JPH07268767A - 機能性不織布の製造方法 - Google Patents

機能性不織布の製造方法

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JPH07268767A
JPH07268767A JP6051888A JP5188894A JPH07268767A JP H07268767 A JPH07268767 A JP H07268767A JP 6051888 A JP6051888 A JP 6051888A JP 5188894 A JP5188894 A JP 5188894A JP H07268767 A JPH07268767 A JP H07268767A
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nonwoven fabric
functional particles
particles
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JP6051888A
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Tsuneo Hiraide
恒男 平出
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Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機能性粒子及び熱エネルギーを出来るだけ節
約して、少ない操作工程で製造でき、しかも担持した粒
子が水洗処理などによって脱落せず、優れた性能を発揮
しうる機能性不織布を製造する方法を提供すること。 【構成】 原料繊維の少なくとも1部分が熱可塑性高分
子繊維から成る不織布の少なくとも表面上に機能性粒子
を乾式法で担持させ、次いで、熱処理により不織布中の
熱可塑性高分子繊維の少なくとも表面を軟化させて該繊
維表面に機能性粒子を固着させることを特徴とする機能
性不織布の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【利用分野】本発明は、様々な機能性粒子を乾式法で担
持して機能性不織布を製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】本発明者らは、特願平4−
268474号明細書において、原料繊維の少なくとも
1部分が熱可塑性高分子繊維から成る不織布に湿式法で
様々な機能性粒子を担持させ、水分を除去するととも
に、熱可塑性高分子繊維の軟化点以上の温度で熱処理す
ることにより、通気性、柔軟性、引き裂き強度などの諸
性能に優れると共に、水洗可能な機能性不織布を製造す
る方法を提案した。
【0003】この方法は、上記のように様々な利点を有
するが、湿式法であるため、使用した水分の除去に多大
の熱エネルギーと時間とを必要とするという問題点があ
った。また、例えば、含浸法で不織布に機能性粒子を担
持させる場合、機能性粒子の水性分散液中に不織布を浸
漬した後、不織布を取り出し、絞ってある程度の水分を
除いてから乾燥し、熱処理するのであるが、不織布を絞
った際に水分と共に機能性粒子も除去されてしまうた
め、機能性粒子の担持量の調節が多少困難であるなど、
なお改善の余地が残されていた。また、活性炭、シリカ
等の吸水性の機能性粒子には、湿式法を適用できないと
いう問題点もあった。
【0004】
【発明の目的】本発明は、前記の問題点を解消すると共
に、機能性粒子及び熱エネルギーを出来るだけ節約し
て、少ない操作工程で製造でき、しかも担持した粒子が
水洗処理などによって脱落せず、優れた性能を発揮しう
る機能性不織布を製造する方法を提供することを目的と
する。
【0005】
【発明の概要】本発明は、不織布の原料繊維の1部又は
全部を熱可塑性高分子繊維とし、機能性粒子を乾式法で
担持させた後、熱処理によって該熱可塑性高分子繊維の
少なくとも表面を軟化させ、粘着性を持った該繊維に機
能性粒子を固着させることによって上記目的を達成した
ものである。
【0006】すなわち、本発明による機能性不織布の製
造方法は、原料繊維の少なくとも1部分が熱可塑性高分
子繊維から成る不織布の少なくとも表面上に機能性粒子
を乾式法で担持させ、次いで、熱処理により不織布中の
熱可塑性高分子繊維の少なくとも表面を軟化させて該繊
維に機能性粒子を固着させることを特徴とする。
【0007】本発明において、不織布に用いる原料繊維
の少なくとも1部分は、熱可塑性高分子繊維であること
が必要である。熱可塑性高分子繊維は、原料繊維の10
重量%以上含まれることが好ましく、20重量%以上含
まれることがより好ましい。不織布は、その全体が熱可
塑性高分子繊維からなるものであってもよい。熱可塑性
高分子繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリ
プロピレン繊維等のポリオレフィン系繊維、6,6−ナ
イロン等のポリアミド系繊維、ビニル系繊維、アクリル
系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリエステル系繊維など
が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることが
できる。他の原料繊維としては、木綿、羊毛等の天然繊
維、レーヨン等の人造繊維及びこれらの混合物が挙げら
れる。また、使用する繊維の繊維長及び繊度並びに不織
布の厚さは、用途などに応じて適宜選択することができ
る。
【0008】また、本発明に用いる機能性粒子として
は、特に制限はなく、様々なものを用いることができる
が、例えば、Ca /P比が1.0〜2.0のリン酸カル
シウム系化合物、二酸化チタン、活性炭、ゼオライト、
シリカゲル、モレキュラーシーブ、無機質の脱臭剤、無
機質の抗菌剤又はこれらの混合物などが挙げられる。
【0009】リン酸カルシウム系化合物は、気体中の悪
臭成分や液体中の様々な物質及び動植物細胞に対して吸
着作用を示す物質であり、脱臭剤、吸着剤、細胞分離
剤、抗菌剤などとして利用される。該化合物の具体例と
しては、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト等
の各種のアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カ
ルシウム、リン酸水素カルシウムなどを使用することが
できる。これらの化合物は、自体公知の方法で製造する
ことができ、単独で又は2種以上の混合物として使用す
ることができる。
【0010】また、二酸化チタンは、紫外線及び可視光
によって励起状態とされた後、基底状態に戻る際に抗菌
作用を示す物質である。また、活性炭は、広範な物質に
対して吸着作用を有することが知られており、吸着剤、
脱色剤、脱臭剤、触媒担体などとして利用され、ゼオラ
イト及びモレキュラーシーブは、吸着剤として利用され
るものである。また、シリカゲルは、脱水剤、乾燥剤、
吸着剤などとして利用されるものである。さらに、無機
質脱臭剤としては、例えば、カヤマックス(商品名:日
本化薬(株)製)、ダイムシュー(商品名:大日精化工
業(株)製)などが挙げられ、無機質の抗菌剤として
は、例えば、銀イオンなどを担持したアパタイト(例え
ば、(株)サンギから商品名アパサイダーで市販されて
いるもの)などが挙げられる。
【0011】本発明においては、機能性粒子は、粉末、
顆粒又は多孔質顆粒の形であってよいが、その粒径が
0.01〜500μmであるものを使用する。粒径が
0.01μm未満であると、粒子が凝集しやすくなり、
均一に分散させ難くなる。また、粒径が500μmを超
えると、出来上がりの不織布の手触りが悪い上、吸着能
などの機能が低下する傾向がある。また、比表面積が
0.1m2 /g以上の粒子であることが好ましい。比表
面積が0.1m2 /g未満であると吸着効果などの機能
が不充分となる。
【0012】前記のような機能性粒子の粉末又は顆粒
は、任意の公知方法で製造することができるが、その一
例としてリン酸カルシウム系化合物の多孔質顆粒の製造
方法を以下に示す。まず、公知の方法で湿式合成したリ
ン酸カルシウム系化合物の結晶粒子を原料粒子とし、こ
の原料粒子を懸濁したスラリーを直接噴霧乾燥などによ
り二次粒子に造粒するかあるいはこのスラリーに粘度調
整剤、加熱により消失する有機化合物粒子又は繊維等の
添加物を加えて噴霧乾燥などにより二次粒子に造粒す
る。この二次粒子自体、多孔質粒子となっており、この
二次粒子をそのまま原料として用いることもでき、さら
に高気孔率のものが好ましい場合には、次の方法で多孔
質顆粒を作製する。この二次粒子を再びスラリー状に懸
濁して湿式成形するか又は加圧による乾式成形等により
ブロック体に成形する。その際、焼成の過程で消散して
気孔を形成するための有機化合物を添加してもよい。無
添加でも、焼成温度など、他の条件を調節することによ
り気孔径を制御することもできる。得られたブロック体
を500℃〜1300℃の温度範囲で焼成する。焼成温
度が500℃未満では、有機化合物の熱消失やブロック
体の焼結が充分に行われない。また、焼成を1300℃
を超える高温で行うと、焼結体が緻密化しすぎたり、リ
ン酸カルシウムが分解を起こすおそれがある。このよう
に焼成したブロック体を粉砕後、分級して必要な粒径の
顆粒を得ることができる。この顆粒の気孔径は、二次粒
子造粒用の原料スラリー中の結晶粒子の大きさ、スラリ
ーの粘度、添加物などを適切に調節することによって調
整することができる。
【0013】不織布の機能性粒子担持量は、機能性粒子
の種類、用途などによって変動し、広範囲内で適宜選択
することができるが、通常、リン酸カルシウム系化合物
粒子の場合で1〜65重量%であるのが好ましく、5〜
40重量%であるのがより好ましい。1重量%未満で
は、リン酸カルシウム系化合物の効果が発現せず、65
重量%を超えると、取り扱い時などに飛散する粒子が多
くなる。なお、本明細書において、担持率とは、完成品
の機能性不織布を基準とする百分率である。
【0014】本発明の方法においては、上記のような不
織布の少なくとも表面に機能性粒子を乾式法で担持させ
るのであるが、乾式法であればその担持方法には特に制
限はなく、様々な方法を採用することができる。例え
ば、不織布と機能性粒子とを容器内で混合することに
より不織布に機能性粒子を担持させる方法、不織布の
表面上に機能性粒子を載せることにより不織布に機能性
粒子を担持させる方法などが挙げられる。後者の方法に
おいては、不織布の表面上に機能性粒子を載せた後、加
圧及び/又は振動を加えて不織布を構成する繊維間にも
機能性粒子を入り込ませるのが好ましい。
【0015】上記のの方法のさらに具体的な例とし
て、図1に示す方法がある。巻物となっている不織布1
の表面上には供給ロール2から機能性粒子3が落下す
る。不織布1上の機能性粒子は、不織布1上にできるだ
け一様に担持されるようにブレード4により均されて熱
ロール対5へ導通される。これにより不織布を構成する
熱可塑性繊維の少なくとも表面を軟化させ、軟化した繊
維に機能性粒子を熱圧着させる。軟化した繊維に付着し
た機能性粒子は、各粒子の一部分が軟化した繊維中に入
り込んだ状態となるため、これを放冷すれば、機能性粒
子が繊維に強固に固着した機能性不織布6が得られる。
上記の供給ロール2の代わりに不織布の幅と同じ幅のス
リットを有するホッパーを設け、そのスリットから機能
性粒子を供給するように構成してもよい。また、上記の
熱ロール対5の代わりに不織布の上下にヒーターを設置
した乾熱加熱することもできる。
【0016】熱処理のための加熱手段については、特に
制限はなく、様々な手段を採用することができ、例え
ば、熱風加熱、上記のような熱ロール加熱、アイロン、
乾熱加熱などが挙げられる。熱処理温度は、使用した熱
可塑性高分子繊維の種類や重合度などによってその軟化
点が変動するので、一義的に決定することはできない
が、熱可塑性高分子繊維の少なくとも表面が軟化するよ
うに、温度及び時間を総合的に考慮して選定すればよ
い。2種以上の熱可塑性高分子繊維を含む不織布を使用
した場合には、配合割合にもよるが、通常、軟化点の最
も低い繊維の表面が軟化するように加熱するのが好まし
い。また、熱圧着を行なう場合には、使用する機能性粒
子の圧縮強度以下の圧力下で行なうことが必要である。
【0017】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれによって制限されるもので
はない。
【0018】実施例1 平均粒径3.5μm、Ca/P比1.67の多孔質ハイ
ドロキシアパタイト顆粒5gと厚さ0.2mmのポリエ
チレン100重量%の不織布(27g/m2 )0.25
2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布を1
30℃で5分、10分あるいは30分間熱風加熱処理し
た。得られた不織布のハイドロキシアパタイト担持率
は、22〜25重量%であり、ほぼ一様な担持が認めら
れた。
【0019】実施例2 平均粒径0.55μm、Ca/P比1.50の多孔質リ
ン酸三カルシウム顆粒5gと厚さ0.2mmのポリエチ
レン100重量%の不織布(27g/m2 )0.25m
2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布を15
0℃で5分間熱風加熱処理した。得られた不織布のリン
酸三カルシウム担持率は、20重量%であり、ほぼ一様
な担持が認められた。
【0020】実施例3 平均粒径15μmのシリカゲル顆粒10gと厚さ0.4
mmのポリエチレン30重量%及びポリエチレンテレフ
タレート70重量%から成る不織布(50g/m2
0.25m2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不
織布を140℃で10分間熱風加熱処理した。得られた
不織布のシリカゲル担持率は、26重量%であり、ほぼ
一様な担持が認められた。
【0021】実施例4 粒径200〜400μm、Ca/P比1.67の多孔質
ハイドロキシアパタイト顆粒10gと厚さ0.2mmの
ポリプロピレン100重量%の不織布(24g/m2
0.25m2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不
織布を170℃で30分間熱風加熱処理した。得られた
不織布のハイドロキシアパタイト担持率は、32重量%
であり、ほぼ一様な担持が認められた。
【0022】実施例5 平均粒径28μmの活性炭顆粒5gと厚さ0.3mmの
ポリエチレン20重量%及びレーヨン80重量%から成
る不織布(37g/m2 )0.25m2 をビニール袋に
入れ、よく混合した後、不織布を140℃で10分間熱
風加熱処理した。得られた不織布の活性炭担持率は、2
1重量%であり、ほぼ一様な担持が認められた。
【0023】実施例6 平均粒径75μmのカヤマックス(商品名:日本化薬
(株)製)顆粒5gと厚さ0.2mmのポリエチレン3
0重量%及びポリエチレンテレフタレート70重量%か
ら成る不織布(21g/m2 )0.25m2 をビニール
袋に入れ、よく混合した後、不織布を140℃で5分間
熱風加熱処理した。得られた不織布のカヤマックス担持
率は、28重量%であり、ほぼ一様な担持が認められ
た。
【0024】実施例7 平均粒径22μmのダイムシュー(商品名:大日本精化
工業(株)製)顆粒5gと厚さ0.2mmのポリエチレ
ン30重量%及びポリエチレンテレフタレート70重量
%から成る不織布(21g/m2 )0.25m2 をビニ
ール袋に入れ、よく混合した後、不織布を140℃で5
分間熱風加熱処理した。得られた不織布のダイムシュー
担持率は、24重量%であり、ほぼ一様な担持が認めら
れた。
【0025】実施例8 平均粒径20μmの二酸化チタン顆粒5gと厚さ0.3
mmのポリエチレン20重量%及びレーヨン80重量%
から成る不織布(37g/m2 )0.25m2をビニー
ル袋に入れ、よく混合した後、不織布を140℃で10
分間熱風加熱処理した。得られた不織布の二酸化チタン
担持率は、20重量%であり、ほぼ一様な担持が認めら
れた。
【0026】実施例9 平均粒径2μmのアパサイダー(商品名:(株)サンギ
製)10gと厚さ0.3mmのポリエチレン20重量%
及びレーヨン80重量%から成る不織布(37g/
2 )0.25m2 をビニール袋に入れ、よく混合した
後、不織布を140℃で10分間熱風加熱処理した。得
られた不織布のアパサイダー担持率は、25重量%であ
り、ほぼ一様な担持が認められた。
【0027】実施例10 平均粒径3.5μm、Ca/P比1.67の多孔質ハイ
ドロキシアパタイト顆粒3g、平均粒径28μmの活性
炭顆粒5g及び厚さ0.4mmのポリエチレン100重
量%の不織布(50g/m2 )0.25m2 をビニール
袋に入れ、よく混合した後、不織布を130℃で10分
間熱風加熱処理した。得られた不織布のハイドロキシア
パタイトと活性炭の混合物担持率は、30重量%であ
り、ほぼ一様な担持が認められた。また、不織布は、ハ
イドロキシアパタイトの白色と活性炭の黒色が混合して
灰色になった。
【0028】実施例11 平均粒径3.5μm、Ca/P比1.67の多孔質ハイ
ドロキシアパタイト顆粒1gと厚さ0.2mmのポリエ
チレン100重量%の不織布(27g/m2 )0.05
2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布をア
イロンを用いて120℃で、6.2g/cm2 の加圧下
で2分間熱圧着処理した。得られた不織布のハイドロキ
シアパタイト担持率は、25重量%であり、ほぼ一様な
担持が認められた。
【0029】実施例12 平均粒径75μmのカヤマックス(商品名:日本化薬
(株)製)顆粒1gと厚さ0.2mmのポリプロピレン
100重量%の不織布(24g/m2 )0.05m2
ビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布をアイロン
を用いて160℃で、15.0kg/cm2 の加圧下で
5分間熱圧着処理した。得られた不織布のカヤマックス
担持率は、30重量%であり、ほぼ一様な担持が認めら
れた。
【0030】実施例13 平均粒径10.8μm、Ca/P比1.67の多孔質ハ
イドロキシアパタイト顆粒1gと厚さ0.09mmのポ
リエチレン50重量%及びポリエチレンテレフタレート
50重量%から成る不織布(15g/m2 )0.05m
2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布を熱ロ
ールを用いて140℃で、77.0g/cm2 の加圧下
で1分間熱圧着処理した。得られた不織布のハイドロキ
シアパタイト担持率は、18重量%であり、ほぼ一様な
担持が認められた。
【0031】実施例14 平均粒径20μmの二酸化チタン10gを厚さ0.2m
mのポリエチレン100重量%の不織布(27g/
2 )0.25m2 上に目開き32μmのステンレスふ
るいを用いて散布した後、不織布を熱ロールを用いて1
40℃で、77.0g/cm2 の加圧下で1分間熱圧着
処理した。得られた不織布の二酸化チタン担持率は22
重量%であり、ほぼ一様な担持が認められた。
【0032】比較例1 平均粒径3.5μm、Ca/P比1.67の多孔質ハイ
ドロキシアパタイト顆粒5gと厚さ0.2mmのポリエ
チレン100重量%の不織布(27g/m2 )0.25
2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不織布を9
0℃で、30分間熱風加熱処理した。得られた不織布の
ハイドロキシアパタイト担持率は、0.6重量%であ
り、実施例1に比較して担持率が著しく低かった。上記
の加熱温度では繊維が軟化しなかったことが判る。
【0033】比較例2 粒径600〜1000μmの活性炭顆粒5gと厚さ0.
2mmのポリエチレン30重量%及びポリエチレンテレ
フタレート70重量%から成る不織布(21g/m2
0.25m2 をビニール袋に入れ、よく混合した後、不
織布を140℃で、5分間熱風加熱処理した。得られた
不織布の活性炭担持率は、1.3重量%であり、一様な
担持は認められなかった。この例では、活性炭顆粒の粒
径が大きすぎて、熱処理によっても不織布への顆粒の固
着が充分に行なわれなかったことを示す。
【0034】比較例3 平均粒径10.8μm、Ca/P比1.67の多孔質ハ
イドロキシアパタイト顆粒1gと厚さ0.09mmのポ
リエチレン50重量%及びポリエチレンテレフタレート
50重量%の不織布(15g/m2 )0.05m2 をビ
ニール袋に入れ、よく混合した後、不織布を80℃で7
7.0g/cm2 の加圧下で5分間熱圧着処理した。得
られた不織布のハイドロキシアパタイト担持率は、0.
5重量%であり、実施例13に比較して担持率が著しく
低かった。上記の加熱温度では繊維が軟化しなかったこ
とが判る。
【0035】ウイルス吸着実験 インフルエンザウイルスA型を0.15M塩化ナトリウ
ムを含むpH7.2の10mMトリス−塩酸等張緩衝液
(以下、トリス等張液と略す)中に浮遊させた液を用い
て以下の実験を行った。この実験において全ての希釈及
び浮遊液にトリス等張液を用いた。インフルエンザウイ
ルスが赤血球に付着すると、この赤血球同士が凝集反応
を起こす。この反応を利用して、ウイルス浮遊液を2
倍、4倍、8倍、16倍、・・・と2倍に段階希釈した
液と、同量の0.4%ニワトリ赤血球浮遊液とを混合し
て何倍希釈液まで凝集を起こすかによって原ウイルス浮
遊液(希釈前の液)の力価(titer)を評価した。さら
に、実施例1(担持率22重量%のもの)、実施例2、
実施例10及び実施例11で得られた不織布をそれぞれ
ハイドロキシアパタイトが0.3g含まれるようにそれ
ぞれ1.36g、1.5g、2.67g、1.67g取
り、比較例1では1.36g、比較例3では1.67g
含まれるように取り、それぞれにウイルス浮遊液6mlを
加え、力価を評価した。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法によれば、乾式法で機能性
粒子を担持させているため、吸水性の機能性粒子でも使
用でき、また、水分の除去工程を必要としないため、熱
エネルギー及び操作時間を著しく節約して、様々な機能
を有する機能性不織布を得ることができる。さらに、製
造工程で不織布から落下又は過剰分として除去した機能
性粒子は、そのまま、再使用することがでるため、機能
性粒子の消費量を最小限に抑えることができる。また、
機能性粒子の担持率の制御が容易であるなどの利点も有
する。さらに、本発明による機能性不織布には、所望の
機能性粒子が強固に固着されるため、粒子の担持率が著
しく向上し、しかも洗浄しても粒子がほとんど脱落しな
い。また、機能性粒子の表面が結合剤で覆われることが
ないので、その性能が充分に発揮され、高い性能を得る
ことができる。本発明により得られる機能性不織布は、
不織布を基材とするため、通気性、柔軟性及び引き裂き
強度に優れている。また、本発明による機能性不織布に
は、様々な機能性粒子を担持することができ、各種の用
途に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の一実施態様を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 不織布 2 供給ロール 3 機能性粒子 4 ブレード 5 熱ロール対 6 機能性不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 1/40 B 3/00 D06M 23/08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料繊維の少なくとも1部分が熱可塑性
    高分子繊維から成る不織布の少なくとも表面上に機能性
    粒子を乾式法で担持させ、次いで、熱処理により不織布
    中の熱可塑性高分子繊維の少なくとも表面を軟化させて
    該繊維表面に機能性粒子を固着させることを特徴とする
    機能性不織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 不織布が熱可塑性高分子繊維を10〜1
    00重量%含有するものである請求項1記載の機能性不
    織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 機能性粒子が、Ca /Pのモル比が1.
    0〜2.0のリン酸カルシウム系化合物、二酸化チタ
    ン、活性炭、ゼオライト、シリカゲル、モレキュラーシ
    ーブ、無機質の脱臭剤、無機質の抗菌剤又はこれらの混
    合物からなり、粒径が0.01〜500μmの粉末、顆
    粒又は多孔質顆粒である請求項1記載の機能性不織布の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 原料繊維の少なくとも1部分が熱可塑性
    高分子繊維から成る不織布と機能性粒子とを容器内で混
    合することにより不織布に機能性粒子を担持させる請求
    項1記載の機能性不織布の製造方法。
  5. 【請求項5】 原料繊維の少なくとも1部分が熱可塑性
    高分子繊維から成る不織布の表面上に機能性粒子を載せ
    ることにより不織布に機能性粒子を担持させる請求項1
    記載の機能性不織布の製造方法。
  6. 【請求項6】 不織布の表面上に機能性粒子を載せた
    後、加圧及び/又は振動を加えて不織布を構成する繊維
    間にも機能性粒子を入り込ませることにより不織布に機
    能性粒子を担持させる請求項1記載の機能性不織布の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 軟化点の異なる2種以上の熱可塑性高分
    子繊維を含む不織布を使用し、熱処理により軟化点の最
    も低い繊維の少なくとも表面を軟化させる請求項1記載
    の機能性不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱処理が、熱風加熱、熱ロール加熱、ア
    イロン、乾熱加熱である請求項1記載の機能性不織布の
    製造方法。
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