JP2001342315A - 塩化ビニル壁紙を再利用した複合合成樹脂組成物及び木質複合材料 - Google Patents

塩化ビニル壁紙を再利用した複合合成樹脂組成物及び木質複合材料

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JP2001342315A
JP2001342315A JP2000162887A JP2000162887A JP2001342315A JP 2001342315 A JP2001342315 A JP 2001342315A JP 2000162887 A JP2000162887 A JP 2000162887A JP 2000162887 A JP2000162887 A JP 2000162887A JP 2001342315 A JP2001342315 A JP 2001342315A
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JP2000162887A
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Mitsukazu Shimizu
充和 清水
Hiroaki Machimoto
博明 町元
Hideki Hosoi
英機 細井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル壁紙は基材の紙層に塩化ビニル層
の塩化ビニル成分が強固に含浸、被覆されており、紙成
分と塩化ビニル成分を完全に分離してそれぞれを有効利
用することは困難で、従来は殆ど廃棄処分されていた
が、塩化ビニル壁紙の全ての成分を有効活用し、多くの
用途が期待される木質複合材料として再利用可能とす
る。 【解決手段】 破砕した塩化ビニル壁紙を10〜90重
量%、木粉を65重量%以下、塩化ビニル樹脂を65重
量%以下の比率で加熱混合した複合合成樹脂組成物によ
れば、塩化ビニル壁紙と木粉及び塩化ビニル樹脂の配合
の最適化により、実用強度及び押出成形性、木質感に富
んだ外観と感触を有する安価な木質複合材料を得ること
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル壁紙の
全ての成分を有効に再利用した複合合成樹脂組成物及び
木質複合材料に関するものであり、更に詳しくは、必要
物性と、成形性とを兼ね備えた安価な成形材料を得るこ
とを目的とし、木質感に富んだ外観及び感触を有する木
質複合材料を製造するための複合合成樹脂組成物及びこ
の組成物から製造される木質複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル壁紙は、基材の紙層の繊維に
塩化ビニル層の塩化ビニル成分が強固に含浸、被覆され
ており、紙成分(紙層)と塩化ビニル成分(塩化ビニル
層)を完全に分離してそれぞれを有効利用することは困
難である。このため、従来は、不用となった塩化ビニル
壁紙は殆ど埋め立て処分されていたが、近年、環境保
全、再資源化のため、再利用が要請されてきた。しか
し、塩化ビニル壁紙を破砕し、そのまま加熱混練して押
出成形やプレス成形しても、得られる成形品の強度が不
足して利用価値がない。紙成分と塩化ビニル成分とを完
全に分離することは困難であるが、破砕して比重・風力
分離することによりある程度分離は可能である。しか
し、塩化ビニル層の主成分は、塩化ビニル樹脂と、その
添加剤である充填剤、可塑剤から構成されており、その
ままでは成形しても剛性、強度、硬度が不足し、単独で
の再利用には適さない。このため、他の熱可塑性樹脂と
混合して、例えばプレス成形して床材などの建築資材と
し再利用する方法が開発されてきたが、用途が限られお
り、有効利用が図られていない。一方、分離した紙成分
には未分離のままの塩化ビニル成分が含まれているた
め、紙としての再利用は極めて困難で、埋立て処分され
ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、塩化ビニ
ル壁紙の紙成分と塩化ビニル成分を仮に分離出来ても、
再利用には相当のコストを要し、且つ、床材など限られ
た用途以外の再利用先が見出せなかった。そこで本発明
の目的は、塩化ビニル壁紙の再利用に際し、建築資材な
どの多くの用途が期待できる木質複合材料に着目し、複
合材料としての必要物性及び成形性を満足し、且つ、既
存の成形設備で安価に製造可能な手段を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明者らは、塩化ビニル壁紙を紙層と塩化ビニ
ル層とを分離することなく、全ての成分、即ち紙層の紙
成分、塩化ビニル層に含まれる塩化ビニル樹脂と、それ
らの添加剤である充填剤、可塑剤、顔料、熱安定剤など
の成分を有効活用することを試みた。塩化ビニル壁紙の
紙成分は木粉と同様にセルロース繊維であり、塩化ビニ
ル壁紙を粉砕して加熱溶融して成形すると木質感のある
外観の成形品が得られる。しかし、塩化ビニル壁紙に
は、塩化ビニル樹脂の添加剤として充填剤、可塑剤を含
んでいるため、得られる成形品は曲げ弾性率が約0.3
GP、曲げ強度が約10MP程度で剛性、強度が不足
し、建築資材用の材料には適さない。また木質感も不足
する。これを解決するため塩化ビニル壁紙に木粉を添加
すると、曲げ弾性率、曲げ強度、木質感は改良される。
しかしながら木粉を過剰に添加すると塩化ビニル成分の
比率が低下し、ロール混練、加熱プレスは可能であるも
のの、押出成形の場合には、樹脂成分と紙、木粉、充填
剤などが十分に溶融混練されず成形不能となってしま
う。これを補うため塩化ビニル樹脂などを添加すると成
形性が改善されるが、過剰に添加すると、木質感が不足
する。これらの課題を解決するため、本発明において
は、塩化ビニル壁紙と木粉若しくは塩化ビニル樹脂又は
両成分との配合組成の最適化により、木材代替材料とし
て住宅の手摺、巾木などの内装材、デッキ、フェンス、
床などの外装材、家具材料など広い用途が期待される木
質複合材料として再利用を図ることが可能となった。
【0005】上記のように、本発明者らは、塩化ビニル
壁紙を再利用するに際して、塩化ビニル壁紙を紙層と塩
化ビニル層とに分離することなく、全ての成分、即ち紙
層の紙成分、塩化ビニル層に含まれる塩化ビニル樹脂
と、それらの添加剤である充填剤、可塑剤、顔料、熱安
定剤などの成分を有効活用するといった目的を達成する
ため、塩化ビニル壁紙に、木粉及び塩化ビニル樹脂を混
合し、且つそれらの配合の最適化により、破砕機、ミキ
サー、押出機を使用して、実用強度及び押出成形性、木
質感に富んだ外観と感触を有する安価な木質複合材料の
成形用の複合合成樹脂組成物及び、これを用いて押出成
形してなる木質複合材料を発明するに至った。
【0006】即ち、本発明は、破砕した塩化ビニル壁紙
を10〜90重量%、木粉を65重量%以下、塩化ビニ
ル樹脂を65重量%以下の比率で加熱混合してなること
を特徴とする複合合成樹脂組成物(請求項1、配合組成
を図1にグラフで示す。グラフ中、太線で囲まれた内側
が配合組成範囲である。)、前記複合合成樹脂組成物を
10mm以下の大きさに整粒した木質複合材料用の顆粒
状複合合成樹脂組成物(請求項8)、前記顆粒状複合合
成樹脂組成物を直径5mm以下で長さ10mm以下に造
粒してなる木質複合材料用のペレット状複合合成樹脂組
成物(請求項9)、並びにこれらの複合合成樹脂組成物
を押出成形してなることを特徴とする木質複合材料(請
求項10)である。
【0007】上記の複合合成樹脂組成物においては、前
記壁紙35〜90重量%、木粉と塩化ビニル樹脂の合計
が10〜65重量%の比率で加熱混合してなることがよ
り好ましく(請求項2、配合組成を図2にグラフで示
す。グラフ中、太線で囲まれた内側が配合組成範囲であ
る。)、更には前記壁紙を40〜80重量%、木粉を1
0〜50重量%及び塩化ビニル樹脂を10〜50重量%
の比率で加熱混合してなることが特に好ましい(請求項
3、配合組成を図3にグラフで示す。グラフ中、太線で
囲まれた内側が配合組成範囲である。)。また、前記壁
紙は、10mm以下の大きさに破砕して木粉や塩化ビニ
ル樹脂を混合することが好ましく(請求項4)、前記壁
紙の破砕は、衝撃剪断破砕によることが好ましい(請求
項5)。更に、前記塩化ビニル樹脂は、廃棄塩化ビニル
製品を10mm以下の大きさに破砕したものを用いるこ
とが好ましく(請求項6)、塩化ビニル樹脂としては硬
質塩化ビニル樹脂が好ましい(請求項7)。なお、本発
明で、前記壁紙や塩化ビニル樹脂、顆粒状複合合成樹脂
組成物の大きさが10mm以下とは、直径10mmの穴
を通過しうる大きさであることを意味し、具体的には、
破砕した壁紙及び塩化ビニル製品の場合には破砕機に取
り付けたパンチングメタルの直径10mmの穴を通過し
うる大きさであり、顆粒状複合合成樹脂組成物の場合に
は、最大直径が10mm以下の大きさである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明を更に詳しく説明す
る。本発明において用いられる塩化ビニル壁紙は、例え
ば、塩化ビニル壁紙の製造工程での不良品、端材、長期
不良在庫品、改装、解体時に発生する壁紙などである
が、これに限定されるものではない。また、使用する壁
紙の色調は白色系又はベージュ系統色など明度の高い壁
紙が好ましい。これは、木粉と混合すると天然木に近い
色調が得られるためである。明度の低い濃色の壁紙を使
用すると、補色のための顔料が多量必要となる場合があ
る。
【0009】塩化ビニル壁紙は、基材となる紙層と、こ
れを被覆した塩化ビニル層から成り、紙層の比率は一般
的には20〜30重量%である。塩化ビニル層の組成
は、塩化ビニル樹脂と、その添加剤である充填剤、可塑
剤、顔料、熱安定剤などで構成されている。壁紙は木
粉、塩化ビニル樹脂と加熱混合する際の均一性を図るた
め、10mm以下の大きさに破砕して使用することが好
ましい。壁紙の破砕には、破砕処理能力、設備費などの
点で有利な、2枚の固定刃と3枚の回転刃と格子状のパ
ンチングメタルで構成された汎用のカッター式粉砕機な
どが使用できる。この粉砕機で壁紙を処理すると、壁紙
は基材の紙層と塩化ビニル層が剥離されないまま単に細
かく裁断される。また、壁紙の破砕には、衝撃剪断破砕
機などを用いることも出来る。この衝撃剪断破砕機は、
ハンマーミル式破砕機の一種で、回転するハンマーと固
定格子に挟まれた壁紙は、剪断衝撃により、紙層と塩化
ビニル層が剥離し、破砕される。紙成分に吸湿した水分
は、成形時の発泡や、木酸の発生の原因となる。これを
防ぐため加熱段階で紙成分の水分を脱水させる。しかし
ながら、加熱混合時に塩化ビニル成分が溶融して紙の繊
維を覆い脱水を妨げるおそれがある。この点、壁紙を前
記衝撃剪断破砕機で処理すると、紙成分は綿状に剥離し
て表面積が増し加熱混合時の脱水が促進されることか
ら、壁紙を破砕するに際しては、衝撃剪断破砕機で処理
することがより好ましい。
【0010】本発明において用いられる木粉としては、
栂、松、杉、ヒノキ、ラワンなどの一般的な天然木材で
よく、平均粒径50〜500μm、好ましくは平均粒径
100〜200μmに粉砕して使用される。平均粒径が
50μm未満では木質感が不足する。平均粒径が500
μmを超えると他の成分との均一な混合の妨げとなり、
得られる複合材料の物性の低下をきたす。木粉の含水率
は10重量%以下が好ましい。含水率が10重量%以上
であると脱水処理時間が長くなり、また、正確な木粉の
計量が出来なくなる。木粉は上記木材に限らず、他の種
類の木材や、建築廃材から粉砕して整粒して使用するこ
ともできる。木材の粉砕に使用される破砕機は、粗粉
砕、中粉砕、微粉砕の各段階で異なるが、一般的にはロ
ールミル、インパクトミルなどが使用される。
【0011】本発明において用いられる塩化ビニル樹脂
は、バージン樹脂であっても良いが、再資源化の観点か
ら廃棄塩化ビニル製品を用いることがより好ましい。塩
化ビニル製品には、成形加工に必要な安定剤、滑剤、加
工性改良剤、衝撃性改良剤などが配合されていることか
ら、木質複合材料の成形性、物性の向上に有効利用出来
る。上記のような廃棄塩化ビニル製品以外にも、不要と
なって廃棄される塩化ビニル樹脂成形用の原料コンパウ
ンドも使用できる。廃棄塩化ビニル製品は、硬質のシー
ト、フイルム、ボトル、ケースなどで、好ましくは透明
または不透明白色系が適している。不透明で濃色な塩化
ビニル製品を用いると、最終成形品が天然木の色調と異
なり、補色に顔料が多量に必要となる場合がある。ま
た、廃棄軟質塩化ビニル製品には可塑剤が配合されてい
るため、大量に使用すると成形品の剛性が低下し実用強
度不足となることがある。これら塩化ビニル製品は、他
の成分と均一に加熱混合させるため10mm以下の大き
さに破砕することが好ましい。廃棄塩化ビニル製品の破
砕には、前記塩化ビニル壁紙の場合と同様の汎用のカッ
ター式粉砕機を使用することができる。
【0012】上記のような破砕した塩化ビニル壁紙、木
粉及び塩化ビニル樹脂の混合比率は、壁紙を10〜90
重量%、木粉を65重量%以下、塩化ビニル樹脂を65
重量%以下(図1参照。)、更には、壁紙35〜90重
量%、木粉と塩化ビニル樹脂の合計が65重量%以下
(図2参照)、特には壁紙を40〜80重量%、木粉を
10〜50重量%及び塩化ビニル樹脂を10〜50重量
%(図3参照。)の比率で混合することが好ましい。塩
化ビニル壁紙に木粉を添加することで、曲げ弾性率、曲
げ強度、木質感が改良されるが、木粉が65重量%を超
えると、塩化ビニル成分の比率が低下し、押出成形時に
樹脂成分と紙、木粉、充填剤などが十分に溶融混練され
ず成形不能となるおそれがある。また、塩化ビニル壁紙
に塩化ビニル樹脂を添加すると成形性が改善されるが、
塩化ビニル樹脂が65重量%を超えると、成形品の木質
感、表面性が損なわれるおそれがある。また、塩化ビニ
ル壁紙の比率が10重量%未満でも、木粉及び塩化ビニ
ル樹脂を適切な比率で混合することにより良好な成形品
を得ることはできるが、塩化ビニル壁紙の再利用を目的
とする本発明では、塩化ビニル壁紙の使用量が少なくて
は再利用の効率が低下することから、塩化ビニル壁紙は
組成物中で10重量%以上、更には35重量%以上とな
るように混合することが好ましい。塩化ビニル壁紙に対
し、木粉や塩化ビニル樹脂を上記の範囲内で混合するこ
とで、木材代替材料として住宅の手摺、巾木などの内装
材、デッキ、フェンス、床などの外装材、家具材料など
広い用途が期待される木質複合材料として効率よく再利
用を図ることができる。
【0013】上記の配合組成以外に、以下の配合剤を適
量追加使用することにより、更に成形時の加工性、成形
品などの物性が改良される。 (1)ステアリン酸Ca−Zn、ステアリン酸Ba−Z
n、Pb系金属石鹸、有機錫系などの公知の熱安定剤。 (2)炭酸カルシウム、クレー、珪酸カルシウム、水酸
化アルミニウムなどの公知の充填剤。 (3)ポリメチルメタアクリレートなどの公知の加工性
改良剤。 (4)MBS樹脂などの耐衝撃強化剤。 (5)DOP,DINP,DOA,ESBOなどの公知
の可塑剤。 (6)ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス
などの公知の滑剤。 (7)二酸化チタンなどの公知の顔料。
【0014】上記のような塩化ビニル壁紙、木粉及び塩
化ビニル樹脂などの加熱混合には、蒸気加熱できるジャ
ケット、攪拌による剪断力の発生する回転翼を備えた高
速ミキサーなどが使用できる。ミキサー蓋の排気口から
微粉、揮発成分を強制排気するダクトを設けることが好
ましい。高速ミキサーなどで撹拌した混合物は水冷ジャ
ケットを有するリボン型ミキサーなどで冷却することに
より顆粒状の複合合成樹脂組成物を得る。昇温温度は2
00〜215℃の範囲が好ましい。200℃より低い温
度で排出すると混練溶融が不完全で、顆粒状とならず、
壁紙の成分である可塑剤がドライアップしないため、嵩
比重が0.5以下のしっとりとした粉体となり、後の押
出成形時の樹脂の食い込み不良、ホッパーブリッジの原
因となる。215℃より高い温度で排出すると、塩化ビ
ニル樹脂の熱分解、木粉からの木酢の発生、肥大粗粒物
の発生原因となり好ましくない。この複合合成樹脂組成
物には、部分的に熱溶融して出来た肥大粗粒物が発生す
るため、振動式篩機で10mm以下の大きさに篩い分け
により整粒することが好ましい。更に、上記のようにし
て得られる顆粒状複合合成樹脂組成物は、このままの状
態でも押出成形は出来るが、押出成形時のホッパーでの
ブロッキング防止、粉塵防止、保管時の吸湿防止のた
め、押出成形機で樹脂温度が170〜180℃で直径5
mm以下、長さ10mm以下程度の大きさのペレット状
に造粒加工して使用することが好ましい。次に上記顆粒
状またはペレット状の複合合成樹脂組成物を押出成形す
ることで木質複合材料の成形品を得ることができる。押
出成形機は一般的な単軸、同方向2軸、異方向2軸押出
機などが使用される。押出ダイから吐出した溶融樹脂は
押出ダイと直結したサイジングダイに導かれ成形し冷却
され、コンベア式の引き取り機で定速で引き取り、木質
複合材料の成形品を得る。得られた成形品の表面をサン
ドペーパで研磨することにより、木質繊維が表面に露出
し木質感が得られる。
【0015】
【実施例】以下に実施例と比較例を掲げて本発明を更に
詳しく説明する。
【0016】(実施例1〜7)表1及び図4に示す配合
組成物を、合計重量が25Kgになるよう所定量を計量
した。本実施例で使用した壁紙は製造工程での端材であ
る。壁紙は予め、尾上機械製WALD−15型ハンマー
ミル式衝撃破砕機を使用して10mm以下の大きさに破
砕した。ハンマーによる剪断衝撃力で紙層と塩化ビニル
層が剥離し、紙成分が綿状の繊維となり、塩化ビニル層
は切断された粉体状となった。但し、実施例4では、衝
撃剪断破砕機は使用せず、一般的な回転刃切断型の粉砕
機である三力製作所製の回転刃切断型粉砕機1型で10
mm以下の大きさに破砕した廃棄壁紙を使用した。ま
た、木粉としては、株式会社カジノ製「セルロシンN
o.100」(栂材)を使用した。また、本実施例で使
用した塩化ビニル樹脂は、廃棄硬質塩化ビニル製ボトル
を、三力製作所製の回転刃切断型粉砕機1型で10mm
以下の大きさに破砕した。次いで川田製作所製100L
スーパーミキサーを使用し、蒸気でジャケット温度を1
20℃以上に加熱して壁紙、木粉、塩化ビニル樹脂を投
入し、ミキサーの蓋に取り付けた排気ダクトで木粉や壁
紙の水分を系外へ強制排出させながら混合組成物を21
0℃に昇温するまで回転翼を900rpmで攪拌混合し
た。所要時間は40〜50分要した。次いで川田製作所
製200Lリボンミキサーへ排出し65℃まで冷却して
顆粒状組成物を得た。冷却温度が65℃より高い場合に
は粉体のブロッキングの発生原因となる。得られた顆粒
状組成物には部分的に熱溶融して出来た肥大粗粒物が発
生しており、次の押出工程でスクリューの食い込み不良
の原因となるため、振動式篩機で10mm以下の大きさ
に篩い分けにより整粒して使用した。
【0017】次いで、上記のようにして得られた顆粒状
組成物を用いて押出機で成形品を得た。本実施例ではタ
ハラ製作所製45mm単軸押出機(L/D=25,C・
R=1.7)を使用した。原料として使用した廃棄壁
紙、廃棄硬質塩ビボトルなどに混入した異物を除去する
ため、押出機のスクリュー先端とダイの中間にブレーカ
プレートを取り付けた。ブレーカプレートには80メッ
シュのステンレス製スクリーンを2枚取り付けた。サイ
ジングダイは押出機のダイと嵌合連結させて成形した。
サイジングダイは水槽内で冷却した。サイジングダイ
は、成形品出口の寸法が幅32mm、厚さ3mmの平板
型を使用した。成形温度はシリンダー1を170℃、シ
リンダー2を175℃、シリンダー3を180℃、アダ
プターを150℃、ダイを140℃に設定した。モータ
の回転速度は10rpm、成形品の引き取り速度は20
m/Hに設定した。成形品の曲げ強度及び曲げ弾性率
は、JIS K7203により、所定の寸法に切削して
測定した。硬度は、JIS K7215によりデュロメ
ータD硬度を測定した。表面性は、成形品の表面の平滑
性を目視により評価し、木質感は、成形品の表面をサン
ドペーパーで研磨して目視により評価した。表1に、実
施した7例の配合組成と成形品の品質評価結果を示す。
【0018】
【表1】
【0019】この実施例で使用した廃棄壁紙の組成(重
量比)は、基材となる紙層が約20%、塩化ビニル層が
約80%であった。塩化ビニル層は、塩化ビニル樹脂が
約38%、充填剤は炭酸カルシウムで約34%、可塑剤
はDOPで約20%、顔料は二酸化チタンで約5%、熱
安定剤はBa−Zn金属石鹸で約2%、その他約1%で
構成されていた。前記充填剤は成形品の寸法安定性の向
上、線膨張係数を下げる効果があり、可塑剤は成形時の
流動性の改良に、二酸化チタンは耐候性の改良、成形品
の色調の隠蔽に、熱安定剤は塩化ビニル樹脂の熱分解、
木粉、紙成分からの木酸発生防止にそれぞれ有効活用さ
れる。基材の紙成分はセルロース繊維であり、木粉の代
替として有効利用が図られ、かくして原料コストの削減
が可能となる。
【0020】実施例1では、曲げ強度、曲げ弾性、硬度
が、他の実施例に比べ劣るが、中空形状に成形すれば強
度が補強され、建築用の木質複合材料として要求される
品質は確保され、木質感も満足した成形品が得られた。
また、実施例2では実施例1より木粉、硬質塩化ビニル
ボトルの比率を高めた。その結果、曲げ強度、曲げ弾
性、硬度が向上した。実施例3では木粉、硬質塩化ビニ
ルボトルの比率を更に高めた結果、曲げ強度、曲げ弾
性、硬度が更に向上した。しかし、成形時のモータ負荷
が他の実施例に比べ高い傾向を示した。実施例4は実施
例2と同一配合組成であるが、衝撃剪断破砕した廃棄壁
紙ではなく、一般的な回転刃切断型の粉砕機で破砕した
廃棄壁紙を使用した結果、実施例2に比べ曲げ強度、曲
げ弾性率、硬度が低下し、木質感もやや低下し成形品表
面に微細な発泡が認められ、肌荒れしていた。実施例5
は、廃棄壁紙と木粉との2成分配合であるが、実施例1
よりも多く木粉を加えることで、曲げ強度、曲げ弾性、
硬度が向上している。また実施例6は、廃棄壁紙と硬質
塩化ビニルボトルとの2成分配合であるが、塩ビ成分が
多く成形性が改善されると同時に曲げ強度、曲げ弾性、
硬度のいずれも満足しうるものであった。更に、実施例
7は、廃棄壁紙が20重量%で、廃棄壁紙の再利用率は
低くなるが、曲げ強度、曲げ弾性率、硬度は実施例のな
かでは最も良好な結果が得られた。
【0021】(比較例1〜3)原料の配合組成を表2及
び図4に示すように変更した以外は実施例と同様にして
成形品を得、同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】比較例1は、廃棄壁紙を単独で実施例と同
様にミキサーで加熱混合して得た顆粒状組成物を押出成
形したものであるが、曲げ強度、曲げ弾性、硬度、木質
感ともに劣り、木質複合材料として要求される品質を満
足するものが得られなかった。比較例2は、廃棄壁紙と
木粉とを加熱混合して得た顆粒状組成物を押出成形した
ものであるが、成形不能であった。これは、廃棄壁紙の
比率が小さく木粉と混練溶融するマトリックスとなる樹
脂成分が不足し、混練が不十分であったためである。ま
た、比較例3は、廃棄壁紙と硬質塩化ビニルボトルとを
加熱混合して得た顆粒状組成物を押出成形したものであ
るが、曲げ強度、曲げ弾性、硬度は満足する成形品が得
られたが、廃棄壁紙の比率が小さくセルロース繊維が不
足し、良好な木質感は得られなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明により、破砕した塩化ビニル壁紙
に木粉、塩化ビニル樹脂を加熱混合することにより、壁
紙を紙層と塩化ビニル層とに分離することなく、壁紙成
分の全てを有効に活用して、実用強度を備えた安価で木
質感に富んだ外観と感触を有する木質複合材料を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に係る複合合成樹脂組成物の配合組
成を示すグラフである。
【図2】 請求項2に係る複合合成樹脂組成物の配合組
成を示すグラフである。
【図3】 請求項3に係る複合合成樹脂組成物の配合組
成を示すグラフである。
【図4】 実施例及び比較例の複合合成樹脂組成物の配
合組成を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/00 C08J 5/00 //(C08L 27/06 (C08L 27/06 97:02) 97:02) B29K 27:06 B29K 27:06 105:26 105:26 311:14 311:14 Fターム(参考) 4F070 AA22 AA66 AB26 DA06 DA11 DA41 DB05 4F071 AA24 AA73 AE04 AE09 AE11 AE22 AH03 AH19 BA01 BB06 BC01 4F201 AA15 AA50 AC04 AD06 AH47 AH48 AR12 BA01 BA02 BC02 BC12 BC25 BC37 BD05 BK01 BK15 BK25 BL05 BL43 BL47 BN32 4F207 AA15 AA50 AC04 AD06 AH47 AH48 AR12 KA01 KB21 4J002 AH00X BD04W BD04Y FD010 FD020 FD040 FD090 FD170 FD200

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破砕した塩化ビニル壁紙を10〜90重
    量%、木粉を65重量%以下、塩化ビニル樹脂を65重
    量%以下の比率で加熱混合してなることを特徴とする複
    合合成樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記壁紙を35〜90重量%、木粉と塩
    化ビニル樹脂が合計で10〜65重量%の比率で加熱混
    合してなる請求項1記載の複合合成樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記壁紙を40〜80重量%、木粉を1
    0〜50重量%及び塩化ビニル樹脂を10〜50重量%
    の比率で加熱混合してなる請求項2記載の複合合成樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記壁紙が、10mm以下の大きさに破
    砕した壁紙である請求項1〜3のいずれかに記載の複合
    合成樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記壁紙が、衝撃剪断破砕した壁紙であ
    る請求項4に記載の複合合成樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記塩化ビニル樹脂が10mm以下の大
    きさに破砕した廃棄塩化ビニル製品である請求項1〜5
    のいずれかに記載の複合合成樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記塩化ビニル樹脂が硬質塩化ビニル樹
    脂である請求項1〜6のいずれかに記載の複合合成樹脂
    組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の複合合
    成樹脂組成物を10mm以下の大きさに整粒した木質複
    合材料用の顆粒状複合合成樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の顆粒状複合合成樹脂組成
    物を直径5mm以下で長さ10mm以下に造粒してなる
    木質複合材料用のペレット状複合合成樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の複合
    合成樹脂組成物を押出成形してなることを特徴とする木
    質複合材料。
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