JP2020004589A - 炭素質材料の製造方法 - Google Patents

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啓一 西村
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岩崎 秀治
Hideji Iwasaki
秀治 岩崎
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Abstract

【課題】本発明は、高い充放電容量とともに、高い充放電効率を示す非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン二次電池)の負極に用いる非水電解質二次電池用炭素質材料を回収率よく得られる製造方法の提供。【解決手段】(1)植物由来のチャーを粉砕して粉砕チャーを得る粉砕工程、(2)粉砕チャーにアルカリ金属化合物を添加し、アルカリ添着チャーを得るアルカリ添着工程(3)前記アルカリ添着チャーにバインダーを添加し、造粒チャーを得る造粒工程(4)前記造粒チャーを、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中で1100℃〜1300℃で熱処理する気相脱灰工程を含む、非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池の負極活物質用の炭素質材料の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池は、エネルギー密度が高く、出力特性に優れるため、携帯電話やノートパソコンのような小型携帯機器に広く用いられている。さらに近年では、非水電解質二次電池が有する高いエネルギー密度および優れた出力特性を利用して、車載用途での使用も検討されている。リチウムイオン二次電池の負極材としては、黒鉛の理論容量372mAh/gを超える量のリチウムのドープ(充電)および脱ドープ(放電)が可能な難黒鉛化性炭素が開発され(例えば特許文献1)、使用されてきた。
難黒鉛化性炭素は、例えば石油ピッチ、石炭ピッチ、フェノール樹脂または植物等を炭素源として得ることができる。これらの炭素源の中でも、植物は栽培することによって持続して安定的に供給可能な原料であり、安価に入手できるため、非常に有用である。また、植物由来の炭素原料を焼成して得られる炭素質材料には、細孔が多く存在するため、良好な充放電容量が期待される(例えば特許文献1および特許文献2)。
そのため、炭素質材料の製造方法として、種々の方法が開発されている。例えば特許文献3には、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中での処理工程、粉砕工程および焼成工程を含む方法が記載されている。また、特許文献4には、炭素質前駆体にアルカリ金属元素を含む化合物を添加する工程、焼成工程および熱分解炭素を用いた被覆工程を含む方法が記載されている。また、特許文献5には、炭素質前駆体にアルカリ金属元素を含む化合物を添加する工程、ハロゲン化合物下での気相脱灰工程を含む方法により得られた炭素質材料が高い放電容量を与え、充放電効率に優れる旨が記載されている。
特開平9−161801号公報 特開平10−21919号公報 国際公開2014/034858号パンフレット 国際公開2016/021737号パンフレット 国際公開2018/034155号パンフレット
上記のような提案があるものの、充放電効率等に優れた炭素質材料をより効率よく得ることについては、なお改良の余地があった。そこで、本発明は、高い充放電容量及び高い充放電効率を有する非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、リチウム硫黄電池、全固体電池、有機ラジカル電池)の負極活物質に用いる炭素質材料を回収率よく得ることができる、炭素質材料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下に説明する本発明の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法により上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕(1)植物由来のチャーを粉砕して粉砕チャーを得る粉砕工程、
(2)粉砕チャーにアルカリ金属化合物を添加し、アルカリ添着チャーを得るアルカリ添着工程
(3)前記アルカリ添着チャーにバインダーを添加し、造粒チャーを得る造粒工程
(4)前記造粒チャーを、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中で1100℃〜1300℃で熱処理する気相脱灰工程
を含む、非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔2〕前記粉砕チャーの平均粒子径が1〜20μmである、〔1〕に記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔3〕前記アルカリ添着チャーのアルカリ金属化合物の添着量が0.5〜20質量%である、〔1〕または〔2〕に記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔4〕アルカリ金属化合物が、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ金属炭酸塩である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔5〕前記造粒チャーの平均粒子径が100μm〜4.0mmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔6〕前記アルカリ添着チャーに添加するバインダーの添着量が0.1〜20質量%である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
〔7〕前記バインダーが、熱硬化樹脂である請求項〔1〕〜〔6〕記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
本発明によれば、高い充放電容量とともに、高い充放電効率を示し、さらに、低い抵抗を示す非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池、リチウム硫黄電池、全固体電池、有機ラジカル電池)の負極活物質に用いる炭素質材料の製造方法を提供することができる。
実施例1の炭素質材料のラマンスペクトルを示す図である。 比較例1の炭素質材料のラマンスペクトルを示す図である。 実施例1の炭素質材料のLi核−固体NMRスペクトルを示す図である。 比較例1の炭素質材料のLi核−固体NMRスペクトルを示す図である。
以下は本発明の実施形態を例示する説明であって、本発明を以下の実施形態に制限する趣旨ではない。
(粉砕工程)
粉砕工程において、植物由来のチャーを粉砕して粉砕チャーを得る。チャーとは、一般的には、石炭を加熱した際に得られる溶融軟化しない炭素分に富む粉末状の固体を示すが、ここでは有機物を加熱して得られる溶融軟化しない炭素分に富む粉末状の固体も示す。
植物由来のチャーの原料となる植物(以下、「植物原料」ともいう)には、特に制限はない。例えば、椰子殻、珈琲豆、茶葉、サトウキビ、果実(例えば、みかん、バナナ)、藁、籾殻、広葉樹、針葉樹、竹を例示できる。この例示は、本来の用途に供した後の廃棄物(例えば、使用済みの茶葉)、あるいは植物原料の一部(例えば、バナナやみかんの皮)を包含する。これらの植物は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。これらの植物の中でも、大量入手が容易な椰子殻が好ましい。
椰子殻としては、特に限定されるものではなく、例えばパームヤシ(アブラヤシ)、ココヤシ、サラク、オオミヤシの椰子殻を挙げることができる。これらの椰子殻は、単独または組み合わせて使用することができる。食品、洗剤原料、バイオディーゼル油原料等として利用され、大量に発生するバイオマス廃棄物である、ココヤシおよびパームヤシの椰子殻が特に好ましい。
植物原料からチャーを製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば植物原料を、300℃以上の不活性ガス雰囲気下で熱処理(乾留)することによって製造することができる。
また、チャー(例えば、椰子殻チャー)の形態で直接に入手することも可能である。
粉砕工程において得られる粉砕チャーの比表面積は、好ましくは100〜800m/gであり、より好ましくは200〜700m/gであり、さらに好ましくは200〜600m/gである。上記範囲の比表面積を有する粉砕チャーが得られるように粉砕工程を行うことが好ましい。粉砕チャーの比表面積が上記下限以上であると、炭素質材料の微細孔が低減され、炭素質材料の吸湿性を低下させることができる。炭素質材料に水分が存在すると、電解液の加水分解に伴う酸の発生や水の電気分解によるガスの発生が問題を引き起こすことがあり、また、空気雰囲気下で炭素質材料の酸化が進み、電池性能が大きく変化することもある。粉砕チャーの比表面積が上記上限以下であると、得られる炭素質材料の比表面積が後述する範囲内となり易く、その結果、抵抗が低くなり、また非水電解質二次電池のリチウムイオンの利用効率を向上させることが容易となる。なお、本明細書において、比表面積はBET法(窒素吸着BET多点法)により定まる比表面積(BET比表面積)を意味する。具体的には後述する方法を用いて測定することができる。
粉砕チャーの平均粒子径(D50)は、1〜20μmの範囲になるように植物由来のチャーを粉砕することが、後述するアルカリ添着および気相脱灰時の均一性の観点から好ましい。このような観点から、平均粒子径は20μm以下であることが好ましいが、より好ましくは18μm以下、さらに好ましくは16μm以下である。また、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上である。なお、D50は、累積体積が50%となる粒子径であり、例えば粒子径・粒度分布測定装置(マイクロトラック・ベル(株)製「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いたレーザー散乱法により粒度分布を測定することにより求めることができる。
粉砕に用いる粉砕装置は特に限定されるものではなく、例えばジェットミル、ボールミル、ビーズミル、ハンマーミル、またはロッドミルなどを使用することができる。粉砕の効率から、ボールミル、ビーズミルのような粉砕メディア共存下に粉砕する方式が好ましく、設備的負荷の観点からは、ボールミルの使用が好ましい。
植物由来のチャーを粉砕した後、必要に応じて粉砕チャーの分級を行ってもよい。分級を行うことにより、上記した比表面積および平均粒子径を有する粉砕チャーを得ることが容易となり、得られる炭素質材料の比表面積および平均粒子径をより正確に調整することが可能となる。植物由来のチャーを粉砕および分級した後の比表面積および平均粒子径が上記範囲内となることが好ましい。
分級方法は、特に制限されないが、例えば篩を用いた分級、湿式分級および乾式分級を挙げることができる。湿式分級機としては、例えば重力分級、慣性分級、水力分級、遠心分級等の原理を利用した分級機を挙げることができる。乾式分級機としては、沈降分級、機械的分級、遠心分級等の原理を利用した分級機を挙げることができる。
粉砕および分級工程は、1つの装置を用いて実施することもできる。例えば、乾式の分級機能を備えたジェットミルを用いて、粉砕と分級を実施することができる。更に、粉砕機と分級機とが独立した装置を用いることもできる。この場合、粉砕と分級とを連続して行うこともできるが、粉砕と分級とを不連続に行うこともできる。
(アルカリ添着工程)
アルカリ添着工程において、粉砕チャーにアルカリ金属元素を含む化合物を添加し、アルカリ添着チャーを得る。アルカリ添着工程を行うことにより、後述する気相脱灰工程において、アルカリ金属元素による炭素浸食が促進され、微細孔形成がもたらされる。アルカリ金属元素を含む化合物とは、アルカリ金属元素(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等)を含む化合物であり、例えば、アルカリ金属元素のハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物等)、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が挙げられる。具体的には、アルカリ金属元素を含む化合物としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等が挙げられる。なかでも、微細孔形成能および安全性の観点から、アルカリ金属元素を含む化合物はナトリウムまたはカリウムを含む化合物が好ましい。また、粉砕チャーとの親和性に優れる観点から、アルカリ金属元素を含む化合物はアルカリ金属元素の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩が好ましい。上記の観点より、より好ましくはナトリウムまたはナトリウムの水酸化物または炭酸塩であり、さらに好ましくは水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムである。これらは、単独で使用することもできるし、2種類以上を混合して使用することもできる。
アルカリ金属元素を含む化合物を粉砕チャーに添加する方法は特に限定されない。例えば、粉砕チャーにアルカリ金属元素を含む化合物を乾式または湿式で添加してもよく、その後、混合することでアルカリ金属元素を含む化合物が担持されたアルカリ添着チャーを得ることができる。粉砕チャーにアルカリ金属元素を含む化合物を均一に付着させる観点からは、湿式添加が好ましい。
乾式添加の場合、固体状のアルカリ金属元素を含む化合物を粉砕チャーに添加し、混合することによって、アルカリ添着チャーを得ることができる。この場合、粉砕チャーに対してアルカリ金属元素を含む化合物を均一に付着させる観点から、該化合物を粉末状で添加し、混合することが好ましい。
湿式添加の場合、溶媒にアルカリ金属元素を含む化合物を溶解させて溶液を調製し、次に、この溶液を粉砕チャーに担持させる。担持に関して、溶液中に粉砕チャーに浸漬させる、溶液を粉砕チャーに散布(スプレー散布等)する、または溶液を粉砕チャーに添加混合することによって、溶液を粉砕チャーに担持させることができる。溶媒と粉砕チャーの混合物に、固体状のアルカリ金属元素を含む化合物を添加して担持を行ってもよい。担持後、必要に応じて溶媒を蒸発させてもよい。かかる処理により、アルカリ添着チャーを得ることができる。溶媒は特に限定されないが、例えば水、アルコール溶媒(エタノール、メタノール、エチレングリコール、イソプロピルアルコール等)、エステル溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等)、エーテル溶媒(テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等)、ケトン溶媒(アセトン、2−ブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等)、脂肪族炭化水素溶媒(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等)、芳香族炭化水素溶媒(トルエン、キシレン、メシチレン等)、ニトリル溶媒(アセトニトリル等)、または塩素化炭化水素溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等)、ならびにこれらの混合物が挙げられる。粉砕チャーにアルカリ金属元素を含む化合物を均一に付着させるためには、溶媒と粉砕チャーとの親和性を高めることが有効であるため、水、アルコール溶媒ならびにこれらの混合物が好ましい。溶媒を蒸発させる方法は特に限定されないが、例えば、熱処理または減圧処理、ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。熱処理の温度は、粉砕チャーの酸化が生じ難い温度であればよく、溶媒の種類によって異なるが、好ましくは40〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは60〜100℃である。
粉砕チャーに添着させるアルカリ金属元素を含む化合物の量(添着量)は、得られるアルカリ添着チャーの質量に対して、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは5質量%以上、とりわけ好ましくは10質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、さらに好ましくは17質量%以下、特に好ましくは16質量%以下、とりわけ好ましくは15質量%以下である。粉砕チャーに添着させるアルカリ金属元素を含む化合物の量が上記下限以上であると、後述する気相脱灰工程において微細孔形成を促進させることができる。粉砕チャーに添着させるアルカリ金属元素を含む化合物の量が上記上限以下であると、過剰な微細孔形成を抑制することができ、得られる炭素質材料を含む非水電解質二次電池は、高い充放電容量とともに、高い充放電効率を示し、さらに、低い抵抗を示すことが容易となる。
アルカリ添着工程において得られるアルカリ添着チャーの平均粒子径(D50)は、好ましくは2〜100μm、より好ましくは3〜80μmである。アルカリ添着チャーの平均粒子径が上記上限以下であると、添着したアルカリ化合物が気相脱灰工程にて除去されやすい。
アルカリ添着工程において得られるアルカリ添着チャーの比表面積は、好ましくは100〜800m/g、より好ましくは150〜700m/g、さらに好ましくは200〜600m/gである。比表面積が上記下限以上であると、炭素質材料の微細孔が低減され、炭素質材料の吸湿性を低下させることができる。アルカリ添着チャーの比表面積が上記上限以下であると、得られる炭素質材料の比表面積が後述する範囲内となり易く、その結果、抵抗が低くなり、また非水電解質二次電池のリチウムイオンの利用効率を向上させることが容易となる。 なお、アルカリ添着チャーの平均粒子径および比表面積を粉砕および/または分級により調整してもよい。粉砕方法および/または分級方法としては、上記と同様の方法が挙げられる。アルカリ添着チャーの平均粒子径を調整する手段としては、アルカリ添着後の粉砕および分級の他に、アルカリ添着前に粉砕チャーの粒子径を粉砕および/または分級により調整することもあり得る。
(造粒工程)
造粒の方法としては、湿式造粒、乾式造粒いずれの方法を用いてもよいが、500℃を超える温度でも粒径を維持する必要があり、また、他の粒子との接触によって粉化しないことが必要である。よって、造粒工程において、アルカリ添着チャーにバインダーを添加し、造粒チャーを得る。造粒工程を行うことにより、後述する気相脱灰工程において、高い気流量で焼成を行っても粉体飛散を軽減するためにバインダーを用いた造粒が好ましい。バインダーとしては、熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂が挙げられ、特に限定されるものではないが、本発明において、造粒後、気相脱灰時の熱への耐性から、熱硬化樹脂の使用が好ましい。本発明で用いる熱硬化樹脂は、具体的には、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。なかでも、熱硬化性および気相脱灰工程後の残炭率の観点から、メラミン樹脂、フェノール樹脂が好ましい。また、バインダー添加時の環境面配慮の観点から、より好ましくは水溶性フェノール樹脂である。
熱硬化性樹脂をアルカリ添着チャーに添加し、造粒する方法は特に限定されない。造粒チャーの作製に用いられる各種造粒操作としては、たとえば、攪拌造粒、流動層造粒、転動造粒等が挙げられる。また、押出造粒により造粒粒子を所定の形状(たとえば、円柱形)に成形することで、造粒チャーを作製してもよい。
造粒工程において得られる造粒チャーの平均粒子径は、好ましくは100μm〜4.0mm、より好ましくは300μm〜3.0mm、さらに好ましくは500μm〜2.0mmである。造粒チャーの平均粒子径が上記下限以上であると、高い気流量で焼成を行っても粉体飛散を軽減できる。
アルカリ添着チャーに添加する熱硬化性樹脂の量(添着量)は、得られる造粒チャーに対して、好ましくは0.1質量%以上、20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上、18質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上、15質量%以下である。アルカリ添着チャーに添着させるバインダーの量が上記下限以上であると、後述する気相脱灰工程において高い気流量で焼成を行っても粉体飛散を軽減できる。アルカリ添着チャーに添着させる熱硬化性樹脂の量が上記上限以下であると、熱硬化性樹脂由来の炭素質材料の含有量を低減することができ、得られる炭素質材料を含む非水電解質二次電池は、高い充放電容量とともに、高い充放電効率を示すことが容易となる。
上記のような造粒工程を含むことにより、微細な粉体を使用することがないため、製造過程で粉塵をハロゲン化合物を含む気流から回収するなどの装置を必要とせず、ハロゲン化合物の暴露時間が同等の場合、微粉を用いる場合より高い放電容量を与えることが可能となる。
(造粒チャー熱処理工程)
本発明では、必要に応じ、造粒後に造粒チャーに熱処理を加え、バインダーの結着性を高めることができる。本熱処理において、造粒工程で得られた造粒チャーを、100〜300℃で熱処理することによって、熱処理造粒チャーを得る。この熱処理を行うことによって、後述する気相脱灰工程において、高い気流量で焼成を行っても造粒チャーの粉化を抑制することができ、結果的に回収率を増加することに繋がる。造粒チャー熱処理の温度は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは150〜200℃である。熱処理工程において、導入するガスは特に限定されるものではないが、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン等の不活性ガスを挙げることができるが、好ましくは窒素である。更に、不活性ガスに含まれる不純物ガス、特に酸素の濃度としては、低ければ低いほど好ましいが、通常許容される酸素濃度としては、好ましくは0〜2000ppm、より好ましくは0〜1000ppmである。また、熱処理の時間も特に限定されるものではないが、好ましくは10〜300分であり、より好ましくは30〜200分であり、最も好ましくは60〜120分である。
(気相脱灰工程)
気相脱灰工程において、造粒チャーを、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中で1100〜1300℃で熱処理することによって、炭素質材料が得られる。この気相脱灰工程を行うことにより、非水電解質二次電池の電気化学的な特性や安全性に好ましくない影響を与え得るカリウム元素およびカルシウム元素を効率よく除去することができる。また、他のアルカリ金属、アルカリ土類金属、更には銅やニッケルなどの遷移金属を除去することが可能である。さらに、本発明の製造方法がこの気相脱灰工程に加えてアルカリ添着工程を含むことにより、得られる炭素質材料において、後述するラマンスペクトルにおけるDバンドの半値幅を大きくすることができる。Dバンドとは、グラファイト構造の乱れ・欠陥に起因するピークであり、Dバンドの半値幅が大きくなると、充放電容量が向上する傾向にある。また、本発明の製造方法が気相脱灰工程およびアルカリ添着工程を含むことにより、得られる炭素質材料の比表面積を適切に調整でき、この炭素質材料を含む非水電解質二次電池は、高い充放電効率および高い充放電容量を達成することが可能となる。本発明の製造方法が気相脱灰工程に加えてアルカリ添着工程を含むことにより、この炭素質材料を含む非水電解質二次電池が高い充放電効率および高い放電容量を同時に達成するメカニズムは明らかではないが、気相脱灰添着したアルカリが−OH基や−COOH基などチャーの表面官能基と反応し、その後の気相脱灰工程によってこれらの官能基が除去されることで酸素元素の含量の低減に繋がるため、充放電時の不可逆的な反応が減り、高い充放電効率と高い放電容量を同時に達成できることが考えられる。但し、本発明の製造方法により得られる炭素質材料を含む非水電解質二次電池が上記効果に優れる理由について、仮に上記のメカニズムとは異なっていたとしても、本発明の範囲内であることをここで明記する。
なお、本発明の炭素質材料の製造方法において、上記の通り、植物由来のチャーを原料として用いる。植物由来のチャーから製造された炭素質材料は、多量のLiイオンをドープ可能であることから、非水電解質二次電池の負極材料として基本的には適している一方で、植物由来のチャーには、植物に含まれていた金属元素が多く含有されている。例えば、椰子殻チャーでは、カリウムを0.3質量%程度、カルシウム元素を0.03質量%程度、鉄元素を0.1質量%程度含んでいる。このような金属元素を多く含んだ炭素質材料を負極として用いると、非水電解質二次電池の電気化学的な特性や安全性に好ましくない影響を与えることがある。
また、植物由来のチャーは、カリウム以外のアルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、遷移金属(例えば、鉄、銅)およびその他の金属類も含んでいる。炭素質材料がこれらの金属類を含むと、非水電解質二次電池の負極からの脱ドープ時に不純物が電解液中に溶出し、電池性能に好ましくない影響を与え、安全性を害する可能性がある。
さらに、灰分により炭素質材料の細孔が閉塞され、電池の充放電容量に悪影響を及ぼすことがある。本発明での気相脱灰工程においては、植物由来のチャーに含まれているこのような灰分(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、およびその他の元素類)を減少させることができる。
気相脱灰工程に用いる不活性ガスに含まれるハロゲン化合物は、特に限定されるものではなく、例えばフッ素、塩素およびヨウ素からなる群から選択される元素を含む少なくとも1種の化合物が挙げられ、具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、フッ化水素、塩化水素、臭化水素、臭化ヨウ素、フッ化塩素(ClF)、塩化ヨウ素(ICl)、臭化ヨウ素(IBr)、塩化臭素(BrCl)など、もしくは熱分解によりこれらのハロゲン化合物を発生する化合物、またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができるが、好ましくは塩化水素または臭化水素であり、より好ましくは、入手性および腐食性の観点から塩化水素である。
ハロゲン化合物は不活性ガスと混合して使用され、混合する不活性ガスは、前記処理温度において、チャーおよび炭素質材料と反応しないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、およびこれらの混合ガスを挙げることができるが、好ましくは窒素である。更に、不活性ガスに含まれる不純物ガス、特に酸素の濃度としては、低ければ低いほど好ましいが、通常許容される酸素濃度としては、好ましくは0〜2000ppm、より好ましくは0〜1000ppmである。
気相脱灰工程においては、前記不活性ガスとハロゲン化合物との混合比は、十分な脱灰が達成される限り、限定されるものではないが、好ましくは不活性ガスに対するハロゲン化合物の量が0.01〜10体積%であり、より好ましくは0.05〜8体積%であり更に好ましくは0.1〜5体積%である。本発明においては、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中での気相脱灰工程を行うため、金属元素の削減だけでなく、炭素構造末端の水素元素および酸素元素を削減することができ、炭素質材料としての活性部位を削減できる。なお、本発明によれば、アルカリ添着工程後にハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中で気相脱灰工程を行うため、乾燥処理を行う必要がなく、工業的に有利である。
気相脱灰工程の温度は、通常1100〜1300℃であり、好ましくは1120〜1270℃、より好ましくは1120〜1250℃、更に好ましくは1150〜1200℃である。気相脱灰工程の温度が1100℃未満では、気相脱灰工程における脱灰効率が低下して、脱灰が十分でないことがあり、気相脱灰工程の温度が1300℃を超えると、ハロゲン化合物による賦活効果よりも、熱収縮の効果が勝り、BET比表面積が過剰に小さくなるため好ましくない。また、気相脱灰工程の時間は、特に限定されるものではないが、好ましくは5〜300分であり、より好ましくは10〜200分であり、更に好ましくは30〜150分である。
本実施形態における気相脱灰より、植物由来の粉砕チャーに含まれているカリウムおよびカルシウム等を除去することができる。気相脱灰処理後に得られる炭素質材料に含まれるカリウム含量は、脱ドープ容量を大きくする観点および非脱ドープ容量を小さくする観点から、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下、更に好ましくは300ppm以下、特に好ましくは100ppm以下、非常に好ましくは50ppm以下、とりわけ好ましくは30ppm以下、最も好ましくは10ppm以下である。気相脱灰処理後に得られる炭素質材料に含まれるカルシウム含量は、脱ドープ容量を大きくする観点および非脱ドープ容量を小さくする観点から、好ましくは500ppm以下、より好ましくは300ppm以下、更に好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下、非常に好ましくは40ppm以下、とりわけ好ましくは30ppm以下である。炭素質材料に含まれるカリウムやカルシウムの含量が多くなると、該炭素質材料を用いた非水電解質二次電池において、脱ドープ容量が小さくなることがある。また、非脱ドープ容量が大きくなることがある。さらに、これらの金属元素が電解液中に溶出し、再析出した際に短絡が生じ、非水電解質二次電池の安全性に大きな問題が生じることがある。気相脱灰後の炭素質材料中には、カリウム元素およびカルシウム元素を、実質的に含有しないことが特に好ましい。炭素質材料には、カリウム元素およびカルシウム元素は実質的に含有しないことが最も好ましいが、ここで実質的に含有しないとは、後述の元素分析法(不活性ガス融解−熱伝導度法)の検出限界である10−6質量%以下であることを意味する。前記炭素質材料に含まれるカリウム元素含量およびカルシウム元素含量はそれぞれ、通常0ppm以上である。なお、カリウム元素およびカルシウム元素の含量が低いと、他の金属元素の含量も低い傾向にある。カリウム元素およびカルシウム元素の含量の測定の詳細は実施例に記載するとおりであり、例えば蛍光X線分析により測定することができ、具体的には蛍光X線分析装置(例えば(株)リガク製「ZSX primus−μ」)を用いることができる。
本発明における気相脱灰工程によって、カリウム、カルシウム、他のアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属などを効率よく除去できるメカニズムは明らかではないが、以下のように考えられる。植物由来の粉砕チャーに含まれているカリウムなどの金属が、粉砕チャー中に拡散したハロゲン化合物と反応し、金属ハロゲン化物(例えば、塩化物または臭化物)となる。そして生成された金属ハロゲン化物が、加熱により揮発(散逸)することにより、カリウムおよびカルシウムなどを脱灰できると考えられる。このような、粉砕チャー中へのハロゲン化合物の拡散、反応による金属ハロゲン化物の生成メカニズムでは、気相でのハロゲン化合物の高拡散により、効率よくカリウムおよびカルシウムを除去できるものと考えられるが、本発明は、前記の説明に限定されるものではない。
また、気相脱灰工程に用いる装置は、粉砕チャーと、不活性ガスおよびハロゲン化合物の混合ガスとを混合しながら加熱できる限り、限定されるものではないが、例えば流動炉を用いて、流動床等による連続式またはバッチ式の層内流通方式で行うことができる。
混合ガスの供給量(流通量)は、限定されるものではないが、熱処理チャー50g当たり、通常0.1L/分以上、好ましくは0.5L/分以上、より好ましくは1L/分以上、さらに好ましくは3L/分以上、特に好ましくは5L/分以上、非常に好ましくは10L/分以上である。ハロゲン化合物を含む不活性ガスを使用し熱処理を行うことにより、植物由来の粉砕チャーに含まれている灰分(アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属およびその他の元素類、具体的にはカリウム、カルシウム等)を除去することができる。植物由来のチャーに含まれている灰分を除去することを、脱灰ともいう。上記気相脱灰工程においては、脱灰と同時に、賦活および焼成が行われている。
本発明において、混合ガスの供給量(流通量)をさらに高めることもできる。ここで、植物由来の粉砕チャーを気相脱灰する際、粉砕チャー自体から一酸化炭素、水素等のガスが生じる。これらのガスの反応性が高いために、気相脱灰中に生じるガスと粉砕チャーとの反応を制御することは困難である場合がある。例えば上記のように気流の供給量を多く(供給速度を早く)して熱処理を行うことにより、粉砕チャー自体から生じる反応性のガスを、粉砕チャーと反応する前に除去することが可能となる。かかる観点から、気相脱灰工程におけるハロゲン化合物を含む不活性ガス気流の供給量は、熱処理チャー50gあたり好ましくは12L/分以上、より好ましくは14L/分以上、さらに好ましくは16L/分以上である。供給量の上限は、炉内の温度を維持しながら気相脱灰を進める観点から、好ましくは25L/分以下であり、より好ましくは18L/分以下である。
(脱酸処理工程)
本発明の製造方法は、気相脱灰工程の後に、更に、ハロゲン化合物非存在下、不活性ガス雰囲気中で炭素質材料を加熱する熱処理工程(以下、「脱酸処理工程」ともいう)を含むことが好ましい。気相脱灰工程における前記ハロゲン化合物との接触により、カルシウム元素等の金属元素を効率よく除去することができる。しかし、ハロゲン化合物との接触により、ハロゲンが炭素質材料中に含まれることになる。そのため、ハロゲン化合物非存在下での熱処理を行うことが好ましく、かかる処理により炭素質材料中に含まれているハロゲンを除去することができる。具体的には、脱酸処理は、ハロゲン化合物を含まない不活性ガス雰囲気中で通常800〜1300℃で熱処理することによって行うが、脱酸処理の温度は、気相脱灰工程における温度と同じか、またはそれよりも高い温度で行うことが好ましい。脱酸処理の温度は、好ましくは850〜1300℃、より好ましくは900〜1250℃、更に好ましくは950〜1200℃、特に好ましくは1000〜1200℃である。脱酸処理の温度と気相脱灰工程の温度が同じ場合、脱酸処理の温度は、通常1100〜1300℃であり、好ましくは1120〜1270℃、より好ましくは1120〜1250℃、更に好ましくは1150〜1200℃である。例えば、気相脱灰工程の後に、ハロゲン化合物の供給を遮断して熱処理を連続して行うことにより、脱酸処理を行うことができ、これにより、炭素質材料中のハロゲンを除去することができる。また、ハロゲン化合物非存在下での熱処理の時間も特に限定されるものではないが、好ましくは5〜300分であり、より好ましくは10〜200分であり、更に好ましくは20〜150分であり、最も好ましくは30〜100分である。不活性ガスとしては、例えば、気相脱灰工程で使用されるガスが挙げられる。製造工程の簡素化できる観点から、熱処理工程における不活性ガスと気相脱灰工程における不活性ガスは同一であることが好ましい。不活性ガスの供給量(流通量)は、限定されるものではないが、気相脱灰工程における不活性ガスの供給量と同一であることが、製造上の観点から好ましい。
気相脱灰工程で得られた炭素質材料は、必要に応じて粉砕および/または分級を行ってよい。粉砕方法および分級方法としては、上記と同様の方法が挙げられる。
アルカリ金属元素が炭素質材料に残存すると、非水二次電池の放電時にアルカリ金属元素が対極側に移動する結果、電池性能が劣化することがある。本発明の製造方法はアルカリ金属元素を含む化合物を除去する除去工程を含んでもよいが、本発明の製造方法が該除去工程を含まない場合であっても、得られる炭素質材料中のアルカリ金属元素の含量を低く抑えることが可能である。そのため、製造上の観点および過剰な細孔拡大を防ぐ観点から、本発明の製造方法は、アルカリ除去工程を含まないことが好ましい。本発明によれば炭素質材料中のアルカリ金属元素の含量を低く抑えることができる理由は明らかでないが、気相脱灰工程において導入されたハロゲン化合物とアルカリ金属元素とが反応することによって、比較的低い融点を有する反応物が生成し、気相脱灰工程における熱処理により揮発除去されたことが考えられる。本発明は、前記の説明に限定されるものではない。
[平均粒子径]
本発明により得られる炭素質材料において、平均粒子径(D50)を、好ましくは2〜30μm、より好ましくは3〜20μm、さらに好ましくは4〜18μm、特に好ましくは5〜16μm、とりわけ好ましくは6〜15μmである。炭素質材料の平均粒子径が上記下限以上であると、炭素質材料中の微粉による比表面積の増加および電解液との反応性の増加を抑制し、不可逆容量(充電しても放電しない容量)の増加を抑制できる。炭素質材料の平均粒子径が上記上限以下であると、粒子内でのリチウムイオンの拡散自由行程が少なく、急速な充放電が可能である。また、本発明により得られる炭素質材料の平均粒子径が上記範囲内であると、該炭素質材料を含む非水電解質二次電池は、抵抗およびインピーダンスを低くすることができる。さらに、リチウムイオン二次電池では、入出力特性の向上には電極面積を大きくすることが重要であり、そのため電極調製時に集電板への活物質の塗工厚みを薄くする必要がある。塗工厚みを薄くするには、活物質の粒子径を小さくする必要がある。このような観点から、炭素質材料の平均粒子径は上記範囲内であることが好ましい。
[比表面積]
本発明により得られる炭素質材料において、窒素吸着BET多点法により求めた比表面積は、好ましくは10〜100m/gである。比表面積が上記下限以上であると、炭素質材料へのリチウムイオンの吸着量を高め、非水電解質二次電池の充電容量を高くすることができる。また、炭素質材料と電解液との接触面積が大きくなり、リチウムイオンの移動に優れ、優れた入出力特性を得ることができる。このような観点から、窒素吸着BET多点法により求めた比表面積は、12m/g以上であることがより好ましく、14m/g以上であることがさらに好ましい。比表面積が上記上限以下であると、リチウムイオンが炭素質材料の表面で反応しにくく、リチウムイオンの利用効率を向上させることができる。また、炭素質材料の吸湿性を低下でき、炭素質材料中に存在する水分によって生じ得る電解液の加水分解に伴う酸の発生や水の電気分解によるガスの発生を抑制することができる。さらに、空気雰囲気下で炭素質材料の酸化を抑制でき、電池性能の変化を抑えることができる。このような観点から、窒素吸着BET多点法により求めた比表面積は、98m/g以下であることが好ましく、95m/g以下であることがより好ましい。窒素吸着BET多点法による比表面積は、後述する方法により測定することができる。
比表面積を上記の範囲に調整する方法は何ら限定されないが、例えば、気相脱灰の温度の制御によって調製することが可能である。例えば、炭素質材料を与える粉砕チャーの気相脱灰工程における処理温度や処理時間を調整する方法を用いることができる。すなわち、処理温度を高くしたり、処理時間を長くすると比表面積は小さくなる傾向があるので、上記の範囲の比表面積が得られるように、処理温度や処理時間を調整すればよい。
[真密度]
本発明により得られる炭素質材料は、電池における質量あたりの容量を高くする観点から、ブタノール法による真密度ρBtが1.37〜1.6g/cmであることが好ましく、1.4〜1.57/cmであることがより好ましく、1.42〜1.52/cmであることがさらにより好ましい。真密度ρBtの測定の詳細は実施例に記載する通りであり、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定することができる。
[メソ孔容積およびマイクロ孔容積]
本発明により得られる炭素質材料において、DFT法により算出されるメソ孔容積は、好ましくは0.001〜1mL/g、より好ましくは0.002〜0.5mL/g、さらに好ましくは0.004〜0.3mL/g、特に好ましくは0.005〜0.1mL/g、とりわけ好ましくは0.006〜0.08mL/gである。メソ孔容積が上記の下限以上であると、電解液が浸透しやすく、低抵抗化が可能であることや、繰り返し充放電時に生成する分解物による細孔閉塞が抑制でき、抵抗の上昇を避けられる。また、メソ孔容積が上記の上限以下であると、嵩密度低下が抑制でき、電極密度低下を防ぐことができる。なお、本明細書において、メソ孔とは、DFT法において、2nm以上50nm以下の細孔直径(孔径)を有する孔である。
本発明により得られる炭素質材料において、DFT法により算出されるマイクロ孔容積は、好ましくは0.001〜0.8mL/g、より好ましくは0.003〜0.4mL/g、さらに好ましくは0.004〜0.2mL/g、特に好ましくは0.005〜0.08mL/g、とりわけ好ましくは0.006〜0.05mL/gである。マイクロ孔容積が上記の下限以上であると、Liイオンの吸脱着が容易に生じる。また、マイクロ孔容積が上記の上限以下であると、水分の吸着などにより充放電時に生じる炭素質材料と水分との反応が抑制できる。なお、本明細書において、マイクロ孔とは、DFT法において、2nm未満の細孔直径を有する孔である。
ここで、DFT法とは、分子動力学及びコンピュータシミュレーション方法を利用して、被吸着体の表面及び細孔に吸着した気体の平衡密度プロファイルを計算し、それにより、吸脱着等温線、吸着熱などが算出できる解析法である。この解析法は、マイクロ孔及びメソ孔の全領域に適用可能となるため、マイクロ孔容積、メソ孔容積、およびマイクロ孔・メソ孔分布を同時に測定することができる。本発明において、窒素吸着法によって測定した窒素吸脱着等温線に対し、DFT法を適用することによって、マイクロ孔容積・メソ孔容積を算出することができる。
本発明より得られる炭素質材料において、メソ孔容積とマイクロ孔容積との比(以下、「メソ孔容積/マイクロ孔容積」ともいう)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.5以上である。上記メソ孔容積/マイクロ孔容積が上記下限以上であると、上記炭素質材料を用いた非水電解質二次電池は、さらに低い抵抗を有するため、電池の出力特性にさらに優れ、また充放電を繰り返した場合においても充放電効率に優れる。メソ孔容積/マイクロ孔容積が上記下限以上である場合に上記効果を有する理由は明らかではないが、マイクロ孔が多すぎると、繰り返し使用した際に一部のマイクロ孔の細孔内部を利用できなくなるため、メソ孔が一定比率以上存在することにより上記効果を発揮したことが考えられる。なお、上記メソ孔容積/マイクロ孔容積の上限は、例えば3.0以下である。
Li核−固体NMR測定]
本発明により得られる炭素質材料において、該炭素質材料に満充電状態となるまでリチウムをドープし、Li核−固体NMR分析を行ったとき、基準物質であるLiClの共鳴ピークに対して低磁場側に115〜145ppmシフトした主共鳴ピークが観測されることが好ましい。主共鳴ピークの低磁場側へのシフト値が大きいことは、クラスター化して存在するリチウムの量が多いことを示している。本発明の炭素質材料において、クラスターを迅速に解離させ、早い充放電を達成しやすい観点からは、上記の低磁場側へのシフト値は、142ppm以下であることがより好ましい。主共鳴ピークの低磁場側へのシフト値が小さいことは、炭素層間に存在するリチウムの量が多いことを示している。充放電容量を高めやすい観点からは、上記の低磁場側へのシフト値は、120ppm以上であることがより好ましい。
ここで、本発明において、「主共鳴ピークが観測される」とは、主共鳴ピークを与えるリチウム種が後述するLi核−固体NMR分析法の検出限界である3%以上存在することを意味する。
また、本発明において、「満充電状態となるまでリチウムをドープし」とは、炭素質材料を含む電極を正極とし、金属リチウムを含む電極を負極とする非水電解質二次電池を組み立て、終了電圧を、通常0.1〜0mV、好ましくは0.05〜0mV、より好ましくは0.01〜0mVの範囲として充電を行うことを意味する。本発明において、満充電状態の炭素質材料は、通常300〜600mAh/g、好ましくは350〜580mAh/gの容量を有する。
Li核−固体NMRスペクトルの測定方法の詳細は後述するとおりであり、核磁気共鳴装置(例えばBRUKER製「AVANCE300」)を用いて測定することができる。
[ラマンスペクトル]
本発明により得られる炭素質材料において、レーザーラマン分光法により観測されるラマンスペクトルの1360cm−1付近のピークの半値幅の値は、好ましくは190〜240cm−1cm−1である。ここで、1360cm−1付近のピークとは、一般にDバンドと称されるラマンピークであり、グラファイト構造の乱れ・欠陥に起因するピークである。1360cm−1付近のピークは、通常、1345cm−1〜1375cm−1、好ましくは1350cm−1〜1370cm−1の範囲に観測される。
このピークの半値幅は、炭素質材料中に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥の量に関係する。半値幅が上記下限より小さいと、炭素質材料中に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥が少なすぎて、グラファイト構造の発達により炭素エッジが減少し、リチウムイオンが挿入されるサイトが少なくなる。そのため、低温での特性が低下したり、抵抗が高くなるなどの問題が生じる。このような観点から、1360cm−1付近のピークの半値幅は、195cm−1以上であることがより好ましく、200cm−1以上であることがさらに好ましい。また、半値幅が上記の上限より大きいと、炭素質材料中に含まれるグラファイト構造の乱れ・欠陥が多く、非晶質が多くなり、炭素エッジが多くなり、リチウムと反応する炭素末端の反応基が多くなる。そのためリチウムイオンの利用効率が低下し、充放電効率が低下する。このような観点から、1360cm−1付近のピークの半値幅は、240cm−1以下であることが好ましく、235cm−1以下であることがより好ましい。
ラマンスペクトルの測定は、ラマン分光器(例えば、堀場製作所製ラマン分光器「LabRAM ARAMIS(VIS)」)を用いて行う。例えば、測定対象粒子を観測台ステージ上にセットし、対物レンズの倍率を100倍とし、ピントを合わせ、測定セル内に532nmのアルゴンイオンレーザ光を照射しながら、露光時間1秒、積算回数100回、測定範囲を50−2000cm−1として測定する。
[水素元素・酸素元素]
本発明の炭素質材料は、酸素元素の含量が好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、更に好ましくは0.65質量%以下、特に好ましくは0.6質量%以下である。炭素質材料中の酸素元素の含量が上記上限以下であると、充電時に起こり得る副反応を抑制することができるために、取り出せる放電容量が大きくなる。なお、炭素質材料中の酸素元素の含量の下限は通常0.01質量%以上である。酸素元素の含量は、例えば不活性ガス溶解法により測定することができる。
本発明の炭素質材料は、水素元素の含量が好ましくは0.16質量%以下、より好ましくは0.14質量%以下、更に好ましくは0.12質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。炭素質材料中の水素元素の含量が上記上限以下であると、充電時に起こり得る副反応を抑制することができるために、取り出せる放電容量が大きくなる。なお、炭素質材料中の水素元素の含量の下限は通常0.01質量%以上である。水素元素の含量は、例えば不活性ガス溶解法により測定することができる。
本発明により得られる炭素質材料は、非水電解質二次電池の負極活物質として好適に使用することができる。
以下において、非水電解質二次電池用の負極の製造方法を具体的に述べる。負極電極は、本発明により得られる炭素質材料に結合剤(バインダー)を添加し、適当な溶媒を適量添加、混練し、電極合剤とした後に、金属板等からなる集電板に塗布・乾燥後、加圧成形することにより製造することができる。
本発明により得られる炭素質材料を用いることにより、導電助剤を添加しなくとも高い導電性を有する電極を製造することができる。更に高い導電性を賦与することを目的として、必要に応じて電極合剤の調製時に、導電助剤を添加することができる。導電助剤としては、導電性のカーボンブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、ナノチューブ等を用いることができる。導電助剤の添加量は、使用する導電助剤の種類によっても異なるが、添加する量が少なすぎると期待する導電性が得られないことがあり、多すぎると電極合剤中の分散が悪くなることがある。このような観点から、添加する導電助剤の好ましい割合は0.5〜10質量%(ここで、活物質(炭素質材料)量+バインダー量+導電助剤量=100質量%とする)であり、更に好ましくは0.5〜7質量%、特に好ましくは0.5〜5質量%である。結合剤としては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチレン、およびSBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)とCMC(カルボキシメチルセルロース)との混合物等の電解液と反応しないものであれば特に限定されない。中でもPVDFは、活物質表面に付着したPVDFがリチウムイオン移動を阻害することが少なく、良好な入出力特性を得るために好ましい。PVDFを溶解し、スラリーを形成するためにN−メチルピロリドン(NMP)等の極性溶媒を好ましく用いられるが、SBR等の水性エマルジョンやCMCを水に溶解して用いることもできる。結合剤の添加量が多すぎると、得られる電極の抵抗が大きくなるため、電池の内部抵抗が大きくなり電池特性を低下させることがある。また、結合剤の添加量が少なすぎると、負極材料の粒子相互間および集電材との結合が不十分となることがある。結合剤の好ましい添加量は、使用するバインダーの種類によっても異なるが、例えばPVDF系のバインダーでは好ましくは3〜13質量%であり、更に好ましくは3〜10質量%である。一方、溶媒に水を使用するバインダーでは、SBRとCMCとの混合物など、複数のバインダーを混合して使用することが多く、使用する全バインダーの総量として0.5〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。
電極活物質層は、集電板の両面に形成されることが基本であるが、必要に応じて片面に形成されてもよい。電極活物質層が厚いほど、集電板やセパレータ等が少なくて済むため、高容量化には好ましい。しかし、対極と対向する電極面積が広いほど入出力特性の向上に有利なため、電極活物質層が厚すぎると入出力特性が低下することがある。好ましい活物質層(片面当たり)の厚みは、電池放電時の出力の観点から、10〜80μmであり、更に好ましくは20〜75μm、特に好ましくは30〜75μmである。
本発明により得られる炭素質材料を使用した非水電解質二次電池用負極電極を用いた非水電解質二次電池は、高い充放電容量および充放電効率と、低い抵抗を有する。
本発明により得られる炭素質材料を用いて、非水電解質二次電池用の負極を形成した場合、正極材料、セパレータ、および電解液など電池を構成する他の材料は特に限定されることなく、非水溶媒二次電池として従来使用され、あるいは提案されている種々の材料を使用することが可能である。
例えば、正極材料としては、層状酸化物系(LiMO2と表されるもので、Mは金属:例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、またはLiNixCoyMozO2(ここでx、y、zは組成比を表わす))、オリビン系(LiMPO4で表され、Mは金属:例えばLiFePO4など)、スピネル系(LiM24で表され、Mは金属:例えばLiMn24など)の複合金属カルコゲン化合物が好ましく、これらのカルコゲン化合物を必要に応じて混合してもよい。これらの正極材料を適当なバインダーと電極に導電性を付与するための炭素質材料とともに成形して、導電性の集電材上に層形成することにより正極が形成される。
これらの正極および負極と組み合わせて用いられる非水溶媒型電解液は、一般に非水溶媒に電解質を溶解することにより形成される。非水溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、または1,3−ジオキソラン等の有機溶媒を、一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。また、電解質としては、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiAsF6、LiCl、LiBr、LiB(C654、またはLiN(SO3CF32等が用いられる。
非水電解質二次電池は、一般に上記のようにして形成した正極と負極とを必要に応じて不織布、その他の多孔質材料等からなる透液性セパレータを介して対向させ電解液中に浸漬させることにより形成される。セパレータとしては、二次電池に通常用いられる不織布、その他の多孔質材料からなる透過性セパレータを用いることができる。あるいはセパレータの代わりに、もしくはセパレータと一緒に、電解液を含浸させたポリマーゲルからなる固体電解質を用いることもできる。
本発明により得られる炭素質材料は、例えば自動車などの車両に搭載される電池(典型的には車両駆動用非水電解質二次電池)用炭素質材料として好適である。本発明において車両とは、通常、電動車両としてしられるものや、燃料電池や内燃機関とのハイブリッド車など、特に制限されることなく対象とすることができるが、少なくとも上記電池を備えた電源装置と、該電源装置からの電源供給により駆動する電動駆動機構と、これを制御する制御装置とを備える。車両は、さらに、発電ブレーキや回生ブレーキを備え、制動によるエネルギーを電気に変換して、前記非水電解質二次電池に充電する機構を備えていてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下にチャーおよび炭素質材料の物性値の測定方法を記載するが、実施例を含めて、本明細書中に記載する物性値は、以下の方法により求めた値に基づくものである。
(ラマンスペクトル)
ラマン分光器(堀場製作所製「LabRAM ARAMIA(VIS)」)を用い、炭素質材料である測定対象粒子を観測台ステージ上にセットし、対物レンズの倍率を50倍とし、ピントを合わせ、アルゴンイオンレーザ光を照射しながら、測定した。測定条件の詳細は以下のとおりである。実施例1および比較例1の炭素質材料を用いて作製した炭素質材料のラマンスペクトルを、それぞれ図1と図2に示す。
アルゴンイオンレーザ光の波長:532nm
試料上のレーザーパワー:15mW
分解能:5−7cm−1
測定範囲:50−2000cm−1
露光時間:1秒
積算回数:100回
ピーク強度測定:ベースライン補正 Polynom−3次で自動補正
ピークサーチ&フィッテイング処理 GaussLoren
(窒素吸着BET多点法による比表面積測定)
以下にBETの式から誘導された近似式(式(I))を記す。
上記の近似式を用いて、液体窒素温度における、窒素吸着による多点法により所定の相対圧(p/p0)における実測される吸着量(v)を代入してvmを求め、下記の式(II)により試料の比表面積を計算した。
上記式(II)中、vmは試料表面に単分子層を形成するに必要な吸着量(cm/g)、vは実測される吸着量(cm/g)、p0は飽和蒸気圧、pは絶対圧、cは定数(吸着熱を反映)、Nはアボガドロ数6.022×1023、a(nm)は吸着質分子が試料表面で占める面積(分子占有断面積)である。
具体的には、カンタクローム社製「Autosorb−iQ−MP」を用いて、以下のようにして液体窒素温度における試料への窒素の吸着量を測定した。試料を試料管に充填し、試料管を−196℃に冷却した状態で、一旦減圧し、その後所望の相対圧にて試料に窒素(純度99.999%)を吸着させる。各所望の相対圧にて平衡圧に達した時の試料に吸着した窒素量を吸着量vとした。
(DFT法によるマイクロ孔容積・メソ孔容積)
カンタクローム社製「Autosorb−iQ−MP」を使用し、炭素質材料を減圧下、300℃で12時間加熱した後、77Kにおける炭素質材料の窒素吸脱着等温線を測定した。得られた脱着等温線に対し、DFT法を適用し、マイクロ孔容積およびメソ孔容積を算出した。
(Li NMR測定)
炭素質材料94質量部、ポリフッ化ビニリデン6質量部に、N−メチル−2−ピロリドンを加えてペースト状とし、フィルム上に均一に塗布し、乾燥、プレスをかけた後、フィルムから剥離させ直径14mmの円板状に打ち抜き炭素電極を得た。負極には、厚さ0.2mmの金属リチウム薄膜を直径14mmの円板状に打ち抜いたものを用いた。電解液には、エチレングリコールジメチルエーテルとプロピレンカーボネートを容量比1:1で混合した混合溶媒に1モル/リットルの割合でLiClOを加えたものを用い、セパレータにはポリプロピレン製微細孔膜を用いた。炭素電極と負極との間にセパレータを挟み、電解液を注入してコインセルを作製した。
作製したコインセルを用いて、電流密度0.2mA/cmの電気量で0mVに到達するまでドーピングし、その後比容量が1000mAh/gになるまで充電することで、リチウムイオンが満充電状態でドープされた炭素電極を得た。ドープ終了後は、2時間休止した後、アルゴン雰囲気下で炭素電極を取り出し、電解液を拭き取った炭素電極を全てNMR用サンプル管に充填した。
NMR分析は、BRUKER製、核磁気共鳴装置AVANCE300によりMAS−Li−NMRの測定を行った。測定に際して、塩化リチウムを基準物質として、これを0ppmに設定した。実施例1および比較例1の炭素質材料を用いて作製した炭素電極のNMRスペクトルを、それぞれ図3と図4に示す。
(ブタノール法による真密度測定)
真密度ρBtは、JIS R 7212に定められた方法に従い、ブタノール法により測定した。内容積約40mLの側管付比重びんの質量(m1)を正確に量った。次に、その底部に試料を約10mmの厚さになるように平らに入れた後、その質量(m2)を正確に量った。これに1−ブタノールを静かに加えて、底から20mm程度の深さにした。次に比重びんに軽い振動を加えて、大きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後、真空デシケーター中に入れ、徐々に排気して2.0〜2.7kPaとした。その圧力に20分間以上保ち、気泡の発生が止まった後に、比重びんを取り出し、さらに1−ブタノールを満たし、栓をして恒温水槽(30±0.03℃に調節してあるもの)に15分間以上浸し、1−ブタノールの液面を標線に合わせた。次に、これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後質量(m4)を正確に量った。次に、同じ比重びんに1−ブタノールだけを満たし、前記と同じようにして恒温水槽に浸し、標線を合わせた後質量(m3)を量った。また使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重びんにとり、前記と同様に恒温水槽に浸し、標線を合わせた後質量(m5)を量った。真密度ρBtは下記の式(III)により計算した。このとき、dは水の30℃における比重(0.9946)である。
(金属含量測定)
カリウム元素含量およびカルシウム元素含量の測定方法は、以下の方法により測定した。予め所定のカリウム元素およびカルシウム元素を含有する炭素試料を調製し、蛍光X線分析装置を用いて、カリウムKα線の強度とカリウム元素含量との関係、およびカルシウムKα線の強度とカルシウム元素含量との関係に関する検量線を作成した。ついで試料について蛍光X線分析におけるカリウムKα線およびカルシウムKα線の強度を測定し、先に作成した検量線よりカリウム元素含量およびカルシウム元素含量を求めた。蛍光X線分析は、(株)リガク製ZSX Primus−μを用いて、以下の条件で行った。上部照射方式用ホルダーを用い、試料測定面積を直径30mmの円周内とした。被測定試料2.0gとポリマーバインダ2.0g(Chemplex社製 Spectro Blend44μ Powder)とを乳鉢で混合し、成形機に入れた。成形機に15tonの荷重を1分間かけて、直径40mmのペレットを作製した。作製したペレットをポリプロピレン製のフィルムで包み、試料ホルダーに設置して測定を行った。X線源は40kV、75mAに設定した。カリウムについては、分光結晶にLiF(200)、検出器にガスフロー型比例係数管を使用し、2θが133〜140°の範囲を、走査速度4°/分で測定した。カルシウムについては、分光結晶にLiF(200)、検出器にガスフロー型比例係数管を使用し、2θが110〜116°の範囲を、走査速度30°/分で測定した。
(レーザー散乱法による平均粒子径測定)
植物由来のチャーおよび炭素質材料の平均粒子径(粒度分布)は、以下の方法により測定した。試料を、界面活性剤(和光純薬工業(株)製「ToritonX100」)を0.3質量%含む水溶液に投入し、超音波洗浄器で10分以上処理し、水溶液中に分散させた。この分散液を用いて粒度分布を測定した。粒度分布測定は、粒子径・粒度分布測定器(マイクロトラック・ベル株式会社製「マイクロトラックMT3300EXII」)を用いて行った。D50は、累積体積が50%となる粒子径であり、この値を平均粒子径として用いた。
[元素分析]
株式会社堀場製作所製、酸素・窒素・水素分析装置EMGA−930を用いて、不活性ガス溶解法に基づいて元素分析を行った。
当該装置の検出方法は、酸素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)、窒素:不活性ガス融解−熱伝導度法(TCD)、水素:不活性ガス融解−非分散型赤外線吸収法(NDIR)であり、校正は、(酸素・窒素)Niカプセル、TiH2(H標準試料)、SS−3(N、O標準試料)で行い、前処理として250℃、約10分で水分量を測定した試料20mgをNiカプセルに取り、元素分析装置内で30秒脱ガスした後に測定した。試験は3検体で分析し、平均値を分析値とした。
(製造例1)
椰子殻を破砕し、窒素ガス雰囲気下、500℃で乾留して、比表面積390m/g、粒子径0.5〜2.0mmの椰子殻チャーを得た。その後、ボールミルを用いて椰子殻チャーを粉砕し、比表面積440m/g、平均粒子径7〜12μmの椰子殻粉砕チャーを得た。
(実施例1)
製造例1で得た椰子殻粉砕チャーを、椰子殻粉砕チャーの質量に基づき10質量%のNaOHを椰子殻粉砕チャーの質量に基づき200質量%の水に溶解させた水溶液と混合した。30分間超音波照射をして溶液をチャーに浸透させた後に、1Torrの減圧下で80℃、8時間減圧乾燥し、アルカリ添着チャーを得た。得られたアルカリ添着チャーの平均粒子径は10μmであった。このアルカリ添着チャーを、転動造粒機に投入し、回転撹拌しながら、35質量%の水溶性フェノール樹脂水溶液を、アルカリ添着チャーの質量に基づき30質量%、造粒の状態を確認しながら30分間にわたって噴霧し、30分運転を続け、造粒チャーを得た。得られた造粒チャーの平均粒子径は1.0mmであった。この造粒チャーを、窒素ガス気流下、200℃で120分間熱処理を行い、熱処理チャーを得た。得られた熱処理チャーを、塩化水素ガスを2体積%含む窒素ガス気流下、1200℃で60分間熱処理した。塩化水素ガスを2体積%含む窒素ガスの供給量は、アルカリ添着チャー50gあたり18L/分であった。その後、塩化水素ガスの供給のみを停止し、1200℃で60分間熱処理することにより脱酸処理を行い、炭素質材料を得た。脱酸処理における窒素ガスの供給量は、アルカリ添着チャー50gあたり18L/分であった。
(実施例2)
気相脱灰および脱酸処理における窒素ガスの供給量を、アルカリ添着チャー50gあたり18L/分に代えて10L/分とした以外は、実施例1と同様にして、炭素質材料を得た。
(比較例1)
アルカリ添着チャーに水溶性フェノール樹脂を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、炭素質材料を得た。
(比較例2)
アルカリ添着チャーに水溶性フェノール樹脂を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして、炭素質材料を得た。
実施例1〜2および比較例1〜2で得た炭素質材料の物性を表1に示す。
(回収率の算出方法)
回収率は、実施例1〜2および比較例1〜2で得た炭素質材料の質量を、NaOH及び水溶性フェノール樹脂を添加する前の椰子殻粉砕チャーの質量で除した値を、百分率で示し算出した。
(電極の作製方法)
実施例1〜2および比較例1〜2で得た炭素質材料をそれぞれ用いて、以下の手順に従って負極の作製を行った。
炭素質材料96質量部、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)4質量部およびNMP(N−メチルピロリドン)90質量部を混合し、スラリーを得た。厚さ14μmの銅箔に、得られたスラリーを塗布し、乾燥後プレスして、厚さ75μmの電極を得た。得られた電極の密度は、0.8〜1.0g/cmであった。
(直流抵抗値、放電容量および充放電効率)
上記で作製した電極を作用極とし、金属リチウムを対極および参照極として使用した。溶媒として、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートとを、体積比で3:7となるように混合して用いた。この溶媒に、LiPFを1mol/L溶解し、電解質として用いた。セパレータにはガラス繊維不織布を使用した。アルゴン雰囲気下のグローブボックス内でコインセルを作製した。
上記構成のリチウム二次電池について、充放電試験装置(東洋システム株式会社製、「TOSCAT」)を用いて、初期充電前に直流抵抗値を測定後、充放電試験を行った。リチウムのドーピングは、活物質質量に対し70mA/gの速度で行い、リチウム電位に対して1mVになるまでドーピングした。さらにリチウム電位に対して1mVの定電圧を8時間印加して、ドーピングを終了した。このときの容量(mAh/g)を充電容量とした。次いで、活物質質量に対し70mA/gの速度で、リチウム電位に対して2.5Vになるまで脱ドーピングを行い、このとき放電した容量を放電容量とした。放電容量/充電容量の百分率を充放電効率(初期の充放電効率)とし、電池内におけるリチウムイオンの利用効率の指標とした。また、充放電効率は、充電容量から放電容量を差し引くことによって、不可逆容量を算出した。得られた結果を表2に示す。
また、実施例1〜2および比較例1〜2で得た炭素質材料を用いたリチウム二次電池について、以下の通りに抵抗測定(直流抵抗値、インピーダンス)を行った。得られた結果を表2に示す。
(インピーダンス)
上記で作製した電極を用いて、電気化学測定装置(ソーラトロン社製「1255WB型高性能電気化学測定システム」)を用い、25℃で、0Vを中心に10mVの振幅を与え、周波数10mHz〜1MHzの周波数で定電圧交流インピーダンスを測定し、周波数1k、1、0.1Hzにおける実部抵抗をインピーダンス抵抗として測定した。
実施例1〜2の製造方法では、気相脱灰工程前に造粒・熱処理工程を加えることで高い回収率で炭素質材料を得ることができた。一方で、本発明の製造方法によらない比較例1〜2では、炭素質材料の回収率が十分であるとはいえなかった。加えて、実施例1〜2の炭素質材料を用いて作製した電池は、高い放電容量と良好な充放電効率を示した。また、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2をそれぞれ比較すると、塩化水素ガスへの同等の暴露時間で、実施例1および2はより高い放電容量を有するものとできた。

Claims (7)

  1. (1)植物由来のチャーを粉砕して粉砕チャーを得る粉砕工程、
    (2)粉砕チャーにアルカリ金属化合物を添加し、アルカリ添着チャーを得るアルカリ添着工程
    (3)前記アルカリ添着チャーにバインダーを添加し、造粒チャーを得る造粒工程
    (4)前記造粒チャーを、ハロゲン化合物を含む不活性ガス雰囲気中で1100℃〜1300℃で熱処理する気相脱灰工程
    を含む、非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  2. 前記粉砕チャーの平均粒子径が1〜20μmである、請求項1に記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  3. 前記アルカリ添着チャーのアルカリ金属化合物の添着量が0.5〜20質量%である、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  4. アルカリ金属化合物が、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ金属炭酸塩である、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  5. 前記造粒チャーの平均粒子径が100μm〜4.0mmである、請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  6. 前記アルカリ添着チャーに添加するバインダーの添着量が0.1〜20質量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
  7. 前記バインダーが、熱硬化樹脂である請求項請求項1〜6のいずれかに記載の非水電解質二次電池負極用炭素質材料の製造方法。
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