JP3712084B2 - 吸着材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は吸着材とその製法に関するもので主として空気中の微量の悪臭成分を除去するために使用され、吸着速度が早く取扱性に優れた吸着材とその製法である。主な用途分野は、家庭用もしくは自動車用のエアーコンディショナー及び、空気清浄機用に使用されるフィルターエレメントで、低圧損、高寿命の特徴を有し高速で空気を流した場合にも1パスで高い浄化度を達成できる。
【0002】
【従来の技術】
従来から微量成分の吸着材として活性炭が広く使用されているが、形状は一般に粉体または粒状で必ずしも取扱い易いとは言い難い。そこで活性炭微粉末を分散したエマルジョンをネット材、織物、不織布等に含浸させた吸着材や、活性炭粒子をネット材、フォーム材、不織布等の多孔性物質中に固定させた吸着材が試みられている。これらの吸着材は、粉体の様に粉塵が発生するおそれがないので取扱いが便利であり、しかもガスは多孔性物質中の空隙を自由に流通し得るので、抵抗が少ないという利点もある。
【0003】
しかしながら従来からつくられているこれらのタイプの吸着材は、多孔性物質に含有されている活性炭の表面がバインダーで被覆されているため、吸着能力のごく一部しか使用できないデメリットが指摘されていた。これは多孔性物質内部の組織に活性炭を接着させる場合、活性炭とバインダーを混合して接着すると、活性炭粒子表面の大部分がバインダ−層で被覆されることは避けられないからである。
【0004】
また、ポリウレタンフォームを生成させる時、プレポリマーに吸着体粒子を混合して調製する方法もある。この場合はかなり多量の活性炭粒子を混合すると、ポリウレタンフォームの発泡性が抑制されると共に、活性炭粒子の表面のかなり多くの部分がポリウレタン樹脂で被覆されたり、或いは細孔が目詰まりするため吸着能力が大幅に低下する。
【0005】
またこれらの問題点を解決するため、発泡ポリウレタン成型体の表面及び内部組織の外気との接触面にバインダー層を形成させた後、吸着材粒子を付着する方法も開示されている。特公平 4-35201号公報には、発泡ポリウレタン成型体の表面及び内部組織の上にウレタン系プレポリマーを塗布した後、吸着材粒子を吹き付けて付着させる方法が開示されている。
【0006】
活性炭微粉末を分散したエマルジョンを不織布、目が荒い織物、網目状ネット等に含浸させた吸着材は、微粉末の表面がエマルジョンの薄い皮膜でコートされるため、圧損失は低下しても充分な吸着性能が得られないデメリットがある。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点にかんがみ、吸着材の基材として不織布または不織布成型体を利用して、これに粒子表面の1部が露出している状態の活性炭粒子を接着させることによって、圧損失が低く且つ吸着性が高い吸着材を開発して提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は激しい乱気流状態のガスが、充填密度が低い吸着剤層を通過するときには、ガスと吸着剤との接触効率が著しく高められて悪臭ガスの除去性能が向上するため、圧損失が低く高風量のガス処理に適した構造となることに着目した。このため不織布または不織布成型体を基材として、その内部に吸着剤粒子があたかも空間に浮遊しているような状態で保持させ、通気性を阻害する度合いを極力低下させる構造について研究した。その結果、不織布または不織布成型体に活性炭粒子をバインダーで点接着させることにより、吸着剤粒子が吸着材の内部で適度な空隙率を保持した状態とすることができることを見出し、これに基づいて本発明に到達した。
【0009】
すなわち、不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を露出された状態に保持せしめてなる吸着材である。または更に該不織布または不織布成型体の表面にこれらのバインダーのコート層を形成せしめてなる吸着材であり、更に活性炭粒子を担持させた該不織布または不織布成型体とエレクトレット処理した不織布を重ね合わせ、要すればプリーツ状に成型した吸着材も本発明に含まれている。
【0010】
または不織布及び不織布成型体からなる多孔性シートの表面及び内部組織の外気との接触面を溶融させ、溶融層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の一部が露出された状態に保持されている吸着材である。前述の様にして得られた吸着材は自動車に搭載するエアーコンディショナーまたは空気清浄器用に好適である。
【0011】
更に、不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、バインダー層を形成させた後シートを活性炭粒子の流動層中を通過させることにより、該不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に活性炭粒子を接着させ、粒子表面の少なくとも一部が露出された状態に保持させることを特徴とする吸着材の製法である。
【0012】
ここで、不織布成型体とは太い繊維を粗に包絡させて少なくとも一部の繊維と繊維の接合点を融着させ、三次元構造を有する成型体を形成させたもので、例えば、図1に示す様な繊維構造を有する成型体である。以下本発明について詳しく説明する。
【0013】
本発明の吸着材には基材として不織布または不織布成型体を使用する必要がある。不織布及び不織布成型体を構成する繊維の材質は特に限定しない。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ビニロン、ポリアクリル系ポリマー、酢酸セルローズ、プロミックス等の合成繊維、半合成繊維、その他レイヨン、綿、麻、絹等の天然繊維或いは無機繊維も使用可能である。更に不織布及び不織布成型体の材質は繊維に限定されず、細いアルミニウム線からなる不織布でもよい。
【0014】
また、基材である不織布または不織布成型体を構成する個々の繊維の構造は単一成分からなる繊維のみに限定されず、例えば、芯がポリプロピレンで鞘がポリエチレンのコーティング層からなる芯−鞘繊維でもよく、その他の構造を有する複合繊維でもよい。繊維の太さは特に限定しないが20〜300 デニルが好ましい。
【0015】
合成繊維等の断面形状は通常円形が最も広く使用されているが、本発明では円形に限定せず異形断面糸を使用してもよい。この場合繊維の表面積が通常の円形断面糸より広くなるため、活性炭粒子を表面に接着させて担持させるためには担持量及び接着強度の点からもより好ましい。
【0016】
不織布の構造は特に限定せず、粗な組織であればいずれでもよく、前記の繊維を粗に包絡させた後接着剤或いは繊維の部分的な溶融により、または機械的方法で接合点を連結して固定した構造でもよい。特に、不織布の組織内部で繊維が交差する部分を融着し、不織布の構造の安定性及び強度を高めた基材は好ましい。本発明において不織布成型体とは太い繊維を粗に包絡させて少なくとも一部の繊維と繊維の接合点を融着させ、三次元構造を有する成型体を形成させたもので、例えば、図1に示す様な繊維構造を有する成型体である。
【0017】
本発明の吸着材に含まれている活性炭は、通常1g当たり数百平方メートル或いはそれ以上の大きな表面積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に使用できる。活性炭の原料には通常ヤシ殻または木材等の炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。また賦活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温でまたは塩化亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれの方法により得られたものでも良い。
【0018】
活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた吸着性を有する特異な物質で、殆どすべてのガス状或いは液状物質に対して高い吸着性を示すことが知られている。本発明の吸着材も活性炭のこの様な性質を利用したものである。
【0019】
不織布または不織布成型体に担持させる活性炭粒子の大きさは特に限定せず、広範囲の粒度の粒子を使用した場合にもその効果が認められる。しかし吸着容量を高く保持すると共に圧損失を抑制するためには、粒子の平均粒径は 20 mesh以下、100 mesh以上が好ましい。
【0020】
本発明において、不織布または不織布成型体に活性炭粒子を接着させるためには、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤を使用する必要がある。尚、活性炭粒子の細孔の目詰まりを生じ難いものが好ましいため、ラテックス或いはエマルジョンは固形成分が多いものが適しており、固形成分は 30 %以上が好ましく、50%以上がより好ましい。
【0021】
ここで、ラテックス或いはエマルジョンとは分散媒である水中に、ゴム系粒子或いは接着性を有するポリマー粒子が分散された状態を指している。ラテックスとしては SBR、クロロプレン、ニトリルゴム等各種合成ゴム系のラテックスが挙げられ、また、エマルジョンとしてはアクリル酸エステルとアクリル酸或いは、メタクリル酸エステルを共重合させたアクリル系エマルジョン、エチレンー酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン或いは酢酸ビニル樹脂エマルジョン等が使用できる。
【0022】
溶媒を含まないポリマー系接着剤としては、有機溶媒または水を含まない、接着性を有するプレポリマー等で、本発明の接着剤には合成ゴム系の物質が好ましく、例えば、NCO 過剰のウレタン系プレポリマー、より好ましくは MDI(メチレンジイソシアネート)ベースのウレタン系プレポリマーが好ましい。 MDIベースのプレポリマーは、 TDI(トリレンジイソシアネート)ベースのプレポリマーより遊離イソシアネートが発生し難く、吸着体粒子への吸着性が少ないため好ましい。
【0023】
NCO 過剰のウレタン系プレポリマーを使用する場合、粘度を調節するために場合によっては少量の有機溶剤を加えて、不織布または不織布成型体に含浸或いは塗布した後、温風乾燥等により大部分の有機溶剤を除去して、この織物の表面及び内部組織の繊維表面にバインダー層を形成させ、その上に活性炭粒子を接着させてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の吸着材の基材である不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面には、前述のバインダーからなるバインダー層を形成させる必要がある。不織布の組織にバインダーを付着させるには、不織布または不織布成型体をラテックスまたはエマルジョン等のバインダーを満たした浴に浸漬した後、過剰のバインダーをロールで除去する方法、或いはスプレーやコーターで表面に塗布した後、ロールで絞り付着しているバインダーを組織の内部まで浸透させる方法等がある。更に、エアーブローして包絡した繊維間に生成した皮膜を除去した後乾燥させることによって、不織布の表面及び内部の繊維組織の外気との接触面にバインダー層を形成させることができる。
【0025】
活性炭粒子を、バインダー層が形成されている不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に接着させるには、流動層通過法或いは粉体スプレー法、篩落下法等適宜の方法を採用することができる。
【0026】
流動層通過法は組織内部にバインダー層を形成せしめた不織布または不織布成型体を、活性炭粒子の流動層の中を通常はシートを水平にして通過させることにより、シートの組織の内部に粒子を浸透させる方法である。流動層は活性炭粒子を一定の深さに充填した槽に、下部の分散板を通してガスを吹き込んで流動層を形成させるが、ガスの吹込速度は最小流動化速度に比較的近いガス速度領域で、不織布シートを通過させた場合にも、粒子はシートの組織の内部に均等に浸透させることができる特徴がある。
【0027】
その他の方法では大部分の粒子が不織布シートの表面にのみに付着し易く、充分に内部まで浸透させ付着させることは困難である。しかし流動層通過法は流動状態を活性炭粒子の粒度に合わせてガス吹込速度によって適度に調節し、更にシートの流動層内の滞留時間を調節することにより、シートの内部組織に活性炭粒子を均一に付着させることができるため、本発明の吸着材の粒子付着工程に最も適している。
【0028】
粉体スプレー法或いは篩落下法の場合には、不織布シートを適宜反転させて、シートの両側から活性炭粒子を吹き付け、または粒子を落下させることにより、組織の内部にまで粒子を付着させることができる。更に、シートに活性炭粒子を付着させる工程或いは付着させた後、このネットを振動させることによって、組織内部への粒子の進入及びバインダー層への付着を促進させることができる。
【0029】
不織布のシートに活性炭粒子を付着させた後、一組または複数組のピンチ・ロールの間を通してシートを軽く圧迫することにより、粒子をバインダー層に強固に接着させることができる。この際ロールの1部或いは全部に加熱ロールを使用して、接着を促進させることもできる。
【0030】
前記の様にして得られた不織布シートに含まれる活性炭粒子は、流動層通過法等によって一旦その内部組織のバインダー層の表面に付着された後、加熱圧着工程によって強固にバインダー層に接着されるため、粒子表面のかなり多くの部分が露出した状態となっている。本発明において「粒子表面の少なくとも一部が露出された状態」とはかかる状態を指しており、活性炭粒子がバインダー層に接着されている状態より分かる様に、実質的には粒子表面の大部分が露出された状態に保持されている。これは本発明の吸着材の構造の最も大きな特徴の一つである。
【0031】
従来活性炭粒子を担体に担持させる場合、主として粒子をラテックスまたはエマルジョン等のバインダーと混合して塗布する方法が用いられた。この方法では活性炭粒子の表面がバインダーで被覆されているため、活性炭の吸着性が阻害されることが避けられなかった。しかし前述の様に本発明で得られた多孔性シートは、大部分の活性炭粒子の表面が露出した状態となっているため、個々の活性炭粒子の吸着容量が大きく吸着速度も高い特徴がある。しかも不織布のシートは全体が粗な組織になっているため、ガスの流通路の断面積はかなり大きく、従って圧損失は低く高速でガスを流した場合、ガスは吸着材内部を激しい乱流となって流れる状態になる。
【0032】
不織布シートに活性炭粒子を付着させた後、粒子をバインダー層に強固に接着させるために使用するピンチ・ロールのクリアランスは適宜設定できるが、シートの厚さの50〜80%が好ましい。また、ポリウレタン系のプレポリマー層に活性炭粒子を接着させる場合には、加熱水蒸気処理によって接着力を更に向上させることができる。
【0033】
不織布シートの表面に接着された粒子は、使用中摩擦その他のため脱落し易いから、これを防止するためシートの表面に更にラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤を塗布することができる。ここで表面とは外部の物体と接触して摩擦され易い部分の意味である。
【0034】
バインダーの種類は、不織布または不織布成型体の組織内部に含浸させたものと必ずしも同一でなくてもよく、その適性を考慮して異なった種類のバインダーを使用してもよい。バインダーを塗布した部分の活性炭粒子表面は、薄いバインダー層で被覆されているため吸着性は低下するが、被覆される表面の粒子の比率は全体からみると一部であるから、吸着材全体の機能低下は少ない。
【0037】
更に、本発明の吸着材は一層でも使用することができるが、複数枚積層またはプリーツ状にして用いることも可能である。この際エレクトレット処理した不織布と積層して同時に塵埃の除去性を付与することもできる。その他、紙、不織布、導電性シート、磁気シート或いは酸化触媒性シート等を重ねて成型してもよい。
【0038】
本発明の吸着材は基材である不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、活性炭粒子を接着させたもので圧力損失が極めて低いため、ガスの流動性が乏しい雰囲気或いは高風量の状態で使用するために適している。更にプリーツ状に加工することにより、ガスの通過面積が増加するため一層吸着性を高めることが可能となる。本発明の吸着材は自動車用のエアーコンディショナー或いは空気清浄器用の脱臭材として好適である。
【0039】
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
【0040】
(実施例1)
ポリエステル繊維からなる目付 40g/m2 の不織布に SBRラテックスを含浸させ、絞り用ゴムロ−ルでラテックス目付け量を調整し、エアーブローをかけることにより、不織布の内部に生成したラテックスの膜を取り除き、表面及び内部組織の外面にもバインダー層生成させた。そのシートを椰子殻を原料とした粒度 20 〜42 mesh に調整した破砕状活性炭粒子の流動層の中を通過させて、活性炭粒子を不織布の表面及び内部組織のバインダー層に付着させた。
【0041】
更に、不織布を押さえロールに通しバインダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して強固に接着させた。過剰に付着している活性炭粒子を充分に振り落とした後、120 ℃で乾燥して活性炭粒子を含む不織布を得た。
【0042】
(実施例2)
太いポリエステル繊維を包絡させて三次元構造を有する不織布成型体を形成させた。この様にして得られた厚さ5mmの不織布成型体を SBRラテックスに含浸させ、絞り用ゴムロ−ルでラテックス目付け量を調整し、エアーブローをかけることにより、不織布成型体の内部に生成したラテックスの膜を取り除き、不織布成型体の表面及び内部組織の外面にもバインダ−層生成させた。その成型体をヤシ殻を原料とした粒度 28 〜70 mesh 調整した破砕状活性炭及び同サイズのアニリン、リンゴ酸、鉄塩を担持させた活性炭混合物の流動層の中を通過させて、活性炭粒子を不織布成型体の表面及び内部組織のバインダー層に接着させた。
【0043】
更にその不織布成型体を押さえロールに通し、バインダー層に付着していた活性炭粒子を圧着して強固に接着させた。過剰に付着している活性炭粒子を充分に振り落とした後、120 ℃で乾燥して活性炭粒子を含む不織布成型体を得た。尚、本態様の吸着材の基材である不織布成型体の繊維の形状を示すため図面に代わる写真を図1に示した。
【0044】
(実施例3)
ポリプロピレンからなる芯にポリエチレンがコーティングされた鞘からなる複合繊維を包絡させて、三次元構造を有する不織布成型体を形成させた。この様にして得られた厚み7mmの不織布成型体を 130℃に加温し、表面層のポリエチレンのみ溶融させ、その成型体にヤシ殻を原料とした粒度 28 〜70meshに調整した破砕状活性炭及び同サイズのアニリン、リンゴ酸、鉄塩を担持させた活性炭混合物の中を通過させて、活性炭粒子を不織布成型体の表面及び内部組織に付着させた。
【0045】
(実施例4)
実施例1で得られた不織布を 30 g/m2のエレクトレット不織布とピッチ5mm、高さ 20 mmのプリーツに同時加工を行った。
【0046】
実施例1で得られた不織布の活性炭粒子接着量は 350 g/m2 であり、JIS
K-1474-1975 によって測定したベンゼン吸着量は 122 g/m2 で、良好な吸着性を有することが分かった。
【0047】
実施例2及び3で得られた不織布成型体の活性炭粒子接着量はそれぞれ0.13及び0.12g/mlであり、JIS K−1474−1975によって測定したベンゼン吸着量はそれぞれ0.045及び0.041g/mlとなって、良好な吸着性を有することが分かった。
【0048】
実施例2で得られた不織布成型体 200×200 ×5.4 mmをそれぞれ悪臭成分である硫化水素 500 ppmまたはトリメチルアミン 100 ppm及びアセトアルデヒド50
ppm を含む容量1m ×1m ×1m のボックス中に入れ空気を循環しながら放置した結果、いずれも 20 分で臭気が殆ど総て除去された。
【0049】
実施例3で得られた不織布成型体の 200×200 ×7.7 mmをそれぞれ悪臭成分である硫化水素 500 ppmまたはトリメチルアミン 100 ppm及びアセトアルデヒド50ppm を含む容量1m ×1m ×1m のボックス中に入れ空気を循環しながら放置した結果、いずれも 20 分で臭気が殆ど総て除去された。
【0050】
【発明の効果】
本発明の吸着材は不織布または不織布成型体の基材上に活性炭粒子が、粒子間の空隙率が高い状態で均一に分散され、且つ活性炭粒子の表面が露出した状態で保持されているため、吸着速度が高く吸着容量も大きい。更に、通気性が良好な粗な繊維組織となっているから圧力損失が極めて低く、ガスの流動性が乏しい雰囲気或いは風量が大きい状態での使用に適している。この不織布または不織布成型体吸着材は更に1枚をプリーツ状としたり、或いは複数枚を重ねてプリーツ状として使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸着材の一態様の基材である不織布成型体の繊維の形状を示すための図面に代わる顕微鏡写真 (10倍) である。
Claims (5)
- 不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を露出された状態に保持せしめてなる吸着材。
- 不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を露出された状態に保持せしめ、更に該不織布または不織布成型体の表面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるコート層を形成せしめてなる吸着材。
- 不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させ、該バインダー層に活性炭粒子を接着せしめ粒子表面の少なくとも一部を露出された状態に保持せしめてなる吸着材と、エレクトレット処理した不織布を重ね合わせ要すればプリーツ状に成型せしめてなる吸着材。
- 該吸着材が自動車に搭載するエアーコンディショナーまたは空気清浄器用である請求項1〜3いずれか1項に記載の吸着材。
- 不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に、ラテックス或いはエマルジョンまたは溶媒を含まないポリマー系接着剤からなるバインダー層を形成させた後、該シートを活性炭粒子の流動層中を通過させることにより、不織布または不織布成型体の表面及び内部組織の外気との接触面に活性炭粒子を付着させ、粒子表面の少なくとも一部を露出された状態に保持させることを特徴とする吸着材の製法。
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