JP5085307B2 - 活性炭化物の製造方法及びダイオキシン類の処理方法 - Google Patents

活性炭化物の製造方法及びダイオキシン類の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の廃材を原料として、吸着能を持つ活性炭化物を簡易な方法で製造する方法、及び前記製造方法で得られた活性炭化物を用いるダイオキシン類の処理方法に関する。
塩化ビニル樹脂壁紙は、塩化ビニル樹脂に可塑剤、安定剤、顔料及び石灰石粉末を加えて調製した樹脂組成物を裏紙(ベース紙)に塗布して製造される。この塩化ビニル樹脂壁紙は、建築物の内装用壁紙として優れた特性を有することから、壁紙の全出荷量の約90%を占めている。
一方、塩化ビニル樹脂壁紙の廃材は、ビルや住宅でのリフォーム又は解体の際や新築端材などとして発生するだけでなく、メーカーでの規格外品としても発生し、その発生量も大量である。しかしながら、これらの廃材は、複合材であるため、再利用や他の用途への活用は極めて困難であり、有効利用技術の開発が強く求められている。
塩化ビニル系樹脂は、前記の内装用壁紙に利用されているだけでなく、その代表的な用途を挙げるだけでも、例えば、各種パイプ及び継手、建材等の異形製品、波板や平板を含む板材、硬質あるいは軟質フィルム・シート、電線被覆材、床材、及び人造レザー等の配合品などがあり、広範に利用されているので、それらの廃材も多量に発生する。しかしながら、塩化ビニル系樹脂廃材を焼却処理すると、腐食性の塩化水素ガスが発生して焼却炉が損傷されやすく、場合によりダイオキシン等の含塩素有害ガスが発生するおそれもある。また、燃焼ガス中の塩化水素を希塩酸として回収しても利用価値がなく、中和処理して排水に放流するにも中和剤や希釈水のコストがかかる。従って、塩化ビニル系樹脂廃材の再利用方法の開発が強く求められている。
塩化ビニル系樹脂廃材の再利用方法としては、例えば、脱塩化水素及び炭化して利用することも試みられているが、塩化ビニル系樹脂廃材が軟化・融着して塊状化し、処理装置を閉塞ないし運転不能にするという問題点があった。これらの問題点を解決するために、コークスを共存させてその表面に溶融物を付着させる方法が実用化されている(非特許文献1)ほか、塩化ビニル系樹脂廃材に固着防止剤として二価金属の化合物を添加してから脱塩化水素・炭化処理して非固着性の残渣炭化物を生成する方法(特許文献1)ならびに該残渣炭化物を燃焼して得られた灰分からからなる二価金属の化合物を添加してから脱塩化水素・炭化処理して非固着性の残渣炭化物を生成する方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、得られる残渣炭化物は、単に固形燃料として使用される程度のものであって、有効利用という点では問題が残る。また地球温暖化の主要因である炭酸ガスの発生防止の観点でも不満足である。
このような状況下で、本発明者らは、塩化ビニル樹脂廃材の内、特に壁紙廃材を処理して再利用する方法として、壁紙廃材を破砕した後、加熱・脱塩化水素処理し、残渣を水性液により洗浄した後、再び、加熱・炭化することによる粉粒状炭化物の製造方法を、既に提案している(特許文献3)。この製造方法によって得られた粉粒状炭化物は、必要によって更に賦活化して活性炭とし、各種有機溶剤の蒸気を含む排ガスの浄化及び水処理用の活性炭として、特にダイオキシン類の吸着除去に適する活性炭として、好適に用いることができ、更に土壌改質材としても好適に用いることができる。
特開平11−222534号公報 特開平11−279327号公報 特開2005−206423号公報 根本謙一他「高濃度塩化ビニル脱塩素技術の開発」(高炉における廃プラスチック技術−5):「材料とプロセス」誌、12巻1号、121頁
本発明者らは、塩化ビニル樹脂壁紙廃材を処理して再利用する方法の開発を更に進めた結果、前記特許文献3に記載の方法とは異なる簡易な方法によって製造した活性炭化物が優れたダイオキシン吸着能を有することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の廃材を出発材料とし、実質的に不活性なガス雰囲気下で550〜800℃での加熱処理を実施することを特徴とする、活性炭化物の製造方法に関する。
本発明による製造方法の好ましい態様においては、前記加熱処理を、550〜700℃の温度で実施する。
本発明による製造方法の別の好ましい態様においては、前記廃材として、60mm以下に破砕された廃材を用いる。
本発明による製造方法の更に別の好ましい態様においては、前記建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の組成が、塩化ビニル樹脂20〜40質量%、可塑剤10〜20質量%、安定剤1〜2質量%、光遮蔽材2〜10質量%、粉末充填材15〜35質量%、及び裏紙20〜30質量%である。
本発明による製造方法の更に別の好ましい態様においては、前記加熱処理の後に、更に、水又は希塩酸による洗浄処理を実施する。
また、本発明は、前記の製造方法で得られた活性炭化物にダイオキシン類含有排水を接触させ、前記活性炭化物にダイオキシン類を吸着させ、前記排水からダイオキシン類を除去することを特徴とする、ダイオキシン類の処理方法にも関する。
本発明の製造方法によれば、壁紙廃材を出発材料とし、550〜800℃での加熱処理を1回だけ実施するという極めてシンプルな工程により、実用的な吸着能を有する活性炭化物を製造することができる。得られた活性炭化物は、例えば、ダイオキシン類に対する吸着能が市販の活性炭に匹敵するので、ダイオキシン類の処理方法において吸着材として有効に再利用することができる。
また、本発明の製造方法では、壁紙廃材に含まれているカルシウム化合物を洗浄して除去する工程を実施する必要がない。これは、カルシウム化合物の洗浄除去工程を実施した場合と実施しない場合とを比較すると、得られる活性炭化物の吸着性能に実質的な差異がないからである。更に、800℃を超える温度域での加熱処理は、一般的に炭化物の賦活処理温度であるが、本発明による製造方法の場合、800℃以下での温度域での加熱処理を1回実施するだけで、優れたダイオキシン類吸着能を有する活性炭化物を得ることができる。
また、本発明によるダイオキシン類の処理方法によれば、壁紙廃材から安価な製造コストで得られた活性炭化物を用いて、市販の活性炭を使用する場合と同様の処理能力を達成することができる。
以下、本発明による活性炭化物製造方法を説明する。
本発明の製造方法においては、出発材料として、建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の廃材を用いる。ここで、建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙とは、塩化ビニル樹脂に、可塑剤、安定剤、光遮蔽材、及び粉末充填材を加えて調製した樹脂組成物を裏紙(ベース紙)に塗布して製造され、建築物の内装用として使用される壁紙を意味する。また、その廃材とは、壁紙として実際に使用されたか否かとは関係なく、廃棄対象となった壁紙材料を意味し、例えば、メーカーで規格外品として発生する廃材、ビルや住宅等でのリフォーム又は解体の際に発生する廃材、あるいはビルや住宅等の新築現場で端材として発生する廃材が含まれる。
本発明の製造方法において、前記壁紙の標準的組成は、質量比で、塩化ビニル樹脂20〜40質量%、可塑剤(例えば、フタル酸エステル系可塑剤)10〜20質量%、安定剤(例えば、ステアリン酸カルシウムなどのカルシウム系安定剤)1〜2質量%、光遮蔽材(例えば、二酸化チタン光遮蔽材)2〜10質量%、粉末充填材(例えば、炭酸カルシウム粉末充填材)15〜35質量%、及び裏紙20〜30質量%である。
本発明の製造方法においては、前記廃材を加熱処理する前に、加熱炉への安定供給と均一加熱を図るため、破砕しておくことが好ましい。破砕処理後の廃材の大きさが、破片の長径として、好ましくは60mm以下、より好ましくは40mm以下となるように処理する。
続いて、場合により破砕した廃材を、加熱炉、例えば、回転炉、固定床炉、又は流動床炉などを使用して、550〜800℃、好ましくは550〜700℃、より好ましくは600〜700℃に加熱する。加熱処理は、実質的に不活性なガス雰囲気下で実施する。不活性ガスとしては、酸化反応に関して不活性なガス、例えば、窒素ガスを用いることができる。なお、「実質的に」とは、前記不活性ガス雰囲気において、2容量%以下の酸素の混入を許容することができることを意味する。加熱炉としては、外熱型回転炉を用いることが好ましい。外熱型回転炉を使用した場合、目的とする活性炭化物を生成する反応に要する平均滞留時間は、熱伝導の速度に依存する(すなわち、伝熱速度律速となる)が、おおよそ1〜2時間である。なお、炭化物の物温が設定温度に到達した時点で加熱処理を終了させ、目的とする活性炭化物を得ることができる。
ここで、加熱処理の際の反応について詳述する。
加熱炉に装入された廃材が200℃から350℃に加熱されると、廃材中の塩化ビニル樹脂から塩化水素が脱離する。脱離した塩化水素の約75%は廃材中の炭酸カルシウムと反応して塩化カルシウムとなって固定される。塩化水素が脱離した塩化ビニル樹脂由来のピッチ状物質は可塑剤と共に溶融して裏紙に含浸され一体化する。300℃から500℃にかけては熱分解と縮重合が進行し、多環炭化水素化合物が生成する。最終的に、550〜800℃の範囲で粉粒状の炭化物となる。この炭化物には塩化カルシウム、炭酸カルシウム及び二酸化チタンなどの無機物が残留する。
本発明者らは、前記のようなシンプルな1回の加熱処理のみによって得られた活性炭化物が優れた吸着能を持つこと、特に高分子量の有機化合物に対して高い吸着能を持つことを発見し、本発明に至った。
一般論として、活性炭の原料となり得る有機物を、単に600〜700℃に加熱するのみでは吸着能を持つ炭化物を得ることはできない。
例えば、塩化ビニル樹脂を600〜700℃に加熱すると炭化物が得られるが、まったく吸着能を持たない。吸着能を持つ活性炭を得るには、200〜350℃に加熱脱塩化水素処理し、生成したピッチ状物質を不融化し、更に水蒸気の存在下で800〜900℃に加熱し、賦活する必要がある。
また、椰子殻に代表される木質繊維を、600〜700℃に加熱すると炭化物が得られるが、実用的なレベルの吸着能を持たず、実用的なレベルの吸着能を持つ活性炭を得るには、更に水蒸気の存在下で800〜900℃に加熱し、賦活する必要がある。塩化ビニル樹脂壁紙に用いられる裏紙(ベース紙)を炭素源として用いる場合も同様である。
本発明の製造方法においても、前記加熱処理工程での温度が550℃未満になると、炭化不足となり、充分な吸着能を示す炭化物を得ることができない。また、前記加熱処理工程での温度が800℃を超えると、出発材料の単位質量当たりの生成物炭素量が低下するだけでなく、炭化物の単位質量当たりの吸着量が低下するので好ましくない。前記加熱処理工程での温度を600〜700℃の範囲にすると、ダイオキシン類の吸着能が極めて優れた活性炭化物を得ることができる。なお、本発明の製造方法によって得られる活性炭化物を顕微鏡で観察すると、壁紙用ベース紙に由来する繊維組織を含むものであることが分かる。
本発明の製造方法においては、550〜700℃という比較的低温での加熱処理によって得られる活性炭化物であっても、優れた吸着能を示す理由は明らかではないが、脱塩化水素した塩化ビニル由来のピッチ状物質が、廃材中の可塑剤と共に溶融して、廃材中の裏紙と一体化しつつ熱分解と縮重合が進むため、破砕片の融着が抑制され、細孔が発達するものと思われる。もっとも、本発明は、この推定に限定されるものではない。
このようにして得られる活性炭化物は、水処理用吸着剤としてそのまま使用することができる。すなわち、共存する塩化カルシウムは水に溶解し、炭酸カルシウムや二酸化チタンなどの固体は吸着作用を阻害しない。本発明による前記製造方法によって得られる活性炭化物は、特に、ダイオキシン類に対して優れた吸着能を示すので、前記活性炭化物にダイオキシン類含有排水を接触させ、前記活性炭化物にダイオキシン類を吸着させて除去するダイオキシン類処理方法に有効に利用することができる。
なお、必要に応じ、活性炭化物中の炭化物含有比率を上昇させ、吸着剤としての適用範囲を広げるため、水又は希塩酸でこの活性炭化物を洗浄してもよい。この結果、塩化カルシウムは水によって溶解除去され、炭酸カルシウム粉末もまた塩酸によって溶解除去される。洗浄処理後、活性炭化物スラリーを脱水し、活性炭化物ケークを得ることができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1》
(1)製造手順
出発材料廃材(原料)としては、塩化ビニル樹脂31質量%、フタル酸エステル系可塑剤14質量%、カルシウム系安定剤1質量%、二酸化チタン光遮蔽材6質量%、炭酸カルシウム粉末充填材23質量%、及び裏紙25質量%からなる内装用塩化ビニル樹脂壁紙の製造格外品を30mm以下に破砕して用いた。加熱炉としては、外熱式回転炉(内容積=15リットル;材質SUS316;LPGバーナー加熱)を用いた。
前記原料0.5kgを、あらかじめ窒素で置換した炉に投入し、炉内の物温が所定温度(400℃から800℃まで100℃きざみの各温度)になるまで加熱した。所定温度に到達するまで、0.5時間から3時間を要した。その後、炉外より空冷し、室温まで冷却した。炉内には、15mm以下の粉粒状の固形物(活性炭化物)が残った。
得られた活性炭化物の質量収率(原料に対する収率)を表1に示す。
なお、処理温度を600℃とした場合の生成活性炭化物の質量組成は、以下のとおりである:
炭化物: 29%
二酸化チタン: 13%
塩化カルシウム: 42%
炭酸カルシウム: 14%
その他: 2%。
(2)物性評価
(a)評価用試料
前項(1)の製造手順によって得られた固形物(活性炭化物)の吸着能を評価するために、固形物(活性炭化物)を希塩酸にて洗浄して塩化カルシウムと炭酸カルシウムを溶解除去し、更に乾燥して評価用試料を得た。この評価用試料は、炭化物以外に二酸化チタンを約30質量%含有していた。
(b)比表面積及びヨウ素吸着力
この評価用試料の比表面積及びヨウ素吸着力を表1に示す。これらは、活性炭の特性を表す指標として通常使用されている。なお、表1に示す数値は、実質炭化物量基準である。測定方法は、それぞれ、「JIS Z8830(一点BET法)」及び「JIS K1474」によった。
(c)水中ダイオキシン類の吸着除去試験
産業廃棄物焼却炉の排ガスを洗浄して得た洗浄水をもとに、ダイオキシン類の濃度を調節し、ダイオキシン類濃度1000pg−TEQ/L(TEQ:毒性当量)の被処理試料を調製した。この被処理試料液1リットルに、前項(1)の製造手順において各所定温度(400℃から800℃まで100℃きざみの各温度)にて加熱して得た固形物(活性炭化物)の0.32g(実質炭化物量換算)を添加し、30分間攪拌した後の除去率を調べた。結果を表1に示す。
《比較例1》
内装用塩化ビニル樹脂壁紙のベース紙として一般に用いられている壁紙用裏紙(中越パルプ工業株式会社製)を30mm以下に破砕し、実施例1と同様の方法で、600℃まで加熱し、次いで冷却した。炉内に残った粉粒状炭化物の対原料収率は、18%であった。
この試料の吸着特性を、比表面積・ヨウ素吸着力を指標として表1に示す。
《比較例2》
椰子殻粉末活性炭の一例として、日本エンバイロケミカルズ(株)製「白鷺DO−2」の比表面積・ヨウ素吸着力を表1に示す。
前記椰子殻粉末活性炭(日本エンバイロケミカルズ(株)製「白鷺DO−2」)について、水中ダイオキシン類の吸着除去試験を前記実施例1と同様に実施した。すなわち、実施例1と同様に、ダイオキシン類濃度1000pg−TEQ/Lの被処理試料液1リットルに、活性炭0.32gを添加し、30分間攪拌後の除去率を調べた。結果を表1に示す。
《比較例3》
石炭系粒状活性炭の一例として、三倉化成(株)製「DM−C」の比表面積・ヨウ素吸着力を表1に示す。
前記石炭系粒状活性炭(三倉化成(株)製「DM−C」)について、水中ダイオキシン類の吸着除去試験を前記実施例1と同様に実施した。すなわち、実施例1と同様に、ダイオキシン類濃度1000pg−TEQ/Lの被処理試料液1リットルに、活性炭0.32gを添加し、30分間攪拌後の除去率を調べた。結果を表1に示す。
Figure 0005085307
前記表1に示すように、実施例1において、塩化ビニル樹脂壁紙廃材から得られた固形物では、600℃、700℃、及び800℃(特に、600℃及び700℃)の加熱温度において、ダイオキシン類吸着能の高い活性炭化物が得られた。
また、比較例1の結果から明らかなように、壁紙用裏紙(ベース紙)のみを出発材料とした場合は、加熱温度が600℃であっても、吸着能は低かった。更に、市販活性炭(比較例2及び3)と比較すると、本発明の製造方法によって得られる活性炭化物の吸着能は、比表面積・ヨウ素吸着力の点では、市販の活性炭に及ばないものの、ダイオキシン類の吸着除去能は、椰子殻粉末炭より高く、石炭系粒状炭と同等であった。
上述したように、本発明の製造方法によれば、建築物内装用塩化ビニル壁紙の廃材を原料として、簡易な方法により、吸着能を持つ活性炭化物を得ることができる。この活性炭化物は、比較的高分子量の有機化合物、例えば水中のダイオキシン類などの吸着除去に有用である。

Claims (6)

  1. 建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の廃材を出発材料とし、実質的に不活性なガス雰囲気下で550〜800℃での加熱処理を実施することを特徴とする、活性炭化物の製造方法。
  2. 前記加熱処理を、550〜700℃の温度で実施する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記廃材が、60mm以下に破砕された廃材である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記建築物内装用塩化ビニル樹脂壁紙の組成が、塩化ビニル樹脂20〜40質量%、可塑剤10〜20質量%、安定剤1〜2質量%、光遮蔽材2〜10質量%、粉末充填材15〜35質量%、及び裏紙20〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記加熱処理の後に、更に、水又は希塩酸による洗浄処理を実施する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法で得られた活性炭化物にダイオキシン類含有排水を接触させ、前記活性炭化物にダイオキシン類を吸着させ、前記排水からダイオキシン類を除去することを特徴とする、ダイオキシン類の処理方法。
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