JPH07155521A - 粒子担持フィルタおよび該粒子担持フィルタの製造方法 - Google Patents

粒子担持フィルタおよび該粒子担持フィルタの製造方法

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JPH07155521A
JPH07155521A JP5309426A JP30942693A JPH07155521A JP H07155521 A JPH07155521 A JP H07155521A JP 5309426 A JP5309426 A JP 5309426A JP 30942693 A JP30942693 A JP 30942693A JP H07155521 A JPH07155521 A JP H07155521A
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functional particles
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filter substrate
resin
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JP5309426A
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Toru Sakurai
櫻井  亨
Masao Matsukura
正雄 松倉
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Japan Tobacco Inc
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  • Filtering Materials (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】担持された粒子の脱落をほぼ完全に防止するこ
とができる粒子担持フィルタおよび該粒子担持フィルタ
の製造方法を提供する。 【構成】ハニカム状の紙製フィルタ基体11の表面上に
バインダ層12が形成されている。バインダ層12の表
面上に被着した粒状の活性炭13が被着されている。活
性炭13が被着したバインダ層12の露出表面を被覆
し、かつ、バインダ層12と活性炭13の間並びに隣り
合う活性炭13の間を融着するようにポリエチレンから
なる樹脂部21が形成されている。樹脂部21はバイン
ダ層12の表面上に活性炭13が付着したフィルタ基体
11にポリエチレン粉末を付着させた後フィルタ基体1
1を加熱溶融した後降下させることにより形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱臭剤粒子や触媒のよ
うな粒子を担持するフィルタおよびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、特開平3−123625
号公報に記載されたような、活性炭等の脱臭剤粒子をバ
インダを介してフィルタ基体に担持させた脱臭フィルタ
が知られている。このような脱臭フィルタは、一般家庭
やオフィス等の室内用エアコンや、自動車または列車の
ような車内エアコンにおいて、脱臭用のフィルタとして
使用されている。
【0003】また、フィルタ基体に触媒をバインダを介
して担持させたフィルタも知られていおり、これらは、
例えば、特公昭54−37594号公報、特開昭51−
55788号公報で開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
粒子を担持させたフィルタは、バインダによる接着力が
不十分であるため、運搬時の振動や他のものとの接触、
使用時のエアコン自体の振動、車内エアコンの場合には
車両の振動によって、フィルタ基体から粒子が脱落しや
すい。このため、運搬に慎重を要し、室内や車内が汚れ
たりする問題がある。この結果、振動が酷い状態での使
用が制限されることが多い。
【0005】このような課題を解決するために、粒子担
持フィルタを製造した後に強制的に振動または衝撃を与
えて、付着状況が悪い粒子を予め落下させてしまうこと
が行われている。しかし、粒子の脱落を抑制する効果が
少なく、アルミニウム箔のような復元性がないフィルタ
基体や壊れやすい粒子を担持させたフィルタには適用で
きない。
【0006】また、フィルタの周囲を、担持させた粒子
よりも小さい目開きを有するネットや不織布で覆うこと
も考えられる。しかし、この場合、フィルタの圧力損失
が著しく増大するので好ましくない。
【0007】既に粒子をバインダで担持させたフィルタ
に、さらに、溶液状のバインダを噴霧または塗布して乾
燥させることも考えられる。しかし、粒子の表面をバイ
ンダが覆ってしまうので、その機能が著しく低下する。
特に、活性炭のような細孔を有する脱臭剤粒子は、細孔
内にバインダ溶液が侵入して硬化してしまうため、特に
性能低下が著しく、バインダの乾燥にも時間がかかる。
【0008】一方、フィルタ基体に、紙のような吸湿性
で耐水性が低い材料を使用した場合、使用中にフィルタ
基体が吸湿し、寸法が変形してしまう。当然ながらこの
ようなフィルタ基体は水中では使用できない。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、担持された粒子の脱落をほぼ完全に防止するこ
とができる粒子担持フィルタおよび該粒子担持フィルタ
の製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、フィルタ基
体、前記フィルタ基体の表面上に設けられたバインダ
層、前記バインダ層の表面上に被着した複数の機能性粒
子、および、前記機能性粒子が被着したバインダ層の露
出表面を被覆し、かつ、前記バインダ層と前記機能性粒
子の間並びに隣り合う前記機能性粒子の間を融着する熱
可塑性樹脂からなる樹脂部を具備することを特徴とする
粒子担持フィルタを提供する。
【0011】また、本発明は、フィルタ基体の表面上に
バインダを塗布してバインダ層を形成する工程、機能性
粒子を前記バインダ層が形成された前記フィルタ基体に
供与して前記バインダ層の表面上に前記機能性粒子を被
着させる工程、前記機能性粒子と同時にまたは前記機能
性粒子を被着させた後に熱可塑性樹脂からなる樹脂粉末
を前記フィルタ基体に供与して前記バインダ層の表面お
よび前記バインダ層と前記機能性粒子の間並びに隣り合
う前記機能性粒子の間に付着させる工程、および、前記
樹脂粉末が付着した前記フィルタ基体を前記樹脂粉末の
溶融温度よりも高い温度に加熱して前記樹脂粉末を溶融
させた後に硬化させて前記機能性粒子が被着したバイン
ダ層の露出表面を被覆しかつ前記バインダ層と前記機能
性粒子の間並びに隣り合う前記機能性粒子の間を融着す
る樹脂部を形成する工程を具備することを特徴とする粒
子担持フィルタの製造方法を提供する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
粒子担持フィルタに用いられるフィルタ基体は、特に制
限されないが、その用途や使用環境に応じて適宜選択さ
れる。フィルタ基体の材質は、例えば、フィルタ基体の
形状は、例えば、紙、織布、不織布等の天然あるいは合
成繊維素材、ウレタン、ゴム、プラスチック等の天然あ
るいは合成の樹脂素材、アルミナ、シリカ、ジルコニア
等の無機元素の酸化物であるセラミックス、アルミニウ
ム、鉄、銅、鉛、または、それらの合金加工、メッキ加
工の施された金属素材である。また、フィルタ基体の形
状は、例えば、ハニカム状、シート状、立体網目構造
体、格子状である。
【0013】また、本発明の粒子担持フィルタのバイン
ダ層に用いられるバインダは、特に限定されないが、使
用されるフィルタ基体および機能性粒子の種類に応じて
適宜選択される。例えば、水性または有機溶媒性のエマ
ルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、
合成ゴム系粘着剤またはシリコーンゴム系粘着剤が使用
できる。
【0014】バインダ層の厚さは、例えば、10〜30
0μmであるが、好ましくは、50〜150μmであ
る。また、本発明の粒子担持フィルタに用いられる機能
性粒子は、例えば、活性炭等の脱臭剤粒子、白金、金、
マンガン酸化物等の触媒粒子、芳香剤粒子、シリカゲル
等の脱水剤粒子のようなフィルタ基体上で一定の機能を
発揮し得る粒子をいう。
【0015】また、本発明の粒子担持フィルタにおいて
樹脂部を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、変性エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
酢酸ビニル−塩化ビニルグラフト共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン、エチレン・塩化ビニル共重合体、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、ポリエーテルエーテルケトンまた
はブタジエン・スチレン・メチルメタクリレート共重合
体が挙げられる。この樹脂は、フィルタの用途や使用環
境に応じて適宜選択される。室内や車内用エアコンのフ
ィルタは、比較的低い温度条件下で使用されるため、ポ
リエチレン、ポリプロピレンのような比較的低耐熱性の
樹脂も使用できる。
【0016】この樹脂部は、機能性粒子が被着したバイ
ンダ層の露出表面を被覆し、かつ、バインダ層と機能性
粒子の間並びに隣り合う機能性粒子の間を融着するよう
に形成される。すなわち、例えば、上述の熱可塑性樹脂
を溶融温度以上に加熱し溶融させると、溶融した樹脂
は、バインダ層の表面上に広がり、かつ、バインダ層と
機能性粒子の間並びに隣り合う機能性粒子の間に侵入す
る。この後、樹脂を冷却して硬化させると、樹脂部が、
バインダ層の表面を覆い、また、バインダ層と機能性粒
子の間並びに隣り合う機能性粒子の間を融着する。
【0017】次に、本発明の粒子担持フィルタの製造方
法について説明する。まず、フィルタ基体の表面上にバ
インダを塗布してバインダ層を形成する。バインダの塗
布とは、例えば、スプレー等による噴霧、はけ等を用い
た塗り付け、または、バインダ中への浸漬を包含する。
【0018】次に、機能性粒子を、バインダ層が形成さ
れたフィルタ基体に供与してバインダ層の表面上に機能
性粒子を被着させる。例えば、機能性粒子をバインダ層
が形成されたフィルタ基体上に散布して行う。付着させ
る機能性粒子の量はフィルタの仕様に応じて決定され
る。次いで、余分な機能性粒子は、フィルタ基体を振動
させることにより払落とすことができる。
【0019】この機能性粒子の付着と同時に、または、
その後に、樹脂粉末を例えば散布することによりフィル
タ基体に供与する。また、機能性粒子および樹脂粉末は
予め混合した後に、一緒にフィルタ基体に供与すること
もできる。この後、フィルタ基体を振動させて、余分な
樹脂粉末を払落とすこともできる。
【0020】次に、樹脂粉末が付着したフィルタ基体
を、樹脂粉末の溶融温度よりも高い温度に加熱して樹脂
粉末を溶融させ、最後に、フィルタ基体を、自然にまた
は強制的に冷却して樹脂を硬化させて、上述のような樹
脂部を形成する。
【0021】このような製造方法において、機能性粒子
および樹脂粉末の大きさ、機能性粒子および樹脂粉末の
使用量の割合は、フィルタの仕様に合わせて決定するこ
とができる。しかし、樹脂粉末の使用量は、機能性粒子
の1重量%以上200重量%以下で、好ましくは、1重
量%以上60重量%以下である。15重量%未満では、
機能性粒子の付着性の向上を十分に果たせない場合があ
り、200重量%を超えると、機能性粒子を樹脂が覆っ
てしまうことがあるからである。
【0022】また、樹脂粉末の直径は、機能性粒子より
も小さいことが好ましい。機能性樹脂よりも樹脂粉末の
直径が大きい場合には、機能性粒子を樹脂が覆ってしま
うことがあるからである。
【0023】
【作用】本発明の粒子担持フィルタによれば、樹脂部
が、機能性粒子が被着したバインダ層の露出表面を被覆
し、かつ、バインダ層と機能性粒子の間並びに隣り合う
前記機能性粒子の間を融着するように形成される。これ
により、機能性粒子がより強固にフィルタ基体に被着さ
れる。また、バインダ層の表面が樹脂で覆われるので、
フィルタ基体に紙のような吸湿性で耐水性が悪い材料を
用いても、高湿度下または水中での寸法変化が大幅に低
減される。さらに、樹脂部により、フィルタ全体の機械
的強度も向上する。
【0024】また、本発明の粒子担持フィルタの製造方
法によれば、バインダ層が形成されたフィルタ基体に、
機能性粒子の付着と同時に、または、その後に、樹脂粉
末をフィルタ基体に供与する。これにより、樹脂粉末
が、バインダ層の表面およびバインダ層と機能性粒子の
間並びに隣り合う機能性粒子の間に付着する。次いで、
樹脂粉末が付着したフィルタ基体を、樹脂粉末の溶融温
度よりも高い温度に加熱すると樹脂粉末が溶融し、バイ
ンダ層の表面上に広がり、かつ、バインダ層と機能性粒
子の間並びに機能性粒子の間を溶着する。この後、フィ
ルタ基体を冷却して樹脂を硬化させると、バインダ層の
露出表面を被覆し、かつ、バインダ層と機能性粒子の間
並びに隣り合う機能性粒子の間を融着する樹脂部が形成
される。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 実施例1 フィルタ基体として、紙製のハニカムフィルタ基体を用
意した。このハニカムフィルタの厚さは10mmであ
り、セルサイズは5mmである。
【0026】このフィルタ基体を、バインダ(線研化学
製エマルジョン系粘着剤、登録商標SKダインE−10
54)に浸漬させた後に乾燥させて、図1に示すよう
に、フィルタ基体11の表面上にバインダ層12を形成
した。
【0027】次に、粒状の活性炭(粒度20〜42メッ
シュ)を、バインダ層12の表面上に散布した。これに
より、図1に示すように、活性炭13がバインダ層12
を介してフィルタ基体11の表面上に被着された。この
後、過剰量の活性炭を払落とすため、フィルタ基体11
を振とうした。
【0028】次いで、フィルタ基体11の表面上に、ポ
リエチレン粉末(粒度60〜325メッシュ、溶融温度
109℃)を散布した。これにより、図1に示すよう
に、ポリエチレン粉末14が、バインダ層12の表面上
およびバインダ層12と活性炭13の間並びに隣り合う
活性炭13の間に付着した。
【0029】この状態で、フィルタ基体11を、ポリエ
チレン粉末の溶融温度よりも高い温度(120℃)に加
熱して、樹脂粉末を溶融させた。すると、溶融した樹脂
は、バインダ層12の表面上に広がり、かつ、バインダ
層12と活性炭13との間並びに隣り合う活性炭13の
間を溶着した。この後、フィルタ基体11を、自然に冷
却して樹脂を硬化させた。これにより、図2に示すよう
に、バインダ層12の露出表面を被覆し、かつ、バイン
ダ層12と活性炭13の間並びに隣り合う活性炭13の
間を融着する樹脂部21が形成された。
【0030】このようにして得られたフィルタ10につ
いて、以下の試験を行った。 (1)担持粒子の脱落量 所定の大きさのフィルタを、使用時に通風面となる面を
下にして、所定の高さより床(材質;ビニルタイル)へ
自由落下させる。これを所定回数繰り返した後、フィル
タから脱落し、床面に散乱した粒子数を計数した。
【0031】(2)脱臭性能 50ppm のイソプレン(2-メチル-1,3- ブダジエン)ガ
ス雰囲気中の容積0.1m3 のアクリル製チャンバー中
で、5cm四方のフィルタに線速度1m/秒で通気を行
い、30分経過後のガス除去率(減少ガス濃度/初期ガ
ス濃度×100)を求めた。測定環境は、室温、60%
RHとし、ガスクロマトグラフにより測定した。
【0032】(3)圧力損失 内径10cmの角型風洞を用い、線速度1m/秒にて、
フィルタの上流と下流の静圧差をマノメーターにより測
定した。
【0033】(4)耐水性(寸法変化率) 約25℃の水中に8cm四方のフィルタを投入し、3日
間放置した後のフィルタの横及び縦の寸法(図3参照)
を測定し、投入前の元の寸法を差し引き、さらに投入前
の元の寸法で除した値に100を乗じて、寸法変化率と
した。
【0034】(5)圧縮強度 8cm四方のフィルタについて、テンシロン型引っ張り
試験器(圧縮試験モード)を用いて、図3に示す縦及び
横方向の圧縮強度を測定した。
【0035】本実施例のフィルタについての試験結果を
以下に示す。 (1)担持粒子の脱落量 試験条件 フィルタの寸法 : 8cm四方 落下高さ : 1m 落下回数 : 10回
【0036】
【表1】 (2)脱臭性能
【0037】
【表2】 (3)圧力損失
【0038】
【表3】 (4)耐水性(寸法変化率)
【0039】
【表4】 (5)圧縮強度
【0040】
【表5】
【0041】実施例2 フィルタ基体として、アルミニウム製ハニカムフィルタ
基体(厚さ:10mm、セルサイズ;4mm)を用い、
これに、難燃剤[ハロゲン系難燃剤を粘着剤固形分に対
する重量比で30%と、それと同量の無機系難燃剤(主
成分;三酸化アンチモン)を添加したもの(特開平4−
300616号公報)]を添加したバインダ(線研化学
製エマルジョン系粘着剤、登録商標SKダインE−10
54)を介して、粒状活性炭(粒度32〜42メッシ
ュ)を付着させた以外は、実施例1と同様の手順で、フ
ィルタを製造した。得られたフィルタについて、試験
(1)〜(3)を行った。なお、(4)耐水性試験は、
フィルタ基体がアルミニウム製であり、無処理でも影響
を受けないため行わなかった。 (1)担持粒子の脱落量 試験条件 フィルタの寸法 : 10cm四方 落下高さ : 1m 落下回数 : 5回
【0042】
【表6】 (2)脱臭性能
【0043】
【表7】 (3)圧力損失
【0044】
【表8】
【0045】実施例3 フィルタ基体として、ウレタンフォーム(厚さ:5m
m、セル数;10ケ/25mm2 )を用い、これに、バ
インダ(線研化学製エマルジョン系粘着剤、登録商標S
KダインE−1054))を介して、粒状活性炭(粒度
32〜80メッシュ)を付着させた。この後、樹脂粉末
として、32〜150メッシュの粒度のポリエチレン粉
末を用い、また、加熱処理温度を130℃とした以外
は、実施例1と同様の手順で、フィルタを製造した。得
られたフィルタについて、試験(1)〜(3)を行っ
た。なお、(4)耐水性試験および(5)圧縮強度試験
は、フィルタ基体がウレタン製であり、無処理でも影響
を受けないため行わなかった。 (1)担持粒子の脱落量 試験条件 フィルタの寸法 : 10cm四方 落下高さ : 1m 落下回数 : 10回
【0046】
【表9】 (2)脱臭性能
【0047】
【表10】 (3)圧力損失
【0048】
【表11】
【0049】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の粒子担持フ
ィルタによれば、機能性粒子が被着したバインダ層の露
出表面を被覆し、かつ、バインダ層と機能性粒子の間並
びに隣り合う機能性粒子の間を融着する熱可塑性樹脂か
らなる樹脂部を設けたことにより、機能性粒子がより強
固にフィルタ基体に被着される。この結果、運搬時や使
用時に、担持された機能性粒子が脱落するのをほぼ完全
に防止することができる。また、バインダ層の表面が樹
脂で覆われるので、フィルタ基体に吸湿性で耐水性が悪
い材料を用いても、高湿度下または水中での寸法変化を
大幅に低減できる。さらに、樹脂部によりフィルタ全体
の機械的強度も向上することができる。この結果、本発
明の粒子担持フィルタは、従来使用が不適当であった条
件下でも好適に使用することができる。
【0050】また、本発明の粒子担持フィルタの製造方
法によれば、樹脂粉末を機能性粒子が被着されたバイン
ダ層の露出表面、機能性粒子とバインダ層の間、およ
び、隣り合う機能性粒子の間に付着させた状態で、フィ
ルタ基体を樹脂粉末の溶融温度よりも高い温度で加熱し
て樹脂を溶融させることにより、樹脂部を形成し、本発
明の粒子担持フィルタを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒子担持フィルタの製造方法における
樹脂の加熱処理前の状態を示す断面図。
【図2】本発明の粒子担持フィルタの一例を示す断面
図。
【図3】フィルタの耐水性および圧縮強度試験を説明す
るための説明図。
【符号の説明】
10…フィルタ、11…フィルタ基体、12…バインダ
層、13…活性炭、14…ポリエチレン粒子、21…樹
脂層。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルタ基体、前記フィルタ基体の表面
    上に設けられたバインダ層、前記バインダ層の表面上に
    被着した複数の機能性粒子、および、前記機能性粒子が
    被着した前記バインダ層の露出表面を被覆し、かつ、前
    記バインダ層と前記機能性粒子の間並びに隣り合う前記
    機能性粒子の間を融着する熱可塑性樹脂からなる樹脂部
    を具備することを特徴とする粒子担持フィルタ。
  2. 【請求項2】 フィルタ基体の表面上にバインダを塗布
    してバインダ層を形成する工程、 機能性粒子を前記バインダ層が形成された前記フィルタ
    基体に供与して前記バインダ層の表面上に前記機能性粒
    子を被着させる工程、 前記機能性粒子と同時にまたは前記機能性粒子を被着さ
    せた後に熱可塑性樹脂からなる樹脂粉末を前記フィルタ
    基体に供与して前記バインダ層の表面および前記バイン
    ダ層と前記機能性粒子の間並びに隣り合う前記機能性粒
    子の間に付着させる工程、および、 前記樹脂粉末が付着した前記フィルタ基体を前記樹脂粉
    末の溶融温度よりも高い温度に加熱して前記樹脂粉末を
    溶融させた後に硬化させて前記機能性粒子が被着したバ
    インダ層の露出表面を被覆しかつ前記バインダ層と前記
    機能性粒子の間並びに隣り合う前記機能性粒子の間を融
    着する樹脂部を形成する工程を具備することを特徴とす
    る粒子担持フィルタの製造方法。
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