JP2018031093A - 繊維シートおよびその製造方法および繊維シートの複合体および湿度交換用吸着体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、これらの吸湿剤は、潮解性があるため、吸湿後液状化して他を汚染し、金属などを腐食する、吸湿性が強すぎて放湿性に劣り、繰り返し使用できないといった欠点があった。また、シリカゲル、ゼオライト、硫酸ナトリウム、活性アルミナ、活性炭等の多孔質吸湿剤は、吸湿性に併せ、放湿性を有することにより繰り返し使用ができ解決されているが、再生に高温を要する、吸放湿の繰返しにより破砕・粉末化が起こり易いといった問題があった。
しかしながら、かかる有機系吸放湿性材料では耐熱性および湿潤時の剛性が十分ではなく、湿度交換用吸着体として使用すると熱や湿潤により変形するという問題があった。
その際、前記無機繊維が、ガラス繊維または炭素繊維またはアルミナ繊維または金属繊維であることが好ましい。また、前記無機繊維において、単繊維径が30μm以下であることが好ましい。また、繊維シートにさらにバインダー繊維が含まれることが好ましい。また、前記吸湿性ポリマーが、エチレン性不飽和カルボキシルモノマーとエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーを含むことが好ましい。また、繊維シートにおいて、30℃、90%RH下における初期吸湿量が13g/m2・3min以上であることが好ましい。また、30℃90%RH下で12時間吸湿後においてJIS L1913−2010ガーレ法にて測定する湿潤時剛軟度が150mgf(1.47mN)以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、無機繊維を含みかつ吸湿性ポリマーが固着してなりかつ波状の形状を有する繊維シートと、無機繊維を含みかつ吸湿性ポリマーが固着してなりかつ平らな繊維シートが接合してなることを特徴とする繊維シートの複合体が提供される。
また、本発明によれば、前記の繊維シートの複合体を巻回または積層して得られた湿度交換用吸着体が提供される。
また、本発明によれば、無機繊維を含み波状の形状を有する繊維シートと無機繊維を含み平らな繊維シートとを接合してなる繊維シートの複合体を巻回または積層してなるものに、カルボン酸基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシル基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーを含む水溶液を付与した後、加熱処理を施すことを特徴とする湿度交換用吸着体の製造方法が提供される。
かかる無機繊維において、表面積を大きくして優れた吸放湿性を得る上で単繊維径が30μm以下(好ましくは1〜15μm)であることが好ましい。
本発明の繊維シートにおいて、無機繊維が繊維シート重量対比50重量%以上含まれることが好ましい。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー(1)、ポリエステル系エラストマー(2)、共重合ポリエステル系ポリマー(3)、ポリオレフィン系ポリマー(4)、ポリオレフィン系ポリマーの共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができる。
なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
かかるバインダー繊維において、その単繊維繊度は0.5〜10dtex(より好ましくは1〜3dtex)であることが好ましい。また、バインダー繊維において、繊維長は5mm以上が好ましく、より好ましくは30〜100mmである。繊維長が5mmよりも小さいと十分な剛性が得られないおそれがある。逆に繊維長が100mmよりも大きいと、工程安定性が損なわれるおそれがある。
本発明の繊維シートにおいて、シートの布帛組織は特に限定されず、織物、編物、不織布いずれでもよいが、繊維表面積を大きくして優れた吸放湿性を得る上で不織布が好ましい。特に湿式不織布が好ましい。
なおポリマー中に可塑化モノマーを含有させるのが好ましく、特に好ましい可塑化モノマーは、メチルまたはエチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。これらは2%以上が好ましい。
得られたポリマー溶液は、所定の基材に含浸させ、その後加熱することで、エステル結合を伴う架橋反応を行う。この架橋反応は熱処理条件の選択により適度に進行させることによって、基材との固着性を保ち、且つ吸湿率を保持することができる。
200≦X<259−(80/110)Y
5≦Y≦40
かくして得られた繊維シートは、吸放湿性はもちろんのこと、加熱時や湿潤時に変形しにくく、耐熱性および吸放湿性および湿潤時の剛性に優れる。
熱風乾燥機により120℃で2時間乾燥させ重量を測定する(W1)。次に温度30℃、相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に6時間静置して重量を測定する(W2)。
飽和吸湿量(g/m2)=(W2−W1)/評価基材の面積(m2)
熱風乾燥機により70℃で1時間乾燥させた後、重量を測定する(W4)温度30℃、相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に3分間静置して吸湿重量を測定する(W3)。
初期吸湿量(g/m2)=W3−W4/評価基材の面積(m2)
また、波状の形状を有する繊維シートと平らな繊維シートが接合してなる繊維シートの複合体を積層してもよい。
かかる湿度交換用吸着体は、吸湿性を有する水溶液の粘性が低く、乾燥後もハニカム構造体の目を詰まらせることがなく、かつ高い担持量で3次元構造体に均一に被膜させることができること、予め作製した無機繊維を含む構造体を、吸湿性を有する水溶液に浸漬し加熱処理して得るため、工程が単純で非常に合理的であるというメリットがある。
熱風乾燥機により120℃で2時間乾燥させ重量を測定する(W1)。次に温度30℃、相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に6時間静置して重量を測定する(W2)。飽和吸湿量は以下の式で求める。
飽和吸湿量(g/m2)=(W2−W1)/評価基材の面積(m2)
飽和吸湿量が30g/m2以上であると、良好な吸湿特性であると判断する。
熱風乾燥機により70℃で1時間乾燥させた後、重量を測定する(W4)温度30℃、相対湿度90%RHに調整した恒温恒湿槽に3分間静置して吸湿重量を測定する(W3)。初期吸湿量は以下の式で求める。
初期脱湿量(g/m2)=W3−W4/評価基材の面積(m2)
初期短時間吸脱湿量が13g/m2・3min以上であると良好な吸湿特性であると判断する。
30℃90%RH下で12時間吸湿評価後の各基材の蒸れ感(べたつき、吸脱湿剤の潮解など)を目視、触手で確認した。吸湿処理後もべたつきや吸脱湿剤の潮解が観察されない場合繰返耐久性の観点で安定な成形物であると判断して○、べたつきや吸脱湿剤の潮解が観察された場合耐久性に問題がると判断して×と表中に示した。
30℃90%RH下で12時間吸湿評価後の各基材の剛性をJIS L1913−2010ガーレ法にて剛軟度(mgf)で求めた。湿潤時剛軟度が150mgf(1.47mN)以上であると、成形物の湿潤による変形が起こり難いと判断する。
繊維径10μm、繊維長10mmのガラス繊維60重量%、単繊維繊度2dtex、繊維長5mmの芯鞘PET繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレート、鞘成分:共重合ポリエステル)40重量%をあらかじめ溶解した分散剤(花王製、商品名「エマノーン3199」)を原料に対し0.5%となるよう添加し水中に分散させ、混合撹拌した後、湿式抄紙法でウエブを作製し、加熱加圧した後、アクリル樹脂エマルジョン(昭和高分子製、「AG−100」)を含浸法で添加し、加熱乾燥して0.15mm厚のガラス繊維シートを得た。
次に、前記ガラス繊維シートに、ヒラノテクシード(株)製マルチコーターを用いて吸湿性ポリマーの担持量が35g/m2になる様に前記スラリーを塗布し100℃で乾燥基準10%の湿分含有率になる様に予備乾燥させた後、200℃、15分間架橋促進反応を行い、湿度交換用吸着体(繊維シート)を得た。評価結果を表1に示す。また、かかる繊維シートの写真を図3に示す。
繊維径10μm、繊維長10mmのガラス繊維60重量%、単繊維繊度2dtex、繊維長5mmの芯鞘PET繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレート、鞘成分:共重合ポリエステル)40重量%をあらかじめ溶解した分散剤(花王製、商品名「エマノーン3199」)を原料に対し0.5%となるよう添加し水中に分散させ、混合撹拌した後、湿式抄紙法でウエブを作製し、加熱加圧した後、アクリル樹脂エマルジョン(昭和高分子製、「AG−100」)を含浸法で添加し、加熱乾燥して0.15mm厚のガラス繊維シートを得た。
次いで、図1に示すように、波状の形状を有する繊維シートと平らな繊維シートとを互いに接着しながら巻回しハニカムローターを得た。
次いで、前記ハニカムローターを、前記スラリー中に浸漬し、浸漬によってローター内のシートにスラリーが十分に入ってからハニカムローターをスラリーから引き上げた。
次に、ハニカムローターを70℃の通風乾燥機に入れ、乾燥ローター基準10%の湿分含有率になる様に予備乾燥させた後、200℃で15分間架橋促進反応を行い、湿度交換用ハニカムローターを得た。得られたハニカムローターは、スラリー投入前後の重量変化から、収着材が初期乾燥重量対比約40%担持しており、十分に吸湿性ポリマーが固着していることが判った。
繊維径10μm、繊維長10mmのガラス繊維60重量%、単繊維繊度2dtex、繊維長5mmの芯鞘PET繊維(芯成分:ポリエチレンテレフタレート、鞘成分:共重合ポリエステル)40重量%をあらかじめ溶解した分散剤(花王製、商品名「エマノーン3199」)を原料に対し0.5%となるよう添加し水中に分散させ、混合撹拌した後、湿式抄紙法でウエブを作製し、加熱加圧した後、アクリル樹脂エマルジョン(昭和高分子製、「AG−100」)を含浸法で添加し、加熱乾燥して0.15mm厚のガラス繊維シートを得た。
次いで、実施例1と同様に、吸湿性ポリマーの担持量が35g/m2になる様に塗布後、100℃で十分に乾燥させて湿度交換用吸着体(繊維シート)を得た。
実施例3で用いた高分子収着材の担持量を70g/m2になる様にした以外は全て実施例3と同条件で湿度交換用吸着体(繊維シート)を得た。
実施例3と同様の方法で吸湿繊維を得た後、ジェットミル粉砕装置を用いて同繊維を微粉砕化し、平均粒径8μmの微粉体を得た。得られた吸湿微粉体は乾燥重量基準で6%になる様に水中に分散させ、実施例1と同様の方法で、吸湿性ポリマーの担持量が35g/m2になる様に塗布後、100℃で十分に乾燥させて湿度交換用吸着体(繊維シート)を得た。
実施例1同様の方法で実施し、200℃の架橋促進反応を施さず150℃、5分の加熱処理した以外は、実施例1と同様にして湿度交換用吸着体(繊維シート)を作製した。
実施例5で得られた平均粒径8μmの微粉体を、乾燥重量基準6%になる様に水を加え、粘度15Pa・sのスラリーを得た。
次いで、該スラリーに、実施例2と同様に、ガラス繊維およびバインダー繊維を含むハニカムローターを浸漬させた後引き上げ、100℃で15分間乾燥させ湿度交換用ハニカムローターを得た。
得られたハニカムローターは、スラリー投入前後の重量変化から、収着材が初期乾燥重量対比約10%程度しか担持しておらず、またハニカム構造体において目詰りが多く見られた。
2 波形状を有する繊維シート
Claims (11)
- 無機繊維を含む繊維シートに吸湿性ポリマーが固着してなることを特徴とする繊維シート。
- 前記無機繊維が、ガラス繊維または炭素繊維またはアルミナ繊維または金属繊維である、請求項1に記載の繊維シート。
- 前記無機繊維において、単繊維径が30μm以下である、請求項1または請求項2に記載の繊維シート。
- 繊維シートにさらにバインダー繊維が含まれる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維シート。
- 前記吸湿性ポリマーが、エチレン性不飽和カルボキシルモノマーとエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維シート。
- 繊維シートにおいて、30℃、90%RH下における初期吸湿量が13g/m2・3min以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維シート。
- 30℃90%RH下で12時間吸湿後においてJIS L1913−2010ガーレ法にて測定する湿潤時剛軟度が150mgf(1.47mN)以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維シート。
- 無機繊維を含む繊維シートに、カルボン酸基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシル基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーを含む水溶液を付与した後、加熱処理を施すことを特徴とする繊維シートの製造方法。
- 無機繊維を含みかつ吸湿性ポリマーが固着してなりかつ波状の形状を有する繊維シートと、無機繊維を含みかつ吸湿性ポリマーが固着してなりかつ平らな繊維シートが接合してなることを特徴とする繊維シートの複合体。
- 請求項9に記載の繊維シートの複合体を巻回または積層して得られた湿度交換用吸着体。
- 無機繊維を含み波状の形状を有する繊維シートと無機繊維を含み平らな繊維シートとを接合してなる繊維シートの複合体を巻回または積層してなるものに、カルボン酸基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとヒドロキシル基を含有する水溶性エチレン性不飽和モノマーを含む水溶液を付与した後、加熱処理を施すことを特徴とする湿度交換用吸着体の製造方法。
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