JP3642532B2 - 高機能活性炭の製造法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、分子篩機能を有し、吸着容量が大きく、しかも強度が改善された活性炭、殊に、水中に含まれるトリハロメタン類を効果的に吸着除去しうる浄水器用途の活性炭を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浄水器用の活性炭として、石炭、木屑、ヤシ殻などを水蒸気により賦活した活性炭、あるいはその活性炭に微量の銀を添着して抗菌性を付与した活性炭などが使用されている。
【0003】
活性炭としては、水蒸気賦活に代えて水酸化アルカリで賦活した高表面積活性炭も知られている。
【0004】
たとえば、特公昭62−61529号公報(米国特許第408269号明細書に対応)には、炭素原料として石油コークスまたはこれと石炭との混合物を用い、この炭素原料と含水水酸化カリウム粒子とを混合した後、予備假焼装置で加熱して脱水し、ついで假焼装置で加熱して活性化することにより、BET比表面積が2300m2/gを越える高表面積を有する活性炭を製造する方法が示されており、用途の一つとして水処理についても言及がある。
【0005】
本出願人の出願にかかる特開平2−97414号公報(米国特許第5064805号明細書に対応)には、炭素原料としてヤシ殻チャー、賦活剤として含水水酸化カリウムを用い、これらヤシ殻チャーと含水水酸化カリウムとを重量比で1:2〜1:6の割合で混合すると共に、活性化可能な温度で加熱処理して高品質活性炭を製造する方法が示されており、用途の一つとして水処理についても言及がある。
【0006】
そのほか、浄水器にかかるものではないが、空気を窒素と酸素との分離する活性炭として、微細孔を有する分子篩炭素(MSCと呼ばれている)も開発されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
水蒸気賦活法による活性炭は、現在においては各用途別に製造条件が最適化されているが、トリハロメタン類の吸着能力には限界があり、現在以上のトリハロメタン類の吸着能力の向上は望みえない。これは、トリハロメタン類の吸着目的に好適であると考えられている微細孔量が、水蒸気賦活法による活性炭では限界に達しているためである。
【0008】
これに対し水酸化アルカリで賦活した高表面積活性炭は、比表面積が極めて大きいため、トリハロメタン類を効率的に吸着することが期待される。しかしながらこの高表面積活性炭は、そのテクスチュアに起因して脆くかつ粉化しやすいので、高流速下で使用する浄水器用途には適用困難である。
【0009】
微細孔を有する分子篩炭素は、トリハロメタン類を吸着するのに適した細孔サイズを有するが、比表面積がたとえば300〜500m2/g程度と小さい上、液相で用いる場合は溶質の拡散速度が遅すぎるため、これを浄水器の用途に用いても、トリハロメタン類の吸着除去効果は期待するほどではない。
【0010】
本発明は、このような背景下において、分子篩機能を有しながらも吸着容量が大きく、しかも実用化可能な強度を有する活性炭、殊に、水中に含まれるトリハロメタン類を効果的に吸着除去しうる浄水器用途の活性炭を製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の高機能活性炭の製造法は、炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に、有機質材料を添着した後、炭化処理し、高表面積活性炭100重量部に対する有機質材料の炭化処理後の添着量が2〜50重量部でありかつ炭化処理後の比表面積が800〜2500m2/gである高機能活性炭を得ることを特徴とするものである。
【0012】
以下本発明を詳細に説明する。
【0013】
高表面積活性炭は、炭素原料を水酸化アルカリにより賦活することにより得られる。
【0014】
炭素原料としては、たとえば、石炭、石炭コークス、石油コークス、ヤシ殻チャー、合成樹脂など、あるいはこれらの混合物などが用いられる。炭素原料は、10メッシュ篩上の粗粒のものや100メッシュ篩下の微粉状のものを用いることも可能であるが、実質的に10〜100メッシュのものを用いると、表面積の極めて大きい活性炭を取得することができる。
【0015】
水酸化アルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムあるいはこれらの混合物などが用いられる。水酸化アルカリは、含水率2〜25重量%程度の水酸化アルカリを用いることが望ましいが、さらに含水率の大きいものを用いることもできる。含水率が2重量%未満では溶融温度が高いため操作性が悪くなり、一方含水率が極端に大きくなると賦活機能が低下する。
【0016】
炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際しての量的割合は、この順に重量比で1:2〜1:6、好ましくは1:3〜1:5の範囲から選択することが望ましい。水酸化アルカリの過少は賦活不足を招き、水酸化アルカリの過多は得られる活性炭の脆化を招く。
【0017】
炭素原料と水酸化アルカリとの混合に際しては、反応炉にまず含水水酸化アルカリを仕込み、その溶融温度以上に加熱して溶融し、その溶融液に炭素原料を投入して両者を混合することが望ましい。これにより両者の接触が最も効率的になされる。ただし、反応炉に炭素原料と含水水酸化アルカリを仕込んでから加熱して、後者を加熱溶融することも可能である。
【0018】
炭素原料と含水水酸化アルカリとを混合した後は、炭素原料の活性化可能な温度で加熱処理する。活性化可能な温度とは、通常480℃以上であり、特に500〜900℃が好ましい。加熱は一定温度で行ってもよく、当初は比較的低い温度で、ついで昇温して比較的高い温度で加熱するようにしてもよい。加熱中は必要に応じ間歇的にあるいは連続的に撹拌を行う。加熱処理は、バッチ、連続のいずれの方法で行ってもよい。
【0019】
加熱処理終了後は、生成物を反応炉から取り出し、洗浄、乾燥して高表面積活性炭とし、必要に応じて造粒する。
【0020】
このようにして得た高表面積活性炭の比表面積は条件によっては1500m2/g未満のものも得られるが、本発明の目的には比表面積が1500m2/g以上(好ましくは2000m2/g以上)であることが要求される。
【0021】
そして本発明においては、上記のようにして得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に有機質材料を添着した後、炭化処理する。
【0022】
有機質材料としては、炭化可能でかつ溶媒に溶解または分散するものが用いられる。たとえば、水溶性有機質材料(ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、カルボキシビニルポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、デンプン類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、カゼイン、デキストリン、デキストラン、キサンタンガム、グアーガム、カラギーナン、マンナン、トラガントガム、アラビアガム、水溶性アクリル共重合体、水溶性ポリエステル、フェノール樹脂初期縮合物、木材・パルプ・製紙工場における廃液含有物または中間生成物、ショ糖・デンプン工場における廃液含有物または中間あるいは最終生成物、接着剤・繊維工場における廃液含有物等)、有機溶剤可溶性有機質材料(ポリアミド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、アクリル系樹脂、アセチルセルロース、石油または石炭誘導体(たとえば、多環式芳香族化合物、複素環式化合物のうち比較的分子量が大きいもの))、コールタールピッチなどがあげられる。なお上記で例示したもののうちポリマーは、重合度の低いものやオリゴマーを含むものとする。
【0023】
高表面積活性炭に対する有機質材料の炭化処理後の添着量は、前者100重量部に対して後者を2〜50重量部とすることが必要である。好ましい範囲は5〜40重量部、殊に10〜35重量部である。後者の割合が余りに少ないときは、トリハロメタン類の吸着容量が不足する。一方後者の割合が余りに多くても、表面積が低下するため、吸着量が低下するようになる。
【0024】
高表面積活性炭に有機質材料を添着した後の炭化処理は、窒素ガス、稀ガスなどの不活性ガス雰囲気下に、温度700〜900℃程度で行うことが望ましい。これにより本発明の目的に合った炭化がなされる。
【0025】
上記工程を経ることにより目的とする高機能活性炭が得られる。この高機能活性炭の比表面積は、本発明の目的には800〜2500m2/gであるようにする。
【0026】
本発明の高機能活性炭は、水中に含まれるトリハロメタン類を吸着除去するための浄水器用途に特に有用であり、その他の用途にも用いることができる。
【0027】
【作用】
炭素原料と含水水酸化アルカリとの混合物を活性化可能な温度で加熱処理すると、当初は炭素原料および含水水酸化アルカリの脱水、引き続き炭素原料の活性化(賦活)が開始する。この活性化により、得られる活性炭は高表面積を有するようになる。
【0028】
この高表面積活性炭に有機質材料を添着した後、炭化処理すると、高表面積活性炭の細孔に有機質材料の炭化物の層が形成されるが、その炭化物の層はトリハロメタン類の吸着に最適の微細孔(直径4〜8オングストローム程度)となる。この場合、炭化物の層の形成は高表面積活性炭の表面積をそれほどには損なわないので、高い吸着量が保たれる。
【0029】
そして高表面積活性炭自体の弱点である脆さや粉化しやすい性質は、炭化物の層の形成により大幅に改善され、実用化可能な強度を有する高機能活性炭が得られる。
【0030】
なお、一般の活性炭に有機質材料を添着した後、炭化処理しても、比表面積の低下が大きすぎて所期の目的を達成することができない。また分子篩炭素は、比表面積が小さい上、液相で用いる場合は溶質の拡散速度が遅すぎるため、所期の目的を達成することができない。
【0031】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下「部」、「%」とあるのは重量基準で表わしたものである。なおトリハロメタン類の代表的物質としては、最も分子量が小さく、従って一般に最も吸着しにくいと言われているクロロホルムを選んだ。
【0032】
〈測定方法〉
後述の原料活性炭および添着活性炭において、かさ密度、BET比表面積、クロロホルム吸着量は、次の条件にて測定したものである。
(かさ密度)
100mlメスシリンダーに試料10gを入れて充分に振とうさせて求めた。
(BET比表面積)
P/Po = 0.006〜0.1 の範囲でBETプロット(多点法)により求めた。
(クロロホルム吸着量(平衡吸着量))
試料活性炭を110℃で3時間乾燥した後、30分間放冷し、その0.05〜0.5 gを100ml容量のゴム栓付きバイアル瓶に入れて精秤した。このバイアル瓶に純水を入れてゴム栓をした。クロロホルムを20g/リットルの濃度で含むメタノール溶液をゴム栓付きバイアル瓶内に予め調製しておき、マイクロシリンジで5〜10μl を採取し、試料瓶に直接注入し、室温にて2時間激しく撹拌した。その後、試料瓶を25℃の恒温槽中に保ち、ヘッドスペース50μl をECD検出管を備えたガスクロマトグラフィーにより分析した。なお、溶液中のクロロホルム濃度とヘッドスペース中のクロロホルム濃度との相関は予め求めておいた。試料活性炭量を変化させて吸着等温線を求め、平衡濃度 0.1mg/リットル (100ppb) における吸着量を便宜上クロロホルム吸着量として表示した。
【0033】
〈原料活性炭〉
原料活性炭1
撹拌機、加熱機構および窒素導入管を備えた縦型の反応炉に、含水率15%の粒状水酸化カリウム400部を仕込み、60分かけて200℃にまで昇温した。これにより含水水酸化カリウムは溶融し、完全に無色透明の溶融液となった。
【0034】
系中の雰囲気を窒素ガスで置換した後、前記の200℃の溶融液に20メッシュ篩下のヤシ殻チャー(フィリッピン産、含水率3%)100部を投入し、撹拌した。
【0035】
以下窒素ガスを導入しながら、系を内温が400℃となるまで加熱して約1時間かけて脱水を行い、水蒸気の発生が終ってからさらに800℃にまで加熱して同温度に100分保ち、賦活を行った。
【0036】
賦活終了後、反応炉から内容物を取り出して常温近くまで冷却し、ついで数回水で洗浄して水酸化カリウムを洗い流した。洗浄液中にアルカリが検出されなくなった時点で水を切り、温度110℃の熱風乾燥機中で乾燥した。
【0037】
これにより、BET比表面積2680m2/g、かさ密度0.30g/cm3 、クロロホルム吸着量0.75mg/cm3の高表面積活性炭が得られた。
【0038】
原料活性炭2
賦活を温度600℃で100分間行ったほかは実施例1を繰り返した。これにより、BET比表面積2100m2/g、かさ密度0.38g/cm3 、クロロホルム吸着量0.80mg/cm3の高表面積活性炭が得られた。
【0039】
原料活性炭3
脱水および賦活のための加熱中、連続的に120rpm の速度で撹拌を行ったほかは実施例1を繰り返した。これにより、BET比表面積3050m2/g、かさ密度0.30g/cm3 、クロロホルム吸着量0.70mg/cm3の高表面積活性炭が得られた。
【0040】
原料活性炭4
回転予備假焼装置に20メッシュ篩下の石油精製コークス(米国レイクチャールズ産、揮発分12%)100部と含水率15%の粒状水酸化カリウム300部を仕込み、窒素ガス雰囲気下400℃にまで昇温し、撹拌下に約1時間脱水のための加熱処理を行った。
【0041】
ついで内容物を回転假焼装置に移し、窒素ガス雰囲気下約600℃に昇温して回転撹拌下に約2時間活性化(賦活)のための加熱処理を行った。その後、生成物を冷却し、水で充分に洗浄してから、真空炉中で110℃で乾燥した。
【0042】
これにより、BET比表面積2200m2/g、かさ密度0.29g/cm3 、クロロホルム吸着量0.91mg/cm3の高表面積活性炭が得られた。
【0043】
原料活性炭5
ヤシ殻を水蒸気で賦活した市販の活性炭を準備した。この活性炭のBET比表面積は1300m2/g、かさ密度は0.44g/cm3 、クロロホルム吸着量は0.80mg/cm3であった。
【0044】
原料活性炭6
フェノール樹脂初期縮合物を不活性ガス雰囲気中にて温度700℃で賦活して得た市販の分子篩活性炭を準備した。この分子篩活性炭のBET比表面積は300m2/g、かさ密度は0.60g/cm3 、クロロホルム吸着量は0.14mg/cm3であった。
【0045】
〈添着活性炭の製造〉
添着活性炭1〜3、4a
42〜80メッシュに篩分けた原料活性炭1〜3および4の各100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮合物50gをメタノール60gに拡散したものを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量はほぼ118gであった。
【0046】
添着活性炭4b
原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮合物65gをメタノール45gに拡散したものを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量は123gであった。
【0047】
添着活性炭4c
原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、ポリ塩化ビニリデンの10%濃度のエマルジョン50gおよびメタノール50gを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量は103gであった。
【0048】
添着活性炭4d
原料活性炭4(42〜80メッシュ)100gに対し、コールタールピッチ50gおよびメタノール60gを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量は125gであった。
【0049】
添着活性炭5
原料活性炭5(42〜80メッシュ)100gに対し、レゾール型フェノール樹脂初期縮合物50gおよびメタノール15gを加えて乾燥したものを、窒素ガス雰囲気下に約10℃/minの速度で700℃まで昇温し、この温度に1時間保って完全に樹脂を炭化させた。得られた添着活性炭の重量は116gであった。
【0050】
〈原料活性炭および添着活性炭の特性〉
上記における原料活性炭および添着活性炭の比表面積、かさ密度およびクロロホルム吸着量を表1に示す。添着活性炭1,2,3,4a,4b,4c,4dが本発明の方法により得られる高機能性活性炭に相当する。
【0051】
【表1】
【0052】
表1から、炭素原料のKOH賦活品(原料活性炭1〜4)自体は、比表面積は大きいものの、クロロホルム吸着量が小さく、また脆くかつ粉化しやすいが、その添着活性炭(原料活性炭1〜3、4a〜4d)にあっては、比表面積の低下の程度が許容範囲にありながら、クロロホルム吸着量が大幅に大きくなり、また脆さや粉化しやすい性質が改善されることがわかる。
【0053】
一方、通常の水蒸気賦活活性炭(原料活性炭5)はクロロホルム吸着量が小さく、その添着活性炭もクロロホルム吸着量が小さいことがわかる。
【0054】
分子篩活性炭(原料活性炭6)は、クロロホルム吸着に適した細孔径を有するにもかかわらず、クロロホルム吸着量が著しく小さいことがわかる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の方法により得られる高機能活性炭にあっては、水酸化アルカリ賦活により得た高表面積活性炭の高い吸着容量がそれほど損なわれない状態で、比較的大きいサイズの細孔内に形成された分子篩機能を有する炭化物の層により、高いトリハロメタン類吸着力を備えている。
【0056】
また、高表面積活性炭自体の弱点である脆さや粉化しやすい性質は炭化物の層の形成により大幅に改善されている。
【0057】
しかも、高表面積活性炭に有機質材料を添着して炭化する工程において、有機質材料は高表面積活性炭の細孔内に取り込まれるため、得られる高機能活性炭はかさばらず、単位体積当りの吸着量が増加する。
【0058】
従って、この高機能活性炭は浄水器用途に適しており、好ましいトリハロメタン類除去効果を奏する。
Claims (2)
- 炭素原料を水酸化アルカリにより賦活して得た比表面積1500m2/g以上の高表面積活性炭に、有機質材料を添着した後、炭化処理し、高表面積活性炭100重量部に対する有機質材料の炭化処理後の添着量が2〜50重量部でありかつ炭化処理後の比表面積が800〜2500m2/gである高機能活性炭を得ることを特徴とする高機能活性炭の製造法。
- 浄水器用途の高機能活性炭である請求項1記載の製造法。
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