JP4439064B2 - 吸音用繊維構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸音、遮音特性が良好であるばかりでなく、成形性にも優れた吸音用複合繊維構造物に関するものであり、さらに詳しくは、車輌や住宅あるいは高速道路などの騒音軽減に好適に利用する事が出来る吸音用繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輌用や住宅用あるいは高速道路などの吸音、遮音材としては、ガラスウールやウレタンフォームなどが多く使用されてきた。例えば、自動車用の吸音材としては、エンジンの騒音を車外あるいは車内へ放出しない為に、木質ボードや再生繊維にフェノール樹脂などの熱硬化性バインダーを含浸したフェルトや、ガラス繊維などの無機繊維に熱可塑性樹脂を含浸しホットプレスやコールドプレスした吸音材(特開昭59−227442号公報、特開昭58−42897号公報など)が使用されている。
【0003】
また、高融点熱可塑性繊維と低融点熱可塑性繊維とから構成され、低融点熱可塑性繊維の一部を熱融着させた吸音材(特開平7−3599号公報など)も知られている。
【0004】
しかしながら、木質ボードや再生繊維にフェノール樹脂などの熱硬化性バインダーを含浸したフェルトは、さまざまな材料が混ざり合っている事や、リサイクルの観点から問題がある。さらに、フェノール樹脂は不快なニオイを放ち作業上にも問題があり、このような構成のフェルトを使用する事は好ましくない。
【0005】
また、ガラスウール等の無機繊維に熱可塑性樹脂を含浸したものは、耐熱性(難燃性)には優れているものの、ガラス繊維が一般的に折れ易く刺さり易い事から作業性が極端に悪いという欠点があった。
【0006】
さらに、低融点繊維と高融点繊維から構成され、低融点繊維の一部を熱融着させた吸音材(以後、繊維構造体と称する)は、従来寝具を含む各種クッション材として使用されてきたものであるが、これらの繊維構造体においては、その構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して垂直、即ち面方向に配列されているため、複雑な形状へ成形することが困難であるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、リサイクル性や製造の際の作業環境に問題がなく、吸音、遮音特性に優れなお且つ成形性の良好な吸音用繊維構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、繊維構造体の構成繊維を該繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列させるとき、所望の吸音材が得られることを究明した。
【0009】
すなわち、非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40°以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜50/50となるように混綿されたウエッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密度が0.02〜0.20g/cm 3 の範囲にあり、且つ該繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(繊維構造体の厚さ方向と繊維方向とがなす角度をθとして0°≦θ≦45°)の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(繊維構造体の厚さ方向と繊維方向とがなす角度をθとして45°<θ≦90°)の総本数を(A)とするとき、B/Aが1.5以上である吸音用繊維構造体を製造することを特徴とする吸音用繊維構造体の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する非弾性捲縮短繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトン、またはこれらの共重合体からなる短繊維ないしそれら短繊維の混綿体、または上記ポリマー成分のうちの2種類以上からなる複合短繊維等を挙げることができる。これらの短繊維のうち繊維形成性等の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
【0011】
この場合の、捲縮付与方法としては、▲1▼熱収縮率の異なるポリマーをサイドバイサイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮を付与、▲2▼異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、▲3▼押し込み捲縮法によるジグザグ状捲縮を付与など、種々の方法を用いればよいが、嵩高性、製造コスト等の面から異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与するのが最適である。
【0012】
本発明で使用する熱接着性複合短繊維の複合形態としては、サイド・バイ・サイド型、芯鞘型のいずれであってもよいが好ましいのは後者である。この芯鞘型においては非弾性ポリエステルが芯部となるが、該芯部は同心円状あるいは偏心状であっても良い。特に偏心状のものにあっては、スパイラル捲縮が発現するので、より好ましい。
【0013】
熱接着性複合短繊維の熱融着成分は、上記の非弾性捲縮短繊維を構成するポリマー成分より、40℃以上低い融点を有することが必要である。この温度が40℃未満では接着が不十分となる上、腰のない取り扱いにくい繊維構造体となり、本発明の目的が達せられない。
【0014】
ここで、熱融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。
【0015】
これらのポリマーのうちで、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
【0016】
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
【0017】
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
【0018】
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルが好ましい。
【0019】
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0020】
上記の熱融着成分の中でも、共重合ポリエステル系ポリマーや熱可塑性ポリエステル系エラストマーが好ましく、良好な消音性能を有することからポリエステル系エラストマーを用いることが特に好ましい。
【0021】
尚、上述のポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸収剤、増粘分岐剤、艶消し剤、着色剤、その他各種の改良剤等も必要に応じて配合されていても良い。
【0022】
本発明においては、上記の非弾性捲縮短繊維と、上記の熱接着性複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
【0023】
この際、非弾性捲縮短繊維と熱接着複合短繊維との重量比率は90/10〜50/50である必要がある。熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より少ない場合は、固着点が極端に少なくなり、繊維構造体の腰がなく、成形性が不良となる。一方、熱接着複合短繊維の比率がこの範囲より多い場合は、接着点が多くなり過ぎ、熱処理工程での取り扱い性、成形性などが低下する。
【0024】
さらに、本発明においては、上記繊維構造体の該繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(A)とするとき、B/Aが1.5以上であることが肝要である。
【0025】
即ち、従来のクッション材を構成する繊維が、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直、即ち面方向に配列されていたのに対し、本発明においては、構成繊維が繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されているため、吸音、遮音特性に優れなお且つ成形性の良好な吸音用繊維構造体を得ることができるのである。
【0026】
ここで、B/Aが1.5未満の場合は、本発明の効果が充分に奏されず、吸音、遮音特性に優れなお且つ成形性の良好な吸音用繊維構造体を得ることはできない。
【0027】
このような繊維構造体を製造する方法には特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば非弾性捲縮短繊維と熱接着性複合短繊維とを混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブとして紡出した後、図1に示すような熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理し、熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。
【0028】
かくして得られる繊維構造体の平均密度は0.02〜0.20g/cm3の範囲にある必要がある。該密度が0.02g/cm3未満では複合繊維構造物が柔らかくなり過ぎて取り扱いが難しくなり、一方、0.20g/cm3を超えると板状となり、その後の成型が困難になる他、音が反射するようになり、吸音材として使用できなくなる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受ける物ではない。なお、実施例中に記載した物性は以下の方法により測定した。
【0030】
(1)B/A
繊維構造体を厚さ方向に切断し、その断面において、厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(図2において0°≦θ≦45°)の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(図2において45°<θ≦90°)の総本数を(A)としてB/Aを算出した。
尚、本数の測定は、任意の10ヶ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
【0031】
(2)吸音特性
各複合繊維構造物について、JIS A 1405に基づき、管内法による建築材料の垂直入射吸音率を測定した。
【0032】
(3)成形性
吸音用繊維構造体を円柱形のモードルを用いて、200℃で5分間成型を行い、冷却後取り出したサンプルの角部の形状及び厚みの均一性について、目視判定により下記の3段階で評価した。
○:良好
△:やや不良
×:不良
【0033】
[実施例1]
融点が150℃の熱可塑性ポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分に配し、ポリブチレンテレフタレートを芯成分に配した、単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mmの芯鞘型熱接着性複合短繊維(芯成分:鞘成分の重量比=60:40)と、異方冷却により立体捲縮を付与した単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)とを、重量比で30:70となるように混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブを得た。
該ウェッブを軽くニードルパンチングした後、図1に示す熱処理機を用いて、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら200℃で加熱処理し、熱融着による固着点を形成させて吸音用繊維構造体(目付が1000g/m2、厚みが20mm、密度が0.05g/cm3)を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0034】
[実施例2]
実施例1において、鞘成分に共重合ポリエステルを配し、芯成分にポリエチレンテレフタレート配した、単繊維繊度4.4dtex、繊維長51mmの熱接着性複合短繊維を使用し、ウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら加熱処理する際の温度を160℃とした以外は実施例1と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0035】
[実施例3]
実施例2において、芯鞘型熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維との混綿比率を、重量比で50:50となるようにした以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0036】
[実施例4]
実施例2において、非弾性捲縮短繊維の単繊維繊度を6.7dtexに変更した以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0037】
[比較例1]
異方冷却により立体捲縮を付与した単繊維繊度3.3dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維(非弾性捲縮短繊維)を用い、ローラーカードにより均一なウェッブを得た後、該ウェッブをニードルパンチングして吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0038】
[比較例2]
実施例2において、紡出されたウェッブをその厚さ方向に積層した後、金型内に載置し、160℃で加熱処理して吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0039】
[比較例3]
実施例2において、芯鞘型熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維とを混綿した後、吹き込み装置を用いて吹き込み成型した繊維構造体を、160℃で加熱処理して吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0040】
[比較例4]
実施例2において、熱処理機へのウェッブの供給量及びコンベア速度を変更し、繊維構造体の密度を0.018g/cm3に変更した以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0041】
[比較例5]
実施例2において、芯鞘型熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維との混綿比率を、重量比で70:30となるようにした以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0042】
[比較例6]
実施例2において、芯鞘型熱接着性複合短繊維と非弾性捲縮短繊維との混綿比率を、重量比で5:95となるようにした以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0043】
[実施例5]
実施例2において、熱処理機のコンベア速度を変更し、繊維構造体の密度を0.10g/cmに変更した以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0044】
[実施例6]
実施例2において、熱処理機のコンベア速度を変更し、繊維構造体の密度を0.026g/cm3に変更した以外は実施例2と同様に実施して、吸音用繊維構造体を得た。
該繊維構造体のB/Aの値を表1に、また、目付、密度、吸音特性及び成形性の測定結果を表2に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0004439064
【0046】
【表2】
Figure 0004439064
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、吸音、遮音特性が良好であるばかりでなく、成形性にも優れた吸音用複合繊維構造物が得られるので、車輌や住宅あるいは高速道路などの騒音軽減に好適に利用する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する熱処理機の一例を示す側面図。
【図2】B/Aの測定方法を説明するための模式図。
【符号の説明】
1 ウェッブ
2 コンベア
3 ヒーター
4 繊維構造体

Claims (7)

  1. 非弾性捲縮短繊維と、該非弾性捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40°以上低い融点を有するポリマーが、熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが重量比率で90/10〜50/50となるように混綿されたウエッブをアコーデイオン状に折りたたみながら加熱処理することにより
    該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該非弾性捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密度が0.02〜0.20g/cm3の範囲にあり、且つ該繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維(繊維構造体の厚さ方向と繊維方向とがなす角度をθとして0°≦θ≦45°)の総本数を(B)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維(繊維構造体の厚さ方向と繊維方向とがなす角度をθとして45°<θ≦90°)の総本数を(A)とするとき、B/Aが1.5以上である吸音用繊維構造体を製造することを特徴とする吸音用繊維構造体の製造方法。
  2. 繊維構造体を構成する繊維の平均繊度が0.56〜11.1dtexの範囲にある請求項1記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
  3. 非弾性捲縮短繊維の単繊維繊度が1.1〜22.2dtexの範囲にある請求項1又は2記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
  4. 非弾性捲縮短繊維が非弾性ポリエステル系捲縮短繊維である請求項1、2又は3記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
  5. 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が熱可塑性エラストマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
  6. 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が非弾性ポリエステル系ポリマーである請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
  7. 非弾性ポリエステル系ポリマーが共重合ポリエステルである請求項6記載の吸音用繊維構造体の製造方法。
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