JP3135665B2 - 磁性材料およびボンド磁石 - Google Patents
磁性材料およびボンド磁石Info
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Description
の素材等に有用な磁性材料に関する。
Sm−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石などが知られ
おり、量産化が進められている。これらの磁石には、F
eまたはCoが多量に含まれ、飽和磁束密度の増大に寄
与している。また、これらの磁石にはNd、Smなどの
希土類元素が含まれており、希土類元素は結晶場中にお
ける4f電子の挙動に由来する非常に大きな磁気異方性
をもたらす。これにより保磁力の増大化が図られ、高性
能の磁石が実現されている。このような高性能磁石は、
主としてスピーカ、モータ、計測器などの電気機器に使
用されている。
する希土類鉄金属間化合物が注目されている。前記化合
物は、希土類元素の鉄に対する化学量論的組成量が前記
Sm−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石に属するSm
2 Co17、Nd2 Fe14Bなどの金属間化合物に比べて
小さく、鉄を多量に含有する。このため、大きな飽和磁
束密度と高い最大エネルギー積を実現できる可能性があ
る。また、前記化合物は高価な希土類元素の組成比が小
さいため安価に製造できる利点を有する。
造を主相とする希土類鉄金属間化合物からなる永久磁石
材料は主にα−Feの不純物相の生成が見られ、これに
より磁気特性が劣化するという問題があった。
侵入型元素を導入した組成を有する磁性材料が開発され
ている。前記磁性材料は、主相のキュリー温度、飽和磁
束密度、磁気異方性が大きく改善される。
侵入型元素を取り入れた磁性材料においては、主相の温
度安定性が低く、例えばR2 Fe17窒素化合物は600
℃によりα−Feと希土類窒化物(RN)との分解が開
始する。また、ThMn12構造をもつRFe11Ti1 窒
化物においては450℃で分解が開始される。その結
果、分解を抑制しながら侵入型元素含有化合物を構成す
ることは非常に困難である。また、前記磁性材料の分解
温度以上に昇温するホットプレス、焼結等により緻密な
磁石を形成できないという問題があった。
e、CoまたはFe−Co合金の不純物相の生成を抑制
すると共に安定したThMn12型結晶構造が主相として
存在し、優れた磁気特性を有し、さらに低コスト化が図
られた磁性材料を提供しようとするものである。
e−Co合金の不純物相の生成を抑制すると共に侵入型
元素が導入されたThMn12型結晶構造が主相として存
在して優れた磁気特性を有し、かつ前記ThMn12型結
晶構造の温度安定性が向上され、キュリ−温度が向上さ
れ、さらに低コスト化が図られた磁性材料を提供しよう
とするものである。
たはFe−Co合金の不純物相の生成を抑制すると共に
安定したTbCu7 型型結晶構造が主相として存在し、
優れた磁気特性を有し、さらに低コスト化が図られた磁
性材料を提供しようとするものである。
たはFe−Co合金の不純物相の生成を抑制すると共に
侵入型元素が導入されたTbCu7 型結晶構造が主相と
して存在して優れた磁気特性を有し、かつ前記TbCu
7 型結晶構造の温度安定性が向上され、キュリ−温度が
向上され、さらに低コスト化が図られた磁性材料を提供
しようとするものである。
は、一般式 R1 x R2 y Si z M u T 1-x-y-z (ただし、R1はZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1種の元素、R2は少なくとも1種の希土類元素、M
はC、NおよびPから選ばれる少なくとも1種の元素、
TはFeもしくはFeおよびCo、x,y,z,uは原
子比でそれぞれ0.005≦x≦0.2、0.02≦y
≦0.2、0.02<z≦0.2、0≦u≦0.2を示
す)にて表され、主相がThMn 12 型結晶構造を有す
る。
も1種の元素、R2は少なくとも1種の希土類元素、T
はFeもしくはFeおよびCo、x,y,zは原子比で
それぞれ0.005≦x≦0.2、0.02≦y≦0.
2、0.02<z≦0.2を示す)にて表され、主相が
ThMn 12 型結晶構造を有する 磁性材料、並びに一般式R1 x R2 y Si z M u T 1-x-y-z (ただし、R1はZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1種の元素、R2は少なくとも1種の希土類元素、M
はC、NおよびPから選ばれる少なくとも1種の元素、
TはFeもしくはFeおよびCo、x,y,z,uは原
子比でそれぞれ0.005≦x≦0.2、0.02≦y
≦0.2、0.02<z≦0.2、u≦0.2を示す)
にて表され、主相がThMn 12 型結晶構造を有する 磁性
材料が提供される。ここで、前記主相とは化合物中の各
結晶相および非結晶相のうちで最大の体積占有率を有す
る相を意味するものである。以下、本発明の磁性材料を
構成する各成分ついて詳細に説明する。
物が使用される。このようなR1元素は、前記R2の希
土類サイトに占有して温度安定性に優れたThMn12型
結晶構造の生成に寄与する。また、R1は前記M元素
(侵入型元素)を必須成分として用いた場合には化合物
の温度安定性に寄与するものである。
(すなわち原子比で0.005未満、以降原子割合は原
子%で論ずる)、多量のα−Feが生成して大きな保磁
力が得られなくなる。一方、前記R1元素が20原子%
を越えると、前記T元素(Fe、Co)の量が相対的に
少なくなり、飽和磁束密度が著しく低下する。より好ま
しいR1元素の量は、0.5〜6原子%の範囲である。
r、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Lu、Yが挙げられ、これらは1種または2
種以上の混合物て使用される。このようなR2元素は、
ThMn12型結晶構造の生成に必要な成分であると共
に、磁気異方性の改善に寄与する。
性を向上する上で有用である。ただし、前記M元素(侵
入型元素)を必須成分として添加した場合には、前記希
土類元素の中でPrおよびNdの少なくとも1種を用い
ることが磁気特性を向上する上で有用である。
hMn12型結晶構造の生成が困難になる。一方、前記R
2元素が20原子%を越えると、前記T元素(Fe、C
o)の量が相対的に少なくなり、飽和磁束密度が著しく
低下する。より好ましいR2元素の量は、2〜16原子
%の範囲である。
量は、4〜20原子%の範囲にすることが好ましい。こ
のようにR1元素およびR2元素の合計量を規定するこ
とにより、優れた磁気異方性と高い保磁力が付与されれ
た磁性材料を得ることが可能になる。より好ましい前記
R1元素およびR2元素の合計量は、6〜16原子%の
範囲である。
ることを許容する。前記Tiの置換量は、磁性材料の磁
気特性に悪影響を及ぼさない量、例えば前記R1元素の
量の90%以内にすることが望ましい。
な成分元素である。また、Siは前記M元素(侵入型元
素)を含有するThMn12相の温度安定性を向上する上
でも極めて有効である。
添加することにより達成されるが、20原子%を越える
と飽和磁束密度が著しく低下する。より好ましいSiの
量は、0.5〜15原子%の範囲である。
なるものである。前記T元素は、50原子%以上添加す
ることによりその効果を達成することが可能になる。
Mn、Ni、Ga、Alから選ばれる1種以上で置換す
ることにより化合物全体に対するThMn12相の割合を
増加させることが可能である。ただし、前記元素で前記
T元素を多量に置換すると、磁束密度の低下を招くた
め、その置換量は原子%でT元素の20%以下にするこ
とが望ましい。
たは2種以上の混合物て使用される。このようなM元素
を添加すると、主としてThMn12型結晶構造のインタ
ースティシャル位置に存在し、M元素を含まない場合と
比較して結晶格子を拡大させたり、電子帯構造変化をさ
せることによりキュリー温度、飽和磁束密度、磁気異方
性を向上させる働きを有する。
hMn12相の生成が困難となる。前記M元素の添加によ
る効果を達成するためには、その下限値を0.5原子%
にすることが好ましい。
般式 R1x R2y Siz Mu Tv (ただし、R1はZrおよびHfからなる選ばれる少な
くとも1種を示し、R2は少なくとも1種の希土類元素
(Yを含む)を示し、MはC、NおよびPから選ばれる
少なくとも1種を示し、TはFeおよびCoから選ばれ
る少なくとも1種を示し、x+y+z+u+v=10
0、x、y、z、u、vは原子%でそれぞれ0.1≦x
≦20、2≦y≦20、0.5≦z≦20、0≦u≦2
0、v≧50を示す)にて表され、主相がTbCu7 型
結晶構造を有するものである。本発明に係わる別のボン
ド磁石は、前記磁性材料とバインダとを混合し、この混
合物を所望形状に成形してなるものである。
くとも1種を示し、R2は少なくとも1種の希土類元素
(Yを含む)を示し、TはFeおよびCoから選ばれる
少なくとも1種を示し、x+y+z+v=100、x、
y、z、vは原子%でそれぞれ0.1≦x≦20、2≦
y≦20、0.5≦z≦20、v≧50を示す)にて表
され、主相がTbCu7 型結晶構造を有する磁性材料、
並びに一般式 R1x R2y Siz Mu Tv (ただし、R1はZrおよびHfからなる選ばれる少な
くとも1種を示し、R2は少なくとも1種の希土類元素
(Yを含む)を示し、MはC、NおよびPから選ばれる
少なくとも1種を示し、TはFeおよびCoから選ばれ
る少なくとも1種を示し、x+y+z+u+v=10
0、x、y、z、u、vは原子%でそれぞれ0.1≦x
≦20、2≦y≦20、0.5≦z≦20、0<u、v
≧50を示す)にて表され、主相がTbCu7 型結晶構
造を有する磁性材料が提供される。ここで、前記主相と
は化合物中の各結晶相および非結晶相のうちて最大の体
積占有率を有する相を意味するものである。以下、本発
明に係わる主相がTbCu7 型結晶構造を有する磁性材
料を構成する各成分ついて詳細に説明する。
のと同様な作用により添加される。前記R2元素につい
ては、Smを選択することが磁気特性を向上する上で有
用である。ただし、前記M元素(侵入型元素)を必須成
分として添加した場合には、前記R2元素の中でPr、
NdおよびSmの少なくとも1種を用いることが磁気特
性を向上する上で有用である。
るために有効な成分元素である。また、Siは前記M元
素(侵入型元素)を含有するTbCu7 相の温度安定性
を向上する上でも極めて有効である。このようなSiの
添加量を限定したのは前述したのと同様な理由によるも
のである。
上のものであるが、T元素の一部をCr、V、Mo、
W、Mn、Ni、Ga、Alから選ばれる1種以上で置
換することが可能である。M元素は、主としてTbCu
7 型結晶構造のインタースティシャル位置に存在し、そ
の添加量を限定したのは前述したのと同様な理由による
ものである。次に、本発明に係わる磁性材料の製造方法
について説明する。まず、次のような方法により合金粉
末を調製する。
元素および必要に応じてM元素を含む合金粉末を調製す
る。この場合、原料粉末をアーク溶解または高周波溶解
により溶解後、鋳造して所定組成の合金を調製し、得ら
れた合金を粉砕する。
および必要に応じてM元素を含む混合体に機械的エネル
ギーを付加して合金化させるメカニカルアロイイング法
またはメカニカルグラインティング法を採用することが
できる。これらの方法は、R1、R2、Si、Tの各元
素を含有する粉末の混合体を固相反応させて合金化する
方法である。前記固相反応を起こす具体的な方法として
は、遊星ボールミル、回転式ボールミル、アトライタ、
振動ボールミル、スクリュー式ボールミル等に原料混合
体を投入し、粉末粒子に機械的な衝撃を与える方法が採
用される。これらの方法によれば、原料粉末が薄片状に
粉砕され、その薄片が相互に面接触した部位で異種原子
が相互に拡散することにより、原料混合体が均質に一体
化される。 (3)液体急冷法によって所定組成の合金粉末を調製す
る。 本発明者らの実験結果よると、前記アーク溶解または高
周波溶解により溶解して得られた前記合金においては、
ThMn12相が主相となり易い。また、前記メカニカル
アロイイング法またはメカニカルグラインティング法の
後に熱処理を施して調製された合金粉末はTbCu7 相
が主相となり易い。
合金粉末は、その冷却速度や組成によってThMn12相
が主相となる場合とTbCu7 相が主相となる場合があ
る。例えば、合金中にSiを15原子%含有させた場
合、冷却速度が小さい時にはThMn12相が主相とな
り、大きい時にはTbCu7 相が主相となる化合物が存
在する。また、冷却速度を一定とした場合、Siを15
原子%含有させた合金ではThMn12相が主相となり、
8原子%含有させた合金ではTbCu7 相が主相となる
化合物が存在する。
の不活性ガス雰囲気また真空中で0.1〜100時間熱
処理することにより保磁力が大幅に改善される。ただ
し、後述するM元素として窒素を含有する磁性材料の製
造のように窒化処理を別途施す場合には前記熱処理を省
略することが可能である。また、後述する永久磁石を得
るためのホットプレス、熱間塑性変形加工を行う場合に
も前記熱処理を省略することが可能である。次に、M元
素として窒素を含有する磁性材料の製造方法を説明す
る。
1〜2気圧の窒素ガス雰囲気中で0.1〜100時間、
300〜800℃の温度下で熱処理(窒化処理)を施す
ことによりM元素として窒素を含有させる方法である。
てアンモニア等の窒素化合物ガスを用いてもよい。前記
窒素もしくは窒素化合物ガスまたはその混合ガスの分圧
は、0.001〜2気圧の範囲にすることが好ましい。
素化合物ガスの他に窒素を含まない別のガスを混合する
ことが可能である。ただし、酸素を混合する場合には熱
処理中の酸化物生成による磁気特性の劣化を避けるため
に、酸素分圧を0.02気圧以下にすることが望まし
い。前記窒化処理は、前記保磁力の改善ために採用され
る熱処理の後に行うことも可能である。
においてSiN、RN等の窒素化合物を原料として用
い、固相反応により調製することによってM元素として
窒素を含有させる方法である。前述した各方法より得ら
れた本発明に係わる合金粉末(磁性材料)から以下に説
明する永久磁石、ボンド磁石を製造することができる。
熱間静水圧プレス(HIP)により高密度の成型体(圧
粉体)として一体化することにより永久磁石を製造す
る。ここで、前記成型体に磁場を印加し、結晶方位を揃
えることにより、高磁束密度を有する磁石体を得ること
が可能となる。また、ホットプレス、HIPの後、30
0〜700℃の温度下で加圧しながら塑性変形加工を行
うことにより磁化容易軸への磁気的配向を得ることがで
きる。 (b)前記合金粉末をAl、Pb、Sn、Zn、Mgな
どの金属または合金からなる金属系バインダにより結合
して永久磁石を製造する。 (c)前記合金粉末を焼結することにより永久磁石を製
造する。
ロン系などの樹脂と混合した後、成形することによりボ
ンド磁石を製造する。前記エポキシ樹脂系熱硬化性樹脂
を用いる場合には、圧縮成形の後に100〜200℃の
温度でキュア処理を施すことが望ましい。前記ナイロン
系の熱可塑性樹脂を用いる場合には、射出成形法を採用
することが望ましい。
またはFe−Co合金の不純物相の生成を抑制すると共
に安定したThMn12型結晶構造を主相として生成で
き、優れた磁気特性を発揮でき、さらに低コスト化を達
成することができる。
鉄系金属間化合物においては主相としてThMn12相の
安定的な生成が希土類サイトにおける元素の原子半径に
大きく依存する。具体的には、希土類サイトを占める元
素の原子半径を小さくすると、安定したThMn12相を
生成することができる。反対に、希土類サイトを占める
元素の原子半径が1.84Aを越えると安定したThM
n12相を生成することができなくなる。
ランタニド収縮により原子半径が小さくなる。例えば、
原子量の小さい、つまり原子半径の大きい軽希土類元素
を用いた希土類鉄系金属間化合物の場合にはFeを主と
する不純物相の生成が支配的になり、ThMn12相を主
相として存在する希土類鉄系金属間化合物を得ることが
できない。
っても、それより原子量の大きい軽希土類元素、つまり
原子半径の小さい軽希土類元素もしくは重希土類元素と
の混合により希土類サイトにある希土類元素全体の平均
原子半径を縮めることができる。その結果、安定したT
hMn12相を生成することができる。しかしながら、こ
のようなThMn12型結晶構造の希土類鉄系金属間化合
物は、特定の希土類元素の組み合わせによる制約を受け
る。このため、前記希土類元素の組み合わせから磁気特
性が犠牲になる場合がある。
M u T 1-x-y-z にて表される組成に示すようにR2であ
る希土類元素の一部をR1であるZrまたはHfで置き
換えることによって、Fe、CoまたはFe−Co合金
の不純物相の生成を抑制でき、ThMn12結晶構造を主
相として安定的に生成した磁性材料を得ることができ
る。すなわち、前記ZrまたはHfは希土類元素に比べ
て原子半径が小さいために、前記ZrまたはHfを希土
類元素に混合することによって、希土類サイトを占める
元素の原子半径を広い範囲に亘って制御できる。その結
果、希土類元素の種類に制約されず、種々の希土類元素
との組み合わせによりThMn12結晶構造を主相として
安定的に生成できる。
し、磁気特性の優れた磁性材料を得ることができる。ま
た、組成の一部としてT元素(Fe、Co)を用いると
ともに前記R1であるZrまたはHfにより希土類元素
の一部を代替することによって、高価な希土類元素の使
用量を大幅に低減できる。このため、低コストの磁性材
料を得ることができる。
ばFe、CoまたはFe−Co合金の不純物相の生成を
抑制すると共に侵入型元素が導入されたThMn12型結
晶構造を主相として生成して磁気特性を向上でき、かつ
前記ThMn12型結晶構造の温度安定性を向上でき、キ
ュリ−温度を向上でき、さらに低コスト化を図ることが
できる。
たThMn12型結晶構造を生成するには、Si、Cr、
V、Ti、Mo、W、Mn、Ga、Al等の元素を相当
量添加する必要がある。
2 Ni17型結晶構造は希土類鉄系二元系化合物において
も生成される。これらのTh2 Zn17相およびTh2 N
i17相の結晶格子間にN、C等の侵入型元素を導入する
ことにより磁気特性を向上させる効果があることが知ら
れている。また、前記ThMn12型結晶構造において、
安定化元素としてTi、V、Moを用いた場合、上述の
侵入型元素による効果が認められることが知られてい
る。
T 1-x-y-z で表される組成を有ることによって、前述し
たようにFe、CoまたはFe−Co合金の不純物相の
生成を抑制した磁性材料を得ることができる。
Mを導入したThMn12結晶構造を主相とすることによ
って、キュリー温度が向上され、かつ優れた磁気特性を
有する磁性材料を得ることができる。さらに、Siを安
定化元素として添加することによって、前記侵入型元素
Mの導入に伴う前記ThMn12結晶構造の熱的な不安定
性を改善することができる。特に、本発明の磁性材料は
前述した侵入型元素が導入された所定の結晶構造相にT
i、Moを含有させた場合に比べて温度安定性の面で極
めて優位である。このような温度安定性の改善により侵
入型元素を含有する化合物のを容易に合成することがで
きる。また、高温でのホットプレスを行うことができる
ため、より緻密な圧粉体によって磁気特性の優れた永久
磁石を得ることができる。さらに、前記R1元素も前記
侵入型元素Mが導入されたThMn12結晶構造の温度安
定性の向上に寄与する。
れば一般式R1x R2y Siz Tvにて表される組成を
有することによって、Fe、CoまたはFe−Co合金
の不純物相の生成を抑制すると共に安定したTbCu7
結晶構造を主相として生成でき、優れた磁気特性を発揮
でき、さらに低コスト化を達成することができる。
れば一般式R1x R2y Siz MuTv にて表される組
成を有し、Fe、CoまたはFe−Co合金の不純物相
の生成を抑制すると共に侵入型元素が導入されたTbC
u7 型結晶構造を主相として生成して磁気特性を向上で
き、かつ前記TbCu7 型結晶構造の温度安定性を向上
でき、キュリ−温度を向上でき、さらに低コスト化を図
ることができる。その結果、前述したThMn12結晶構
造を有する磁性材料と同様、高温でのホットプレスを行
うことができるため、より緻密な圧粉体によって磁気特
性の優れた永久磁石を得ることができる。
する。
が2atm%、Ndが6atm%、Siが16atm
%、残部がFeとなるように調合した。この原料をAr
雰囲気中でアーク溶解してインゴットを作製した。前記
インゴットを下端に内径0.8mmの穴を有する縦置き
の石英管に装填し、Ar雰囲気中で前記インゴットを高
周波誘導加熱して溶融した。その後、前記石英管の上部
側に約300torrの圧力でArガスを供給し、前記
石英管内の溶融合金をその下端から10m/sの周速度
で高速回転する銅ロールに噴射して急速冷却することに
より合金薄帯試料を得た。
を施することにより10種の合金薄帯試料を得た。
が8atm%、Siが16atm%、残部がFeとなる
ように調合した原料を前記実施例1と同様な処理を施す
ることにより合金薄帯試料を得た。得られた実施例1〜
11の合金薄帯試料の結晶構造をX線回折法により測定
した。その結果、下記表1に併記した。
におけるCuKα線を用いたX線回折パターンを求め
た。その結果を図1、図2にそれぞれ示す。
施例1〜11の試料は、ThMn12相が主相として存在
するものであることがわかる。これに対し、実施例1と
Zrが添加されていない以外、ほぼ同様な組成である比
較例1の試料は図2から明らかなようにα−Feの生成
が多く、ThMn12相が全く生成されないことがわか
る。
が0.5atm%、Smが8atm%、Siが16at
m%、残部がFeとなるように調合した。この原料をA
r雰囲気中でアーク溶解してインゴットを作製した。前
記インゴットを下端に内径0.8mmの穴を有する縦置
きの石英管に装填し、Ar雰囲気中で前記インゴットを
高周波誘導加熱して溶融した。その後、前記石英管の上
部側に約300torrの圧力でArガスを供給し、前
記石英管内の溶融合金をその下端から30m/sの周速
度で高速回転する銅ロールに噴射して急速冷却すること
により合金薄帯試料を得た。得られた試料の結晶構造を
X線回折法により測定した。その結果、主相がThMn
12相であった。
分間の熱処理を施した後、磁気特性を測定した。その結
果、残留磁束密度が5.6kG、保磁力が3.6kOe
と極めて良好な磁気特性を有することが確認された。
でZrが4atm%、Ndが4atm%、Siが4at
m%、残部がFeとなるように調合した。この原料をA
r雰囲気中でアーク溶解してインゴットを作製した。前
記インゴットを下端に内径0.8mmの穴を有する縦置
きの石英管に装填し、Ar雰囲気中で前記インゴットを
高周波誘導加熱して溶融した。その後、前記石英管の上
部側に約300torrの圧力でArガスを供給し、前
記石英管内の溶融合金をその下端から30m/sの周速
度で高速回転する銅ロールに噴射して急速冷却すること
により合金薄帯試料を得た。
理を施することにより9種の合金薄帯試料を得た。得ら
れた実施例13〜22の合金薄帯試料の結晶構造をX線
回折法により測定した。その結果、下記表2に併記し
た。
線を用いたX線回折パターンを求めた。その結果を図3
に示す。前記表2および図3から明らかなように実施例
13〜22の試料は、TbCu7 相が主相として存在す
るものであることがわかる。
Mo、Si、W、Ga、C、Fe、Coの粉末を所定量
調合し、Ar雰囲気中でアーク溶解した後、鋳型に注入
して5種のインゴットを調製した。つづいて、これらイ
ンゴットを乳鉢を用いて平均粒径50〜100μmにそ
れぞれ粉砕し、1気圧の窒素ガス雰囲気中、500〜7
00℃の温度下で2時間熱処理を施した。熱処理後の各
試料の組成を下記表3に示す。なお、表3には窒素雰囲
気中での熱処理温度を併記した。得られた実施例23〜
27の試料の結晶構造をX線回折法により測定した。そ
の結果、下記表3に併記した。
用いたX線回折パターンを求めた。その結果を図4に示
す。前記表3および図4から明らかなように実施例23
〜27の試料は、いずれもThMn12相を主相として存
在するがわかる。
末をバインダとして磁場中で成形した後、Ar雰囲気
中、300〜600℃で熱処理して永久磁石を作製し、
保磁力および飽和磁束密度を測定した。その結果、これ
らの永久磁石はいずれも飽和磁束密度が0.4〜0.5
T、保磁力が4000〜6000 Oeと優れた磁気特
性を有することが確認された。
r、Zr、Hfの粉末、平均粒径が3〜40μmのF
e、Co、Cr、V、Si、Tiの粉末を所定量調合し
て5種の混合粉末を調製した。つづいて、前記各混合粉
末をボールミルに投入し、Ar雰囲気中で65時間粉砕
混合処理した後、メカニカルアロイイングによってそれ
ぞれ合金化した。次いで、前記各合金粉末を成形金型に
充填し、1気圧の窒素ガス雰囲気中、500〜700℃
の温度下でそれぞれ2時間熱処理を施した。熱処理後の
各試料の組成を下記表4に示す。なお、表4には窒素雰
囲気中での熱処理温度を併記した。得られた実施例28
〜32の試料の結晶構造をX線回折法により測定した。
その結果、下記表4に併記した。
用いたX線回折パターンを求めた。その結果を図5に示
す。前記表4および図5から明らかなように実施例28
〜32の試料は、いずれもTbCu7 相を主相として存
在するがわかる。
23と同様な方法により永久磁石を作製し、保磁力およ
び飽和磁束密度を測定した。その結果、これらの永久磁
石いずれも飽和磁束密度が0.4〜0.5T、保磁力が
4000〜6000 Oeと優れた磁気特性を有するこ
とが確認された。
Coの粉末を下記表5に示す組成に調合し、Ar雰囲気
中でアーク溶解した後、鋳型に注入して3種のインゴッ
トを調製した。つづいて、これらのインゴットを実施例
23と同様に平均粒径50〜100μmに粉砕し、1気
圧の窒素ガス雰囲気中、500〜700℃の温度下でそ
れぞれ2時間熱処理を施した。なお、下記表5には窒素
雰囲気中での熱処理温度を併記した。
ターンを求めた。その結果を図6に示す。
は、化合物中に大量のα−Feが析出することがわか
る。これは、組成中にSiが含まれていないために化合
物の温度安定性が低く、前記表6の熱処理温度で分解が
起こるためであると考えられる。なお、比較例3、4の
試料におけるCuKα線を用いたX線回折パターンを求
めた結果、図6(比較例2のX線回折パターン)と同様
なX線回折パターンを示した。
e、CoまたはFe−Co合金の不純物相の生成を抑制
すると共に安定したThMn12型結晶構造を主相とする
か、またはTbCu7 型結晶構造を主相とし、優れた飽
和磁束密度、保磁力等の磁気特性を有し、ホットプレス
などの加工が施される永久磁石、ボンド磁石の素材等に
有効な低コストの磁性材料を提供できる。
パターンを示す線図。
を示す線図。
折パターンを示す線図。
折パターンを示す線図。
折パターンを示す線図。
を示す線図。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 R1 x R2 y Si z M u T 1-x-y-z (ただし、R1はZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1種の元素、R2は少なくとも1種の希土類元素、M
はC、NおよびPから選ばれる少なくとも1種の元素、
TはFeもしくはFeおよびCo、x,y,z,uは原
子比でそれぞれ0.005≦x≦0.2、0.02≦y
≦0.2、0.02<z≦0.2、0≦u≦0.2を示
す)にて表され、主相がThMn 12 型結晶構造を有する
磁性材料。 - 【請求項2】 一般式 R1x R2y Siz Mu Tv (ただし、R1はZrおよびHfから選ばれる少なくと
も1種を示し、R2は少なくとも1種の希土類元素(Y
を含む)を示し、MはC、NおよびPから選ばれる少な
くとも1種を示し、TはFeおよびCoから選ばれる少
なくとも1種を示し、x+y+z+u+v=100、
x、y、z、u、vは原子%でそれぞれ0.1≦x≦2
0、2≦y≦20、0.5≦z≦20、0≦u≦20、
v≧50を示す)にて表され、主相がTbCu7 型結晶
構造を有する磁性材料。 - 【請求項3】 請求項2記載の磁性材料とバインダとを
混合し、この混合物を所望形状に成形してなることを特
徴とするボンド磁石。
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