率が上昇し、3時間
の処理時間で少なくとも99%以上の脱弗素率が得ら
れ、酸化カルシウムの単独使用より向上した。
【0037】表3は、表5に示す組成の転炉スラグを使
用した場合の各条件下での脱弗素率(%)の値を示す。
【0038】
【表3】
【0039】転炉スラグの場合でも2倍以上の反応当量
で添加した場合、添加量の増加に伴い脱弗素率が上昇
し、3時間の処理時間で少なくとも95%以上の脱弗素
率が得られた。
【0040】表4は、表5に示す組成の取鍋残留スラグ
を使用した場合の各条件下での脱弗素率(%)の値を示
す。
【0041】
【表4】
【0042】取鍋残留スラグの場合でも2倍以上の反応
当量で添加した場合、添加量の増加に伴い脱弗素率が上
昇し、3時間の処理時間で少なくとも99%以上の脱弗
素率が得られ、酸化カルシウムの単独使用より向上し
た。
【0043】(実施例3)ポリ塩化ビフェニル10gを
各割合の酸化カルシウムに含浸させ1〜3時間遊星ボー
ルミルにてメカノケミカル処理を行い、その混合試料を
取りだし、約1時間攪拌水中(500ccの容量)で水
洗し、濾過した残渣中の塩素分析を行い脱塩素率を求め
た。表6は、各条件下における脱塩素率(%)の値を示
す。
【0044】
【表6】
【0045】ポリ塩化ビフェニルは液体であるため酸化
カルシウムに含浸させる操作が必要であるため、酸化カ
ルシウムは3倍当量以上としたが、5倍当量以上添加す
ると残留する塩素が1%以下となった。
【0046】99.5%以上の脱塩素率が得られたサン
プル残渣について燃焼させたところ、ダイオキシンの発
生量は0.001ng/m3 以下であった。
【0047】(実施例4)ポリ塩化ビフェニル10gを
各割合の高炉滓、転炉滓、取鍋残留滓に含浸させ1〜3
時間遊星ボールミルにてメカノケミカル処理を行い、そ
の混合試料を取りだし、約1時間攪拌水中(500cc
の容量)で水洗し、濾過した残渣中の塩素分析を行い脱
塩素率を求めた。
【0048】表7は、表5に示す組成の高炉スラグを使
用した場合の各条件下での脱塩素率(%)の値を示す。
【0049】
【表7】
【0050】実施例3と同様にポリ塩化ビフェニルは液
体であるため高炉スラグに含浸させる操作を行い試験を
行った結果、脱塩素化率が酸化カルシウム単独より向上
した。
【0051】表8は、表5に示す組成の転炉スラグを使
用した場合の各条件下での脱塩素率(%)の値を示す。
【0052】
【表8】
【0053】実施例3と同様にポリ塩化ビフェニルは液
体であるため転炉スラグに含浸させる操作を行い試験を
行った結果、高炉スラグに比較して脱弗素化率が低下し
た。
【0054】表9は、表5に示す組成の取鍋残留スラグ
を使用した場合の各条件下での脱塩素率(%)の値を示
す。
【0055】
【表9】
【0056】実施例3と同様にポリ塩化ビフェニルは液
体であるため取鍋残留スラグに含浸させる操作を行い試
験を行った結果、高炉スラグ並みの脱弗素化率が得られ
た。
【0057】99.5%以上の脱塩素率が得られたサン
プル残渣について燃焼させたところ、ダイオキシンの発
生量は0.001ng/m3 以下であった。
【0058】(実施例5)ダイオキシンを含んでいると
思われる焼却灰10gに酸化カルシウム10gを混合添
加し、1〜3時間遊星ボールミルにてメカノケミカル処
理を行い、その混合試料を取りだした。そのサンプルの
ダイオキシン分析を実施した。表10は、各条件下にお
けるダイオキシン濃度(pg/gTEQ)を示す。
【0059】
【表10】
【0060】ダイオキシン濃度は大変低いため、ダイオ
キシンを含んでいると思われる焼却灰と同量の酸化カル
シウムを添加して脱塩素処理を行った。未処理状態に対
して1時間でほぼ半量の減少が認められた。ダイオキシ
ンの場合はメカノケミカル処理後の水洗は、特に行わな
かった。
【0061】(実施例6)ダイオキシンを含んでいると
思われる焼却灰10gに酸化カルシウムを含む各高炉
滓、転炉滓、取鍋残留滓を10gを混合添加し、1〜3
時間遊星ボールミルにてメカノケミカル処理を行い、そ
の混合試料を取りだした。そのサンプルのダイオキシン
分析を実施した。
【0062】表11は、各条件下におけるダイオキシン
濃度(pg/gTEQ)を示す。各スラグは、表5の組
成のスラグを使用した。
【0063】
【表11】
【0064】実施例5と同様の処理を高炉滓、転炉滓、
取鍋残留滓で行った。この場合もダイオキシン濃度が大
変低いため、ダイオキシンを含んでいると思われる焼却
灰と同量の各スラグを添加して脱塩素処理を行った。未
処理状態に対して1時間でほぼ半量の減少が認められ
た。
【0065】(実施例7)臭化ビニリデン10gに対し
て各割合で酸化カルシウムを添加し1〜3時間遊星ボー
ルミルにてメカノケミカル処理を行い、その混合試料を
取りだし、約1時間攪拌水中(500ccの容量)で水
洗し、濾過した残渣中の臭素分析を行い脱臭素率を求め
た。表12は、各条件下における脱臭素率(%)の値を
示す。
【0066】
【表12】
【0067】反応当量のカルシウム分を添加した場合
は、3時間の処理で脱臭素率が45%と低く、6時間処
理を行っても73%程度の脱臭素率であった。
【0068】2倍以上の反応当量で添加した場合、添加
量の増加に伴い脱臭素率が上昇し、3時間の処理時間で
少なくとも97%以上の脱臭素率が得られた。
【0069】(実施例8)臭化ビニリデン10gに対し
て各割合で高炉滓、転炉滓、取鍋残留滓を添加し1〜3
時間遊星ボールミルにてメカノケミカル処理を行い、そ
の混合試料を取りだし、約1時間攪拌水中(500cc
の容量)で水洗し、濾過した残渣中の臭素分析を行い脱
臭素率を求めた。
【0070】表13は、表5に示す組成の高炉スラグを
使用した場合の各条件下での脱臭素率(%)の値を示
す。
【0071】
【表13】
【0072】表5の成分分析に従って、高炉スラグ中の
カルシウム分を反応当量相当になるように計算し添加し
た。高炉スラグの場合でも2倍以上の反応当量で添加し
た場合、添加量の増加に伴い脱臭素率が上昇し、3時間
の処理時間で少なくとも99%以上の脱臭素率が得られ
た。
【0073】表14は、表5に示す組成の転炉スラグを
使用した場合の各条件下での脱臭素率(%)の値を示
す。
【0074】
【表14】
【0075】転炉スラグの場合でも2倍以上の反応当量
で添加した場合、添加量の増加に伴い脱臭素率が上昇
し、3時間の処理時間で少なくとも96%以上の脱臭素
率が得られた。
【0076】表15は、表5に示す組成の取鍋残留スラ
グを使用した場合の各条件下での脱臭素率(%)の値を
示す。
【0077】
【表15】
【0078】取鍋残留スラグの場合でも2倍以上の反応
当量で添加した場合、添加量の増加に伴い脱臭素率が上
昇し、3時間の処理時間で少なくとも99%以上の脱臭
素率が得られた。
【0079】(実施例9)臭素化ダイオキシンを含んで
いると思われる臭化ビニリデンを添加したプラスチック
屑の焼却灰10gに高炉滓、転炉滓、および取鍋残留滓
の各スラグ10gを混合添加し、1〜3時間遊星ボール
ミルにてメカノケミカル処理を行い、その混合試料を取
りだした。そのサンプルの臭素化ダイオキシン分析を実
施した。
【0080】表16は、各条件下における臭素化ダイオ
キシン濃度(pg/g)を示す。表16の数値は異性体
の合計濃度を示す。なお、臭素化ダイオキシンとは、例
えば2、3、7、8−テトラクロロジベンゾパラジオキ
シンの塩素が臭素に変わったものを意味する。
【0081】
【表16】
【0082】臭素化ダイオキシン濃度が大変低いため、
臭素化ダイオキシンを含んでいると思われる焼却灰と同
量の各スラグを添加して脱臭素処理を行った。未処理状
態に対して1時間でほぼ半量以下の減少が認められた。
【0083】(実施例10)ポリ弗化エチレン5gに対
して酸化カルシウム等倍量の22gと酸化アルミニウム
10gと添加し、1〜3時間遊星ボールミルにてメカノ
ケミカル処理を行い、その混合試料を取りだし、約1時
間攪拌水中(500ccの容量)で水洗し、濾過した残
渣中の弗素分析を行い脱弗素率を求めた。
【0084】ポリ塩化ビフェニル10gを酸化カルシウ
ム3倍当量の27gと酸化アルミニウム11gの混合分
に吸収させ1〜3時間遊星ボールミルにてメカノケミカ
ル処理を行い、その混合試料を取りだし、約1時間攪拌
水中(500ccの容量)で水洗し、濾過した残渣中の
塩素分析を行い脱塩素率を求めた。
【0085】ダイオキシンを含んでいると思われる焼却
灰10gに酸化カルシウム10gと酸化アルミニウム4
gを混合添加し、1〜3時間遊星ボールミルにてメカノ
ケミカル処理を行い、その混合試料を取りだし、そのサ
ンプルのダイオキシン分析を実施した。それぞれの分析
結果を表17に示す。
【0086】
【表17】
【0087】いずれの場合でも酸化アルミニウムの添加
効果が認められる結果が得られた。
【0088】
【発明の効果】本願発明によれば、有機ハロゲン化合物
の非加熱による脱ハロゲン化処理を効率よくおこなうこ
とができ、ダイオキシン類の無害化処理も可能である。
また、鉄鋼スラグを使用して脱ハロゲン化処理をおこな
うことも可能で処理費用の削減も可能である
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/18 B09B 3/00 304G Fターム(参考) 2E191 BA12 BA13 BA15 BC01 4D004 AA08 AB06 AB07 AB08 AC04 CA15 CB08 4D063 FF02 FF35 FF37 GA10 GB03 GB04 4G076 AA04 AB02 AB06 AB28 AC04 BA37 BA50 CA36 4J002 BD121 DE086 DE147 FB021 GT00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物を含有する物質を酸
    化カルシウムおよび/または水酸化カルシウムを含有す
    る物質と混合し、メカノケミカル処理した後、水洗濾過
    することを特徴とする有機ハロゲン化合物からの非加熱
    ハロゲン除去方法。
  2. 【請求項2】 酸化カルシウムおよび/または水酸化カ
    ルシウムを含有する物質のカルシウム含有量が、有機ハ
    ロゲン化合物中のハロゲン含有量の化学量論的モル当量
    の2倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の有
    機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
  3. 【請求項3】 酸化カルシウムおよび/または水酸化カ
    ルシウムを含有する物質が鉄鋼生産で発生するスラグを
    使用することを特徴とする請求項1または2に記載の有
    機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
  4. 【請求項4】 反応促進剤として酸化アルミニウム含有
    物質を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方
    法。
  5. 【請求項5】 有機ハロゲン化合物がポリ弗化エチレン
    成分で、廃棄ポリ弗化エチレン成型品中のものである請
    求項1〜4のいずれかに記載の有機ハロゲン化合物の非
    加熱ハロゲン除去方法。
  6. 【請求項6】 有機ハロゲン化合物がポリ塩化ビフェニ
    ル成分である請求項1〜4のいずれかに記載の有機ハロ
    ゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法。
  7. 【請求項7】 有機ハロゲン化合物がダイオキシン成分
    である請求項1〜4のいずれかに記載の有機ハロゲン化
    合物の非加熱ハロゲン除去方法。
JP10247180A 1998-09-01 1998-09-01 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法 Pending JP2000070401A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247180A JP2000070401A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10247180A JP2000070401A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000070401A true JP2000070401A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17159637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10247180A Pending JP2000070401A (ja) 1998-09-01 1998-09-01 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000070401A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001012352A1 (fr) * 1999-08-10 2001-02-22 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede de traitement d'un materiau dangereux
JP2001253969A (ja) * 2000-03-09 2001-09-18 Dowa Mining Co Ltd 弗素樹脂の非加熱脱弗素化法
JP2002301363A (ja) * 2001-04-09 2002-10-15 Eiji Nishimoto 汚染液体処理装置
KR100397236B1 (ko) * 2000-11-16 2003-09-19 한라산업개발 주식회사 열연 슬러지 또는 전기집진분진을 이용한 오염지반 및지하수의 염화유기 화합물의 정화 방법
KR100397237B1 (ko) * 2000-11-16 2003-09-19 한라산업개발 주식회사 폐주물사, 사상분진 또는 자기추출분진을 이용한 오염지반및 지하수의 염화유기 화합물의 정화 방법
KR100970947B1 (ko) 2009-07-01 2010-07-20 주식회사 엠오케이인터네셔널 PCBs를 포함하는 절연유 처리방법
CN113754924A (zh) * 2021-08-12 2021-12-07 重庆文理学院 一种基于机械化学法协同工业固废处理pvc的方法
CN116144955A (zh) * 2022-12-30 2023-05-23 中国科学院赣江创新研究院 一种从氟化稀土固废物中回收稀土的方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001012352A1 (fr) * 1999-08-10 2001-02-22 Sumitomo Metal Industries, Ltd. Procede de traitement d'un materiau dangereux
JP2001253969A (ja) * 2000-03-09 2001-09-18 Dowa Mining Co Ltd 弗素樹脂の非加熱脱弗素化法
KR100397236B1 (ko) * 2000-11-16 2003-09-19 한라산업개발 주식회사 열연 슬러지 또는 전기집진분진을 이용한 오염지반 및지하수의 염화유기 화합물의 정화 방법
KR100397237B1 (ko) * 2000-11-16 2003-09-19 한라산업개발 주식회사 폐주물사, 사상분진 또는 자기추출분진을 이용한 오염지반및 지하수의 염화유기 화합물의 정화 방법
JP2002301363A (ja) * 2001-04-09 2002-10-15 Eiji Nishimoto 汚染液体処理装置
KR100970947B1 (ko) 2009-07-01 2010-07-20 주식회사 엠오케이인터네셔널 PCBs를 포함하는 절연유 처리방법
WO2011002118A1 (ko) * 2009-07-01 2011-01-06 (주)엠비즈텍씨앤씨 PCBs를 포함하는 절연유 처리방법
CN113754924A (zh) * 2021-08-12 2021-12-07 重庆文理学院 一种基于机械化学法协同工业固废处理pvc的方法
CN116144955A (zh) * 2022-12-30 2023-05-23 中国科学院赣江创新研究院 一种从氟化稀土固废物中回收稀土的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Chen et al. Dioxins degradation and reformation during mechanochemical treatment
US5167919A (en) Waste treatment and metal reactant alloy composition
US5648591A (en) Toxic material disposal
US5108647A (en) Method of dehalogenating halogenated hydrocarbons
US4722774A (en) Recovery or arsenic and antimony from spent antimony catalyst
JP2000070401A (ja) 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法
JP3360827B2 (ja) 廃棄物を非汚染性で且つ再使用可能な物質に変換することによって、廃棄物を処理および利用するための方法および装置
Tabata et al. Decomposition of asbestos by a supernatant used for immobilization of heavy metals in fly ash
Xu et al. Kinetics and reaction pathway of Aroclor 1254 removal by novel bimetallic catalysts supported on activated carbon
Gandon-Ros et al. Mechanochemical debromination of waste printed circuit boards with marble sludge in a planetary ball milling process
Dai et al. Molten hydroxide for detoxification of chlorine-containing waste: Unraveling chlorine retention efficiency and chlorine salt enrichment
AU705724B2 (en) Methods for purifying refrigerants with aqueous solutions of bases
JPH11263871A (ja) 窒素原子又はハロゲン原子含有廃有機物の処理方法
JPH1088146A (ja) ハロゲン含有樹脂の油化処理方法
JP2000239191A (ja) 液体または固体のハロゲン化炭化水素を還元的脱ハロゲン化するための方法
JP4274342B2 (ja) 有機ハロゲン含有プラスチックの脱ハロゲン方法
JP2000245861A (ja) 有機ハロゲン化合物の非加熱ハロゲン除去方法
JPH08290147A (ja) 含塩素プラスチック廃材の処理方法
JP2006045469A (ja) アンモニア含有水溶液による含ハロゲン高分子の脱ハロゲン化方法
JP4163535B2 (ja) 塩素含有樹脂廃棄物とアルカリ金属含有ガラス廃棄物の資源化方法
RU2169884C1 (ru) Способ плазмохимической утилизации фосфорорганических отравляющих веществ и люизита
JP4923179B2 (ja) アスベストの無害化処理方法及び炭酸マグネシウムの生成方法
JP2004269652A (ja) ハロゲン含有合成樹脂の熱分解方法
Kamarehie et al. Dechlorination of polychlorinated biphenyls in real waste transformer oil using a modified household microwave oven in presence of sodium hydroxide and polyethylene glycol
JP4250964B2 (ja) 有機ハロゲン化合物を含む材料の脱ハロゲン化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20031111