JP4212755B2 - 吸音用繊維構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種部位に対しての成形性、および制振、吸音、遮音特性に優れる吸音用繊維構造体に関するものであり、詳しくは、車輌や住宅あるいは道路などの振動や騒音軽減に利用する事が出来る吸音材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車輌用や住宅用あるいは高速道路などの吸音、遮音材としては、ガラスウールやウレタンフォームなどが多く使用されてきた。例えば、自動車用の吸音材では、エンジンの騒音を車外あるいは車内への放出したい為に、木質ボードや再生繊維にフェノール樹脂などの熱硬化性バインダーを使用しているフェルト(特許132841号)、ガラス繊維などの無機繊維に熱可塑性樹脂を含浸しホットプレスやコールドプレスしたもの(特開昭59−227442、58−42897など)であった。また、高融点熱可塑性繊維(ポリエステル繊維)と低融点熱可塑性繊維から構成され、低融点熱可塑性繊維の一部を熱融着させたもの(特開平7−3599など)が提案されている。
【0003】
まず木質ボードや再生繊維をフェノール樹脂などの熱硬化性バインダーを使用しているフェルトは、さまざまな材料が混ざり合っている事や、リサイクルの観点から問題がある。また、フェノール樹脂は不快なニオイを放ち作業上にも問題がある。よってこのような構成のフェルトを使用する事は好ましくない。
【0004】
またガラスウール等の無機繊維に熱可塑性樹脂を含有したものは、耐熱性(難燃性)には優れた性質があるが、ガラス繊維は一般的に折れ易く刺さり易い事から作業性が極端に悪い。この事から、最近では一部で非ガラス繊維素材での開発が進んでいる事がある。
【0005】
次に低融点繊維と高融点繊維から構成され、低融点繊維の一部を熱融着させたもの(以後、繊維構造体)は寝具を含む各種クッション材として使用されているとともに、最近では吸音材用途にも拡大してきている。しかしながら、高融点繊維としてポリエステル繊維やナイロン繊維が提案、検討されているが、熱成型等を行うとどうしても剛直になり、低周波領域で有効な吸音材にはなり得ない上、吸音性能向上させることを優先する為、細デニール化が進み使用上必要な剛性が不十分なものばかりである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点を解消し、リサイクル性や製造の際の作業環境に問題がなく、吸音、遮音特性に優れなお且つ成形性の良好な吸音材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために、本発明者らは検討を重ね、捲縮短繊維の一部にポリトリメチレンテレフタレート短繊維を使用することによって上記問題が解決できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、捲縮短繊維と、該捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが、重量比率で90/10〜50/50となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密度が0.02〜0.20g/cm3の範囲にあり、且つ該捲縮短繊維がポリトリメチレンテレフタレート繊維を含み、且つ繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(b)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(a)とする時、b/aが1.5以上であることを特徴とする吸音用繊維構造体である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するポリトリメチレンテレフタレート繊維とはトリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位が約50%以上、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上のものをいう。従って第3成分としての他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が約50モル%以下、好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを含有する。
【0010】
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタール酸又はその機能的誘導体とトリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で適当な反応条件下に縮合せしめることにより製造される。この製造過程において、適当な一種又は二種以上の第3成分を添加して共重合ポリエステルとしても良いし、又ポリエチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロンなどとポリトリメチレンテレフタレートを別個に製造した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)しても良い。
【0011】
添加する第3成分としては、脂肪酸ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2ープロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)脂環族グリコール(シクロヘキサングリコール等)、芳香族ジオキシ化合物(ハイドロキノンビスフェノールA等)、芳香族を含む脂肪族グリコ−ル(1,4ービス(βーヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、脂肪族オキシカルボン酸(Pーオキシ安息香酸等)等が挙げられる。また、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲で使用できる。
【0012】
さらに、ポリトリメチレンテレフタレートには、二酸化チタン等の艶消し剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤、等を含有させても良い。
【0013】
これらの捲縮付与方法としては、▲1▼熱収縮率の異なるポリマーをサイド・バイ・サイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮の付与、▲2▼異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、▲3▼押し込み捲縮法によるジグザグ状捲縮を付与するなど種々の方法を用いれば良いが、嵩高性、製造コスト等の面から異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与するのが最も好ましい。
【0014】
また、該捲縮短繊維においてポリトリメチレンテレフタレート繊維以外の繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1、4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバロラクトン、またはこれらの共重合体からなる短繊維、または上記ポリマー成分のうち2種類以上からなる複合短繊維などを挙げることができる。これら短繊維のうち繊維成形性などの観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートからなる短繊維が特に好ましい。
【0015】
これらの捲縮付与方法としては、▲1▼熱収縮率の異なるポリマーをサイド・バイ・サイド型に張り合わせた複合繊維を用いてスパイラル状捲縮の付与、▲2▼異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与、▲3▼押し込み捲縮法によるジグザグ状捲縮を付与するなど種々の方法を用いれば良いが、嵩高性、製造コスト等の面から異方冷却によりスパイラル状捲縮を付与するのが最適である。
【0016】
本発明の熱接着性複合繊維の複合形態としては、サイド・バイ・サイド型、芯鞘型のいずれであってもよいが好ましいのは後者である。この芯鞘型においては非弾性ポリエステルが芯部となるが、該芯部は同心円状あるいは偏心状であっても良い。特に偏心状のものにあっては、スパイラル捲縮が発現するので、より好ましい。
【0017】
ここで、融着成分として配されるポリマーとしては、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物、ポリオレフィン系ポリマー及びその共重合物、ポリビニルアルコ−ル系ポリマー等を挙げることができ、ポリウレタン系エラストマーとしては、分子量が500〜6000程度の低融点ポリオール、例えばジヒドロキシポリエーテル、ジヒドロキシポリエステル、ジヒドロキシポリカーボネート、ジヒドロキシポリエステルアミド等と、分子量500以下の有機ジイソシアネート、例えばp,p’−ジフェニールメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート水素化ジフェニールメタンイソシアネート、キシリレンイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等と、分子量500以下の鎖伸長剤、例えばグリコールアミノアルコールあるいはトリオールとの反応により得られるポリマーである。このポリマーのうち、特に好ましいのはポリオールとしてはポリテトラメチレングリコール、またはポリ−ε−カプロラクタムあるいはポリブチレンアジペートを用いたポリウレタンである。この場合の有機ジイソシアネートとしてはp,p’−ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよび1,4−ブタンジオールを挙げることができる。
【0018】
また共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルが好ましい。
【0019】
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0020】
また、ポリエステル系エラストマーとしては熱可塑性ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重合してなるポリエーテルエステル共重合体、より具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールネオペンチルグリコール、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールあるいは1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンメタノール等の脂環式ジオール、またはこれらのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオール成分の少なくとも1種、および平均分子量が約400〜5000程度のポリエチレングリコール、ポリ(1,2−および1,3−ポリプロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)クリコールのうち少なくとも1種から構成される三元共重合体を挙げることができる。
【0021】
特に、接着性や温度特性、強度の面からすればポリブチレン系テレフタレートをハード成分とし、ポリオキシブチレングリコールをソフトセグメントとするブロック共重合ポリエーテルエステルが好ましい。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオール成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテレフタレートである。むろん、この酸成分の一部(通常30モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボン酸成分で置換されていても良く、同様にグリコール成分の一部(通常30モル%以下)はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分で置換されていても良い。また、ソフトセグメントを構成するポリエーテル部分はブチレングリコール以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであってよい。
【0022】
共重合ポリエステル系ポリマーとしては、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類および/またはヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸類と、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、パラキシレングリコールなどの脂肪族や脂環式ジオール類とを所定数含有し、所望に応じてパラヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類を添加した共重合エステル等を挙げることができ、例えばテレフタル酸とエチレングリコールとにおいてイソフタル酸および1,6−ヘキサンジオールを添加共重合させたポリエステルが好ましい。
【0023】
また、ポリオレフィンポリマーとしては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。
【0024】
しかしながら、上記の融着成分のうち、融着時の相手方の短繊維がポリエステル系ポリマーが主体になることが好ましいことから、該融着成分として配されるポリマーは、特に、共重合ポリエステル系ポリマーや熱可塑性ポリエステル系エラストマ−が好ましく、吸音特性や製造コストの観点から共重合ポリエステル系ポリマーを用いることが特に好ましい。
【0025】
本発明において、上記のトリメチレンテレフタレート繊維と上記熱接着型複合短繊維を混綿させ、加熱処理することにより該熱接着性複合短繊維が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体が形成される。
【0026】
この際、該捲縮短繊維はポリトリメチレンテレフタレート繊維を含むことが必要であり、その含有比率は繊維構造体全体の重量に対して少なくとも30重量%以上含むことが好ましい。該含有量が30重量%未満では、ソフトな風合いとなりにくく、目標とする吸音性能が得られない場合がある。
【0027】
さらに、捲縮短繊維熱接着型複合短繊維からなる本発明の吸音材は実質的にこの低融点成分により固着された部分を有する構造である必要があり、捲縮短繊維と熱接着型複合短繊維との重量比率は90/10〜50/50であることが必要である。熱接着型繊維が上記の割合より少ないと得られた繊維構造体の腰がなく、成形などに問題を生じる可能性があり、熱接着型繊維が上記の割合より多いと繊維構造体が硬くなりすぎ好ましくない。
【0028】
このような繊維構造体を製造する方法に特に限定はなく、従来公知の方法を任意に採用すれば良いが、例えば、捲縮短繊維と熱接着型複合繊維とを混綿しローラーカードにより均一なウェッブを紡出した後熱風サクション式熱処理機を用いて加熱熱処理し熱融着による固着点を形成させる方法などが好ましく例示される。
【0029】
本発明の吸音材の密度は0.02〜0.20g/cm3であることが必要である。密度が0.02g/cm3未満では、柔らか過ぎる構造となり好ましくなく、0.20g/cm3を超える場合、板状に近いくらい硬く、吸音特性の低下が懸念される。
【0030】
本発明の吸音材を構成する繊維の平均繊度は0.56〜11.1dtexの範囲にあることが好ましい。平均繊度が0.56未満の場合は、繊度が細く吸音特性は期待できるものの構成する繊維数が極端に多くなり成形性が不十分になるなど問題があり、一方、平均繊度が11.1dtexを超える場合は、吸音特性の低下があり好ましくない。
【0031】
繊維構造体を構成する繊維の配列については、通常の敷寝具に使用しているような硬綿のようにほぼ平行に並んでいるもの、吹き込み法によりランダムに配列しているものを用いても良いが、好ましくは繊維が厚み方向に対してタテに配列しているもの(繊維構造体の厚み方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(b)、垂直に配列されている繊維の総本数を(a)とした時、b/aが1.5以上である事)が最も好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受ける物ではない。なお、実施例中に記載した物性は以下の方法により測定した。
【0033】
(1)吸音特性
各繊維構造体について、JIS A 1405に基づき管内法により建築材料の垂直入射吸音率を測定した。
【0034】
(2)繊維の配列
吸音用繊維構造体の繊維方向を確認する為に、構造体の厚み方向に対して水平に配列している繊維(0°≦θ<45℃)の総本数を(b)、厚み方向に対して垂直に配列している繊維(45°≦θ≦90)の総本数を(a)として、b/aを算出した。
本数の測定は、任意の10ケ所について各々30本の繊維を透過型光学顕微鏡で観察し、その数を数えた。
【0035】
[実施例1]
異方冷却により立体捲縮を付与した単繊維繊度3dtex、繊維長51mmのポチトリメチレンテレフタレート短繊維と、同じく異方冷却により立体捲縮を付与した単繊維繊度3dtex、繊維長51mmのポリエチレンテレフタレート短繊維、更に、鞘成分に共重合ポリエステルを配し、芯成分にポリエチレンテレフタレートを配した単繊維繊度2dtex、繊維長51mmの熱接着性繊維(芯成分:鞘成分の重量比=50:50)を重量で30:40:30となるように混綿し、ローラーカードにより均一なウェッブを得た。得られたウェッブを一定の密度となるように型枠に入れ循環式熱風乾燥機で160℃×15分間の熱処理を行い熱融着による固着点を形成させて吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0036】
[実施例2]
実施例1において、熱接着性繊維として融点が150℃の熱可塑性ポリエーテルエステル系エラストマーを鞘成分に配し、ポリブチレンテレフタレートを芯成分に配した(芯成分:鞘成分の重量比=60:40)、単繊維繊度3dtex、繊維長51mmの熱接着性繊維を使用した以外は実施例1と同様に実施し、ローラーカードより均一なウェッブを得た。このウェッブを一定の密度となるように型枠に入れ循環式熱風乾燥機で200℃×15分間の熱処理を行い熱融着による固着点を形成させて吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0037】
[実施例3]
実施例1と同様の原綿及び比率からなる均一なウェッブを軽くニードルパンチングしたのち、繊維が厚み方向に対して経方向に配列するようにそのウェッブをアコーディオン状に折りたたみながら200℃で加熱処理し、熱融着による固着点を形成させて吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0038】
[実施例4]
実施例1で使用したトリメチレンテレフタレートと熱接着性繊維を重量費で80:20にする以外は実施例1と同様に実施して吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0039】
[比較例1]
実施例1において、ポチトリメチレンテレフタレート短繊維を使用せず、ポリエチレンテレフタレート短繊維と熱接着性繊維と重量比で70:30で混綿した以外は実施例1と同様に実施して吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0040】
[比較例2]
実施例1で使用した3種類の原綿を重量比で30:15:55とした以外は実施例1と同様に実施して吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0041】
[比較例3]
実施例1で使用した3種類の原綿を重量比で55:40:5とした以外は実施例1と同様に実施して吸音用繊維構造体を得た。得られた吸音用繊維構造体の物性を表1、2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004212755
【0043】
【表2】
Figure 0004212755
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、吸音、遮音特性が良好であるばかりでなく、成形性にも優れた吸音用複合繊維構造物が得られるので、車輌や住宅あるいは高速道路などの騒音軽減に好適に利用する事が出来る。

Claims (7)

  1. 捲縮短繊維と、該捲縮短繊維を構成するポリマーよりも40℃以上低い融点を有するポリマーが熱融着成分としてその表面に配された熱接着性複合短繊維とが、重量比率で90/10〜50/50となるように混綿され、該熱接着性複合短繊維同士が交差した状態で熱融着された固着点及び該熱接着性複合短繊維と該捲縮短繊維とが交差した状態で熱融着された固着点とが散在してなる繊維構造体であって、該繊維構造体の平均密度が0.02〜0.20g/cm3の範囲にあり、且つ該捲縮短繊維がポリトリメチレンテレフタレート繊維を含み、且つ繊維構造体の厚さ方向に対して平行に配列されている繊維の総本数を(b)とし、繊維構造体の厚さ方向に対して垂直に配列されている繊維の総本数を(a)とする時、b/aが1.5以上であることを特徴とする吸音用繊維構造体
  2. ポリトリメチレンテレフタレート繊維の含有比率が繊維構造体全体に対して30重量%以上である請求項1記載の吸音用繊維構造体。
  3. 繊維構造体を構成する繊維の平均繊度が0.56〜11.1dtexの範囲にある請求項1、2記載の吸音用繊維構造体。
  4. 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が非弾性ポリエステル系ポリマーである請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の吸音用繊維構造体。
  5. 非弾性ポリエステル系ポリマーが共重合ポリエステルである請求項4記載の吸音用繊維構造体。
  6. 熱接着性複合短繊維の熱融着成分が熱可塑性エラストマーである請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の吸音用繊維構造体。
  7. 熱可塑性エラストマーがポリエステル系エラストマーである請求項6記載の吸音用繊維構造体。
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