JP3148056U - 衣料用保温材 - Google Patents

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【課題】衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材であって、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材を提供する。【解決手段】非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿した後、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列してなる繊維構造体を得て、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材とする。【選択図】図1

Description

本考案は、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材であって、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材に関する。
従来、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材としては、中綿が知られている(例えば特許文献1参照)。しかしながら、かかる衣料用保温材では、嵩高性と保温性を向上させるためには、目付けを大きくする必要があるため、軽量性が損われるという問題があった。
なお、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成された繊維構造体であって、繊維が厚さ方向に配列した繊維構造体は、例えば特許文献2などにより提案されている。
特開2007−125153号公報 特開2008−173950号公報
本考案は、上記の背景に鑑みなされたものであり、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材であって、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材を提供することにある。
本考案者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成され、かつ繊維がその厚さ方向に配列された繊維構造体を、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材として用いることにより、低密度でも厚さを大きくすることができるため、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に想到した。
かくして、本考案によれば「非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とがその厚さ方向に配列してなる繊維構造体を含むことを特徴とする衣料用保温材。」が提供される。
その際、前記非弾性捲縮短繊維が、ポリエステル系繊維またはセルロース系繊維または天然繊維であることが好ましい。また、前記非弾性捲縮短繊維の単繊維径が9〜40μmの範囲内であることが好ましい。また、前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなることが好ましい。また、前記熱接着性複合短繊維の単繊維径が10〜25μmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の平均密度が5〜10kg/mの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが10〜25mmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の片面または両面に目付け10〜20g/mのポリエステル系不織布が貼り合わされてなることが好ましい。
本考案によれば、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材であって、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材が得られる。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。本考案で使用する非弾性捲縮短繊維としては、綿、ウール等の天然繊維やカーボン繊維等の無機繊維、セルロース系繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維等、さらには雑綿又は反毛とよばれるリサイクル繊維等も使用できる。なかでも、取り扱い性及びリサイクル性の点より合成繊維が好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を好ましく挙げることができる。かかるポリマー中には、着色剤、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。これら短繊維のうち、リサイクル性や繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートからなる短繊維に、セルロース系短繊維や天然繊維を混合させることも好ましい。
この場合の、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
ここで、前記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が9〜40μmの範囲内であることが好ましい。該単繊維径が9μmよりも小さいと充分な剛性が得られず取り扱いが難しくなるおそれがある。逆に該単繊維径40μmよりも大きいと、保温材の軽量性が損われるおそれがある。ポリエチレンテレフタレートの場合、単糸繊度としては、0.8〜16dtexの範囲内であることが好ましい。
前記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記単繊維径はその外接円の直径を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。
前記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が30mmよりも小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が100mmよりも大きいと工程安定性が損われるおそれがある。
次に、熱接着性複合短繊維の熱融着(熱接着性)成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが肝要である。この温度が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となるおそれがある。また、熱処理温度の細かな制御が必要となり、生産性に劣るものとなる。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等を挙げることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色材その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては前記のような非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と相手側成分が、複合比率で10/90〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては10〜25μmの範囲内であることが好ましい。単糸繊度としては、1.0〜6.6dtexの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本考案においては、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜10/90である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、且つ均一性が不十分で、表面の割れが発生し外観不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、固着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性が低下する。
さらに、本考案の保温材に含まれる繊維構造体において、図1に模式的に示すように、前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していることが肝要である。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。また、本考案の保温材を使用する際に、繊維の方向が衣料の厚さ方向であることが好ましい。
本考案においては、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されていることで、低密度であっても繊維構造体(保温材)の厚さを大きくすることが可能となる。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、特開2007−025044号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
かくして得られた繊維構造体において、その厚さとしては、制限はないが、10〜25mmであることが好ましい。該厚さが10mmよりも小さいと、保温材の保温性が損われるおそれがある。逆に、該厚さが25mmよりも大きいと、軽量性が損われるおそれがある。また、繊維構造体の平均密度としては5〜10kg/mの範囲内であることが好ましい。
かかる繊維構造体には、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工、金属蒸着など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
本考案の衣料用保温材は前記の繊維構造体単独で構成してもよいし、繊維構造体を重ね合わせた構造でもよい。さらには、図3に模式的に示すように、片面または両面に、樹脂バッキング加工、さらには、各種薄手の不織布シート(例えば、10〜20g/mのポリエステル系不織布)、織編物、ウレタンフォーム、各種フィルム等を、適宜接着層を介して貼り合わせて、保温材とすることも好ましい。さらに、熱反射のためにアルミ等の金属や、特殊ポリエステル等の高分子によるフィルムを貼り合せることも問題ない。
かくして得られた衣料用保温材は、衣料の表層と裏層の間に用いられる際に、衣料の厚さ方向に繊維が配列しているため、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる。
本考案の衣料用保温材は軽量で嵩高性かつ保温性に優れる、スポーツ衣料、防寒衣料、など各種衣料の用途に好適に使用される。
以下、実施例をあげて本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)T/W
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図2において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図2において45°<θ≦90°)の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(3)厚さ、目付、密度
JIS K6400により測定した。
[実施例1]
融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度2.2dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、グレー色に着色)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度1.7dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維、)70重量%とを用いてブレンド、カーデイング、クロスレイアー、カーデイングし、次いでStruto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を使用し、目付25g/mのウエブを駆動ローラ(表面速度2.5m/分)により、温度が200℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み目付け100gr/m、厚さ15mm、平均密度6.7Kg/mの、図1に示すような繊維構造体(保温材)を得た。該繊維構造体において、T/Wが1.5以上であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は13μmであった。
次いで、該繊維構造体を衣料用保温材として用いて表層および裏層を縫製して衣料を得た後に着用したところ、軽量で嵩高性かつ保温性に優れるものであった。
[比較例1]
実施例1において、カーデイングの後、Struto設備に供することなく、クロスレイヤーを使用し厚み方向にウエブを重ね合わせた後に、熱処理して目付け100gr/m、厚さ9mmの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが1.5未満であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列しているものではなかった。
次いで、該繊維構造体を衣料用保温材として用いて表層および裏層を縫製して衣料を得た後に着用したところ、実施例1で得られたものより保温性に劣るものであった。
本考案によれば、衣料の表層と裏層の間に用いられる衣料用保温材であって、軽量で嵩高性かつ保温性に優れる衣料用保温材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本考案の保温材の一例を模式的に示す図である。 T/Wの測定方法を説明するための模式図である。 シート状物が繊維構造体に接着層を介して貼り合わされている様子を模式的に示す図である。
符号の説明
1:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維の配列方向
4:繊維構造体(保温材)
5:シート状物
6:接着層
7:繊維構造体

Claims (8)

  1. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とがその厚さ方向に配列してなる繊維構造体を含むことを特徴とする衣料用保温材。
  2. 前記非弾性捲縮短繊維が、ポリエステル系繊維またはセルロース系繊維または天然繊維である、請求項1に記載の衣料用保温材。
  3. 前記非弾性捲縮短繊維の単繊維径が9〜40μmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の衣料用保温材。
  4. 前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の衣料用保温材。
  5. 前記熱接着性複合短繊維の単繊維径が10〜25μmの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載の衣料用保温材。
  6. 前記繊維構造体の平均密度が5〜10kg/mの範囲内である、請求項1〜5のいずれかに記載の衣料用保温材。
  7. 前記繊維構造体の厚さが10〜25mmの範囲内である、請求項1〜6のいずれかに記載の衣料用保温材。
  8. 前記繊維構造体の片面または両面に目付け10〜20g/mのポリエステル系不織布が貼り合わされてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の衣料用保温材。
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