JPH0840713A - 活性炭およびその製造方法並びに水処理用に該活性炭を使用する方法 - Google Patents

活性炭およびその製造方法並びに水処理用に該活性炭を使用する方法

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JPH0840713A
JPH0840713A JP7126375A JP12637595A JPH0840713A JP H0840713 A JPH0840713 A JP H0840713A JP 7126375 A JP7126375 A JP 7126375A JP 12637595 A JP12637595 A JP 12637595A JP H0840713 A JPH0840713 A JP H0840713A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で且つ高性能の活性炭及びその製造方法
並びに水処理用に該活性炭を使用する方法を提供する。 【構成】 比表面積が1300m2 /g以上で、細孔容
積が3.00ml/g以上の活性炭である。下水汚泥を
炭化したのち、酸で無機物を抽出し、引き続いて賦活処
理をすることにより活性炭を製造する。下水汚泥を炭化
する際に、発泡剤兼賦活剤としてアルカリ金属珪酸塩を
加えることができる。下水を循環式硝化脱窒後、砂濾過
したものを上記活性炭を充填した容器中を通過させるこ
とにより水処理をする。賦活剤として水酸化ナトリウム
を用いることができる。また、賦活温度として、350
〜450℃で一定時間加熱した後、450〜900℃で
一定時間加熱することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水の生物処理の際に
大量に発生する活性汚泥から得られる付加価値の高い活
性炭及びその活性炭の製造方法並びに水処理用にその活
性炭を使用する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、下水処理に際して大量に発生する脱水汚泥は、主と
して焼却され、有用物の回収や資源の利用はされていな
い。また、焼却灰の埋立処分に当たっては、多大な経費
を要することに加え、処分地の確保もますます困難にな
るなど、多くの課題を抱えている。また、最近の汚泥処
理方法として、汚泥のスラグ化・溶融化が行われている
が、これらから得られる資材が有効に活用されていると
は言いがたい状況である。
【0003】さらに、下水の汚泥を炭化・賦活し、吸着
剤を得る方法は各種提案されているが、無機物を多量に
含んでいることもあって、これらの試みが技術的に確立
されているとは言えないのが現状である。上記したごと
く、下水汚泥の減容化・再利用化の技術を早期に確立す
ることが求められている。
【0004】ところで、我が国における活性炭の製造に
際しては、原料となる木材、オガクズ、ヤシ殻、石炭、
亜炭などの炭材の大部分を輸入に依存しているという背
景がある。一方、水資源確保の観点から、水の浄化や再
利用を図るために浄化能力の優れた、安価な活性炭が求
められている。
【0005】この点、下水汚泥はカルシウム、鉄、アル
ミニウム、燐、珪素、マグネシウムを主成分とした多く
の無機物を含み、水蒸気、二酸化炭素を用いるガス賦活
法、塩化亜鉛、燐酸、アルカリ金属塩を用いる薬品賦活
方法では活性炭を得るのが困難であった。例えば、下水
汚泥を脱水した後、直接炭化・賦活して活性炭(脱色
剤)を得る試みが行われているが、無機物が多く、性能
のよい活性炭(脱色剤)は得られていない。また、下水
汚泥を窒素雰囲気中で炭化・水蒸気賦活した例は知られ
ているが、この場合に凝集剤として無機物を添加せず、
高分子凝集剤で凝集、遠心分離した生汚泥を用いても、
比表面積54〜69m2 /g、細孔容積0.06〜0.
10ml/g、沃素吸着量93〜151mg/mgで、
市販活性炭の1/10程度の性能しか得られていない。
【0006】本発明はこのような従来の技術の有する問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、安価
で且つ高性能の活性炭及びその製造方法並びに水処理用
に該活性炭を使用する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の要旨は、比表面積が1300m2 /g以上
で、細孔容積が3.00ml/g以上であることを特徴
とする活性炭を第一の発明とし、下水汚泥を炭化したの
ち、酸で無機物を抽出し、引き続いて賦活処理をするこ
とを特徴とする上記第一の発明の活性炭を製造する方法
を第二の発明とし、上記第二の発明において、下水汚泥
を炭化する際に、発泡剤兼賦活剤としてアルカリ金属珪
酸塩を加えることを特徴とする活性炭の製造方法を第三
の発明とし、下水を循環式硝化脱窒後、砂濾過したもの
を第一の発明の活性炭を充填した容器中を通過させるこ
とを特徴とする水処理用に活性炭を使用する方法を第四
の発明とする。
【0008】上記第二の発明において、賦活剤として水
酸化ナトリウムを用いることを特徴とする活性炭の製造
方法を第五の発明とし、上記第二の発明において、賦活
温度として、350〜450℃で一定時間加熱した後、
450〜900℃で一定時間加熱することを特徴とする
活性炭の製造方法を第六の発明とし、上記第二の発明に
おいて、賦活剤として水酸化ナトリウムを用い且つ賦活
温度として、350〜450℃で一定時間加熱した後、
450〜900℃で一定時間加熱することを特徴とする
活性炭の製造方法を第七の発明とし、上記第三の発明に
おいて、アルカリ金属珪酸塩の添加量を増加することを
特徴とする活性炭の製造方法を第八の発明とする。
【0009】下水汚泥を直接、または水分調整後成型す
るが、下水汚泥中の乾燥固形物1000重量部に、アル
カリ金属珪酸塩1〜250重量部を成型剤・発泡剤・賦
活剤として添加し、混練した後成型すると、汚泥中の無
機物と反応してゲル化し、取扱容易な成型物を得ること
ができる。
【0010】この成型物を乾燥後300〜800℃で加
熱処理すると、20〜75重量%の無機物を含む炭化物
を得ることができる。
【0011】この炭化物を破砕して破砕炭を得ることが
でき、粉砕して粉末炭を得ることができるが、篩等によ
り一定形状の炭化物を効率よく得るには、下水汚泥固形
物1000重量部に、アルカリ金属珪酸塩1〜250重
量部、好ましくは5〜100重量部を加え、成型後熱処
理することにより、適度な強度が得られ、微粉化せず、
以後の工程で一定形状を保つことができる。
【0012】上記炭化物に塩酸、過塩素酸、塩素酸、亜
塩素酸、次亜塩素酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸およびこ
れらの混酸を無機物中の金属類の当量以上、好ましくは
当量の1.5倍以上加えて加熱し、撹拌すると、金属類
の殆どが酸溶液中に溶出する。酸溶液中に溶出した無機
物は、PH・溶解度積を利用した燐酸鉄、燐酸カルシウ
ムの沈降分離や選択吸着による燐の回収などを経て、有
用な工業原料として再利用される。上記酸溶液を濾過後
複数回水洗を行うが、最初の2〜5回は0.001〜1
N/lの酸で水洗するのが好ましく、このようにすれば
炭化物細孔内に賦活の妨害となる金属水酸化物沈殿を生
じない。
【0013】酸洗後、水洗した炭化物を乾燥すると、1
00〜300m2 /gの比表面積を有するとともに、
0.5〜1.5ml/gの細孔容積を有する多孔質の炭
化物が得られる。上記数値は良質な活性炭となる木炭の
場合に近い値である。この炭化物は走査型電子顕微鏡で
の1000〜5000倍の観察では、木炭の仮導管や細
胞膜から形成される大きなハニカム構造体は認められ
ず、水銀圧入法による細孔径の分布は、細孔半径17〜
2×106 Åまで広い範囲にわたり、酸により溶出した
無機物の跡に、炭化物粒子径に比べて小さな径のマクロ
細孔、メソ細孔およびミクロ細孔が平均的に分布した、
良質の活性炭原料となる多孔性を示す。また、多孔質炭
化物中には、酸に不溶な珪素を主成分とする無機物が、
5〜40重量%残存する。
【0014】上記した多孔質炭化物を賦活して高性能の
活性炭を得るには、アルカリ薬剤を用いる薬品賦活法が
好ましく、珪素を主成分とする無機物を溶出しマクロ孔
となり、さらに薬品賦活特有のミクロ孔・メソ孔が生成
する。
【0015】上記したアルカリ薬剤による賦活は公知の
方法を採用すればよく、例えば、アルカリ薬剤と混合し
て不活性ガス雰囲気中で350〜900℃で熱処理し、
珪素を主成分とする無機物を溶出させた後に賦活する方
法が好ましく、アルカリ薬剤の融点以上であって炭化物
の賦活反応速度が遅い温度である350〜450℃の温
度に0.5〜5時間保った後、温度を上げ、450〜9
00℃で0.25〜5時間、より好ましくは650〜8
50℃で0.5〜3時間賦活すると収率および吸着性能
が向上し、経済的である。
【0016】アルカリ賦活後、溶解・濾過・水洗する。
水洗を繰り返した後、0.001〜3N/lの塩酸、硝
酸、硫酸およびそれらの混酸を加え、酸性にして脱灰
し、中和、洗浄するが、珪酸が溶液中に残留すると珪酸
ゲルとなり、活性炭の性能を低下させるが、珪酸ゲルは
活性炭に比べて沈降速度が遅く、撹拌・デカンテーショ
ンを繰り返すと、上澄み液とともに分離できる。溶解は
添加したアルカリ薬剤の2〜50倍容量、好ましくは2
〜10倍容量の水を添加すれば、アルカリ濃度が高く、
珪酸ゲルを析出せず、濾過速度が早く、能率的である。
以上の操作の後、乾燥すると、高性能の活性炭が得られ
る。
【0017】以上のような方法で得た活性炭から粒状活
性炭を得るには、公知の方法を用いればよく、成型物の
強度が得られるフェノール樹脂、ユリヤ樹脂、ピッチ、
タール、アルギン酸ソーダ、ナフタレンスルホン酸塩の
ホルマリン縮合物またはリグニン主原料の樹脂等の1〜
30重量%をバインダーとして添加、混練、造粒し、不
活性ガス雰囲気中で150〜850℃で30分〜5時間
加熱すると粒状活性炭を得ることができる。
【0018】
【作用】炭化した下水汚泥を酸処理し、炭化物中の無機
物を溶出させ、多孔質炭化物を得、さらに、炭化物を賦
活することによって、比表面積・細孔容積が大きくて、
吸着性能の優れた活性炭を得ることができる。
【0019】賦活剤として水酸化ナトリウムを用いる
と、メソ孔(細孔半径10〜250Å)の特に発達した
活性炭を得ることができる。また、この賦活に際して、
賦活温度として、350〜450℃で一定時間加熱して
無機物を溶出させた後、450〜900℃で一定時間加
熱するという2段加熱を採用することにより、収率およ
び吸着性能が向上するとともにメソ孔を増加させること
ができる。この2段加熱における後段加熱の温度が90
0℃を超えると、酸で無機物を抽出した炭化物に対する
収率が極端に低下し、450℃未満のものは吸着性能が
低い。
【0020】汚泥の炭化に際しては、直接または水分調
整後成型するが、アルカリ金属珪酸塩を添加すると、水
分調整せずに、取扱い容易な成型物を得ることができ
る。さらに、このアルカリ金属珪酸塩の添加量を増加す
ることによって、ミクロ孔およびメソ孔の比率の高い活
性炭を得ることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。 〔実施例1〕下水汚泥として分流式都市下水処理場の余
剰汚泥を塩化第二鉄を凝集剤としてベルトプレスで脱水
した、含水率77.49重量%、強熱減量14.41重
量%の脱水汚泥を原料とし、直径40mm・長さ80mmの
円筒状に成型し、この円筒状のものを含水率20重量%
になるように乾燥器で乾燥後、炭化炉で650℃以下に
保って炭化物を得た。この炭化物を、粉砕器を用いて直
径2mm以下に粉砕し、濃度7重量%の塩酸を重量比で1
0倍量加え、20分間撹拌しつつ沸騰させた。その後、
吸引濾過し、酸溶液を分離し、0.01N/l塩酸で3
回洗浄した後、濾過液のPHが5以上になるまで水で繰
り返し洗浄し、110℃で2時間乾燥器で乾燥して炭化
物を得た。さらに、得られた炭化物をニッケル坩堝に入
れ、水酸化カリウムを重量比で3倍量加え、窒素ガス雰
囲気中で450℃に保って1.5時間、さらに650℃
に昇温して2時間加熱し、賦活した。冷却後、水酸化カ
リウムの10倍容量の水で溶解、吸引濾過し、アルカリ
液を分離して得た賦活後の炭化物を水洗用の容器に移
し、水洗液のPHが10になるまで撹拌と沈降分離(デ
カンテーション)を繰り返し水洗した。その後、0.1
N/l塩酸溶液中で10分間撹拌し、脱灰した。脱灰
後、吸引濾過し、濾液のPHが5になるまで、水で繰り
返し洗浄した後110℃で2時間乾燥して活性炭を得
た。
【0022】〔実施例2〕実施例1と同一の脱水汚泥を
原料とし、成型剤・発泡剤・賦活剤として、汚泥100
0重量部に、JIS3号珪酸ナトリウム水溶液(組成:
Na2 O=9.26重量%、SiO2 =28.26重量
%)12.6重量部を50重量部の水と混合したものを
添加して混練し、実施例1と同様に成型後実施例1と同
様の処理をして活性炭を得た。
【0023】〔実施例3〕実施例2において、JIS3
号珪酸ナトリウム水溶液の添加量を25.2重量部とし
た以外は実施例2と同様の処理をして活性炭を得た。
【0024】実施例1〜3において脱水汚泥成型物から
得られた炭化物の組成(重量部)を次の表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】また、実施例1〜3で得られた活性炭の物
理特性を次の表2に示し、比較のために、市販活性炭の
物理特性を表3に示す。
【0027】表2〜表5、表7および表8において、ガ
ス吸着法(BET法)、窒素ガス吸着法、水銀圧入法と
は以下の内容の試験方法である。 ガス吸着法(BET法)=固体表面に気体分子を吸着さ
せ、或る吸着平衡圧における吸着量を測定し、BET式
により計算する方法。
【0028】窒素ガス吸着法=窒素ガスの相対圧力を段
階的に変えて、吸着等温線より、細孔分布・細孔容積を
求める方法。 水銀圧入法=水銀に圧力を加えることにより、順次細孔
に圧入されることを利用した測定法。必要圧力から細孔
径が得られ、圧入量から細孔容積が求められる。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】表2、表3に明らかなように、本実施例1
〜3に係るものは、市販活性炭に比して比表面積・細孔
容積が大きく、メチレンブルー吸着性能が優れている。
【0032】上記実施例1〜3は、下水汚泥を炭化する
に際して下水汚泥1000重量部に対するJIS3号珪
酸ナトリウム水溶液(アルカリ金属珪酸塩)の添加量を
変えたものであり、窒素ガス吸着法による細孔容積の比
較を図1に示し、累積細孔容積の比較を図2に示し、微
分細孔容積の比較を図3に示す。
【0033】実施例1はJIS3号珪酸ナトリウム水溶
液無添加であり、実施例2、3はそれぞれJIS3号珪
酸ナトリウム水溶液の添加量が12.6重量部、25.
2重量部であって、図1〜3に明らかなように、下水汚
泥を炭化する際に、実施例2または3のようにアルカリ
金属珪酸塩を添加することによってミクロ孔およびメソ
孔が増加し、さらにその添加量を増加することにより
(実施例3)、ミクロ孔およびメソ孔の比率が一層高い
活性炭を得ることができる。
【0034】なお、図1において、ミクロ孔、メソ孔、
マクロ孔のそれぞれの細孔半径は、5〜10Å、10〜
250Å、250〜1500Åである。
【0035】〔実施例4〕実施例1〜3と同じ方法で凝
集、脱水した含水率75.40重量%、強熱減量16.
40重量%の脱水汚泥を原料とし、実施例1と同様の処
理を行い、活性炭を得た。そして、この活性炭に200
重量%の水を加え、加湿した後、ナフタレンスルホン酸
塩のホルマリン縮合物をバインダーとして20重量%添
加し、ニーダーで混練後、デスクペレッターで直径3mm
・長さ3mmに造粒し、110℃で4時間乾燥器で乾燥
し、さらに窒素ガス雰囲気中で7℃/min.の速度で70
0℃まで昇温後、2時間その温度に保って熱処理し、粒
状活性炭を得た。
【0036】〔実施例5〕実施例4と同じ脱水汚泥10
00重量部に、JIS3号珪酸ナトリウム水溶液5重量
部を50重量部の水と混合したものを添加して混練し、
以後実施例2と同様の処理をして得た活性炭に、さらに
実施例4と同様の処理を施して粒状活性炭を得た。
【0037】実施例4、5で得た粒状活性炭の物理特性
を次の表4に示し、比較のために、市販の水処理用活性
炭の物理特性を表5に示す。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】表4、表5に明らかなように、本実施例
4、5に係るものは、ミクロ孔、メソ孔およびマクロ孔
の広い領域にわたり細孔を有し、市販水処理用活性炭に
比して比表面積・細孔容積が大きく、メチレンブルー吸
着性能・沃素吸着性能ともに市販品より優れている。
【0041】〔実施例6〕実施例4、5で得られた粒状
活性炭の水処理への適応性を評価するために実験を行っ
た。その方法は、中規模分流式都市下水道の最初沈殿池
越流水を循環式硝化脱窒後、砂濾過したものを原水とし
て、この原水を、図4に示すような配管1、2または3
を経て、活性炭C1 、C2 またはC3 を充填した直径1
30mm・高さ750mmのカラムX、YまたはZ中を重力
下降流にて通水するという方法である。4は逆洗時の通
水方向である。上記実験諸元を次の表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】また、実施例6で得た累積通水量に対する
CODの除去率およびTOCの除去率の推移を図5に示
す。図5に明らかなように、本実施例4、5に係るもの
は標準品に比してCOD除去率およびTOC除去率とも
に優れている。
【0044】〔実施例7〕実施例1と同じ方法で凝集、
脱水した含水率74.50重量%、強熱減量17.8重
量%の脱水汚泥1000重量部に、JIS3号珪酸ナト
リウム水溶液5.1重量部を50重量部の水と混合した
ものを添加して混練し、実施例1と同様に成型後、実施
例1と同様の処理をして活性炭を得た。
【0045】〔実施例8〕実施例7において、賦活剤を
水酸化カリウムに代えて水酸化ナトリウムを用いた以外
は実施例7と同様の処理をして活性炭を得た。
【0046】〔実施例9〕実施例7において、得られた
炭化物を賦活するに際し、炭化物をニッケル坩堝に入
れ、水酸化カリウムを重量比で3倍量加え、窒素ガス雰
囲気中で450℃に保って1.5時間加熱し、さらに8
30℃に昇温して2時間加熱するという方法で賦活した
以外は実施例7と同様の処理をして活性炭を得た。
【0047】〔実施例10〕実施例7において、得られ
た炭化物を賦活するに際し、賦活剤を水酸化カリウムに
代えて水酸化ナトリウムを用い、炭化物をニッケル坩堝
に入れ、水酸化ナトリウムを重量比で3倍量加え、窒素
ガス雰囲気中で450℃に保って1.5時間加熱し、さ
らに830℃に昇温して2時間加熱するという方法で賦
活した以外は実施例7と同様の処理をして活性炭を得
た。
【0048】実施例7〜10で得られた活性炭のメチレ
ンブルー吸着性能、沃素吸着性能および比表面積を以下
の表7に示し、窒素ガス吸着法による細孔容積の比較を
図6に示し、累積細孔容積の比較を図7に示し、微分細
孔容積の比較を図8に示し、細孔容積の分布を以下の表
8に示す。
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【0051】図6〜8および表8に明らかなように、賦
活時の温度を上げるか(実施例9)、または賦活剤とし
て水酸化ナトリウムを用いることにより(実施例8)、
メソ孔の比率を高めることができる。そして、賦活時の
温度を上げるとともに賦活剤として水酸化ナトリウムを
用いることにより(実施例10)、メソ孔の比率を一層
高めることができる。また、表7に明らかなように、実
施例8〜10に係るものは、実施例7に比してメチレン
ブルー吸着性能が優れている。なお、ミクロ孔、メソ孔
およびマクロ孔の細孔半径の意味は、図1と同じであ
る。
【0052】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、次の効果を奏する。 請求項1〜3記載の発明によれば、有用な資源とし
て活用されることがなかった下水汚泥を利用して、性能
の優れた安価な活性炭およびその製造方法を提供するこ
とができる。 請求項2または3記載の発明によれば、市販品に比
して大きな比表面積と細孔容積を有し、ミクロ孔(細孔
半径10Å以下)、メソ孔(細孔半径10〜250Å)
およびマクロ孔(細孔半径250〜50000Å)の広
い領域にわたり細孔を有し、この特徴を活かして水処理
に使用しても優れた性能を発揮する活性炭を製造するこ
とができる。 さらに、請求項2または3記載の発明によれば、マ
クロ孔や50000Åを超える細孔半径の大きな細孔容
積を活かした生物活性炭としても利用できる活性炭を製
造することができる。 請求項4記載の発明によれば、効率的に水処理を行
うことができる。 請求項5〜7記載の発明によれば、メソ孔の比率の
高い活性炭を製造することができる。このメソ孔が多い
活性炭は色素吸着性能が優れており、吸着分子径の大き
い液相吸着に好適に使用することができる。 請求項8記載の発明によれば、ミクロ孔およびメソ
孔の比率の高い活性炭を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で製造した活性炭の細孔容積の分
布を示す図である。
【図2】図1を累積細孔容積で示した図である。
【図3】図1を微分細孔容積で示した図である。
【図4】水処理実験方法を説明する図である。
【図5】水処理実験による累積通水量に対するCODと
TOCの推移を示す図である。
【図6】本発明の方法で製造した活性炭の細孔容積の別
の分布を示す図である。
【図7】図6を累積細孔容積で示した図である。
【図8】図6を微分細孔容積で示した図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比表面積が1300m2 /g以上で、細
    孔容積が3.00ml/g以上であることを特徴とする
    活性炭。
  2. 【請求項2】 下水汚泥を炭化したのち、酸で無機物を
    抽出し、引き続いて賦活処理をすることを特徴とする請
    求項1記載の活性炭を製造する方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、下水汚泥を炭化する
    際に、発泡剤兼賦活剤としてアルカリ金属珪酸塩を加え
    ることを特徴とする活性炭の製造方法。
  4. 【請求項4】 下水を循環式硝化脱窒後、砂濾過したも
    のを請求項1記載の活性炭を充填した容器中を通過させ
    ることを特徴とする水処理用に活性炭を使用する方法。
  5. 【請求項5】 請求項2において、賦活剤として水酸化
    ナトリウムを用いることを特徴とする活性炭の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項2において、賦活温度として、3
    50〜450℃で一定時間加熱した後、450〜900
    ℃で一定時間加熱することを特徴とする活性炭の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項2において、賦活剤として水酸化
    ナトリウムを用い且つ賦活温度として、350〜450
    ℃で一定時間加熱した後、450〜900℃で一定時間
    加熱することを特徴とする活性炭の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3において、アルカリ金属珪酸塩
    の添加量を増加することを特徴とする活性炭の製造方
    法。
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