JP3166607U - 被覆材 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管や配線などの長尺物を被覆する被覆材であって、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる被覆材を提供する。【解決手段】長尺物を被覆する被覆材であって、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体を含む。【選択図】図3

Description

本考案は、配管や配線などの長尺物を被覆する被覆材であって、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる被覆材に関する。
建築物には給排水装置や空調装置に連結される配管が設けられている。そして、かかる配管に、配管の外周面を被覆する吸音材とその吸音材の外周面を被覆する遮音材とで構成される被覆材を備えることが知られている。例えば、特許文献1では、吸音材としてグラスウールを用い、該吸音材を配管の外周面に沿わせて巻き付けるようにして設けることが提案されている。しかしながら、直線性のある配管であれば、巻き付けることは容易であるが、屈曲部や2又に分断された所に巻き付けることは容易ではなく、また、2本以上となった場合は、それぞれの配管にシートを巻く事となり、多くの時間を要するという問題があった。
また、車、複写機等の用途において、電源供給・信号通信のために、ワイヤハーネスが使用されている。そして、その取付方法としては、クランプを用いてワイヤハーネスをフレームあるいはパネルに取り付けられているが、車両走行時の振動によりワイヤハーネスが振動してフレームあるいはパネルと当接して振動音が発生し騒音の要因となるという問題があった。その対策として、粘着剤を用いてワイヤハーネスをパネルに固定することも提案されているが(例えば、特許文献2参照)、形状が複雑であり、粘着剤を使用しているため、長期使用においてはその劣化によりハーネスの保持力低下が生じるおそれがあった。
特開2006−308071号公報 特開2004−236368号公報
本考案は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、配管や配線などの長尺物を被覆する被覆材であって、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる被覆材を提供することにある。
本考案者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、熱接着性複合短繊維を含み、該熱接着性複合短繊維が交差した状態で熱融着された固着点が散在してなる繊維構造体を用いて被覆材を構成すると、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる被覆材が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に想到した。
かくして、本考案によれば「長尺物を被覆する被覆材であって、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体を含むことを特徴とする被覆材。」が提供される。
その際、前記長尺物が配管または配線であることが好ましい。また、前記繊維構造体において、繊維構造体を構成する繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列していることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが1〜100mmの範囲内であることが好ましい。また、前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなることが好ましい。また、前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなることが好ましい。また、前記繊維構造体の内層側と外層側の密度が異なり、かつ外層側の密度が内層側の密度よりも高密度であることが好ましい。
本考案によれば、配管や配線などの長尺物を被覆する被覆材であって、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる被覆材が得られる。
T/Wの測定方法を説明するための模式図である。 繊維構造体の切断面を示す図である。 本考案の吸音被覆材の一例を模式的に示す図(横断面図)である。 本考案の吸音被覆材の一例を模式的に示す図(横断面図)である。 成型金型を模式的に示す図(横断面図)である。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。まず、本考案で用いることのできる非弾性捲縮短繊維としては、天然繊維、半合成繊維、オレフィン繊維や、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維などの耐熱繊維も使用可能であり、衣料用布帛やカーテンなどのインテリア用布帛を反毛した反毛繊維も使用できるが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。かかる非弾性捲縮短繊維を形成するポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。特に着色剤が含まれていることが好ましい。また、2種のポリエステルからなり、潜在捲縮が発現してなる30〜60個/25mmのミクロクリンプを発現するものなど、ミクロクリンプを有する繊維を用いることも均一性が向上し好ましい。これら短繊維のうち、繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。なお、合繊繊維は、その原料としてバイオ原料よりスタートしたものでもよく、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルしたものでもよい。
前記繊維に捲縮を付与する方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与する方法、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与する方法、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与する方法など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
前記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が7〜100μmの範囲内であることが好ましい。該単繊維径が7μmよりも小さいと充分な剛性が得られず取扱いが難しくなるおそれがある。逆に該単繊維径100μmよりも大きいと十分な成形性が得られないおそれがある。ポリエチレンテレフタレートの場合、単糸繊度としては、1〜90dtexの範囲内であることが好ましい。
前記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記単繊維径はその外接円の直径を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。
前記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が30mmよりも小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が100mmよりも大きいと工程安定性が損われるおそれがある。
次に、本考案で用いられる熱接着性複合短繊維は、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維である。ここで、前記熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度差が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となるおそれがある。また、熱処理温度の細かな制御が必要となり、生産性に劣るものとなるおそれがある。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマーおよびその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等をあげることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールをあげることができる。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすれば共重合ポリエステル系ポリマー、またはポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステル、またはポリオレフィンポリマーが好ましい。
前記ブロック共重合ポリエーテルエステルにおいて、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等をあげることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては、熱接着成分よりも高融点であれば、どのような成分を用いてよいが、非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と相手側成分が、複合比率で(熱融着成分/相手側成分)10/90〜70/30の範囲にあるのが好ましい。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては10〜70μmの範囲内であることが好ましい。単糸繊度としては、2〜40dtexの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本考案においては、繊維構造体は、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体である。
ここで、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100である必要がある。好ましくは、80/20〜20/80である。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、且つ均一性が不十分で、表面の割れが発生し成形性が不良となるおそれがある。
さらに、本考案の被覆材に含まれる繊維構造体において、繊維構造体を構成する繊維(すなわち、繊維構造体に熱接着性複合短繊維だけでなく非弾性捲縮短繊維も含まれる場合は、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維が構成繊維となる。)が繊維構造体の厚さ方向に配列していると、成形性だけでなく配管、配線の保持力にも優れ、好ましい。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すればよい。例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウエブとして紡出した後、特開2007−025044号公報の図1
に示すような熱処理機を用いて、ウエブをアコーデオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
また、本考案において、かかる繊維構造体を、厚み方向に対してほぼ垂直(例えば図2の切断面6でスライス)、または、必要に応じてやや斜めにスライサー設備等によりスライスし、スライスされた切断面を使用することは好ましいことである。
かくして得られた繊維構造体において、その厚さとしては1mm〜100mmであることが好ましく、2〜80mmの範囲内であることが特に好ましい。厚さが80mmを越えると取扱い性が劣るおそれがある。
また、かかる繊維構造体の平均密度は5〜80kg/mの範囲にあることが好ましい。該密度が5kg/m未満では充分な剛性がなく取扱いが難しくなるおそれがある。逆に該密度が80kg/mを越えると板状となり、いろいろな形状への追従が難しくなるおそれがある。なお、密度は、アコーデオン状に折りたたみ加熱処理するときに調整しても良いし、別工程で熱プレスすることで密度を調整することも可能である。
かかる繊維構造体には、染色加工、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。
本考案の被覆材において、前記繊維構造体単独で被覆材を構成してもよいが、かかる繊維構造体に、その性能を低下させない範囲で、片面または両面に紙、不織布、織編物等のシート状物を貼り合わせることも問題ない。また、片面または両面にさらに粘着剤を塗布することで、粘着テープとして使用可能となり好ましい。
その際、使用する粘着剤としては、粘着テープ用の粘着剤として一般的に用いられるものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂系粘着剤、天然ゴムや合成ゴム等のゴム系粘着剤、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体やスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ならびにこれらの水素添加物等のブロック共重合体系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤、ポリビニルエーテル樹脂系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等があげられる。なかでも耐久性や耐候性に優れ、取り扱い時の汚れも少ないアクリル樹脂系粘着剤が好適に用いられる。これらの粘着剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これらの粘着剤の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤、反応型粘着剤、光重合可能なモノマー型粘着剤等のいずれの形態であってもよい。
また、これらの粘着剤には、本考案の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリイソシアネート系化合物やアジリジン系化合物、金属キレート系化合物等の架橋剤や、粘着性付与剤、カップリング剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、消泡剤、難燃剤、帯電防止剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていてもよい。
また、繊維構造体の片面または両面に粘着剤層を積層する場合、その厚さは10μm〜0.5mmであることが好ましい。
さらに、繊維構造体は、その層内で密度が均一でも良いが、3次元に成形する前または、成形時に配管、配線側の内層を低密度とし、外層を高密度とすることが好ましい。片面のみ低密度または高密度とすることも良い。ここで、低密度とは、10〜40kg/mであり、高密度とは、40〜100kg/mである。このように、繊維構造体に密度差をもうけることにより、繊維構造体を構成する繊維が厚さ方向に配列していることと相まって、配管、配線の形状に繊維構造体が密着した状態となり、より一体感のあるものとなり好ましい。さらに、外層が高密度であれば、取扱いが容易となる。その方法としては、密度の異なる繊維構造体を貼り合せた物や、表面を熱処理する事で、密度アップが可能となる。それら繊維構造体を使用し成形したものである。さらに、3次元成型は、必要な形状の金型を準備しホットモールドやコールドモールドにより、得ることができる。また、必要に応じ、配管やコード等を繊維構造体に挟んだ状態で成型してもよい。なお、配管やコード等を繊維構造体に挟む形を取る場合、配管とコードの長手方向が、繊維の折畳みの方向と一致する方向であると、より成型性が向上して好ましい。
本考案の被覆材は、前記の繊維構造体を含む、長尺物を被覆する被覆材である。かかる被覆材は前記の繊維構造体を含むため、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れる。
なお、本考案でいう長尺物とは、長さLと横断面の外接円の直径Dとの比L/Dが10以上かつ長さLが20cm以上の物であり、電気配管、給排水配管、ガス配管などの配管や、電気配線、通信配線などの配線や、各種コード、ワイヤー、ケーブルなどが含まれるが、これらに限定されないことはいうまでもない。
以下、実施例をあげて本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)T/W
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(3)厚さ、目付、密度
JIS K6400により測定した。
(4)成形性
図5に示すような、上下の加熱できる金型の上部金型に巾25mm、高さ15mmの空隙が長さ方向にあり、下部金型はフラットな金型を使用し、2枚の繊維構造体の間に、かつ、上部金型空隙の中央に内径8mm、外形10mmの鉄パイプをはさみ、金型温度を190℃の条件で、180秒間熱絞り加工した。このサンプルの外観を観察し、以下の基準で評価した。なお、サンプルのサイズは、巾50mmパイプ方向が100mmを使用した。
3級:鉄パイプ周辺に空隙がなく、きれいに成型でき、良好である。
2級:鉄パイプ周辺に1mm〜3mmの隙間が発生。
1級:鉄パイプ周辺に3mmを超える隙間が発生し、不良である。
(5)引抜き抵抗
銅線を塩化ビニルで被覆した直径10mm、長さ100mmのコードを上記成型テストと同様にして長さ60mmが繊維構造体で被覆されるように成形し、その後、コードを引張試験機にて速度200mm/minの条件で繊維構造体より引抜いたときの抵抗値で示す。
[実施例1]
融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)70重量%とを用いてブレンド、カーデイング、クロスレイアー、カーデイングし、次いでStruto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を使用し、駆動ローラ(表面速度2.5m/分)により、温度が200℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み繊維を厚さ方向に配列させ、170℃で加熱処理を施し、目付け900g/m、厚さ30mm、平均密度30Kg/mの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが4.7であり、繊維構造体を構成する繊維(熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維)が繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は26μmであった。
この繊維構造体をスライス加工し、2枚とした後、その間に鉄パイプを挿入し成型性を確認したところ、3級であった、一方、繊維構造体の熱伝導率は、20℃において、0.033W/mkであり高い値となり、パイプの断熱材として好ましいものであった。また、本繊維構造体を厚さ10mmにプレス加工した部分の吸音率を測定した結果、1000Hzで0.25、2000Hzで0.43、4000Hzで0.82と高性能の吸音を示した。
[実施例2]
実施例1において、実施例1と同じ繊維配合で、目付け900g/m、厚さ30mm、T/Wが4.7の繊維構造体を得たのち、成形性の評価において、銅線を塩化ビニルで被覆した直径10mmのコードを鉄パイプの代わりに長さ6cmをセットし、成形を実施した。成形性は3級であった。さらに、引抜き抵抗を測定した結果、89Nと高い値であった。
[実施例3]
実施例1において、クロスレイ後のシートを重ね合わせ、170℃加熱処理を施し、目付け905g/m、厚さ31mmの不織布繊維構造体(繊維が厚さ方向に配列していない繊維構造体)を得た後、実施例2と同様に銅線を塩化ビニルで被覆した直径10mmのコードを使用し、成形を実施した、成型性は2級であった。さらに、引抜き抵抗を測定した結果、38Nと実施例2で得られたものよりも低い値であった。
[比較例1]
ワイヤーハーネスや各種配管を保護している、厚さ1.6mm、目付1560g/mの市販PPボードの吸音性を測定したところ、1000Hzで0.03、2000Hzで0.04、4000Hzで0.10と低い吸音性を示した。
[比較例2]
市販のグラスウールを用いて成形性を評価したところ、1級と成形性に劣るものであった。
本考案によれば、配管や配線などの長尺物を被覆する被覆材であって、軽量性、吸音性、断熱性だけでなく成形性にも優れ、さらに、各種配管、配線がずれにくい被覆材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
1:繊維構造体を構成する繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:繊維構造体を構成する繊維
4:繊維構造体
5:ウエブの山
6:スライスされる面
7:被覆材
8:配管
9:コード

Claims (7)

  1. 長尺物を被覆する被覆材であって、
    非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体を含むことを特徴とする被覆材。
  2. 前記長尺物が配管または配線である、請求項1に記載の被覆材。
  3. 前記繊維構造体において、繊維構造体を構成する繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列してなる、請求項1または請求項2に記載の被覆材。
  4. 前記繊維構造体の厚さが1〜100mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の被覆材。
  5. 前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の被覆材。
  6. 前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の被覆材。
  7. 前記繊維構造体の内層側と外層側の密度が異なり、かつ外層側の密度が内層側の密度よりも高密度である、請求項1〜6のいずれかに記載の被覆材。
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