JP5468817B2 - 多層繊維構造体および吸放湿剤およびその使用方法 - Google Patents

多層繊維構造体および吸放湿剤およびその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、吸放湿性繊維と熱接着性繊維とで構成される吸放湿層と、有機繊維で構成されるシート層とを含む多層繊維構造体および吸放湿剤およびその使用方法に関する。
従来、吸放湿性を有する吸放湿剤としては塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどの潮解性塩類あるいはシリカゲルなどの粉粒状物が知られている。例えば、特許文献1には紙パルプからなる板状に塩化カルシウムや塩化マグネシウム等の潮解性塩類を含浸させ、この板紙を透湿不透水性フィルムで包装したシート状乾燥が開示されている。また特許文献2には通気性のあるシート間に吸着剤である粉末状のシリカゲルと熱可塑性樹脂粉末の混合物を挟みプレス成型により一体化した吸着性シートが開示されている。
しかしながら、潮解性塩類は吸湿すると液状となり、フィルムの端部からこの潮解液が漏れ出る恐れがあるばかりか、放湿性は低く、放湿しても元の形状に戻らないという問題があった。一方、シリカゲルは吸放湿性を有するものの、その吸放湿量が少ないため使用量を多くする必要があり、さらに吸湿速度に比べ、放湿速度が遅いため調湿剤としては不適であった。
かかる問題を解決するために、吸放湿性繊維と熱融着性繊維と構成される吸放湿層と、該吸放湿層を挟んだ表面シートの三層構造からなる吸放湿性不織布構造体が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、かかる吸放湿性不織布構造体は優れた吸放湿性を有するものの、耐熱性に乏しいため加熱乾燥することができず、一旦吸湿した材料を乾燥して再使用する際は、天日干ししなければならないという課題があった。
これに対し本出願人は、先に、吸放湿性繊維と熱接着性繊維とからなる吸放湿層と、所定の融点を有する有機材料からなるシート層とで構成される、加熱乾燥することが可能な吸放湿剤を提案したが、加熱乾燥後の寸法安定性の点でまだ十分とはいえなかった。
特開平7−323209号公報 特開平10−192385号公報 特開2004−314311号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、吸湿後に電子レンジ等の家庭用加熱機器を用いて簡便に乾燥し繰り返し使用できる吸放湿剤を得ることが可能な多層繊維構造体、および該多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤およびその使用方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討した結果、吸放湿性繊維と熱接着性繊維とからなる吸放湿層と、所定の融点を有する有機繊維からなるシート層とで多層繊維構造体を構成した後、該多層繊維構造体に熱圧着処理を施すことにより、加熱乾燥後の寸法安定性が向上することを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「吸放湿性繊維と熱接着性繊維とで構成される吸放湿層と、有機材料で構成されるシート層とを含む多層繊維構造体であって、下記(1)〜(4)の要件を同時に満足し、かつ前記有機材料がポリエステル繊維であることを特徴とする多層繊維構造体。」が提供される。
(1)前記吸放湿性繊維が、温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、
温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)が40%以
上である吸放湿性繊維である。
(2)前記熱接着性繊維が、熱接着性成分と該熱接着性成分よりも高い融点を有する相手
側成分とで形成され、かつ該相手側成分の融点が200℃以上である。
(3)前記有機材料の融点が200℃以上である。
(4)多層繊維構造体が熱圧着処理されている。
その際、前記吸放湿層において、熱接着性繊維が吸放湿層の重量対比15〜70重量%含まれることが好ましい。また、前記吸放湿性繊維が、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維またはアクリル繊維の表面を加水分解したアクリレート系繊維であることが好ましい。また、前記熱接着性繊維に含まれる相手側成分がポリエステルからなることが好ましい。また、前記吸放湿層がエアレイド法で作製された不織布であることが好ましい。また、前記シート層が不織布であることが好ましい。また、前記シート層の目付けが15g/m以上であることが好ましい。また、多層繊維構造体が、吸放湿層の両面にシート層を積層した3層構造を有することが好ましい。また、多層繊維構造体の厚みが0.3〜5mmの範囲内であることが好ましい。また、多層繊維構造体の目付けが50〜1000g/mの範囲内であることが好ましい。また、前記熱圧着処理が超音波ミシンによるものであることが好ましい。
本発明の多層繊維構造体において、下記により測定した面積収縮率が12%以下であることが好ましい。
100mm×100mmにカットした試料を30℃、90%RHの環境下で12時間吸湿した後、孔を開けたテフロン(登録商標)シートの上に載せ、該試料を熱風循環式乾燥機にて180℃、10分間乾燥処理を行う。乾燥処理前の多層繊維構造体面積A0と乾燥処理後の面積A1から下記の式により求め面積収縮率とする。
面積収縮率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
また、本発明によれば、前記の多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤が提供される。また、前記の多層繊維構造体を包装材に収納した吸放湿剤であって、前記包装材の少なくとも一部が透湿性または通気性を有する材料から構成され、その包装材の外周縁部を接合してなる吸放湿剤が提供される。
かかる吸放湿剤は、精密部品の輸送時に使用される乾燥剤、産業用機械類の結露防止剤、医薬品、菓子類、食品類の乾燥剤もしくは除湿剤、洋服ダンス、靴箱の除湿剤、または楽器類の保管時に使用される調湿剤として用いられる吸放湿剤であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の吸放湿剤を、電子レンジまたはアイロンまたはドライヤーを用いて乾燥させて再使用することを特徴とする吸放湿剤の使用方法が提供される。
本発明によれば、吸湿後に電子レンジ等の家庭用加熱機器を用いて簡便に乾燥し繰り返し使用できる吸放湿剤を得ることが可能な多層繊維構造体、および該多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤およびその使用方法が得られる。
熱圧着パターンの一例である。 熱圧着パターンの一例である。 熱圧着パターンの一例である。 熱圧着パターンの一例である。 熱圧着パターンの一例である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の多層繊維構造体は、吸放湿性繊維と熱接着性繊維とで構成される吸放湿層と、有機材料で構成されるシート層(表面シート層と称することもある。)とを含む。
ここで、前記吸放湿性繊維としては、温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)が40%以上であるものを用いる必要がある。該差が40%未満のときは、急激な湿度変化が生じた際に迅速な吸放湿が行われないおそれがある。該差が40%以上のときは急激な湿度変化に対しても迅速に吸放湿が行われ、周囲を適度な湿度に調湿することができる。なお、該差(R2−R1)は60%以上(特に好ましくは70〜200%)であることが好ましい。
なお、上記「吸湿率」とは、各条件下で繊維を24時間放置して吸湿させた時の重量とその繊維の絶乾重量との差をその繊維の絶乾重量で除したときの値である。また、「RH」とは「相対湿度」の意味である。上記特性を備えた吸放湿性繊維の例としては、架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維、アクリル繊維を後加工によりその表面を加水分解させた繊維などがあげられる。架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維の例としては、特開昭63−159405号公報にカルボン酸基を持つビニルモノマーとカルボン酸基と反応してエステル架橋結合を形成し得るヒドロキシル基を持つビニルモノマーの共重合体からなり、カルボン酸基の一部がナトリウム塩を形成しているポリマーからなる繊維が例示される。また、アクリル繊維の表面を加水分解して吸水性を付与する方法は、特開平1−183515号公報に例示される。これらの繊維は単独でまたは2種以上を併用してもよい。これらの吸放湿性繊維の市販品としては、例えば帝人ファイバー(株)製、商品名「ベルオアシス(登録商標)」や東洋紡績(株)製、商品名「モイスケア」(登録商標)などがあげられる。特に「ベルオアシス(登録商標)」は架橋ポリアクリル酸ナトリウム塩系繊維であり、20℃、40%RHにおける吸湿率R1が16%、20℃、90%RHにおける吸湿率R2が100%であり、その差(R2−R1)が84%である。さらに該繊維は吸湿速度と放湿速度がほぼ同じであり、急激な湿度変化においても十分に対応することができ好ましい。
前記吸放湿性繊維において、単繊維繊度は5〜20dtex、繊維長は2〜30mmの範囲内であることが好ましい。
次に、前記熱接着性繊維が、熱接着性成分と該熱接着性成分よりも高い融点を有する相手側成分とで形成され、かつ該相手側成分の融点が200℃以上(好ましくは250〜270℃)であることが肝要である。該相手側成分の融点が200℃未満では、多層繊維構造体を用いて吸放湿剤を得た後使用した際、吸湿後の吸放湿剤を、電子レンジなどを用いて加熱乾燥すると、熱融着性繊維が溶融し吸放湿剤が収縮して寸法安定性が損われるおそれがある。
前記前記熱接着性繊維において、熱接着性成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができる。
ここで、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーが好ましい。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
また、共重合ポリエステル系ポリマー(「低融点ポリエステル」ということもある。)としては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
上記の熱接着性成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
前記熱接着性繊維において、相手側成分に配されるポリマーとしては、前記熱接着性成分に配されたポリマーよりも融点が高く、かつ融点が200℃以上のポリマーであれば特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸(PLA)などのポリエステルが好ましい。
また、前記熱接着性繊維において、熱接着性成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱接着性成分と相手側成分が、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド型または芯鞘型に配された複合繊維(コンジュゲート繊維)が好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性短繊維では、相手側成分が芯部となり、熱接着性成分が鞘部となるが、この芯部は同心円状、若しくは、偏心状にあってもよい。
前記熱接着性繊維において、単繊維繊度は3〜10dtex、繊維長は2〜30mmの範囲内であることが好ましい。
本発明において、吸放湿層には前記の前記吸放湿性繊維と熱接着性繊維とが含まれる。その際、前記吸放湿層において、熱接着性繊維が吸放湿層の重量対比15〜70重量%(より好ましくは20〜50重量%)含まれることが好ましい。該混率が15%より小さいと、多層繊維構造体の寸法安定性が損われるおそれがある。逆に該混率が70重量%よりも大きいと、相対的に吸放湿性繊維の混率が小さくなるため十分な吸放湿性が得られないおそれがある。
また、前記吸放湿層には、前記吸放湿性繊維と熱接着性繊維以外の他の繊維も使用することができる。これらの繊維の種類は特に限定しない。合成繊維、天然繊維、再生繊維などすべての有機系繊維を使用することが出来る。また、中空繊維、難燃繊維、消臭繊維、防カビ繊維等の機能性繊維を使用することにより、それぞれの機能を付与することもできる。これらの繊維は2種以上を混合して用いてもよい。ここで、他の繊維の重量比は吸放湿層の重量対比30%以下であることが望ましい。また、必要に応じて、例えば粉末あるいは粒状の難燃剤、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤等の各種の添加剤を添加することもできる。
前記吸放湿層において、その構造は特に限定されず織物、編物、不織布が例示される。特に、不織布が、組織間空隙が小さく好ましい。かかる不織布としては、エアレイド、ニードルパンチ、サーマルボンド、ケミカルボンドなどによって製造される不織布があげられる。特にエアレイドが好ましい。エアレイド製法で作製された不織布は、その構造体の中に該吸放湿性繊維が均一に配置され易く、本用途の様な使用面積が小さい場合でも、品質面で吸放湿性能の差異範囲が小さくなる点で好ましい。
次に、本発明の多層繊維構造体において、シート層は融点が200℃以上(好ましくは250〜270℃)の有機材料で形成されることが肝要である。該融点が200℃未満であると、多層繊維構造体を用いて吸放湿剤を得た後使用した際、吸湿後の吸放湿剤を、電子レンジ、アイロン、ドライヤーなど家庭で使用可能な加熱機器を用いて乾燥すると、熱融着性繊維が溶融し吸放湿剤が収縮して寸法安定性が損われるおそれがある。なお、シート層の重量に対して30重量%以下であれば、他の材料が含まれていてもさしつかえない。
前記シート層を構成するシートとしては、透湿性または通気性を有するシートを用いる方が好ましい。例えば、透湿性のあるシートとしては透湿性フィルムが使用でき、通気性のあるシートとしては、織編物、不織布などの布帛あるいはフィルムに孔開き加工を施した有孔フィルムが使用できる。なかでも、組織間空隙が小さく吸放湿繊維の脱落を防止する上で不織布が好ましい。ここで、前記シートにおいて、透湿度500g/m・day以上(より好ましくは1000g/m・day以上)、または通気度20cm/cm・sec以上(より好ましくは50cm/cm・sec以上)のものが好ましい。透湿度500g/m・day未満、または通気度20cm/cm・sec未満の場合、該吸放湿繊維の特徴である、高い吸放湿能力を十分に活かせないおそれがある。
前記シートの目付けは、15g/m以上(より好ましくは30〜100g/m)であることが好ましい。表面シートの目付けが15g/m未満であると、多層繊維構造体を用いて吸放湿剤を得た後使用した際、吸湿後の吸放湿剤を、電子レンジを用いて乾燥すると、熱融着性繊維が溶融し吸放湿剤が収縮して寸法安定性が損われるおそれがある。
本発明の多層繊維構造体において、前記吸放湿層とシート層とが1層ずつ積層されたものでもよいが、吸放湿層の両面にシート層を1層ずつ積層した3層構造(すなわち、前記吸放湿層を中間層として該吸放湿層をシート層ではさむ。)とすることにより、吸放湿層が表面に露出しないようにすることが好ましい。吸放湿層が表面に露出していると吸湿時にベトツキ感を呈したり、放湿(乾燥)時に吸放湿繊維が脱落するおそれがある。また、さらに他のシート層を積層して4層以上の多層構造としてもさしつかえない。
本発明の多層繊維構造体において、形状は特に限定されないが、取扱い性の点でシート状の形状を有することが好ましい。その際、厚みとしては0.3〜5mmの範囲内であることが好ましい。該厚みが0.3mmよりも小さいと十分な吸放湿性能が得られないおそれがある。逆に、該厚みが5mmよりも大きいと取扱い性が損なわれるおそれがある。また、多層繊維構造体の目付けとしては、50〜1000g/m(より好ましくは100〜800g/m)の範囲内であることが好ましい。該目付けが50g/mよりも小さいと十分な吸放湿性能が得られないおそれがある。逆に、該目付けが1000g/mよりも大きいと取扱い性が損なわれるおそれがある。
前記の多層繊維構造体は例えば下記の製造方法により製造することができる。例えば、吸放湿性繊維と熱接着性繊維とを混綿、開繊後、カード機にてウェッブを作製し、その後ニードルパンチを行い吸放湿層とした後、表面シート層を積層し、さらに乾燥機またはエンボスローラーにて熱処理をする方法や、吸引ネット上に表面シートを配し、さらにその上に、吸放湿湿性繊維と熱接着性繊維とを含む繊維混合物をエアレイド法で連続的に散布し、さらにその上にシートを積層して三層構造とした後、加熱加圧処理をする方法等が挙げられる。
本発明の多層繊維構造体は前記の多層構造体に熱圧着処理を施したものである。前記の多層構造体に熱圧着処理を施すことにより、電子レンジ等の家庭用加熱機器を用いて繰り返し乾燥して使用してもあまり寸法変化しなくなる。
ここで、かかる熱圧着処理としては、熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下となるような熱圧着処理が好ましい。かかる熱圧着処理としては、超音波ミシン(例えば、ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用いたものが好ましい。
また、熱圧着処理する箇所やパターンについては特に限定されない。例えば、図1に模式的に示すように多層構造体表面において周囲を連続的に熱圧着処理するパターン、図2に模式的に示すように多層構造体表面において2辺を連続的に熱圧着処理するパターン、図3に模式的に示すように多層構造体表面において周囲を不連続的に熱圧着処理するパターン、図4に模式的に示すように格子状に熱圧着処理するパターン、図5に模式的に示すように縞状に熱圧着処理するパターンなどが好適に例示される。
また、多層構造体表面において、熱圧着処理されている面積の割合は、多層構造体全表面に対して1〜40%(より好ましくは5〜30%)の範囲内であることが好ましい。該割合が1%よりも小さいと、電子レンジ等の家庭用加熱機器を用いて繰り返し乾燥して使用すると寸法変化しやすくなるおそれがある。逆に、該割合が40%よりも大きいと、多層構造体が硬直化して吸放湿性が損なわれるおそれがある。
かくして得られた多層繊維構造体には、前記の吸放湿性繊維が含まれるので優れた吸放湿性を呈する。また同時に、熱接着性繊維に200℃以上の高融点ポリマーが含まれ、かつシート層が200℃以上の高融点有機材料で形成され、かつ多層繊維構造体が熱圧着処理されているので、加熱乾燥してもあまり収縮しない。ここで、下記により測定した面積収縮率が12%以下であることが好ましい。
100mm×100mmにカットした試料を30℃、90%RHの環境下で12時間吸湿した後、孔を開けたテフロン(登録商標)シートの上に載せ、該試料を熱風循環式乾燥機にて180℃、10分間乾燥処理を行う。乾燥処理前のシート面積A0と乾燥処理後の面積A1から下記の式により求め面積収縮率とする。
面積収縮率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
なお、前記多層繊維構造体には、本発明の主目的が損われない範囲内であれば、通常の染色加工や起毛加工が施されていてもよい。さらには、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
次に、本発明の吸放湿剤は前記の多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤である。かかる吸放湿剤は前記の多層繊維構造体を用いているので、耐熱性に優れるため、吸湿後に電子レンジやアイロンやドライヤーなどの家庭用加熱機器を用いて簡便に乾燥し繰り返し使用できる。ここで、少なくとも一部が透湿性または通気性を有する材料から構成される包装材に前記の多層繊維構造体を収納し、該包装材の外周縁部を接合することにより吸放湿剤としてもよい。
本発明の吸放湿剤は、精密部品の輸送時に使用される乾燥剤、産業用機械類の結露防止剤、医薬品、菓子類、食品類などの乾燥剤もしくは除湿剤、洋服ダンス、靴箱等の除湿剤、または楽器類の保管時に使用される調湿剤として好適に用いられる。
かかる吸放湿剤は耐熱性に優れるため吸湿後に電子レンジやアイロンやドライヤーなどの家庭用加熱機器を用いて乾燥させて繰り返し再使用することができ、環境にも優しい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)厚さ
JIS L1085により測定した。
(2)吸湿率
100mm×100mmにカットした試料を30℃、90%RHの環境下で12時間吸湿した後、試料重量(W1)を測定する。次に、該試料を熱風循環式乾燥機にて180℃、1時間十分に乾燥させた後、試料重量(W0)を測定する。乾燥状態の重量W0と吸湿後の重量W1から下記の式により求め吸湿率とした。
吸湿率(%)=〔(W1−W0)/W0〕×100
(3)目付け
JIS L1085により測定した。
(4)吸湿率差
温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)を吸湿率差とした。ただし、「吸湿率」とは、各条件下で繊維を24時間放置して吸湿させた時の重量とその繊維の絶乾重量との差をその繊維の絶乾重量で除したときの値である。
(5)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とした。
(6)面積収縮率
100mm×100mmにカットした試料を30℃、90%RHの環境下で12時間吸湿した後、孔を開けたテフロン(登録商標)シートの上に載せ、該試料を熱風循環式乾燥機にて180℃、10分間乾燥処理を行う。乾燥処理前の多層繊維構造体面積A0と乾燥処理後の面積A1から下記の式により求め面積収縮率とした。
面積収縮率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
(7)圧着部面積率
多層繊維構造体表面の全面積をB0、圧着部面積の合計をB1とし、下記式により圧着部面積率を算出した。
圧着部面積率(%)=B1/B0×100
(8)通気度
JIS L1096−8.27.1A法により測定した。
[実施例1]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)90重量%と、芯にポリエステル(融点255℃)、鞘に低融点ポリエステル(融点155℃)を複合した帝人ファイバー(株)製熱接着性繊維「エアロスターG2」(商品名、1.7dtex、5mm)10重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図1に示すように多層繊維構造体表面の周囲を連続的に熱圧着処理(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)した。評価結果を表1に示す。
また、該多層繊維構造体を吸放湿剤として使用したところ、電子レンジやアイロンやドライヤーなどの家庭用加熱機器を用いて乾燥させて繰り返し再使用することができた。
[実施例2]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)60重量%と、芯にポリエステル(融点255℃)、鞘に低融点ポリエステル(融点155℃)を複合した帝人ファイバー(株)製熱接着性繊維「エアロスターG2」(商品名、1.7dtex、5mm)40重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図1に示すように多層繊維構造体表面の周囲を連続的に熱圧着処理(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)90重量%と、芯にポリエステル(融点255℃)、鞘に低融点ポリエステル(融点155℃)を複合した帝人ファイバー(株)製熱接着性繊維「エアロスターG2」(商品名、1.7dtex、5mm)10重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図4に示すように多層繊維構造体表面において格子状に熱圧着処理(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)90重量%と、芯にポリエステル(融点255℃)、鞘に低融点ポリエステル(融点155℃)を複合した帝人ファイバー(株)製熱接着性繊維「エアロスターG2」(商品名、1.7dtex、5mm)10重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記帝人デユポンフィルム(株)(厚さ0.75μm)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図4に示すように多層繊維構造体表面において格子状に熱圧着処理(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)80重量%と、芯にポリプロピレン(融点165℃)、鞘にポリエチレン(融点105℃)を複合したチッソ(株)製熱接着性繊維「インタック」(商品名、1.7dtex、3mm)20重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図1に示すように多層繊維構造体表面の周囲を連続的に熱圧着処理(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
帝人ファイバー(株)製吸湿性繊維「ベルオアシス」(登録商標、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維、吸湿率差84%、10dtex、5mm)80重量%と、芯にポリプロピレン(融点165℃)、鞘にポリエチレン(融点105℃)を複合したチッソ(株)製熱接着性繊維「インタック」(商品名、1.7dtex、3mm)20重量%を混綿した。
一方、融点が255℃である旭化成せんい(株)製ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を吸引ネット上に配すことにより、表面シート層を形成した。
次いで、該ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名)の上に、前記混綿した繊維を均一になるようにエアレイド法により連続的に散布し、吸放湿層を形成した。
次いで、この吸放湿層の上に前記ポリエステルスパンボンド「エルタス」(商品名、目付け50g/m)を積層することにより三層構造(表面シート層、吸放湿層、表面シート層)とし、160℃で加熱処理を施し、さらに加熱処理ゾーン出口にてローラーで圧縮して全体を接着し多層繊維構造体を得た。
次いで、該多層繊維構造体を100mm×100mmの正方形サイズにカットする際、超音波ミシン(ブラザー(株)製の型式BU−115S)を用い、図4に示すように多層繊維構造体表面において格子状に熱圧着処理した(熱圧着処理後の厚さが熱圧着処理前の厚さに比べて50%以下である。)。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において、熱圧着処理を施さないこと以外は実施例1と同様にした。評価結果を表1に示す。
[比較例4]
実施例2において、熱圧着処理を施さないこと以外は実施例2と同様にした。評価結果を表1に示す。
Figure 0005468817
本発明によれば、吸湿後に電子レンジ等の家庭用加熱機器を用いて簡便に乾燥し繰り返し使用できる吸放湿剤を得ることが可能な多層繊維構造体、および該多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤およびその使用方法が得られ、その工業的価値は極めて大である。

Claims (16)

  1. 吸放湿性繊維と熱接着性繊維とで構成される吸放湿層と、有機材料で構成されるシート層とを含む多層繊維構造体であって、下記(1)〜(4)の要件を同時に満足し、かつ前記有機材料がポリエステル繊維であることを特徴とする多層繊維構造体。
    (1)前記吸放湿性繊維が、温度20℃、湿度40%RHにおける吸湿率R1(%)と、
    温度20℃、湿度90%RHにおける吸湿率R2(%)との差(R2−R1)が40%以
    上である吸放湿性繊維である。
    (2)前記熱接着性繊維が、熱接着性成分と該熱接着性成分よりも高い融点を有する相手
    側成分とで形成され、かつ該相手側成分の融点が200℃以上である。
    (3)前記有機材料の融点が200℃以上である。
    (4)多層繊維構造体が熱圧着処理されている。
  2. 前記吸放湿層において、熱接着性繊維が吸放湿層の重量対比15〜70重量%含まれる、請求項1に記載の多層繊維構造体。
  3. 前記吸放湿性繊維が、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系繊維またはアクリル繊維の表面を加水分解したアクリレート系繊維である、請求項1または請求項2に記載の多層繊維構造体。
  4. 前記熱接着性繊維に含まれる相手側成分がポリエステルからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  5. 前記吸放湿層がエアレイド法で作製された不織布である、請求項1〜4のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  6. 前記シート層が不織布である、請求項1〜5のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  7. 前記シート層の目付けが15g/m 以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の多
    層繊維構造体。
  8. 多層繊維構造体が、吸放湿層の両面にシート層を積層した3層構造を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  9. 多層繊維構造体の厚みが0.3〜5mmの範囲内である、請求項1〜8のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  10. 多層繊維構造体の目付けが50〜1000g/m の範囲内である、請求項1〜9のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  11. 前記熱圧着処理が超音波ミシンによるものである、請求項1〜10のいずれかに記載の多層繊維構造体。
  12. 下記により測定した面積収縮率が12%以下である、請求項1〜11のいずれかに記載の多層繊維構造体。
    100mm×100mmにカットした試料を30℃、90%RHの環境下で12時間吸湿した後、孔を開けたテフロン(登録商標)シートの上に載せ、該試料を熱風循環式乾燥機にて180℃、10分間乾燥処理を行う。乾燥処理前の多層繊維構造体面積A0と乾燥処理後の面積A1から下記の式により求め面積収縮率とする。
    面積収縮率(%)=〔(A0−A1)/A0〕×100
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載された多層繊維構造体を用いてなる吸放湿剤。
  14. 請求項1〜12のいずれかに記載された多層繊維構造体を包装材に収納した吸放湿剤であって、前記包装材の少なくとも一部が透湿性または通気性を有する材料から構成され、その包装材の外周縁部を接合してなる吸放湿剤。
  15. 請求項13または請求項14に記載された吸放湿剤であって、精密部品の輸送時に使用される乾燥剤、産業用機械類の結露防止剤、医薬品、菓子類、食品類の乾燥剤もしくは除湿剤、洋服ダンス、靴箱の除湿剤、または楽器類の保管時に使用される調湿剤として用いられる吸放湿剤。
  16. 請求項13〜15のいずれかに記載された吸放湿剤を、電子レンジまたはアイロンまたはドライヤーを用いて乾燥させて再使用することを特徴とする吸放湿剤の使用方法。
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