JP6695764B2 - 浄水器用活性炭及びそれを用いた浄水器用カートリッジ - Google Patents
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項1.活性炭にケイ素化合物を添着させた浄水器用活性炭であって、アセトン洗浄後のエネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が0.1〜10質量%である、浄水器用活性炭。
項2.JIS S 3201に準拠し、クロロホルム濃度が60ppbである試験水を、前記浄水器用活性炭を充填したモジュールに通水し、クロロホルムの除去率が初期値の80 %になった時点での積算通水量が、前記浄水器用活性炭の原料である前記活性炭について同様に測定した積算通水量と比較して、2%以上高い、項1に記載の浄水器用活性炭。
項3.前記ケイ素化合物の分子量が50〜700である、項1又は2に記載の浄水器用活性炭。
項4.前記ケイ素化合物が、トリメチルシリル基を有する有機ケイ素化合物である、項1〜3のいずれかに記載の浄水器用活性炭。
項5.前記ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシランである、項1〜4のいずれかに記載の浄水器用活性炭。
項6.項1〜5のいずれかに記載の浄水器用活性炭の製造方法であって、前記活性炭と前記ケイ素化合物とを、370℃より高い温度で加熱する工程
を備える、製造方法。
項7.前記加熱工程において、前記ケイ素化合物の使用量が、前記活性炭100質量部に対して、1〜200質量部である、項6に記載の製造方法。
項8.前記加熱工程が、密閉容器内で行われる、項6又は7に記載の製造方法。
項9.項1〜5のいずれかに記載の浄水器用活性炭を備える、浄水器用カートリッジ。
項10.前記浄水器用活性炭及び熱可塑性樹脂を含む組成物が、中空円筒状又はディスク状に成形されている、項9に記載の浄水器用カートリッジ。
項11.前記浄水器用活性炭及び繊維状バインダーを含む組成物が、中空円筒状又はディスク状に成形されている、項9に記載の浄水器用カートリッジ。
本発明の浄水器用活性炭は、活性炭にケイ素化合物を添着させた浄水器用活性炭であって、アセトン洗浄後のエネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が0.1〜10質量%である。
上記のような本発明の浄水器用活性炭は、特に制限はなく、活性炭とケイ素化合物とを、370℃より高い温度で加熱する工程を備える製造方法により得ることができる。例えば、活性炭とケイ素化合物とを混合し、370℃より高い温度で加熱することが好ましい。この際、活性炭と、液体状又は気体状のケイ素化合物とを混合することが、十分混合してケイ素化合物を活性炭に添着することができるため好ましく、活性炭と、液体状のケイ素化合物とを混合することがより簡便である。より具体的には、例えば、密閉容器内で、活性炭とケイ素化合物とを仕込み、空壁部を不活性ガスで置換した後、容器を密閉し、370℃より高い温度に昇温し、30分以上保持し、室温まで冷却することが好ましい。活性炭と、液体状のケイ素化合物とを混合する場合には、液体状のケイ素化合物中に活性炭を浸漬する方法が簡便である。この場合、ケイ素化合物が常温で液体又は気体の場合はそのまま活性炭と混合することができるし、ケイ素化合物が常温で固体の場合は溶媒(水;エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール等)中に溶解又は分散させた後に活性炭と混合することができる。
上記した本発明の浄水器用活性炭をカートリッジケースに充填することで、浄水器用カートッジを得ることができる。カートリッジを作製するための成形方法は、乾式成形法及び湿式成形法のいずれも採用できる。
ケイ素化合物が添着した浄水器用活性炭表面のケイ素濃度は、(株)日立ハイテクノロジーズ製のX線分析装置付走査型電子顕微鏡Microscope TM3000/ShiftED3000を用いて定量した。
170℃で6時間以上乾燥させた活性炭を、50ccのメスフラスコにタップしながら活性炭を充填しその重量を測定した。
原料である活性炭及びケイ素化合物を添着させた浄水器用活性炭の比表面積の測定は、マイクロトラック・ベル(株)製の高精度ガス/蒸気吸着量測定装置BELSORP−maxを用いて窒素ガス吸着法により、BET法を用いて算出した。
通水方法はJIS S 3201に定められた家庭用浄水器試験方法に準拠して行い、クロロホルムの濃度が60ppbの試験水を、0.2 MPaの圧力条件下で、活性炭モジュールに向かって、3L/分の流量で流した。クロロホルムの濃度は、試料を容器に採取し、密閉して気相部分をサンプリングし、ガスクロマトグラフで分析する方法によって測定した。クロロホルムの除去率が初期値の80%未満になった時点での積算通水量を、除去性能として評価した。
活性炭試料は、TC−100L(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 160μm、比表面積 1558m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭60gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン30gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して430℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、実施例1の浄水器用活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
活性炭試料は、TC−100L(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 160μm、比表面積 1558m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭50gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン50gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して430℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、実施例2の浄水器用活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
TC−100L(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 160μm、比表面積 1558m2/g)をそのまま比較例1の活性炭とした。
活性炭試料は、TC−100L(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 160μm、比表面積 1558m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭50gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン50gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して370℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、比較例2の活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
活性炭試料は、TC−100L(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 160μm、比表面積 1558m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭10gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン30gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して430℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、比較例3の活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
活性炭試料は、TC−100N(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 140μm、比表面積 1207m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭60gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン7.5gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して430℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、実施例3の浄水器用活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
活性炭試料は、TC−100N(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 140μm、比表面積 1207m2/g)を用いた。170℃で加熱乾燥した活性炭60gを耐圧ステンレスオートクレーブ内に入れ、ヘキサメチルジシラン1.0gを反応容器内へ投入し、反応器を密閉して430℃で4時間反応させた。反応後の活性炭をアセトンで2回洗浄し、アセトンをろ別した後、170℃で3時間、加熱乾燥させることで、実施例4の浄水器用活性炭を得た。なお、アセトンによりろ別したことにより、活性炭表面と強固に化学結合していないケイ素化合物は除去される。
TC−100N(大阪ガスケミカル(株)製、やし破砕炭(粒状)、中心粒子径 140μm、比表面積 1207 m2/g)をそのまま比較例1の活性炭とした。
Claims (11)
- 活性炭にケイ素化合物を添着させた浄水器用活性炭であって、アセトン洗浄後のエネルギー分散型X線分析による表面のケイ素濃度が0.1〜10質量%である、浄水器用活性炭。
- JIS S 3201に準拠し、クロロホルム濃度が60 ppbである試験水を、前記浄水器用活性炭を充填したモジュールに通水し、クロロホルムの除去率が初期値の80 %になった時点での積算通水量が、前記浄水器用活性炭の原料である前記活性炭について同様に測定した積算通水量と比較して、2 %以上高い、請求項1に記載の浄水器用活性炭。
- 前記ケイ素化合物の分子量が50〜700である、請求項1又は2に記載の浄水器用活性炭。
- 前記ケイ素化合物が、トリメチルシリル基を有する有機ケイ素化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の浄水器用活性炭。
- 前記ケイ素化合物が、ヘキサメチルジシランである、請求項1〜4のいずれかに記載の浄水器用活性炭。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の浄水器用活性炭の製造方法であって、前記活性炭と前記ケイ素化合物とを、370℃より高い温度で加熱する工程を備える、製造方法。
- 前記加熱工程において、前記ケイ素化合物の使用量が、前記活性炭100質量部に対して、1〜200質量部である、請求項6に記載の製造方法。
- 前記加熱工程が、密閉容器内で行われる、請求項6又は7に記載の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の浄水器用活性炭を備える、浄水器用カートリッジ。
- 前記浄水器用活性炭及び熱可塑性樹脂を含む組成物が、中空円筒状又はディスク状に成形されている、請求項9に記載の浄水器用カートリッジ。
- 前記浄水器用活性炭及び繊維状バインダーを含む組成物が、中空円筒状又はディスク状に成形されている、請求項9に記載の浄水器用カートリッジ。
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