JP2000281325A - 活性炭の製法及び水処理方法 - Google Patents

活性炭の製法及び水処理方法

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JP2000281325A JP11090184A JP9018499A JP2000281325A JP 2000281325 A JP2000281325 A JP 2000281325A JP 11090184 A JP11090184 A JP 11090184A JP 9018499 A JP9018499 A JP 9018499A JP 2000281325 A JP2000281325 A JP 2000281325A
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進 阿部
Yukito Ota
幸人 太田
Eiji Tanaka
栄治 田中
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】強熱残分が 3wt%以上の炭素質材料を、ハ
ロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で 500℃以上、13
00℃以下で熱処理した後、酸化性ガス中で賦活処理する
ことを特徴とする活性炭の製法及び、その活性炭を使用
した水の処理方法である。ここで、熱処理後の炭素剤の
賦活温度は 600℃以上、1200℃以下であることが好まし
い。 【効果】本発明は原料として強熱残分含有量が高い炭素
質材料を、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で熱
処理した後賦活することを特徴とする活性炭の製法で、
トリハロメタンまたはフミン酸の吸着性が高い活性炭が
得られる特徴がある。従来の活性炭の製法ではトリハロ
メタン等に対して、高い吸着性を有する活性炭をつくる
ことはできなかった。このため本発明方法によって得ら
れた活性炭は、水中のトリハロメタンまたはフミン酸を
吸着・除去するため浄水剤として、大型或いは小型の各
種浄水器に適用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトリハロメタンまた
はフミン酸の吸着性が高い活性炭の製造方法に関するも
ので、更に詳しく述べると、原料として強熱残分含有量
が高い炭素質材料を、ハロゲン化合物を含む不活性ガス
気流中で熱処理した後賦活することを特徴とする活性炭
の製法である。また本発明で得られた活性炭は水処理用
に適した特性を有する。
【0002】
【従来の技術】従来から活性炭は公害防止及び環境保護
の観点から種々の分野で使用されてきた。最近は特に水
処理の分野ではトリハロメタン及びフミン酸の除去、或
いはエネルギー保存の分野で電気二重層キャパシタ、更
にガス回収、ガス分離用の分子篩等の用途が注目されて
いる。
【0003】しかし、水処理の分野において水質浄化の
対象となるトリクロロメタン、クロロブロモメタン等
は、分子量が小さく且つ比較的沸点が低い他、その濃度
が極めて希薄である。このため、従来の活性炭はこれら
の化合物を充分に除去出来る程の高い吸着性は持ってい
ない。水中の濃度が極めて低いこれらの化合物に対して
は、賦活度が低く且つ比較的比表面積の小さい活性炭
が、相対的に高い吸着性を示す傾向が僅かに知られてい
たのみである。
【0004】最近、水道水に微量含まれている有害物質
としてトリハロメタンやフミン酸のその除去方法が問題
となっている。しかし、通常の活性炭は水道水中に含ま
れている極めて希薄なトリクロロメタン、クロロブロモ
メタン等の有機塩素化合物を充分に除去できる吸着性は
もっていない。また、それらの有害物質の前駆物質であ
るフミン酸の除去用に使用できる活性炭は未だ開発され
ていない。フミン酸は分子量が大きいため吸着除去用に
はより細孔径が大きい活性炭が必要となるであろう、と
いう程度のことしか明らかになっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点にかん
がみ、従来の活性炭では困難と考えられていた水道水中
のトリハロメタンやフミン酸の除去用に適した活性炭を
開発して、提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等はトリハロメ
タンやその前駆物質であるフミン酸に対する吸着性が高
い活性炭が得られる方法について研究した。その結果強
熱残分の多い炭素質原料を炭化し、これをハロゲン化合
物を含有する不活性ガス気流中で熱処理した後、酸化性
ガスで賦活して得られた活性炭が、通常の活性炭に較べ
て著しく高いトリハロメタンまたはフミン酸に対する吸
着性を示すことを見出した。
【0007】更に、原料として使用する炭素質原料に含
まれる強熱残分の影響、ハロゲン化合物や熱処理温度と
得られた活性炭のトリハロメタンやフミン酸に対する吸
着性の関係、及び賦活条件等について検討して、トリハ
ロメタンまたはフミン酸の吸着・除去に適した活性炭が
得られることを見出し、これに基づいて本発明に到達し
た。
【0008】すなわち、強熱残分が 3wt%以上の炭素質
材料を、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で 500
℃以上、1300℃以下で熱処理した後、酸化性ガス中で賦
活処理することを特徴とする活性炭の製法及び、その活
性炭を使用した水の処理方法である。ここで、熱処理後
の炭素剤の賦活温度は 600℃以上、1200℃以下であるこ
とが好ましい。
【0009】以下、本発明について詳しく説明する。
【0010】本発明では活性炭の原料としては強熱残分
が 3wt%以上の炭素質材料を使用する必要がある。炭素
質材料としてはヤシ殻またはその他木材及びコーヒー殻
の炭化物、または石炭等の炭化物が広く使用出来る。ま
た、ポリスチレン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
樹脂、フェノール樹脂等の合成樹脂の炭化物も使用可能
である。或いは更にこれら樹脂または炭素質原料をフェ
ノール樹脂、タール、ピッチ等のバインダーによって成
形した後、炭化して使用することも出来る。それらの成
形体の形状は粒状、粉末状、繊維状またはハニカム状等
任意の形状としてもよい。
【0011】しかして、これらの炭素質材料には強熱残
分が 3wt%以上含まれているものである必要がある。ヤ
シ殻またはその他木材及びコーヒー殻の炭化物に含まれ
る強熱残分の化学的成分は、アルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩、シリカ及びアルミナ等であり、また、石炭
にはアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、シリカ及び
アルミナその他鉱物質不純物である。合成樹脂炭化物の
強熱残分としては主として触媒に使用された金属化合物
が含まれ、スチレン−ジビニルベンゼン共重合樹脂、合
成樹脂ではポリスチレン、フェノール樹脂等にはアルカ
リ金属塩、ナトリウム及びカリウム化合物、塩化アルミ
ニウム等が含まれている。本発明の炭素質材料には強熱
残分の含有量が高いものを使用する必要がある。
【0012】本発明の活性炭製造工程では強熱残分が 3
wt%以上の前述の炭素質材料を、ハロゲン化合物を含む
不活性ガス気流中で熱処理する必要がある。ハロゲン化
合物としては無機または有機のハロゲン化合物が使用可
能である。例えば、塩酸、臭化水素等の無機ハロゲン
酸、メチルクロリド、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素、塩化エチレン、臭化メチル、臭化エチレン、
臭化エチル、PCl5、ClF、ICl 、IBr 、CoCl2 、SbCl6
、BrCl、ClCN、AlCl3 、AlBr3 等の化合物が使用可能
である。
【0013】炭素質材料はこれらのハロゲン化合物と不
活性ガスの混合ガス中で熱処理される。不活性ガスはそ
の熱処理温度において炭素質材料と反応しないガスであ
れば特に限定しないが、通常は窒素ガスが使用される。
ガス中のハロゲン化合物の濃度は 0.1〜10.0モル%程度
が好ましく、1.0 〜5.0 モル%がより好ましい。熱処理
温度の下限は 500℃であり、且つ上限は 1300 ℃とする
必要がある。 500℃以下では熱処理後賦活して活性炭を
調製した場合、トリハロメタンまたはフミン酸に対する
吸着性が低く、また、1300℃以上になるとトリハロメタ
ン等に対する吸着性が却って低下するからである。更に
熱処理温度は、より好ましくは 800℃以上、 1300 ℃以
下である。
【0014】強熱残分が高い炭素質材料を、ハロゲン化
合物を含む不活性ガス気流中で熱処理後賦活して得られ
た活性炭が、トリハロメタンまたはフミン酸に対して高
い吸着性を示すことは、ハロゲン化合物として塩酸また
は四塩化炭素を使用した後述の実施例1〜11、比較例1
〜7、表1〜3及び比較例8〜17、表6〜8の結果によ
って認められる。この熱処理の効果は更にその他の無機
ハロゲン化合物としてPCl5、BrCl、AlCl3 、或いは有機
ハロゲン化合物としてクロロホルム、トリクロロエタ
ン、ヘキサクロロベンゼン等、広範囲のハロゲン化合物
を使用した場合にも認められる(実施例12〜25、表4、
5)。
【0015】また、強熱残分含有量が3wt%以下の炭素
質材料を使用した場合には、本発明方法のハロゲン化合
物を含む不活性ガス気流中で熱処理した後賦活しても、
トリハロメタンまたはフミン酸にたいして高い吸着性を
示す活性炭が得られない。これは後述の比較例8〜17、
表6〜8と実施例1〜11、表1〜3の結果を対比するこ
とにより明らかに認められる。
【0016】活性炭を通常考えられる調製条件の範囲内
でつくった場合には、トリハロメタンまたはフミン酸に
対して高い吸着性を有する活性炭が得られないことはよ
く知られている。一方、本発明において前述の様に強熱
残分が 3wt%以上の炭素質材料を使用し、ハロゲン化合
物を含む不活性ガス気流中で熱処理した後、賦活して得
られた活性炭が、何故トリハロメタン等の成分に対して
高い吸着性を示すのかその作用・機構の詳細は明らかで
ない。
【0017】しかし、比較例8〜17、表6〜8の結果に
示す様に、予め強熱残分を低下させた炭素質材料を、ハ
ロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で熱処理した後賦
活して活性炭を調製しても、トリハロメタン等に対して
高い吸着性を示す活性炭は得られない。この結果とトリ
ハロメタン等に対して高い吸着性を示す実施例1〜11、
表1〜3の結果を併せ考えれば、この吸着性は強熱残分
含有量が高い炭素質材料をハロゲン化合物の含有ガス中
熱処理することによって、炭素質表面に生成された構造
によるものと考えられる。すなわち、炭素質材料に含ま
れる強熱残分がハロゲン化合物と反応して揮発・除去さ
れると共に高熱の作用で、炭素質表面に残された細孔が
そのままの形状でトリハロメタン等の成分に対して高い
吸着性を示すか、或いはその細孔が更に賦活されて生成
した構造がトリハロメタン等の吸着に適した細孔構造に
なるものと考えられる。
【0018】本発明の活性炭の製法では炭素質材料をハ
ロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で熱処理した後、
酸化性ガス中で賦活する必要がある。酸化性ガスとして
は、主として水蒸気、炭酸ガスが使用され一部酸素が含
まれる場合もある。また、これらのガスは炭化水素の燃
焼ガス等で希釈して使用されることが多い。賦活温度は
後述の実施例及び比較例の結果に示す様に好ましくは 6
00℃以上であり、1200℃以下であることが好ましく、よ
り好ましくは 800℃以上であり、1100℃以下である。
【0019】トリハロメタン吸着用には活性炭の賦活度
はその比表面積が 300 m2/g 以上、1500 m2/g 以下の範
囲が好ましく、 700 m2/g 以上、1200 m2/g 以下がより
好ましい。比表面積が1500 m2/g 程度以上になると、ト
リハロメタン吸着性が低下する傾向が認められるためで
あり、また平均細孔径もやや大きくなることが認められ
る。フミン酸吸着用では活性炭の賦活度はその比表面積
が 1000 m2/g以上、3000 m2/g 以下の範囲が好ましく、
1500 m2/g 以上、2800 m2/g 以下がより好ましい。
【0020】賦活炉としてはロータリーキルン、流動
炉、ヘレショフ炉、スリーブ炉等が使用できる。また、
賦活時間は賦活炉の構造や目的とする活性炭の品質に応
じて適宜設定されるが、一般に15分から、20時間程度が
好ましい。
【0021】従来の活性炭の製法ではトリハロメタンま
たはフミン酸に対して、高い吸着性を有する活性炭をつ
くることはできなかった。前述の様に本発明方法によっ
て得られた活性炭は、トリハロメタンまたはフミン酸に
対して高い吸着性を有するため浄水剤として、大型或い
は小型の各種浄水器に適用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、実施例を挙げて本発明につ
いて更に詳しく説明する。
【0023】(実施例1〜11、比較例1〜7)椰子がら
炭化物を破砕した平均粒子径が1〜3mm、強熱残分5.2
wt%の粒子を、塩酸及び窒素ガスの混合比が20:80のガ
スの気流中で 800℃で、30分間処理して表1に示す炭素
剤(実施例1〜3、比較例1〜3)を得た。
【0024】塩化アルミニウムを触媒として重合したフ
ェノール樹脂炭化物を、前記と同様な塩化水素混合ガス
中で熱処理して表1に示す炭素剤(実施例4、5、比較
例4)を得た。また、強熱残分3.5 wt%を含むジビニル
ベンゼン−スチレン共重合樹脂(DVS-ST樹脂)炭化物
を、同様に処理して表1に示す炭素材(実施例6、7、
比較例5)を得た。
【0025】強熱残分8.5 wt%を含む豪州産石炭コリー
炭の炭化物及び、強熱残分11.7wt%を含むアメリカ産石
炭キーストン炭の炭化物を前記と同様に処理して、表1
に示す炭素材(実施例8、9、比較例6及び実施例10、
11、比較例7)を得た。
【0026】前記のハロゲン化合物含有ガス中で熱処理
して得られた炭素材を、LPG 燃焼ガス中で表2または表
3に示した条件で賦活して活性炭を調製した。それらの
活性炭のトリハロメタンとしてクロロホルム及びフミン
酸の吸着能を、下記の測定方法によって測定した。その
結果をそれぞれ表2及び表3に示す。
【0030】クロロホルム吸着量測定方法 活性炭のサンプルをサンプルミルで 330メッシパス分が
90 %以上となるまで粉砕した後、115 ℃で3時間乾燥
しデシケーター中で放冷する。微粉砕したサンプルを秤
量してバイアル瓶に入れる(サンプル添加量は活性炭の
吸着量によって調整する。)
【0031】バイアル瓶には予め濃度100 ppb に調整し
たクロロホルム水溶液が100 ml加えられ、テフロンシー
ト、ブチルカップ、アルミシールでシールして、25℃で
振とう器により2時間振とうする。また、ブランクテス
ト用にサンプルを加えないバイアル瓶も同様に調整す
る。
【0032】2時間経過後バイアル瓶を取り出し、アル
ミシールの中央部のみ取り外しマイクロシリンジでメタ
ノールを 10 μl 加え、振り混ぜた後、25℃の恒温槽に
1時間静置する。1時間後バイアル瓶のヘッドガスをマ
イクロシリンジで 0.1 ml 採取し、ECD ガスクロマトグ
ラフィーを測定し、検量線によって残留クロロホルム濃
度を算出する。また、ブランクテスト用のバイアル瓶に
ついても同様にクロロホルム濃度を測定する。
【0033】原液のクロロホルム濃度と残留クロロホル
ム濃度から数1によって、活性炭のクロロホルム吸着能
(mg/g・活性炭) を算出する。
【0035】フミン酸吸着量測定法 フミン酸試薬 33gを 1N NaOH液に溶解し30分振とう後、
pHを 4.5に調製して遠心分離機で分離濾過する。得られ
た濾液を緩衝駅を用いてpH 7.4に調製後吸引濾過してフ
ミン酸原液とする。TOC を含まない水 (蒸留水、精製
水、活性炭処理水等) を用いて希釈し、TOC 濃度が 5 p
pmになる様に調製する。活性炭を5段階で添加し、1,
2,5,10, 20mg/100ml, 25℃で放置して吸着させる。
濾液についてTOC を測定し、等温吸着線を作成する。こ
の時 1 mg/g の残留濃度の吸着量をフミン吸着能とし
た。
【0036】表1によって、炭素質材料である椰子が
ら、フェノール樹脂等の合成樹脂及び各種石炭の炭化物
の強熱残分は、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流中
で熱処理した場合は、ハロゲン化合物を含まない不活性
ガス中で熱処理した場合に較べて、著しく低下すること
が認められる。
【0037】また表2及び表3によって、ハロゲン化合
物を含む不活性ガス気流中で熱処理した炭素剤を賦活し
て得られた活性炭の、トリハロメタン及びフミン酸吸着
能は、ハロゲン化合物を含まない不活性ガス中で熱処理
した場合に較べて、著しく向上することが認められる。
【0038】更に、トリハロメタン等の吸着能はハロゲ
ン化合物を含む不活性ガス気流中における熱処理温度
が、 400℃では不十分でありまた1400℃では 1200 ℃の
場合に較べてかなり低下することが認められる。また賦
活温度も1300℃では1100℃の場合に較べて却って低下す
ることが認められる。
【0039】(実施例12〜25)炭素質材料として椰子が
らまたは、フェノール樹脂及びジビニルベンゼン−スチ
レン共重合樹脂の炭化物を使用し、ハロゲン化合物とし
ては実施例1で使用した塩酸及び四塩化炭素以外の有機
ハロゲン化合物であるクロロホルム、トリクロロエタ
ン、ヘキサクロロベンゼン、及び無機ハロゲン化合物で
あるPCl5、BrCl、AlCl3 を使用して、表4及び表5に示
した条件で熱処理及び賦活して活性炭を調製した。
【0040】これらの活性炭を使用して前記の実施例1
と同様にして、トリハロメタン吸着能及びフミン酸吸着
能を測定した。その結果を併せて表4及び表5に示す。
【0043】表4によって、炭素質材料として椰子がら
または、フェノール樹脂等の合成樹脂炭化物を使用し、
ハロゲン化合物としては有機及び無機の各種の化合物を
使用した場合にも、トリハロメタンに対して総て高い吸
着能を示すことが認められる。
【0044】また表5によって、フミン酸に対しても前
記のトリハロメタンの場合と同様に総て高い吸着能を示
すことが認められる。
【0045】(比較例8〜17)実施例1、4、6、8及
び10において炭素質材料として使用した、椰子がらまた
は石炭、フェノール樹脂等の合成樹脂を酸水洗、或いは
アルカリ浸漬等によって予め強熱残分を減少させた炭素
質材料を調製し、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流
中で熱処理して炭素剤を調製した。その組成を表6に示
す。
【0046】前記で得られた炭素剤を表7に示す条件で
賦活して活性炭を調製し、実施例1と同様にしてトリハ
ロメタン吸着能を測定した。その結果を併せて表7に示
す。
【0047】また、表6に示す炭素剤を表8に示す条件
で賦活して活性炭を調製し、実施例1と同様にしてフミ
ン酸吸着能を測定した。その結果を併せて表8に示す。
【0051】表6によって、予め強熱残分の大部分を除
去した炭素質材料を使用した場合は実施例1と同様な条
件で、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で熱処理
した場合強熱残分が低下する絶対量は、強熱残分含有量
が高い表2の炭素質材料と較べると、かなり少ないこと
が認められる。
【0052】表7によって、前記で得られた炭素剤を賦
活して得られた活性炭のトリハロメタン吸着能は、表2
に示された強熱残分を予め除去しない炭素剤を使用した
場合に較べて、著しく低下していることが認められる。
【0053】また、表8によって、表6で得られた炭素
剤を賦活して得られた活性炭のフミン酸吸着能は表3に
示された、強熱残分を予め除去しない炭素剤を使用した
場合に較べて、著しく低下していることが認められる。
【0054】
【発明の効果】本発明は原料として強熱残分含有量が高
い炭素質材料を、ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流
中で熱処理した後賦活することを特徴とする活性炭の製
法で、トリハロメタンまたはフミン酸の吸着性が高い活
性炭が得られる特徴がある。従来の活性炭の製法ではト
リハロメタン等に対して、高い吸着性を有する活性炭を
つくることはできなかった。このため本発明方法によっ
て得られた活性炭は、水中のトリハロメタンまたはフミ
ン酸を吸着・除去するため浄水剤として、大型或いは小
型の各種浄水器に適用することができる。
フロントページの続き (72)発明者 田中 栄治 岡山県備前市鶴海4342 クラレケミカル株 式会社鶴海工場内 Fターム(参考) 4D024 AB11 BA02 BB01 BB02 BB05 4G046 HA01 HA03 HA05 HA07 HB07 HC08 HC11 4G066 AA05B BA07 BA09 BA16 BA36 CA33 DA01 DA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強熱残分が 3wt%以上の炭素質材料を、
    ハロゲン化合物を含む不活性ガス気流中で 500℃以上、
    1300℃以下で熱処理した後、酸化性ガス中で賦活処理す
    ることを特徴とする活性炭の製法。
  2. 【請求項2】 賦活温度が 600℃以上、1200℃以下であ
    る請求項1記載の活性炭の製法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の方法で得られた
    活性炭を使用することを特徴とする水処理方法。
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