JP2007245012A - 機能性フィルタ、複合エアフィルタ及びフィルタエレメント - Google Patents

機能性フィルタ、複合エアフィルタ及びフィルタエレメント Download PDF

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Abstract

【課題】 人体に対して安全性の高い天然に産出するポリフェノールなどを確実にフィルタに固定することが可能であり、固定したポリフェノールが通過する空気と共に室内に飛散するという問題が生じることがなく、またフィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていても、固定したポリフェノールがフィルタ表面から流れ出してしまうという問題が生じることのない、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタを提供する。
【解決手段】 植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有する機能性物質が繊維基材に面密度0.01g/m以上付着しており、且つ前記機能性物質の付着割合が、前記繊維基材の面密度(g/m)に対して、0.1〜30%の面密度(g/m)である機能性フィルタ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタに関し、特に人体に対して安全性の高い天然に産出する薬剤を用いた、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタに関する。また、その機能性フィルタとその他の機能を有するフィルタとの複合エアフィルタに関する。また、機能性フィルタまたは複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなるフィルタエレメントに関する。
工場の排気や自動車の排気ガス、家屋やビルなどの室内から発生する化学物質、タバコの煙に含まれる化学物質など人が暮らす生活空間の空気環境が汚染されており、その影響で人の体内の活性酸素が増加すると言われている。またタバコの煙からも活性酸素である過酸化水素が発生すると言われている。また、一方空気中に浮遊するウイルスや菌類は、空気を媒体として人から人へと感染して健康を害する原因となっており、建物の室内や乗り物の室内などに設置されたフィルタによりこれらのウイルスや菌類を除去する技術が求められている。また、除去しても、フィルタ上でこれらの生物が繁殖したり、室内へ再飛散したりする問題があり、これらのウイルスや菌類の殺菌技術や飛散防止技術が求められている。
このようなフィルタとして、特許文献1に、茶の抽出成分である茶ポリフェノールをウィルス不活化剤として、フィルタに含浸するか、又はフィルタ素材に練り込んだ抗ウィルスフィルタが記載されている。そして、この抗ウィルスフィルタは安全で取り扱いが容易でありながらウィルス不活性を有するという利点が記載されている。しかし、このウィルス不活化剤をフィルタに含浸した場合は、このウィルス不活化剤は水溶性であるため、確実にフィルタに固定しておらず、不安定であり、フィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていると、フィルタを構成する繊維等の表面から流れ出してしまうという問題があった。また、このウィルス不活化剤をフィルタ素材である繊維に練り込むには、多量のウィルス不活化剤が必要であったり、繊維の紡糸時の高熱により変質の危険があったり、繊維表面に容易に溶け出すことができなかったり、という技術的な問題のほかに製造に手間がかかり製造コストも高くなるという問題があった。
また、特許文献2に、空気を透過させて空気中の塵埃を取り除くと共に天然に産出する物質によって抗菌性を高めることを目的として、プロアントシアニジンおよびクロロゲン酸を含むポリフェノールを塗布・含浸した空気清浄フィルタが記載されている。そして、具体的には、前記ポリフェノールが、リンゴの未熟果から抽出作成した抗菌性の強い天然のポリフェノールであり、このポリフェノールには、メチルメルカブタン(口臭の原因)やトリメチルアミン(魚臭成分)などに対する消臭作用があること。更に、このポリフェノールには、強い抗酸化作用があって心臓疾患や胃潰瘍、さらには癌の発生を抑制する作用があるプロアントシアニジンを約50%、活性酸素の抑制と発癌性物質(ニトロソアミン)の生成阻止作用があるクロロゲン酸を約30%、糖尿病の症状軽減作用があるフロリジンを約10%、過酸化脂質の発生抑制作用と血中のコレステロールや中性脂肪の除去作用があるエピカテキンを約10%、および動脈硬化、老化防止、発ガン防止作用を備えると共に、抗生物質に匹敵する強い殺菌作用を持つカテキンを約5%含むことが示されている。
そして、特許文献2の効果として、脱臭フィルタを通過して小さな塵埃と油脂、臭い成分などが取り除かれた空気は、続いて不織布を通過し、ここでさらに空気に残っている微細な塵埃や油脂が不織布の繊維に引っかかって取り除かれること、更に、不織布などに引っかかって取り除かれた塵埃や油脂に細菌が付着しても、不織布に含浸されているポリフェノールの抗菌作用によって細菌の繁殖が抑えられ、室内に吹き出す空気の細菌汚染が防止されることが記載されている。また、ポリフェノールが消臭作用を備えているので、脱臭フィルタによって脱臭されてきた空気の一層の無臭化が図られると共に、不織布に含浸されているポリフェノールの一部は通過する空気と共に室内に運ばれて人の体内に取り込まれて、心臓疾患・胃潰瘍・癌・糖尿病などの発生抑制と老化防止などの薬理作用効果も期待されることが記載されている。しかし、この空気清浄フィルタにあっては、不織布に含浸されているポリフェノールは、確実に不織布に固定しておらず、不安定であり、通過する空気と共に室内に飛散したり、不織布が結露した場合や塵埃に水分が含まれていると、不織布を構成する繊維等の表面から流れ出してしまうという問題があった。
このように、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタに関し、天然に産出するポリフェノールなどをフィルタに塗布・含浸することにより、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタを得る技術が開示されているが、これらの技術にあっては、ポリフェノールなどを確実にフィルタに固定することが困難であった。また固定が不安定であるため、一旦固定したポリフェノールなどが通過する空気と共に室内に飛散するという問題があり、またフィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていると、一旦固定したポリフェノールなどがフィルタ表面から流れ出してしまうという問題があった。
特開平7−148407号公報 特開2000−334230号公報
本発明は、上記の問題を解決すべく、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタに関し、人体に対して安全性の高い天然に産出するポリフェノールなどを確実にフィルタに固定することが可能であり、固定したポリフェノールが通過する空気と共に室内に飛散するという問題が生じることがなく、またフィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていても、固定したポリフェノールがフィルタ表面から流れ出してしまうという問題が生じることのない、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタを提供することを課題とする。なお、本発明では、活性酸素を抑制する性質を抗酸化性と称することとする。
本発明の機能性フィルタに係る解決手段は、植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有する機能性物質が繊維基材に面密度0.01g/m以上付着しており、且つ前記機能性物質の付着割合が、前記繊維基材の面密度(g/m)に対して、0.1〜30%の面密度(g/m)であることを特徴とする機能性フィルタである。また、本発明の複合エアフィルタに係る解決手段は、塵埃を除去する塵埃除去用濾材または/および有害ガスを除去するガス除去用濾材が前記機能性フィルタと一体化してなることを特徴とする複合エアフィルタである。また、本発明のフィルタエレメントに係る解決手段は、前記機能性フィルタ、または前記複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなることを特徴とするフィルタエレメントである。
本発明によって、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタに関し、人体に対して安全性の高い天然に産出するポリフェノールなどを確実にフィルタに固定することが可能であり、固定したポリフェノールが通過する空気と共に室内に飛散するという問題が生じることがなく、またフィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていても、固定したポリフェノールがフィルタ表面から流れ出してしまうという問題が生じることのない、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタを提供することが可能となった。また、前記機能性フィルタと一体化してなる複合エアフィルタを提供することが可能となった。また、前記機能性フィルタ、または前記複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなるフィルタエレメントを提供することが可能となった。
以下、本発明に係る機能性フィルタ、複合フィルタ並びにフィルタエレメントの好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明の機能性フィルタは、植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有する機能性物質が繊維基材に面密度0.01g/m以上付着している。「植物ポリフェノール」とは、植物由来のポリフェノール類を意味し、例えば、加水分解型タンニン、カテキン、縮合型タンニン(プロアントシアニジン等)、フラボン、フラボノール、イソフラボン 等を挙げることができる。加水分解型タンニンとして、ガロタンニン(五倍子タンニン、没食子タンニン等)、エラジタンニン(ペデンクラギン、テリマグラジン、カジュアリニン等)、エラジタンニンオリゴマー(アグリモニイン、エノテインB等)、カフェータンニン(ロズマリン酸、リトスペルミン酸等)を例示できる。カテキンはエピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等であり、縮合型タンニンはカテキン縮合物であり、プロペラルゴニジン、プロシアニジン、プロデルフィニジン等のプロアントシアニジン及びこれらの酸分解物(アントシアニジン)を例として挙げることができる。フラボンとしてアピゲニン、ルテオリン等、フラボノールとしてクエルセチン、クエルシトリン、イソクエルシトリン、ルチン、ケンフェロール等、イソフラボンとして、ダイゼイン、ゲニステイン、イソゲニン等及びこれらの配糖体を例示できる。
本発明では、前述のタンニン、カテキン、プロアントシアニジン、フラボノール、イソフラボン及びこれらの配糖体を単独で又は2種以上含むことが可能である。
前記植物ポリフェノールの態様は、植物を原料として、公知の方法に従って乾燥、破砕、抽出、濃縮、蒸留等の処理を施して得られる乾燥粉末、抽出物及び精製物を利用するのが好ましい。すなわち、前記植物ポリフェノールを含む植物であれば特に限定されることはないが、例えば、ブドウ種子、グアバ葉、リンゴ未熟果又は皮、柿渋、杜仲葉、プーアール茶葉、アカメガシワ樹皮、緑茶葉、桑葉、ソバ全草、大豆、フランス海岸松、カカオ豆等の中から1種又は2種以上を原料として使用することが可能である。
また、本発明では、前記植物ポリフェノールの中でも特に活性酸素を抑制する機能を有する、すなわち抗酸化性を有する植物ポリフェノールを用いることも好ましい。このような植物ポリフェノールは、例えば、豆科、バラ科、あやめ科、くわ科、ヒユ科などのいろいろな植物に含まれているが、特に豆科植物に高含量で存在する。代表的な豆科植物としては、大豆を挙げることができる。大豆には多くの品種があるが、これらの多くの品種に普遍的に存在する。
また、本発明では、前記植物ポリフェノールの中でも特に抗菌作用があり、かつ繊維などへ固着作用のある植物ポリフェノールを用いることも好ましい。このような植物ポリフェノールは、例えば、阿仙薬(ガンビール)、ケブコラ、スマック、五倍子、ワットル、ディビディビ、ベロネ、没食子、カシ、ミロバン、柿渋等があり、これらの中でも柿渋から抽出された植物ポリフェノールを使用することが好ましい。
本発明では、前記植物ポリフェノールと共に水不溶性の蛋白質を含むことが必要である。水不溶性の蛋白質とは、水性の懸濁液において、50×〜100×の光学倍率下で又は肉眼で目に見える粒子からなるものをいう。この粒子は沈殿可能か又は水性の懸濁液の遠心分離で回収することができる。このような水不溶性の蛋白質としては、未変性状態で実質的に可溶性であり、そして熱変性温度の加熱により変性および不溶化を受けるタンパク質も可能である。好適なタンパク質供給源としては、植物性、乳製品および他の動物性タンパク質供給源が挙げられる。このようなタンパク質としては、具体的には、例えば、β−ラクトグロブリン類およびα−ラクトアルブミン類のような乳清タンパク質、ボビン血清アルブミン類、オボアルブミン類のような卵タンパク質、及びグリシニンおよびコングリシニンのような大豆タンパク質が挙げられる。このような水不溶性の蛋白質を含むことにより、植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有する機能性物質を繊維基材に確実に固着することができる。
また、本発明では、前記水不溶性の蛋白質が銀含有蛋白質であることが好ましく、銀含有蛋白質であることにより、前述の固着作用に加えて抗菌と抗カビ性の機能を付与することができる。水不溶性の銀含有蛋白質としては、例えば、水可溶性の乳清蛋白質と銀塩とを液中で接触させて得られる水不溶性銀含有乳清蛋白質がある。具体的には、乳清蛋白質として、卵殻膜や羽毛及び獣毛に由来するケラチン用蛋白質やチーズ製造時の副産物である乳精ホエー蛋白質、および豆腐製造時に副生するおからに残存する蛋白質などを挙げることができる。そして、これら原料に含まれる蛋白質には、分子内にシステイン残基ヒスチジン残基を多く有するものがあり、銀イオンと優先的に結合する。また、この水不溶性銀含有乳清蛋白質の粒子径は平均径(メディアン径)が約5μm、トップサイズが約20μm程度であることが好ましく、水懸濁液中にコロイド粒子として存在できる。したがって、この水不溶性銀含有乳清蛋白質を含む水懸濁液と、前記植物ポリフェノールとを共に水中に分散または溶解した分散液とすることができ、この分散液を容易に繊維基材に付着加工することができる。
本発明では、機能性物質は植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有している。前記機能性物質は植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とからのみなることが好ましいが、これらの物質の分散や溶解を改良して均一化させたり、安定化させるため少量の界面活性剤や増粘剤等などの物質を含むことも可能である。この場合、これらの物質は人体に対して安全性の高い天然に産出する薬剤であることが望ましい。しかし、その物質の量は植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質による機能性を妨げない範囲に限られるべきであり、好ましくは機能性物質の全体に対して10質量%以下が好ましく、5%質量以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましい。また、機能性物質中の植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質の質量比率(%)は95:5〜40:60が好ましく、90:10〜50:50がより好ましく、90:10〜60:40がさらに好ましい。水不溶性の蛋白質の質量比率が5質量%未満であると植物ポリフェノールを繊維基材に十分に固定できない場合があり、水不溶性の蛋白質の質量比率が60質量%を超えると、植物ポリフェノールによる機能を十分に発揮できなくなる場合がある。
本発明では、繊維基材は、繊維から構成されたシート状またはマット状の形態であり、通気性を有する限り特に限定されず、例えば織物、編物、ネットまたは不織布などを適用することができる。この中で、不織布であれば、アレルゲンを含む塵埃を捕集する上で、繊維表面の総面積を広く効率良く利用でき、且つ繊維同士によって形成される小さな空隙を多数有しているので、特に好ましい。また、機能性物質を付着する上でも、繊維表面の総面積を広く効率良く利用できるので、特に好ましい。
前記繊維基材としての不織布(以下、不織布基材と称する)も特に限定されず、不織布基材の構造としては、例えば繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜30個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して、繊維ウエブに形成した後、接着性繊維または接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法による、一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布がある。乾式法による不織布は、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難い利点がある。また、ステープル繊維には、カード機などで開繊可能なように捲縮加工が施されているので、嵩高な不織布基材となり、且つ圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れる利点がある。
また、乾式法に限らずに任意の不織布の製法により、例えば湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによって形成される不織布を適用することができる。湿式法による場合は、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式、又は長網・円網コンビネーション方式の抄紙機などを用いて、熱可塑性樹脂からなる繊維を含むスラリーから繊維シートを漉き上げる方法を採用することができる。詳細には、抄紙後の繊維シートに接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法がある。或いは、熱可塑性樹脂からなる接着性繊維をスラリーに混入させておき、抄紙後、接着性繊維を用いて構成繊維同士を接着によって結合する方法がある。
また、スパンボンド法による場合は、例えば熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとした後、凹凸を有する加熱ロールと平滑ロールとの間で繊維フリースを加圧しながら通過させることにより、部分的に熱可塑性樹脂からなる繊維が融着した不織布基材とする方法がある。また、例えば熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとした後、熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法がある。或いは、互いに融点が異なる2種類の樹脂成分からなる芯鞘型の長繊維をノズルより紡出させた後、低融点の鞘成分を接着成分として、構成繊維を接着によって結合する方法がある。また、熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて長繊維からなる繊維フリースとする際に、熱可塑性樹脂からなる接着性のステープル繊維を吹き込み長繊維と短繊維とが一体化した繊維フリースとした後、構成繊維を接着によって結合する方法がある。ステープル繊維を用いた不織布基材であれば、厚さ方向に多数の繊維が配向しているので、厚さが大きく、且つ厚さがつぶれ難い利点がある。また、圧縮に対しても厚さ方向の反発力に優れる利点がある。
また、静電紡糸法又はフラッシュ紡糸法などによる場合は、例えば熱可塑性樹脂からなる繊維をノズルより紡出させて繊維フリースとした後、熱可塑性樹脂からなる接着剤を用いて構成繊維を接着によって結合する方法がある。
また、これらの不織布製法において、形成される繊維ウェブ、繊維シート、または繊維フリースにニードルや水流の作用によって繊維同士を絡合させて繊維同士を結合する方法を併用することも可能である。また、加熱ロールを用いて、全面的にまたは部分的に繊維同士を熱融着により結合する方法を併用することも可能である。
前記不織布基材を構成する繊維は、特に限定されず、熱可塑性樹脂からなる合成繊維、レーヨンなどの半合成繊維、綿およびパルプ繊維などの天然繊維、あるいは金属などの無機繊維を適用することが可能であるが、耐久性や加工性などの点を考慮すると、熱可塑性樹脂からなる繊維を含むことが好ましい。熱可塑性樹脂からなる繊維としては、不織布の製造で一般的に用いられる合成繊維があり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系繊維、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリルなどのアクリル系繊維およびポリビニルアルコール系繊維などを挙げることができる。また、フィルタの濾過性能をさらに向上させる場合は、これらの繊維の中でも帯電性に優れるポリオレフィン系繊維を適用することが好ましい。
また、熱可塑性樹脂からなる繊維が、熱接着性の繊維であることも可能である。熱接着性の繊維としては、例えば他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる単一樹脂成分からなる繊維や、他の繊維よりも融点が低く他の繊維を熱接着することのできる低融点成分を繊維表面に有する複合繊維がある。このような複合繊維には、その横断面形状が例えば、低融点成分を繊維表面に有する芯鞘型やサイドバイサイド型等の複合繊維があり、またその材質は例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの繊維形成性重合体の組み合わせからなる複合繊維がある。なお、前記熱接着性繊維の不織布基材全体に占める割合は好ましくは100〜5重量%であり、より好ましくは100〜50重量%であり、更に好ましくは100〜75重量%である。
また、前記不織布基材における繊維の平均繊度は、0.1〜30デシテックスが好ましく、機能性物質を付着させ、付着した菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を除去し又は不活性化させるには0.5〜20デシテックスがより好ましく、1〜10デシテックスが更に好ましい。
なお、前記繊維基材は補強などを目的として、例えば不織布、織物、編物またはネットなどの他の素材と積層して、必要に応じて一体化することにより、複合された繊維基材であることも可能である。
前記繊維基材の面密度は5〜1000g/mであることが好ましく、10〜500g/mであることがより好ましく、10〜300g/mであることが更に好ましい。また、前記繊維基材の厚さは、0.03〜100mmであることが好ましく、0.05〜75mmであることがより好ましく、0.1〜50mmであることが更に好ましい。なお、プリーツ加工を施すことを考慮すると、0.03〜10mmであることが好ましく、0.05〜8mmであることがより好ましく、0.1〜5mmであることが更に好ましい。0.03mm未満であると、機能性物質を付着させる量が少なくなる場合がある。また、5mmをこえると、プリーツ加工を施したときに、気体の濾過に寄与しないか又は寄与が極めて少ない部分(以下、デッドスペースと称する)が多くなり、かえって機能性物質の付着量が少なくなり目的とする菌類や、活性酸素又は活性酸素をなどを除去又は不活性化する効果が得られない場合がある。
本発明では、前記機能性物質は前記繊維基材に対して面密度0.01g/m以上付着している必要があり、0.1g/m以上であることが好ましく、0.3g/m以上であることがより好ましく、0.5g/m以上がさらに好ましい。付着量が0.01g/m未満であると、抗菌性や抗酸化性などの機能が十分に発揮できなくなる。また、前記機能性物質の付着割合が、前記繊維基材の面密度(g/m)に対して、0.1〜30%の面密度(g/m)であることが必要であり、好ましくは0.5〜30%の面密度であり、より好ましくは1〜30%の面密度であり、さらに好ましくは3〜20%の面密度である。0.1%未満の面密度であると抗菌性や抗酸化性などの機能が十分に発揮できなくなる。また、30%の面密度を超えると繊維基材に対しする付着量が多くなり過ぎて、原料費が嵩むばかりか、かえって付着した機能性物質が脱落し易くなる。
前記機能性物質を繊維基材に付着する方法としては、例えば前記水不溶性蛋白質を水などの溶剤に分散させて得られる懸濁液を準備しておき、さらに前記植物ポリフェノールの乾燥粉末、液状の抽出物または液状の精製物などを、水などの溶剤に分散させて得られる懸濁液や、水などの溶剤に溶解させて得られる溶液を準備しておき、これらの水不溶性蛋白質の懸濁液と植物ポリフェノールの懸濁液や溶液とを混合して得られる混合液とした後、この混合液を繊維基材に付着させることができる。なお、水不溶性蛋白質の懸濁液の中に、前記植物ポリフェノールの乾燥粉末、液状の抽出物または液状の精製物などを添加して、混合液にすることも可能である。また、必要に応じて、前記機能性物質の付着を確実ならしめるため若干の合成樹脂からなる接着剤などを添加することも可能であるが、添加の量は機能性物質の機能を大きく減じない程度に留めるべきである。
また、付着の方法も特に限定されることはなく、例えばパッダーなどを用いた含浸、スプレー装置などによる塗布、コーターなどを用いた塗布などを挙げることができる。スプレー装置やコーターなどを用いた塗布によれば、繊維基材の片面に容易に付着させることが可能であり、片面に付着させる形態は、好ましい態様の一つである。すなわち、繊維基材の空気流出側に付着させることにより、空気流入側は菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質の大部分を捕集して、空気流入側で捕集できなかった菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を捕集して、且つ不活化させることが可能となるので、機能性物質を極めて有効に作用させることが可能となり、菌類や、活性酸素の除去効率に優れるので好ましい態様である。
本発明の機能性フィルタは、塵埃を除去する塵埃除去用濾材と積層して、必要に応じて一体化してなる複合エアフィルタの形態であることも可能である。この複合エアフィルタの場合は、塵埃除去用濾材を空気の流入側に配置して、塵埃除去用濾材によって菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質の大部分を捕集して、捕集できなかった菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を機能性フィルタによって捕集して、且つ不活化させることが可能となるので、機能性物質を極めて有効に作用させることが可能となり、菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質の除去効率に優れるので好ましい態様である。仮に、機能性フィルタを空気の流入側に配置した場合、機能性フィルタに付着している機能性物質に菌類や、活性酸素を含む多くの塵埃が付着してしまい、不活化の作用を阻害する場合があるためである。
また、本発明の機能性フィルタは、ガス除去粒子を含むガス除去粒子層を有し、有害ガスを除去する作用を有するガス除去用濾材と積層して、必要に応じて一体化してなる複合エアフィルタの形態であることも可能である。この複合エアフィルタの場合は、空気中の菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を除去または不活化させると共に空気中の有害ガスを除去することが可能となるので、単に菌類や、活性酸素の除去作用と有害ガス除去作用の双方の作用を有効とするのみならず、菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質と有害ガスの相互作用による健康障害をも防止する効果があり、好ましい態様の一つである。なお、この形態の場合は、ガス除去用濾材を空気の流入側に配置することが好ましく、下流側に配置した機能性フィルタに、菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を有する塵埃が多数付着することを防ぐ効果がある。
また、本発明の機能性フィルタは、前記塵埃除去用濾材および前記ガス除去用濾材と積層して、必要に応じて一体化してなる複合エアフィルタの形態であることも可能である。この複合エアフィルタの場合、空気の流入側から、塵埃除去用濾材、ガス除去用濾材、機能性フィルタの順に配置することが好ましい。この形態の利点としては、前述したように、塵埃除去用濾材によって菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質の大部分を捕集して、捕集できなかった菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を機能性フィルタによって捕集して、且つ不活化させることが可能となるので、機能性物質を極めて有効に作用させることが可能となり、菌類や、活性酸素の除去効率に優れるという効果を有する。さらに、空気中の菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を除去または不活化させると共に空気中の有害ガスを除去することが可能となるので、単に菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質の除去作用と有害ガス除去作用の双方の作用を有効とするのみならず、菌類や、活性酸素と有害ガスの相互作用による健康障害をも防止する効果があり、多機能なフィルタとなり得る。
前記複合エアフィルタにおいて機能性フィルタと積層される塵埃除去用濾材、および機能性フィルタの濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、具体的には、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.25m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、機能性フィルタの開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに機能性フィルタ前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。なお、SAE FINE ダストとは、ISO12103−1(1997)のA2(fine)に規定される試験用ダストに適合するダストである。
なお、機能性フィルタが前記複合エアフィルタの流出側に積層される機能性フィルタである場合の濾過性能は、粒子捕集平均効率が上述の効率よりも低いほうが好ましい場合がある。その理由は、流入側で既に大部分の菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を有する塵埃粒子が捕集されており、流出側の機能性フィルタでは流入側の塵埃除去用濾材では捕集されなかった菌類や、活性酸素又は活性酸素を含む物質を捕集して、且つ不活化する作用を奏する。したがって、流出側の機能性フィルタは粒子捕集平均効率が必ずしも高い必要がなく、粒子捕集平均効率の高い機能性フィルタを配置した場合にかえって圧力損失が高くなってしまうというデメリットもあり得る。このような作用を考慮すると、前記機能性フィルタが前記複合エアフィルタの流出側に積層される機能性フィルタである場合の濾過性能は、例えば粒子捕集平均効率が3〜90%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が5〜80%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が10〜70%であることが更に好ましい。
また、機能性フィルタにプリーツ折り加工を施す場合は、機能性フィルタの初期の圧力損失は、試験条件が風速0.1m/secの時に、50Pa以下が好ましく、30Pa以下がより好ましく、20Pa以下が更に好ましい。
前記複合エアフィルタにおいて機能性フィルタと積層される塵埃除去用濾材、および機能性フィルタの濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能することが好ましいことは既に述べたとおりであるが、さらに濾過性能をより向上させ、比色法のみならず計数法でも評価できる濾過性能を有するものとするには、前記塵埃除去用濾材および機能性フィルタに帯電加工を施し構成繊維をエレクトレット化する方法がある。なお、機能性フィルタに帯電加工を施す場合は、繊維基材に帯電加工を施してから、機能性物質を付着させることも可能である。
前記塵埃除去用濾材または機能性フィルタに帯電加工が施された後の濾過性能は、微塵除去用のフィルタとして機能することが好ましく、具体的には、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、試験条件が風速0.25m/secの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、機能性フィルタの開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに機能性フィルタ前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。また、JIS B9908形式1に規定される試験方法において、0.3μmの大気塵を用いて、計数法により評価すると、試験条件が風速0.1m/secの時に、粒子捕集平均効率が5〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が10〜50%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が20〜50%であることが更に好ましい。
機能性フィルタは、前記塵埃除去用濾材および前記ガス除去用濾材と積層して、必要に応じて一体化してなる複合エアフィルタの形態であることが可能であることは、既に述べたとおりであるが、この複合エアフィルタについて、好ましい具体的な一例として、前記機能性フィルタと前記ガス除去用濾材とが積層一体化してなる複合エアフィルタであって、前記機能性フィルタは前記ガス除去用濾材からのガス除去粒子の脱落を防止するカバー材としての機能を有する複合エアフィルタがあり、詳細な具体例を次に示す。
前記複合エアフィルタの形態としては、例えば図1に示すように、通気性のカバー材(5)によってガス除去粒子(3)を挟持した複合エアフィルタ(13)がある。より具体的には、ガス除去粒子(3)と、ガス除去粒子(3)を連結する樹脂体(10)、(10’)とからなるガス除去粒子層(8)の両面に、通気性のカバー材(5)が積層一体化されている複合エアフィルタ(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)が熱接着性の繊維からなる樹脂体(10’)によって連結してシート状になったガス除去用濾材(4)の片面または両面に樹脂体(10)によって通気性のカバー材(5)が貼り合されている。本発明では、通気性のカバー材(5)の一方または両方を前記機能性フィルタとすることができる。
このような構造のガス除去粒子層(8)を得るには、例えば、通気性を有し且つ熱接着性を有する樹脂成分からなるマット状物にガス除去粒子(3)を保持しておき、好ましくはその後、加熱処理によってガス除去粒子(3)をマット状物に接着することによって得ることができる。このような通気性を有するマット状物としては、不織布、織物、膜、ろ紙、スポンジなどの多孔質体などが挙げられ、なかでも不織布は通気性が高いので好ましい。不織布の場合は、例えば160℃以下の融点を有する一成分からなる接着性繊維、或いは160℃以下の低融点成分を含む二成分以上からなる接着性複合繊維などを含む不織布を適用することができる。なお、本発明では上記マット状物をガス除去粒子を連結する樹脂体としている。
複合エアフィルタの別の形態としては、例えば図2に例示するように、ガス除去粒子(3)と、前記ガス除去粒子(3)を連結する樹脂体(以下、連結部と称する)(1)、(1’)、(10)、及び(10’)と凝集した樹脂体(以下、樹脂凝集部と称する)(2)及び(2’)とからなるガス除去粒子層8の両面に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が積層一体化されている複合エアフィルタ(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)が樹脂体(1)、(1’)、(10)、又は(10’)によって連結してシート状になったガス除去用濾材(4)に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が積層一体化されている。より具体的には、ホットメルト樹脂からなる連結部(1)と樹脂凝集部(2)とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部(2)を介してガス除去粒子(3)が固着されている。本発明では、通気性のカバー材(5)及び(5’)の一方または両方を前記機能性フィルタとすることができる。
複合エアフィルタのさらに別の形態としては、例えば図3に例示するように、ガス除去粒子(3)及び(3’)と、前記ガス除去粒子(3)及び(3’)を連結する樹脂体(1)、(1’)、(1” )、(10)、(10’)及び(10” )と凝集した樹脂体(2)、(2’)及び(2” )とからなるガス除去粒子層8の両面に、通気性のカバー材(5)及び5’が積層一体化されている複合エアフィルタ(13)がある。この例では、ガス除去粒子(3)及び(3’)が樹脂体(1)、(1’)、(1” )、(10)及び(10’)によって連結してシート状になったガス除去用濾材(4)と(4’)とが積層されており、さらにこの積層物に、通気性のカバー材(5)及び(5’)が樹脂体(1)、(1’)、(10)、及び(10’)と凝集した樹脂体(2)、(2’)及び(2” )によって積層一体化されている。より具体的には、複数の積層単位(4)で構成され、積層単位(4)がホットメルト樹脂から成る連結部(1)と樹脂凝集部(2)とで構成されたウエブの一方の表面に、樹脂凝集部(2)を介してガス除去粒子(3)を固着してなり、該ウエブの他方の表面と、他の積層単位(4’)を構成するガス除去粒子(3’)とが樹脂凝集部(2” )を介して固着している。本発明では、通気性のカバー材(5)及び(5’)の一方または両方を前記機能性フィルタとすることができる。
また、このような構造のガス除去用濾材を得る方法としては、例えば、図3に示すように積層単位(4)が2層以上である場合は、ホットメルト不織布(10)の表面にガス除去粒子(3)を配した後、加熱処理によって該ホットメルト不織布と該ガス除去粒子とが接する部分に樹脂凝集部(2)を形成し、かつ樹脂凝集部(2)とホットメルト樹脂からなる連結部(1)とからなるウエブを形成する第一の工程と、該ガス除去粒子のうち、該ウエブに固着されたガス除去粒子のみを残存せしめて積層単位(4)を形成する第二の工程と、積層単位(4)のガス除去粒子(3)に接してホットメルト不織布(10” )を積層し、続いて、ホットメルト不織布(10” )の表面にガス除去粒子(3’)を配した後、前記第一の工程と前記第二の工程とを順次行う方法がある。なお、ガス除去粒子層8の両表面となるホットメルト不織布(10)及び(10’)のかわりに、カバー材(5)及び(5’)にホットメルト不織布を付着させたシートを用いることにより、通気性のカバー材(5)及び(5’)を積層一体化した複合エアフィルタ(13)とすることができる。
複合エアフィルタのさらに別の形態としては、例えばガス除去粒子が熱融着性の樹脂体で互いに接合されてシート状となったガス除去粒子層の両面に、通気性のカバー材が積層一体化されている複合エアフィルタがある。このような構造のガス除去粒子層を得るには、例えば、ガス除去粒子と熱融着性の樹脂粉末とを混合した後、カバー材に挟持して、加熱処理によって複合エアフィルタとする方法がある。本発明では、前記通気性のカバー材の一方または両方を前記機能性フィルタとすることができる。
上述の、図2または図3の形態であれば、特に低圧力損失でしかもガス除去粒子の表面が有効に利用されるので優れたガス除去効率を呈することができる。また、このような構造を有する複合エアフィルタはプリーツ加工がし易いという利点がある。
本発明に適用されるガス除去粒子は、生活環境での不快な臭気物質の除去などに用いる、或いは半導体や液晶の生産施設やクリーンルームなどにおいて空気や雰囲気中に含まれるガス状汚染物質を除去するために用いる、ガス状物質を吸着したり、ガス状物質を吸着しやすい物質に変化させたりすることのできる固体粒子である。このようなガス除去粒子としては、例えば活性炭や、これに酸性ガス又は塩基性ガスなどを除去できる数々の化学成分を付加した添着炭、ゼオライト、種々の化学吸着剤、イオン交換樹脂、光触媒などの触媒などがあり、これらの中から一種又は二種以上を適宜選択することができる。また、このうち例えば活性炭を選択した場合は比表面積が200m/g以上の多孔質のものが好ましく、500m/g以上のものがより好ましい。また、脱臭粒子の粒径は、高効率と低圧損とを共に実現するために平均粒径を0.150mm(100メッシュ)以上1.7mm(10メッシュ)以下とすることが好ましく、平均粒径を0.212mm(70メッシュ)以上0.85mm(20メッシュ)以下とすることがより好ましい。平均粒径が0.150mm(100メッシュ)よりも細かい平均粒径の脱臭粒子を用いると、初期のガス除去効率を高く採れる反面、圧力損失が大きくなってしまうという問題が生じる場合がある。
前記複合エアフィルタの厚さは、プリーツ加工を施すことを考慮すると、0.3〜5mmであることが好ましく、0.5〜3mmであることがより好ましく、0.7〜2mmであることが更に好ましい。0.3mm未満であると、複合エアフィルタとしての機能が十分に発揮されない場合がある。また、5mmをこえると、プリーツ加工を施したときに、気体の濾過に寄与しないか又は寄与が極めて少ない部分(以下、デッドスペースと称する)が多くなり、かえって複合エアフィルタとしての機能が十分に発揮されない場合がある。
本発明のフィルタエレメントは、前記機能性フィルタがプリーツ折り加工されてなるか、あるいは前記複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなる。具体的には、本発明のフィルタエレメントは、図4又は図5に例示するように、前記フィルタ(21)がプリーツ加工されており、保形部材(22a)によってプリーツ形状が保持されてなるフィルタエレメント(20)である。なお、図4では、プリーツ加工されたフィルタ(21)の、プリーツの峰線方向と交叉する端面に、保形部材(22b)が矢印Aの方向に装着する態様も例示している。前記フィルタのプリーツ加工は、ジグザグ形状に折られている限り限定されず、この折り加工方法としてはレシプロ式やロータリー式などのプリーツ加工機による方法や、ジグザグ形状に成形された押型でプレスする方法などがある。
また、保形部材としては、プリーツ形状を保持することができる限り、特に限定されず、例えば織編物、不織布、合成樹脂シート、発泡シート、紙、金属材料またはこれらの複合物などのシート状物を適用することができる。このうち特に不織布であれば、強度に優れると共に、フィルタエレメントを剛性枠に装着する際にクッション性に優れ、剛性枠との間のシール性に優れるので好ましい。具体的には、これらのシート状物を、熱融着させたり、接着剤や接着性シートを介して接着することにより、プリーツの峰線方向と交叉する端面に、装着することができる。なお、保形部材としては、シート状物に限らず、発泡性樹脂等を付着させて発泡して形成することなども可能である。また、保形部材は、プリーツの峰線方向と交叉する端面以外にも、峰線方向と平行な端面にも装着することが可能である。
前記プリーツ加工前に、或いはプリーツ加工後に、図4又は図5に例示するように、前記フィルタ(21)に、プリーツの峰線方向と交叉する方向に、間隔をおいて平行に、線状の樹脂を付着させたセパレータ(24)を設けて、プリーツの山の斜面が接触してデッドスペースとなることを防ぐことも好ましい。線状の樹脂の付着は、これらの図のように、断続的としてプリーツの山の峰に設けて、プリーツの谷部には設けないようにすることも好ましく、また機能性フィルタの両面に設けることも好ましい態様である。
また、前記フィルタエレメントは、図4に例示するように、ひだ(23)が多数形成されていることが好ましく、具体的には、図6に示すように、ひだ(23)の高さHは5〜150mmが好ましく、8〜100mmがより好ましく、15〜50mmが更に好ましい。また、ひだ(23)のピッチPは1〜20mmが好ましく、2〜15mmがより好ましく、3〜10mmが更に好ましい。また、ピッチP(mm)と高さH(mm)との比P/Hが0.05〜0.7であることが好ましく、0.05〜0.5であることが好ましく、0.05〜0.3であることが更に好ましい。P/Hが0.05未満であると、ひだの角度が小さくなり過ぎるので、風圧でひだの角度が広がり隣接するひだと付着してしまいデッドスペースとなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、P/Hが0.5を超えると、ひだの数が少なくなり濾材全体の面積が少なくなり、粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。また、ひだの高さが5mm未満であるとひだの数が多くなり過ぎてイニシャルコストが非常に大きくなる場合がある。ひだの高さが150mmを超えると、ひだの角度が小さくなり過ぎるので、風圧でひだの角度が広がり隣接するひだと付着してしまいデッドスペースとなり、かえって粉塵保持容量が低下してしまう場合がある。
また、フィルタエレメントの全体の大きさは、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が80〜500mmが好ましく、100〜400mmがより好ましく、150〜300mmが更に好ましい。また、奥行は5〜100mmが好ましく、10〜50mmがより好ましく、15〜30mmが更に好ましい。また、ビル、工場、事務所などに設置される空気清浄装置に、パッケージフィルター、ファンコイルユニット、中央空調用フィルタユニット等の粗塵除去用フィルタとして使用されるフィルタエレメントの場合、空気の流入面の一辺の寸法が200〜1500mmが好ましく、300〜1000mmがより好ましく、400〜700mmが更に好ましい。また、奥行は10〜500mmが好ましく、20〜400mmがより好ましく、30〜300mmが更に好ましい。
前記フィルタエレメントを空調装置に適用する場合はフィルタエレメントを剛性枠に装着して用いることができる。この剛性枠は剛性のある材質である限り特に限定されず、木材、金属、プラスチック等が適用され、数回の洗浄再生の後に焼却、廃棄される場合は木材が好ましい。
前記フィルタエレメントの濾過性能は、粗塵除去用のフィルタとして機能する場合は、具体的には、ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、SAE FINE ダストを用いて、質量法により評価すると、空気の流入面の少なくとも一辺の寸法が80〜500mmの場合、試験条件が風量550m/hrの時に、粒子捕集平均効率が50〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が60〜99%であることが好ましく、粒子捕集平均効率が70〜99%であることが更に好ましい。粒子捕集平均効率が50%未満である場合は粗塵除去が不十分であり、粒子捕集平均効率が99%を超える場合は、機能性フィルタの開孔径が細かくなり過ぎるため、すぐに機能性フィルタ前後の圧力損失が限界に達して寿命が短くなり粗塵除去用のフィルタとして使用できない場合がある。なお、空気の流入面の全ての辺の寸法が500mmを超える場合は、試験条件として風量1100m/hrを採用することができる。
以上説明したように、本発明によって、建物や乗り物などの生活環境における空調機器に装着して使用されるフィルタに関し、人体に対して安全性の高い天然に産出するポリフェノールなどを確実にフィルタに固定することが可能であり、固定したポリフェノールが通過する空気と共に室内に飛散するという問題が生じることがなく、またフィルタが結露した場合や塵埃に水分が含まれていても、固定したポリフェノールがフィルタ表面から流れ出してしまうという問題が生じることのない、抗菌性、抗酸化性などに優れた機能性フィルタを提供することが可能となった。また、前記機能性フィルタと一体化してなる複合エアフィルタを提供することが可能となった。また、前記機能性フィルタ、または前記複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなるフィルタエレメントを提供することが可能となった。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例に過ぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(DPPHラジカルを用いたフリーラジカル消去活性試験)
0.1M酢酸緩衝液(PH5.5)を2mlと、エタノールを2mlと、0.5mMDPPH液(1,1−diphenyl−2−picrylhydrazyl液)を1mlとを混合した試験液を容器に入れ、次いでこの試験液の中に3×3cmの大きさに切った被試験試料(繊維基材)を投入し、その後30分間静置した。次いで、静置後の溶液の吸光度を波長517nmにて測定して、被試験試料投入前の試験液の吸光度に対する吸光度の減少率を求め、この減少率をフリーラジカル消去率(%)とした。
(抗菌性試験)
JIS L1902:2002(繊維製品の抗菌性試験方法・抗菌効果)の10.1菌液吸収法に規定される試験方法において、カバー材を試験片として、大腸菌を用いて試験を行い、静菌活性値(S)を求める。
(粉落ち試験)
カバー材から12cm×12cmの正方形の試験片を切り取り、10cm×10cmの表面が表れるように、試験片の周囲を2cm巾の剛性枠に固定する。次に、この剛性枠の一辺を片手に持ち、他の手でこの剛性枠の横方向から、片手に持った一辺の向かい側の一辺をたたき粉落ちの度合いを目視する。
(フィルタの濾過性能試験方法−質量法)
ASHRAE 52.1−1992に規定される試験方法において、風速0.25m/secにて、圧力損失が200PaになるまでSAE FINE ダストを供給した後、粒子捕集平均効率(%)及び濾過寿命(粉塵捕集量)(g/m)を求める。また、初期の圧力損失(Pa)は風速0.1m/secにて測定した値を用いる。
(フィルタの濾過性能試験方法−計数法)
JIS B9908形式1に規定される試験方法において、風速0.1m/secにて、0.3μmの大気塵を供給して、粒子捕集平均効率(%)を求める。
(ガス除去性能試験)
DIN71460 PartIIに規定される試験方法において、トルエン濃度が80ppmとなるように、試験用エアーを調整した後、風速0.1m/secにて試験用エアーを供給して、トルエンの初期除去効率を(%)を求め、ガス除去効率とする。
(原材料調整1)
大豆を原料とした植物ポリフェノールを主成分とする粉末(不二製油製ソヤフラボンHG)と、主成分が柿から抽出した植物ポリフェノールである抽出液(50%水溶液、高松油脂製ハイカットWY−7)と、水不溶性の銀含有蛋白質(4%水懸濁液、片山化学工業研究所製ミラクルコート201S)とを固形分の質量比率が1:1:1となるように混合して、水に分散又は溶解させた約10%の機能性物質液1を得た。
(実施例1)
繊維径10〜30μm、面密度20g/m、厚さ0.12mm、圧力損失1.0Pa(風速10cm/s)のポリエステル繊維からなるスパンボンド不織布に、原材料調整1で得た機能性物質液1を含浸した後、乾燥させて、スパンボンド不織布に面密度1.5g/mの機能性物質を付着させ、面密度21.5g/mの機能性フィルタを得た。この機能性フィルタを、複合エアフィルタを得るためのカバー材Aとする。
(原材料調整2)
熱可塑性ポリアミド系樹脂(190℃におけるメルトインデックス:80)を溶融紡糸して、面密度20g/mの蜘蛛の巣状のホットメルト不織布を形成した後、直ちに実施例1で得たカバー材A上に積層した。ホットメルト不織布は冷却されると同時にカバー材Aに付着して、ホットメルト不織布が付着した面密度41.5g/mのカバー材Bを得た。
(実施例2)
図3に例示するように、原材料調整2で準備したホットメルト不織布が付着した面密度41.5g/mのカバー材Bのホットメルト不織布(10)の表面に、粒径0.3〜0.5mmに分級した市販の活性炭粒子(3)を面密度130g/mとなるようにして散布する。続いて、約5Kg/cmの水蒸気処理をカバー材(5)側(ホットメルト不織布(10)側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布(10)を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結部(1)と樹脂凝集部(2)とで構成されたウエブに、樹脂凝集部(2)を介して活性炭粒子(3)を固着させた。続いて、固着した活性炭粒子以外の活性炭粒子は殆んどなかったが、念のため固着した活性炭粒子以外の活性炭粒子を除去することにより、活性炭粒子(3)が、各々の粒径に応じて固着され、しかもカバー材(5)と接着された1層目の積層単位(4)を得た。さらに、この状態の積層単位(4)に面密度20g/mのホットメルト不織布(10” )を積層し、面密度140g/mとなるようにして活性炭粒子(3’)散布、水蒸気処理、並びに念のため固着されていない活性炭の除去を経て2層目の積層単位(4’)を形成した。
次に原材料調整2で準備したホットメルト不織布が付着した面密度41.5g/mのカバー材Bである(5’)を、ホットメルト不織布(10’)側が積層単位(4’)に接するようにして積層単位(4’)の上に積層し、約5Kg/cmの水蒸気処理をシート材(5’)側(ホットメルト不織布(10’)側)から約7秒間行い、ホットメルト不織布(10’)を可塑化溶融して、ホットメルト樹脂からなる連結部(1’)と樹脂凝集部(2’)とで構成されたウエブに、樹脂凝集部(2’)を介して活性炭粒子(3’)を固着させて複合エアフィルタ(13)を得た。
この複合エアフィルタは、積層単位(4)、(4’)とカバー材(5’)とからなるガス除去用濾材と機能性フィルタ(5)とが積層一体化してなる複合エアフィルタ(13)であって、前記機能性フィルタ(5)は前記ガス除去用濾材(4)、(4’)からのガス除去粒子(3)、(3’)の脱落を防止するカバー材(5)としての機能をも有する複合エアフィルタ(13)であった。
得られた複合エアフィルタの濾過性能、フリーラジカル消去活性試験、抗菌試験および粉落ち試験の評価結果を表1に示す。なお、性能評価に際しては、空気の流出側を機能性フィルタとなるようにして測定した。また、フリーラジカル消去活性試験、抗菌試験および粉落ち試験の評価には、実施例1で得た機能性フィルタを用いた。
(実施例3)
実施例2で得た複合エアフィルタを用いて、図4に示すように、フィルタエレメント(21)の寸法が、幅Wが約230mm、長さLが約220mm、プリーツの山高さHが約27mm、プリーツの山の間隔が約6mmとなるように、プリーツを形成した後、不織布からなる枠材(24)の片面にホットメルト樹脂シートを貼りあわせた枠材(24)を準備して、図4に示す矢印Aの方向に枠材(24)を固着して、本発明のフィルタエレメントを得た。
(原材料調整3)
大豆を原料とした植物ポリフェノールを主成分とする粉末(不二製油製ソヤフラボンHG)を水に分散又は溶解させた約10%の機能性物質液2を得た。
(比較例1)
スパンボンド不織布に、原材料調整1で得た機能性物質液1を含浸した替わりに、原材料調整3で得た機能性物質液2を含浸したこと、およびスパンボンド不織布に面密度0.5g/mの機能性物質を付着させたこと以外は実施例1と同様にして、面密度21.5g/mの比較フィルタを得た。また、この比較フィルタを比較複合エアフィルタを得るためのカバー材A’とする。
(比較例2)
原材料調整2において、カバー材Aのかわりに比較例1で得たカバー材A’を用いたこと以外は原材料調整2と同様にして、ホットメルト不織布が付着した面密度40.5g/mのカバー材B’を得た。次いで、実施例2及び実施例3において、カバー材Bのかわりにカバー材B’を用いたこと以外は実施例2及び実施例3と同様にして、比較複合エアフィルタを得た。得られた比較複合エアフィルタの濾過性能、フリーラジカル消去活性試験、抗菌試験および粉落ち試験の評価結果を表1に示す。なお、フリーラジカル消去活性試験、抗菌試験および粉落ち試験の評価には、比較例1で得た機能性フィルタを用いた。
表1
Figure 2007245012
表1から明らかなように、実施例2の複合エアフィルタは、ガス除去粒子を含むガス除去粒子層からのガス除去粒子の脱落を防止するカバー材を有しており、このカバー材は実施例1の機能性フィルタを兼ね備えていた。そしてこの機能性フィルタは75%という高いフリーラジカル消去率を有しており、抗酸化性に優れていた。また、この機能性フィルタは静菌活性値が5.5であり抗菌性が極めて優れていた。また、付着した機能性物質の粉落ちが極めて少なく、機能性物質の固着性に優れていた。
本発明のフィルタエレメントを構成する複合エアフィルタの一例を示す断面模式図である。 本発明のフィルタエレメントを構成する複合エアフィルタの別の一例を示す断面模式図である。 本発明のフィルタエレメントを構成する複合エアフィルタの別の一例を示す断面模式図である。 本発明のフィルタエレメントの一例を示す斜視図である。また、保形部材を矢印Aの方向に装着する態様を例示する図である。 本発明のフィルタエレメントの要部拡大図である。 本発明のフィルタエレメントの模式断面図である。
符号の説明
1,1’,1” 連結部(樹脂体)
2,2’,2” 樹脂凝集部(樹脂体)
3,3’ ガス除去粒子
4,4’ 積層単位
5 カバー材(機能性フィルタ)
5’ カバー材
8 ガス除去粒子層
10,10’,10” ホットメルト樹脂(ホットメルト不織布)(樹脂体)
13 複合エアフィルタ
20 フィルタエレメント
21 機能性フィルタ(複合エアフィルタ)
22a 保形部材
22b 保形部材
23 ひだ
24 セパレータ

Claims (6)

  1. 植物ポリフェノールと水不溶性の蛋白質とを含有する機能性物質が繊維基材に面密度0.01g/m以上付着しており、且つ前記機能性物質の付着割合が、前記繊維基材の面密度(g/m)に対して、0.1〜30%の面密度(g/m)であることを特徴とする機能性フィルタ。
  2. 前記水不溶性の蛋白質が銀含有蛋白質であることを特徴とする請求項1に記載の機能性フィルタ。
  3. 請求項1または2に記載の機能性フィルタがプリーツ折り加工されてなることを特徴とするフィルタエレメント。
  4. 塵埃を除去する塵埃除去用濾材または/および有害ガスを除去するガス除去用濾材と請求項1または2に記載の機能性フィルタとが積層してなることを特徴とする複合エアフィルタ。
  5. 前記機能性フィルタと前記ガス除去用濾材とが積層一体化してなる複合エアフィルタであって、前記機能性フィルタは前記ガス除去用濾材からのガス除去粒子の脱落を防止するカバー材としての機能を有することを特徴とする請求項4に記載の複合エアフィルタ。
  6. 請求項4または5に記載の複合エアフィルタがプリーツ折り加工されてなることを特徴とする複合フィルタエレメント。
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