JP2015080685A - マットレスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能なマットレスおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した繊維構造体を波状に屈曲させた状態で熱処理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能なマットレスおよびその製造方法に関する。
従来、マットレスの分野において、発泡ウレタンフォームを用いたもの、ポリエステル繊維を用いた固綿マットレス、スプリングを内包したマットレスなどが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、発泡ウレタンフォームを用いたものでは、通気性に乏しいので蒸れやすいという問題があった。また、ウレタンフォームは軟らかく、かつ発泡しているために、圧縮に対する反撥力に乏しいという欠点がある。反撥力を上げるためには、ウレタンフォームの密度を高くする方法があるが、この場合は重量が増え、通気性がさらに低下するという問題があった。
また近年、傾斜調節可能なベッドにおいて、患者の腹部に負荷が少ない様に、ボトムの姿勢調節位置にかかわらずマットレスがボトムになじむような伸縮性を有するものが望まれている。
しかしながら、ポリエステル繊維を用いた固綿マットレスやスプリングを内包したマットレスでは適度な硬さとクッション性を有するものの、かかるニーズに対応できるものとはいえなかった。
特開平5−3894号公報 特許第3658642号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、クッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能なマットレスおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者は上記課題を達成するため鋭意検討した結果、非弾性捲縮短繊維と熱接着性短繊維とが混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した繊維構造体を、波状に屈曲させた状態で熱処理することにより、長手方向に伸縮性を有するマットレスが得られることを見出し、また、かかるマットレスはクッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能であることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した繊維構造体を含むマットレスであって、以下に定義する高低差a(cm)が25cm以上であることを特徴とするマットレス。」が提供される。
JIS L1096−6.19(剛軟性)B法(スライド法)により、水平面台の上にマットレスを載置し、その端部を水平面台より長さ10(cm)だけ張り出した状態とし、この時のマットレス上面の位置からマットレス上端部までの高低差a(cm)を測定する。
その際、前記繊維構造体の密度が0.01〜0.1g/cmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明によれば「非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在し繊維構造体を波状に屈曲させた状態で熱処理することによりマットレスを得ることを特徴とするマットレスの製造方法。」が提供される。
その際、前記熱処理が湿熱処理であることが好ましい。また、前記波状において、山と山との距離が10〜25cmの範囲内であることが好ましい。
本発明によれば、クッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能なマットレスおよびその製造方法が得られる。
T/Hの測定方法を説明するための模式図である。 繊維構造体を波状に屈曲させた状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において非弾性捲縮短繊維としては、綿、ウール等の天然繊維やカーボン繊維等の無機繊維、セルロース系繊維、アラミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系の合成繊維等、さらには雑綿または反毛とよばれるリサイクル繊維等も使用できる。なかでも、取扱い性およびリサイクル性の点で合成繊維が好ましい。特にポリエチレンテレフラレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸などのポリエステル、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルや、特開2009−01694号公報に記載された、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレートや、さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルなどからなる短繊維でもよい。これら短繊維のうち、繊維形成等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
前記の非弾性捲縮短繊維において、単繊維の断面形状は通常の丸、扁平、四つ山扁平などのくびれ付き扁平、三角や四角の多角形、丸中空や三角中空等の中空などいずれでもよい。
前記の非弾性捲縮短繊維において、単糸繊度としては、2〜700dtex(より好ましくは4〜200dtex、特に好ましくは5〜10dtex)であることが好ましい。単糸繊度が2dtexよりも小さいと、嵩高性が不十分となりクッション性や反発性が乏しくなるおそれがある。逆に、単糸繊度が700dtexよりも大きいとウエブ化が難しく、また、同一目付けであれば、繊維構造体を構成する繊維の本数が少なくなるため十分なクッション性が得られないおそれがある。また、非弾性捲縮短繊維の繊維長としては、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
前記の非弾性捲縮短繊維において、捲縮数は2〜25個/2.54cm(好ましくは5〜15個/2.54cm)であることが好ましく、捲縮率としては20〜35%であることが好ましい。かかる捲縮数や捲縮率がこれらの範囲よりも小さいとウエブの嵩が出にくく、ウエブ化が困難となるおそれがある。また同時に、繊維構造体の反発性が乏しく、耐久性の低いものしか得られないおそれがある。逆に、かかる捲縮数や捲縮率がこれらの範囲よりも大きいとウエブの嵩高性が低く、高密度の繊維構造体しか得られなかったり、ウエブ化の際に繊維の絡みが強くなり筋状のムラ等が発生しやすくなるおそれがある。
なお、捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
一方、熱接着性短繊維は、前記非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーの融点よりも25℃以上(より好ましくは25〜150℃)低い融点を有する低融点ポリマーが少なくとも熱融着成分としてその表面に配された短繊維である。加熱により熱融着成分が溶融し、該熱接着性短繊維同士の交差点や該熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維との交差点が融着する。その際、前記融点差が25℃未満では、加工温度が非弾性捲縮短繊維の融点温度に近くなるため、非弾性捲縮短繊維の物性や捲縮特性、または繊維構造体のクッション性が低下するおそれがあり、また、成型時の収縮率も大きくなるおそれがあり好ましくない。
かかる熱接着性短繊維を構成する繊維としては、共重合ポリエステル系繊維、熱可塑性エラストマー繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、熱融着成分と芯成分とで形成される複合形態を有する複合繊維などが例示される。特に、熱融着成分を有する複合繊維は形態保持安定性や、成形性が優れているので好ましい。繰返し圧縮変形を受け、圧縮量すなわち変形量が大きいクッション用途では、固着点(融着点)に変形応力が加わったとき変形が容易で、変形応力が除かれたときは歪みを残さずに復元することが好ましい。繊維構造体に大きな変形量が加わるときは、かかる繊維構造体に含まれる固着点には、さらに大きな角度変化や伸張、ねじれ等の力が加わる。このため、熱融着成分を形成する低融点ポリマーが熱可塑性エラストマーであることが好ましい。
かかる熱可塑性エラストマーとしては、耐熱性があり、高温熱成型可能なポリエステル系エラストマーが特に好ましい。ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、非弾性捲縮短繊維との接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていてもよく、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
また、熱接着性短繊維が複合繊維である場合、芯成分を形成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合体エステル等を使用できる。
なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
また、熱接着性短繊維が複合繊維である場合、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と芯成分が、複合比率で30/70〜70/30の範囲にあるのが適当である。複合形態としては、少なくとも熱融着成分が表面に露出している限り特に限定されず、サイドバイサイド型、芯鞘型、偏心芯鞘型などが例示される。
前記の熱接着性短繊維において、単糸繊度としては2〜170dtex(より好ましくは1〜15dtex、特に好ましくは2〜7dtex)が好ましく、繊維長は3〜100mm、捲縮数は4〜70個/2.54cmの範囲が好ましい。この範囲から外れると、混綿、ウエブ化などの工程安定性が悪くなるおそれがある。また、繊維構造体(マットレス)のクッション性能や圧縮耐久性が低下するおそれがある。
本発明において、繊維構造体は、上記の非弾性捲縮短繊維と熱接着性短繊維とが混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層した後に加熱処理することにより、該熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または該熱接着性短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなるものである。その際、非弾性捲縮短繊維と熱接着短繊維との重量比率は90/10〜10/90であることが肝要である。熱接着性短繊維の比率がこの範囲より小さい場合は、固着点が少なくなり、圧縮反発性、圧縮耐久性が低下するおそれがある。逆に、熱接着性短繊維の比率がこの範囲よりも大きい場合は、熱接着性短繊維の収縮のため、所望の成型物形状が得られにくくなるとともに、生産での品質管理が難しくなり好ましくない。
ここで、前記繊維構造体において、非弾性捲縮短繊維と熱接着性短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していることにより、クッション性、弾力性、ムレの軽減効果が向上する。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、図1に示すように繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(H)とするとき、T/Hが1.5以上であることである。
前記繊維構造体において、密度が0.01〜0.1g/cmの範囲内であることが好ましい。該密度が0.01g/cm未満では繊維構造体が柔らかくなり過ぎて取り扱いが難しくなり、一方、0.1g/cmを越えると硬くなりすぎ、長時間寝た場合、就寝者に与えるストレスが大きくなるおそれがある。
本発明のマットレスは、例えば以下の方法で製造することができる。すなわち、前記繊維構造体をマットレスの長手方向に波状に屈曲させた状態で金型に押し込み熱処理する。波の山と山との距離が10〜25cmの範囲内であることが好ましい。
ここで、前記熱処理としては湿熱処理が好ましく、真空湿熱成形が特に好ましい。すなわち、繊維構造体を型面に蒸気孔が形成された成形型内に配置し、圧締状態でスチーム形成することによって、マットレスを得る方法が好ましい。このとき型面の蒸気孔の開口率を変えることで成形時に繊維構造体に吹き付ける蒸気量を異ならせることができ、例えば蒸気孔の開口率が小さい部位では、成形されたマットレスの表層を繊維構造体の風合を残した柔らかい状態に仕上げることができ、蒸気孔の開口率が大きい部位では、表層を硬い状態に仕上げることができ、表層の硬度が部位によって異なるように形成されてなるものを得ることができるという利点も有する。
成型加工される繊維構造体は複数を積層させて使用してもよい。その際、互いに当接する積層間の部分には、必要に応じてホットメルトフィルム、ホットメルト不織布、ホットメルト接着剤等が配設されてもよい。
かくして得られたマットレスは、屈曲性を有し、ベッドにおけるボトムを傾斜調節した際、ボトムの傾斜によって生ずるボトムの屈曲箇所(あるいは湾曲箇所)にマットレスが追随し、ボトム駆動 に負荷が生じないだけでなく人の胸および腹部が圧迫を受けるといった問題も発生しにくいので、例えば、介護用マットレス、病院用マットレスなどとして好適に使用される。
ここで、マットレスの長手方向の屈曲性が以下に定義する高低差a(cm)で25cm以上(好ましくは25〜40cm)であることが肝要である。
ただし、JIS L1096−6.19(剛軟性)B法(スライド法)により、水平面台の上にマットレスを載置し、その端部を水平面台より長さ10(cm)だけ張り出した状態とする。この時のマットレス上面の位置からマットレス上端部までの高低差a(cm)を測定し、値aを長さ10(cm)のときの屈曲性を示す数値とする。
また、マットレスの厚さとしては、優れたクッション性と取扱い性とを両立させる上で20〜200mmの範囲内であることが好ましい。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とした。
(2)捲縮数
JIS L 1015 7.12に記載の方法により測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(3)厚さ
JIS L1085により測定した。
(4)通気度
JIS L1096 6.27 A法(フランジール法)によって測定した。単位はcm/cm・secで示した。
(5)密度
JIS K−6401により測定した。なお、n数5でその平均値を求めた。
(6)T/H
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維(図1において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数をHとしてT/Hを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。T/Hが1.5以上の場合、「繊維が厚さ方向に配列している。」とした。
(7)屈曲性
JIS L1096−6.19(剛軟性)B法(スライド法)により、水平面台の上にマットレスを載置し、その端部を水平面台より長さL(cm)だけ張り出した状態とした。この時のマットレス上面の位置からマットレス上端部までの高低差a(cm)を測定し、値aを長さL(cm)のときの屈曲性を示す数値とした。
(8)圧縮硬度
直径200mmの真円状の加圧板を使用し、JIS K6400−2により、25%圧縮硬度および50%圧縮硬度を測定した。
(9)クッション耐久性(残留歪、保持率)
JISK 6400−4 B法記載の方法に準拠し、毎分60回の速さで試験片の厚さの50%に連続80000回繰返し圧縮した後、30分放置し再び厚さを測定した。そして、下記式により圧縮残留歪(%)および保持率(%)を算出した。
圧縮残留歪(%)=(t0−t1)/t0×100
保持率(%)=(h−h)/h×100
ここで、t0は初めの試験片の厚み(mm)であり、t1は試験後の試験片の厚み(mm)であり、また、hは試験片の初期の硬さで、hは試験後の硬さである。
[実施例1]
融点154℃の熱可塑性ポリエーテルエステル型エラストマーを鞘成分に用い、融点230℃ポリブチレンテレフタレートを芯成分に用いた単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmの芯/鞘型熱接着性複合短繊維A(芯/鞘比=60/40:重量比)と、マトリックス繊維として異方冷却により立体捲縮を有する単糸繊度13.3dtex、繊維長64mmの中空ポリエチレンテレフタレートを70:30の重量比率で混綿し、ローラーカードでカーディングし、薄いシート状繊維構造体を得た。得られたシート状繊維構造体をStruto社製Struto設備で、ローラー表面速度2.5m/分の駆動ローラーにより、熱風サクション式熱処理機(熱処理ゾーンの長さ5m、移動速度1m/分)内へ図2のようにウエッブをヒダ折りし大部分の繊維を厚み方向に配列(T/H=4.7)させ押し込むことでアコーデオン式に折り畳み、非弾性捲縮短繊維および熱接着性短繊維が繊維構造体の厚さ方向に配列している繊維構造体を得た。
次いで、厚さ方向に配列している繊維構造体を、蒸気孔が形成された成形型内にマットレスの長手方向に波状(山と山との距離が15cm)に屈曲させた状態で配置し、圧締した。圧締後真空スチーム成形機にて、真空後、150〜180℃の蒸気を吹き付けた後、脱型してマットレスを得た。その際、スチーム成形機内温度が160℃に達した状態で10分間保持する条件で加温した。
得られたマットレスは、厚さ100mm、密度0.035g/cm、幅85cm、長さ191cmであり、このようにして形成された繊維構造体は、熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点、および熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した状態となっており、その物性は表1に示す通りであった。適度な硬さとクッション性を有し、圧縮に対する耐久性もよく、また伸縮性と通気性、屈曲性に優れていた。
[比較例1]
実施例1において、ローラーカード、クロスレイ、ローラーカードの順に通し温度200℃の熱処理炉にて繊維間を熱接着処理し、繊維の配列方向が繊維構造体の厚み方向と垂直な繊維構造体を得たこと以外は実施例1と同様にしてマットレスを得た。
得られたマットレスの物性は表1に示すが、適度な硬さと圧縮耐久性を要していたが、伸縮性と屈曲性が劣るものであった。
Figure 2015080685
本発明によれば、クッション性だけでなく屈曲性に優れ、傾斜調節可能なマットレスおよびその製造方法が得られ、その工業的価値は極めて大である。
1:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維の配列方向
4:繊維構造体
5:繊維構造体

Claims (5)

  1. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した繊維構造体を含むマットレスであって、以下に定義する高低差a(cm)が25cm以上であることを特徴とするマットレス。
    JIS L1096−6.19(剛軟性)B法(スライド法)により、水平面台の上にマットレスを載置し、その端部を水平面台より長さ10(cm)だけ張り出した状態とし、この時のマットレス上面の位置からマットレス上端部までの高低差a(cm)を測定する。
  2. 前記繊維構造体の密度が0.01〜0.1g/cmの範囲内である、請求項1に記載のマットレス。
  3. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも25℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿されたウエブをアコーデオン状に折りたたむことにより積層してなり、前記熱接着性短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および/または前記熱接着性短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在した繊維構造体を波状に屈曲させた状態で熱処理することによりマットレスを得ることを特徴とするマットレスの製造方法。
  4. 前記熱処理が湿熱処理である、請求項3に記載のマットレスの製造方法。
  5. 前記波状において、山と山との距離が10〜25cmの範囲内である、請求項3または請求項4に記載のマットレスの製造方法。
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