JPH11319460A - 積層ガス吸着用シート及びそれを用いた空気清浄用フィルタ - Google Patents

積層ガス吸着用シート及びそれを用いた空気清浄用フィルタ

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JPH11319460A
JPH11319460A JP10126256A JP12625698A JPH11319460A JP H11319460 A JPH11319460 A JP H11319460A JP 10126256 A JP10126256 A JP 10126256A JP 12625698 A JP12625698 A JP 12625698A JP H11319460 A JPH11319460 A JP H11319460A
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啓祐 原田
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康広 飯塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾンを初めとする有害なガスの除去性能が
高く長寿命で、しかもULの定める難燃性の基準を満足
する積層ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタを提
供すること。 【解決手段】 シート基材の片面側に複数層を形成した
積層ガス吸着用シートであって、シート基材から遠い側
には活性炭と、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類
金属化合物の少なくとも一方が含有され、シート基材に
近い側には難燃剤が含有されていることを特徴とする積
層ガス吸着用シートを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層ガス吸着用シ
ート及びそれをハニカム形状とした空気清浄用フィルタ
に関するものであり、より詳しくはオゾン除去に優れ、
かつ難燃性を有する積層ガス吸着用シート及びそれを用
いた空気清浄用フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コロナ放電による帯電方式を採用した電
気集塵式空気清浄機や電子写真複写機などの事務用機器
では、コロナ放電が機内の空気中で行われるため多量の
オゾンが機内に発生する。このオゾンは非常に臭いの強
い、酸化性の強い気体であり、空気中に0.1ppmの濃度が
存在するだけで、息切れやめまい、吐き気、頭痛などの
生理作用を生じさせるものであるため、事務用機器とし
てはこのようなオゾンを機外へ漏洩させることは大きな
欠陥とされていた。
【0003】かかる問題を克服するため、当該事務用機
器の排気ダクトにオゾン除去フィルタを取り付けること
が従来から行われており、排気を効率的に行うという観
点から当該フィルタは通気抵抗の小さいハニカム構造体
が採用されていた。また、かかるフィルタにおいてオゾ
ンを除去する物質として、二酸化マンガン、二酸化ニッ
ケルなどの金属酸化物あるいは活性炭が使用されてい
た。例えば、特公昭63−31253号公報には、特定
の細孔径を有する繊維状活性炭をハニカム状に加工した
フィルタが提案されている。しかし活性炭を使用する場
合、オゾンの除去は吸着の他、活性炭によるオゾンの還
元分解によっても進行するため、オゾンの除去とともに
活性炭の劣化が進行することは避け難く、結果的に寿命
が短くなるという問題がある。そこで、オゾン除去能力
の発現有効期間を延ばそうとすれば、繊維状活性炭の使
用量を上げることが必要となるが、繊維状活性炭では嵩
密度が小さくならないために、シート状物の厚みが上が
り、ハニカムの空隙が小さくなり、圧力損失が増大する
という問題ある。このため当該フィルタでは、オゾン除
去性能を向上させることは勿論、その効果発現期間を長
くすることが実用上困難であった。
【0004】他方、活性炭によるオゾン除去性能自体を
向上させる目的で、例えば特開昭62−286540号
公報には、活性炭に、カリウム化合物とナトリウム化合
物を特定量混合した活性炭成形体、特公平4−7164
1号公報には、特定の活性炭にアルカリ金属化合物また
はアルカリ土類金属化合物を添着し、更に熱処理した活
性炭が夫々提案されており、ある程度オゾン除去性能が
向上されている。
【0005】しかし事務用機器では、UL(Underwrite
rs Laboratories Inc.)の定める難燃規格を満足するこ
とが必要となるところ、かかる方法ではアルカリ金属が
触媒となって、活性炭の燃焼性が促進されるので、当該
UL規格を満足することは事実上不可能であり、これら
方法は実用上使用できないものであった。
【0006】一方、難燃性の面から、例えば特公平5−
43414号公報では、特定の細孔径を有する活性炭と
水溶性高分子物質、リン酸アンモニウムなどの水溶性無
機系化合物を含有するガス吸着用活性炭素紙が提案され
おり、一応の成果を得ているが、無機系化合物によって
活性炭上のオゾン分解活性点が減少するため、オゾン除
去性能が低下するといった問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するためになされたものであり、本発明の目的は、活
性炭の使用技術を改良することによって、オゾンを初め
とする人体に有害なガスの除去性能が高く且つ長寿命
で、しかもULの定める難燃性の基準を満足する積層ガ
ス吸着用シート及びそれを用いた空気清浄用フィルタを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、シート
基材の片面側に複数層を形成した積層ガス吸着用シート
であって、シート基材から遠い側には活性炭と、アルカ
リ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくと
も一方が含有され、シート基材に近い側には難燃剤が含
有されていることを特徴とする積層ガス吸着用シートが
提供される。
【0009】また本発明によれば、シート基材の両面側
に複数層を形成した積層ガス吸着用シートであって、両
面側のシート基材から遠い側には、活性炭と、アルカリ
金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも
一方が含有され、シート基材に近い側には難燃剤が含有
されていることを特徴とする積層ガス吸着用シートが提
供される。
【0010】上記シート基材中には、活性炭又はアルカ
リ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物又は難燃剤が
含有されていてもよい。
【0011】さらに本発明によれば、上記積層ガス吸着
用シートをハニカム形状とした空気清浄用フィルタが提
供される。
【0012】当該空気清浄用フィルタは開口率が50〜
90%であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】ガス吸着用シートの難燃性を向上
させるためには、当然ながら難燃剤を含有させる必要が
あり、かかる難燃剤を含有させることによるガス除去性
能の低下をいかにして抑制するかについて本発明者らが
鋭意検討した結果、ガス吸着用シートを積層構造とし
て、シート基材から遠い側に、活性炭と、アルカリ金属
化合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも一方
とを含有させ、かつシート基材に近い側に難燃剤を含有
させることにより、難燃性を向上させながら、ガス除去
性能も向上させ得ること見出し、本発明をなすに至った
ものである。
【0014】難燃性を向上させながらガス除去性能も向
上させることができたのは、本発明のガス吸着用シート
を積層構造とし、ガス吸着機能と難燃性機能を層別に機
能分離した点に大きな要因がある。すなわち、活性炭上
のオゾン分解活性点を減少させ、ガス吸着作用を低下さ
せる難燃剤を活性炭とは別の層に含有させて、難燃剤と
活性炭を離隔することで活性炭のガス吸着性能の低下を
抑制し、かつ活性炭が含有されている層にアルカリ金属
化合物および/又はアルカリ土類金属化合物を含有させ
ることによって、活性炭のガス吸着性能を向上させたの
である。
【0015】また本発明の積層ガス吸着用シートにおい
て、ガス吸着機能を有する層をシート基材から遠い側
に、難燃性機能を有する層をシート基材に近い側に設け
ることも重要な事項である。ガス吸着機能を有する層を
シート基材から遠い側に設けることにより、除去したい
物質を含んだガスと接触する活性炭の表面積が増大し、
当該物質の除去を円滑かつ有効に行うことができ、また
難燃性機能を有する層をシート基材に近い側に設けるこ
とにより、ガス吸着用シート全体の難燃性を向上させる
ことができたのである。
【0016】本発明で使用する活性炭としては、特に限
定はなく、これまで公知の活性炭が使用でき、かかる活
性炭は、例えば木材(木炭)やのこ屑、果実殻(ヤシ
殻、棉実殻、もみ殻、コーヒー豆など)、セルロース、
リグニン、パルプなどの植物系原料;褐炭、亜炭、泥
炭、無煙炭、石油スラッジなどの鉱物系原料等を素材と
し、塩化亜鉛などを使用した薬品賦活あるいは水蒸気な
どを用いたガス賦活等を施すことにより得られる。
【0017】活性炭の形状は、粉末状、粒状、繊維状の
いずれであってもよいが、ガス吸着用シート中での密度
を上げるには、粉末状や粒状のものが好ましい。
【0018】この際、粉粒状活性炭の粒径としては、1
〜150ミクロンが好ましく、より好ましくは1〜10
0ミクロンである。またシート基材から遠い側に設け
る、ガス吸着機能を有する層に含有される活性炭の粒径
としては、1〜30ミクロンが好ましく、より好ましく
は1〜25ミクロンである。粒径が1ミクロン未満の活
性炭は、飛散や凝着など取り扱い性が悪く、他方150
ミクロンより大きい活性炭ではガス吸着性シートの薄層
化が困難であり、また当該シートからの活性炭の剥離を
招くおそれがある。
【0019】本発明に使用される活性炭の比表面積は、
800m2 /g以上が好ましく、1,000m2 /g以
上がより好ましい。活性炭の比表面積が800m2 /g
より小さいと、オゾンの除去性能が低下するおそれがあ
るからである。
【0020】シート基材から遠い側の層に含まれる活性
炭量は5〜50g/m2 が好ましい。より好ましい範囲
について述べると、下限値としては、7g/m2 以上で
あり、さらに好ましくは10g/m2 以上である。他方
上限値としては、45g/m2 以下であり、さらに好ま
しくは40g/m2 以下である。5g/m2 未満の場合
十分なオゾン除去性能が得られず、他方50g/m2
越える場合は、ガス吸着用シートの厚みが厚くなるた
め、加工性が悪くなり、またハニカム形状に加工した場
合に開口率が小さくなり通過する空気の圧力損失が大き
くなるといった問題を生ずるおそれがある。
【0021】活性炭は、シート基材やシート基材から近
い側の層の有する機能を害することのない範囲で、シー
ト基材や当該層中に含有されていてもよく、積層ガス吸
着用シートに含まれる活性炭の全含有量は、積層ガス吸
着用シートに対して10〜80wt%が好ましい。より
好ましい範囲について述べると、下限値としては、20
wt%以上である。他方上限値としては、70wt%以
下である。活性炭の含有率が10wt%未満の場合、オ
ゾン除去に機能する活性炭量が不足するためオゾン除去
が十分にはなされない。一方80wt%を超える場合、
積層ガス吸着用シートの強度が低下し、加工性が悪くな
ることがある。
【0022】本発明で使用するアルカリ金属化合物およ
びアルカリ土類金属化合物としては、それぞれアルカリ
金属およびアルカリ土類金属を含有する無機又は有機化
合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
ルカリ金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、リ
チウムなどのアルカリ金属類の水酸化物;酸化物;炭酸
塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの水溶
性の塩;ハロゲン化物などが挙げられる。またアルカリ
土類金属化合物としては、カルシウム、マグネシウム、
バリウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;酸化物;
炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩な
どの水溶性の塩;ハロゲン化物などが挙げられる。使用
に当たってはこれらのアルカリ金属化合物およびアルカ
リ土類金属化合物の一種または二種以上が使用できる。
アルカリ金属化合物やアルカリ土類金属化合物は、液状
として使用してもよいし、ペースト状として使用しても
よい。
【0023】シート基材から遠い側の層に含まれるアル
カリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量
は、当該層中の活性炭に対して10〜100wt%が好
ましい。より好ましい範囲について述べると、下限値と
しては、15wt%以上であり、より好ましくは20w
t%以上である。他方上限値としては、95wt%以下
であり、より好ましくは90wt%以下である。アルカ
リ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量が1
0wt%より少ないと、オゾン除去効果が小さくなると
いう問題があり、100wt%より多いとオゾン除去効
果は上がるが難燃性に劣るという問題がある。
【0024】アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属
化合物は、シート基材やシート基材から近い側の層の有
する機能を害することのない範囲で、シート基材や当該
層中に含有されていてもよく、積層ガス吸着用シートに
含まれるアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合
物の全含有量は、ガス吸着用シート重量に対して5〜5
0wt%が好ましい。より好ましい範囲について述べる
と、下限値としては、7wt%以上であり、より好まし
くは10wt%である。他方上限値としては、45wt
%以下であり、より好ましくは40wt%以下である。
アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有
量が5wt%より少ないとオゾン除去効果が小さくなる
という問題があり、50wt%より多いと難燃性に劣る
という問題がある。
【0025】本発明で使用する難燃剤としては、例えば
三酸化アンチモンや水酸化アルミナ、水酸化マグネシウ
ム、臭化アンモン、塩化アンモン、硫酸アンモン、スル
ファミン酸アンモンなどの無機系難燃剤;リン酸アンモ
ニウム、リン酸アルミニウム、ポリリン酸アンモニウ
ム、リン酸グアニジンなどのリン酸塩、リン酸トリエス
テルなどのリン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステ
ル、脂肪族、環状脂肪族、芳香族化合物の塩素または臭
素化物などの有機系難燃剤が使用できる。これら難燃剤
は、一種または二種以上を併用してもよい。
【0026】シート基材に近い側の層中の含有される難
燃剤量は、2〜50g/m2 であることが好ましい。よ
り好ましい範囲について述べると、下限値としては、3
g/m2 以上であり、より好ましくは5g/m2 以上で
ある。他方上限値としては、45g/m2 以下であり、
より好ましくは40g/m2 以下である。難燃剤の含有
量が2g/m2 より少ないと、十分な難燃効果が得られ
ず、ULの定める規格を満足することができないという
問題があり、50g/m2 より多いと、難燃剤を含有す
る層の層強度が強くなり、積層ガス吸着用シートのしな
やかさがなくなり、シート割れを起こすおそれがある。
【0027】難燃剤は、シート基材やシート基材から遠
い側の層の有する機能を害することのない範囲で、シー
ト基材や当該層中に含有されていてもよく、積層ガス吸
着用シートに含まれる難燃剤の全含有量は、ガス吸着用
シートに対して3〜70wt%が好ましい。より好まし
い範囲について述べると、下限値としては、5wt%以
上であり、より好ましくは7wt%である。他方上限値
としては、65wt%以下であり、より好ましくは60
wt%以下である。難燃剤の含有量が3wt%より少な
いと、十分な難燃効果が得られず、ULの定める規格を
満足することができないという問題があり、70wt%
より多いと、難燃剤を含有する層の層強度が強くなり、
積層ガス吸着用シートのしなやかさがなくなり、シート
割れを起こすおそれがある。
【0028】本発明で使用するシート基材としては、例
えば抄紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂フィルム;アル
ミ箔や銅箔、ステンレス鋼などの金属シートが使用でき
る。抄紙の原料としては、木材系パルプやマニラ麻パル
プ、ポリオレフィン系パルプ、アクリルパルプ、アラミ
ドパルプなどのフィブリル化できる繊維が好ましく、シ
ート基材の強度を上げるために、ポリビニルアルコール
繊維やポリオレフィン系繊維、セラミック繊維、ガラス
繊維などを支持繊維として、フィブリル化繊維と混合し
て使用してもよい。
【0029】シート基材中に、活性炭やアルカリ金属化
合物、アルカリ土類金属化合物、難燃剤を含有させる
と、有害ガスの除去性能がより一層向上し、また難燃性
の度合いも向上する。シート基材に含有させる物質は、
必要とする効果により選択すればよく、例えば有害ガス
の除去性能をより向上させたいときは活性炭および必要
によりアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合
物を、難燃性を向上させたいときは難燃剤をそれぞれシ
ート基材中に添加すればよい。
【0030】活性炭やアルカリ金属化合物、アルカリ土
類金属化合物、難燃剤をシート基材中に含有させるに
は、シート基材の製造過程でそれら物質を添加しておけ
ばよい。例えばシート基材として抄紙を用いるときは、
フィブリル化した繊維と抄紙に含有させたい物質とを混
合した後、一般的に知られている湿式抄紙法によって抄
造しシート基材とすればよい。このとき、当該物質と繊
維との結合を高めるために、ポリアクリルアミドや脱ア
セチル化キチンなどの抄紙助剤を使用してもよい。また
樹脂フィルムをシート基材として用いるときは、当該樹
脂を製造する工程あるいは当該樹脂をシート化する工程
において活性炭などシート基材中に添加しておきたい物
質を添加しておけばよい。
【0031】シート基材の片面側に複数層を形成するに
は、コーター法、グラビア法など公知のコーティング方
法が使用できる。具体的には、難燃剤を接着剤及び必要
により増粘剤と共に混合しペースト状とした後、コータ
ー法、グラビア法などによってシート基材上に塗布し、
まず難燃剤を含有する層を形成する。次に、活性炭と、
アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少
なくとも一方とを接着剤及び必要により増粘剤と混合し
ペースト状として、難燃剤を含有する層の上に既述の方
法により塗設する。なお活性炭以外は液状物で塗膜溶液
としてもよい。図1(a)にシート基材の片面側に複数
の層を形成した本発明の積層ガス吸着用シートの一形態
を示す。シート基材の両面側に複数の層を形成する場合
は、片面側に複数の層を形成する上記処理を両面側にお
いて施せばよい。ガス吸着体積が増えるので、シート基
材の両側面に複数層を形成した積層ガス吸着用シートが
実用上は好適に使用される。図1(b)乃至(d)にシ
ート基材の両側面に複数の層を形成した本発明に係る積
層ガス吸着用シートの好適態様例を示す。図1(b)は
シート基材上に難燃剤を含有する層を設け、その上に活
性炭とアルカリ金属化合物を含有する層を設けた積層ガ
ス吸着用シート、(c)は上記(b)に示す積層ガス吸
着用シートのシート基材中に活性炭を含有させたもの、
(d)は同様にシート基材中に活性炭と難燃剤が含有さ
せたものの、それぞれ断面概略図である。
【0032】本発明の積層ガス吸着用シートにおいて、
活性炭と、アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属
化合物の少なくとも一方とを含有する層および難燃剤を
含有する層以外に、シート基材上に形成する層の塗布を
容易にするためのアンダー層やシート表面を保護するた
めの表面保護層などを必要により設けることができる。
【0033】積層ガス吸着用シートの厚さは、0.02
〜0.3mmが好ましく、より好ましくは0.03〜
0.25mmである。0.02mmより薄いとオゾン除
去、難燃性の効果が小さく、0.3mmより厚いとシー
トが厚くなり、ハニカム形状にシートを加工した場合に
開口率が小さくなって、通過する空気の圧力損失が大き
くなるといった問題が起こるおそれがある。
【0034】活性炭と、アルカリ金属化合物およびアル
カリ土類金属化合物の少なくとも一方とを含有する層の
厚さは、積層ガス吸着用シートの厚みに対して5〜50
%であることが望ましい。当該層の厚さが5%未満の場
合、十分なオゾン除去性能が得られず、他方当該層の厚
さが50%を越える場合は、層強度が強くなり積層ガス
吸着用シートにしなやかさがなくなる。このため活性炭
シートを成形するときにシート割れが起こりやすくな
る。
【0035】難燃剤を含有する層の厚さは、積層ガス吸
着用シートの厚みに対して5〜50%であることが望ま
しい。当該層の厚さが5%未満の場合、十分な難燃性能
が得られず、他方当該層の厚さが50%を越える場合
は、層強度が強くなり積層ガス吸着用シートにしなやか
さがなくなる。このため活性炭シートを成形するときに
シート割れが起こりやすくなる。
【0036】積層ガス吸着用シートの目付は、10〜1
50g/m2 が好ましい。より好ましくは20〜100
g/m2 である。当該シートが10g/m2 より軽いと
オゾン除去、難燃性の効果が小さく、150g/m2
り重いとシートが厚くなり、ハニカム形状にシートを加
工した場合に開口率が小さくなって、通過する空気の圧
力損失が大きくなるといった問題が起こるおそれがあ
る。
【0037】本発明の積層ガス吸着用シートをハニカム
形状とするには、従来公知の加工方法を用いることがで
きる。なお本発明においてハニカム形状とは、断面が六
画形状のものの他、四角、正弦波形、ロール形のものな
ど中空多角柱、円柱などの中空柱体が連続したものをい
う。例えば、積層ガス吸着用シートを正弦波形のハニカ
ム形状とするには、まず積層ガス吸着用シートを賦形ロ
ールに通して波形に賦形し、波形の当該積層ガス吸着用
シートの片面または両面に平らなシートを接合する。こ
れを積層化して正弦波形のハニカム形状のフィルタとす
る。ここで、波形の頂点に接着剤を付けて固定するのが
普通であるが、波形の積層ガス吸着用シートを積層する
とその間にある平らなシートは必然的に固定されるの
で、必ずしも接着剤を付ける必要はない。なお、接着剤
を付ける場合はシートの吸着能を損なわないものを使用
する必要がある。接着剤としては例えば、コーンスター
チに若干の合成のりを混ぜたものが好適に使用できる。
図2を参照して、オゾン除去性能を高めるためには、波
形の積層ガス吸着用シートの接着ピッチを小さくし、山
高さを低くするとよい。好適範囲としては、ピッチは
0.5〜8mm、山高さは0.4〜5mmである。
【0038】ハニカム構造フィルタの開口率は、シート
の厚みやピッチ、山高さを調整することによって、制御
することができ、好適範囲としては50〜90%であ
る。開口率が50%未満の場合、通過する流体の圧力損
失が大きくなり、90%を超える場合は、強度面で耐久
性が落ちるおそれがある。
【0039】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は重量部を、「%」
は「重量%」を示すものとする。
【0040】実施例1 活性炭(平均粒径50ミクロン、比表面積900m2
g)45部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30
度)48部、バインダーとしてのポリビニルアルコール
7部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿
式抄シート機で抄紙し基材シート(目付26g/m2
厚さ0.12mm)を製造した。
【0041】このシート基材の両側表面に、難燃剤とし
てのリン酸ジグアニジンを含むペースト状物を6g/m
2 となるように塗設した。更に得られたシート(目付3
3g/m2 、厚み0.13mm)の両側に粉末活性炭
(平均粒径18ミクロン、比表面積1200m2
g)、酢酸カリウムおよびリン酸ジグアニジンを重量比
で2:1:1の割合で混合し、さらにアルギン酸ナトリ
ウムを加えて加工し、目付55g/m2 、厚さ0.16
mmの積層ガス吸着用シートを製造した。シート基材上
に形成された難燃剤の層の厚さは全体の6.3%、活性
炭と酢酸カリウムを含有する層の厚さは全体の18.8
%であった。得られた積層ガス吸着用シートの物性を表
1及び表2に示す。
【0042】次に、コルゲート加工機を用いて積層ガス
吸着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの
片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを
70段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率65
%のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを下
記に示す方法によって評価したところ、圧力損失1.8
mmAq、初期オゾン除去率96%、100時間後オゾ
ン除去率90%であった。また片段ボールシートの難燃
性は、UL94に基づく試験の結果、V−0の難燃性で
あった。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめて表3
に示す。
【0043】評価方法 (圧力損失)ハニカム形状のフィルタを直径65mm、
厚さ15mmに切断し、直径65mmのガラスカラムに
セットする。風速1m/secの条件でフィルタの圧力
損失を測定した。なお、圧力測定はマノスターゲージを
用いて測定した。
【0044】(オゾン除去率)ハニカム形状のフィルタ
を直径65mm、厚さ15mmに切断し、直径65mm
のガラスカラムにセットする。ここにオゾン濃度1PP
Mの空気を1m/secで通し、1回の通過でのオゾン
除去率を測定する。なおオゾン濃度は紫外線吸収法オゾ
ン濃度測定器で測定した。測定条件は、温度25±2
℃、湿度50±5%である。
【0045】(難燃性評価法)ULで定めるUL94V
試験法に基づいて評価した(Standard for Test forFla
mmability of Plastic Materials for Parts in Device
s and Appliances.Vertical Burning Test ;94V-0,94V-
1,94V-2)。UL94試験法に定められた有炎燃焼時
間、無炎燃焼時間から難燃性のグレードを求め、定めら
れた基準に達しないものは難燃性を不合格とした。
【0046】実施例2 粉末活性炭(平均粒径50ミクロン、比表面積900m
2 /g)30部、水酸化アルミニウム(平均粒径20ミ
クロン)30部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度3
0度)30部、バインダーとしてのポリビニルアルコー
ル10部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー
型湿式抄シート機で抄紙し、基材シート(目付36g/
2 、厚さ0.14mm)を製造した。
【0047】このシート基材の両側表面に、難燃剤とし
てのポリリン酸アンモニウムを含むペースト状物をリン
酸アンモニウムの量で10g/m2 となるように塗布し
た。更に得られたシート(目付48g/m2 、厚み0.
16mm)の両側に粉末活性炭(平均粒径18ミクロ
ン、比表面積1200m2 /g)、炭酸水素カリウム及
びリン酸アルミニウムを重量比で3:2:1の割合で混
合し、さらにアルギン酸ナトリウムを加えてペースト状
としてコート加工し、目付70g/m2 、厚さ0.19
mmの積層ガス吸着用シートを製造した。シート基材上
に形成された難燃剤の層の厚さは全体の10.5%、活
性炭と炭酸水素カリウムを含有する層の厚さは全体の1
5.8%であった。得られた積層ガス吸着用シートの物
性を表1及び表2に示す。
【0048】次に、コルゲート加工機を用いて積層ガス
吸着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの
片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを
70段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率58
%のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実
施例1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失
2.3mmAq、初期オゾン除去率96%、100時間
後オゾン除去率93%であった。また片段ボールシート
の難燃性は、UL94に基づく試験の結果、V−1の難
燃性であった。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめ
て表3に示す。 実施例3 水酸化アルミニウム(平均粒子径20ミクロン)50
部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30度)43
部、バインダーとしてのポリビニルアルコール7部を混
合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿式抄シー
ト機で抄紙し基材シート(目付26g/m2 、厚さ0.
12mm)を製造した。
【0049】このシート基材の両側表面に、難燃剤とし
てのリン酸アルミニウムを含むペーストをリン酸アルミ
ニウムの量で20g/m2 となるように塗布した。更に
得られたシート(目付48g/m2 、厚み0.16m
m)の両側に粉末活性炭(平均粒径18ミクロン、比表
面積1200m2 /g)と炭酸水素カリウムとを重量比
で2:1の割合で混合し、さらにアルギン酸ナトリウム
を加えてペースト状としてコート加工し、目付80g/
2 、厚さ0.20mmの積層ガス吸着用シートを製造
した。シート基材上に形成された難燃剤の層の厚さは全
体の20%、活性炭と炭酸水素カリウムを含有する層の
厚さは全体の20%であった。得られた積層ガス吸着用
シートの物性を表1及び表2に示す。
【0050】次に、コルゲート加工機を用いて積層ガス
吸着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの
片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを
70段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率55
%のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実
施例1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失
2.4mmAq、初期オゾン除去率96%、100時間
後オゾン除去率94%であった。また片段ボールシート
の難燃性は、UL94に基づく試験の結果、V−1の難
燃性であった。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめ
て表3に示す。 実施例4 叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30度)50部、支
持繊維としてレーヨン繊維(8デニール、繊維長5m
m)40部、バインダーとしてのポリビニルアルコール
10部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型
湿式抄シート機で抄紙し基材シート(目付20g/m
2 、厚さ0.08mm)を製造した。
【0051】このシート基材の両側表面に、難燃剤とし
てのリン酸アルミニウムを含むペーストをリン酸アルミ
ニウムの量で20g/m2 となるように塗布した。更に
得られたシート(目付42g/m2 、厚み0.12m
m)の両側に粉末活性炭(平均粒径18ミクロン、比表
面積1200m2 /g)、酢酸カリウム及びリン酸アル
ミニウムを重量比で5:2:1の割合で混合し、さらに
アルギン酸ナトリウムを加えてペースト状としてコート
加工し、目付75g/m2 、厚さ0.17mmの積層ガ
ス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成された
難燃剤の層の厚さは全体の23.5%、活性炭と酢酸カ
リウムを含有する層の厚さは全体の29.4%であっ
た。得られた積層ガス吸着用シートの物性を表1及び表
2に示す。
【0052】次に、コルゲート加工機を用いて積層ガス
吸着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの
片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを
70段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率62
%のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実
施例1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失
1.7mmAq、初期オゾン除去率96%、100時間
後オゾン除去率94%であった。また片段ボールシート
の難燃性は、UL94に基づく試験の結果、V−1の難
燃性であった。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめ
て表3に示す。 比較例1 活性炭(平均粒径50ミクロン、比表面積900m2
g)30部、水酸化アルミニウム(平均粒径20ミクロ
ン)30部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30
度)30部、バインダーとしてのポリビニルアルコール
10部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型
湿式抄シート機で抄紙し基材シート(目付40g/m
2 、厚さ0.14mm)を製造した。
【0053】このシート基材の両側表面に、粉末活性炭
(平均粒径18ミクロン、比表面積1200m2
g)、酢酸カリウム及びリン酸グアニジンを重量比で
3:2:1の割合で混合し、さらにアルギン酸ナトリウ
ムを加えてペースト状としてコート加工し、目付60g
/m2 、厚さ0.18mmのガス吸着用シートを製造し
た。シート基材上に形成された層の厚さは全体の22.
2%であった。得られたガス吸着用シートの物性を表1
及び表2に示す。
【0054】次に、コルゲート加工機を用いてガス吸着
用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの片段
ボールシートに成形した。この片段ボールシートを70
段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率60%の
ハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実施例
1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失2.
0mmAq、初期オゾン除去率96%、100時間後オ
ゾン除去率93%であった。また片段ボールシートの難
燃性は、UL94に基づく試験の結果は不合格であっ
た。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめて表3に示
す。
【0055】比較例2 実施例3で製造した基材を用い、このシート基材の両側
表面に、粉末活性炭(平均粒径18ミクロン、比表面積
1200m2 /g)、炭酸水素カリウム及びリン酸アル
ミニウムを重量比で5:2:5の割合で混合し、さらに
アルギン酸ナトリウムを加えてペースト状としてコート
加工し、目付70g/m2 、厚さ0.2mmのガス吸着
用シートを製造した。シート基材上に形成された活性炭
と炭酸水素カリウムを含有する層の厚さは全体の40%
であった。得られたガス吸着用シートの物性を表1及び
表2に示す。
【0056】次に、コルゲート加工機を用いてガス吸着
用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの片段
ボールシートに成形した。この片段ボールシートを70
段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率55%の
ハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実施例
1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失2.
4mmAq、初期オゾン除去率94%、100時間後オ
ゾン除去率75%であった。また片段ボールシートの難
燃性は、UL94に基づく試験の結果、V−1の難燃性
であった。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめて表
3に示す。
【0057】比較例3 実施例4で製造した基材を用い、このシート基材の両側
表面に、粉末活性炭(平均粒径18ミクロン、比表面積
1200m2 /g)、酢酸カリウム及びポリリン酸アン
モニウムを重量比で5:2:5の割合で混合し、さらに
アルギン酸ナトリウムを加えてペースト状としてコート
加工し、目付60g/m2 、厚さ0.15mmのガス吸
着用シートを製造した。シート基材上に形成された活性
炭と酢酸カリウムを含有する層の厚さは全体の46.7
%であった。得られたガス吸着用シートの物性を表1及
び表2に示す。
【0058】次に、コルゲート加工機を用いて積層ガス
吸着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの
片段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを
70段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率70
%のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを実
施例1と同様の方法によって評価したところ、圧力損失
1.6mmAq、初期オゾン除去率94%、100時間
後オゾン除去率73%であった。また片段ボールシート
の難燃性は、UL94に基づく試験の結果、不合格であ
った。ハニカム形状成形品の物性結果をまとめて表3に
示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】活性炭と、アルカリ金属化合物層及びアル
カリ土類金属化合物の少なくとも一方とを含有する層及
び難燃剤を有する層を有する実施例1乃至4の積層ガス
吸着用シートでは、100時間経過後であってもオゾン
分解率は低下せず、また難燃性評価は、V−0又はV−
1と事務機器の部品として使用できるレベルのものであ
った。一方比較例1及び3では難燃剤を含有する層を設
けていないので、難燃性試験の結果は不合格となってい
る。他方比較例2のガス吸着用シートも難燃剤を有する
層は設けていないが、基材シート中などにも難燃剤を含
有しており、ガス吸着用シート全体として、44.7w
t%もの難燃剤を含有しているため、ULの難燃性の基
準は満足している。しかし、多量の難燃剤を活性炭と同
一層内に含有させているため、100時間後のオゾン分
解率は75%と急激に低下している。
【0063】
【発明の効果】本発明の積層ガス吸着用シートによれ
ば、オゾンを初めとする人体に有害なガスを効率的に除
去することができ、また当該シートは長期間使用しても
性能が落ちない。しかもULの定める難燃性の基準を満
足するので、事務用機器などに使用することができる。
また当該ガス吸着用シートをハニカム形状とした空気清
浄用フィルタによれば、人体に有害なガスを効率的に除
去し、かつ圧力損失を小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層ガス吸着用シートの断面概略図で
ある。
【図2】本発明の積層ガス吸着用シートを片段ボールシ
ートとした断面概略図である。
【符号の説明】
1:シート基材 2:難燃剤を含有する層 3:活性炭及びアルカリ金属化合物を含有する層 4:活性炭 5:難燃剤 6:積層ガス吸着用シート 7:シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート基材の片面側に複数層を形成した
    積層ガス吸着用シートであって、シート基材から遠い側
    には、活性炭と、アルカリ金属化合物およびアルカリ土
    類金属化合物の少なくとも一方が含有され、シート基材
    に近い側には難燃剤が含有されていることを特徴とする
    積層ガス吸着用シート。
  2. 【請求項2】 シート基材中に、活性炭又はアルカリ金
    属化合物又はアルカリ土類金属化合物又は難燃剤が含有
    される請求項1記載の積層ガス吸着用シート。
  3. 【請求項3】 シート基材の両面側に複数層を形成した
    積層ガス吸着用シートであって、両面側のシート基材か
    ら遠い側には、活性炭と、アルカリ金属化合物およびア
    ルカリ土類金属化合物の少なくとも一方が含有され、シ
    ート基材に近い側には難燃剤が含有されていることを特
    徴とする積層ガス吸着用シート。
  4. 【請求項4】 シート基材中に、活性炭又はアルカリ金
    属化合物又はアルカリ土類金属化合物又は難燃剤を含有
    する請求項3記載の積層ガス吸着用シート。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項3記載の積層ガス
    吸着用シートをハニカム形状としたことを特徴とする空
    気清浄フィルタ。
  6. 【請求項6】 開口率が50〜90%である請求項5記
    載の空気清浄フィルタ。
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