JP3469496B2 - 磁石材料の製造方法 - Google Patents

磁石材料の製造方法

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JP3469496B2 JP06336699A JP6336699A JP3469496B2 JP 3469496 B2 JP3469496 B2 JP 3469496B2 JP 06336699 A JP06336699 A JP 06336699A JP 6336699 A JP6336699 A JP 6336699A JP 3469496 B2 JP3469496 B2 JP 3469496B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高性能永久磁石と
して用いられる磁石材料製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高性能永久磁石の一種とし
て、Sm−Co系磁石、Nd−Fe−B系磁石などの希
土類系磁石が知られている。これらの磁石にはFeやC
oが多量に含まれ、飽和磁束密度の増大に寄与してい
る。また、NdやSmなどの希土類元素は、結晶場中に
おける4f電子の挙動に由来して、非常に大きな磁気異方
性をもたらす。これにより保磁力の増大が図られてい
る。
【0003】このような希土類系の高性能磁石は、主と
してスピーカ、モータ、計測器などの電気機器に使用さ
れている。近年、各種電気機器への小形化の要求が高ま
り、それに対応するためにより高性能な永久磁石が求め
られている。このような要求に対して、Fe−R−N系
磁石(RはY、Thおよびランタノイド元素から選ばれ
る元素)(特公平 5-82041号公報など参照)が提案され
ているが、必ずしも満足な特性は得られていない。
【0004】さらに、特開平8-191006号公報には、Th
2 Ni17型結晶構造を有する相(以下、Th2 Ni17
結晶相と記す)を主相とするR−Zr−Fe(Co)−
N系磁石材料(R:希土類元素)が記載されている。T
2 Ni17型結晶相はTh2Zn17型結晶構造を有する
相(Th2 Zn17型結晶相)に比べて、FeやCoを多
量に含むことができる。このようなことから、Th2
17型結晶相を主相とする磁石材料は飽和磁束密度など
をより一層向上させた永久磁石の形成材料として期待さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法に基づくTh2 Ni17型結晶相を主相とする磁
石材料は、結晶組織が比較的粗大であるというような欠
点を有する。結晶組織を微細化する方法としては、特開
平8-191006号公報に記載されているように、急冷法、メ
カニカルアロイング法がある。しかし、これらの製造方
法は生産効率の向上および製造コストの低減という観点
から不利である。
【0006】一方、R−Fe−B系の磁石材料において
は、微細な結晶組織を得るための手法としてHDDR(H
ydrogenation-Disproportionation-Desorption-Recombi
nation)法が知られている(特開平1-132106号公報参
照)。HDDR法とは以下に示す方法である。例えばR
−Fe−B系の磁石材料の場合、まずR2 Fe14B相を
主相とするR−Fe−B系母合金を水素雰囲気中で熱処
理し、RHx 、Fe2 B、Feの各相に相変態させる。
次いで、脱水素工程でH2 を材料から取り去り、再びR
2 Fe14B相を生成する。得られる合金は平均結晶粒径
が0.05〜 3μm 程度の微細なR2 Fe14B相を主相とし
た再結晶組織を有する。このように、HDDR法は、電
気炉を用いた雰囲気処理のみで組織の微細化が可能であ
り、製造コストの面で優れている。
【0007】HDDR法をR−Fe−B系以外の磁石材
料に適用した例がいくつか報告されている。例えば、Ma
t.Chem.Phys.32, 280-285(1992) には、Th2 Zn17
結晶相を主相とするSm2 Fe17x 系磁石材料をHD
DR法を適用して作製したことが記載されている。
【0008】さらに、特開平 8-37122号公報には、Th
2 Zn17型結晶相を主相とするR−M−T系合金(R:
希土類元素、M:Al,Ti,V,Crなどの金属元
素,T:Fe,Fe−Co)にHDDR処理を施した
後、窒化処理を行うことによって、Th2 Zn17型結晶
相やTbCu7 型結晶相を主相とするR−M−T−N系
磁石材料を製造する方法が記載されている。また、特開
平4-260302号公報には、R2 (T,M)17系の結晶構造
(R:希土類元素、T:Fe,Fe−Co、M:Zr,
Hf,Nb,Taなどの金属元素)を有する合金にHD
DR処理を施すことが記載されている。
【0009】これらの公報に記載されているHDDR処
理は、いずれもTh2 Zn17型結晶相を主相とする合金
に施されている。さらに、特開平 8-37122号公報では異
方性磁石粉末を得ている。なお、特開平4-260302号公報
では磁石材料に異方性を付与するためにM元素を添加し
ており、磁石材料の結晶構造はR2 (T,M)17型と記
載されている。Mを含まない場合の結晶構造はTh2
17型であり、M元素を添加した場合も同様にTh2
17型である。
【0010】このように、磁石材料の結晶組織の微細化
技術としてHDDR法が知られているが、必須成分とし
てTh2 Ni17型結晶相を含む磁石材料にHDDR法を
適用した例はない。
【0011】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、必須成分としてTh2Ni17型結晶相
を有する磁石材料の結晶組織を微細化することによっ
て、磁気特性の向上を図った磁石材料製造方法を提供
することを目的としている
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、Th2
17型結晶相(Th2 Ni17型結晶構造を有する相)を
主相とする母合金に対してもHDDR処理が有効である
ことを見出した。そして、Th2 Ni17型結晶相を主相
とする母合金にHDDR処理を施すことによって、必須
成分としてTh2 Ni17型結晶相を含み、かつ微細な再
結晶組織を有する磁石材料を得ることができる。
【0013】本発明はこのような知見に基づいてなされ
たものである。本発明の磁石材料の製造方法は請求項1
に記載したように、 一般式:(R1 X2 1-XYZ1-Y-Z (式中、R1は希土類元素から選ばれる少なくともSm
を50原子%以上含む元素を、R2はZr、Hf、Tiお
よびScから選ばれる少なくとも1種の元素を、TはF
eおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を示
し、X、YおよびZは0.5≦X<1、0.05≦Y≦0.2、0Z≦0.
1を満足する数である)で表される組成を有し、かつT
2Ni17型結晶相を主相とする母合金を作製する工程
と、前記母合金に水素を吸収および脱離させることによ
って、前記母合金を再結晶化させる工程と、前記再結晶
化させた母合金に窒素を吸収させ、磁石材料を作製する
工程とを有することを特徴としている。本発明の製造方
法により得られる磁石材料は、水素の吸収および脱離に
よる再結晶組織を有するものである。より具体的には、
Th2Ni17型結晶相を主相とする母合金に水素を吸収
および脱離させて再結晶化させた再結晶組織を有する。
【0014】本発明の磁石材料の製造方法は、Th2
17型結晶相を主相とする磁石材料を製造する際に好ま
しく用いられるが、製造条件によってはTh2Zn17
結晶相、TbCu7型結晶相、ThMn12型結晶相など
を主相とする磁石材料を得ることもできる
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0019】本発明の磁石材料の製造方法は、 一般式:{(R1 X2 1-XYZ1-Y-Z1-QQ …(1) (式中、R1は希土類元素から選ばれる少なくとも1種の
元素を、R2はZr、Hf、TiおよびScから選ばれ
る少なくとも1種の元素を、TはFeおよびCoから選
ばれる少なくとも1種の元素を示し、X、Y、ZおよびQは
0.5≦X<1、0.05≦Y≦0.2、0Z≦0.1、0.1≦Q≦0.2を
満足する数である)で表される組成を有し、かつTh2
Ni17型結晶相(Th2Ni17型結晶構造を有する相)
を5体積%以上含み、さらに0.02〜50μmの範囲の平均結
晶粒径を有する磁石材料の製造などに使用されるもので
ある。
【0020】まず、上述した磁石材料を構成する各成分
の配合理由および配合量の規定理由について述べる。
【0021】R1 元素としての希土類元素は、磁石材料
に大きな磁気異方性をもたらし、ひいては高い保磁力を
付与する成分である。このようなR1 元素としては、L
a、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Lu、Yなどの希土類元素が挙
げられる。これらのうち、特にR1 元素の50原子% 以上
がSmであることが好ましい。これによって、主相の磁
気異方性を高めて、保磁力を増大させることができる。
【0022】R2 元素はZr、Hf、TiおよびScか
ら選ばれる少なくとも 1種の元素である。このようなR
2 元素は、主相の希土類サイトを占有して希土類サイト
の平均原子半径を小さくするなどの作用により、Th2
Ni17型結晶構造を得るために重要な働きを示す。
【0023】通常、R−T(TはFeまたはCo)の二
元系合金において、RとしてCe、Pr、Nd、Sm、
Gdを用いた場合にはTh2 Zn17型結晶相が得られ、
RとしてTb、Dy、Ho、Er、Eu、Tm、Yb、
Lu、Yを用いた場合にはTh2 Ni17型結晶相が得ら
れることが知られている。このような系に対して、R2
元素を配合することによって、R元素(R1 元素)とし
てSmやNdを用いた場合においても、Th2 Ni17
結晶相が得られるようになる。さらに、R2 元素は磁石
材料の製造工程中におけるα−Fe相の析出を抑制し
て、磁気特性を高める効果も有している。
【0024】上記した (1)式において、R1 元素とR2
元素の合計量Y は0.05≦ Y≦0.2 の範囲とする。これ
は、R1 元素とR2 元素の合計量Y を大きくすることに
よって、大きな磁気異方性が得られ、高い保磁力を付与
することができるためである。ただし、あまり過剰にR
1 元素とR2 元素を配合すると磁化の低下を招く。 Yの
値は0.09≦ Y≦0.15の範囲とすることがより好ましい。
【0025】さらに、R1 元素とR2 元素の合計量に対
するR1 元素の割合X を大きくすると、高い保磁力を得
る上で有利である。従って、 Xの値は 0.5≦ X< 1の範
囲とする。しかし、R1 元素の割合をあまり大きくしす
ぎると、Th2 Ni17型結晶相が得られにくくなる。T
2 Ni17型結晶相を主相とする磁石材料を得る場合に
は、 Xの値は 0.5≦ X≦0.85の範囲とすることが好まし
い。 Xの値は0.65≦ X≦0.85の範囲とすることがより好
ましい。
【0026】T元素はFeおよびCoから選ばれる少な
くとも 1種の元素であり、磁石材料の飽和磁化を増大さ
せる働きを有する。飽和磁化の増大は残留磁化の増加を
もたらし、これに伴って最大磁気エネルギー積も増大す
る。このようなT元素は磁石材料中に70原子% 以上含有
させることが好ましく、これにより効果的に飽和磁化を
増大させることができる。さらに、磁石材料の飽和磁化
をより一層増大させる上で、T元素の50原子% 以上をF
eとすることが好ましい。
【0027】T元素の一部は、V、Cr、Mo、W、M
n、Ga、Al、Sn、Ta、Nb、SiおよびNiか
ら選ばれる少なくとも 1種の元素(M元素)で置換して
もよい。このようなM元素でT元素の一部を置換するこ
とによって、磁気特性の改善が可能であると共に、耐食
性や耐熱性などの実用上重要な諸特性を改善することが
できる。ただし、T元素をあまり多量のM元素で置換す
ると逆に磁気特性の低下が顕著となるため、M元素によ
るT元素の置換量は20原子% 以下とすることが望まし
い。
【0028】本発明の磁石材料の製造方法において
B(硼素)配合することにより後に詳述するHDDR
処理を施す際の処理条件が拡大し、合金組織(再結晶組
織)をより均一に微細化することができる。さらに、B
はα−Fe相などの析出を抑制する作用を示す。これら
によって、磁石材料の残留磁化や最大エネルギー積を向
上させることができる。
【0029】このようなことから、Bの含有量は (1)式
の Zの値として 0< Z≦0.1 の範囲とすることが好まし
い。Bの含有量を示す Zの値が 0.1を超えると、熱処理
工程においてR2 Fe14B相などの生成量が増大し、磁
気特性が劣化する。 Zの値は0.05以下とすることがさら
に好ましい。また、Bの配合効果をより効果的に得る上
で、 Zの値は 0.005以上とすることがさらに好ましい。
【0030】N(窒素)は、主として主相の格子間位置
に存在し、Nを含まない場合と比較して主相のキュリー
温度や磁気異方性を向上させる働きを有する。このう
ち、磁気異方性の向上は磁石材料に大きな保磁力を付与
する上で重要である。Nは少量の配合でその効果を発揮
するが、あまり過剰に含有させるとアモルファス相やα
−Fe相が生成しやすくなり、磁石材料の磁気特性を劣
化させる。よって、Nの含有量を示す Qの値は 0.1≦ Q
≦0.2 の範囲とする。 Qの値は0.14≦ Z≦0.18の範囲と
することがさらに好ましい。
【0031】Nの一部は水素(H)で置換されていても
よい。Hは後に詳述するHDDR法に基づく熱処理によ
り磁石材料中に導入される場合があり、Nと同様に主と
して主相の格子間位置に存在する。Hは保磁力などの磁
石特性の改善に寄与する。ただし、Hの置換量があまり
多いと主相のキュリー温度や磁気異方性の向上効果が低
下するため、HによるNの置換量は50原子% 以下とする
ことが好ましい。さらに、Nの一部はCやPで置換して
もよい。この場合の置換量は、Hによる置換量を含めて
Nの50原子% 以下とする。Nの一部(50原子% 以下)
は、H、CおよびPから選ばれる少なくとも 1種の元素
(X元素)で置換することができる。
【0032】なお、上記した (1)式で表される磁石材料
は、酸化物などの不可避的不純物を含有することを許容
する。
【0033】上述した組成を有する磁石材料は、Th2
Ni17型結晶相を5体積%以上含み、かつ平均結晶粒径
が0.02〜50μmの範囲の微細な結晶組織を有する。特
、T2Ni17型結晶相を主相とすることが好まし
い。なお、ここで言う主相とは合金中の構成相のうち体
積比が最大のものを指す。このような磁石材料は後に詳
述するように、Th2Ni17型結晶相を主相とする母合
金にHDDR処理を施すことにより得られるものであ
る。
【0034】Th2 Ni17型結晶相は、例えばTbCu
7 型結晶相に比べて高保磁力を有する。さらに、Th2
Ni17型結晶相はTh2 Zn17型結晶相に比べてFeや
Co(T元素)を多量に含むことができる。例えば、R
1 元素としてSm、T元素としてFeを用いた場合、T
2 Zn17型結晶相は固溶域が狭く、2:17という量論比
(Sm2 Fe17相)を超えるFeはα−Fe相などとし
て析出する。これが磁石特性を劣化させる。
【0035】一方、Th2 Ni17型結晶相はFeリッチ
側に固溶域が広く、2:17という量論比よりFeが多少多
くてもTh2 Ni17型結晶相が形成される。具体的には
Sm2 Fe17〜19程度の組成比であっても、Th2 Ni
17型結晶相を形成する。これによって、磁束密度を高め
ることができると共に、α−Fe相などの磁石特性を劣
化させる相の析出を抑制することができる。
【0036】Th2 Ni17型結晶相は磁石材料の高性能
化に大きく寄与する。このようなことから、本発明の磁
石材料はTh2 Ni17型結晶相を少なくとも 5体積% 以
上含むものである。磁石材料の構成相のうちTh2 Ni
17型結晶相の体積比が5%未満であると、良好な磁石特性
を得ることができない。さらに、Th2 Ni17型結晶相
が有する特性を十分に生かし、磁石材料の高性能化を図
る上で、本発明の磁石材料はTh2 Ni17型結晶相を主
相とする、より具体的にはTh2 Ni17型結晶相を50体
積% 以上含むことが好ましい。Th2 Ni17型結晶相は
体積比で 80%以上含むことがより一層好ましい。なお、
磁石材料の構成相はX線回折などにより確認することが
できる。
【0037】上述した磁石材料は、Th2Ni17型結晶
を5体積%以上含み、その上でHDDR処理に基づく
微細な再結晶組織、すなわち水素の吸収および脱離によ
る再結晶組織を有する。水素の吸収および脱離による再
結晶組織は微細でかつ均一性に優れ、0.02〜50μmの範
囲の平均結晶粒径が得られる。磁石材料の平均結晶粒径
を50μm以下とすることによって、保磁力や残留磁化を
高めることができる。本発明の磁石材料の平均結晶粒径
は10μm以下であることがさらに好ましい。ただし、平
均結晶粒径が0.02μm未満になると着磁が困難になるな
どの不利が生じる。再結晶組織の平均結晶粒径は、特に
0.02〜1μmの範囲とすることが好ましい。
【0038】なお、本発明において、磁石材料の平均結
晶粒径t(μm)の測定方法は以下に示す通りである。磁
石材料の透過型電子顕微鏡を用いた金属組織写真から観
察される結晶粒の断面積をSn (μm 2 )としたとき、
結晶粒径rn (μm)を次の式で定義する。
【0039】
【数1】 平均結晶粒径tは、各結晶粒径rn の平均値、つまり次
式で定義する。
【0040】
【数2】 Nは結晶粒径を測定した数であり、60以上とすることが
好ましい。
【0041】Th2 Ni17型結晶相を少なくとも 5体積
% 以上含む磁石材料、さらにはTh2 Ni17型結晶相を
主相とする磁石材料は、上述したように高飽和磁束密度
などの優れた磁気特性を有し、その上で平均結晶粒径が
0.02〜50μm の範囲の微細な結晶組織(再結晶組織)と
することで、保磁力や残留磁化などを高めることができ
る。このように、本発明の磁石材料はより一層の高性能
化を図ったものであり、種々の電気部品の小型・高性能
化に対応するものである。
【0042】ここで、本発明の磁石材料の主相は、Th
2 Ni17型結晶相に限られるものではない。HDDR処
理を施す母合金の組成、HDDR処理条件、窒化処理条
件などによっては、Th2 Zn17型結晶相、TbCu7
型結晶相、ThMn12型結晶相などを主相とすることも
できる。いずれにしてもTh2 Ni17型結晶相は少なく
とも 5体積% 以上含むものである。母合金中のR2 元素
量を比較的少なくした場合には、Th2 Zn17型結晶相
が出現しやすい。また、R2 元素中のTiの量が多い場
合やT元素の一部を置換するM元素の量を多くした場合
には、TbCu7 型結晶相やThMn12型結晶相が出現
しやすい。
【0043】本発明の磁石材料の主相は、用途に応じて
選択することができる。例えば、高い残留磁化および最
大エネルギー積が求められる場合には、Th2 Ni17
結晶相を主相とすることが好ましい。高い保磁力が求め
られるような磁石材料では、Th2 Zn17型結晶相を主
相とすることが好ましい。高い熱安定性が求められるよ
うな磁石材料では、TbCu7 型結晶相やThMn12
結晶相を主相とすることもできる。ここで言う主相とは
合金中の構成相のうち体積比が最大のものであり、具体
的には体積比が 50%以上であることが好ましい。
【0044】本発明において、磁石材料中に生成する各
相の体積占有率は、磁石材料の断面の透過型電子顕微鏡
写真から面積分析法で求めることができる。面積分析法
による断面積比で体積比を近似的に表すことができる。
本発明における体積占有率は、10点を測定した平均値と
する。
【0045】本発明の磁石材料の製造方法は、例えば以
に示す通りである
【0046】まず、所定量のR1 、R2 、Tの各元素、
さらに必要に応じてBやM元素などを含有するインゴッ
トを、アーク溶解や高周波溶解などで調製する。この母
合金は、Th2 Ni17型結晶相を主相するものである。
このような合金インゴットに対して、必要に応じてA
r、Heなどの不活性ガス雰囲気中または真空中にて、
300〜1200℃程度の温度で 0.1〜 200時間の熱処理を施
す。このような熱処理を施すことによって、α−Fe相
などの析出が少ない母合金が得られる。
【0047】本発明の磁石材料の製造に用いられる母合
金は、 一般式:(R1 X2 1-XYZ1-Y-Z …(2) (式中、R1は希土類元素から選ばれる少なくともSm
を50原子%以上含む元素を、R2はZr、Hf、Tiお
よびScから選ばれる少なくとも1種の元素を、TはF
eおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を示
し、X、YおよびZは0.5≦X<1、0.05≦Y≦0.2、0Z≦0.
1を満足する数である)で表される組成を有するもので
ある。
【0048】このような合金組成を満足させることによ
って、母合金の主相を容易にTh2Ni17型結晶相とす
ることができる。ただし、合金組成が同一であっても、
製造条件によっては結晶相が異なるため、母合金を溶解
鋳造後に熱処理を施す際の条件などを制御することによ
り母合金の主相をTh2 Ni17型結晶相とする。
【0049】次に、得られた母合金をボールミル、ブラ
ウンミル、スタンプミルなどによって、平均粒度が数10
μm 〜数 100μm 程度となるように粉砕する。このよう
な母合金粉末に対して水素の吸収および脱離による再結
晶化工程を実施する。すなわちHDDR(Hydrogenation
-Disproportionation-Desorption-Recombination)処理
を施す。Th2 Ni17型結晶相は、前述したようにFe
リッチ側に固溶域が広く、α−Fe相などの磁石特性を
劣化させる相の析出を抑制することができるため、HD
DR処理後にα−Fe相などの少ない、特性に優れる磁
石材料が再現性よく得られる。
【0050】HDDR処理においては、まず母合金粉末
を水素ガス雰囲気中にて 650〜 800℃程度の温度で30分
〜 1時間程度熱処理し、母合金に水素を吸収させる。こ
の水素の吸収工程によって、Th2 Ni17型結晶相はR
x 相やα−Fe相などに分解すると同時に、結晶組織
が微細化される。
【0051】次いで、同温度に保ったまま、もしくは数
10〜 100℃程度昇温しながら真空排気することにより脱
水素する。この後、室温まで冷却する。この脱水素工程
によって、Th2 Ni17型結晶相を少なくとも 5体積%
以上含む結晶相が再結晶化する。この再結晶組織による
結晶相は、水素の吸収に伴う微細組織を維持している。
従って、平均結晶粒径が0.02〜50μm の範囲、さらには
0.02〜 1μm の範囲の微細な結晶組織(再結晶組織)が
得られる。
【0052】再結晶組織の構成相は、Th2 Ni17型結
晶相、Th2 Zn17型結晶相、TbCu7 型結晶相、T
hMn12型結晶相などとなる。Th2 Ni17型結晶相は
少なくとも 5体積% 以上含まれる。再結晶組織の主相は
上記した 4種類の結晶相のうちいずれかとすることがで
きるが、前述したように本発明では磁石材料の高飽和磁
束密度化や高性能化を図る上で、Th2 Ni17型結晶相
を主相とすることが好ましい。
【0053】この後、水素の吸収、脱離による再結晶化
工程を経た合金粉末を、窒素含有雰囲気中で熱処理(窒
化処理)することによって、目的とする粉末状の磁石材
料が得られる。得られる磁石材料は等方性磁石粒子であ
る。窒化処理は0.01〜10気圧の窒素ガス雰囲気中にて、
400〜 500℃の温度下で実施することが好ましい。この
ような条件下での窒化処理時間は 0.1〜 300時間とする
ことが好ましい。
【0054】窒化処理時の雰囲気は窒素ガスに代えて、
アンモニアガスなどの窒素化合物ガスを用いてもよい。
アンモニアガスを用いた場合、窒化反応速度を高めるこ
とができる。この際、水素、窒素、アルゴンなどのガス
を同時に用いることによって、窒化反応速度を制御する
こともできる。
【0055】上述したような本発明の製造方法では、T
2 Ni17型結晶相を主相する母合金にHDDR処理を
施しているため、α−Fe相などが少なくかつ微細な再
結晶組織を有する高性能な磁石材料が得られる。微細な
組織は急冷法などによっても実現できるが、急冷工程を
省略することで磁石材料の生産効率の向上および製造コ
ストの低減を図ることができる。再結晶組織は均一微細
組織が得られやすいという利点も有している。さらに、
微細なTh2 Ni17型結晶相を主相とする磁石材料を再
現性よく得ることができる。
【0056】本発明の磁石材料は、例えばボンド磁石の
構成材料として好適である。以下に本発明の磁石材料か
らボンド磁石を製造する方法について説明する。なお、
ボンド磁石を製造する場合、通常、磁石材料を粉砕して
用いる。ただし、前述した磁石材料の製造工程におい
て、既に粉砕が行われている場合にはこれを省略するこ
とが可能である。
【0057】(a) 本発明の磁石材料の粉末を有機系のバ
インダと混合し、これを所望の形状に圧縮成形または射
出成形することによりボンド磁石を製造する。バインダ
としては、例えばエポキシ系、ナイロン系などの樹脂を
使用することができる。バインダとしてエポキシ系樹脂
のような熱硬化性樹脂を用いる場合には、所望形状に成
形した後に、 100〜 200℃の温度でキュア処理を施すこ
とが好ましい。なお、圧縮成形でボンド磁石を製造する
場合、加圧時に磁場を印加して結晶方位を揃えることに
より、高磁束密度を有する永久磁石を製造することがで
きる。
【0058】(b) 本発明の磁石材料の粉末を低融点金属
または低融点合金と混合した後、圧縮成形することによ
りメタルボンド磁石を製造する。この場合、低融点金属
や低融点合金がバインダとして機能する。低融点金属と
しては、例えばAl、Pb、Sn、Zn、Cu、Mgな
どを、また低融点合金としては上記低融点金属を含む合
金などを用いることができる。この場合も、磁場を印加
して結晶方位を揃えることにより、高磁束密度を有する
永久磁石を製造することができる。
【0059】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0060】実施例1〜3、参考例1〜5 まず、高純度の各原料を所定の割合で調合し、Ar雰囲
気中で高周波溶解して母合金インゴットをそれぞれ作製
した。次いで、これら各母合金インゴットを真空中で11
00℃×48時間の条件で熱処理した後、Ar雰囲気中でボ
ールミルにより平均粒度が4〜5μm程度となるようにそ
れぞれ粉砕した。各母合金のX線回折を行ったところ、
いずれもTh2Ni17型結晶相を主相としていることが
確認された。
【0061】次に、各合金粉末を熱処理炉に入れ、炉内
を 1.5×10-5Torrの真空に排気した後、 1気圧のH2
スを炉内に流しながら 730℃に昇温し、その温度で30分
間保持した。次いで、再度排気を行い、真空度が 1.5×
10-5Torrに到達してから再び800℃まで昇温した。その
後、炉内に 1気圧のArガスを流して各粉末を急冷し
た。得られた各合金粉末のX線回折を行った結果、各粉
末はTh2 Ni17型結晶相を主相としていることが確認
された。
【0062】次に、上記各合金粉末に窒素を含有させる
ために、各合金粉末を 1気圧の窒素ガス中で 450℃×25
時間の条件で熱処理した。この窒化処理により各材料の
重量が 3.0〜3.9%増加した。得られた磁石材料の組成、
主相および平均結晶粒径を表1に示す。
【0063】このようにして得た各磁石材料にエポキシ
樹脂を 2.5重量% 添加、混合した後、1200MPa の圧力条
件で圧縮成形し、さらに 150℃の温度で 2.5時間キュア
処理することにより、それぞれボンド磁石を作製した。
得られた各ボンド磁石の保磁力、残留磁束密度、最大磁
気エネルギー積を表1に併せて示す。
【0064】比較例1 上記した実施例と同様な方法で作製した合金インゴット
を、平均粒度が 4〜 5μm 程度となるように粉砕した。
得られた合金粉末のX線回折を行ったところ、Th2
17型結晶相を主相とすることを確認した。
【0065】次に、上記合金粉末に対して、水素を用い
た熱処理を行うことなく、実施例と同一条件で窒化処理
を行った。得られた磁石材料を用いて、実施例と同様に
ボンド磁石を作製した。磁石材料の組成、主相および平
均結晶粒径、ボンド磁石の保磁力、残留磁束密度、最大
磁気エネルギー積を表1に併記する。
【0066】比較例2 上記実施例と同様な方法で作製した合金インゴットを、
Ar雰囲気中で高周波誘導加熱により溶融した後、ノズ
ルから周速40m/s で回転する金属ロール上に溶湯を噴射
して急冷薄帯を作製した。この急冷薄帯をAr雰囲気中
で 750℃×30分の条件で熱処理した後、平均粒度が 4〜
5μm 程度となるように粉砕した。得られた合金粉末の
X線回折を行った結果、TbCu7 型結晶相を主相とし
ていることが確認された。
【0067】次に、上記合金粉末に実施例と同一条件で
窒化処理を行った。そして、得られた磁石材料を用い
て、実施例と同様にボンド磁石を作製した。磁石材料の
組成、主相および平均結晶粒径、ボンド磁石の保磁力、
残留磁束密度、最大磁気エネルギー積を表1に併記す
る。
【0068】比較例3 上記した実施例と同様な方法で作製した合金インゴット
を、平均粒度が 4〜 5μm 程度となるように粉砕した。
得られた合金粉末のX線回折を行ったところ、Th2
17型結晶相を主相としていることを確認した。
【0069】次に、上記合金粉末に対して、実施例と同
一条件で水素を用いた熱処理および窒化処理を行った。
得られた磁石材料を用いて、実施例と同様にボンド磁石
を作製した。この比較例3の磁石材料の主相はTh2
17型結晶相であり、Th2Ni17型結晶相の体積占有
率は3%であった。磁石材料の組成、主相および平均結晶
粒径、ボンド磁石の保磁力、残留磁束密度、最大磁気エ
ネルギー積を表1に併記する。
【0070】
【表1】 表1から明らかなように、各参考例および実施例による
ボンド磁石は、水素を用いた熱処理を施していない比較
例1のボンド磁石、さらにTh2Zn17型結晶相を主相
とする合金にHDDR処理を施した比較例3のボンド磁
石に比べて、保磁力および残留磁束密度が共に優れてい
ることが分かる。特に、保磁力は2〜3倍程度と上昇して
いる。さらに、微量のBを含む実施例によるボン
ド磁石は、組織の均一性などに優れることから、残留磁
化が大きく、より大きな最大エネルギー積が得られてい
る。超急冷法により作製したTbCu7型結晶相を主相
とする比較例2のボンド磁石は、最大磁気エネルギー積
の観点からは参考例1〜5とおおよそ同等であるが、保
磁力が参考例1〜5の30〜40%程度と小さいことが分か
る。
【0071】実施例 高純度の各原料を所定の割合で調合し、Ar雰囲気中で
高周波溶解して母合金インゴットをそれぞれ作製した。
次いで、これら各母合金インゴットを真空中で1100℃×
48時間の条件で熱処理した後、Ar雰囲気中でボールミ
ルにより平均粒度が4〜5μm程度となるようにそれぞれ
粉砕した。各母合金のX線回折を行ったところ、いずれ
もTh2Ni17型結晶相を主相としていることを確認し
た。
【0072】次に、各合金粉末を熱処理炉に入れ、炉内
を 1.5×10-5Torrの真空に排気した後、 1気圧のH2
スを炉内に流しながら 730℃に昇温し、その温度で30分
間保持した。次いで、再度排気を行い、真空度が 1.5×
10-5Torrに到達してから再び800℃まで昇温した。その
後、炉内に 1気圧のArガスを流して各粉末を急冷し
た。得られた各合金粉末のX線回折を行い、主相とTh
2 Ni17型結晶相の体積占有率を求めた。
【0073】次いで、上記した各合金粉末に窒素を含有
させるために、各合金粉末を 1気圧の窒素ガス中で 450
℃×25時間の条件で熱処理した。この窒化処理により各
材料の重量が 3.0〜3.9%増加した。得られた磁石材料の
組成、主相、Th2 Ni17型結晶相の体積占有率および
平均結晶粒径を表2に示す。
【0074】このようにして得た各磁石材料にエポキシ
樹脂を 2.5重量% 添加、混合した後、1200MPa の圧力条
件で圧縮成形し、さらに 150℃の温度で 2.5時間キュア
処理することにより、それぞれボンド磁石を作製した。
得られた各ボンド磁石の保磁力、残留磁束密度、最大磁
気エネルギー積を表2に併せて示す。
【0075】
【表2】 表2から明らかなように、母合金の組成を調整すること
によって、各種の結晶相を主相とする磁石材料を得るこ
とができる。さらに、いずれの結晶相を主相とする磁石
材料も優れた磁石特性を有していることが分かる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればT
2 Ni17型結晶相を主相とする母合金にHDDR処理
を施し、Th2 Ni17型結晶相を必須成分して含む磁石
材料の金属組織を微細な再結晶組織としているため、優
れた磁気特性を有する磁石材料を提供することが可能と
なる。このような磁石材料を用いることによって、高性
能なボンド磁石を提供することが可能となる。
【0077】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 啓介 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 平井 隆大 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (72)発明者 山宮 秀樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝 横浜事業所内 (56)参考文献 特開2000−49006(JP,A) 特開 平10−289811(JP,A) 特開 平8−191006(JP,A) 特開 平8−37122(JP,A) 特開 平4−260302(JP,A) 特表 平8−500939(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/00 - 1/117 B22F 1/00 - 9/00 C22C 38/00 303 C22C 1/04 - 1/05 C22C 33/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:(R1 X2 1-XYZ1-Y-Z (式中、R1は希土類元素から選ばれる少なくともSm
    を50原子%以上含む元素を、R2はZr、Hf、Tiお
    よびScから選ばれる少なくとも1種の元素を、TはF
    eおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を示
    し、X、YおよびZは0.5≦X<1、0.05≦Y≦0.2、0Z≦0.
    1を満足する数である) で表される組成を有し、かつTh2Ni17型結晶相を主
    相とする母合金を作製する工程と、 前記母合金に水素を吸収および脱離させることによっ
    て、前記母合金を再結晶化させる工程と、 前記再結晶化させた母合金に窒素を吸収させ、磁石材料
    を作製する工程とを有することを特徴とする磁石材料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁石材料の製造方法にお
    いて、 前記母合金は、前記Th2Ni17型結晶相を50体積%以
    上含むことを特徴とする磁石材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の磁石材料
    の製造方法において、 前記磁石材料は、 一般式:{(R1 X2 1-XYZ1-Y-Z1-QQ (式中、R1は希土類元素から選ばれる少なくともSm
    を50原子%以上含む元素を、R2はZr、Hf、Tiお
    よびScから選ばれる少なくとも1種の元素を、TはF
    eおよびCoから選ばれる少なくとも1種の元素を示
    し、X、Y、ZおよびQは0.5≦X<1、0.05≦Y≦0.2、0Z
    ≦0.1、0.1≦Q≦0.2を満足する数である) で表される組成を有し、かつ前記Th2Ni17型結晶相
    を5体積%以上含むことを特徴とする磁石材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項のいずれか1項
    記載の磁石材料の製造方法において、 前記磁石材料は、Th2Ni17型結晶相、Th2Zn17
    結晶相、TbCu7型結晶相またはThMn12型結晶相
    を主相とすることを特徴とする磁石材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項のいずれか1項
    記載の磁石材料の製造方法において、 前記磁石材料は、平均結晶粒径が0.02〜50μmの範囲の
    再結晶組織を有することを特徴とする磁石材料の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項記載の磁石材料の製造方法にお
    いて、 前記磁石材料は、さらにV、Cr、Mo、W、Mn、G
    a、Al、Sn、Ta、Nb、SiおよびNiから選ば
    れる少なくとも1種のM元素を含有し、前記T元素の20
    原子%以下が前記M元素で置換されていることを特徴と
    する磁石材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載の磁石材料の製造方法にお
    いて、 前記磁石材料は、さらにH、CおよびPから選ばれる少
    なくとも1種のX元素を含有し、前記N元素の50原子%
    以下が前記X元素で置換されていることを特徴とする磁
    石材料の製造方法。
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