JP3138533U - ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材 - Google Patents

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【課題】吸音性だけでなく通気性にも優れた、ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材を提供する。
【解決手段】ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材8であって、該吸音材が、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を含むことを特徴とするファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
【選択図】図3

Description

本考案は、ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材であって、吸音性だけでなく通気性にも優れた吸音材に関する。
従来、プロジェクター、掃除機、クーラーなどの吸排気ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材としては種々のものが知られている。例えば、メルトブロー不織布やクロスレイ不織布などの不織布からなる吸音材(例えば特許文献1参照)や、ウレタンフォームからなる吸音材(例えば特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、前記のような不織布からなる吸音材では、吸音性には優れるものの通気性に劣るため吸排気性が損われるという問題があった。また、ウレタンフォームからなる吸音材では、通気性に劣るだけでなく廃棄処理の問題もあった。
また、特許文献3では、繊維を厚み方向に配列させた繊維構造体にフィルムを貼り合せた吸音材が提案されているが、かかる吸音材においても通気性が低いという問題があった。
特開2006−32035号公報 特開平10−137158号公報 特開2007−25044号公報
本考案は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、吸音性だけでなく通気性にも優れた、ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材を提供することにある。
本考案者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、繊維を厚み方向に配列させた繊維構造体で吸音材を構成することにより、吸音性だけでなく通気性にも優れた吸音材が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に想到した。
かくして、本考案によれば「ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材であって、該吸音材が、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を含むことを特徴とするファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。」が提供される。
その際、前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなることが好ましい。また、前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなることが好ましい。また、前記繊維構造体の平均密度が5〜50kg/mの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが1〜40mmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体がスライスされた切断面を有することが好ましい。
本考案のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材において、ファンを備えた電機機器が、プロジェクターなどの映像装置、掃除機、クーラー、エアコン、温風ヒーター、布団乾燥機、コピー機、および音響装置からなる群から選択されるいずれかの電気機器であることが好ましい。
本考案によれば、吸音性だけでなく通気性にも優れた、ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材が得られる。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。まず、本考案で使用する非弾性捲縮短繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、カーボン繊維などの耐熱繊維も使用可能であるが、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。かかるポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。特に着色剤が含まれていることが好ましい。また、ミクロクリンプを有する繊維を用いることも均一性が向上し好ましい。たとえば、2種のポリエステルからなり、潜在捲縮が発現してなる30〜60個/25mmのミクロクリンプを発現するものである。これら短繊維のうち、繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
この場合の捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
ここで、前記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が7〜100μmの範囲内であることが好ましい。該単繊維径が7μmよりも小さいと充分な剛性が得られず取り扱いが難しくなるおそれがある。逆に該単繊維径100μmよりも大きいと十分な吸音性が得られないおそれがある。ポリエチレンテレフタレートの場合、単糸繊度としては、1〜90dtexの範囲内であることが好ましい。
前記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記単繊維径はその外接円の直径を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。
前記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が30mmよりも小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が100mmよりも大きいと工程安定性が損われるおそれがある。
次に、熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となるおそれがある。また、熱処理温度の細かな制御が必要となり、生産性に劣るものとなる。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等を挙げることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては前記のような非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と相手側成分が、複合比率で10/90〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては10〜70μmの範囲内であることが好ましい。単糸繊度としては、2〜40dtexの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本考案においては、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、且つ均一性が不十分で、表面の割れが発生し成形性が不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性が低下する。
さらに、本考案の吸音材に含まれる繊維構造体において、前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していることが肝要である。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。
従来の吸音材においては、繊維が、吸音材を構成する繊維構造体の厚さ方向に対して垂直すなわち面方向に配列していた。これに対し、本考案においえは、繊維が構造体の厚さ方向に配列しているため、吸音性だけでなく通気性にも優れる。さらには、繊維が厚さ方向に配列していると繊維構造体において面方向に剥離しにくい。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、特開2007−025044号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
また、本考案において、かかる繊維構造体を、厚み方向に対してほぼ垂直(例えば図2の切断面6でスライス)、または、必要に応じてやや斜めにスライサー設備等によりスライスし、スライスされた切断面を使用することは好ましいことである。スライス前の状態でも繊維が厚み方向に配列しているため通気性が高いが、スライスすることで、表面のランダム状の繊維が取りさられ、さらに通気性の高いものとなり好ましい。
かくして得られた繊維構造体において、その厚さとしては制限はないが、1mm以上(好ましくは1〜40mm、より好ましくは2〜40mm、特に好ましくは3〜10mm)であることが好ましい。厚さが該範囲内にあると優れた吸音性を呈するだけでなく、剛性も向上する。
また、かかる繊維構造体の平均密度は5〜50kg/mの範囲にあることが好ましい。該密度が5kg/m未満では充分な剛性が得られないおそれがある。逆に平均密度が50kg/mを越えると板状となり、その後の成型が困難になるほか、音が反射するようになり、吸音材として使用できなくなるおそれがあるとともに、重量増加となるおそれがある。
本考案の吸音材はファンを備えた電機機器に用いられる吸音材であって、前記の繊維構造体を用いたものである。その際、前記ファンとしては空気流動を発生させるファンであればよく、吸気ファン、排気ファン、冷却ファンなどが例示される。また、吸気または排気ファンや冷却ファンによる空気流の方向が、繊維構造体の厚さ方向となるよう配置することが好ましい。このように配置することにより吸音性だけでなく優れた通気性が得られる。
本考案の吸音材には、染色加工、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。また、前記の繊維構造体のみを用いて吸音材を構成してもよいし、本考案の目的が損われない範囲であれば、不織布、織編物等の各種シート状物を貼り合わせることも問題ない。
かくして得られた吸音材において、吸気または排気ファンや冷却ファンによる空気が繊維構造体の厚さ方向に流れることにより優れた吸音性と通気性を呈する。
かかる吸音材は、プロジェクターなどの映像装置、掃除機、クーラー、エアコン、温風ヒーター、布団乾燥機、コピー機、音響装置(自動車用音響装置、一般家庭用音響装置)などの排気ファンを備えた電機機器用の吸音材として好適に使用される。
以下、実施例をあげて本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)T/W
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(3)厚さ、目付、密度
JIS K6400により測定した。
(4)吸音性(吸音率)
吸音材(繊維構造体)の厚さ方向の吸音性を測定した。その際、吸音率を、JIS−A1405による垂直入射吸音率であって、Bruel&Kjar社製マルチチャンネル分析システム3550型(ソフトウェア:BZ5087型2チャンネル分析ソフトウェア)による2マイクロフォン法で測定した。吸音率は、1000Hz、2000Hz,4000Hz時で比較した。
(5)通気性
JIS L1098 8.27.1A法(フラジール形法)により、繊維構造体の厚さ方向の通気性を測定した。なお、オリフィスは、面積38cmのものを使用した。
[実施例1]
融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)70重量%とを用いてブレンド、カーデイング、クロスレイアー、カーデイングし、次いでStruto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を使用し、駆動ローラ(表面速度2.5m/分)により、温度が200℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み繊維を厚さ方向に配列させ、170℃で加熱処理を施し、目付け600gr/m、厚さ13mm、平均密度31Kg/mの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが4.7であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は26μmであった。
次いで、該繊維構造体の表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け270gr/m、厚さ6mmの繊維構造体を得て吸音材とした。該吸音材は吸音性と通気性に優れたものであった。評価結果を表1に示す。
次いで、該吸音材を掃除機の排気口に取り付けたところ、吸音性と通気性に優れていた。
[実施例2]
実施例1において、実施例1と同じ繊維配合で、目付け470gr/m、厚さ15mm、T/Wが4.7の繊維構造体を得たのち、該繊維構造体の表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け189gr/m、厚さ6mmの繊維構造体を得て吸音材とした。該吸音材は吸音性と通気性に優れたものであった。評価結果を表1に示す。
次いで、該吸音材を掃除機の排気口に取り付けたところ、吸音性と通気性に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、クロスレイ後のシートを重ね合わせ、170℃加熱処理を施し、目付け615g/m、厚さ14mmの不織布繊維構造体を得た後、表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け264gr/m、厚さ6mmの繊維構造体(T/Wが0.9)を得て吸音材とした。評価結果を表1に示すとおり、実施例1で得られた吸音材に比べて通気性に劣るものであった。
[比較例2]
実施例2において、クロスレイ後のシートを重ね合わせ、170℃加熱処理を施し、目付け475g/m、厚さ14mmの不織布繊維構造体を得た後、表面および裏面を、厚さ方向と垂直方向にスライスして、目付け190gr/m、厚さ6mmの繊維構造体(T/Wが0.9)を得て吸音材とした。評価結果を表1に示すとおり、実施例2で得られた吸音材に比べて通気性に劣るものであった。
Figure 0003138533
本考案によれば、吸音性だけでなく通気性にも優れた、ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
T/Wの測定方法を説明するための模式図である。 繊維構造体の切断面を示す図である。 本考案の吸音材の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維の配列方向
4:繊維構造体
5:ウエブの山
6:スライスされる面
7:切断面(スライスされた面)
8:吸音材

Claims (7)

  1. ファンを備えた電機機器に用いられる吸音材であって、
    該吸音材が、
    非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で(非弾性捲縮短繊維/熱接着性複合短繊維)90/10〜0/100となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体であり、かつ前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を含むことを特徴とするファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  2. 前記非弾性捲縮短繊維がポリエステル系繊維からなる、請求項1に記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  3. 前記熱融着成分が共重合ポリエステルからなる、請求項1または請求項2に記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  4. 前記繊維構造体の平均密度が5〜50kg/mの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  5. 前記繊維構造体の厚さが1〜40mmの範囲内である、請求項1〜4のいずれかに記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  6. 前記繊維構造体がスライスされた切断面を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
  7. ファンを備えた電機機器が、プロジェクターなどの映像装置、掃除機、クーラー、エアコン、温風ヒーター、布団乾燥機、コピー機、および音響装置からなる群から選択されるいずれかの電気機器である、請求項1〜6のいずれかに記載のファンを備えた電機機器に用いられる吸音材。
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