JP3136608U - 内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する内装材を提供する。
【解決手段】非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体を含む内装材であって、前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列し、かつ繊維構造体の外気側表面が切断面であることを特徴とする内装材。
【選択図】図3

Description

本考案は、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する内装材に関する。
従来、天井、壁、床、カーペット、居住空間の仕切り面、自動車内装材などの内装材として、織編物や不織布、さらにはこれらに起毛加工を施したものなどが用いられている。また、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成された繊維構造体からなる内装材も提案されている(例えば特許文献1参照)。
他方、昨今特に消費者の高級化志向が強く、従来にない外観を呈する内装材の提案が望まれている。
なお、吸音材の用途ではあるが、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成された繊維構造体において、繊維を厚み方向に配列させ、かつ切断面を形成することは特許文献2において提案されている。
特開2007−30297号公報 特開2007−25044号公報
本考案は、上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する内装材を提供することにある。
本考案者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とで構成された繊維構造体からなる内装材において、繊維を厚み方向に配列させ、かつ外気側表面を切断面とすることにより、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより、高級感な外観を呈する内装材が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本考案に想到した。
かくして、本考案によれば「非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体を含む内装材であって、
前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列し、かつ繊維構造体の外気側表面が切断面であることを特徴とする内装材。」が提供される。
その際、前記非弾性捲縮短繊維および熱接着性複合短繊維のうち少なくともいずれかが、着色剤を含有するポリエステルで形成されることが好ましい。また、前記繊維構造体の平均密度が0.015〜0.20gr/cmの範囲内であることが好ましい。また、前記繊維構造体の厚さが1〜40mmの範囲内であることが好ましい。また、内装材が熱成形加工されていることが好ましい。また、内装材が、天井、壁、床、カーペット、居住空間の仕切り面、および自動車内装材からなる群から選択されるいずれかの用途に用いられる内装材であることが好ましい。
本考案によれば、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する内装材が得られる。
以下、本考案の実施の形態について詳細に説明する。本考案で使用する非弾性捲縮短繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリピバロラクトン、ポリ乳酸(PLA)、ステレオコンプレックスポリ乳酸、ポリオレフィン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。かかるポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。特に着色剤が含まれていることが好ましい。また、ミクロクリンプを有する繊維を用いることも均一性が向上し好ましい。たとえば、2種のポリエステルからなり、潜在捲縮が発現してなる30〜60個/25mmのミクロクリンプを発現するものである。これら短繊維のうち、繊維形成性等の観点からポリエチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
この場合の捲縮付与方法としては、熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、捲縮数が3〜40個/2.54cm(好ましくは7〜15個/2.54cm)となるように通常の押し込みクリンパー方式による機械捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から機械捲縮を付与するのが最適である。
ここで、前記非弾性捲縮短繊維において、単繊維径が10〜100μmの範囲内であることが好ましい。該単繊維径が10μmよりも小さいと充分な剛性が得られず取り扱いが難しくなるおそれがある。逆に該単繊維径100μmよりも大きいと外観の均一性が不十分となるおそれがある。ポリエチレンテレフタレートの場合、単糸繊度としては、1.3〜90dtexの範囲内であることが好ましい。
前記非弾性捲縮短繊維の単繊維横断面形状は、通常の丸断面でもよいし、三角、四角、扁平、中空などの異型断面であってもよい。なお、単繊維横断面形状が異型の場合、前記単繊維径はその外接円の直径を使用するものとする。さらに、丸中空断面の場合は外径寸法を測定するものとする。
前記非弾性捲縮短繊維の繊維長としては30〜100mmの範囲内であることが好ましい。該繊維長が30mmよりも小さいと充分な剛性が得られないおそれがある。逆に該繊維長が100mmよりも大きいと工程安定性が損われるおそれがある。
次に、熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となるおそれがある。また、熱処理温度の細かな制御が必要となり、生産性に劣るものとなる。
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステル等が使用できる。
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、さらにはそれらを変性した物等を挙げることができる。
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーが特に好ましい。なお、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。特に着色剤が含まれていることが好ましい。
熱接着性複合短繊維において、熱融着成分の相手側成分としては前記のような非弾性のポリエステルが好ましく例示される。その際、熱融着成分が、少なくとも1/2の表面積を占めるものが好ましい。重量割合は、熱融着成分と相手側成分が、複合比率で10/90〜70/30の範囲にあるのが適当である。熱接着性複合短繊維の形態としては、特に限定されないが、熱融着成分と相手側成分とが、サイドバイサイド、芯鞘型であるのが好ましく、より好ましくは芯鞘型である。この芯鞘型の熱接着性複合短繊維では、熱融着成分が鞘部となり、相手側成分が芯部となるが、この芯部は同心円状、または偏心状にあってもよい。
かかる熱接着性複合短繊維において、単繊維径としては10〜70μmの範囲内であることが好ましい。単糸繊度としては、2〜40dtexの範囲内であることが好ましい。かかる熱接着性複合短繊維は、繊維長が3〜100mmに裁断されていることが好ましい。
本考案においては、上記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜10/90である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、且つ均一性が不十分で、表面の割れが発生し外観不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取扱い性が低下する。
また、非弾性捲縮短繊維および/または熱接着複合短繊維が、着色剤を含有するポリマーで形成された、いわゆる原着繊維であることが好ましい。特に、着色剤を含有するポリエステルで形成されることが好ましい。特に両繊維に原着繊維を使用した場合、より色の深みが向上し好ましい外観となる。ここで、ポリマー中に含有される着色剤は公知のいずれの着色剤でも使用することができ、例えばカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化鉄等の無機系顔料、フタロシアニン系、アゾ系、ペリノン系、ペリレン系、アントラキノン系等の有機系顔料、さらにカオリン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化ケイ素等も使用することができる。また該着色剤の添加方法も公知のいずれの方法でも添加可能である。例えばポリエステルの重合工程で加える方法、マスターペレット化したのち染着剤を含有しないベースポリエステルと混練する方法、染着剤と液状ポリエステルとをあらかじめ混合した液状の添加剤組成物を紡糸直前の溶融ポリエステル流中にギアポンプ等で計量しながら注入添加した後、静的あるいは動的混練分散を行う方法等があげられる。なかでも紡糸装置の汚染や取り扱い性、コスト等を考慮するとマスターペレットによる方法が最も一般的であると言える。
さらに、本考案の内装材に含まれる繊維構造体において、前記熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していることが肝要である。ここで、「厚さ方向に配列している」とは、繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(W)とするとき、T/Wが1.5以上であることである。また、本考案の内装材を構成する繊維構造体の外気側表面が切断面である。その際、該繊維構造体において、外気側表面とは反対側の表面(内側表面)は、切断面であってもよいし切断面でなくてもよい。
従来の内装材を構成する繊維が、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直、すなわち面方向に配列されていたのに対し、本考案においては、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列され、さらに、外気側表面が切断面であることより、繊維構造体の切断面は繊維の長軸方向と交差する断面(繊維横断面)が現れ、かつ、構成繊維が厚み方向に配列していることで、表面より入射した光が繊維構造体内部に入り込み乱反射され、色の深みが増加する。また、表面が切断面であるため非常に均一感のあるものであり、高級感が向上する。さらに、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列しているため、金型に該繊維構造体を挿入し成型したり、加熱した金型を押し当てる事で容易に凹凸のある外観改良も容易である。ここで、構成繊維が繊維構造体の面方向に配列している場合は、繊維側面による光の反射により色の深みが無く、かつ、表面の均一性が劣る物となる。また、表面側を切断すること無しに使用した場合、構成繊維が繊維構造体の面方向に配列している場合と大きな差が無い物となる。
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、特開2007−025044号公報の図1に示すような熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。例えば特表2002−516932号公報に示された装置(市販のものでは、例えばStruto社製Struto設備など)などを使用するとよい。
また、本考案において、かかる繊維構造体を、厚み方向に対してほぼ垂直(例えば図2の切断面6でスライス)、または、必要に応じてやや斜めにスライサー設備等によりスライスし、スライスされた切断面を使用する。
かくして得られた繊維構造体において、その厚さとしては制限はないが、1mm以上(好ましくは1〜40mm、より好ましくは2〜40mm、特に好ましくは3〜10mm)であることが好ましい。厚さが該範囲内にあると色の深みが増しさらに、クッション性にも優れる。また、繊維構造体の平均密度としては0.015〜0.20gr/cmの範囲内であることが好ましい。
本考案の内装材は前記の繊維構造体の切断面が外気側表面となるよう用いたものである。その際、繊維構造体の厚さは、繊維構造体の用途によって適宜選定する。また、本考案の内装材には、撥水加工、防炎加工、難燃加工、マイナスイオン発生加工など公知の機能加工が付加されていてもさしつかえない。また、前記の繊維構造体のみを用いて内装材を構成してもよいし、裏面に樹脂バッキング加工、さらには、形態安定性向上や吸音性アップ等のために裏面層に各種不織布シート、織編物、ウレタンフォーム、フィルム等を貼り合わせることも問題ない。
かくして得られた内装材において、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列され、かつ外気側表面が切断面であることより、表面より入射した光が繊維構造体内部に入り込み乱反射され、色の深みが増加する。また、表面が切断面であるため非常に均一感があり、高級感が向上する。さらに、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列しているため、金型に該繊維構造体を挿入し熱成形加工したり、加熱した金型を押し当てる事で容易に凹凸のある外観改良も容易である。
本考案の内装材は、天井、壁、床、カーペット、居住空間の仕切り面、および自動車内装材からなる群から選択されるいずれかの用途に用いられること好ましい。
以下、実施例をあげて本考案を詳細に説明するが、本考案はこれらによって何ら限定されるものではない。
(1)融点
Du Pont社製 熱示差分析計990型を使用し、昇温20℃/分で測定し、融解ピークをもとめた。融解温度が明確に観測されない場合には、微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、ポリマーが軟化して流動を始めた温度(軟化点)を融点とする。なお、n数5でその平均値を求めた。
(2)T/W
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている、非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において0°≦θ≦45°)の総本数を(T)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維(図1において45°<θ≦90°)の総本数をWとしてT/Wを算出した。なお、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
(3)厚さ、目付、密度
JIS K6400により測定した。
(4)表面外観
試験者3名が内装材の表面外観を目視判定し、3級:表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する、2級:普通である、1級:表面が平坦でなく色の深みもない、の3段階に評価した。
[実施例1]
着色剤を含有し融点が110℃の共重合ポリエステルを鞘成分に配し、着色剤を含有し融点が256℃のポリエチレンテレフタレートを芯成分に配した、単糸繊度4.4dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分が重量比で50:50、グレー色に着色)30重量%と、機械捲縮(捲縮数9ケ/2.54cm)を付与した、着色剤を含有し融点が256℃のポリエチレンテレフタレートからなる、単糸繊度6.6dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維、グレー色に着色)70重量%とを用いてブレンド、カーデイング、クロスレイアー、カーデイングし、次いでStruto社製Struto設備(特表2002−516932号公報に示された装置と同様のもの)を使用し、駆動ローラ(表面速度2.5m/分)により、温度が200℃に設定された熱風サクション式熱処理機内へ押し込むことでアコーデオン状に折り畳み、次いで、スライス設備を利用して厚み方向に半裁することにより、図3に示すような目付け190gr/m、厚さ6mm、平均密度31.7Kg/mの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが1.5以上であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列していた。また、熱接着性複合短繊維の単繊維径は21μm、非弾性捲縮短繊維の単繊維径は26μmであった。
次いで、該繊維構造体を用いて、切断面(スライスされた面)を外気側表面になるよう車両内装材を得た。該内装材は、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈するものであった(3級)。
[比較例1]
実施例1において、カーデイングの後、Struto設備に供することなく、ニードルパンチを施し、その熱処理して実施例1と同様に、スライス設備を利用して厚み方向に半裁することにより、目付け200gr/m、厚さ6mmの繊維構造体を得た。該繊維構造体において、T/Wが1.5未満であり、熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列しているものではなかった。
次いで、該繊維構造体を用いて、切断面(スライスされた面)を外気側表面になるよう車両内装材を得た。該内装材は、表面が平坦でなく色の深みもない(1級)ものであった。
本考案によれば、表面が平坦でありかつ色の深みがあることにより高級感な外観を呈する内装材が提供され、その工業的価値は極めて大である。
T/Wの測定方法を説明するための模式図である。 繊維構造体の切断面を示す図である。 本考案の内装材の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維
2:繊維構造体の厚さ方向
3:熱接着性複合短繊維または非弾性捲縮短繊維の配列方向
4:繊維構造体
5:ウエブの山
6:スライスされる面
7:切断面(スライスされた面)
8:スライスされた後の繊維構造体

Claims (6)

  1. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜10/90となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点および該熱接着性複合短繊維と前記非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在する繊維構造体を含む内装材であって、
    前記非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とが繊維構造体の厚さ方向に配列し、かつ繊維構造体の外気側表面が切断面であることを特徴とする内装材。
  2. 前記非弾性捲縮短繊維および熱接着性複合短繊維のうち少なくともいずれかが、着色剤を含有するポリエステルで形成される請求項1に記載の内装材。
  3. 前記繊維構造体の平均密度が0.015〜0.20gr/cmの範囲内である、請求項1または請求項2に記載の内装材。
  4. 前記繊維構造体の厚さが1〜40mmの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の内装材。
  5. 内装材が熱成形加工されている、請求項1〜4のいずれかに記載の内装材。
  6. 内装材が、天井、壁、床、カーペット、居住空間の仕切り面、および自動車内装材からなる群から選択されるいずれかの用途に用いられる、請求項1〜5のいずれかに記載の内装材。

























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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009214909A (ja) * 2008-03-11 2009-09-24 Teijin Fibers Ltd 繊維構造体の梱包方法および梱包体
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JP2016087050A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 帝人株式会社 マット

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