JP2005054313A - フィラー固着繊維と不織布及びそれらの製造方法 - Google Patents

フィラー固着繊維と不織布及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本来の繊維の性質を保持したまま、繊維表面にフィラーを固定したフィラー固着繊維とこれを用いた不織布及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のフィラー固着繊維及び不織布は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含み、前記バインダー樹脂は、湿熱ゲル化樹脂であり、前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されている。例えば熱可塑性合成繊維成分としてポリプロピレンを芯成分(2)とし、湿熱ゲル化繊維成分としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分(1)とした複合繊維(5)の鞘成分(1)の中にフィラー(3)を有効に固定させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィラーを繊維表面に固定したフィラー固着繊維とこれを用いた不織布及びそれらの製造方法に関する。
従来から研磨や清浄化を目的とする繊維や布は、様々な分野で使用されている。清浄化を目的とする繊維としては、歯間を磨くフィラメント繊維(デンタルフロス)が一般的に良く知られている。また工業用途としては、レンズ、半導体、金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど様々な分野で研磨布又は研磨紙が使用されている。さらに家庭用又は業務用キッチンなどにおいても研磨布は使用されている。
従来技術として、不織布の表面に粒子を付着させる方法として、不織布の表面に乾式法で粒子を担持させた後、繊維の軟化点以上の温度に加熱して粒子を付着させる方法が提案されている(下記特許文献1)。さらに、粒子を含有する水分散溶液に、シート状またはブロック繊維成型物を含浸、圧搾後、繊維の融点乃至融点より60℃を超えない温度で加熱して粒子を付着させる方法が提案されている(下記特許文献2)。
特開平7−268767号公報 特公昭51−22557号公報
しかし、前記特許文献1〜2のように、繊維を軟化点又は融点以上の温度に加熱すると、繊維は収縮して硬くなり、しかも軟化点程度では粒子を繊維に有効に固着させることはできず、融点以上の温度にする必要があり、このようにすると繊維形態を保てなくなる問題もあった。さらに、繊維は収縮して硬くなり、ひいては不織布にしたときに収縮を伴って不織布形態を保てなくなる問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、本来の繊維の性質を保持したまま、繊維表面にフィラーを固定したフィラー固着繊維とこれを用いた不織布及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明のフィラー固着繊維は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維であって、
前記バインダー樹脂は、湿熱ゲル化樹脂であり、前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されていることを特徴とする。
本発明の不織布は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、前記バインダー樹脂は、湿熱ゲル化樹脂であり、前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されていることを特徴とする。
本発明のフィラー固着繊維の製造方法は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維の製造方法であって、前記バインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を用い、前記繊維に前記湿熱ゲル化樹脂を付与した後フィラーを付与するか、又は前記フィラーを、前記湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記繊維に付与し、前記湿熱ゲル化樹脂のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする。
本発明の別のフィラー固着繊維の製造方法は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維の製造方法であって、前記繊維として水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含む複合繊維を用い、前記フィラーの分散溶液に前記複合繊維を含浸させ、次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする。
本発明の不織布の製造方法は、繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布の製造方法であって、前記バインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を用い、前記不織布に前記湿熱ゲル化樹脂を付与した後フィラーを付与するか、又は前記フィラーを、前記湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記不織布に付与し、前記湿熱ゲル化樹脂のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする。
本発明の別の不織布の製造方法は、水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布の製造方法であって、前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定し、前記不織布を厚さ方向に圧縮成形することを特徴とする。
本発明のさらに別の不織布の製造方法は、水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で不織布の厚さ方向に圧縮成形しながら湿熱処理して、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする。
本発明のさらに別の不織布の製造方法は、水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、次に、スチームにより湿熱処理して、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする。
本発明は本来の繊維の性質を保持したまま、かつフィラーの持つ機能を有効に発揮できるフィラー固着繊維とこれを用いた不織布及びそれらの製造方法を提供できる。
本発明のフィラー固着繊維及び不織布においては、水分存在下で加熱することによってゲル化するバインダー樹脂として、湿熱ゲル化樹脂を用いるか、又は湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む複合繊維(以下、「湿熱ゲル化複合繊維」という。)を用いる。これにより、通常の繊維又は少なくとも他の熱可塑性合成繊維成分は繊維の形態を保ち、かつ湿熱ゲル化繊維成分がゲル化されてフィラーを固着させるバインダーとしての作用機能を発揮する。そして、フィラーは、湿熱ゲル化繊維成分又は繊維の表面に固着された湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されている。好ましくは、フィラーは露出して固定されている。
湿熱ゲル化樹脂の好ましいゲル化温度の下限は、50℃である。より好ましいゲル化温度の下限は、80℃である。50℃未満でゲル化し得る樹脂を用いるとゲル加工の際、ロール等に粘着が激しくなって繊維集合物の生産が難しくなったり、夏場や高温環境下での使用ができなくなったりする可能性がある。
通常の繊維を使用する場合、湿熱ゲル化樹脂は繊維に対して1mass%以上90mass%以下の範囲内で付着させるのが好ましい。より好ましい付着量の下限は、3mass%以上である。より好ましい付着量の上限は、70mass%である。湿熱ゲル化樹脂の付着量が1mass%未満であると、フィラーの固着性が低下する傾向にある。湿熱ゲル化樹脂の含有量が90mass%を超えると、フィラーがゲル化物に埋没する可能性がある。また、前記湿熱ゲル化複合繊維に湿熱ゲル化樹脂を付着させることも可能であり、フィラーの固着効果がより向上し、好ましい。
湿熱ゲル化複合繊維に占める湿熱ゲル化繊維成分の割合は、10mass%以上90mass%以下の範囲内であることが好ましい。より好ましい含有量の下限は、30mass%以上である。より好ましい含有量の上限は、70mass%である。湿熱ゲル化繊維成分の含有量が10mass%未満であると、フィラーの固着性が低下する傾向にある。湿熱ゲル化繊維成分の含有量が90mass%を超えると、複合繊維の繊維形成性が低下する傾向にある。
湿熱ゲル化樹脂又は湿熱ゲル化繊維成分は、エチレン−ビニルアルコール共重合体であることが好ましい。湿熱によってゲル化でき、他の熱可塑性合成繊維成分を変質させないからである。
エチレン−ビニルアルコール共重合体とは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を鹸化することによって得られる重合体であり、その鹸化度は95%以上が好ましい。より好ましい鹸化度は、98%以上である。また、エチレン含有率の好ましい下限は、20モル%である。エチレン含有率の好ましい上限は、50モル%である。より好ましいエチレン含有率の下限は、25モル%である。より好ましいエチレン含有率の上限は、45モル%である。鹸化度が95%未満ではゲル加工の際、ロール等に粘着が激しくなって繊維シートの生産が難しくなる可能性がある。また、エチレン含有率が20モル%未満の場合も同様に、ゲル加工の際、ロール等に粘着が激しくなって繊維シートの生産が難しくなる可能性がある。一方、エチレン含有率が50モル%を超えると、湿熱ゲル化温度が高くなり加工温度を融点近傍まで上げざるを得なくなり、その結果、繊維シートの寸法安定性に悪影響を及ぼす可能性がある。
通常の繊維としては、レーヨン等の化学繊維、コットン、麻、ウール等の天然繊維等、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂等の合成樹脂を単一成分又は複数成分とする合成繊維等、任意なものを選択して使用できる。
前記湿熱ゲル化複合繊維は、湿熱ゲル化繊維成分が露出しているかまたは部分的に区分されている複合繊維であることが好ましい。その複合形状は、同心円型、偏心芯鞘型、並列型、分割型、海島型等を指す。また、その断面形状が円形、中空、異型、楕円形、星形、偏平形等いずれであってもよいが、繊維製造の容易さから円形であることが好ましい。分割繊維はあらかじめ加圧水流などを噴射して部分的に分割しておくのが好ましい。このようにすると、分割された湿熱ゲル化繊維成分は、湿熱ゲル化処理によりゲル化し、ゲル化物を形成して他の繊維の表面に付着し、フィラーを固着する。すなわち、バインダーとして機能する。
前記湿熱ゲル化複合繊維が繊維集合物に占める割合は、フィラーを固着することのできる量であれば特に限定されないが、フィラーを有効に固着するのに要する複合繊維の割合は10mass%以上であることが好ましい。より好ましい複合繊維の含有量の下限は、30mass%である。さらに好ましい複合繊維の含有量の下限は、50mass%である。例えば、繊維集合物において、複合繊維を含むウェブが両表面に存在し、内部に他の繊維が存在している場合、複合繊維を含むウェブにおける含有量のことを指す。
前記フィラーは、粒子であればどのようなものでも使用できるが、無機粒子であることが好ましい。研磨作用が大きいからである。前記無機粒子としては、アルミナ、シリカ、トリポリ、ダイヤモンド、コランダム、エメリー、ガーネット、フリント、合成ダイヤ、窒化硼素、炭化珪素、炭化硼素、酸化クロム、酸化セリウム、酸化鉄、ケイ酸コロイド、炭素、グラファイト、ゼオライト及び二酸化チタン、カオリン、クレイ、活性炭、光触媒などを挙げることができるこれらの粒子は適宜混合して使用することもできる。研磨以外にも、乾燥剤としてのシリカゲルを固着することもできる。これらのフィラーの平均粒子径は、0.01〜80μmの範囲が好ましい。
本発明において、他の熱可塑性合成繊維成分はポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドなどいかなるものであっても良いが、好ましくはポリオレフィンである。湿熱ゲル化繊維成分としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を使用した場合、溶融紡糸による複合繊維(コンジュゲート繊維)を形成しやすいからである。
湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させる温度よりも高い融点を有する熱可塑性合成繊維成分を用いることが好ましい。他の熱可塑性合成繊維成分がゲル化物を形成させる温度よりも低い融点を有する熱可塑性合成繊維成分であると、他の熱可塑性合成繊維成分自体が溶融して硬くなり、ひいては不織布にしたときに収縮を伴って不織布形態を保てなくなる可能性があるからである。
本発明の不織布においては、フィラー固着繊維が両表面にフェブ状に存在し、内部に親水性繊維を存在させたことが好ましい。液体を含ませるような研磨布として使用する場合に都合が良いからである。前記親水性繊維は、レーヨン繊維、コットン繊維及びパルプから選ばれる少なくとも一つの繊維であることが好ましい。水、界面活性剤、洗浄剤等の液体を付与して研磨する際に、水分の保持性が高いからである。
本発明において湿熱処理とは、バインダー樹脂を付与した繊維、湿熱ゲル化繊維成分を含む繊維、又はこれらの繊維を含む繊維集合物に水分を付与した含水シートを加熱する処理、または水分を付与しながら加熱する処理のことを示す。加熱の方法は、加熱雰囲気中へ晒す方法や、加熱空気を貫通させる方法、および加熱体へ接触させる方法などが挙げられる。
前記湿熱処理において、加熱体へ接触させる方法であることが好ましい。特に、熱ロールによる圧縮成形処理であることが好ましい。加熱体へ接触させる場合、面圧が0.01〜0.2MPaであることが好ましい。より好ましい面圧の下限は、0.02MPaである。より好ましい面圧の上限は、0.08MPaである。また、前記熱ロールの線圧は、10〜400N/cmであることが好ましい。より好ましい熱ロールの線圧は、50N/cmである。より好ましい熱ロールの線圧の上限は、200N/cmである。かかる方法によれば、瞬時に湿熱ゲル化繊維成分を湿熱ゲル化することができると同時にゲル化物を押し拡げることができるので、広面積にわたりフィラーを固着することができる。また、かかる方法によれば、湿熱ゲル化したときに、フィラーがゲル化物に押し込まれて、フィラーの固着力を増大させることができる。
不織布に嵩高性を与える場合、複合繊維を含むウェブにスチームを吹き付けることによって、湿熱ゲル化繊維成分を湿熱ゲル化したゲル化物を形成してフィラーを固着することができる。
湿熱処理する前の繊維集合物には、親水処理を施してもよい。親水処理を施すと、繊維集合物が疎水性繊維を含む場合に、繊維集合物を略均一に水分を付与することができる。その結果、複合繊維が略均一に湿熱ゲル化されて、フィラーの固着性が向上し、好ましい。親水処理としては、界面活性剤処理、コロナ放電法やグロー放電法、プラズマ処理法、電子線照射法、紫外線照射法、γ線照射法、フォトン法、フレーム法や、フッ素処理法、グラフト処理法、スルホン化処理法等が挙げられる。
湿熱処理における繊維または繊維集合物の水分の割合は(以下、水分率という)、20mass%〜800mass%であることが好ましい。より好ましい水分率の下限は、30mass%である。より好ましい水分率の上限は、700mass%である。さらに好ましい水分率の下限は、40mass%である。さらに好ましい水分率の上限は、600mass%である。水分率が20mass%未満であると、湿熱ゲル化が十分に起こらない可能性がある。一方、水分率が800mass%を超えると、湿熱処理が繊維集合物の表面と内部との間で均一に加熱できず、湿熱ゲル化の度合いが不均一となる可能性がある。なお、水分の付与方法としては、スプレー、水槽への浸漬等公知のいずれであってもよい。水分が付与された繊維又は繊維集合物は、絞りロール等で圧搾する等の方法で所定の水分率に調整することができる。
湿熱処理温度は、湿熱ゲル化樹脂又は湿熱ゲル化繊維成分(以下、両者を併せて「バインダー樹脂」ともいう。)のゲル化温度以上融点−20℃以下である。好ましい湿熱処理温度の下限は、50℃である。より好ましい湿熱処理温度の下限は、80℃である。また、好ましい湿熱処理温度の上限は、湿熱ゲル化繊維成分の融点−30℃である。より好ましい湿熱処理温度の上限は、バインダー樹脂の融点−40℃である。湿熱処理温度がバインダー樹脂のゲル化温度以下であると、フィラーを有効に固着することができない。湿熱処理温度がバインダー樹脂の融点−20℃を超えると、湿熱ゲル化成分の融点に近くなるため、不織布にしたときに収縮を引き起こす可能性がある。
次に図面を用いて説明する。図1A〜Cは本発明の一実施形態におけるフィラー固着繊維の断面図である。図1Aはポリプロピレンを芯成分2とし、エチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分1とした複合繊維5であって、鞘成分1の中にフィラー3を埋没させた例である。図1Bはポリプロピレンを芯成分2とし、エチレン−ビニルアルコール共重合体を鞘成分1とした複合繊維6であって、鞘成分6の外側にエチレン−ビニルアルコール共重合体をバインダー4として付着させ、このバインダー4中にフィラー3を混合させた例である。図1Cはポリプロピレン8とエチレン−ビニルアルコール共重合体7を多分割に配置した複合繊維9とし、エチレン−ビニルアルコール共重合体7の周辺部内にフィラー3を固着させた例である。
図2は本発明の一実施形態における3層構造の不織布の断面図で、外側にフィラー固着繊維層11,11を配置し、内側にはレーヨン繊維層12を配置させた例である。
図3は本発明の製造方法の一例工程図である。繊維又は不織布31を、槽32内のフィラーを含む水系液又はフィラーとエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む溶液33に含浸し、絞りロール34で絞り、スチーマー35とサクション36の間で湿熱処理し、そのまま巻き取るか、又は不織布の場合は一対の加熱ロール37,37にかけたパターニング用キャンバスロール38,38により圧縮成形し、不織布表面に所定のパターン模様を付与し、その後、巻き取り機39に巻き取る。スチーマー35とサクション36に代えて、上下の熱板を用いて例えば温度150℃、5分間の加圧処理を行ってもよい。他の実施形態としては、スチーマー35なしに一対の加熱ロールのみで圧縮成形する方法、スチーマー35なしに一対の加熱ロール37,37にかけたパターニングキャンバスロール38,38のみで圧縮成形する方法もある。
図4A〜Fは本発明の一実施例で得られた不織布とその構成繊維にフィラーが固着している状態を示し、Aは不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)、Bは同断面写真(倍率100)、Cは同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)、Dは同、他の部分の不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)、Eは同断面写真(倍率100)、Fは同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)である。
図5A〜Cは本発明の他の実施例で得られた不織布とその構成繊維にフィラーが固着している状態を示し、Aは不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)、Bは同断面写真(倍率100)、Cは同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)である。
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1)不織布
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
第1層と第3層は、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH、エチレン38モル%、融点176℃)とポリプロピレンが50:50の割合の芯鞘複合繊維(繊度:2.8dtex,繊維長:51mm)からなり、目付けは各層とも30g/m2とした。
第2層は、レーヨン繊維(繊度:1.7dtex,繊維長:40mm)からなり、目付けは30g/m2とした。
前記の三層構成の水流交絡不織布の目付けは90g/m2であった。この不織布に6MPaの高圧水流処理をして、厚さ方向の繊維を交絡させた。
(2)研磨剤溶液
日本軽金属社製の“アルミナ”(平均粒径0.7μm)を3mass%の割合で水に懸濁させて研磨剤溶液とした。
(3)研磨剤の付与とゲル加工
前記の不織布を前記の研磨剤溶液中に浸漬し、マングルロールで絞った。ピックアップ率は約500%前後で調整して、固着するフィラー量を表1に示す数値になるように調整した。なお、ピックアップ率とは、不織布の質量に対する水分量とフィラー量の和に100を乗じた値である。次いで120℃に加熱した上下の熱板にキャンバスネットを張り、その間に前記不織布を挟み、0.064MPaの圧力で2秒間のゲル化処理をした。次に100℃の熱風で乾燥した。
(4)研磨特性評価試験
下記のインキをステンレス板と陶器皿に塗りつけ、乾燥した後に各研磨材を用いて汚れの除去を行った。汚れの除去は、人間の手で各サンプルとも同一の力を加えて摩擦した。インクと評価物体及び評価点は次のとおりとした。
1) インク
A:寺西化学工業社製油性インキ(No.500)
B:シャチハタ社製油性インキ(artline)
C:ゼブラ社製油性インキ(ハイ・マッキー)
D:三菱鉛筆社製油性インキ(三菱マーカーピース)
E:サクラクレパス社製油性インキ(マイネーム)
2) 評価物体と研磨材の状態
a:ステンレス板
b:陶器皿
dry:乾いた状態で使用。
wet:水につけて絞った状態。
3) 評価点
6点:摩擦回数が5回で完全に汚れがなくなっている。
5点:摩擦回数が10回で完全に汚れがなくなっている。
4点:摩擦回数が20回で完全に汚れがなくなっている。
3点:摩擦回数が30回で完全に汚れがなくなっている。
2点:摩擦回数が30回で部分的にわずかに汚れが残っている。
1点:摩擦回数が30回で汚れが半分程度残っている。
0点:摩擦回数が30回で汚れがほとんど落ちない。
なお、評価サンプルは、各5個試験をした。研磨性試験の結果は後にまとめて表1に示す。
また、得られた不織布とその構成繊維にフィラーが固着している状態を図4A〜Fに示す。
(比較例1)
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
第1層と第3層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、融点101℃)とポリプロピレンが50:50の割合の芯鞘複合繊維(繊度:2.2dtex,繊維長:51mm)からなり、目付けは各層とも30g/m2とした。
第2層は、レーヨン繊維(繊度:1.7dtex,繊維長:40mm)からなり、目付けは30g/m2とした。
前記の三層構成の水流交絡不織布の目付けは90g/m2であった。この不織布に6MPaの高圧水流処理をして、厚さ方向の繊維を交絡させた。
研磨剤の付与など、その他の条件は実施例1と同様とした。研磨性試験の結果は後にまとめて表1に示す。
(比較例2)
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
第1層と第3層は、エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂(EMA、融点86℃)とポリプロピレンが50:50の割合の芯鞘複合繊維(繊度:2.2dtex,繊維長:45mm)からなり、目付けは各層とも30g/m2とした。
第2層は、レーヨン繊維(繊度:1.7dtex,繊維長:40mm)からなり、目付けは30g/m2とした。
前記の三層構成の水流交絡不織布の目付けは90g/m2であった。この不織布に6MPaの高圧水流処理をして、厚さ方向の繊維を交絡させた。
研磨剤の付与など、その他の条件は実施例1と同様とした。研磨性試験の結果は後にまとめて表1に示す。
(従来品1)
市販の研磨粒子付き不織布たわし(3M社製)を用いて実施例1と同様に研磨性試験をした。結果は後にまとめて表1に示す。
(従来品2)
市販の研磨粒子付きスポンジたわし(エステー化学社製)を用いて実施例1と同様に研磨性試験をした。結果は後にまとめて表1に示す。
Figure 2005054313
表1に示すとおり、本実施例のフィラー固着不織布は、市販の研磨剤とほぼ同一レベルの研磨性を示した。その上、本実施例のフィラー固着不織布は、フィラーが脱落せず、耐久性がよい結果が得られた。フィラーの脱落がないことは、レンズや半導体の研磨などに特に有用である。
(実施例2)
(1)不織布
実施例1の芯鞘複合繊維からなる目付100g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた。
(2)加工手順及び条件
前記不織布を界面活性剤(アルキル基の炭素数が9のポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル)を0.1mass%含む水溶液に浸漬し、絞ることにより前処理した。次に、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)パウダー(日本合成化学社製、商品名「ソアノール」、パウダータイプB−7、エチレン29mol%、融点188℃)と、活性炭(クラレケミカル社製、商品名「クラレコール」PL−D)の水分散溶液に浸漬し、マングルロールで絞った。その後、熱板油圧プレス機(上、下の熱板を加熱)を使用し、キャンバスネット間に不織布を挟んでゲル加工を施した。加熱温度は120℃、プレス圧力は0.032MPa、加熱時間は2分とした。その後余剰分のフィラーを洗い流し、100℃の熱風で乾燥した。
前記活性炭は強固にかつ均一に固着していた。得られたフィラー固着不織布の結果を表2にまとめて示す。
(実施例3)
レーヨン繊維1.7dtex、51mmからなる60g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
前記活性炭は強固にかつ均一に固着していた。得られたフィラー固着不織布の結果を表2にまとめて示す。
(実施例4)
ポリエステル繊維1.7dtex、51mmからなる50g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
前記活性炭は強固にかつ均一に固着していた。得られたフィラー固着不織布の結果を表2にまとめて示す。
(実施例5)
ポリプロピレン繊維1.7dtex、51mmからなる60g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
前記活性炭は強固にかつ均一に固着していた。得られたフィラー固着不織布の結果を表2にまとめて示す。
Figure 2005054313
(実施例6)
第1層と第3層は、実施例1のエチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)と実施例1のポリプロピレンが50:50の割合の分割型複合繊維(繊度:3.3dtex、繊維長:51mm)からなり、目付は各層30g/m2とした。第1層と第3層の間の第2層は、実施例1のレーヨン繊維と、ポリエステル繊維(繊度:1.7dtex、繊維長:51mm)を1:1で混合し、目付は各層30g/m2とした。以下、実施例1と同様な方法でゲル化処理した。実施例1と同様にフィラーは強固にかつ均一に固着していた。得られた不織布とその構成繊維にフィラーが固着している状態を図5A〜Cに示す。
本発明のフィラー固着繊維は、歯間を磨くフィラメント繊維(デンタルフロス)、工業用研磨布として、レンズ、半導体、金属、プラスチック、セラミック、ガラスなど様々な分野の研磨布、家庭用又は業務用キッチンなどで使用する研磨布、有害ガスなどを吸着する吸着材、抗菌不織布、消臭不織布、イオン交換不織布、汚水処理用布、吸油布、金属吸着布、電池セパレータ用不織布、導電性布、制電性(帯電防止)布、調湿,除湿(結露防止)不織布、吸音,防音不織布、防虫,防カビ不織布などに有用である。
A〜Cは本発明の一実施形態におけるフィラー固着繊維の断面図である。 本発明の一実施形態における3層構造の不織布の断面図である。 本発明の製造方法の一例工程図である。 は本発明の実施例1で得られた不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)である。 は同断面写真(倍率100)である。 は同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)である。 は同、他の部分の不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)である。 は同断面写真(倍率100)である。 は同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)である。 は本発明の実施例6で得られた不織布を示す走査電子顕微鏡平面写真(倍率100)である。 は同断面写真(倍率100)である。 は同不織布表面の繊維表面拡大写真(倍率1000)である。
符号の説明
1 鞘成分
2 芯成分
3 フィラー
4 バインダー
5,6,9 複合繊維
7 エチレン−ビニルアルコール共重合体
8 ポリプロピレン
11,11 フィラー固着繊維層
12 レーヨン繊維層

Claims (19)

  1. 繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維であって、
    前記バインダー樹脂は、湿熱ゲル化樹脂であり、
    前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されていることを特徴とするフィラー固着繊維。
  2. 前記湿熱ゲル化樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
  3. 前記フィラーが、無機粒子である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
  4. 前記無機粒子が、アルミナ、シリカ、トリポリ、ダイヤモンド、コランダム、エメリー、ガーネット、フリント、合成ダイヤ、窒化硼素、炭化珪素、炭化硼素、酸化クロム、酸化セリウム、酸化鉄、ケイ酸コロイド、炭素、グラファイト、ゼオライト、二酸化チタン、カオリン、クレイ及びシリカゲルから選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項3に記載のフィラー固着繊維。
  5. 前記フィラーの平均粒子径が、0.01〜80μmの範囲である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
  6. 前記繊維が、通常の単一成分からなる繊維、又は水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含む複合繊維であり、
    前記複合繊維の場合は湿熱ゲル化繊維成分が湿熱でゲル化してバインダー樹脂として存在している請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィラー固着繊維。
  7. 繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、
    前記バインダー樹脂は、湿熱ゲル化樹脂であり、
    前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって固定されていることを特徴とする不織布。
  8. 前記フィラー固着繊維が両表面に存在し、内部に親水性繊維を存在させた請求項7に記載の不織布。
  9. 前記親水性繊維が、レーヨン繊維、コットン繊維及びパルプから選ばれる少なくとも一つの繊維である請求項8に記載の不織布。
  10. 前記繊維または前記不織布が厚さ方向に圧縮成形されて固着されている請求項7に記載の不織布。
  11. 前記フィラーが研磨剤であり、前記不織布が研磨不織布である請求項7〜10のいずれか1項に記載の不織布。
  12. 前記繊維が、通常の単一成分からなる繊維、又は水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含む複合繊維であり、
    前記複合繊維の場合は湿熱ゲル化繊維成分が湿熱でゲル化してバインダー樹脂として存在している請求項7〜11のいずれか1項に記載の不織布。
  13. 繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維の製造方法であって、
    前記バインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を用い、前記繊維に前記湿熱ゲル化樹脂を付与した後フィラーを付与するか、又は前記フィラーを、前記湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記繊維に付与し、
    前記湿熱ゲル化樹脂のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とするフィラー固着繊維の製造方法。
  14. 繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維の製造方法であって、
    前記繊維として水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含む複合繊維を用い、
    前記フィラーの分散溶液に前記複合繊維を含浸させ、
    次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とするフィラー固着繊維の製造方法。
  15. 繊維と、その表面のバインダー樹脂と、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布の製造方法であって、
    前記バインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を用い、前記不織布に前記湿熱ゲル化樹脂を付与した後フィラーを付与するか、又は前記フィラーを、前記湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記不織布に付与し、
    前記湿熱ゲル化樹脂のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする不織布の製造方法。
  16. 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布の製造方法であって、
    前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、
    次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定し、前記不織布を厚さ方向に圧縮成形することを特徴とする不織布の製造方法。
  17. 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、
    前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、
    次に、前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で不織布の厚さ方向に圧縮成形しながら湿熱処理して、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする不織布の製造方法。
  18. 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と、他の熱可塑性合成繊維成分とを含む繊維と、その表面又は湿熱ゲル化樹脂を介して存在するフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、
    前記フィラーの分散溶液に前記不織布を含浸させ、
    次に、スチームにより湿熱処理して、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に固定することを特徴とする不織布の製造方法。
  19. 前記フィラーの分散溶液が、水溶液又は湿熱ゲル化樹脂を含む水溶液である請求項15〜18のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
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