JP3884730B2 - フィラー固着繊維と不織布及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)不織布
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
(2)研磨剤溶液
日本軽金属社製の“アルミナ”(平均粒径0.7μm)を3mass%の割合で水に懸濁させて研磨剤溶液とした。
(3)研磨剤の付与とゲル加工
前記の不織布を前記の研磨剤溶液中に浸漬し、マングルロールで絞った。ピックアップ率は約500%前後で調整して、固着するフィラー量を表1に示す数値になるように調整した。なお、ピックアップ率とは、不織布の質量に対する水分量とフィラー量の和に100を乗じた値である。次いで120℃に加熱した上下の熱板にキャンバスネットを張り、その間に前記不織布を挟み、0.064MPaの圧力で2秒間のゲル化処理をした。次に100℃の熱風で乾燥した。
(4)研磨特性評価試験
下記のインキをステンレス板と陶器皿に塗りつけ、乾燥した後に各研磨材を用いて汚れの除去を行った。汚れの除去は、人間の手で各サンプルとも同一の力を加えて摩擦した。インクと評価物体及び評価点は次のとおりとした。
1) インク
A:寺西化学工業社製油性インキ(No.500)
B:シャチハタ社製油性インキ(artline)
C:ゼブラ社製油性インキ(ハイ・マッキー)
D:三菱鉛筆社製油性インキ(三菱マーカーピース)
E:サクラクレパス社製油性インキ(マイネーム)
2) 評価物体と研磨材の状態
a:ステンレス板
b:陶器皿
dry:乾いた状態で使用。
wet:水につけて絞った状態。
3) 評価点
6点:摩擦回数が5回で完全に汚れがなくなっている。
5点:摩擦回数が10回で完全に汚れがなくなっている。
4点:摩擦回数が20回で完全に汚れがなくなっている。
3点:摩擦回数が30回で完全に汚れがなくなっている。
2点:摩擦回数が30回で部分的にわずかに汚れが残っている。
1点:摩擦回数が30回で汚れが半分程度残っている。
0点:摩擦回数が30回で汚れがほとんど落ちない。
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
下記の三層構成の水流交絡不織布を形成した。
市販の研磨粒子付き不織布たわし(3M社製)を用いて実施例1と同様に研磨性試験をした。結果は後にまとめて表1に示す。
市販の研磨粒子付きスポンジたわし(エステー化学社製)を用いて実施例1と同様に研磨性試験をした。結果は後にまとめて表1に示す。
(1)不織布
実施例1の芯鞘複合繊維からなる目付100g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた。
(2)加工手順及び条件
前記不織布を界面活性剤(アルキル基の炭素数が9のポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル)を0.1mass%含む水溶液に浸漬し、絞ることにより前処理した。次に、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)パウダー(日本合成化学社製、商品名「ソアノール」、パウダータイプB−7、エチレン29mol%、融点188℃)と、活性炭(クラレケミカル社製、商品名「クラレコール」PL−D)の水分散溶液に浸漬し、マングルロールで絞った。その後、熱板油圧プレス機(上、下の熱板を加熱)を使用し、キャンバスネット間に不織布を挟んでゲル加工を施した。加熱温度は120℃、プレス圧力は0.032MPa、加熱時間は2分とした。その後余剰分のフィラーを洗い流し、100℃の熱風で乾燥した。
レーヨン繊維1.7dtex、51mmからなる60g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
ポリエステル繊維1.7dtex、51mmからなる50g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
ポリプロピレン繊維1.7dtex、51mmからなる60g/m2の水流交絡不織布(水圧6MPaの高圧水流処理)を用いた以外は、実施例2と同様に処理した。
2 芯成分
3 フィラー
4 バインダー
5,6,9 複合繊維
7 エチレン−ビニルアルコール共重合体
8 ポリプロピレン
11,11 フィラー固着繊維層
12 レーヨン繊維層
Claims (17)
- 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含み、前記湿熱ゲル化繊維成分が露出しているかまたは部分的に区分されている湿熱ゲル化複合繊維であって、
前記湿熱ゲル化繊維成分が湿熱でゲル化してバインダー樹脂となるか、又は前記複合繊維の表面にさらにバインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を存在させ、
前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維であって、
前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって露出して固定されており、
前記熱可塑性合成繊維成分の融点は、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させる温度よりも高く、かつ前記熱可塑性合成繊維成分は繊維の形態を保つことを特徴とするフィラー固着繊維。 - 前記湿熱ゲル化樹脂が、エチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
- 前記フィラーが、無機粒子である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
- 前記無機粒子が、アルミナ、シリカ、トリポリ、ダイヤモンド、コランダム、エメリー、ガーネット、フリント、合成ダイヤ、窒化硼素、炭化珪素、炭化硼素、酸化クロム、酸化セリウム、酸化鉄、ケイ酸コロイド、炭素、グラファイト、ゼオライト、二酸化チタン、カオリン、クレイ及びシリカゲルから選ばれる少なくとも一つの粒子である請求項3に記載のフィラー固着繊維。
- 前記フィラーの平均粒子径が、0.01〜80μmの範囲である請求項1に記載のフィラー固着繊維。
- 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含み、前記湿熱ゲル化繊維成分が露出しているかまたは部分的に区分されている湿熱ゲル化複合繊維を使用し、
前記湿熱ゲル化繊維成分が湿熱でゲル化してバインダー樹脂となるか、又は前記複合繊維の表面にさらにバインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を存在させ、
前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布であって、
前記フィラーは、前記湿熱ゲル化樹脂が湿熱ゲル化したゲル化物によって露出して固定されており、
前記熱可塑性合成繊維成分の融点は、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させる温度よりも高く、かつ前記熱可塑性合成繊維成分は繊維の形態を保つことを特徴とする不織布。 - 前記複合繊維にさらに他の通常の繊維を加え、前記通常の繊維は繊維の形態を保つ請求項6に記載の不織布。
- 前記フィラー固着繊維が両表面に存在し、内部に親水性繊維を存在させた請求項6に記載の不織布。
- 前記親水性繊維が、レーヨン繊維、コットン繊維及びパルプから選ばれる少なくとも一つの繊維である請求項8に記載の不織布。
- 前記繊維または前記不織布が厚さ方向に圧縮成形されて固着されている請求項6に記載の不織布。
- 前記フィラーが研磨剤であり、前記不織布が研磨不織布である請求項6〜10のいずれか1項に記載の不織布。
- 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含み、前記湿熱ゲル化繊維成分が露出しているかまたは部分的に区分されている湿熱ゲル化複合繊維を使用し、
前記複合繊維にフィラーを付与するか、又はフィラーを湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記複合繊維に付与し、
前記熱可塑性合成繊維成分の融点は、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させる温度よりも高く、かつ前記熱可塑性合成繊維成分は繊維の形態を保つように前記湿熱ゲル化樹脂又は前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂又は前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に露出して固定することを特徴とするフィラー固着繊維の製造方法。 - 水分存在下で加熱することによってゲル化する湿熱ゲル化繊維成分と熱可塑性合成繊維成分とを含み、前記湿熱ゲル化繊維成分が露出しているかまたは部分的に区分されている湿熱ゲル化複合繊維を含む不織布を使用し、前記湿熱ゲル化繊維成分が湿熱でゲル化してバインダー樹脂となるか、又は前記複合繊維の表面にさらにバインダー樹脂として湿熱ゲル化樹脂を存在させ、前記バインダー樹脂に固着されたフィラーを含むフィラー固着繊維を少なくとも一表面に存在させた不織布の製造方法であって、
前記不織布繊維にフィラーを付与するか、又はフィラーを湿熱ゲル化樹脂を含む溶液に分散してフィラー分散溶液とし、これを前記不織布に付与し、
前記熱可塑性合成繊維成分の融点は、前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させる温度よりも高く、かつ前記熱可塑性合成繊維成分は繊維の形態を保つように前記湿熱ゲル化樹脂又は前記湿熱ゲル化繊維成分のゲル化温度以上融点−20℃以下の温度範囲で湿熱処理して前記湿熱ゲル化樹脂又は前記湿熱ゲル化繊維成分をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に露出して固定することを特徴とする不織布の製造方法。 - 前記複合繊維にさらに他の通常の繊維を加え、前記通常の繊維は繊維の形態を保つ請求項13に記載の不織布の製造方法。
- 前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に露出して固定する方法が、スチームによる湿熱処理である請求項13に記載の不織布の製造方法。
- 前記湿熱ゲル化樹脂をゲル化させ、ゲル化物によって前記フィラーを繊維表面に露出して固定する方法が、面圧が0.01〜0.2MPaの圧縮成形又は線圧が10〜400N/cmのロール処理である請求項13に記載の不織布の製造方法。
- 前記フィラーの分散溶液が、水溶液又は湿熱ゲル化樹脂を含む水溶液である請求項13に記載の不織布の製造方法。
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