JP6509591B2 - 疎水化炭素材及びその製造方法 - Google Patents

疎水化炭素材及びその製造方法

Info

Publication number
JP6509591B2
JP6509591B2 JP2015047640A JP2015047640A JP6509591B2 JP 6509591 B2 JP6509591 B2 JP 6509591B2 JP 2015047640 A JP2015047640 A JP 2015047640A JP 2015047640 A JP2015047640 A JP 2015047640A JP 6509591 B2 JP6509591 B2 JP 6509591B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon material
hydrophobized
activated carbon
water vapor
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015047640A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016166116A (ja
Inventor
穣慈 秋山
穣慈 秋山
建司 関
建司 関
佐藤 正洋
正洋 佐藤
完爾 若林
完爾 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Chemicals Co Ltd filed Critical Osaka Gas Chemicals Co Ltd
Priority to JP2015047640A priority Critical patent/JP6509591B2/ja
Publication of JP2016166116A publication Critical patent/JP2016166116A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6509591B2 publication Critical patent/JP6509591B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

本発明は、疎水化炭素材及びその製造方法に関する。
炭素材料は古くから人類と馴染み深い材料であり、中でも活性炭はその多彩な細孔を利用して、水の浄化や空気中の有害物質の除去や消臭等に用いられている。活性炭の表面は、一般に疎水性であると言われており、極性の低い有機溶剤に対して高い吸着性能を示す。しかしながら、水が共存する高湿度条件下においては、本来の性能を発揮できなかった。その要因の1つとしては、活性炭表面には製造過程で賦活により生じた親水性官能基(水酸基、カルボキシ基、ラクトン基等)が存在する為と言われている。これら親水性官能基を有する活性炭は、空気中に水分が存在する場合、その細孔内に水分子が吸着し、目的とする有機物質の吸着が妨げられ、性能が短期間で低下するという問題があった。このため、活性炭を表面改質することによる活性炭の疎水化技術の開発が望まれている。
活性炭を疎水化する手法としては、例えば、活性炭材料を不活性雰囲気中で加熱し、親水性の官能基を除去する方法(例えば、特許文献1等)や、活性炭材料を水素気流中で加熱する方法等が知られている。しかしながら、これらの方法では、活性炭が冷却する際に、再度親水性官能基が生成され、疎水性が低下するという問題があった。
また、活性炭材料に有機シラン系化合物を添着する方法(例えば、特許文献2等)や、活性炭材料にオルガノシリカゾルを添着する方法(例えば、特許文献3等)等により、活性炭表面を疎水化できる方法も知られている。しかしながら、このような高分子系疎水化材を使用した場合には、分子サイズの問題から細孔奥まで疎水化することができず、性能面で課題があった。
一方、小分子のシラン系疎水化材として、トリメチルクロロシランを少量添加することで、活性炭を適度に疎水化できることも知られている(例えば、特許文献4等)。
特開平08−026711号公報 特開2003−261314号公報 特開2013−103174号公報 特許第2810979号
しかしながら、特許文献4の方法を採用した場合は、水蒸気吸着が開始する相対圧を高湿側へシフトさせる程度であり、性能面で課題があった。特に、25℃における水蒸気吸着等温線の相対蒸気圧0.95〜1.00において、疎水化活性炭の単位質量当たりの水蒸気吸着量/原料である活性炭の単位質量当たりの水蒸気吸着量を0.8以下とすることはできず、吸着特性は十分ではなかった。
本発明は、以上のような課題を解決しようとするものであり、活性炭の表面に疎水性を付与することにより、高湿度又は水共存下においても、優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる炭素材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を重ねてきた。その結果、エネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が1〜20質量%となる程度に多孔質炭素材料にケイ素化合物(特に分子サイズの小さいケイ素化合物)を添着させることで、上記課題を解決した炭素材を得られることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成したものである。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.多孔質炭素材料にケイ素化合物を添着させた疎水化炭素材であって、
エネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が1〜20質量%である、疎水化炭素材。
項2.前記多孔質炭素材料が木質系活性炭である、項1に記載の疎水化炭素材。
項3.前記多孔質炭素材料が活性炭繊維である、項1に記載の疎水化炭素材。
項4.25℃における水蒸気吸着等温線の相対蒸気圧0.95〜1.00において、疎水化炭素材の単位質量当たりの水蒸気吸着量/原料である多孔質炭素材料の単位質量当たりの水蒸気吸着量が0.8以下である、項1〜3のいずれかに記載の疎水化炭素材。
項5.前記ケイ素化合物が、トリメチルシリル基を有する有機ケイ素化合物である、項1〜4のいずれかに記載の疎水化炭素材。
項6.前記ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシラン及び/又はトリメチルシラノールである、項1〜5のいずれかに記載の疎水化炭素材。
項7.項1〜6のいずれかに記載の疎水化炭素材の製造方法であって、
多孔質炭素材料とケイ素化合物とを、200〜900℃の温度で加熱する加熱工程
を備える、製造方法。
項8.前記加熱工程が、密閉容器内で行われる、項7に記載の製造方法。
本発明によれば、従来の活性炭と比較して、その表面が適度に疎水化されているため、高湿度又は水共存下においても、水蒸気吸着量を低く抑えることができ、活性炭本来が有している優れた吸着、分離、撥水性能等を発揮することが可能である。このような本発明の疎水化炭素材は、吸着、回収、選択分離、電極材料等の種々の用途に採用することができる。
実施例1の未処理活性炭及び疎水化炭1の−196℃での窒素吸着等温線である。 実施例1の未処理活性炭及び疎水化炭1の25℃の水蒸気吸着等温線である。 実施例2の未処理活性炭及び疎水化炭2の−196℃での窒素吸着等温線である。 実施例2の未処理活性炭及び疎水化炭2の25℃の水蒸気吸着等温線である。 実施例3の未処理活性炭及び疎水化炭3の−196℃での窒素吸着等温線である。 実施例3の未処理活性炭及び疎水化炭3の25℃の水蒸気吸着等温線である。
1.疎水化炭素材
本発明の疎水化炭素材は、多孔質炭素材料にケイ素化合物を添着させた疎水化炭素材であって、エネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が1〜20質量%である。
多孔質炭素材料としては、特に制限はないが、通常活性炭を使用することができる。 活性炭としては、種々の活性炭を使用することができ、例えば、黒鉛、鉱物系材料(褐炭、れき青炭等の石炭、石油又は石炭ピッチ等)、植物系材料(木材、竹、果実殻(やし殻等)等)、高分子材料(ポリアクリロニトリル(PAN)、フェノール系樹脂、セルロース、再生セルロース等)等を原料とする活性炭等が挙げられる。活性炭は、これらの原料を必要に応じて炭化又は不融化した後、賦活処理することにより得ることができる。なお、炭化方法、不融化方法、賦活方法等は、特には限定されず、慣用の方法が利用できる。例えば、賦活は、炭素原料(又はその炭化物若しくは不融化物)を賦活ガス(水蒸気、二酸化炭素等)中、500〜1000℃程度で熱処理するガス賦活法、炭素原料(又はその炭化物若しくは不融化物)を賦活剤(リン酸、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)と混合し、300〜800℃程度で熱処理する化学的賦活法等により行うことができる。
これらの活性炭のうち、やし殻やおが屑等を原料にした植物系活性炭、石炭等を原料とする鉱物系活性炭、ピッチ系活性炭・PAN系活性炭・セルロース系活性炭・フェノール系活性炭等の高分子系活性炭等が好ましい。上記した活性炭は、単独で用いてもよいし、二種以上組合せて使用してもよい。なかでも、炭素材の疎水化をより進行させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量をより低減させ、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、おが屑等を原料とした木質系の活性炭がより好ましい。
このような多孔質炭素材料の形状は、特に制限されず、粉体、繊維状、ペレット状、粒状、ハニカム状、ペーパー状等の任意の形態のものを使用することができる。
多孔質炭素材料の比表面積は、特に制限はないが、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、100〜3500m/g程度が好ましく、500〜3000m/g程度がより好ましく、700〜2500m/g程度がさらに好ましい。なお、多孔質炭素材料の比表面積は、BET法により測定する。
多孔質炭素材料に添着させるケイ素化合物としては、特に制限はないが、例えば、ヘキサメチルジシラン、トリメチルシラノール、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリエチルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリメチルビニルシラン、トリメチルアリルシラン等が挙げられるが、細孔の奥まで疎水化させることで炭素材の疎水化をより進行させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量をより低減させ、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、分子サイズの小さいケイ素化合物が好ましく、トリメチルシリル器を有するケイ素化合物(ヘキサメチルジシラン、トリメチルシラノール、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルビニルシラン、トリメチルアリルシラン等)がより好ましく、ヘキサメチルジシラン、トリメチルシラノール等がさらに好ましく、ヘキサメチルジシランが特に好ましい。これらのケイ素化合物は、単独で用いてもよいし、二種以上を組合せて用いてもよい。
本発明において、上記多孔質炭素材料に添着させるケイ素化合物の量は、多孔質炭素材料を十分疎水化させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量を低減させ、優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができるように十分添着させることが好ましい。具体的には、エネルギー分散型X線分析により測定した表面のケイ素濃度を1〜20%(質量濃度)とすることが好ましく、3〜18%(質量濃度)とすることがより好ましく、8〜15%(質量濃度)とすることがさらに好ましい。
本発明において、上記多孔質炭素材料に添着させるケイ素化合物の量は、多孔質炭素材料を十分疎水化させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量を低減させ、優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができるように十分添着させることが好ましい。具体的には、本発明の疎水化炭素材中に多孔質炭素材料を70〜99質量%(特に75〜90質量%)含むことが好ましく、ケイ素化合物を1〜20質量%(特に3〜15質量%)含むことが好ましい。
このような本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)は、原料である多孔質炭素材料と比較し、水蒸気吸着量が著しく低下する。そのため、25℃における飽和水蒸気圧付近(水蒸気吸着等温線の相対蒸気圧0.95〜1.00)において、疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)の単位質量当たりの水蒸気吸着量/原料である多孔質炭素材料の単位質量当たりの水蒸気吸着量は、0.8以下が好ましく、0.5以下がより好ましく、0.3以下がさらに好ましい。なお、この疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)の単位質量当たりの水蒸気吸着量/原料である多孔質炭素材料の単位質量当たりの水蒸気吸着量の下限値は特に制限はなく、小さいほうが好ましいが、通常0.001である。
本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)は、原料として用いる多孔質炭素材料と比較して、添着したケイ素化合物の量に応じて、単位質量当たりの比表面積、細孔容積等は減少する傾向にある。このため、本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)の比表面積は、通常、30〜1500m/g程度が好ましく、150〜1000m/g程度がより好ましく、200〜900m/g程度がさらに好ましい。なお、疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)の比表面積は、BET法により測定する。
本発明の疎水化活性炭は、水に対して強い疎水性及び撥水性を発揮するため、揮発性の高い有機塩素系化合物を水蒸気共存下で回収する溶剤回収や、キャパシタ用電極材料、水中に可溶しているトリハロメタン類の除去、水面に浮遊している油の除去、水蒸気共存下で選択的にガス吸着を行う用途に有用である。
2.疎水化炭素材の製造方法
上記のような本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)は、特に制限はないが、多孔質炭素材料とケイ素化合物とを、200〜900℃の温度で加熱する加熱工程を備える製造方法により得ることができる。具体的には、多孔質炭素材料とケイ素化合物とを混合し、200〜900℃の温度で加熱することが好ましい。この際、多孔質炭素材料と、液体状又は気体状のケイ素化合物とを混合することが、十分混合してケイ素化合物を多孔質炭素材料に添着することができるため好ましく、多孔質炭素材料と、液体状のケイ素化合物とを混合することがより簡便である。多孔質炭素材料と、液体状のケイ素化合物とを混合する場合には、液体状のケイ素化合物中に多孔質炭素材料を浸漬する方法が簡便である。この場合、ケイ素化合物が常温で液体又は気体の場合はそのまま多孔質炭素材料と混合することができるし、ケイ素化合物が常温で固体の場合は溶媒(水;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等)中に溶解又は分散させた後に多孔質炭素材料と混合することができる。
上記加熱工程において、加熱温度は、ケイ素化合物の添着をより強固にすることで炭素材の疎水化をより進行させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量をより低減させ、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、300〜900℃が好ましく、300〜700℃がより好ましく、350〜500℃がさらに好ましい。なお、本明細書において、加熱温度は、加熱工程における最高到達温度を意味する。
上記加熱工程において、加熱時間は、ケイ素化合物の添着をより強固にすることで炭素材の疎水化をより進行させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量をより低減させ、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、30分〜1日(24時間)が好ましく、1時間〜12時間がより好ましく、1.5時間〜6時間がさらに好ましい。なお、本明細書において、加熱時間は、加熱工程における最高到達温度における維持時間を意味する。
上記加熱工程は、密閉雰囲気(密閉容器内)で行ってもよいし、開放雰囲気で行ってもよいが、ケイ素化合物の添着をより強固にすることで炭素材の疎水化をより進行させ、高湿度又は水共存下においても水蒸気吸着量をより低減させ、より優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができる観点から、密閉容器内で行うことが好ましい。密閉雰囲気(密閉容器内)で行う場合は、密閉型の耐熱耐圧容器(オートクレーブ等)を用いることができるし、開放系雰囲気で行う場合には、開放系の加熱装置、例えば、コンベア炉、流動炉、熱風吹込炉、フラッシュ乾燥機、電気管状炉、外熱式回転管状炉等を用いることができる。
上記加熱工程の後は、雰囲気温度を室温まで冷却し、得られた疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)を容器外に取り出すことが好ましい。
また、取り出された本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)は、その細孔内にケイ素系化合物が残存しているため、必要に応じて水及び/又は有機溶媒(アセトンやエタノール、ヘキサン等)で洗浄することが好ましい。
本発明の疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)を吸着材として使用するためには、上記の洗浄の後、速やかに減圧下で加熱する(減圧乾燥する)ことが好ましい。これにより、余分な溶媒を疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)が有する細孔中に留まらせることを抑制して除去することができる。
減圧乾燥の際の加熱温度は、特に制限されないが、余分な溶媒を疎水化炭素材(特に疎水化活性炭)が有する細孔中に留まらせることをより抑制して除去する観点から、50〜350℃が好ましく、100〜300℃がより好ましい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
なお、添着した疎水化材表面のケイ素濃度は、(株)日立ハイテクノロジーズ製 X線分析装置付走査型電子顕微鏡 Microscope TM3000/ShiftED3000を用いて定量した。
また、原料である活性炭及びケイ素化合物を添着させた疎水化活性炭の比表面積の測定は、日本ベル(株)製 高精度ガス/蒸気吸着量測定装置 BELSORP−maxを用いて窒素ガス吸着法により、BET法を用いて算出した。
さらに、水蒸気吸着特性は、日本ベル(株)製 自動ガス/蒸気吸着等温線測定装置 ベルソーブ18を用いて行った。
実施例1
活性炭試料は、活性炭繊維 STF−1000(Jiangsu Sutong Carbon Fiber社製)を用いた。150℃で加熱乾燥した活性炭2gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン(東京化成工業(株)製)1gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して250℃で16時間反応させた。反応後の活性炭を150℃で3時間、減圧乾燥させることで、疎水化炭1を2.2g得た。
得られた疎水化炭1の表面ケイ素濃度をエネルギー分散型X線分析装置により分析した結果、3.3%(質量濃度)であった。また、実施例1で得られた疎水化炭1及び未処理活性炭について、−196℃での窒素吸着測定を実施し、BET比表面積を算出した結果、未処理活性炭は1460cm/g、疎水化炭1は663cm/gであった(図1)。さらに、疎水化炭1及び未処理活性炭について、25℃での水蒸気吸着測定を行った(図2)。飽和水蒸気圧付近での水蒸気吸着量は、未処理活性炭は717cm/g、疎水化炭1は150cm/gであり、疎水化前後における吸着量の比は0.21であった。上記の結果を表1に示す。
実施例2
活性炭試料は、ヤシ殻系破砕活性炭 粒状白鷲G2C4/8L(日本エンバイロケミカルズ(株)製)を用いた。150℃で加熱乾燥した活性炭2gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、トリメチルシラノール(東京化成工業(株)製)1gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して250℃で6時間反応させた。反応後の活性炭を120℃で3時間、減圧乾燥させることで、疎水化炭2を2.2g得た。
得られた疎水化炭2の表面ケイ素濃度をエネルギー分散型X線分析装置により分析した結果、3.3%(質量濃度)であった。また、実施例2で得られた疎水化炭2及び未処理活性炭について、−196℃での窒素吸着測定を実施し、BET比表面積を算出した結果、未処理活性炭は1440cm/g、疎水化炭2は608cm/gであった(図3)。さらに、疎水化炭2及び未処理活性炭について、25℃での水蒸気吸着測定を行った(図4)。飽和水蒸気圧付近での水蒸気吸着量は、未処理活性炭は728cm/g、疎水化炭2は220cm/gであり、疎水化前後における吸着量の比は0.30であった。上記の結果を表2に示す。
実施例3
活性炭試料は、特製白鷺(日本エンバイロケミカルズ(株)製)を用いた。活性炭2gをガラス製反応管内へ秤量し、150℃で一晩減圧乾燥した。減圧密閉状態にある容器内に、セプタム栓から、ヘキサメチルジシラン(東京化成工業(株)製)を1g程度、反応容器内へ投入し、ヘキサメチルジシランが気化しなくなるまで繰り返し行った。このようにして得られたヘキサメチルジシランが飽和吸着した活性炭を素早く、ステンレス製の反応管へ移し、6g程度ヘキサメチルジシラン溶液を反応管へ追加し、反応管を密閉して400℃に加熱されたソルトバスに浸漬させ、4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで数回洗浄し、アセトンをろ別した後、150℃で3時間、減圧乾燥させることで、疎水化炭3を2.7g得た。
得られた疎水化炭3の表面ケイ素濃度をエネルギー分散型X線分析装置により分析した結果、13.2%(質量濃度)であった。また、実施例3で得られた疎水化炭3及び未処理活性炭について、−196℃での窒素吸着測定を実施し、BET比表面積を算出した結果、未処理活性炭は1768cm/g、疎水化炭3は624cm/gであった(図5)。さらに、疎水化炭3及び未処理活性炭について、25℃での水蒸気吸着測定を行った(図6)。飽和水蒸気圧付近での水蒸気吸着量は、未処理活性炭は992cm/g、疎水化炭3は27cm/gであり、疎水化前後における吸着量の比は0.027であった。上記の結果を表3に示す。
このように、本発明では、ケイ素化合物を用いた表面疎水処理により、活性炭表面及び細孔内を疎水化することができる。この疎水化された炭素材は、高湿度又は水共存下においても、水蒸気吸着量を著しく低減することができるため、優れた吸着、分離、撥水性能を発揮することができることから、揮発性の高い有機塩素系化合物を水蒸気共存下で回収する溶剤回収や、キャパシタ用電極材料、水中に可溶しているトリハロメタン類の除去、水面に浮遊している油の除去、水蒸気共存下で選択的にガス吸着を行う用途に好適に利用できる。

Claims (7)

  1. 多孔質炭素材料にトリメチルシリル基を有するケイ素化合物を300〜900℃の温度で加熱し、添着させた疎水化炭素材であって、
    エネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が1〜20質量%である、疎水化炭素材。
  2. 前記多孔質炭素材料が木質系活性炭である、請求項1に記載の疎水化炭素材。
  3. 前記多孔質炭素材料が活性炭繊維である、請求項1に記載の疎水化炭素材。
  4. 25℃における水蒸気吸着等温線の相対蒸気圧0.95〜1.00において、疎水化炭素材の単位質量当たりの水蒸気吸着量/原料である多孔質炭素材料の単位質量当たりの水蒸気吸着量が0.8以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の疎水化炭素材。
  5. 前記ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシラン及び/又はトリメチルシラノールである、請求項1〜のいずれかに記載の疎水化炭素材。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の疎水化炭素材の製造方法であって、
    前記多孔質炭素材料と前記ケイ素化合物とを、300〜900℃の温度で加熱する加熱工程
    を備える、製造方法。
  7. 前記加熱工程が、密閉容器内で行われる、請求項に記載の製造方法。
JP2015047640A 2015-03-10 2015-03-10 疎水化炭素材及びその製造方法 Active JP6509591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047640A JP6509591B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 疎水化炭素材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015047640A JP6509591B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 疎水化炭素材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016166116A JP2016166116A (ja) 2016-09-15
JP6509591B2 true JP6509591B2 (ja) 2019-05-08

Family

ID=56897374

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015047640A Active JP6509591B2 (ja) 2015-03-10 2015-03-10 疎水化炭素材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6509591B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021241747A1 (ja) * 2020-05-28 2021-12-02 昭和電工株式会社 複合炭素粒子およびその用途
JP7405249B2 (ja) 2020-05-28 2023-12-26 株式会社レゾナック 複合体粒子、負極活物質およびリチウムイオン二次電池

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5523039A (en) * 1978-08-04 1980-02-19 Toshiba Corp Water repellent activated carbon
JPH0781916A (ja) * 1993-09-17 1995-03-28 Japan Pionics Co Ltd シラン処理活性炭
JP2810979B2 (ja) * 1995-09-14 1998-10-15 工業技術院長 表面疎水性活性炭とその製造法
GB2391224A (en) * 2002-07-26 2004-02-04 Sutcliffe Speakman Carbons Ltd Activated carbon treated with silicon-containing compounds
JP5013503B2 (ja) * 2006-02-16 2012-08-29 国立大学法人埼玉大学 疎水性活性炭の製造方法
JP2013103174A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Osaka Gas Chem Kk 疎水化吸着材およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016166116A (ja) 2016-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Horikawa et al. Preparation of nitrogen-doped porous carbon by ammonia gas treatment and the effects of N-doping on water adsorption
KR101751370B1 (ko) 고활성 표면적을 갖는 활성탄
KR101948646B1 (ko) 염기성 관능기를 부여한 활성탄 및 그 제조 방법
He et al. Preparation and characterization of octyl-modified ordered mesoporous carbon CMK-3 for phenol adsorption
Shen et al. Cellulose generated-microporous carbon nanosheets with nitrogen doping
WO2021106364A1 (ja) 分子状極性物質吸着炭
Sivadas et al. Solvothermal synthesis of microporous superhydrophobic carbon with tunable morphology from natural cotton for carbon dioxide and organic solvent removal applications
Kazmierczak-Razna et al. The use of microwave radiation for obtaining activated carbons enriched in nitrogen
JP6509591B2 (ja) 疎水化炭素材及びその製造方法
JP4864238B2 (ja) 活性炭とその製造方法
JP2019155215A (ja) 排水処理用活性炭
CN113600138B (zh) 一种氮、氧、硫共掺杂生物质炭材料及制备方法及应用
JP2006247527A (ja) 吸着剤
JP2013103174A (ja) 疎水化吸着材およびその製造方法
Xiong et al. A N-doped porous carbon derived from deep eutectic solvent for adsorption of organic contaminants from aqueous or oil solution
JP2013103856A (ja) 疎水性金属酸化物粒子
Quitain et al. Synthesis and characterization of hybrid composite aerogels from alginic acid and graphene oxide
RU2583026C2 (ru) Способ получения мезопористого углеродного материала
JP6695764B2 (ja) 浄水器用活性炭及びそれを用いた浄水器用カートリッジ
JP6600281B2 (ja) 疎水性活性炭の製造方法
Suresh Kumar Reddy et al. KOH-based porous carbon from date palm seed: preparation, characterization, and application to phenol adsorption
JP6616597B2 (ja) 1,4−ジオキサン処理方法
Altintig et al. ACTIVATED CARBON FROM WILD CHESTNUT SHELL UPON CHEMICAL ACTIVATION WITH PHOSPHORIC ACID.
JP2007223826A (ja) 耐熱性活性炭およびその製造方法
Rashidi et al. Novel low-cost activated carbon from coconut shell and its adsorptive characteristics for carbon dioxide

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180813

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20181012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6509591

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250