JPH11317304A - 磁性材料およびボンド磁石 - Google Patents
磁性材料およびボンド磁石Info
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Abstract
相を主相とする磁性材料を提供する。 【解決手段】 一般式R1x R2y Bz Au M
100-x-y-z-u 、ただし、R1は少なくとも一種の希土類
元素(Yを含む)、R2はZr、Hf及びScから選ば
れる少なくとも一種の元素、AはH、N、C及びPから
選ばれる少なくとも一種の元素、MはFe及びCoの少
なくとも1つの元素、x、y、z及びuは原子%でそれ
ぞれ2≦x、4≦x+y≦20、0.001≦z≦1
0、0≦u≦20を示す、にて表され、主相がTbCu
7 型結晶構造を有することを特徴とする。
Description
ド磁石に関する。
m−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石などが知られて
おり、現在量産化が進められている。これらの磁石には
FeまたはCoが多量に含まれ、飽和磁束密度の増大に
寄与している。また、これらの磁石中の希土類元素は、
結晶場中における4f電子の挙動に由来する非常に大き
な磁気異方性をもたらす。これにより保磁力の増大化が
図られ、高性能な磁石が実現されている。このような高
性能磁石は主としてスピーカー、モーター、計測器など
の電気機器に使用されている。
り、それに応えるために前記永久磁石の最大磁気エネル
ギー積を向上し、より高性能の永久磁石が求められてい
る。
主相とする磁性材料において、主相中のFe濃度が高
く、飽和磁束密度の高い磁性材料を提案した(特願平4
−277474)。
高いTbCu7 相を主相とする磁性材料においても更な
る残留磁束密度の増大が要求されている。Fe濃度が高
いTbCu7 相を主相とする磁性材料に大きな保磁力を
付与するためには、例えば液体急冷、メカニカルアロイ
ング等の製造プロセスを採用することが有効である。し
かしながら、これらのプロセスを経た磁性材料は、結晶
粒が微細であり通常の磁場配向のような簡単なプロセス
での磁化容易軸方向への結晶配向が困難になる。その結
果、大きな残留磁束密度を有する磁性材料が得られない
という問題があった。
束密度の高い磁性材料を提供しようとするものである。
留磁束密度の高い磁性材料を含むボンド磁石を提供しよ
うとするものである。
は、 一般式 R1x R2y Bz Au M100-x-y-z-u ただし、R1は少なくとも一種の希土類元素(Yを含
む)、R2はZr、Hf及びScから選ばれる少なくと
も一種の元素、AはH、N、C及びPから選ばれる少な
くとも一種の元素、MはFe及びCoの少なくとも1つ
の元素、x、y、z及びuは原子%でそれぞれ2≦x、
4≦x+y≦20、0.001≦z≦10、0≦u≦2
0を示す、にて表され、主相がTbCu7 型結晶構造を
有することを特徴とするものである。
が独立に振る舞う場合には一般的に飽和磁束密度(B
s)に対する残留磁束密度(Br)の比率(Br/B
s)が0.5を越えない。ただし、微細化した結晶粒が
結晶粒界を介して交換相互作用により結合すると、等方
性の磁性材料であっても前記Br/Bsが0.5を越え
る場合がある。
を含む前記一般式で示される本発明に係わる磁性材料
は、結晶粒間の交換相互作用が増大されるため、残留磁
束密度が向上される。これは、次に説明する硼素の挙動
によるものと考えられる。硼素は、例えばTbCu7 相
のインタースティシャル位置に侵入したり、希土類元
素、遷移金属元素と結合して粒界相を形成するなどの形
で磁性材料中に取り込まれる。このような磁性材料中へ
の硼素の取り込みは、結晶粒を微細化する、粒界構造に
影響を与える等により結晶粒間の交換相互作用を増強し
て前記Br/Bsが0.5を越える性質を発現でき、磁
性材料の残留磁束密度を向上することができる。
とも1つの元素、R2はZr、HfおよびScから選ば
れる少なくとも1つの元素、Aは、H、N、CおよびP
から選ばれる少なくとも1つの元素、MはFeおよびC
oから選ばれる少なくとも1つの元素、x、y、z、u
はそれぞれ原子%でx≧2、4≦x+y≦20、0.0
01≦z≦10、0≦u≦20である、にて表され、主
相がTbCu7 型結晶構造を有する磁性材料粉末とバイ
ンダとを含むことを特徴とするものである。
高い磁性材料を含むため、大きな最大エネルギー積を有
する。
む)、R2はZr、Hf及びScから選ばれる少なくと
も一種の元素、AはH、N、C及びPから選ばれる少な
くとも一種の元素、MはFe及びCoの少なくとも1つ
の元素、x、y、z及びuは原子%でそれぞれ2≦x、
4≦x+y≦20、0.001≦z≦10、0≦u≦2
0を示す、にて表され、主相がTbCu7 型結晶構造を
有する。
相で、前記TbCu7 型結晶構造を有する主相は磁気特
性を担うものである。このため、本発明の磁性材料中の
主相の含有比率が低下すると、主相の特性が反映されな
いため、少なくとも50体積%以上の含有比率を有する
ことが望まれる。
bCu7 型結晶構造の格子定数a、cの比c/aは0.
847以上であることが好ましい。前記c/aは、Tb
Cu 7 相中のFeおよびCo濃度と密接に関連してお
り、c/aの上昇に伴ってFeおよびCo濃度が増大す
る。TbCu7 相中のFeおよびCo濃度の増大は、飽
和磁束密度の増大に繋がり、磁気特性を向上させること
ができる。このような効果は、c/aが0.847以上
の磁性材料において特に顕著である。前記c/aの値
は、磁性材料を構成する成分の比率または製造方法によ
り制御することができる。
する各成分の働きおよび各成分の配合量を規定した理
由、(2)A元素を含まない磁性材料の製造方法、
(3)A元素としてNを配合した磁性材料の製造方法、
(4)A元素としてCを配合した磁性材料の製造方法、
(5)磁石の製造方法について詳細に説明する。
成分の働きおよび各成分の配合量を規定した理由 (1−1)R1元素 R1元素である希土類元素としては、La、Ce,P
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Lu、Yが挙げられ、これらは1種または2
種以上の混合物で使用される。R1元素は、前記磁性材
料に大きな磁気異方性をもたらし、高い保磁力を付与す
る。特に、R1元素は50原子%以上がSmであること
が好ましい。この場合、Sm以外の残部はPr、Ndで
あることが好ましい。
異方性の低下が著しく大きな保磁力を有する磁性材料を
得ることが困難になる。一方、前記R1元素が過剰に配
合されると、磁性材料の飽和磁束密度が低下する。した
がって、R1元素含有量xは4≦x≦16であることが
好ましい。
る少なくとも1つの元素を用いることができる。このよ
うなR2元素は、主として主相の希土類サイトを占有
し、希土類サイトの平均原子半径を低減させるなどの作
用により、主相であるTbCu7 型相中のFeおよびC
o濃度を高めることが可能になる。好ましいR2元素の
含有量yは、0.1≦y≦10、さらに好ましくは1≦
y≦3である。
原子%未満にするとα−Fe(Co)の析出が著しく大
きな保磁力を有する磁性材料を得ることが困難になる。
一方、R1元素及びR2元素の合計量が20原子%を越
えると磁性材料の飽和磁束密度が低下する。より好まし
いR1元素及びR2元素の合計含有量(x+y)は、4
≦x+y≦16である。
料を得るために有効な元素である。硼素の含有量を0.
001原子%未満にすると、残留磁束密度の高い磁性材
料を得ることが困難になる。一方、硼素の含有量が10
原子%を越えるとR2 Fe14B相の生成が顕著になり、
磁性材料の磁気特性が劣化する。好ましい硼素の含有量
zは、0.01≦z≦4、さらに好ましくは0.1≦z
≦3である。
の元素である。前記A元素は、主として主相の格子間位
置に存在し、前記A元素を含まない場合と比較して前記
主相のキュリー温度、磁気異方性を向上させる働きを有
する。
揮されるが、20原子%を越えるとα−Fe(Co)の
析出が多くなる。より好ましいA元素の含有量uは、2
≦u≦20、更に好ましくは5≦u≦10である。
の元素であり、磁性材料の飽和磁束密度を増大させる働
きを有する。前記M元素は、磁性材料中に70原子%以
上含有されることにより効果的に飽和磁束密度が増大さ
れる。
n、Ni、Sn、Ga、Al、Siから選ばれる少なく
とも1つのT元素で置換することを許容する。このよう
なT元素の置換により、磁性材料全体に占める主相の割
合を増加させたり、主相中のMおよびTの総量を増加さ
せることが可能になる。また、磁性材料の保磁力を増大
させることが可能になる。
すると、飽和磁束密度の低下を招く。このため、T元素
の置換量は原子%でM元素の20%以下にすることが望
ましい。また、飽和磁束密度の高い磁性材料を得る観点
から、M元素およびT元素の総量中に占めるFe量は5
0原子%以上にすることが好ましい。
不可避的不純物を含有することを許容する。
び必要に応じて前記M元素の一部を置換するT元素を含
有するインゴットをアーク溶解または高周波溶解にて調
製する。このインゴットを小片に切り出し、所定量の硼
素(B)とともに高周波誘導加熱等により溶融した後、
溶湯を高速で回転する単ロール上に噴出して急冷薄帯を
製造する。インゴット中に予め硼素を含有させ、この溶
湯から急冷薄帯を製造することも可能である。
e14B相が急冷薄帯中に生成する恐れがある。このた
め、前記溶湯の温度は900℃〜1500℃にすること
が好ましい。
かに双ロール法、回転ディスク法、ガスアトマイズ法な
どの手段を用いてもよい。
各元素および必要に応じて前記M元素の一部を置換する
T元素の各原料粉末の混合体に機械的エネルギーを付与
し、固相反応により合金化させるメカニカルアロイング
法またメカニカルグラインディング法により磁性材料を
製造する。
急冷工程および固相反応工程をAr、Heなどの不活性
ガス雰囲気で行うことが望ましい。このような雰囲気で
急冷または固相反応させることによって、酸化による磁
気特性の劣化が防止された磁性材料を製造することが可
能になる。
じてAr、Heなどの不活性ガス雰囲気中または真空
中、300〜1000℃で0.1〜10時間の熱処理が
施されることを許容する。このような熱処理を施すこと
により、保磁力等の磁気特性を向上させたりすることが
可能になる。
の製造方法 まず、前記(2−1)、(2−2)の方法で得られた合
金材料をボールミル、ブラウンミル、スタンプミル、ジ
ェットミル等によって平均粒径数μm〜数100μmに
粉砕し、この合金粉末を窒素ガス雰囲気中で熱処理(窒
化処理)することにより磁性材料を製造する。ただし、
前記(2)の方法のようにメカニカルアロイング法また
はメカニカルグラインディング法で製造された合金材料
は粉末状態であるため前記粉砕工程を省略することも可
能である。
して前記(1)の液体急冷法で得られる合金材料(薄
帯)を用いる場合には、急冷直後の保磁力(iHc)が
56kA/m(700 Oe)以下、より好ましくは2
0kA/m(250 Oe)以下であるか、または厚さ
が30μm以下の薄帯を用いることが望ましい。前者の
薄帯は、例えば液体急冷法として単ロール法を採用した
場合、前記ロールの回転速度を高めることにより得られ
る。後者の薄帯は、例えば液体急冷法として単ロール法
を採用した場合、溶湯を噴射するノズルと単ロールとの
ギャップを調整することにより得られる。このような薄
帯を粉砕して得られた合金粉末を窒化処理することによ
り残留磁束密度がさらに向上された磁性材料を得ること
が可能になる。
の窒素ガス雰囲気中、200〜700℃の温度下で行う
ことが好ましい。このような圧力および温度下での窒化
処理は、0.1〜300時間行えばよい。
圧)、窒化処理温度をT(℃)とした時、pが2気圧以
上で、かつ2p+400≦T≦2p+420の関係を満
たすことが好ましい。
化処理する際、窒素圧力と窒素吸収開始温度との間に図
1に示す関係があることを見出した。ここで、窒素吸収
開始温度は、窒素含有ガス中で室温より昇温した場合に
窒素吸収が起こる温度とする。α−Fe相が磁性材料中
に析出し始める温度は、前記窒素吸収開始温度とほぼ等
しいため、窒素圧力を高めた場合、窒素圧力が低い場合
に比較して高温で窒化処理を行ってもα−Fe相の析出
を少なくすることが可能になる。したがって、前記条件
で窒化処理を行うことにより過剰のα−Fe相の析出を
抑制しつつ、前記合金粉末内部への窒素の拡散が容易に
なり、磁気特性が良好に磁性材料を得ることが可能にな
る。
の温度をT<2p+400にすると、窒化処理を行って
も単位時間当りの窒素吸収量が少なく、窒化処理時間が
長くなってコストの増大を招く恐れがある。一方、窒素
圧力が2気圧以上の条件でその温度をT>2p+420
にすると、窒素圧力を高めてもα−Fe相の析出が多く
なって、磁性材料の磁気特性を劣化させる恐れがある。
てアンモニア等の窒素化合物ガスを用いてもよい。この
アンモニアの使用により、窒化反応速度を高めることが
可能になる。
100気圧の水素ガス雰囲気中、100〜700℃の温
度下で熱処理を行うか、または窒素ガスに水素を混合し
たガスを用いることにより、高効率の窒化を行うことが
可能になる。
別のガスを混合することも可能であるが、酸素を混合す
る場合には熱処理中の酸化物生成による磁気特性劣化を
避けるために、酸素分圧を0.02気圧以下にすること
が望ましい。
N(Rは前述したR1およびR2からの選ばれる少なく
とも1種)等の窒素化合物を原料として用い、固相反応
により調製することによって前記A元素として窒素が配
合された磁性材料を製造することも可能である。
の製造方法 まず、前記(2−1)、(2−2)の方法で得られた合
金材料をボールミル、ブラウンミル、スタンプミル、ジ
ェットミル等によって平均粒径数μm〜数100μmに
粉砕し、この合金粉末を例えばメタン等の炭素含有ガス
の雰囲気中で熱処理することにより炭素が取り込まれた
磁性材料を製造する。ただし、前記(2)の方法のよう
にメカニカルアロイング法またはメカニカルグラインデ
ィング法で製造された合金材料は粉末状態であるため前
記粉砕工程を省略することも可能である。
て前記(1)の液体急冷法で得られる合金材料(薄帯)
を用いる場合には、急冷直後の保磁力(iHc)が56
kA/m(700 Oe)以下、より好ましくは20k
A/m(250 Oe)以下であるか、もしくは厚さが
30μm以下の薄帯を用いることが望ましい。このよう
な薄帯を粉砕して得られた合金粉末を炭素含有ガスの雰
囲気中で熱処理することにより残留磁束密度がさらに向
上された磁性材料を得ることが可能になる。
炭素含有ガスの雰囲気中、200〜700℃の温度下で
行うことが好ましい。このような圧力および温度下での
熱処理は、0.1〜300時間行えばよい。
記メタンのような炭素含有ガスを用いる他に、合金の調
製段階で炭素を添加することにより製造することが可能
である。
料は、合金の調製段階でリンを添加することにより製造
することが可能である。
砕した合金粉末を用いる。ただし、前記磁性材料の製造
工程において既に粉砕が行われている場合にはこれを省
略することが可能である。このような合金粉末を用いて
下記に示すような方法で永久磁石を製造する。
し、圧縮成形することによりボンド磁石を製造する。
下の微細な粉末の含有量が5体積%以下、より好ましく
は2体積%以下であるものを用いることが望ましい。こ
のような微細な合金粉末は、比表面積が大きいために酸
化され易く、かつ固気反応によりα−Feを生成し易
い。このため、前記微細な合金粉末を含まない合金粉末
を用いることによって、磁気特性がより向上されたボン
ド磁石を得ることが可能になる。
は、例えば前記合金粉末を気流分散機を用いて分級する
方法、または前記合金粉末を溶媒中に分散させ、浮遊粒
子を除去する方法等を採用することができる。
イロン等の合成樹脂を用いることができる。前記合成樹
脂としてエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を用いる場
合には、圧縮成形後、100〜200℃の温度でキュア
処理を施すことが好ましい。前記合成樹脂としてナイロ
ンのような熱可塑性樹脂を用いる場合には、射出成形法
を用いることが望ましい。
て合金粉末の結晶方位を揃えることにより、高磁束密度
を有するボンド磁石を得ることが可能になる。
(ただし、RはYを含む希土類元素から選ばれる少なく
とも1つの元素を示す)を主相とする磁性材料粉末を含
むことを許容する。
100-x-y-z-u (u=0)の合金粉末を窒化処理する際、
粉末内部まで十分かつ均一に窒化するためには粉末粒径
は小さい、例えば50μm以下、更には30μm以下程
度、であることが好ましい。ただし、前述したように比
表面積を大きくする粒径2.8μm以下の微細な粉末の
含有量が5体積%以下である合金粉末を用いることが好
ましい。しかしながら、このような50μm以下の微細
な粉末を用いてボンド磁石を製造すると、充填率を上げ
ることが困難になる。その結果、ボンド磁石の磁気特性
を向上することが困難になる。
り細かく粉砕すると磁気特性が劣化する。したがって、
比較的大きい粒径、例えば50μm以上程度の粒径を有
するR2 Fe14B系の粉末と、それより粒径の小さい前
記一般式R1x R2y Bz A u M100-x-y-z-u の粉末と
を混合して用いることにより、充填率を向上することが
でき、結果として磁気特性の優れたボンド磁石を得るこ
とができる。
100-x-y-z-u にて表される合金粉末(A)と前記R2 F
e14B相を主相とする合金粉末(B)の混合比率は、重
量割合でA/Bが0.1〜10であること好ましい。前
記A/Bを0.1未満にすると、ボンド磁石中に占める
残留磁束密度のような磁気特性の優れた合金粉末(A)
の量が低下して磁気特性を十分に高めることが困難にな
る。一方、前記A/Bが10を越えると、ボンド磁石の
最密充填性を改善することが困難になる。
は低融点合金と混合した後、圧縮成形することによりメ
タルボンド磁石を製造する。
b、Sn、Zn、Cu、Mgなどの金属を挙げることが
でき、前記合金は前記金属の合金を用いることができ
る。
て前記合金粉末の結晶方位を揃えることにより、高磁束
密度を有するメタルボンド磁石を得ることが可能にな
る。
たは熱間静水圧プレス(HIP)により高密度の成形体
として一体化することにより永久磁石を製造する。
記合金粉末結晶方位を揃えることにより、高磁束密度を
有する永久磁石を製造できる。
で加圧しながら塑性変形加工を施すことにより、前記合
金粉末が磁化容易軸方向に配向した永久磁石を製造する
ことが可能になる。
より永久磁石を製造する。
Co、Fe原料を、Ar雰囲気中でアーク溶解してイン
ゴットを調製した。インゴットの組成は、Sm7.5原
子%、Zr2.5原子%、Co27原子%、残部をFe
とした。このインゴットを20g程度の小片に切り出
し、60mg程度のBとともに石英製のノズルに装填
し、アルゴンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融
した後、溶湯を周速40m/sで回転する銅製の単ロー
ル上に噴出して合金薄帯を作製した。噴出する際の温度
は、1300℃とした。ICPによる組成分解の結果、
前記合金薄帯中には1.88原子%のBが含有され、S
m7.35Zr2.45Co26.5B1.88Febal の組成を有する
ものであった。つづいて、前記合金薄帯を石英管に真空
封入し、720℃で15分間熱処理を施した。
X線回折にて調べた。その結果、回折パターン上、微小
なα−Feの回折ピークの他はすべての回折ピークが六
方晶系のTbCu7 型結晶構造にて指数付けされ、Tb
Cu7 相が主相をなすことが確認された。また、X線回
折の結果より、TbCu7 相の格子定数はa=0.48
53nm、c=0.4184nmと評価でき、格子定数
比c/aは0.8621であることがわかった。
用いて粒径100μm以下に粉砕し、この磁性材料粉末
にエポキシ樹脂を2重量%添加し混合した後、8000
kg/cm2 の圧力で圧縮成型し、さらに150℃の温
度で2.5時間キュア処理を施することによりボンド磁
石を製造した。
性を測定した結果、残留磁束密度、保磁力及び最大エネ
ルギー積はそれぞれ0.75T、210kA/m、64
kJ/m3 であった。
英管に真空封入し、720℃で15分間熱処理を施し
た。熱処理材について、乳鉢を用いて粒径32μm以下
に粉砕した後、1気圧の窒素ガス雰囲気中、440℃で
65時間熱処理(窒化処理)を施して磁性材料粉末を合
成した。この磁性材料粉末の組成は、Sm6.76Zr2.25
Co24.35 B 1.70N8.12Febal であった。
折にて測定することにより図2に示すX線回折パターン
を得た。図2に示すように、回折パターン上、微小なα
−Feの回折ピークの他はすべての回折ピークが六方晶
系のTbCu7 型結晶構造にて指数付けされ、TbCu
7 相が主相をなすことが確認された。また、X線回折の
結果より、TbCu7 相の格子定数はa=0.4927
nm、c=0.4255nmと評価でき、格子定数比c
/aは0.8636であることがわかった。
で浮遊させ、浮遊物を除去することにより粒径3.8μ
m以下の微細な粉末を5体積%以下まで除去した。この
ような微粉除去後の磁性材料粉末にエポキシ樹脂を2重
量%添加し混合した後、8000kg/cm2 の圧力で
圧縮成型し、その後150℃の温度で2.5時間キュア
処理を施したボンド磁石を製造した。
性を測定した結果、残留磁束密度、保磁力及び最大エネ
ルギー積はそれぞれ0.75T、560kA/m、81
kJ/m3 であった。
Nb、Pr、Dy、Zr、Hf、V、Ni、Cr、A
l、Ga、Mo、W、Si、Co、Feの各原料をAr
雰囲気中でアーク溶解して8種のインゴットを作製し
た。つづいて、これらのインゴットの小片を硼素(B)
とともに石英製のノズルにそれぞれ装填し、アルゴンガ
ス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、溶湯を
周速40m/sで回転する銅製の単ロール上に噴出して
8種の合金薄帯を作製した。これらの合金薄帯を石英管
に真空封入し、720℃で15分間熱処理を施し、さら
に乳鉢を用いて粒径32μm以下に粉砕した後、1気圧
の窒素ガス雰囲気中、440℃で65時間熱処理(窒化
処理)をそれぞれ施することにより下記表1に示す組成
の8種の磁性材料粉末を合成した。
全てTbCu7 相が主相をなすことが確認され、その格
子定数比c/aは0.854〜0.876の範囲である
ことがわかった。
施例2と同様な方法により8種のボンド磁石を製造し
た。
磁束密度、保磁力、最大エネルギー積を調べた。これら
の結果を下記表1に併記した。
0のボンド磁石は、残留磁束密度、保磁力、最大エネル
ギー積が大きく、優れた磁気特性を示すことがわかる。
Fe、Coの各原料を所定量調合し、実施例1と同様な
条件で合金薄帯を作製し、真空中で熱処理した後、実施
例2と同様の方法で窒化処理を施して磁性材料粉末を製
造した。なお、インゴットの組成はSm7.5原子%、
Zr2.5原子%、Co27原子%、残部をFeとし
た。またBの添加量は14原子%となるように調整し
た。
た結果、TbCu7 相、R2 Fe14B相及びα−Fe相
の生成が確認された。また、それぞれの相のメインピー
クの回折強度比は、TbCu7 相:R2 Fe14B相:α
−Fe相=19:33:48であった。
1と同様にしてボンド磁石を製造した。得られたボンド
磁石の室温における残留磁束密度、保磁力、最大エネル
ギー積は、それぞれ0.12T、32kA/m、1.0
kJ/m3 と低い磁気特性であった。これは、磁性材料
中の硼素(B)の配合量が本発明の範囲(10原子%以
下)を越え、前述した粉末X線回折の結果からα−Fe
相およびR2 Fe14B相の析出が著しいことに起因する
ものと考えられる。
Coの各原料を所定量調合し、実施例1と同様な条件で
合金薄帯を作製し、真空中で熱処理した後、実施例2と
同様の方法で窒化処理を施して磁性材料粉末を製造し
た。なお、インゴットの組成はSm7.5原子%、Zr
2.5原子%、Co27原子%、残部がFeであり、B
は添加されていなかった。
線回折を行なった結果、実施例1と同様にTbCu7 相
が主相をなすことが確認され、TbCu7 相の格子定数
比c/aは0.861であることがわかった。
1と同様にしてボンド磁石を製造した。得られたボンド
磁石の室温における残留磁束密度、保磁力、最大エネル
ギー積は、それぞれ0.60T、550kA/m、57
kJ/m3 であり、実施例2と比較して磁気特性が劣
る。これは、Bの添加を行わなかったことにより、残留
磁束密度が実施例2より小さく、これに起因して最大エ
ネルギー積も実施例1より低下したものと推測される。
度のSm、Zr、Co、Feの各原料を、Ar雰囲気中
でアーク溶解してインゴットを調製した。なお、インゴ
ットの組成はSm7.5原子%、Zr2.5原子%、C
o27.0原子%、残部がFeであった。このインゴッ
トを所定量のBとともに石英製のノズルに装填し、アル
ゴンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、
溶湯を周速40m/sで回転する直径300mmの銅製
の単ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。噴出する
際の温度は、1350℃とした。ICPによる組成分析
の結果、前記合金薄帯中には1.9原子%のBが含有さ
れ、Sm7.4 Zr2.4 Co29.8B1.9 Febal の組成を
有するものであった。得られた合金薄帯の保磁力を振動
試験型磁力計(VSM)を用いて測定した。その結果、
保磁力は12〜68kA/mであった。
/mおよび68kA/mの合金薄帯を選び、これら合金
薄帯をそれぞれ不活性雰囲気(Ar;0.9気圧)中、
700℃で30分間熱処理を施した。つづいて、これら
合金薄帯をボールミルにより平均粒径20μm前後にそ
れぞれ粉砕した後、それぞれ1気圧の窒素ガス雰囲気
中、450℃で50時間熱処理(窒化処理)を施するこ
とにより下記表2に示す組成の3種の磁性材料粉末を合
成した。
全てTbCu7 相が主相をなすことが確認され、その格
子定数比c/aは0.854〜0.876の範囲である
ことがわかった。
磁力計(VSM)を用いて磁気特性(残留磁束密度、最
大エネルギー積)を調べた。なお、これらの磁気特性は
磁性材料粉末の密度を7.74g/cm3 として計算
し、反磁界係数0.15として補正した結果を下記表2
に示す。
m、Nb、Pr、Dy、Zr、Hf、Mn、Ni、C
r、Al、Ga、Mo、W、Si、Nb、Co、Feの
各原料をAr雰囲気中でアーク溶解した後、鋳型に注入
して4種のインゴットを作製した。これらのインゴット
を所定量のBとともに石英製のノズルに装填し、アルゴ
ンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、溶
湯を周速40m/sで回転する直径300mmの銅製の
単ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。前記各溶湯
を噴出する際の温度は、1320℃とした。ICPによ
る組成分析の結果、前記各合金薄帯中には1.1原子
%、1.6原子%、0.5原子%、1.7原子%のBが
それぞれ含有され、Sm7.9 Zr2.2 Ni3.3 Ga1.1
Co22.0B1.1 Febal.(実施例12)、Sm6.5 Nd
1.1 Zr2.6 Mo2.2 Cr1.1 Si1.1 Co25.0B1.6
Feba l.(実施例13)、Sm7.4 Pr1.1 Zr1.6 H
f0.5 W0.5 Al0.2 C2.2 Co33.9B0.5 Fe
bal.(実施例14)、Sm7.2 Nd0.6 Dy2.2 Zr
2.7 Mn 1.1 Nb1.1 Co26.0B1.7 Febal.(実施例
15)の組成を有するものであった。得られた各合金薄
帯の保磁力を振動試験型磁力計(VSM)を用いて測定
した。その結果、実施例12〜15の合金薄帯の保磁力
はそれぞれ20kA/m、33kA/m、29kA/
m、22kA/mであった。
雰囲気(Ar;0.9気圧)中、700℃で30分間熱
処理を施した。つづいて、これら合金薄帯をボールミル
により平均粒径20μm前後にそれぞれ粉砕した。ひき
つづき、実施例12、13、14の合金粉末をそれぞれ
1気圧の窒素ガス雰囲気中、450℃で50時間熱処理
(窒化処理)を施することにより下記表2に示す組成の
3種の磁性材料粉末を合成した。また、実施例15の合
金粉末を0.02気圧のアンモニアガスおよび1気圧の
窒素ガスの雰囲気中、350℃で10時間熱処理を施す
ることにより下記表2に示す組成の磁性材料粉末を合成
した。
全てTbCu7 相が主相をなすことが確認され、その格
子定数比c/aは0.854〜0.876の範囲である
ことがわかった。
磁力計(VSM)を用いて磁気特性(残留磁束密度、最
大エネルギー積)を調べた。なお、これらの磁気特性は
磁性材料粉末の密度を7.74g/cm3 として計算
し、反磁界係数0.15として補正した結果を下記表2
に示す。
磁力が56kA/m以下の合金薄帯(12kA/m、3
6kA/m)を用いて窒化処理することにより得られた
実施例11−1、11−2の磁性材料粉末は、いずれも
最大エネルギー積が急冷直後の保磁力が56kA/mを
越える合金薄帯(68kA/m)を用いて窒化処理する
ことにより得られた実施例11−3の磁性材料粉末に比
べて大きいことがわかる。
下の合金薄帯を用いて窒化処理することにより得られた
実施例12〜15の磁性材料粉末は、いずれも磁気特性
が優れていることがわかる。
帯の作製において、保磁力が56kA/mを越えるもの
の割合が30%弱であったが、溶湯が噴射される銅ロー
ルの回転速度(周速度)を42m/secにすることに
より保磁力が56kA/mを越えるものの割合を5%未
満にすることができ、特に得られた合金薄帯を分別する
ことなくそのまま加熱処理、粉砕、窒化処理等を施すこ
とにより実施例11−1、11−2と同様な特性を有す
る磁性材料粉末を得ることができる。
度のSm、Zr、Co、Feの各原料を、Ar雰囲気中
でアーク溶解してインゴットを調製した。なお、インゴ
ットの組成はSm7.5原子%、Zr2.5原子%、C
o27原子%、残部がFeであった。このインゴットを
所定量のBとともに石英製のノズルに装填し、アルゴン
ガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、溶湯
を周速40m/sで回転する直径300mmの銅製の単
ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。噴出する際の
温度は、1350℃とした。ICPによる組成分析の結
果、前記合金薄帯中には1.9原子%のBが含有され、
Sm7.4 Zr2.4 Co29.8B1.9 Febal の組成を有す
るものであった。得られた複数の合金薄帯の厚さをノギ
スを用いて測定した。その結果、前記各合金薄帯の厚さ
は5〜45μmであった。
よび厚さが30μmを越える合金薄帯をそれぞれ選び、
これら合金薄帯をそれぞれ不活性雰囲気(Ar;0.9
気圧)中、700℃で30分間熱処理を施した。つづい
て、これら合金薄帯をボールミルにより平均粒径20μ
m前後にそれぞれ粉砕した後、それぞれ1気圧の窒素ガ
ス雰囲気中、430℃で100時間熱処理(窒化処理)
を施することにより下記表3に示す組成の2種の磁性材
料粉末を合成した。
全てTbCu7 相が主相をなすことが確認され、その格
子定数比c/aは0.854〜0.876の範囲である
ことがわかった。
磁力計(VSM)を用いて磁気特性(残留磁束密度、最
大エネルギー積)を調べた。なお、これらの磁気特性は
磁性材料粉末の密度を7.74g/cm3 として計算
し、反磁界係数0.15として補正した結果を下記表3
に示す。
m、Nb、Pr、Dy、Zr、Hf、Mn、Ni、C
r、Al、Ga、Mo、W、Si、Nb、Co、Feの
各原料をAr雰囲気中でアーク溶解した後、鋳型に注入
して4種のインゴットを作製した。これらのインゴット
を所定量のBとともに石英製のノズルに装填し、アルゴ
ンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、溶
湯を周速40m/sで回転する直径300mmの銅製の
単ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。前記各溶湯
を噴出する際の温度は、1340℃とした。ICPによ
る組成分析の結果、前記各合金薄帯中には1.1原子
%、1.6原子%、0.5原子%、1.7原子%のBが
それぞれ含有され、Sm7.9 Zr2.2 Ni3.3 Ga1.1
Co22.0B1.1 Febal.(実施例17)、Sm6.5 Nd
1.1 Zr2.6 Mo2.2 Cr1.1 Si1.1 Co25.0B1.6
Feba l.(実施例18)、Sm7.4 Pr1.1 Zr1.6 H
f0.5 W0.5 Al0.2 Co33.9B0.5 C2.2 Fe
bal.(実施例19)、Sm7.2 Nd0.6 Dy2.2 Zr
2.7 Mn 1.1 Nb1.1 Co26.0B1.7 Febal.(実施例
20)の組成を有するものであった。得られた各合金薄
帯の厚さをノギスを用いて測定した。その結果、前記各
合金薄帯は下記表3に示す厚さを有していた。
雰囲気(Ar;0.9気圧)中、700℃で30分間熱
処理を施した。つづいて、これら合金薄帯をボールミル
により平均粒径20μm前後にそれぞれ粉砕した。ひき
つづき、実施例17、18、19の合金粉末をそれぞれ
1気圧の窒素ガス雰囲気中、430℃で100時間熱処
理(窒化処理)を施することにより下記表3に示す組成
の3種の磁性材料粉末を合成した。また、実施例20の
合金粉末を0.02気圧のアンモニアガスおよび1気圧
の窒素ガスの雰囲気中、350℃で10時間熱処理を施
することにより下記表3に示す組成の磁性材料粉末を合
成した。
全てTbCu7 相が主相をなすことが確認され、その格
子定数比c/aは0.854〜0.876の範囲である
ことがわかった。
磁力計(VSM)を用いて磁気特性(残留磁束密度、最
大エネルギー積)を調べた。なお、これらの磁気特性は
磁性材料粉末の密度を7.74g/cm3 として計算
し、反磁界係数0.15として補正した結果を下記表3
に示す。
さが30μm以下の合金薄帯(厚さ15〜20μm)を
用いて窒化処理することにより得られた実施例16−1
の磁性材料粉末は、最大エネルギー積が急冷直後の厚さ
が30μmを越える合金薄帯(厚さ32〜36μm)を
用いて窒化処理することにより得られた実施例16−2
の磁性材料粉末に比べて大きいことがわかる。
金薄帯を用いて窒化処理することにより得られた実施例
17〜20の磁性材料粉末は、いずれも磁気特性が優れ
ていることがわかる。
m、Zr、Co、B、Feの各原料を、Ar雰囲気中で
アーク溶解してインゴットを調製した。なお、インゴッ
トの組成はSm7.7原子%、Zr2.5原子%、Co
27原子%、B2.2原子%、残部がFeであった。こ
のインゴットを石英製のノズルに装填し、アルゴンガス
雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、溶湯を周
速45m/sで回転する直径300mmの銅製の単ロー
ル上に噴出して合金薄帯を作製した。噴出する際の温度
は、1360℃とした。
し、700℃で20分間熱処理を施した。この熱処理合
金薄帯をボールミルを用いて平均粒径30μm以下に粉
砕した。この合金粉末についてX線回折を行った。その
結果、TbCu7 相が主相をなすことが確認された。ま
た、X線回折の結果より、TbCu7 相の格子定数はa
=0.486nm、c=0.419nmと評価でき、格
子定数比c/aは0.862であることがわかった。
示す条件で窒化処理をそれぞれ施することにより10種
の磁性材料粉末を合成した。
の割合および振動試験型磁力計(VSM)を用いて最大
エネルギー積を調べた。なお、α−Fe相の割合はX線
回折から求めたα−Fe相の主反射強度(IFe)および
TbCu7 相の主反射強度(ITb)を下記式に代入する
ことにより算出した主反射強度比(I)により評価し
た。
7.74g/cm3 として計算し、反磁界係数0.15
として補正した。これらの結果を下記表4に示す。
窒素圧力をp(気圧)、窒化処理温度をT(℃)とした
時、pが2気圧以上で、かつ2p+400≦T≦2p+
420の関係を満たす条件で窒化処理することにより得
られた実施例21〜28の磁性材料粉末は、最大エネル
ギー積が前記条件から外れる窒化処理を施すことにより
得られた実施例29、30の磁性材料粉末に比べて高
く、磁気特性がより向上されることがわかる。
度のSm、Zr、Co、B、Feの各原料を、Ar雰囲
気中でアーク溶解してインゴットを調製した。なお、イ
ンゴットの組成はSm7.7原子%、Zr2.5原子
%、Co27原子%、B2.2原子%、残部がFeであ
った。このインゴットを石英製のノズルに装填し、アル
ゴンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、
溶湯を周速45m/sで回転する直径300mmの銅製
の単ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。噴出する
際の温度は、1300℃とした。
し、700℃で20分間熱処理を施した。つづいて、こ
の熱処理合金薄帯をボールミルを用いて粉砕し、分級す
ることにより下記表5に示す粒度分布を有する合金粉末
(実施例31−1)および粒径22μm以下の合金粉末
(実施例31−2)を得た。実施例31−1の合金粉末
は、下記表5に示すように粒径2.8μm以下の微細粉
末の体積比率が0.93%であることが確認された。
ガス雰囲気中、440℃で65時間熱処理(窒化処理)
を施することにより下記表6に示す組成の2種の磁性材
料粉末を合成した。得られた各磁性材料粉末についてX
線回折を行った。その結果、α−Feの回折ピークのほ
かはすべて回折ピークがTbCu7 型結晶構造で指数付
けられることが確認された。また、X線回折の結果よ
り、TbCu7 相の格子定数はa=0.4930nm、
c=0.4252nmと評価でき、格子定数比c/aは
0.8625であることがわかった。さらに、前記各磁
性材料粉末について粒度分布測定を行った。その結果、
実施例31−1の磁性材料粉末は粒径2.8μm以下の
微細粉末の含有量が体積比率で1.08%、実施例31
−2の磁性材料粉末の同粒径の微細粉末の含有量が体積
比率で5.35%、であった。
脂を2重量%添加し混合した後、8000kg/cm2
の圧力で圧縮成型し、さらに150℃の温度で2.5時
間キュア処理を施することにより2種のボンド磁石を製
造した。
特性(残留磁束密度、保磁力および最大エネルギー積)
を測定した。その結果を下記表6に併記する。
m、Nb、Pr、Er、Zr、Hf、Ni、V、Ga、
Mo、W、Si、B、Co、Feの各粉末をAr雰囲気
中でアーク溶解した後、鋳型に注入して5種のインゴッ
トを作製した。これらのインゴットを石英製のノズルに
装填し、アルゴンガス雰囲気中で高周波誘導加熱により
溶融した後、溶湯を周速45m/sで回転する銅製の単
ロール上に噴出して合金薄帯を作製した。前記各溶湯を
噴出する際の温度は、1310℃とした。ICPによる
組成分析の結果、前記各合金薄帯はSm6.3 Nd2.2 Z
r2.2 Mo2.2 Si1.1 Co22.8B0.9Febal.(実施
例32)、Sm7.2 Pr1.1 Zr2.2 V2.2 W1.1 Ni
3.2 Co 17.2B0.9 Febal.(実施例33)、Sm8.2
Er1.1 Zr1.1 Hf1.1 Mo2. 2 Ga1.1 Co20.7B
0.9 Febal.(実施例34)、Sm6.6 Nd2.2 Zr
2.2Co15.2B1.4 C1.1 Febal.(実施例35)、S
m7.6 Nd1.1 Zr2.2 Co 15.1B1.9 Febal.(実施
例36)の組成を有するものであった。
に真空封入し、700℃で20分間熱処理を施した。つ
づいて、これら熱処理合金薄帯をボールミルを用いて粉
砕して合金粉末を得た。
ガス雰囲気中、440℃で65時間熱処理(窒化処理)
を施することにより下記表6に示す組成の5種の磁性材
料粉末を合成した。得られた各磁性材料粉末についてX
線回折を行った。その結果、α−Feの回折ピークのほ
かはすべて回折ピークがTbCu7 型結晶構造で指数付
けられることが確認された。また、X線回折の結果よ
り、格子定数比c/aは0.852〜0.873である
ことがわかった。さらに、前記各磁性材料粉末について
粒度分布測定を行った。その結果、実施例32〜36の
磁性材料粉末は粒径2.8μm以下の微細粉末の含有量
がそれぞれ体積比率で1.01%、1.23%、2.0
6%、0.98%、0.92%、であった。
脂を2重量%添加し混合した後、8000kg/cm2
の圧力で圧縮成型し、さらに150℃の温度で2.5時
間キュア処理を施することにより5種のボンド磁石を製
造した。
特性(残留磁束密度、保磁力および最大エネルギー積)
を測定した。その結果を下記表6に併記する。
m以下の微細粉末の含有割合が5体積%以下の磁性材料
粉末を用いて得られた実施例31−1のボンド磁石は、
室温における残留磁束密度、保磁力および最大エネルギ
ー積がいずれも同粒径の微細粉末の含有割合が5体積%
を越える磁性材料粉末を用いて得られた実施例31−2
のボンド磁石に比べて優れていることがわかる。
有割合が5体積%以下の磁性材料粉末を用いて得られた
実施例32〜36のボンド磁石は、室温における残留磁
束密度、保磁力および最大エネルギー積が優れているこ
とがわかる。
度のSm、Zr、Co、Fe原料を、Ar雰囲気中でア
ーク溶解してインゴットを調製した。インゴットの組成
は、Sm7.5原子%、Zr2.5原子%、Co27原
子%、残部をFeとした。このインゴットをBとともに
石英製のノズルに装填し、アルゴンガス雰囲気中で高周
波誘導加熱により溶融した後、溶湯を周速42m/sで
回転する銅製の単ロール上に噴出して合金薄帯を作製し
た。噴出する際の温度は、1350℃とした。ICPに
よる組成分解の結果、前記合金薄帯中には2.16原子
%のBが含有されていることがわかった。
し、720℃で15分間熱処理を施した。前記熱処理後
の合金薄帯を乳鉢を用いて粒径30μm以下に粉砕した
後、10気圧の窒素ガス雰囲気中、450℃で80時間
熱処理(窒化処理)を施して磁性材料粉末を合成した。
この磁性材料粉末の組成は、Sm6.88Zr2.29Co24
.77 B1.97N9.00Febal であった。
り、微小なα−Feの回折ピークの他はすべての回折ピ
ークが六方晶系のTbCu7 型結晶構造にて指数付けさ
れ、TbCu7 相が主相をなすことが確認された。ま
た、X線回折の結果より、TbCu7 相の格子定数はa
=0.4925nm、c=0.4258nmと評価で
き、格子定数比c/aは0.8646であることがわか
った。
と篩分けにより50μm以上の粒径のみからなるR2 F
e14B系の磁性材料粉末(GM社製商品名;MQP−B
パウダー)とを下記表7に示す割合で混合した5種の混
合磁性材料粉末を調製し、これら混合磁性材料粉末にエ
ポキシ樹脂をそれぞれ2重量%添加し混合した後、80
00kg/cm2 の圧力で圧縮成型し、さらに150℃
の温度で2.5時間キュア処理を施することにより5種
のボンド磁石を製造した。
における磁気特性(残留磁束密度、保磁力および最大エ
ネルギー積)を測定した。その結果を下記表7に併記す
る。なお、下記表7中には前記TbCu7 型の磁性材料
粉末のみを用いて製造したボンド磁石(実施例37−
6)とR2 Fe14B系の磁性材料粉末のみを用いて製造
したボンド磁石(比較例3)の嵩密度および室温におけ
る磁気特性を併記する。
の磁性材料粉末とR2 Fe14B系の磁性材料粉末からな
る混合磁性材料粉末を用いて製造した実施例37−1〜
37−5のボンド磁石はTbCu7 型の磁性材料粉末を
用いて製造した実施例37−6のボンド磁石に比べて充
填密度が向上し、磁石の高性能化が図れたことがわか
る。
を用いて製造した比較例3のボンド磁石は腐食し易く、
これに伴う磁気特性の劣化が顕著である。
とR2 Fe14B系の磁性材料粉末からなる混合磁性材料
粉末を用いて製造した実施例37−1〜37−5のボン
ドは耐蝕性が向上される。例えば、湿度が90%、温度
80℃の恒温恒湿槽で50hの耐蝕試験を行なった後の
磁気特性の変化を調べた。TbCu7 型の磁性材料粉末
を50体積%以上含むホンド磁石は、錆の発生は認めら
れず優れた耐蝕性を示した。R2 Fe14B系の磁性材料
粉末の比率が増えるにしたがって錆の発生が顕著にな
り、磁気特性の劣化も顕著となった。
37−3および比較例3の耐蝕試験の結果を示す。
留磁束密度が高い磁性材料を提供することができる。ま
た、このような磁性材料を用いることにより、磁気特性
の優れたボンド磁石のような永久磁石を製造することが
可能となる。
の窒素圧力と窒素吸収開始温度との関係を示す特性図。
示す特性図。
Claims (13)
- 【請求項1】 一般式 R1x R2y Bz Au M100-x-y-z-u ただし、R1は少なくとも一種の希土類元素(Yを含
む)、R2はZr、Hf及びScから選ばれる少なくと
も一種の元素、AはH、N、C及びPから選ばれる少な
くとも一種の元素、MはFe及びCoの少なくとも1つ
の元素、x、y、z及びuは原子%でそれぞれ2≦x、
4≦x+y≦20、0.001≦z≦10、0≦u≦2
0を示す、にて表され、主相がTbCu7 型結晶構造を
有することを特徴とする磁性材料。 - 【請求項2】 前記TbCu7 型結晶構造の格子定数
a、cの比であるc/aが0.847以上であることを
特徴とする請求項1記載の磁性材料。 - 【請求項3】 前記一般式中のR1は、50原子%以上
がSmであることを特徴とする請求項1または2記載の
磁性材料。 - 【請求項4】 前記一般式中のzは、0.1≦z≦3で
あることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の磁
性材料。 - 【請求項5】 前記一般式中のMは、50原子%以上が
Feであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記
載の磁性材料。 - 【請求項6】 前記一般式中のMは、70原子%以上含
有することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の
磁性材料。 - 【請求項7】 前記一般式中のyは、0.1≦y≦10
であることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載の
磁性材料。 - 【請求項8】 前記一般式中のuは、0.1≦u≦10
であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の
磁性材料。 - 【請求項9】 一般式 R1x R2y Bz Au M100-x-y-z-u ただし、R1はYを含む希土類元素から選ばれる少なく
とも1つの元素、R2はZr、HfおよびScから選ば
れる少なくとも1つの元素、Aは、H、N、CおよびP
から選ばれる少なくとも1つの元素、MはFeおよびC
oから選ばれる少なくとも1つの元素、x、y、z、u
はそれぞれ原子%でx≧2、4≦x+y≦20、0.0
01≦z≦10、0≦u≦20である、にて表され、主
相がTbCu7 型結晶構造を有する磁性材料粉末と、 バインダとを含むことを特徴とするボンド磁石。 - 【請求項10】 前記バインダは、合成樹脂からなるこ
とを特徴とする請求項9記載のボンド磁石。 - 【請求項11】 前記磁性材料粉末は、粒径2.8μm
以下の粉末の含有割合が5体積%以下であることを特徴
とする請求項9または10記載のボンド磁石。 - 【請求項12】 R2 Fe14B相(ただし、RはYを含
む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素を示
す)を主相とする磁性材料粉末がさらに配合されること
を特徴とする請求項9乃至11いずれか記載のボンド磁
石。 - 【請求項13】 前記一般式R1x R2y Bz Au M
100-x-y-z-u の磁性材料粉末(A)と前記R2 Fe14B
相を主相とする磁性材料粉末(B)の混合比率は、重量
割合でA/Bが0.1〜10であることを特徴とする請
求項12記載のボンド磁石。
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Family Applications (1)
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JP2015529004A (ja) * | 2012-07-02 | 2015-10-01 | グリレム アドヴァンスド マテリアルズ カンパニー リミテッドGrirem Advanced Materials Co.,Ltd. | 希土類永久磁石粉末、ボンド磁石及び当該ボンド磁石を応用するデバイス |
-
1999
- 1999-03-23 JP JP07742799A patent/JP3795694B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015529004A (ja) * | 2012-07-02 | 2015-10-01 | グリレム アドヴァンスド マテリアルズ カンパニー リミテッドGrirem Advanced Materials Co.,Ltd. | 希土類永久磁石粉末、ボンド磁石及び当該ボンド磁石を応用するデバイス |
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