JP2000157825A - ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタ - Google Patents
ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタInfo
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- JP2000157825A JP2000157825A JP10334349A JP33434998A JP2000157825A JP 2000157825 A JP2000157825 A JP 2000157825A JP 10334349 A JP10334349 A JP 10334349A JP 33434998 A JP33434998 A JP 33434998A JP 2000157825 A JP2000157825 A JP 2000157825A
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- sheet
- gas adsorbing
- thickness
- gas
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 オゾンを初めとする有害なガスの除去性能が
高く、低圧損で、折り曲げ加工性が良好なガス吸着用シ
ート及び空気清浄用フィルタを提供すること。 【解決手段】 シート基材の両面に、ガス吸着層を形成
してなるガス吸着用シートであって、シート基材の厚み
が0.01〜0.1mmであり、且つ、ガス吸着層の厚
みがガス吸着用シートの厚みに対して40〜90%であ
ることを特徴とするガス吸着用シート。
高く、低圧損で、折り曲げ加工性が良好なガス吸着用シ
ート及び空気清浄用フィルタを提供すること。 【解決手段】 シート基材の両面に、ガス吸着層を形成
してなるガス吸着用シートであって、シート基材の厚み
が0.01〜0.1mmであり、且つ、ガス吸着層の厚
みがガス吸着用シートの厚みに対して40〜90%であ
ることを特徴とするガス吸着用シート。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス吸着用シート
及びそれをハニカム形状とした空気清浄用フィルタに関
するものであり、より詳しくはオゾン除去に優れ、かつ
難燃性を有するガス吸着用シート及びそれを用いた空気
清浄用フィルタに関するものである。
及びそれをハニカム形状とした空気清浄用フィルタに関
するものであり、より詳しくはオゾン除去に優れ、かつ
難燃性を有するガス吸着用シート及びそれを用いた空気
清浄用フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コロナ放電による帯電方式を採用した電
気集塵式空気清浄機や電子写真複写機などの事務用機器
では、コロナ放電が機内の空気中で行われるため多量の
オゾンが機内に発生する。このオゾンは非常に臭いの強
い、酸化性の強い気体であり、空気中に0.1ppmの濃度が
存在するだけで、息切れやめまい、吐き気、頭痛などの
生理作用を生じさせるものであるため、事務用機器とし
てはこのようなオゾンを機外へ漏洩させることは大きな
欠陥とされていた。
気集塵式空気清浄機や電子写真複写機などの事務用機器
では、コロナ放電が機内の空気中で行われるため多量の
オゾンが機内に発生する。このオゾンは非常に臭いの強
い、酸化性の強い気体であり、空気中に0.1ppmの濃度が
存在するだけで、息切れやめまい、吐き気、頭痛などの
生理作用を生じさせるものであるため、事務用機器とし
てはこのようなオゾンを機外へ漏洩させることは大きな
欠陥とされていた。
【0003】かかる問題を克服するため、当該事務用機
器の排気ダクトにオゾン除去フィルタを取り付けること
が従来から行われており、排気を効率的に行うという観
点から当該フィルタは通気抵抗の小さいハニカム構造体
が採用されていた。また、かかるフィルタにおいてオゾ
ンを除去する物質として、二酸化マンガン、二酸化ニッ
ケルなどの金属酸化物あるいは活性炭が使用されてい
た。
器の排気ダクトにオゾン除去フィルタを取り付けること
が従来から行われており、排気を効率的に行うという観
点から当該フィルタは通気抵抗の小さいハニカム構造体
が採用されていた。また、かかるフィルタにおいてオゾ
ンを除去する物質として、二酸化マンガン、二酸化ニッ
ケルなどの金属酸化物あるいは活性炭が使用されてい
た。
【0004】例えば、活性炭を用いたフィルターとし
て、特公昭63−31253号公報には、特定の細孔径
を有する繊維状活性炭をハニカム状に加工したフィルタ
が提案されている。しかし活性炭のみを使用した場合、
オゾンの除去は吸着の他、活性炭によるオゾンの還元分
解によっても進行するため、オゾンの除去とともに活性
炭の劣化が進行することは避けがたく、結果的に寿命が
短くなるという問題を生じていた。
て、特公昭63−31253号公報には、特定の細孔径
を有する繊維状活性炭をハニカム状に加工したフィルタ
が提案されている。しかし活性炭のみを使用した場合、
オゾンの除去は吸着の他、活性炭によるオゾンの還元分
解によっても進行するため、オゾンの除去とともに活性
炭の劣化が進行することは避けがたく、結果的に寿命が
短くなるという問題を生じていた。
【0005】そこで、オゾン除去能力の発現有効期間を
延ばそうとすれば繊維状活性炭の使用量を上げることが
必要となるが、繊維状活性炭では嵩密度が小さいため
に、シート状基材の厚みが増し、その結果、ハニカムの
空隙が小さくなり、圧力損失が増大するという問題を生
じていた。また、繊維状活性炭のみでは、ハニカム形状
に折り込み加工する際のシート状基材としての弾性強度
が不十分であった。このため当該フィルタでは、オゾン
除去性能を向上させることは勿論、その効果発現期間を
長くすることが実用上困難であり、フィルター加工にお
いても問題を有するものであった。
延ばそうとすれば繊維状活性炭の使用量を上げることが
必要となるが、繊維状活性炭では嵩密度が小さいため
に、シート状基材の厚みが増し、その結果、ハニカムの
空隙が小さくなり、圧力損失が増大するという問題を生
じていた。また、繊維状活性炭のみでは、ハニカム形状
に折り込み加工する際のシート状基材としての弾性強度
が不十分であった。このため当該フィルタでは、オゾン
除去性能を向上させることは勿論、その効果発現期間を
長くすることが実用上困難であり、フィルター加工にお
いても問題を有するものであった。
【0006】また、オゾン除去性能自体を向上させる目
的で、例えば特開昭62−286540号公報には、活
性炭に、カリウム化合物とナトリウム化合物を特定量混
合した活性炭成形体、特公平4−71641号公報に
は、特定の活性炭にアルカリ金属化合物またはアルカリ
土類金属化合物を添着し更に熱処理した活性炭が夫々提
案され、ガス吸着材のオゾン除去性能を向上させたフィ
ルターが開示されているが、シート状基材としての弾性
強度は不十分であり、また、シート状基材の厚みに起因
する圧力損失の大きいものであった。
的で、例えば特開昭62−286540号公報には、活
性炭に、カリウム化合物とナトリウム化合物を特定量混
合した活性炭成形体、特公平4−71641号公報に
は、特定の活性炭にアルカリ金属化合物またはアルカリ
土類金属化合物を添着し更に熱処理した活性炭が夫々提
案され、ガス吸着材のオゾン除去性能を向上させたフィ
ルターが開示されているが、シート状基材としての弾性
強度は不十分であり、また、シート状基材の厚みに起因
する圧力損失の大きいものであった。
【0007】このように、活性炭を用いたオゾン除去フ
ィルターで、圧力損失が小さく、且つ、折り曲げ加工時
の弾性強度が十分に満足し得るものは存在しないのが現
状である。
ィルターで、圧力損失が小さく、且つ、折り曲げ加工時
の弾性強度が十分に満足し得るものは存在しないのが現
状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決するためになされたものであり、本発明の目的は、シ
ート状基材とガス吸着層を機能別の構成とすることによ
り、オゾンを初めとする人体に有害なガスの除去性能が
高く且つ長寿命な上、低圧損で、折り曲げ加工が容易な
ガス吸着用シート及びそれを用いた空気清浄用フィルタ
を提供することにある。
決するためになされたものであり、本発明の目的は、シ
ート状基材とガス吸着層を機能別の構成とすることによ
り、オゾンを初めとする人体に有害なガスの除去性能が
高く且つ長寿命な上、低圧損で、折り曲げ加工が容易な
ガス吸着用シート及びそれを用いた空気清浄用フィルタ
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、シート
基材の両面に、ガス吸着層を形成してなるガス吸着用シ
ートであって、シート基材の厚みが0.01〜0.1m
mであり、且つ、ガス吸着層の厚みがガス吸着用シート
の厚みに対して40〜90%であるガス吸着用シートを
提供することである。
基材の両面に、ガス吸着層を形成してなるガス吸着用シ
ートであって、シート基材の厚みが0.01〜0.1m
mであり、且つ、ガス吸着層の厚みがガス吸着用シート
の厚みに対して40〜90%であるガス吸着用シートを
提供することである。
【0010】本発明のガス吸着用シートの好ましい実施
態様は、前記ガス吸着層に、活性炭と、アルカリ金属化
合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも一方
と、難燃剤とが含有されてなるものである。
態様は、前記ガス吸着層に、活性炭と、アルカリ金属化
合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも一方
と、難燃剤とが含有されてなるものである。
【0011】また、本発明は、上記のガス吸着用シート
を、開孔率が50%〜90%のハニカム形状としてなる
空気清浄用フィルタを提供するものである。
を、開孔率が50%〜90%のハニカム形状としてなる
空気清浄用フィルタを提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のガス吸着用シートは、厚
さが0.01〜0.1mmという薄いシート基材を骨材
として用い、その表裏両面にガス吸着層の厚みがガス吸
着用シート全体の40〜90%であるガス吸着層を形成
した3層構造としたことが大きな特徴である。即ち、シ
ート基材をガス吸着用シートに適度なしなやかさと強度
を保持するために用い、ガス吸着用シートの表面に位置
するガス吸着層に多くのオゾン分解剤を存在させること
により、高いオゾン分解性能を維持すると共に、従来の
活性炭成形体などに比べ強度・弾性を格段に高め、ハニ
カム形状への折り込み加工性を大幅に改善させたことを
特徴とするものである。なお、オゾンガスは活性炭と接
触分解すると言われる程反応時間が短く、表面層のオゾ
ン分解剤の効果が高いと考えられる。
さが0.01〜0.1mmという薄いシート基材を骨材
として用い、その表裏両面にガス吸着層の厚みがガス吸
着用シート全体の40〜90%であるガス吸着層を形成
した3層構造としたことが大きな特徴である。即ち、シ
ート基材をガス吸着用シートに適度なしなやかさと強度
を保持するために用い、ガス吸着用シートの表面に位置
するガス吸着層に多くのオゾン分解剤を存在させること
により、高いオゾン分解性能を維持すると共に、従来の
活性炭成形体などに比べ強度・弾性を格段に高め、ハニ
カム形状への折り込み加工性を大幅に改善させたことを
特徴とするものである。なお、オゾンガスは活性炭と接
触分解すると言われる程反応時間が短く、表面層のオゾ
ン分解剤の効果が高いと考えられる。
【0013】本発明のガス吸着用シートのガス吸着層の
厚みは、ガス吸着用シートの厚みに対して40〜90%
であることが必要である。ガス吸着層の厚みが40%未
満の場合、高いオゾン分解性能を維持することができ
ず、厚みが90%を越える場合は、ガス吸着層の層強度
が強くなりガス吸着シートにしなやかさがなくなる。こ
のためハニカム成型加工時にシート割れが起きやすくな
る。
厚みは、ガス吸着用シートの厚みに対して40〜90%
であることが必要である。ガス吸着層の厚みが40%未
満の場合、高いオゾン分解性能を維持することができ
ず、厚みが90%を越える場合は、ガス吸着層の層強度
が強くなりガス吸着シートにしなやかさがなくなる。こ
のためハニカム成型加工時にシート割れが起きやすくな
る。
【0014】本発明で使用するシート基材の厚みは、
0.01〜0.1mmであることが必要である。シート
基材の厚みが0.01mm未満の場合には、ハニカム形
状への折り込み加工の際の強度が不十分となり、シート
基材の厚みが0.1mmを越える場合には、結局ガス吸
着用シート全体の厚みが増加し、ハニカム形状のフィル
ターにした際の圧力損失が大きくなり、また、ガス吸着
剤の目付が不十分となる。
0.01〜0.1mmであることが必要である。シート
基材の厚みが0.01mm未満の場合には、ハニカム形
状への折り込み加工の際の強度が不十分となり、シート
基材の厚みが0.1mmを越える場合には、結局ガス吸
着用シート全体の厚みが増加し、ハニカム形状のフィル
ターにした際の圧力損失が大きくなり、また、ガス吸着
剤の目付が不十分となる。
【0015】本発明で使用するシート基材としては、例
えば抄紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂フィルム;アル
ミ箔や銅箔、ステンレス鋼などの金属シートが使用でき
る。抄紙の原料としては、レーヨンやポリエチレン、ポ
リエステル、ポリプロピレン等の短繊維又は木材系パル
プやマニラ麻パルプ、ポリオレフィン系パルプ、アクリ
ルパルプ、アラミドパルプなどのフィブリル化できる繊
維が挙げられる。シート基材の強度を上げるために、ポ
リビニルアルコール繊維やポリオレフィン系繊維、セラ
ミック繊維、ガラス繊維などを支持繊維として使用して
もよい。
えば抄紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ナイロンなどの樹脂フィルム;アル
ミ箔や銅箔、ステンレス鋼などの金属シートが使用でき
る。抄紙の原料としては、レーヨンやポリエチレン、ポ
リエステル、ポリプロピレン等の短繊維又は木材系パル
プやマニラ麻パルプ、ポリオレフィン系パルプ、アクリ
ルパルプ、アラミドパルプなどのフィブリル化できる繊
維が挙げられる。シート基材の強度を上げるために、ポ
リビニルアルコール繊維やポリオレフィン系繊維、セラ
ミック繊維、ガラス繊維などを支持繊維として使用して
もよい。
【0016】本発明において、シート基材中に、難燃剤
を含有させると難燃性の度合いが向上し、ガス吸着層の
難燃剤量が低減でき、ガス吸着層のオゾン分解剤の存在
比率が増加し、更に高いオゾン吸着性能が維持できる。
難燃剤をシート基材中に含有させるには、シート基材の
製造過程で難燃剤を添加しておけばよい。例えばシート
基材として抄紙を用いるときは、短繊維及びフィブリル
化した繊維の抄紙時に難燃剤を混合した後、一般的に知
られている湿式抄紙法によって抄造しシート基材とすれ
ばよい。このとき、当該物質と繊維との結合を高めるた
めに、ポリアクリルアミドや脱アセチル化キチンなどの
抄紙助剤を使用してもよい。また樹脂フィルムをシート
基材として用いるときは、当該樹脂を製造する工程ある
いは当該樹脂をシート化する工程において難燃剤をシー
ト基材中に添加しておけばよい。
を含有させると難燃性の度合いが向上し、ガス吸着層の
難燃剤量が低減でき、ガス吸着層のオゾン分解剤の存在
比率が増加し、更に高いオゾン吸着性能が維持できる。
難燃剤をシート基材中に含有させるには、シート基材の
製造過程で難燃剤を添加しておけばよい。例えばシート
基材として抄紙を用いるときは、短繊維及びフィブリル
化した繊維の抄紙時に難燃剤を混合した後、一般的に知
られている湿式抄紙法によって抄造しシート基材とすれ
ばよい。このとき、当該物質と繊維との結合を高めるた
めに、ポリアクリルアミドや脱アセチル化キチンなどの
抄紙助剤を使用してもよい。また樹脂フィルムをシート
基材として用いるときは、当該樹脂を製造する工程ある
いは当該樹脂をシート化する工程において難燃剤をシー
ト基材中に添加しておけばよい。
【0017】本発明で使用する活性炭としては、特に限
定はなく、これまで公知の活性炭が使用でき、かかる活
性炭は、例えば木材(木炭)やのこ屑、果実殻(ヤシ
殻、棉実殻、もみ殻、コーヒー豆など)、セルロース、
リグニン、パルプなどの植物系原料;褐炭、亜炭、泥
炭、無煙炭、石油スラッジなどの鉱物系原料等を素材と
し、塩化亜鉛などを使用した薬品賦活あるいは水蒸気な
どを用いたガス賦活等を施すことにより得られる。
定はなく、これまで公知の活性炭が使用でき、かかる活
性炭は、例えば木材(木炭)やのこ屑、果実殻(ヤシ
殻、棉実殻、もみ殻、コーヒー豆など)、セルロース、
リグニン、パルプなどの植物系原料;褐炭、亜炭、泥
炭、無煙炭、石油スラッジなどの鉱物系原料等を素材と
し、塩化亜鉛などを使用した薬品賦活あるいは水蒸気な
どを用いたガス賦活等を施すことにより得られる。
【0018】本発明で使用する活性炭の形状は、粉末
状、粒状、繊維状のいずれであってもよいが、ガス吸着
用シート中での密度を上げるには、粉末状や粒状のもの
が好ましい。
状、粒状、繊維状のいずれであってもよいが、ガス吸着
用シート中での密度を上げるには、粉末状や粒状のもの
が好ましい。
【0019】この際、粉粒状活性炭の粒径としては、1
〜150ミクロンが好ましく、より好ましくは1〜10
0ミクロンである。また、シート基材上に形成されたガ
ス吸着層に使用される活性炭の種類としては1〜30ミ
クロンの範囲がよい。粒径が1ミクロン未満の活性炭
は、飛散や凝着など取り扱い性が悪く、他方150ミク
ロンより大きい活性炭ではガス吸着性シートの薄層化が
困難であり、また当該シートからの活性炭の剥離を招く
おそれがある。
〜150ミクロンが好ましく、より好ましくは1〜10
0ミクロンである。また、シート基材上に形成されたガ
ス吸着層に使用される活性炭の種類としては1〜30ミ
クロンの範囲がよい。粒径が1ミクロン未満の活性炭
は、飛散や凝着など取り扱い性が悪く、他方150ミク
ロンより大きい活性炭ではガス吸着性シートの薄層化が
困難であり、また当該シートからの活性炭の剥離を招く
おそれがある。
【0020】本発明で使用する活性炭の比表面積は、8
00m2/g以上が好ましく、1,000m2/g以上が
より好ましい。活性炭の比表面積が800m2/gより
小さいと、オゾンの除去性能が低下するおそれがあるか
らである。
00m2/g以上が好ましく、1,000m2/g以上が
より好ましい。活性炭の比表面積が800m2/gより
小さいと、オゾンの除去性能が低下するおそれがあるか
らである。
【0021】本発明において、ガス吸着層中に含まれる
活性炭量は5〜50g/m2が好ましい。より好ましい
範囲について述べると、下限値としては、7g/m2以
上であり、さらに好ましくは10g/m2以上である。
他方上限としては、45g/m2以下であり、さらに好
ましくは40g/m2以下である。5g/m2未満の場合
は、十分なオゾン除去性能が得られず、他方50g/m
2を越える場合は、ガス吸着用シートの厚みが厚くなる
ため加工性が悪くなり、またハニカム形状に加工した場
合に開口率が小さくなって通過する空気の圧力損失が大
きくなるといった問題を生ずるおそれがある。
活性炭量は5〜50g/m2が好ましい。より好ましい
範囲について述べると、下限値としては、7g/m2以
上であり、さらに好ましくは10g/m2以上である。
他方上限としては、45g/m2以下であり、さらに好
ましくは40g/m2以下である。5g/m2未満の場合
は、十分なオゾン除去性能が得られず、他方50g/m
2を越える場合は、ガス吸着用シートの厚みが厚くなる
ため加工性が悪くなり、またハニカム形状に加工した場
合に開口率が小さくなって通過する空気の圧力損失が大
きくなるといった問題を生ずるおそれがある。
【0022】本発明において、ガス吸着用シートに含ま
れる活性炭の全含有量は、ガス吸着用シートに対して1
0〜80wt%が好ましい。より好ましい範囲について
述べると、下限値としては、20wt%以上である。他
方上限値としては、70wt%以下である。活性炭の含
有率が10wt%未満の場合、オゾン除去に機能する活
性炭量が不足するためオゾン除去が十分にはなされな
い。一方80wt%を越える場合、ガス吸着用シートの
強度が低下し、加工性が悪くなることがある。
れる活性炭の全含有量は、ガス吸着用シートに対して1
0〜80wt%が好ましい。より好ましい範囲について
述べると、下限値としては、20wt%以上である。他
方上限値としては、70wt%以下である。活性炭の含
有率が10wt%未満の場合、オゾン除去に機能する活
性炭量が不足するためオゾン除去が十分にはなされな
い。一方80wt%を越える場合、ガス吸着用シートの
強度が低下し、加工性が悪くなることがある。
【0023】本発明で使用するアルカリ金属化合物およ
びアルカリ土類金属化合物としては、それぞれアルカリ
金属およびアルカリ土類金属を含有する無機又は有機化
合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
ルカリ金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、リ
チウムなどのアルカリ金属類の水酸化物;酸化物;炭酸
塩、炭酸水素塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、こはく酸、フタル酸、フタル酸水素などの水溶性の
塩;ハロゲン化物などが挙げられる。またアルカリ土類
金属化合物としては、カルシウム、マグネシウム、バリ
ウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;酸化物;炭酸
塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩などの水溶性の塩;
ハロゲン化物などが挙げられる。使用に当たってはこれ
らのアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物
の一種または二種以上が使用できる。アルカリ金属化合
物やアルカリ土類金属化合物は、液状として使用しても
よいし、ペースト状として使用してもよい。
びアルカリ土類金属化合物としては、それぞれアルカリ
金属およびアルカリ土類金属を含有する無機又は有機化
合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、ア
ルカリ金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、リ
チウムなどのアルカリ金属類の水酸化物;酸化物;炭酸
塩、炭酸水素塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、こはく酸、フタル酸、フタル酸水素などの水溶性の
塩;ハロゲン化物などが挙げられる。またアルカリ土類
金属化合物としては、カルシウム、マグネシウム、バリ
ウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物;酸化物;炭酸
塩、酢酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩などの水溶性の塩;
ハロゲン化物などが挙げられる。使用に当たってはこれ
らのアルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物
の一種または二種以上が使用できる。アルカリ金属化合
物やアルカリ土類金属化合物は、液状として使用しても
よいし、ペースト状として使用してもよい。
【0024】本発明において、ガス吸着層中のアルカリ
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の添加量は、ガ
ス吸着層中の活性炭に対して10〜100wt%が好ま
しい。より好ましい範囲について述べると、下限値とし
ては、15wt%以上であり、より好ましくは20wt
%以上である。他方上限値としては、95wt%以下で
あり、より好ましくは90wt%以下である。アルカリ
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量が10
wt%より少ないとオゾン除去効果が小さくなるという
問題があり、100wt%より多いと、オゾン除去性能
は上がるが難燃性に劣るという問題がある。
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の添加量は、ガ
ス吸着層中の活性炭に対して10〜100wt%が好ま
しい。より好ましい範囲について述べると、下限値とし
ては、15wt%以上であり、より好ましくは20wt
%以上である。他方上限値としては、95wt%以下で
あり、より好ましくは90wt%以下である。アルカリ
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量が10
wt%より少ないとオゾン除去効果が小さくなるという
問題があり、100wt%より多いと、オゾン除去性能
は上がるが難燃性に劣るという問題がある。
【0025】本発明において、ガス吸着用シートに含ま
れるアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の
全含有量は、ガス吸着用シートに対して5〜60wt%
が好ましい。より好ましい範囲について述べると、下限
値としては、7wt%以上であり、より好ましくは10
wt%である。他方上限値としては、55wt%以下で
あり、より好ましくは50wt%以下である。アルカリ
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量が5w
t%より少ないと、オゾン除去効果が低いという問題が
あり、60wt%より多いと、難燃性に劣るという問題
がある。
れるアルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の
全含有量は、ガス吸着用シートに対して5〜60wt%
が好ましい。より好ましい範囲について述べると、下限
値としては、7wt%以上であり、より好ましくは10
wt%である。他方上限値としては、55wt%以下で
あり、より好ましくは50wt%以下である。アルカリ
金属化合物及びアルカリ土類金属化合物の含有量が5w
t%より少ないと、オゾン除去効果が低いという問題が
あり、60wt%より多いと、難燃性に劣るという問題
がある。
【0026】本発明で使用する難燃剤としては難溶性難
燃剤が好ましく、例えばメタリン酸アルミニウム、リン
酸メラミン、リン酸マグネシウム、縮合リン酸アミドな
どのリン系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどの無機系難燃剤が使用できる。これらの難燃
剤を一種または二種以上を併用してもよい。
燃剤が好ましく、例えばメタリン酸アルミニウム、リン
酸メラミン、リン酸マグネシウム、縮合リン酸アミドな
どのリン系難燃剤;水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウムなどの無機系難燃剤が使用できる。これらの難燃
剤を一種または二種以上を併用してもよい。
【0027】本発明において、ガス吸着層中の難燃剤の
添加量は、ガス吸着層中の活性炭に対して30〜130
wt%であることが好ましい。より好ましい範囲につい
て述べると、下限値としては、35wt%以上であり、
より好ましくは40wt%以上である。他方上限値とし
ては、125wt%以下であり、より好ましくは120
wt%以下である。難燃剤の含有量が30wt%より少
ないと、十分な難燃効果が得られず、ULの定める規格
を満足することができないという問題があり、130w
t%より多いと活性炭上のオゾン分割活性点が減少する
ため、ガス吸着用シートのオゾン除去性能が低下すると
いう問題がある。
添加量は、ガス吸着層中の活性炭に対して30〜130
wt%であることが好ましい。より好ましい範囲につい
て述べると、下限値としては、35wt%以上であり、
より好ましくは40wt%以上である。他方上限値とし
ては、125wt%以下であり、より好ましくは120
wt%以下である。難燃剤の含有量が30wt%より少
ないと、十分な難燃効果が得られず、ULの定める規格
を満足することができないという問題があり、130w
t%より多いと活性炭上のオゾン分割活性点が減少する
ため、ガス吸着用シートのオゾン除去性能が低下すると
いう問題がある。
【0028】本発明において、ガス吸着用シートに含ま
れる難燃剤の全含有量は、ガス吸着用シートに対して5
〜60wt%が好ましい。より好ましい範囲について述
べると、下限値としては、7wt%以上であり、より好
ましくは10wt%である。他方上限値としては、55
wt%以下であり、より好ましくは50wt%以下であ
る。難燃剤の含有量が5wt%より少ないと、十分な難
燃効果が得られず、ULの定める規格を満足することが
できないという問題があり、60wt%より多いと、活
性炭上のオゾン分割活性点が減少するため、ガス吸着用
シートのオゾン除去性能が低下するという問題がある。
れる難燃剤の全含有量は、ガス吸着用シートに対して5
〜60wt%が好ましい。より好ましい範囲について述
べると、下限値としては、7wt%以上であり、より好
ましくは10wt%である。他方上限値としては、55
wt%以下であり、より好ましくは50wt%以下であ
る。難燃剤の含有量が5wt%より少ないと、十分な難
燃効果が得られず、ULの定める規格を満足することが
できないという問題があり、60wt%より多いと、活
性炭上のオゾン分割活性点が減少するため、ガス吸着用
シートのオゾン除去性能が低下するという問題がある。
【0029】本発明において、シート基材上のガス吸着
層の形成には、コーター法、グラビア法など公知のコー
ティング方法が使用できる。具体的には、活性炭と、ア
ルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少な
くとも一方と、難溶性難燃剤を接着剤及び必要により増
粘剤と共に混合しペースト状とした後、コーター法、グ
ラビア法などによってシート基材上に塗布しガス吸着層
を形成する。シート基材の両側面にガス吸着層を形成す
る場合は、片側面にガス吸着層を形成する上記処理を両
側面において施せばよい。図1(a)乃至(b)にシー
ト基材の両側面にガス吸着層を形成した本発明に係るガ
ス吸着用シートの好適態様例を示す。
層の形成には、コーター法、グラビア法など公知のコー
ティング方法が使用できる。具体的には、活性炭と、ア
ルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少な
くとも一方と、難溶性難燃剤を接着剤及び必要により増
粘剤と共に混合しペースト状とした後、コーター法、グ
ラビア法などによってシート基材上に塗布しガス吸着層
を形成する。シート基材の両側面にガス吸着層を形成す
る場合は、片側面にガス吸着層を形成する上記処理を両
側面において施せばよい。図1(a)乃至(b)にシー
ト基材の両側面にガス吸着層を形成した本発明に係るガ
ス吸着用シートの好適態様例を示す。
【0030】本発明のガス吸着用シートの厚さは、0.
02〜0.3mmが好ましく、より好ましくは0.03
mm〜0.25mmである。0.02mmより薄いとオ
ゾン除去、難燃性の効果が小さく、0.3mmより厚い
とシートが厚くなり、ハニカム形状にシートを加工した
場合に開口率が小さくなって、通過する空気の圧力損失
が大きくなるといった問題が起こるおそれがある。
02〜0.3mmが好ましく、より好ましくは0.03
mm〜0.25mmである。0.02mmより薄いとオ
ゾン除去、難燃性の効果が小さく、0.3mmより厚い
とシートが厚くなり、ハニカム形状にシートを加工した
場合に開口率が小さくなって、通過する空気の圧力損失
が大きくなるといった問題が起こるおそれがある。
【0031】本発明のガス吸着用シートの目付は、10
〜150g/m2が好ましい。より好ましくは20〜1
00g/m2である。当該シートが10g/m2より軽い
とオゾン除去、難燃性の効果が小さく、150g/m2
より重いとシートが厚くなり、ハニカム形状にシートを
加工した場合に開口率が小さくなって、通過する空気の
圧力損失が大きくなるといった問題が起こるおそれがあ
る。
〜150g/m2が好ましい。より好ましくは20〜1
00g/m2である。当該シートが10g/m2より軽い
とオゾン除去、難燃性の効果が小さく、150g/m2
より重いとシートが厚くなり、ハニカム形状にシートを
加工した場合に開口率が小さくなって、通過する空気の
圧力損失が大きくなるといった問題が起こるおそれがあ
る。
【0032】本発明のガス吸着用シートをハニカム形状
とするには、従来公知の加工方法を用いることができ
る。なお本発明においてハニカム形状とは、断面が六画
形状のものの他、四角、正弦波形、ロール形のものなど
中空多角柱、円柱などの中空柱体が連続したものをい
う。例えば、ガス吸着用シートを正弦波形のハニカム形
状とするには、まずガス吸着用シートを賦形ロールに通
して波形に賦形し、波形の当該ガス吸着用シートの片面
または両面に平らなシートを接合する。これを積層化し
て正弦波形のハニカム形状のフィルタとする。ここで、
波形の頂点に接着剤を付けて固定するのが普通である
が、波形のガス吸着用シートを積層するとその間にある
平らなシートは必然的に固定されるので、必ずしも接着
剤を付ける必要はない。なお、接着剤を付ける場合はシ
ートの吸着能を損なわないものを使用する必要がある。
接着剤としては例えば、コーンスターチに若干の合成の
りを混ぜたものが好適に使用できる。図2を参照して、
オゾン除去性能を高めるためには、波形のガス吸着用シ
ートの接着ピッチを小さくし、山高さを低くするとよ
い。好適範囲としては、ピッチ幅は0.5〜8mm、ピ
ッチ高は0.4〜5mmである。
とするには、従来公知の加工方法を用いることができ
る。なお本発明においてハニカム形状とは、断面が六画
形状のものの他、四角、正弦波形、ロール形のものなど
中空多角柱、円柱などの中空柱体が連続したものをい
う。例えば、ガス吸着用シートを正弦波形のハニカム形
状とするには、まずガス吸着用シートを賦形ロールに通
して波形に賦形し、波形の当該ガス吸着用シートの片面
または両面に平らなシートを接合する。これを積層化し
て正弦波形のハニカム形状のフィルタとする。ここで、
波形の頂点に接着剤を付けて固定するのが普通である
が、波形のガス吸着用シートを積層するとその間にある
平らなシートは必然的に固定されるので、必ずしも接着
剤を付ける必要はない。なお、接着剤を付ける場合はシ
ートの吸着能を損なわないものを使用する必要がある。
接着剤としては例えば、コーンスターチに若干の合成の
りを混ぜたものが好適に使用できる。図2を参照して、
オゾン除去性能を高めるためには、波形のガス吸着用シ
ートの接着ピッチを小さくし、山高さを低くするとよ
い。好適範囲としては、ピッチ幅は0.5〜8mm、ピ
ッチ高は0.4〜5mmである。
【0033】本発明の空気清浄用フィルタの開口率は、
シートの厚みやピッチ、山の高さを調整することによっ
て制御することができ、好適範囲としては50〜90%
である。開口率が50%未満の場合、通過する流体の圧
力損失が大きくなり、90%を越える場合は、強度面で
耐久性が落ちるおそれがある。
シートの厚みやピッチ、山の高さを調整することによっ
て制御することができ、好適範囲としては50〜90%
である。開口率が50%未満の場合、通過する流体の圧
力損失が大きくなり、90%を越える場合は、強度面で
耐久性が落ちるおそれがある。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は重量部を、「%」
は「重量%」を示すものとする。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお特に断りのない限り、実施
例および比較例に記載された「部」は重量部を、「%」
は「重量%」を示すものとする。
【0035】実施例1 レーヨン(1.5d×5mm)45部、ポリエステル4
5部、バインダーとしてのポリビニルアルコール10部
を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿式抄
紙機で抄紙(目付18g/m2、厚さ0.07mm)を
製造した。
5部、バインダーとしてのポリビニルアルコール10部
を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿式抄
紙機で抄紙(目付18g/m2、厚さ0.07mm)を
製造した。
【0036】このシート基材の両側表面に、粉末活性炭
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で2:1:2の割合で混合し、さらにアルギン酸ナ
トリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上にコ
ート加工し、目付88g/m2、厚さ0.16mmのガ
ス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成された
ガス吸着層の厚さは全体の56%であった。次に、コル
ゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ2.2
mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成形し
た。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加工し
て層長15mm、開口率58%のハニカム形状のフィル
タを得た。このフィルタを下記に示す方法によって評価
したところ、圧力損失1.6mmAq、初期オゾン除去
率97%、300時間後オゾン除去率91%であった。
また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づく試
験の結果、V−0の難燃性であった。結果をまとめて表
1に示す。
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で2:1:2の割合で混合し、さらにアルギン酸ナ
トリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上にコ
ート加工し、目付88g/m2、厚さ0.16mmのガ
ス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成された
ガス吸着層の厚さは全体の56%であった。次に、コル
ゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ2.2
mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成形し
た。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加工し
て層長15mm、開口率58%のハニカム形状のフィル
タを得た。このフィルタを下記に示す方法によって評価
したところ、圧力損失1.6mmAq、初期オゾン除去
率97%、300時間後オゾン除去率91%であった。
また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づく試
験の結果、V−0の難燃性であった。結果をまとめて表
1に示す。
【0037】評価方法 (圧力損失)ハニカム形状のフィルタを直径65mm、
厚さ15mmに切断し、直径65mmのガラスカラムに
セットする。風速1m/secの条件でフィルタの圧力
損失を測定した。なお、圧力測定はマノスターゲージを
用いて測定した。
厚さ15mmに切断し、直径65mmのガラスカラムに
セットする。風速1m/secの条件でフィルタの圧力
損失を測定した。なお、圧力測定はマノスターゲージを
用いて測定した。
【0038】(オゾン除去率)ハニカム形状のフィルタ
を直径65mm、厚さ15mmに切断し、直径65mm
のガラスカラムにセットする。ここにオゾン濃度1PP
Mの空気を1m/secで通し、1回の通過でのオゾン
除去率を測定する。なおオゾン濃度は紫外線吸収法オゾ
ン濃度測定器で測定した。測定条件は、温度25±2
℃、湿度50±5%である。
を直径65mm、厚さ15mmに切断し、直径65mm
のガラスカラムにセットする。ここにオゾン濃度1PP
Mの空気を1m/secで通し、1回の通過でのオゾン
除去率を測定する。なおオゾン濃度は紫外線吸収法オゾ
ン濃度測定器で測定した。測定条件は、温度25±2
℃、湿度50±5%である。
【0039】(難燃性評価法)ULで定めるUL94V
試験法に基づいて評価した(Standard for Test forFla
mmability of Plastic Materials for Parts in Device
s and Appliances.Vertical Burning Test ;94V-0,94V-
1,94V-2)。UL94試験法に定められた有炎燃焼時
間、無炎燃焼時間から燃焼性のグレードを求め、定めら
れた基準に達しないものは難燃性を不合格とした。
試験法に基づいて評価した(Standard for Test forFla
mmability of Plastic Materials for Parts in Device
s and Appliances.Vertical Burning Test ;94V-0,94V-
1,94V-2)。UL94試験法に定められた有炎燃焼時
間、無炎燃焼時間から燃焼性のグレードを求め、定めら
れた基準に達しないものは難燃性を不合格とした。
【0040】実施例2 実施例1のシート基材に粉末活性炭(平均粒径10ミク
ロン、比表面積1200m2/g)、酢酸カリウムおよ
びリン酸メラミンを重量比で2:1:1.8の割合で混
合し、さらにアルギン酸ナトリウムを加えて、ペースト
状としてシート基材上にコート加工し、目付88g/m
2、厚さ0.16mmのガス吸着用シートを製造した。
シート基材上に形成されたガス吸着層の厚さは全体の5
8%であった。次に、コルゲート加工機を用いてガス吸
着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの片
段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを7
0段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率65%
のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを下記
に示す方法によって評価したところ、圧力損失1.6m
mAq、初期オゾン除去率97%、300時間後オゾン
除去率90%であった。また片段ボールシートの難燃性
は、UL94に基づく試験の結果、V−0の難燃性であ
った。結果をまとめて表1に示す。
ロン、比表面積1200m2/g)、酢酸カリウムおよ
びリン酸メラミンを重量比で2:1:1.8の割合で混
合し、さらにアルギン酸ナトリウムを加えて、ペースト
状としてシート基材上にコート加工し、目付88g/m
2、厚さ0.16mmのガス吸着用シートを製造した。
シート基材上に形成されたガス吸着層の厚さは全体の5
8%であった。次に、コルゲート加工機を用いてガス吸
着用シートをピッチ2.2mm、山高さ1.0mmの片
段ボールシートに成形した。この片段ボールシートを7
0段に重ね、切断加工して層長15mm、開口率65%
のハニカム形状のフィルタを得た。このフィルタを下記
に示す方法によって評価したところ、圧力損失1.6m
mAq、初期オゾン除去率97%、300時間後オゾン
除去率90%であった。また片段ボールシートの難燃性
は、UL94に基づく試験の結果、V−0の難燃性であ
った。結果をまとめて表1に示す。
【0041】比較例1 レーヨン(1.5d×5mm)45部、ポリエステル4
5部、バインダーとしてのポリビニルアルコール10部
を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿式抄
紙機で抄紙(目付36g/m2、厚さ0.15mm)を
製造した。
5部、バインダーとしてのポリビニルアルコール10部
を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿式抄
紙機で抄紙(目付36g/m2、厚さ0.15mm)を
製造した。
【0042】このシート基材の両側表面に、粉末活性炭
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で2:1:2の割合で混合し、さらにアルギン酸ナ
トリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上にコ
ート加工し、目付106g/m2、厚さ0.24mmの
ガス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成され
たガス吸着層の厚さは全体の42%であった。次に、コ
ルゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ2.
2mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成形し
た。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加工し
て層長15mm、開口率36%のハニカム形状のフィル
タを得た。このフィルタを下記に示す方法によって評価
したところ、圧力損失4.5mmAq、初期オゾン除去
率95%、300時間後オゾン除去率88%であった。
また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づく試
験の結果、V−1の難燃性であった。結果をまとめて表
1に示す。
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で2:1:2の割合で混合し、さらにアルギン酸ナ
トリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上にコ
ート加工し、目付106g/m2、厚さ0.24mmの
ガス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成され
たガス吸着層の厚さは全体の42%であった。次に、コ
ルゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ2.
2mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成形し
た。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加工し
て層長15mm、開口率36%のハニカム形状のフィル
タを得た。このフィルタを下記に示す方法によって評価
したところ、圧力損失4.5mmAq、初期オゾン除去
率95%、300時間後オゾン除去率88%であった。
また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づく試
験の結果、V−1の難燃性であった。結果をまとめて表
1に示す。
【0043】比較例2 活性炭(平均粒径20ミクロン、比表面積1200m2
/g)45部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30
度)48部、バインダーとしてのポリビニルアルコール
7部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿
式抄シート機で抄シート(目付26g/m2、厚さ0.
12mm)を製造した。
/g)45部、叩解されたマニラ麻パルプ(濾水度30
度)48部、バインダーとしてのポリビニルアルコール
7部を混合してスラリーをつくり、これをヤンキー型湿
式抄シート機で抄シート(目付26g/m2、厚さ0.
12mm)を製造した。
【0044】このシート基材の両側表面に、粉末活性炭
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で1:1:1.8の割合で混合し、さらにアルギン
酸ナトリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上
にコート加工し、目付83g/m2、厚さ0.18mm
のガス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成さ
れたガス吸着層の厚さは全体の33%であった。次に、
コルゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ
2.2mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成
形した。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加
工して層長15mm、開口率52%のハニカム形状のフ
ィルタを得た。このフィルタを下記に示す方法によって
評価したところ、圧力損失1.8mmAq、初期オゾン
除去率96%、300時間後オゾン除去率78%であっ
た。また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づ
く試験の結果、V−0の難燃性であった。結果をまとめ
て表1に示す。
(平均粒径10ミクロン、比表面積1200m2/
g)、酢酸カリウムおよびメタリン酸アルミニウムを重
量比で1:1:1.8の割合で混合し、さらにアルギン
酸ナトリウムを加えて、ペースト状としてシート基材上
にコート加工し、目付83g/m2、厚さ0.18mm
のガス吸着用シートを製造した。シート基材上に形成さ
れたガス吸着層の厚さは全体の33%であった。次に、
コルゲート加工機を用いてガス吸着用シートをピッチ
2.2mm、山高さ1.0mmの片段ボールシートに成
形した。この片段ボールシートを70段に重ね、切断加
工して層長15mm、開口率52%のハニカム形状のフ
ィルタを得た。このフィルタを下記に示す方法によって
評価したところ、圧力損失1.8mmAq、初期オゾン
除去率96%、300時間後オゾン除去率78%であっ
た。また片段ボールシートの難燃性は、UL94に基づ
く試験の結果、V−0の難燃性であった。結果をまとめ
て表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】ガス吸着層に、活性炭と、アルカリ金属化
合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも一方
と、難溶性難燃剤とがそれぞれ含有されている実施例1
乃至4のガス吸着用シートでは、300時間後であって
もオゾン除去率が90%以上維持され、また難燃性評価
は、V−0又はV−1と事務機器の部品として使用でき
るレベルのものであった。一方、シート基材の厚みが
0.14の比較例1のガス吸着用シートでは、圧力損失
が4.5mmAqと実施例と比較して、約3倍である。
またシート基材中に活性炭を混合した比較例2は、オゾ
ン分解剤量は実施例と同等であるが、ガス吸着層の層厚
が40%未満であるため、300時間経過後のオゾン除
去率が78%と低い値となっている。
合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも一方
と、難溶性難燃剤とがそれぞれ含有されている実施例1
乃至4のガス吸着用シートでは、300時間後であって
もオゾン除去率が90%以上維持され、また難燃性評価
は、V−0又はV−1と事務機器の部品として使用でき
るレベルのものであった。一方、シート基材の厚みが
0.14の比較例1のガス吸着用シートでは、圧力損失
が4.5mmAqと実施例と比較して、約3倍である。
またシート基材中に活性炭を混合した比較例2は、オゾ
ン分解剤量は実施例と同等であるが、ガス吸着層の層厚
が40%未満であるため、300時間経過後のオゾン除
去率が78%と低い値となっている。
【0047】
【発明の効果】本発明のガス吸着用シートによれば、オ
ゾンを初めとする人体に有害なガスを効率的に除去する
ことができ、また、圧力損失を小さく抑さえて、且つ、
折り曲げ加工性が良好なガス吸着シートを提供すること
が可能である。また当該シートは長期間使用しても性能
が落ちず、しかもULの定める難燃性の基準を満足する
ものである。従って、事務用機器などの各種分野に適用
することが可能である。
ゾンを初めとする人体に有害なガスを効率的に除去する
ことができ、また、圧力損失を小さく抑さえて、且つ、
折り曲げ加工性が良好なガス吸着シートを提供すること
が可能である。また当該シートは長期間使用しても性能
が落ちず、しかもULの定める難燃性の基準を満足する
ものである。従って、事務用機器などの各種分野に適用
することが可能である。
【図1】ガス吸着層を形成した本発明のガス吸着用シー
トの断面概略図である。
トの断面概略図である。
【図2】本発明のガス吸着用シートを片段ボールシート
とした断面概略図である。
とした断面概略図である。
1:シート基材 2:ガス吸着層 3:活性炭 4:アルカリ金属化合物 5:難燃剤 6:ガス吸着用シート
Claims (3)
- 【請求項1】 シート基材の両面に、ガス吸着層を形成
してなるガス吸着用シートであって、シート基材の厚み
が0.01〜0.1mmであり、且つ、ガス吸着層の厚
みがガス吸着用シートの厚みに対して40〜90%であ
ることを特徴とするガス吸着用シート。 - 【請求項2】 前記ガス吸着層に、活性炭と、アルカリ
金属化合物およびアルカリ土類金属化合物の少なくとも
一方と、難燃剤とが含有されてなることを特徴とする請
求項1に記載のガス吸着用シート。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガス吸着用シー
トを、開孔率が50%〜90%のハニカム形状としてな
ることを特徴とする空気清浄用フィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10334349A JP2000157825A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10334349A JP2000157825A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000157825A true JP2000157825A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18276382
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10334349A Pending JP2000157825A (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | ガス吸着用シート及び空気清浄用フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000157825A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003047820A (ja) * | 2001-08-08 | 2003-02-18 | Toyobo Co Ltd | ガス吸着シート及び空気浄化用フィルタ |
-
1998
- 1998-11-25 JP JP10334349A patent/JP2000157825A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003047820A (ja) * | 2001-08-08 | 2003-02-18 | Toyobo Co Ltd | ガス吸着シート及び空気浄化用フィルタ |
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