JPH07215711A - 高機能活性炭の製造法 - Google Patents

高機能活性炭の製造法

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JPH07215711A
JPH07215711A JP6025992A JP2599294A JPH07215711A JP H07215711 A JPH07215711 A JP H07215711A JP 6025992 A JP6025992 A JP 6025992A JP 2599294 A JP2599294 A JP 2599294A JP H07215711 A JPH07215711 A JP H07215711A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分子篩機能を有しながらも吸着容量が大き
く、しかも実用化可能な強度を有する活性炭、殊に、水
中に含まれるトリハロメタン類を効果的に吸着除去しう
る浄水器用途の活性炭を製造する方法を提供することを
目的とする。 【構成】 石油コークス、ヤシ殻チャーなどの炭素原料
を水酸化カリウムなどの水酸化アルカリにより賦活して
得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に、フ
ェノール樹脂初期縮合物などの有機質材料を添着した
後、炭化処理する。これにより高機能活性炭が製造され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子篩機能を有し、吸
着容量が大きく、しかも強度が改善された活性炭、殊
に、水中に含まれるトリハロメタン類を効果的に吸着除
去しうる浄水器用途の活性炭を製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】浄水器用の活性炭として、石炭、木屑、
ヤシ殻などを水蒸気により賦活した活性炭、あるいはそ
の活性炭に微量の銀を添着して抗菌性を付与した活性炭
などが使用されている。
【0003】活性炭としては、水蒸気賦活に代えて水酸
化アルカリで賦活した高表面積活性炭も知られている。
【0004】たとえば、特公昭62−61529号公報
(米国特許第408269号明細書に対応)には、炭素
原料として石油コークスまたはこれと石炭との混合物を
用い、この炭素原料と含水水酸化カリウム粒子とを混合
した後、予備假焼装置で加熱して脱水し、ついで假焼装
置で加熱して活性化することにより、BET比表面積が
2300m2/gを越える高表面積を有する活性炭を製造す
る方法が示されており、用途の一つとして水処理につい
ても言及がある。
【0005】本出願人の出願にかかる特開平2−974
14号公報(米国特許第5064805号明細書に対
応)には、炭素原料としてヤシ殻チャー、賦活剤として
含水水酸化カリウムを用い、これらヤシ殻チャーと含水
水酸化カリウムとを重量比で1:2〜1:6の割合で混
合すると共に、活性化可能な温度で加熱処理して高品質
活性炭を製造する方法が示されており、用途の一つとし
て水処理についても言及がある。
【0006】そのほか、浄水器にかかるものではない
が、空気を窒素と酸素との分離する活性炭として、微細
孔を有する分子篩炭素(MSCと呼ばれている)も開発
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】水蒸気賦活法による活
性炭は、現在においては各用途別に製造条件が最適化さ
れているが、トリハロメタン類の吸着能力には限界があ
り、現在以上のトリハロメタン類の吸着能力の向上は望
みえない。これは、トリハロメタン類の吸着目的に好適
であると考えられている微細孔量が、水蒸気賦活法によ
る活性炭では限界に達しているためである。
【0008】これに対し水酸化アルカリで賦活した高表
面積活性炭は、比表面積が極めて大きいため、トリハロ
メタン類を効率的に吸着することが期待される。しかし
ながらこの高表面積活性炭は、そのテクスチュアに起因
して脆くかつ粉化しやすいので、高流速下で使用する浄
水器用途には適用困難である。
【0009】微細孔を有する分子篩炭素は、トリハロメ
タン類を吸着するのに適した細孔サイズを有するが、比
表面積がたとえば300〜500m2/g程度と小さい上、
液相で用いる場合は溶質の拡散速度が遅すぎるため、こ
れを浄水器の用途に用いても、トリハロメタン類の吸着
除去効果は期待するほどではない。
【0010】本発明は、このような背景下において、分
子篩機能を有しながらも吸着容量が大きく、しかも実用
化可能な強度を有する活性炭、殊に、水中に含まれるト
リハロメタン類を効果的に吸着除去しうる浄水器用途の
活性炭を製造する方法を提供することを目的とするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の高機能活性炭の
製造法は、炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得
た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に、有機
質材料を添着した後、炭化処理することを特徴とするも
のである。
【0012】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】高表面積活性炭は、炭素原料を水酸化アル
カリにより賦活することにより得られる。
【0014】炭素原料としては、たとえば、石炭、石炭
コークス、石油コークス、ヤシ殻チャー、合成樹脂な
ど、あるいはこれらの混合物などが用いられる。炭素原
料は、10メッシュ篩上の粗粒のものや100メッシュ
篩下の微粉状のものを用いることも可能であるが、実質
的に10〜100メッシュのものを用いると、表面積の
極めて大きい活性炭を取得することができる。
【0015】水酸化アルカリとしては、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムあるいはこれら
の混合物などが用いられる。水酸化アルカリは、含水率
2〜25重量%程度の水酸化アルカリを用いることが望
ましいが、さらに含水率の大きいものを用いることもで
きる。含水率が2重量%未満では溶融温度が高いため操
作性が悪くなり、一方含水率が極端に大きくなると賦活
機能が低下する。
【0016】炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際し
ての量的割合は、この順に重量比で1:2〜1:6、好
ましくは1:3〜1:5の範囲から選択することが望ま
しい。水酸化アルカリの過少は賦活不足を招き、水酸化
アルカリの過多は得られる活性炭の脆化を招く。
【0017】炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際し
ては、反応炉にまず含水水酸化アルカリを仕込み、その
溶融温度以上に加熱して溶融し、その溶融液に炭素原料
を投入して両者を混合することが望ましい。これにより
両者の接触が最も効率的になされる。ただし、反応炉に
炭素原料と含水水酸化アルカリを仕込んでから加熱し
て、後者を加熱溶融することも可能である。
【0018】炭素原料と含水水酸化アルカリとを混合し
た後は、炭素原料の活性化可能な温度で加熱処理する。
活性化可能な温度とは、通常480℃以上であり、特に
500〜900℃が好ましい。加熱は一定温度で行って
もよく、当初は比較的低い温度で、ついで昇温して比較
的高い温度で加熱するようにしてもよい。加熱中は必要
に応じ間歇的にあるいは連続的に撹拌を行う。加熱処理
は、バッチ、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0019】加熱処理終了後は、生成物を反応炉から取
り出し、洗浄、乾燥して高表面積活性炭とし、必要に応
じて造粒する。
【0020】このようにして得た高表面積活性炭の比表
面積は条件によっては1500m2/g未満のものも得られ
るが、本発明の目的には比表面積が1500m2/g以上
(好ましくは2000m2/g以上)であることが要求され
る。
【0021】そして本発明においては、上記のようにし
て得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に有
機質材料を添着した後、炭化処理する。
【0022】有機質材料としては、炭化可能でかつ溶媒
に溶解または分散するものが用いられる。たとえば、水
溶性有機質材料(ポリアクリルアミド、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸塩、ポリビニルメチルエーテ
ル、ポリエチレンオキサイド、カルボキシビニルポリマ
ー、ビニルアルコール系ポリマー、デンプン類、メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、カゼイン、
デキストリン、デキストラン、キサンタンガム、グアー
ガム、カラギーナン、マンナン、トラガントガム、アラ
ビアガム、水溶性アクリル共重合体、水溶性ポリエステ
ル、フェノール樹脂初期縮合物、木材・パルプ・製紙工
場における廃液含有物または中間生成物、ショ糖・デン
プン工場における廃液含有物または中間あるいは最終生
成物、接着剤・繊維工場における廃液含有物等)、有機
溶剤可溶性有機質材料(ポリアミド、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、
アクリル系樹脂、アセチルセルロース、石油または石炭
誘導体(たとえば、多環式芳香族化合物、複素環式化合
物のうち比較的分子量が大きいもの))、コールタール
ピッチなどがあげられる。なお上記で例示したもののう
ちポリマーは、重合度の低いものやオリゴマーを含むも
のとする。
【0023】高表面積活性炭に対する有機質材料の炭化
処理後の添着量は、前者100重量部に対して後者を2
〜50重量部、好ましくは5〜40重量部、殊に10〜
35重量部とすることが望ましい。後者の割合が余りに
少ないときは、トリハロメタン類の吸着容量が不足す
る。一方後者の割合が余りに多くても、表面積が低下す
るため、吸着量が低下するようになる。
【0024】高表面積活性炭に有機質材料を添着した後
の炭化処理は、窒素ガス、稀ガスなどの不活性ガス雰囲
気下に、温度700〜900℃程度で行うことが望まし
い。これにより本発明の目的に合った炭化がなされる。
【0025】上記工程を経ることにより目的とする高機
能活性炭が得られる。この高機能活性炭の比表面積は5
00〜3000m2/g、殊に800〜2500m2/gである
ことが望ましい。
【0026】本発明の高機能活性炭は、水中に含まれる
トリハロメタン類を吸着除去するための浄水器用途に特
に有用であり、その他の用途にも用いることができる。
【0027】
【作用】炭素原料と含水水酸化アルカリとの混合物を活
性化可能な温度で加熱処理すると、当初は炭素原料およ
び含水水酸化アルカリの脱水、引き続き炭素原料の活性
化(賦活)が開始する。この活性化により、得られる活
性炭は高表面積を有するようになる。
【0028】この高表面積活性炭に有機質材料を添着し
た後、炭化処理すると、高表面積活性炭の細孔に有機質
材料の炭化物の層が形成されるが、その炭化物の層はト
リハロメタン類の吸着に最適の微細孔(直径4〜8オン
グストローム程度)となる。この場合、炭化物の層の形
成は高表面積活性炭の表面積をそれほどには損なわない
ので、高い吸着量が保たれる。
【0029】そして高表面積活性炭自体の弱点である脆
さや粉化しやすい性質は、炭化物の層の形成により大幅
に改善され、実用化可能な強度を有する高機能活性炭が
得られる。
【0030】なお、一般の活性炭に有機質材料を添着し
た後、炭化処理しても、比表面積の低下が大きすぎて所
期の目的を達成することができない。また分子篩炭素
は、比表面積が小さい上、液相で用いる場合は溶質の拡
散速度が遅すぎるため、所期の目的を達成することがで
きない。
【0031】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で表わした
ものである。なおトリハロメタン類の代表的物質として
は、最も分子量が小さく、従って一般に最も吸着しにく
いと言われているクロロホルムを選んだ。
【0032】〈測定方法〉後述の原料活性炭および添着
活性炭において、かさ密度、BET比表面積、クロロホ
ルム吸着量は、次の条件にて測定したものである。かさ密度 100mlメスシリンダーに試料10gを入れて充分に振
とうさせて求めた。BET比表面積 P/Po = 0.006〜0.1 の範囲でBETプロット(多点
法)により求めた。クロロホルム吸着量(平衡吸着量) 試料活性炭を110℃で3時間乾燥した後、30分間放
冷し、その0.05〜0.5gを100ml容量のゴム栓付きバ
イアル瓶に入れて精秤した。このバイアル瓶に純水を入
れてゴム栓をした。クロロホルムを20g/リットルの
濃度で含むメタノール溶液をゴム栓付きバイアル瓶内に
予め調製しておき、マイクロシリンジで5〜10μl を
採取し、試料瓶に直接注入し、室温にて2時間激しく撹
拌した。その後、試料瓶を25℃の恒温槽中に保ち、ヘ
ッドスペース50μl をECD検出管を備えたガスクロ
マトグラフィーにより分析した。なお、溶液中のクロロ
ホルム濃度とヘッドスペース中のクロロホルム濃度との
相関は予め求めておいた。試料活性炭量を変化させて吸
着等温線を求め、平衡濃度 0.1mg/リットル (100ppb)
における吸着量を便宜上クロロホルム吸着量として表示
した。
【0033】〈原料活性炭〉 原料活性炭1 撹拌機、加熱機構および窒素導入管を備えた縦型の反応
炉に、含水率15%の粒状水酸化カリウム400部を仕
込み、60分かけて200℃にまで昇温した。これによ
り含水水酸化カリウムは溶融し、完全に無色透明の溶融
液となった。
【0034】系中の雰囲気を窒素ガスで置換した後、前
記の200℃の溶融液に20メッシュ篩下のヤシ殻チャ
ー(フィリッピン産、含水率3%)100部を投入し、
撹拌した。
【0035】以下窒素ガスを導入しながら、系を内温が
400℃となるまで加熱して約1時間かけて脱水を行
い、水蒸気の発生が終ってからさらに800℃にまで加
熱して同温度に100分保ち、賦活を行った。
【0036】賦活終了後、反応炉から内容物を取り出し
て常温近くまで冷却し、ついで数回水で洗浄して水酸化
カリウムを洗い流した。洗浄液中にアルカリが検出され
なくなった時点で水を切り、温度110℃の熱風乾燥機
中で乾燥した。
【0037】これにより、BET比表面積2680m2/
g、かさ密度0.30g/cm3 、クロロホルム吸着量0.75mg/cm
3の高表面積活性炭が得られた。
【0038】原料活性炭2 賦活を温度600℃で100分間行ったほかは実施例1
を繰り返した。これにより、BET比表面積2100m2
/g、かさ密度0.38g/cm3 、クロロホルム吸着量0.80mg/c
m3の高表面積活性炭が得られた。
【0039】原料活性炭3 脱水および賦活のための加熱中、連続的に120rpm の
速度で撹拌を行ったほかは実施例1を繰り返した。これ
により、BET比表面積3050m2/g、かさ密度0.30g/
cm3 、クロロホルム吸着量0.70mg/cm3の高表面積活性炭
が得られた。
【0040】原料活性炭4 回転予備假焼装置に20メッシュ篩下の石油精製コーク
ス(米国レイクチャールズ産、揮発分12%)100部
と含水率15%の粒状水酸化カリウム300部を仕込
み、窒素ガス雰囲気下400℃にまで昇温し、撹拌下に
約1時間脱水のための加熱処理を行った。
【0041】ついで内容物を回転假焼装置に移し、窒素
ガス雰囲気下約600℃に昇温して回転撹拌下に約2時
間活性化(賦活)のための加熱処理を行った。その後、
生成物を冷却し、水で充分に洗浄してから、真空炉中で
110℃で乾燥した。
【0042】これにより、BET比表面積2200m2/
g、かさ密度0.29g/cm3 、クロロホルム吸着量0.91mg/cm
3の高表面積活性炭が得られた。
【0043】原料活性炭5 ヤシ殻を水蒸気で賦活した市販の活性炭を準備した。こ
の活性炭のBET比表面積は1300m2/g、かさ密度は
0.44g/cm3 、クロロホルム吸着量は0.80mg/cm3であっ
た。
【0044】原料活性炭6 フェノール樹脂初期縮合物を不活性ガス雰囲気中にて温
度700℃で賦活して得た市販の分子篩活性炭を準備し
た。この分子篩活性炭のBET比表面積は300m2/g、
かさ密度は0.60g/cm3 、クロロホルム吸着量は0.14mg/c
m3であった。
【0045】〈添着活性炭の製造〉 添着活性炭1〜3、4a 42〜80メッシュに篩分けた原料活性炭1〜3および
4の各100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期
縮合物50gをメタノール60gに拡散したものを加え
て乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの
速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完
全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量はほ
ぼ118gであった。
【0046】添着活性炭4b 原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、
レゾール型フェノール樹脂初期縮合物65gをメタノー
ル45gに拡散したものを加えて乾燥したものを、窒素
ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温
し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。
得られた添着活性炭の重量は123gであった。
【0047】添着活性炭4c 原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、
ポリ塩化ビニリデンの10%濃度のエマルジョン50g
およびメタノール50gを加えて乾燥したものを、窒素
ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温
し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。
得られた添着活性炭の重量は103gであった。
【0048】添着活性炭4d 原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、
コールタールピッチ50gおよびメタノール60gを加
えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/min
の速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って
完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量は
125gであった。
【0049】添着活性炭5 原料活性炭5(42〜80メッシュ)100gに対し、
レゾール型フェノール樹脂初期縮合物50gおよびメタ
ノール15gを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気
下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温
度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添
着活性炭の重量は116gであった。
【0050】〈原料活性炭および添着活性炭の特性〉上
記における原料活性炭および添着活性炭の比表面積、か
さ密度およびクロロホルム吸着量を表1に示す。添着活
性炭1,2,3,4a,4b,4c,4dが本発明の方
法により得られる高機能性活性炭に相当する。
【0051】
【表1】 比表面積 かさ密度 CHCl3 吸着 脆さ、 備 考 (m2/g) (g/cm3) 量(mg/cm3) 粉化 原料活性炭 原1 2680 0.30 0.75 不良 ヤシ殻チャー、KOH 賦活 原2 2100 0.38 0.80 不良 ヤシ殻チャー、KOH 賦活 原3 3050 0.30 0.70 不良 ヤシ殻チャー、KOH 賦活 原4 2200 0.29 0.91 不良 石油コークス、KOH 賦活 原5 1300 0.44 0.80 良好 ヤシ殻、水蒸気賦活 原6 300 0.60 0.14 良好 分子篩活性炭 添着活性炭 添1 2000 0.42 4.9 可 原1の添着品#1 添2 1650 0.45 5.2 可 原2の添着品#1 添3 2300 0.37 4.8 可 原3の添着品#1 添4a 1700 0.41 7.4 可 原4の添着品#1 添4b 1400 0.47 4.2 可 原4の添着品#1 添4c 2000 0.35 3.4 可 原4の添着品#2 添4d 1600 0.47 3.5 可 原4の添着品#3 添5 500 0.60 0.80 良好 原5の添着品#1 (注)#1 フェノール樹脂初期縮合物を担持後、炭化#2 ポリ塩化ビニリデンを担持後、炭化#3 コールタールピッチを担持後、炭化
【0052】表1から、炭素原料のKOH賦活品(原料
活性炭1〜4)自体は、比表面積は大きいものの、クロ
ロホルム吸着量が小さく、また脆くかつ粉化しやすい
が、その添着活性炭(原料活性炭1〜3、4a〜4d)
にあっては、比表面積の低下の程度が許容範囲にありな
がら、クロロホルム吸着量が大幅に大きくなり、また脆
さや粉化しやすい性質が改善されることがわかる。
【0053】一方、通常の水蒸気賦活活性炭(原料活性
炭5)はクロロホルム吸着量が小さく、その添着活性炭
もクロロホルム吸着量が小さいことがわかる。
【0054】分子篩活性炭(原料活性炭6)は、クロロ
ホルム吸着に適した細孔径を有するにもかかわらず、ク
ロロホルム吸着量が著しく小さいことがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法により得られる高機能活性
炭にあっては、水酸化アルカリ賦活により得た高表面積
活性炭の高い吸着容量がそれほど損なわれない状態で、
比較的大きいサイズの細孔内に形成された分子篩機能を
有する炭化物の層により、高いトリハロメタン類吸着力
を備えている。
【0056】また、高表面積活性炭自体の弱点である脆
さや粉化しやすい性質は炭化物の層の形成により大幅に
改善されている。
【0057】しかも、高表面積活性炭に有機質材料を添
着して炭化する工程において、有機質材料は高表面積活
性炭の細孔内に取り込まれるため、得られる高機能活性
炭はかさばらず、単位体積当りの吸着量が増加する。
【0058】従って、この高機能活性炭は浄水器用途に
適しており、好ましいトリハロメタン類除去効果を奏す
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して
    得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に、有
    機質材料を添着した後、炭化処理することを特徴とする
    高機能活性炭の製造法。
  2. 【請求項2】高表面積活性炭100重量部に対する有機
    質材料の炭化処理後の添着量が2〜50重量部である請
    求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】炭化処理後の高機能活性炭の比表面積が5
    00〜2000m2/gである請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】浄水器用途の高機能活性炭である請求項1
    記載の製造法。
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