JP2014018722A - 除湿用フィルター素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、除湿効率が高く、ハニカム加工性に優れ、圧力損失が適正な除湿用フィルター素子を提供することである。
【解決手段】平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層された多数の透孔を有する除湿用フィルター素子において、平面状シート及び波形シートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ、及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させたシートからなる除湿フィルター素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸湿と放湿が可能な除湿用フィルター素子に関するものである。
デシカント空調システムは、デシカントと呼ばれている吸湿剤によって、低湿度の空気を作り出す空調システムである。低湿度の空気の供給により、温度はそれほど低くなくても快適性を充分に得ることができる。図1は、デシカント空調システムの一例を示す概略図である。吸湿剤を含有する円筒形ローター状の除湿用フィルター素子1が回転することで、点線Aより上側の吸着ゾーンと点線Aより下側の再生ゾーンを交互に通過する構造になっている。吸着ゾーンでは、まず、湿った外気6が給気用ファン2によって除湿用フィルター素子1へと導入される。次に、除湿用フィルター素子1が湿った外気6中の水分を吸着して除湿する。除湿された空気7は冷却器3で冷却されて、冷却空気8として室内へと供給される。再生ゾーンでは、まず、室内の空気9を加熱器4で加熱する。この加熱された空気10によって、除湿用フィルター素子1に吸着している水分が脱着し、除湿用フィルター素子1が再生される。除湿用フィルター素子1から脱着した水分を含む空気11は排気用ファン5によって室外へと排出される。除湿用フィルター素子は水分吸着剤を含有してなり、平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層され、多数の透孔を有するハニカム状に加工されたものが一般的である。
除湿用フィルター素子としては、例えば、無機繊維紙をハニカム状に成形加工した後に高温焼成して有機物を除去し、多孔質シリカを含有する塗布液中に含浸した後に高温乾燥して得られる素子、セラミック繊維紙に水ガラスを含浸して、シリカゲルを生成させて得られる素子が一般に用いられていた(例えば、特許文献1〜2参照)。これらの無機繊維を用いた除湿用フィルター素子は、堅くて脆いために加工性が低いという問題があった。最近になって、これらの無機繊維紙に主に使用されているセラミック繊維が、REACH(化学物質とその安全な使用・取扱・用途(Use)に関する新しい欧州連合(EU)の法律)規制対象物質になり、早期に代替繊維による置換えが望まれている。本対策の一つとして、加工性に優れた吸着型吸湿剤と有機繊維を含有してなる除湿用フィルター素子が提案されている(例えば、特許文献3〜6参照)。
しかしながら、吸着型吸湿剤と有機繊維を含有してなる除湿用フィルター素子では、基本的に有機繊維の耐熱性不足のため、ローターの耐久性に乏しいという致命的な問題点が解決されていない。そこで、REACH規制対象外のガラス繊維を混抄したシートを用いて、除湿用フィルター素子の提案もなされている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、吸着型吸湿剤とガラス繊維を含有してなる除湿用フィルター素子では、吸着型吸湿剤の含有比率をある程度以上にしないと、目的とする除湿効率が得られない。その反面、吸着型吸湿剤の含有比率を高くし過ぎると、シートの繊維含有比率が低下するために、ハニカム加工性が低下するという問題があった。逆に、シート自体の厚みを厚くすることで、吸着型吸湿剤の絶対量を上げると共に、ハニカム加工性を維持するという手法も考えられるが、その場合は、シートの厚みのために、透孔面積が低下し、処理すべき空気が素子を通過する時の抵抗、即ち、圧力損失が増大し、デシカント空調システムの送風ファンに負荷がかかるという問題があった。
特開平6−226037号公報 特開平5−115737号公報 特開2004−268020号公報 国際公開第08/004703号パンフレット 特開2003−38928号公報 特開2009−240935号公報 特開2012−110818号公報
本発明の課題は、除湿効率が高く、ハニカム加工性、寸法安定性に優れ、圧力損失が適正な除湿用フィルター素子を提供することである。
本発明は、平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層された多数の透孔を有する除湿用フィルター素子において、平面状シート及び波形シートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させたシートからなる除湿フィルター素子である。
本発明によれば、除湿用フィルター素子を構成するシートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させることによって、吸着型吸湿剤がシートの表面に露出する割合が高くなるという作用があるため、通過風量が変わっても除湿性能が変動しないという効果が得られる。また、該シートの木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層により、ハニカム加工時の折適性向上という効果が得られ、ハニカム加工性を維持しつつ、得られる除湿用フィルター素子の通風開口面積が大きくなるという作用があるため、圧力損失が低くなり、デシカント空調システムの送風ファンへの負荷を軽減できるという効果が得られる。
デシカント空調システムの一例を示す概略図である。
本発明の除湿用フィルター素子は、平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層された多数の透孔を有する除湿用フィルター素子において、平面状シート及び波形シートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させてなるシートであることを特徴としている。
吸着型吸湿剤としては、高吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系吸着剤、セピオライト、ゼオライト、ベントナイト、アタパルジャイト、珪藻土、珪藻土頁岩、活性炭、多孔質シリカ、水酸化アルミニウム、繊維状酸化チタン、アロフェン、イモゴライト、非晶質アルミノ珪酸塩等の無機系吸着剤を用いることができる。また、高吸水性高分子、カルボキシメチルセルロース等の有機系水分吸着剤を使用することもできる。該シートの吸着型吸湿剤の含有量は、シートに対して30〜70質量%であり、より好ましくは40〜60質量%である。30質量%未満になると、目的とする除湿効率が得られなくなる場合があり、70質量%を超えると、シート自体の腰がなくなり、著しいハニカム加工性の低下を招くことがある。
本発明に用いられるガラス繊維混抄紙は、少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層構造である。ガラス繊維は寸法安定性を付与し、木材パルプは目止め及び抄紙安定性を付与し、バインダー繊維は強度を付与する。また、裏面層の木材パルプとバインダー繊維によって、除湿用フィルター素子を製造する際における接着剤の裏面層からの浸透性制御の役割を担うので、使用する接着剤量を極力少なくすることができ、接着剤による吸着性能の低下を抑制することができる。
本発明に用いられるガラス繊維は、折れ難く、繊維シート能力があればいずれのガラス繊維でも良いが、通常、繊維径6μm〜13μm、繊維長6mm〜25mmが適当である。繊維径が6μm未満のガラス繊維は高価であり、コスト高となり、13μmを超えると、シートが粗密となり、平坦性が劣下する傾向にある。また、アンモニア等の塩基性ガスに晒される可能性があるので、耐アルカリ性のあるEガラスを使用するのが好ましい。
本発明で用いられる木材パルプはNBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、その他いずれの種類のパルプでも良く特に限定されないが、目止め効果、強度付与の点からNBKPが好ましい。また、叩解度は300〜600mlCSFの範囲が好ましい。叩解度が300mlCSF未満であると、シートの寸法安定性が低下する傾向になり、600mlCSFを超えると、強度が低下する傾向にある。
本発明で用いられるバインダー繊維はポリビニルアルコール(PVA)バインダー繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)バインダー繊維、各種芯鞘バインダー繊維が挙げられるが、湿式抄紙であることから、抄紙性、湿紙強度、ガラス繊維との接着性からPVAバインダー繊維が最も適している。バインダー繊維は繊維径1.0〜4.5dtex、繊維長3〜10mmのものが好ましく用いられる。繊維長3mm未満では、バインダー効果が低下する傾向になり、10mmを超えると、抄紙時ヨレや固まりが発生しやすく好ましくない傾向になる。
表面層において、ガラス繊維:木材パルプ:バインダー繊維の質量割合は、10:60:10〜60:10:10であることが好ましく、20:50:10〜50:20:10であることがより好ましい。裏面層において、木材パルプ:バインダー繊維の質量割合は、90:5〜30:65であることが好ましく、80:15〜50:45であることがより好ましい。
本発明において、裏面層には、所望の特性を阻害しない範囲で、レイヨン繊維、リヨセル繊維等の半合成繊維、バインダー性能のないポリエステル系繊維、ビニロン繊維、ポリオレフィン系繊維等の合成繊維を使用しても良い。これらの繊維の繊維径は、繊維径1.5〜4.5dtex、繊維長5〜10mmが好ましく用いられる。繊維径が4.5dtexを超えると、シート裏面層の平坦性が悪くなり、繊維長が10mmより長くなると、抄紙時ヨレや固まりが発生しやすく、好ましくない。
本発明において、ガラス繊維混抄紙の坪量は40〜200g/mであることが好ましく、厚みは100〜500μmであることが好ましい。より好ましくは、60〜150g/m、150〜370μmである。本範囲を外れて、坪量、厚みが低下すると、目的とする吸湿効率が得られず、ハニカム加工性が著しく低下する場合がある。逆に、坪量、厚みが高い場合、除湿性能は得られるものの、圧力損失が高くなる等の不具合が生じる場合がある。
本発明におけるガラス繊維混抄紙の製造方法は、例えば、以下のように行うことができる。表面層は、水に分散剤を添加した後、ガラス繊維を投入して攪拌し、その後、フロック剤として高分子ポリアクリルアミド水溶液を添加し、往復攪拌機で攪拌した状態でガラス繊維スラリーとして貯蔵する。一方で、叩解後の木材パルプ、バインダー繊維を混合分散した後、別の貯蔵タンクに送り、これらのガラス繊維スラリーと木材パルプとバインダー繊維スラリーとを表面層用として一定量ずつ抄紙網に送り、目標の坪量となるように表面層を先に抄造する。次に、裏面層は、叩解後の木材パルプ、バインダー繊維を混合分散した後、貯蔵タンクに送り、この木材パルプとバインダー繊維スラリーを裏面層用として一定量ずつ抄紙網に送り、先に抄造した表面層に目標の坪量となるように抄合わせる。さらに、この抄合わせたシートをプレス後、ヤンキードライヤー等で乾燥し、ガラス繊維混抄紙とすることができる。なお、表面層をヤンキードライヤー面にあてると、この後に担持する吸着型吸湿剤がシートの表面に露出する割合が高くなるため、好ましい。
このようにして得られたガラス繊維混抄紙の表面に、吸着型吸湿剤を担持させる方法としては、コーティング法を用いる。コーティング液としては、吸着型吸湿剤を含有する溶液又は分散液を使用する。媒体としては、水や水とアルコール、ケトン等の有機溶剤との混合液を好適に用いることができる。コーティングには、サイズプレス、ゲートロールコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、コンマコーター、バーコーター、グラビアコーター、キスコーター、スプレーコーター等の含浸又は塗工装置を使用することができる。塗工量は、15〜300g/mが好ましく、45〜150g/mがより好ましい。15g/m未満になると、吸放湿性能が得られない場合があり、300g/mを超えると、除湿用フィルター素子への加工が難しくなる場合がある。
本発明においては、上述方法により得られたシートを、熱カレンダー処理することが好ましい。本処理により、吸着型吸湿剤の含有比率を高く維持したまま、シート強度を上げることが可能になり、除湿効率が高く、かつハニカム加工性を損なうことなく、圧力損失が低い除湿用フィルター素子を得ることができる。
熱カレンダー処理とは、加熱した金属ロールと弾性ロールとで構成されるニップ部分にシートを通過させて基材にカレンダー処理を施すことであり、金属ロールの加熱温度、ニップ圧により、処理後の基材の厚み、硬さ、平坦性を制御することができる。本発明においては、繊維、吸着型吸湿剤の種類にもよるが、通常加熱温度60℃〜120℃、ニップ圧290N〜1000Nで処理することが好ましい。
本発明の除湿用フィルター素子は、上記で製造されたシートからなる平面状シートと波形シートを一体化して得られた片波積層体を交互に積層して得られる。積層形態としては、ローター状、直交状、ブロック状、斜交状、異形ブロック状、円柱状等が挙げられる。除湿用フィルター素子には多数の透孔が形成される。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1
<ガラス繊維混抄紙の作製>
ガラス繊維9μm×6mm(旭ファイバーグラス製)の分散を次のように行った。パルパーに水と分散剤を対ガラス繊維3質量%添加し攪拌した後、ガラス繊維を投入し15分間攪拌した。その後、分散安定剤を対ガラス繊維4質量%添加した後、高分子ポリアクリルアミド水溶液を対ガラス繊維1.5質量%(固形)添加し、攪拌機で攪拌しながら貯蔵した。
別のパルパーに、叩解後のNBKP(濾水度470mlCSF)とポリビニルアルコール(PVA)バインダー繊維(商品名:VPB105−1×3、クラレ製)とを水中に66.7/33.3の質量割合で混合分散し、貯蔵した。
別のタンクに、スチレンブタジエンゴム(SBR)ラテックスと炭酸カルシウムを温水中(80℃)に50/50の質量割合で混合分散し、ポリアミドエピクロルヒドリン系樹脂を対SBRラテックス10質量%(固形)添加して凝集させた後貯蔵した。表面層として、上記のガラス繊維/NBKP/PVAバインダー繊維/SBRラテックス/炭酸カルシウムが50/20/10/10/10の質量割合になるように一次スクリーン入口で混合し、傾斜ワイヤーに送り、固形分80g/mのウエッブを構成した。
裏面層として、パルパーに叩解NBKP(濾水度470mlCSF)とPVAバインダー繊維(商品名:VPB105−2×3、クラレ製)とポリエステル繊維1.7dtex×5mm(帝人ファイバー製)を水中に80/15/5の質量割合で混合分散した後貯蔵し、円網へ送り固形分10g/mのウエッブを構成した。
以上、表面層80g/mと裏面層10g/m、合計坪量90g/mのガラス繊維混抄紙を傾斜ワイヤー・円網のコンビネーション抄紙機で作製した。乾燥は、ヤンキードライヤーを用いて行った。
<ガラス繊維混抄紙への吸着型吸湿剤の担持によるシートの作製>
吸着型吸湿剤(シリカゲルB型)20質量部、バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)7質量部(固形)を含有してなる水性スラリーを調製し、ワイヤーバーにより、上記により得られた合計坪量90g/mのガラス繊維混抄紙の表面に、塗工量が60g/mになるように塗工してシートを作製した。
<塗層強度測定方法>
塗層強度の評価としては、吸放湿性シートの両面に市販セロハンテープを貼り、剥離した時のセロハンテープに転写した塗層成分及び繊維を観察することにより、下記基準により評価した。
○:両面とも全く転写無し。
△:塗層成分がかすかに転写、裏面層の繊維もかすかに転写。
×:塗層成分がかすかに転写、裏面層の繊維が紙層成分ごと転写。
<コルゲート加工性評価>
得られたシートを使用し、高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、得られた片面段ボール紙の層間剥離強度を調べ、下記基準により評価した。
○:無理やり剥がそうとすると紙層間剥離するが、ガラス繊維の脱落はない。
△:無理やり剥がそうとすると紙層間剥離し、ガラス繊維の脱落が見られる。
×:容易に剥がれ、ガラス繊維の脱落が見られる。
<除湿用フィルター素子の除湿性能評価>
得られたシートを使用し、高さ1.9mm、ピッチ3.2mmの片面段ボールを作製し、これを渦巻き状に巻き上げて、内径90mm、外径350mm、厚み100mmの円筒形ローター状の除湿用フィルター素子を作製した。
除湿用フィルター素子を25rphで回転させて、図1のように、吸着ゾーンにおいて、素子面積の1/2に面速2m/secで外気(25℃、質量絶対湿度16g/kg(DA))を流入させた。除湿用フィルター素子から出てきた空気の除湿側出口での温湿度を測定したところ、安定状態で温度36℃、質量絶対湿度11.2g/kg(DA)であった。除湿入口質量絶対湿度と除湿出口質量絶対湿度の差から絶対除湿質量4.8g/kg(DA)を求めた。一方、再生ゾーンにおいて、もう1/2の素子面に、加熱空気(55℃、質量絶対湿度16g/kg(DA))を流入させたところ、除湿用フィルター素子からできてきた空気の除湿側出口での温湿度を測定したところ、安定状態で温度44℃、質量絶対湿度20.8g/kgであった。再生出口質量絶対湿度と再生入口質量絶対湿度の差から、絶対再生質量4.8g/kg(DA)を求めた。さらに、吸着ゾーン及び脱着ゾーンの入口と出口の差圧をデジタル微差圧計により測定し、吸着ゾーンの圧力損失250Pa、脱着ゾーンの圧力損失250Paを求めた。
<除湿用フィルター素子の耐久性評価>
円筒形ローター状の除湿用フィルター素子を25rphで回転させて、図1のように、吸着ゾーンにおいて、素子面積の1/2に面速2m/secで外気(25℃、質量絶対湿度16g/kg(DA))を流入させた。一方、再生ゾーンにおいて、もう1/2の素子面に、加熱空気(80℃、質量絶対湿度16g/kg(DA))を流入させ、2週間連続運転を行った。さらに、吸着ゾーン及び脱着ゾーンの入口と出口の差圧をデジタル微差圧計により測定し、吸着ゾーンの圧力損失250Pa、脱着ゾーンの圧力損失250Paを求めた。その後、除湿用フィルター素子を取り外し、変形、コルゲート間の剥離程度を観察することにより、下記基準により評価した。
○:全く変形、剥離無し。
△:かすかに変形が見られるが、コルゲート間の剥がれ無し。
×:明らかに変形が見られ、コルゲート間の剥がれも酷い。
実施例2
実施例1のガラス繊維混抄紙の作製において、表面層の坪量40g/m、裏面層の坪量50g/mとし、合計坪量90g/mのガラス繊維混抄紙を作製した以外、実施例1と同様にしてシートの作製、評価、除湿用フィルター素子の作製、評価を行った。
比較例1
実施例1のガラス繊維混抄紙の作製のところで、表面層のみ坪量90g/mとし、裏面層のないガラス繊維混抄紙を作製した以外、実施例1と同様にしてシートの評価、除湿用フィルター素子の作製、評価を行った。
比較例2
<非ガラス繊維基材の作製>
ビニロン繊維(繊度1.7dtex、繊維長5mm)/ビニロン繊維(繊度7.8dtex、繊維長5mm)/ポリエステル系繊維(繊度2.2dtex、繊維長10mm)=40/40/20の質量割合で解繊混合し、28g/mのウェブを作製し、該ウェブにアクリルエマルジョン樹脂を有効成分換算で22g/m含浸、乾燥させて強度を付与して、目付:50g/m、通気度:500cc/cm・sec、嵩密度:0.045g/cmのウェブを作製した。
<非ガラス繊維基材への吸着型吸湿剤の担持によるシート及び除湿用フィルター素子の作製と評価>
吸着型吸湿剤(シリカゲルB型)20質量部、バインダー(エチレン−酢酸ビニル重合体のエマルジョン)7質量部(固形)を含有してなる水性スラリーを調製し、ワイヤーバーにより、上記により得られた合計坪量45g/mの基材の片面に、塗工量が60g/mになるように塗工してシートを作製した以外、実施例1と同様にして、シートの評価、除湿用フィルター素子の作製、評価を行った。
Figure 2014018722
各実施例及び比較例で得られた除湿用フィルター素子の特性を表1に示す。
実施例1〜2と比較例1〜2の結果より、平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層された多数の透孔を有する除湿用フィルター素子において、平面状シート及び波形シートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ、及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させてなるシートである除湿用フィルター素子では、優れた除湿性能を示すと共に、コルゲート加工性に優れ、高い耐久性能を有することが確認された。
本発明の除湿用フィルター素子は、デシカント空調システムに使用できるほか、美術品、電気製品、工芸品、衣類等の保存時や輸送時の包装材料、住宅内装材、押入やタンスの吸湿剤、熱交換素子等に利用することができる。
1 除湿用フィルター素子
2 給気用ファン
3 冷却器
4 加熱器
5 排気用ファン
6 湿った外気
7 除湿された空気
8 冷却空気
9 室内の空気
10 加熱された空気
11 除湿用フィルター素子から脱着した水分を含む空気

Claims (1)

  1. 平面状シートと波形シートとを一体化してなる片波成形体が交互に積層された多数の透孔を有する除湿用フィルター素子において、平面状シート及び波形シートが少なくともガラス繊維、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる表面層と、木材パルプ及びバインダー繊維を含有してなる裏面層の2層を有するガラス繊維混抄紙の表面に吸着型吸湿剤を担持させたシートであることを特徴とする除湿フィルター素子。
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