JPH0834605A - 浄水用吸着材 - Google Patents

浄水用吸着材

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JPH0834605A
JPH0834605A JP6194770A JP19477094A JPH0834605A JP H0834605 A JPH0834605 A JP H0834605A JP 6194770 A JP6194770 A JP 6194770A JP 19477094 A JP19477094 A JP 19477094A JP H0834605 A JPH0834605 A JP H0834605A
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JP
Japan
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activated carbon
surface area
amount
high surface
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JP6194770A
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English (en)
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Toshiro Otowa
利郎 音羽
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Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱塩素能力がすぐれかつトリハロメタン除去
能力も有する浄水用吸着材を提供することを目的とす
る。 【構成】 炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得
られる高表面積活性炭を熱処理し、表面官能基の大部分
を除去して高表面積低表面官能基量活性炭となす。BE
T比表面積は1500m2/g以上であり、表面の含酸素官
能基量は60meq/100g以下、その含酸素官能基のうちの
カルボキシル基量は5meq/100g以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱塩素能力がすぐれか
つトリハロメタン除去能力も良好な浄水用吸着材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】浄水器用の活性炭として、石炭、木屑、
ヤシ殻などを水蒸気により賦活した活性炭、あるいはそ
の活性炭に微量の銀を添着して抗菌性を付与した活性炭
などが使用されている。
【0003】活性炭としては、水蒸気賦活に代えて水酸
化アルカリで賦活した高表面積活性炭も知られている。
【0004】たとえば、特公昭62−61529号公報
(米国特許第408269号明細書に対応)には、炭素
原料として石油コークスまたはこれと石炭との混合物を
用い、この炭素原料と含水水酸化カリウム粒子とを混合
した後、予備假焼装置で加熱して脱水し、ついで假焼装
置で加熱して活性化することにより、BET比表面積が
2300m2/gを越える高表面積を有する活性炭を製造す
る方法が示されており、用途の一つとして水処理につい
ても言及がある。
【0005】本出願人の出願にかかる特開平2−974
14号公報(米国特許第5064805号明細書に対
応)には、炭素原料としてヤシ殻チャー、賦活剤として
含水水酸化カリウムを用い、これらヤシ殻チャーと含水
水酸化カリウムとを重量比で1:2〜1:6の割合で混
合すると共に、活性化可能な温度で加熱処理して高品質
活性炭を製造する方法が示されており、用途の一つとし
て水処理についても言及がある。
【0006】そのほか、浄水器にかかるものではない
が、空気を窒素と酸素とに分離する活性炭として、微細
孔を有する分子篩炭素(MSCと呼ばれている)も開発
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水蒸気賦活法による通
常の活性炭は、現在においては各用途別に製造条件が最
適化されているが、脱塩素能力やトリハロメタンの除去
能力には限界があり、現在以上の浄水能力の向上は望み
えない。
【0008】炭素原料を水酸化アルカリで賦活して得ら
れる高表面積活性炭は、本発明者の研究によれば、脱塩
素能力はすぐれているものの、トリハロメタンを除去す
る目的には不充分な効果しか得られないことが判明し
た。
【0009】微細孔を有する分子篩炭素は、水蒸気賦活
法による通常の活性炭よりもさらに脱塩素能力が劣ると
いう限界がある。そしてこの分子篩炭素は、トリハロメ
タンを吸着するのに適した細孔サイズを有するものの、
BET比表面積がたとえば300〜500m2/g程度と小
さい上、液相で用いる場合は溶質の拡散速度が遅すぎる
ため、これを浄水用途に用いてもトリハロメタンの吸着
除去効果は期待するほどではない。
【0010】浄水用途、殊に浄水器用途の吸着材は、最
小限の容積で必要な脱塩素能力およびトリハロメタン除
去能力を有することが不可欠であり、そのような要請に
応える吸着材の開発が強く望まれている。
【0011】本発明は、このような背景下において、脱
塩素能力がすぐれかつトリハロメタン除去能力も有する
浄水用吸着材を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の浄水用吸着材
は、炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得られる
活性炭であって、BET比表面積が1500m2/g以上で
あり、表面の含酸素官能基量が60meq/100g以下でかつ
その含酸素官能基のうちのカルボキシル基量が5meq/10
0g以下である高表面積低表面官能基量活性炭からなるこ
とを特徴とするものである。
【0013】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】高表面積低表面官能基量活性炭は、炭素原
料を水酸化アルカリにより賦活することにより高表面積
活性炭を得、ついでこの高表面積活性炭の表面に存在す
る含酸素官能基を一定限度以下にまで除去することによ
り得られる。
【0015】炭素原料としては、たとえば、石炭、石炭
コークス、石油コークス、ヤシ殻チャー、合成樹脂な
ど、あるいはこれらの混合物などが用いられる。炭素原
料は、10メッシュ篩上の粗粒のものや100メッシュ
篩下の微粉状のものを用いることも可能であるが、実質
的に10〜100メッシュのものを用いると、BET比
表面積の極めて大きい高表面積活性炭を取得することが
できる。
【0016】水酸化アルカリとしては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウ
ムあるいはこれらの混合物が用いられる。水酸化アルカ
リは、含水率2〜25重量%程度の水酸化アルカリを用
いることが望ましいが、さらに含水率の大きいものを用
いることもできる。含水率が2重量%未満では溶融温度
が高いため操作性が悪くなり、一方含水率が極端に大き
くなると賦活機能が低下する傾向がある。
【0017】炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際し
ての量的割合は、この順に重量比で1:2〜1:6、好
ましくは1:3〜1:5の範囲から選択することが望ま
しい。水酸化アルカリの過少は賦活不足を招き、水酸化
アルカリの過多は得られる活性炭の脆化を招く。
【0018】炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際し
ては、反応炉にまず含水水酸化アルカリを仕込み、その
溶融温度以上に加熱して溶融し、その溶融液に炭素原料
を投入して両者を混合することが望ましい。これにより
両者の接触が最も効率的になされる。ただし、反応炉に
炭素原料と含水水酸化アルカリを仕込んでから加熱し
て、後者を加熱溶融することも可能である。
【0019】炭素原料と含水水酸化アルカリとを混合し
た後は、炭素原料の活性化可能な温度で加熱処理する。
活性化可能な温度とは、通常480℃以上であり、特に
500〜900℃が好ましい。加熱は一定温度で行って
もよく、当初は比較的低い温度で、ついで昇温して比較
的高い温度で加熱するようにしてもよい。加熱中は必要
に応じ間歇的にあるいは連続的に撹拌を行う。加熱処理
は、バッチ、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0020】加熱処理終了後は、生成物を反応炉から取
り出し、洗浄、乾燥して高表面積活性炭を得、必要に応
じて造粒する。
【0021】このようにして得た高表面積活性炭のBE
T比表面積は、条件によっては1500m2/g未満のもの
も得られるが、本発明の目的には比表面積が1500m2
/g以上、好ましくは1700m2/g以上、殊に2000m2
/g以上のものを用いる。
【0022】この高表面積活性炭は、脱塩素能力はすぐ
れているものの、トリハロメタンの除去能力が劣ってい
る。そこで、高表面積活性炭の高い表面積および脱塩素
能力を低下させることなくトリハロメタンの除去能力を
上げることが必要となるが、この課題は、高表面積活性
炭を熱処理して、その表面に存在する含酸素官能基を一
定限度以下にまで除去することにより達成される。
【0023】このときの熱処理は、窒素ガス、稀ガスな
どの不活性ガス中、600〜900℃、1〜3時間程度
の条件で行うのが適当である。
【0024】この熱処理により高表面積活性炭の表面の
含酸素官能基量は著減するので、本発明においては、熱
処理条件を選ぶことにより、含酸素官能基量が60meq/
100g以下(好ましくは50meq/100g以下、殊に40meq/
100g以下)でかつその含酸素官能基のうちのカルボキシ
ル基量が5meq/100g以下(殊にほぼ0)になるようにす
る。なおカルボキシル基以外の含酸素官能基とは、主と
してラクトン基および水酸基である。
【0025】このようにして目的とする高表面積低表面
官能基量活性炭が得られるので、これを浄水用途、殊に
浄水器用途の吸着材として用いる。
【0026】上述の高表面積低表面官能基量活性炭から
なる本発明の浄水用吸着材は、他の活性炭と併用するこ
ともできる。そのような他の活性炭のうち好適なものの
一例は、炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得た
BET比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に有
機質材料を添着したのち炭化処理して得られる添着活性
炭である。
【0027】有機質材料としては、炭化可能でかつ溶媒
に溶解または分散するもの、たとえば、水溶性有機質材
料(ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ
アクリル酸塩、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレ
ンオキサイド、カルボキシビニルポリマー、ビニルアル
コール系ポリマー、デンプン類、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸塩、ゼラチン、カゼイン、デキストリ
ン、デキストラン、キサンタンガム、グアーガム、カラ
ギーナン、マンナン、トラガントガム、アラビアガム、
水溶性アクリル共重合体、水溶性ポリエステル、フェノ
ール樹脂初期縮合物、木材・パルプ・製紙工場における
廃液含有物または中間生成物、ショ糖・デンプン工場に
おける廃液含有物または中間あるいは最終生成物、接着
剤・繊維工場における廃液含有物等)、有機溶剤可溶性
有機質材料(ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、アクリル
系樹脂、アセチルセルロース、石油または石炭誘導体
(たとえば、多環式芳香族化合物、複素環式化合物のう
ち比較的分子量が大きいもの))、コールタールピッチ
などがあげられる。なお上記で例示したもののうちポリ
マーは、重合度の低いものやオリゴマーを含むものとす
る。
【0028】高表面積活性炭に対する有機質材料の炭化
処理後の添着量は、前者100重量部に対して後者を2
〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、殊に10〜
35重量部とすることが望ましい。後者の割合が余りに
少ないときは、トリハロメタンの吸着容量が不足する。
一方後者の割合が余りに多くても、表面積が低下するた
め、吸着量が低下するようになる。
【0029】高表面積活性炭に有機質材料を添着した後
の炭化処理は、窒素ガス、稀ガスなどの不活性ガス雰囲
気下に、温度700〜900℃程度で行うことが望まし
い。
【0030】上記工程を経ることにより添着活性炭が得
られるが、この添着活性炭の比表面積は500〜300
0m2/g、殊に800〜2500m2/gであることが望まし
い。
【0031】上述の高表面積低表面官能基量活性炭と添
着活性炭との配合割合は、前者を少なくとも一部(通常
は20重量%以上)含む限り任意である。
【0032】
【作用】炭素原料と含水水酸化アルカリとの混合物を活
性化可能な温度で加熱処理すると、当初は炭素原料およ
び含水水酸化アルカリの脱水、引き続き炭素原料の活性
化(賦活)が開始する。この活性化により、得られる活
性炭は高表面積を有するようになる。このようにして得
た高表面積活性炭は、トリハロメタンの除去能力は充分
ではないが、次亜塩素酸イオンの分解能力が大きいため
脱塩素能力がすぐれている。なお脱塩素とは、単なる次
亜塩素酸の吸着現象ではなく、下式のように活性炭表面
での分解による炭酸ガスの生成反応が関わっている。 C + 2 NaClO → CO2 + 2 NaCl
【0033】高表面積低表面官能基量活性炭を得るため
にこの高表面積活性炭をさらに熱処理すると、トリハロ
メタンの平衡吸着量は余り変化しないが、トリハロメタ
ンの除去能力(通水可能量、すなわち吸着のされやすさ
(速度))が顕著に向上する。これは、水酸化アルカリ
により賦活して得た高表面積活性炭の表面に多く存在し
ている含酸素官能基の大部分が熱処理により脱離して、
トリハロメタンの吸着が行われやすくなるためであると
考えられる。なお、上記のように熱処理を行ってもBE
T比表面積は事実上変化せず、脱塩素能力も低下しな
い。これは、含酸素官能基が炭素骨格のエッジ部分等に
多く形成されているため、熱処理により官能基は脱離す
るが、炭素の骨格構造そのものは保たれるからであろ
う。
【0034】一方、炭素原料を水酸化アルカリにより賦
活して得た高表面積活性炭に有機質材料を添着した後、
炭化処理すると、高表面積活性炭の細孔に有機質材料の
炭化物の層が形成されて添着活性炭となるが、その炭化
物の層はトリハロメタンの吸着に最適の微細孔(直径4
〜8オングストローム程度)となる。この場合、炭化物
の層の形成は高表面積活性炭の表面積をそれほどには損
なわないので、高い吸着量が保たれる。このようにして
得た添着活性炭は、トリハロメタンの吸着除去能力にす
ぐれている上、炭化物の層の形成により強度が大幅に向
上している。
【0035】なお、一般の活性炭に有機質材料を添着し
た後、炭化処理しても、表面積の低下が大きすぎて所期
の目的を達成することができない。
【0036】上述の高表面積低表面官能基量活性炭は、
それ単独でも脱塩素能力がすぐれておりかつトリハロメ
タン除去能力も有しているが、これをトリハロメタン除
去能力がさらにすぐれている上述の添着活性炭と併用す
ると、対象とする水に合った浄水設計が可能となる。
【0037】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で表わした
ものである。なおトリハロメタンの代表的物質として
は、最も分子量が小さく、従って一般に最も吸着しにく
いと言われているクロロホルムを選んだ。
【0038】〈測定方法〉BET比表面積、クロロホル
ム吸着量、塩素残存量(静的方法)、通水可能量(動的
方法)は、次の条件にて測定したものである。
【0039】BET比表面積 P/Po = 0.006〜0.1 の範囲でBETプロット(多点
法)により求めた。
【0040】細孔容積 P/Po < 0.931における窒素吸着量を液体窒素の体積
に換算して細孔容積(全細孔容積)とした。
【0041】含酸素官能基量 活性炭試料各2gを100mlのエルレンマイヤーフラス
コにとり、1/10規定のアルカリ試薬(NaHCO3, NaOC2H5)
を50ml加え、24時間充分に振とうさせてからろ別
し、残存するアルカリを1/10規定のHCl で滴定し、含酸
素官能基量を算出した。なおこのとき、NaOC2H5 と反応
した量(meq/100g)から全官能基量を求め、NaHCO3と反応
した量(meq/100g)からカルボキシル基量を求めた。
【0042】クロロホルム吸着量(平衡吸着量) 試料活性炭を110℃で3時間乾燥した後、30分間放
冷し、その0.05〜0.5gを100ml容量のゴム栓付きバ
イアル瓶に入れて精秤した。このバイアル瓶に純水を入
れてゴム栓をした。クロロホルムを20g/リットルの
濃度で含むメタノール溶液をゴム栓付きバイアル瓶内に
予め調製しておき、マイクロシリンジで5〜10μl を
採取し、試料瓶に直接注入し、室温にて2時間激しく撹
拌した。その後、試料瓶を25℃の恒温槽中に保ち、ヘ
ッドスペース50μl をECD検出管を備えたガスクロ
マトグラフィーにより分析した。なお、溶液中のクロロ
ホルム濃度とヘッドスペース中のクロロホルム濃度との
相関は予め求めておいた。試料活性炭量を変化させて吸
着等温線を求め、平衡濃度 0.1mg/リットル (100ppb)
における吸着量を便宜上クロロホルム吸着量として表示
した。
【0043】塩素残存量(静的方法) 次亜塩素酸ナトリウム3000ppm 含有水(25℃)1
00gに活性炭 0.4gを加え、密栓して2時間激しく振
とうした後、液をろ別し、必要に応じて1〜1000倍
に稀釈してから、オルトトリジンで発色させ、吸光度を
測定して、残存次亜塩素酸ナトリウムを定量した。
【0044】通水可能量(動的方法) 内径25mmの透明ガラス管に充填長35mmになるように
活性炭を充填し、次亜塩素酸ナトリウム2ppm を含む水
(25℃)を1リットル/minで通水し、出口濃度が0.4p
pmになるまでの通水量(リットル)を通水可能量(塩
素)とした。同様に、充填長80mmになるように活性炭
を充填し、CHCl3 50ppb を含む水(25℃)を通水
し、出口濃度が25ppb になるまでの通水量を通水可能
量(CHCl3) とした。
【0045】〈高表面積活性炭(A) 〉高表面積活性炭(A-1) 撹拌機、加熱機構および窒素導入管を備えた縦型の反応
炉に、含水率15%の粒状水酸化カリウム300部を仕
込み、60分かけて200℃にまで昇温した。これによ
り含水水酸化カリウムは溶融し、完全に無色透明の溶融
液となった。
【0046】系中の雰囲気を窒素ガスで置換した後、前
記の200℃の溶融液に20メッシュ篩下の石油精製コ
ークス(米国レイクチャールズ産、含水率12%)10
0部を投入し、撹拌した。
【0047】以後窒素ガスを導入しながら、系を内温が
400℃となるまで加熱して約1時間かけて脱水を行
い、水蒸気の発生が終ってからさらに600℃にまで加
熱して同温度に100分保ち、賦活を行った。
【0048】賦活終了後、反応炉から内容物を取り出し
て常温近くまで冷却し、ついで数回水で洗浄して水酸化
カリウムを洗い流した。洗浄液中にアルカリが検出され
なくなった時点で水を切り、温度110℃の熱風乾燥機
中で乾燥した。
【0049】これにより、BET比表面積2200m2/
g、細孔容積1.12ml/gの高表面積活性炭(A-1) が得られ
た。
【0050】高表面積活性炭(A-2) 石油精製コークスと水酸化カリウムとの割合および反応
条件を若干変更したほかは、高表面積活性炭(A-1) の製
造の場合と同様にして、BET比表面積3100m2/g、
細孔容積1.78ml/gの高表面積活性炭(A-2) を得た。
【0051】高表面積活性炭(A-3) 撹拌機、加熱機構および窒素導入管を備えた縦型の反応
炉に、含水率15%の粒状水酸化カリウム400部を仕
込み、60分かけて200℃にまで昇温した。これによ
り含水水酸化カリウムは溶融し、完全に無色透明の溶融
液となった。
【0052】系中の雰囲気を窒素ガスで置換した後、前
記の200℃の溶融液に20メッシュ篩下のヤシ殻チャ
ー(フィリッピン産、含水率3%)100部を投入し、
撹拌した。
【0053】以後窒素ガスを導入しながら、系を内温が
400℃となるまで加熱して約1時間かけて脱水を行
い、水蒸気の発生が終ってからさらに800℃にまで加
熱して同温度に100分保ち、賦活を行った。
【0054】賦活終了後、反応炉から内容物を取り出し
て常温近くまで冷却し、ついで数回水で洗浄して水酸化
カリウムを洗い流した。洗浄液中にアルカリが検出され
なくなった時点で水を切り、温度110℃の熱風乾燥機
中で乾燥した。
【0055】これにより、BET比表面積2680m2/
g、細孔容積1.50ml/gの高表面積活性炭(A-3) が得られ
た。
【0056】〈市販活性炭(A')〉市販ヤシ殻活性炭(A'-1) ヤシ殻を水蒸気で賦活した市販の活性炭を準備した。こ
の活性炭のBET比表面積は1160m2/g、細孔容積は
0.50ml/gであった。
【0057】市販浄水器活性炭(A'-2) 市販の浄水器に充填されている活性炭を準備した。この
活性炭のBET比表面積は1320m2/g、細孔容積は0.
68ml/gであった。
【0058】市販分子篩活性炭(A'-3) フェノール樹脂初期縮合物を不活性ガス雰囲気中にて温
度700℃で賦活して得た市販の分子篩活性炭を準備し
た。この分子篩活性炭のBET比表面積は300m2/g、
細孔容積は0.15ml/gであった。
【0059】〈高表面積低表面官能基量活性炭(B) 〉高表面積低表面官能基量活性炭(B-1), (B-2), (B-3) 高表面積活性炭(A-1), (A-2), (A-3) のそれぞれを、窒
素ガス雰囲気下に温度700℃で熱処理した。これによ
り、BET比表面積2180m2/g、細孔容積1.08ml/gの
高表面積低表面官能基量活性炭(B-1) 、BET比表面積
2950m2/g、細孔容積1.70ml/gの高表面積低表面官能
基量活性炭(B-2) 、BET比表面積2610m2/g、細孔
容積1.48ml/gの高表面積低表面官能基量活性炭(B-3) が
得られた。
【0060】〈市販活性炭(A')の熱処理品(B')〉熱処理品(B'-1) 上述の市販ヤシ殻活性炭(A'-1)を窒素ガス雰囲気下に温
度700℃で熱処理した。これにより、BET比表面積
1120m2/g、細孔容積0.48ml/gの熱処理品(B'-1)が得
られた。
【0061】〈添着活性炭(C) 〉添着活性炭(C-1a) 42〜80メッシュに篩分けた上述の高表面積活性炭(A
-1) 100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮
合物50gをメタノール60gに拡散したものを加えて
乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速
度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全
に樹脂を炭化させた。このようにして得られた添着活性
炭(C-1a)の重量はほぼ118gであった。
【0062】添着活性炭(C-1b) 42〜80メッシュに篩分けた上述の高表面積活性炭(A
-1) 100gに対し、ポリ塩化ビニリデンの10%濃度
のエマルジョン50gおよびメタノール50gを加えて
乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速
度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全
に樹脂を炭化させた。このようにして得られた添着活性
炭(C-1b)の重量はほぼ103gであった。
【0063】添着活性炭(C-1c) 42〜80メッシュに篩分けた上述の高表面積活性炭(A
-1) 100gに対し、コールタールピッチ50gおよび
メタノール60gを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰
囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、こ
の温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。このよ
うにして得られた添着活性炭(C-1c)の重量はほぼ125
gであった。
【0064】添着活性炭(C-3) 42〜80メッシュに篩分けた上述の高表面積活性炭(A
-3) 100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮
合物50gをメタノール60gに拡散したものを加えて
乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速
度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全
に樹脂を炭化させた。このようにして得られた添着活性
炭(C-3) の重量はほぼ118gであった。
【0065】〈比較添着活性炭(C')〉添着活性炭(C'-1) 上述の市販ヤシ殻活性炭(A'-1)(42〜80メッシュ)
100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮合物
50gおよびメタノール15gを加えて乾燥したもの
を、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃
まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化
させた。このようにして得られた添着活性炭(C'-1)の重
量は116gであった。
【0066】〈浄水試験例〉高表面積活性炭(A) とそれ
を熱処理して得た高表面積低表面官能基量活性炭(B) 、
市販活性炭(A')とその熱処理品(B')をそれぞれ単独で用
いたときのBET比表面積、細孔容積、含酸素官能基量
とカルボキシル基量、浄水性能(クロロホルム吸着量、
塩素残存量、通水可能量)を表1に示す。(B-1), (B-
2), (B-3) が本発明の浄水用吸着材に相当する。添着活
性炭(C) および比較添着活性炭(C')のデータについても
併せて表1に示す。
【0067】
【表1】 活性炭 比表面積 細孔容積 官能基量 CHCl3 塩素 通水可能量 吸着量 残存量 (リットル) (m2/g) (ml/g) (meq/100g) (mg/cm3) (ppm) 塩素 CHCl3 (A-1) 2200 1.12 92 (25) 0.91 91 750 20 (B-1) 2180 1.08 34 ( 0) 0.94 96 780 300 (C-1a) 1700 0.84 - 7.4 1200 75 420 (C-1b) 2000 0.99 - 3.4 1020 110 340(C-1c) 1600 0.79 - 3.5 850 40 330 (A-2) 3100 1.78 161 (46) 0.70 100 630 14(B-2) 2950 1.70 49 ( 0) 0.72 100 620 110 (A-3) 2680 1.50 112 (30) 0.75 118 450 10 (B-3) 2610 1.48 22 ( 0) 0.76 114 560 100(C-3) 2000 1.07 - 4.9 1250 80 120 (A'-1) 1160 0.50 14 ( 0) 0.80 1040 245 140 (B'-1) 1120 0.48 0 ( 0) 0.80 1100 230 150(C'-1) 500 0.20 - 0.80 1800 30 50 (A'-2) 1320 0.68 20 ( 0) 0.70 251 215 130 (A'-3) 300 0.15 5 ( 0) 0.14 1200 150 50 (注)官能基量の項目のうち、左側の数値は含酸素官能基量、( ) 内の数値は 含酸素官能基量のうちのカルボキシル基量。 添着活性炭については、表面官能基と直接関係しないので、官能基量の データはあげていない。
【0068】〈解 析〉表1から、高表面積低表面官能
基量活性炭(B) は、高表面積活性炭(A) に比しクロロホ
ルムの吸着量(平衡吸着量)は同等であるもののその通
水可能量(クロロホルムの動的除去能力)は飛躍的に大
きくなり、また脱塩素能力および脱塩素通水可能量が共
に良好であり、従って浄水性能がすぐれていることがわ
かる。
【0069】添着活性炭(C) は、クロロホルムの吸着除
去能力はすぐれているものの、脱塩素能力は劣ることが
わかる。しかしながら、添着活性炭(C) を上述の高表面
積低表面官能基量活性炭(B) と混合して用いるときは、
塩素残存量およびクロロホルム吸着量においてほぼ両者
の相加平均が得られることから、対象とする水中の不純
物の組成を考慮して両者の混合割合を選ぶことにより、
目的に合った精密な浄水設計が可能となる。
【0070】
【発明の効果】本発明の浄水用吸着材は、脱塩素能力が
すぐれている上、トリハロメタンも効果的に除去するこ
とができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して
    得られる活性炭であって、BET比表面積が1500m2
    /g以上であり、表面の含酸素官能基量が60meq/100g以
    下でかつその含酸素官能基のうちのカルボキシル基量が
    5meq/100g以下である高表面積低表面官能基量活性炭か
    らなることを特徴とする浄水用吸着材。
  2. 【請求項2】高表面積低表面官能基量活性炭のBET比
    表面積が1700m2/g以上であり、表面の含酸素官能基
    量が50meq/100g以下でかつその含酸素官能基のうちの
    カルボキシル基量がほぼ0である請求項1記載の浄水用
    吸着材。
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