JPH11316362A - 画像表示装置、回折光学素子、ホログラム素子、およびホログラム素子の製造方法 - Google Patents

画像表示装置、回折光学素子、ホログラム素子、およびホログラム素子の製造方法

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JPH11316362A
JPH11316362A JP10295919A JP29591998A JPH11316362A JP H11316362 A JPH11316362 A JP H11316362A JP 10295919 A JP10295919 A JP 10295919A JP 29591998 A JP29591998 A JP 29591998A JP H11316362 A JPH11316362 A JP H11316362A
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light
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Yasunori Kuratomi
靖規 藏富
Akifumi Ogiwara
昭文 荻原
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像表示素子に形成されたマイクロレンズア
レイの開口率を実効的に高くする機能を最大限に発揮
し、均一性が高いだけではなく、投射効率の高い、明る
い画像表示装置を構成する。 【解決手段】 物体光と参照光を干渉させて作成され、
かつ前記物体光が略平行な物体光束であり、前記参照光
がランプ102から発せられる第1の光束を集光、伝搬
させる照明光学部104からの出力光束と略等価な波面
を有する参照光束であるホログラム素子216〜218
を用い、これにより、上記出力光束を略平行な光に変換
して、画像表示素子219〜221に入射させ、変調す
ることで画像を表示するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明るく、高品位な
画面を表示する画像表示装置及び該画像表示装置に用い
るホログラム素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の直視型テレビでは大型化が困難で
あることから、近年、高輝度ランプからの光を画像表示
素子によって輝度変調し、スクリーン上に拡大投写する
投射型画像表示装置の開発が進められている(例えば、
オープラスイー、1993年8月号、58項−101
項)。
【0003】図1に従来の一般的な画像表示装置であ
り、画像表示手段として液晶パネルを用いた構成例を示
す。ランプ2からの出力光3をリフレクター4で反射
し、出力光束5を集光光学系(図示せず)により集光、
伝搬し、色分離のためのダイクロイックミラー12、1
3により赤色、緑色、青色の3原色に分離し、全反射ミ
ラー14、コンデンサーレンズ15を介して液晶パネル
16〜18に入射せしめる。
【0004】液晶パネル16〜18により変調された出
力光は、色合成のためのダイクロイックプリズム(図示
せず)もしくは、ダイクロイックミラー19、20及び
全反射ミラー14により合成され、投射レンズ9により
スクリーン(図示せず)上に拡大投射される。
【0005】上記液晶パネル16〜18等は、主に透過
型、反射型に区別されるが、いずれも偏光板もしくは偏
光ビームスプリッタ(以下PBSと略記する)を介して
入射される特定の直線偏光光を、液晶材料により変調す
ることにより画像を表示する。
【0006】また液晶パネル16〜18は一般的には各
画素を駆動するためのスイッチング素子として薄膜トラ
ンジスタ(以下TFTと略記する)を各画素に配置した
アクティブマトリックス方式が主流であり、TFTは多
結晶ポリシリコンで形成されるのが一般的である。
【0007】また、他の従来の一般的な画像表示装置の
構成例を図2に示す。
【0008】ランプ22からの出力光をリフレクター2
3で反射後、第1の蠅の目レンズ24、第2の蠅の目レ
ンズ25からなるインテグレータ、折り返しミラー29
によって伝搬し、さらに色分離のためのダイクロイック
ミラー30、31により赤色、緑色、青色の3原色に分
離し、画像表示素子35〜37に入射せしめる。
【0009】画像表示素子33〜35は、入射光束が画
像表示素子を透過する間に変調する透過型と、入射光束
を反射後出力する間に変調する反射型に大別される。さ
らに変調の方式として入射光束の偏光状態を変化せしめ
る偏光型と、入射光束を散乱することにより変調する散
乱型に大別される。
【0010】偏光型の画像表示素子においては、透過型
及び反射型のいずれも偏光板もしくは偏光ビームスプリ
ッタ(以下PBSと略記する)を介して入射される特定
の直線偏光光を、例えば液晶材料により変調することに
より画像を表示する。散乱型の画像表示素子において
は、透過型及び反射型のいずれも入射光束を散乱せしめ
ることで黒を表示し、入射光束を散乱せずに出力するこ
とで白を表示する。
【0011】図1、2では画像表示素子を3枚用いた構
成(以下、三板式と略記する)であるが、後述するよう
に1枚の画像表示素子でカラー画像を表示する方式(以
下、単板式と略記する)もある。
【0012】ランプ2等としては、発光効率が高く、発
光体の体積が小さく高輝度で、演色性の高いランプが求
められており、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、超高圧水銀ランプなどが用いられている。
【0013】リフレクタ3等としては、反射後の光束を
有効に活用しやすいことから、放物面鏡、楕円面鏡、球
面鏡などが用いられており、発光体がそれら反射鏡の焦
点もしくは第一焦点もしくは中心に配置される場合が多
い。
【0014】近年の画像表示装置においては、全白信号
を表示した際の、(1)投写画像の中央部の明るさと周
辺部の明るさを均一にする、(2)投写される全光束
(ルーメン)をランプの消費電力(ワット)で除した値
として定義される投写効率(ルーメン/ワット)を向上
する、ことが開発の主な課題であり、(1)については
インテグレータの導入により、(2)についてはインテ
グレータと発光体の小さな高輝度ランプとの組み合わせ
によって、又は画像表示手段として液晶パネルのような
偏光表示手段を用いる画像表示装置にあっては、さらに
偏光変換素子を組み合わせることによって、解決が試み
られている。また、マイクロレンズを液晶パネルに形成
することによる投写効率の改善も多数検討されている。
【0015】次に、インテグレータについて説明する。
インテグレータとは、例えば特開平3−111806号
公報、特開平5−346557号公報に開示されている
ように、微小レンズを2次元に配置して構成される蠅の
目レンズを2種類組み合わせて構成される。インテグレ
ータの具体的構成例を図4に示す。これは、光源からの
出力光束を複数の領域に分割し、それらを被照明体物上
にて重畳することにより、照明光の均一性を向上せしめ
るものである。
【0016】ランプ42の出力光束はリフレクタ43で
反射後、第1の蠅の目レンズ44へ入射する。リフレク
タ43及び第1の蠅の目レンズ44によって、ランプ4
2の発光体の像は、第1の蠅の目レンズ44の各レンズ
に対応する第2の蠅の目レンズ45の各レンズ上に結像
する。第2の蠅の目レンズ45の各レンズは第1の蠅の
目レンズ44を構成する各レンズの像を画像表示素子4
7上に結像するような構成となっている。尚、必要に応
じて、第2の蠅の目レンズと画像表示素子の間にリレー
レンズ、補助レンズが配置されるが、インテグレータと
しての基本的機能は変わらない。
【0017】上記構成により、第2の蠅の目レンズ45
の各レンズが画像表示素子47上に結像する像は、リフ
レクタ43から出力される輝度分布の大きな出力光束を
第1の蠅の目レンズ44の各レンズにより分割し、それ
らを画像表示素子47上に重ね合わせた結果となる。こ
のような原理により投写画像における画像中央部に対す
る周辺部の明るさを70%以上に高くすることが可能と
なっている。
【0018】また、インテグレータの導入により、画像
表示装置の投写効率も向上せしめることができる。一般
にリフレクタ43により反射された光束は略円形である
が、画像表示素子37は、例えば4:3の長方形(ある
いは16:9の矩形)である。それゆえ画像表示素子4
7を円形に照明する場合には円に内接する長方形の面積
比しか有効に活用されなかった。これを矩形変換効率と
呼び、4:3の長方形を外形とする(アスペクト比の)
画像表示素子47を用いる場合には、矩形変換効率は、
約61%であった。
【0019】しかしながら、インテグレータの第1の蠅
の目レンズ44に用いるレンズの開口形状を特開平5−
346557号公報の図2に開示されているように4:
3として配置することにより、約80%に向上すること
が可能となっている。
【0020】<しかしながら特開平5−346557の
図2に開示されているように、インテグレータの第1の
蠅の目レンズ4に用いるレンズの開口形状を例えば4:
3として画像表示素子の形状と相似形にすることに加え
て、円形の照明領域の中に第1の蠅の目レンズの各レン
ズを密に形成することによって、矩形変換効率を約80
%に向上することが可能となっている。
【0021】次に偏光変換素子について説明する。前述
の偏光型液晶パネルを用いた画像表示装置においては、
ランプの出力光のなかで、特定方向の偏光成分しか有効
に活用できないという欠点があり、投写効率が低く、明
るい画像を得るためには出力の大きな光源を用いなけれ
ばならないという課題があった。偏光変換素子はこうし
た課題を解決することを目的として開発され、偏光板で
吸収、もしくはPBSで反射され液晶パネルに入射され
ない偏光成分を、該偏光成分に対し概ね直交する偏波面
を持つ偏光成分に有効に変換するものである。
【0022】偏光変換素子は、例えば特開平5−107
505号公報、特開平6−202094号公報、特開平
7−294906号公報、特開平8−234205号公
報、特開平9−105936号公報等に多数開示されて
いるが、基本的には、偏光分離手段と、偏波面回転手段
の組み合わせからなる。
【0023】図3に一般的な偏光変換素子38の構成図
を示す。無偏光光(ランダムな偏光の光束)62を偏光
分離手段60により互いに直交する偏光成分、すなわち
P偏光光(偏光分離手段により反射されずに透過する紙
面に平行な偏光方向を有する光束)63’、S偏光光
(偏光分離手段により反射され、紙面に垂直な偏光方向
を有する光束)64に分離し、S偏光光64のみを反射
手段60(一般的に偏光分離手段60と同種の膜を用い
る)により反射し、偏波面回転手段61によりP偏光光
41’に変換する原理に基づいている。
【0024】近年では、レンズアレイ66との組み合わ
せで構成される場合が多く、前記五つの参考例もレンズ
アレイとの組み合わせにより使用することができるが、
次にマイクロレンズを形成した液晶パネルについて説明
する。通常の画像表示素子では、各画素毎に画素を駆動
するTFTを形成しており、そのために画素の中でTF
Tを形成している部分は光を透過することができない。
すなわち各画素の面積に対する実際に光が透過すること
ができる面積の比(開口率)が小さいという欠点があ
る。
【0025】これは高解像度な画像表示素子において一
層顕著となり、対角1.3インチのパネルに1024×
768画素を形成した画像表示素子においては開口率は
約56%程度であり、対角0.9インチの画像表示素子
に同数の画素を形成した場合には高々40%程度とな
る。さらに画素数を増やして解像度を上げたり、または
画素数は同一であっても画像表示素子を小型にしようと
すると開口率は著しく低下し、結果として投写効率が低
下してしまう。
【0026】そこで、例えば特開平1−281426号
公報、特開平3−140920号公報、特開平4−25
1221号公報など多数の参考例に開示されているよう
に、入射側のガラス基板にマイクロレンズを形成し、か
つ各画素に一つのマイクロレンズを対応せしめ、開口部
(各画素の中で光が透過することができる部分)にのみ
入射光を集束せしめ、実効的な開口率を改善することが
考えられている。
【0027】また一枚の画像表示素子を用いた単板式の
画像表示装置も開発されている。単板式は三板式に比べ
て画像表示素子が少なくてすみ、光学系の構成が簡略と
なることから、画像表示装置を実用化する上で重要とな
る低コスト化を実現することができる。さらに、セット
の軽量化及びカラーコンバーゼンスを不要とできるなど
の効果が期待できる。
【0028】カラーコンバーゼンスとは、例えば三板式
において、各画像表示素子の対応する画素の出力をスク
リーン上で位置合わせすることであり、位置合わせのた
めの機構部品点数の増加、及び調整に多大の時間を要す
ること等によるコストアップの要因となっている。
【0029】その一方で、単板式は三板式に比べて投写
効率が劣るという欠点がある。例えば、カラーフィルタ
ーを内部に設けた場合には、原理的に光の強度は1/3
になってしまい画像が暗くなるという欠点があった。こ
れは、三板式では色分離された3原色がほとんど吸収さ
れることなく利用することができるのに対し、カラーフ
ィルターが特定波長帯域の光束のみ透過し、他の波長帯
域の光を吸収もしくは反射してしまい画素に入力しない
からである。
【0030】そこで、例えば「日経エレクトロニクス」
1995年1月30日号169頁173頁(以下、参考
例1と略記する)、特開平8−292506号公報(以
下、参考例2と略記する)、特開平9−105899号
公報の図14(以下、参考例3と略記する)、「日経エ
レクトロニクス」1996年10月21日号18頁19
頁図4(a)(以下、参考例4と略記する)、特開平6
−222361号公報(以下、参考例5と略記する)等
に多数開示されているように、白色光を3原色に分離
後、対応する画素に各原色を入射せしめることで投写効
率を改善することが提案されている。
【0031】上記参考例は、いずれも白色光を3原色に
分離する色分離手段と、分離した後の光束を対応する各
画素に入射せしめる光路変換手段からなる。色分離手段
としては、参考例1、2、3に開示されているように、
光軸に対して互いに異なる角度で配置されたダイクロイ
ックミラー(以下、異傾斜角ダイクロイックミラーと略
記する)を用いる場合が多く、光路変換手段としてマイ
クロレンズアレイ(参考例1)、ホログラムレンズアレ
イ(参考例2)、シリンドリカルレンズ(参考例3)な
どを用いている。
【0032】また、例えば参考例4、5に開示されてい
るようにホログラム素子などの回折光学素子を用いて、
色分離手段と光路変換手段を兼用する場合がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の画像表示装置では、以下のような問題点が
あった。
【0034】インテグレータ、及び偏光変換素子の機能
を有効に活用するためには、発光体の小さな高輝度ラン
プを使用する必要があった。以下にその理由を簡潔に記
す。インテグレータにあっては、第1の蠅の目レンズを
構成する各レンズ(以下、第1レンズ群と略記する)
が、第2の蠅の目レンズの対応する各レンズ(以下、第
2レンズ群と略記する)に発光体の実像を形成するが、
このとき、第2レンズ群の開口よりも大きな像を結像し
た場合には、有効に画像表示手段に伝搬されない光束が
生じてしまい、投射効率の損失となってしまう。それゆ
え発光体が小さいほど上述の伝搬ロスが小さくなるた
め、インテグレータを有効に機能せしめることができ
る。
【0035】以上の現象は、画像表示手段として偏光表
示手段を用いない場合、例えばポリマー分散型液晶パネ
ルや、米国特許第5096279号明細書に開示されて
いる光偏向型の画像表示手段を用いている場合にも同様
である。
【0036】また、偏光変換素子にあっては、例えばイ
ンテグレータとの組み合わせにより構成する場合(実用
的にはほとんどの例)では、上述のインテグレータの場
合と同様に、偏光分離手段にのみ光束を集光せねばなら
ない。例えば図14に示した偏光分離素子58にあっ
て、偏光分離手段60ではなく、それに隣接する偏波面
回転手段61を設けた反射手段60’に光が入射した成
分は有効に利用されず損失となる。
【0037】これは第1の蠅の目レンズのランプ側に偏
光変換素子を配置し、偏光分離後の照射角を偏光成分に
よって異ならしめる場合のも同様で、この場合には、第
2の蠅の目レンズの前もしくは後に設置される偏波面回
転手段に特定の偏光成分のみを入射せねばならない。従
って偏光変換素子の効率を向上せしめ、ひいては投射効
率を向上するために、発光体の小さなランプが必要とさ
れているのである。
【0038】例えば、偏光変換素子単体をレーザ光のよ
うな平行光で照射し、その効率を調べると、例えば図1
4に示した素子の場合では、P偏光光63の透過率は約
96%、また、S偏光光64が偏光分離素子58に入社
後、偏波面回転手段61によりP偏光光63へ変換され
る効率は約91%と極めて高い性能を有し、無偏光光6
2がP偏光光63へ変換される効率は、約94%にな
る。偏光表示手段を用いる画像表示装置にあっては、こ
の効率を偏光利用効率と定義することができる。しかし
ながら実際に発光体の長さが約1.45ミリと小さいラ
ンプを用いた場合でも偏光利用効率は約80%未満に低
下し、発光体の長さが約3ミリのランプを用いたが愛に
は60%程度に低下し、偏光変換素子がない場合の偏光
利用効率50%と大差なくなってしまうのは、上述のラ
ンプの発光体の大きさに起因しているのである。
【0039】更に、上記理由とは別に、ランプからの出
力光を有効に集光するためのリフレクターとの組み合わ
せにおいても発光体の小さな光源は必要である。例え
ば、リフレクターとして放物面鏡を用いる場合を考え
る。この放物面鏡は、放物線を光軸と一致する回転軸に
より回転せしめて形成される凹面を反射面として有す
る。一般的には光軸上の放物線の焦点近傍に発光体は設
置される。なぜなら、放物線の焦点より発散した光束は
放物面で反射後平行光線となるからである。
【0040】しかしながら実際のランプの発光体は点で
はなく有限な大きさを持っているため、収束光や発散光
が生じて損失となってしまう。こうした理由からも発光
体の小さなランプが不可欠であった。つあり発光体が極
めて小さく、ほぼ点光源とみなせるランプを用いれば、
前述のインテグレータ、偏光変換素子の本来有する機能
を活かして極めて高い投射効率を実現できると考えられ
る。
【0041】上述のように発光体の大きさによりインテ
グレータの性能及び偏光変換素子の偏光変換効率は大き
く影響を受けるが、このことはより高輝度な画像を表示
する際に重要な問題となる。例えば、100〜200ワ
ット程度であれば、発光体の大きさは高々2ミリ程度で
あり、上述のようにインテグレータ、及び偏光変換素子
の機能としてある程度満足できるが、それ以上の高出力
ランプを用いた場合には、発光体がランプ出力の増加と
ともに大きくなってしまう。
【0042】それゆえ、100〜200ワット程度の低
出力ランプを用いた画像表示装置では、6ルーメン/ワ
ットという高い投射効率も可能であるが、それ以上の高
出力ランプを用いる場合には高々3ルーメン/ワット程
度しか実現できていない。
【0043】つまり100ワットのランプを用いて6ル
ーメン/ワットの計600ルーメンの光出力を有する画
像表示装置は実現できても、例えば200ワットのラン
プを用いて1200ルーメンの光出力を有する画像表示
装置の実現は困難であった。以上のように高出力ランプ
を用いて投射光束を大きくしようとすると投射効率が著
しく低下していた。
【0044】インテグレータと偏光変換素子の組み合わ
せにおいては、発光体の小さな高輝度ランプの開発によ
って、近年では高い投写効率を実現することが可能とな
ってきた。しかしながら、インテグレータとマイクロレ
ンズを形成した画像表示素子を組み合わせた場合、また
はインテグレータと偏光変換素子に加えてマイクロレン
ズを形成した画像表示素子を組み合わせた場合に、実効
的な画像表示素子の開口率を向上しようとしても大きな
効果が得られないという課題があった。以下にその理由
を簡潔に記す。
【0045】そもそも、マイクロレンズによる実効的開
口率向上の効果を大きくするためには、マイクロレンズ
への入射光束は光軸に対して略平行であることが好まし
い。なぜならマイクロレンズの光軸に対して斜めに入射
する光束は、画素の開口部以外の部分に入射してしまう
ためである。
【0046】発光体の小さな高輝度ランプの光束を放物
面鏡によって集光することにより略平行に近い光束を得
ることができるが、実際の照明光学系では、前述のイン
テグレータ、または偏光変換素子を用いることが不可欠
であるため、必ずしも画像表示素子すなわちマイクロレ
ンズに入射する光束は略平行な光束とは限らないのであ
る。
【0047】それゆえ、理想的には実効的な開口率をほ
ぼ100%にできるはずであるにもかかわらず、前述の
例ではマイクロレンズを導入しても高々1.2倍の開口
率の向上しか見込めず、対角1.3インチの画像表示素
子では実効的な開口率が67%、対角0.9インチの画
像表示素子では55%程度であり、半分近く光束を損失
していた。
【0048】同様の現象は、参考例1、2、3の単板式
画像表示装置に見られるように、光路変換手段としてマ
イクロレンズを用いる場合にも発生する。すなわち、異
傾斜角ダイクロイックミラーによって画像表示素子に入
射する3原色の入射角を互いに異ならしめ、一つのマイ
クロレンズによって各原色の画像信号を表示する画素に
異なる角度で光束を入射せしめる場合に、入射光束が平
行光束でないために、混色及び効率の低下が見られてい
る。
【0049】例えば、参考例1に開示されている例で
は、本来例えば緑色の信号を表示する画素に斜めから赤
色、もしくは青色の光束が入射し、本来の色と異なる色
調の画像が表示されたり、または画素の開口部に有効に
光束が入射せず、効率が低いという問題があった。
【0050】上述のように、投写効率が高く、明るさの
均一性の高い画像表示が可能な画像表示装置を構成する
ためには、インテグレータ、偏光変換素子、マイクロレ
ンズの機能を有効に活用せねばならない。
【0051】中でもインテグレータは、画像の明るさの
均一性を確保するだけではなく、偏光変換を行うために
不可欠な光学要素であるが、レンズを2次元に配置し、
しかも2つの蠅の目レンズを組み合わせねばならず高価
なものとなっており、コストアップを招いていた。すな
わち、インテグレータを複製するための金型の作製及び
硝材などが高価であり、投写レンズとともに光学系の大
半のコストを占めていた。
【0052】また、その機能を実現するためには特定の
距離が必要で、コンパクトな光学系を構成することが不
可能であった。すなわち従来のインテグレータでは、第
1の蠅の目レンズを構成する各レンズは、入射する光束
を対応する第2の蠅の目レンズの各レンズに集光せねば
ならない。また、同時に第2の蠅の目レンズの各レンズ
は、第1の蠅の目レンズの各レンズの像を画像表示素子
上に結像せねばならない。その際の倍率は、第1の蠅の
目レンズと第2の蠅の目レンズ間の距離L1、及び第2
の蠅の目レンズと画像表示素子との距離L2の比、すな
わちL2/L1により決定される。一方矩形変換効率を
高めるためには、第1の蠅の目レンズを小さくし、反射
鏡からの略円形の出力光束内に密に配置すればよいが、
その結果、コストアップになることに加えて倍率を高く
せねばならずL2が大きくなりコンパクトな構成ができ
なかった。また、1枚の蠅の目レンズでインテグレータ
を構成することもできなかった。
【0053】以上詳細に述べたように、本発明は、画像
の明るさの均一性を高くしたまま、かつ高い光利用効率
を実現するための回折光学素子、及びそれを用いた画像
表示装置を提供するものである。
【0054】また、以上の課題は、その光学的挙動がい
わゆる幾何光学で記述されるレンズを用いているために
生じる問題であった。本願発明は、こうした幾何光学の
制約を受けない波動光学に基づく回折光学素子によっ
て、上述の課題を解決するものであるが、これまでにも
回折光学素子を画像表示装置に用いた例は多数開示され
ている。しかしながらこれらは、本願発明の回折光学素
子並びにそれを用いた画像表示装置と技術的思想を全く
別にするものである。
【0055】例えば、特開平6−222361号公報、
特開平9−73014号公報(以下、従来例1)では、
白色バックライト光をホログラムにより各色成分ごとに
収束せしめることによって、光利用効率を改善する手法
が開示されている。また、例えば特開平8−22065
6号公報(以下、従来例2)では、液晶パネルの出力側
にホログラム素子を設けて、液晶パネルの出力光束の主
光線を光軸に対して平行とする例が開示されている。
【0056】しかしながら、従来例1に開示されたホロ
グラムは、微小領域に分離され、各微小領域は集光性を
有するが、これは単に対応する画素に所望の光の光束を
集光せしめる機能であり、いわば波長選択性を有するマ
イクロレンズアレイとして機能するにすぎず、本願発明
の回折光学素子の特徴である、照明光の明るさの均一性
(換言すれば投写画像の明るさの均一性)を保ちつつ、
投写効率(光利用効率)を向上せしめる機能を一切有し
ていないものであり、本願発明の回折光学素子とは、そ
の技術的な思想を全く別にするものである。
【0057】また、従来例2におけるホログラムは、液
晶表示素子の出力側(投写レンズ側)に配置され、その
機能は各色ごとに異なる角度で出力される液晶表示素子
の出力光束をおのおの平行化することにより、投写レン
ズに対する仕様の負担を軽減するものである。従って、
従来例2におけるホログラムは、液晶パネルに入射する
照明光の均一性を高くする本願発明の回折光学素子と
は、その技術的思想を全く別にするものである。
【0058】また、半導体の製造分野で使用される露光
装置においては、例えば、特開平10−70070号公
報(以下、従来例3)に開示されているように、光源か
らの出力光束を回折光学素子により分離する手法が開示
されている。従来例3にあっては、分離後の出力光束を
再度オプティカルインテグレータに入射し、レンズ系に
より被照明物体に重畳せしめており、単に光源からの出
力光束を分離しているにすぎない。すなわち、5重極照
明を用いた投影光学系において、回路パターンの方向性
を考慮して投影解像力を向上せしめるために用いられて
いるにすぎず、照明光の照度の均一性は、微小レンズを
2次元に配置したレンズアレイにより2次光源を形成
し、2次光源像をコンデンサーレンズで照明物体上に重
畳することで確保している。
【0059】また、特開昭63−267900号公報
(以下、従来例4)では、ホログラムヘッドに入射した
光が感光材料上で重畳される引例を開示している。しか
しながら、従来例4では、二光束干渉露光を行う場合
に、互いのビームの交わる角度を変化させながらなおか
つ精密な位置あわせを実現することを目的としており、
ビームを重畳させることにより照度の均一性を向上せし
めることについては何ら開示していない。さらにホログ
ラムヘッドに入射する光に対して、2種類の開口を設
け、これらの干渉稿を得ることを目的としており、本願
発明のように回折光学素子全面に入射する光をすべて重
畳せしめるものではない。
【0060】以上述べたように、回折光学素子を画像表
示装置に適用している従来例1、2にあっては単なる波
長選択性と集光性を有するホログラム、あるいは、液晶
表示素子の出力光束の角度を変えるホログラム素子が開
示されているにすぎない。また、回折光学素子により入
射光を分離する従来例3、4では、分離することで投影
解像力を向上せしめる手法、あるいは位置あわせを改善
する手法が開示されているにすぎない。このように、本
願発明の特徴である、回折光学素子をインテグレータと
して用いることで、画像表示素子に対する照度を均一化
せしめるという技術的思想は、従来例には何ら開示され
ていない新規なものである。
【0061】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも、
画像表示手段と、前記画像表示手段を照明する照明手段
を備え、前記画像表示手段は、該画像表示手段に入射す
る前記照明手段からの照明光を変調し出力することで画
像を表示し、前記照明手段は、少なくとも発光手段と、
前記発光手段の出力光束を集光する第1の集光手段と、
前記第1の集光手段の出力光束の波面を変換する第1の
波面変換手段からなり、前記第1の波面変換手段は、前
記第1の集光手段の出力光束の波面と略等価な第1の光
束と、第2の光束を干渉せしめて形成した第1のホログ
ラム素子であることを特徴とする。
【0062】本発明は、物体光と参照光を干渉せしめて
作成されるホログラム素子であって、前記物体光が略平
行な光束(以下、物体光束と略記する)であり、前記参
照光が発光手段から発せられる第1の光束を集光及び伝
搬せしめる照明手段からの出力光束と略等価な波面を有
する光束(以下、参照光束と略記する)であることを特
徴とする。
【0063】本発明は、複数の微小領域からなる回折光
学素子であって、前記微小領域の出力光束は、前記回折
光学素子の法線方向と所定の角度で交わる平面上で概ね
互いに重なりあう光束であることを特徴とする。
【0064】
【発明の実施の形態】(実施の形態1−1)マイクロカ
ラーフィルタを備えた1枚の画像表示素子を用いてフル
カラー画像を表示する、いわゆる単板方式の画像表示装
置の例を説明する。
【0065】画像表示装置101は、図5に示すよう
に、ランプ102とリフレクタ103とから成る照明光
学部104と、回折光学素子であるホログラム素子10
5と、画像表示素子106と、投射レンズ107とが設
けられて構成されている。
【0066】上記ランプ102としては、例えば定格出
力が400ワットのメタルハライドランプが用いられ
る。このランプ102の発光領域の形状はほぼ円筒状
で、光軸方向の発光領域(アーク)の長さは約4ミリで
ある。なお、ランプ102としては、メタルハライドラ
ンプに限らず、ハロゲンランプや、キセノンランプ、超
高圧水銀ランプ等を使用することもできる。
【0067】上記リフレクタ103は、反射面が放物面
をなすように形成され、ランプ102は、発光領域の中
心軸が放物面の光軸にほぼ一致し、上記放物面の焦点と
発光領域の中心とがほぼ一致するように配置されてい
る。ただし、ランプ102は理想的な点光源ではなく、
発光領域がある程度の大きさを有しているため、反射光
束Pは厳密に平行に進む光束ではない。
【0068】ホログラム素子105は、上記のような反
射光束Pをほぼ正確に平行な平行光束(平面波)Qに変
換して画像表示素子106に入射させるようになってい
る。すなわち、反射光束Pが参照光として入射されるこ
とにより、平行光束Qが物体光として再生出力される。
上記ホログラム素子105は、例えば赤、緑、および青
の波長の3種類のレーザ光を用いて多重露光して形成さ
れるが、詳細については後述する。
【0069】画像表示素子106は、各画素ごとに赤、
緑、または青の光を透過させる領域が形成されたマイク
ロカラーフィルタと、各画素ごとに透過する光の光量を
制御する液晶パネルとを備え、各画素ごとに透過する光
を輝度変調して、輝度変調された光束Rを投射レンズ1
07に入射させるようになっている。
【0070】投射レンズ107は、入射した光束を図示
しないスクリーンに拡大投射するようになっている。
【0071】上記のように、ホログラム素子105によ
って、リフレクタ103からの反射光束Pが平行光束Q
に変換されることにより、ランプ102が高出力で発光
領域が大きい場合でも、理想的な点光源を用いた場合と
同様の光束が得られる。それゆえ、ホログラム素子10
5を用いない場合に比べて、1.2倍の投射効率、すな
わち1.2倍明るい投射画像を得ることができる。
【0072】次に、上記ホログラム素子105、および
その作製方法について詳細に説明する。
【0073】このホログラム素子105は、上記反射光
束Pとほぼ等価な波面を有する参照光としての光束(以
下「実光束」という。)、および上記平行光束Qとほぼ
等価な波面を有する物体光としての光束(以下「理想光
束」という。)とを例えばフォトポリマー等のホログラ
ム材料に照射して2光束干渉縞を形成することにより作
製される。これにより、ホログラム素子105は、リフ
レクタ103からの反射光束Pを参照光として入射させ
ることにより、物体光として上記のようにほぼ正確に平
行な平行光束Qを出射させることができる。
【0074】ここで、光束と波面について簡単に説明す
る。一般に光は正弦的に振動する波動として下記(数
1)で記述することができる。
【数1】
【0075】u = Aexpi(ωt−k・r) 但し、Aは複素振幅、iは虚数単位、ωは角速度、tは
時刻、kは波動ベクトル、rは空間の座標を決める位置
ベクトルである。
【0076】この波動ベクトルと垂直な面を一般に波面
と呼ぶ。
【0077】光束とは複数の光波(波動としての光)が
集まったものであり、等方性の媒質中では波動ベクトル
が光波の進行方向を意味することから、「光束の波面」
を「複数の光波の波面の集合体」と定義する。
【0078】また、例えば「反射光束Pまたは平行光束
Q(実光束または理想光束)とほぼ等価な波面」とは、
「反射光束Pまたは平行光束Qに含まれるあらゆる光波
の波面とおおよそ等しい波面の集合体」と定義する。
【0079】また、例えば「反射光束Pまたは平行光束
Qとほぼ等価な波面を有する光束」とは、「反射光束P
または平行光束Qに含まれるあらゆる光波の波面とおお
よそ等しい波面を有する光波の集合体である光束」と定
義する。
【0080】ホログラム素子105は、図6に示すよう
に、それぞれ、実光束発生手段110または理想光束発
生手段111から出力される可干渉な実光束Sと理想光
束Tとをハーフミラー112を介してホログラム材料1
13に同一方向から照射し、干渉縞を生じさせることに
より、透過型のホログラム素子として形成される。ま
た、図7に示すように、ハーフミラーを112介さず
に、実光束Sと理想光束Tとを直接ホログラム材料11
3に照射するようにしてもよい。さらに、図8に示すよ
うに、ホログラム材料113の両面側から実光束Sと理
想光束Tとを照射することにより、リップマン型のホロ
グラム素子として形成するようにしてもよい。なお、図
6〜図8においては、便宜上、実光束発生手段110
が、ランプ102とリフレクタ103とを有し、理想光
束発生手段111が、点光源111aとリフレクタ11
1bとを有するように描いているが、これは、実光束発
生手段110が、前記ランプ102からリフレクタ10
3を介して出力される反射光束Pとほぼ等価な波面を有
する実光束を出力する一方、理想光束発生手段111
が、前記ほぼ正確に平行な平行光束Qとほぼ等価な波面
を有する理想光束を出力するように構成されていること
を示すものである。
【0081】上記ホログラム材料113としては、例え
ば塩乳剤(漂白タイプ)や、鉄をドーピングしたニオブ
酸リチウムなどのフォトリフラクティブ結晶、重クロム
酸ゼラチン、フォトポリマ等の一般的なホログラム材
料、干渉縞を凹凸の変化として記録するフォトレジスト
(これらは2光束干渉ではなく計算などに基づいて作製
する場合、電子ビーム描画、イオンビームエッチング、
エンボス法等で形成される。)、フォトサーモプラステ
ィック、UVキュアラブル液晶、液晶ポリマーとフォト
レジストの混合物等を用いることもできる。
【0082】上記実光束発生手段110および理想光束
発生手段111は、具体的には、例えばそれぞれ以下の
ような3つの構成のものを用いることができる。まず、
各構成の概要について説明する。
【0083】実光束発生手段110の第1の構成は、画
像表示装置101のランプ102における発光領域と同
様の形状を有し、可干渉な光束を発する模擬発光体を用
い、この模擬発光体からの光束を画像表示装置101の
リフレクタ103と同様のリフレクタで反射させて実光
束Sとするようにしたものである。
【0084】第2の構成は、リフレクタや模擬発光体な
どを用いることなく、上記第1の構成におけるリフレク
タ103から反射される実光束Sとほぼ等価な発散角等
の光束を直接生じさせるようにしたものである。
【0085】第3の構成は、上記第1の構成、または第
2の構成により生じた実光束S(物体光)と、所定の光
束(参照光)とを干渉させてマスターホログラムを作製
し、このマスターホログラムに上記所定の光束と同じ光
束(参照光)を照射して、実光束S(物体光)を再生す
るようにしたものである。
【0086】また、理想光束発生手段111の第1の構
成は、実光束発生手段110の第1の構成と同様に模擬
発光体とリフレクタを用いるものである。ただし、模擬
発光体として、理想的なランプの発光領域の形状、すな
わち点光源を模した、サイズの小さいものを用いるとと
もに、リフレクタとして、精度の高いものを用いること
が好ましい。
【0087】第2の構成は、実光束発生手段110の第
2の構成と同様にリフレクタや模擬発光体などを用いる
ことなく、理想光束Tそのものを直接発生させるように
したものである。
【0088】第3の構成は、やはり実光束発生手段11
0の第3の構成と同様に、上記第1の構成、または第2
の構成により生じた理想光束T(物体光)と、所定の光
束(参照光)とを干渉させて作製したマスターホログラ
ムを用いるものである。
【0089】以下、上記実光束発生手段110および理
想光束発生手段111の各具体的な構成について、詳細
に説明する。
【0090】実光束発生手段110の第1の構成は、図
9に示すように、リフレクタ121の内部に模擬発光体
122が細い針状の支持部材(不図示)に支持されて配
置されたものである。上記リフレクタ121は、画像表
示装置101のリフレクタ103と同様の形状のものが
用いられる。ここで、リフレクタ103,121の形状
は、ホログラム素子105からどのような光束を出力さ
せるかに係らず設定することができる。すなわち、画像
表示装置101において実際にホログラム素子105か
ら出力される光束は、理想光束Tと等価なものとなるの
で、例えばリフレクタ103,121に楕円面鏡を用い
て、ホログラム素子105から点光源と放物面鏡とから
得られるのと等価な平行光束を出力させるようにした
り、リフレクタ103,121に放物面鏡を用いて、ホ
ログラム素子105から楕円面鏡や球面鏡から得られる
のと等価な収束光束を出力させるようにしたりすること
もできる。
【0091】また、上記模擬発光体122の形状および
位置は、画像表示装置101のランプ102における発
光領域と同様に設定されている。具体的には、例えばラ
ンプ102が前記のようにメタルハライドランプである
場合には、円柱状で、その長軸がリフレクタ121の光
軸にほぼ一致するように配置される。また、ランプ10
2がキセノンランプである場合には、ほぼ球状で、その
中心がリフレクタ121の光軸上に位置するように配置
される。また、模擬発光体122は、光の反射性を有す
る材料から成り、リフレクタ121の開口部121aか
ら入射したレーザ光Uをリフレクタ121内で散乱させ
て、実光束Sを生じるようになっている。すなわち、ラ
ンプ102の発光領域と同様の形状で可干渉な光束を発
する発光体を形成することは困難であるが、上記のよう
に模擬発光体122を用いることにより、容易に同様の
光束を発生させて実光束Sを得ることができる。模擬発
光体122の具体的な材料としては、アルミニウムやス
テンレス等の金属材料を用いたり、ガラスやセラミッ
ク、または樹脂材料等の表面に光の反射性を有する金属
薄膜等を形成したものを用いたりすることができる。ま
た、模擬発光体122の表面は、機械的または化学的な
加工などによって若干の散乱性を持たせることが好まし
い。さらに、模擬発光体122の表面に、ランプ102
の発光管(石英等から成る球状などのケーシング)と等
価な石英やガラスなどの被覆を施してもよい。
【0092】なお、レーザ光Uを模擬発光体122の全
表面にわたって照射するためには、レーザ光Uを走査し
たり、リフレクタ121における複数の開口部121a
から同時に、または順次照射したりするようにすればよ
い。また、順次照射する場合には、ホログラム材料11
3を多重露光するようにすればよい。さらに、ランプ1
02における発光領域の内部から発せられる光束につい
ても、正確に波面変換を行い得るようにするためには、
上記模擬発光体122よりも小さな外形を有するいくつ
かの模擬発光体を用いて、ホログラム材料113を多重
露光するようにすればよい。これにより、一層波面変換
効率を向上させることができる。また、模擬発光体12
2で散乱された光束のうち、リフレクタ121で反射さ
れずに直接ホログラム材料113に至る光束も生じる
が、これにより、画像表示装置101の使用時において
ランプ102から直接照射されるような光束も有効に利
用することができるホログラム素子105を形成するこ
とができる。すなわち、ランプ102から直接照射され
る光束は、発散角が大きいために、従来の画像表示装置
ではほとんど画像表示素子106を介して投射レンズ1
07に至らず、有効に利用することができなかったが、
本発明によれば、そのような光束も有効に利用され、一
層投射効率を高くすることができる。また、レーザ光U
は、可視光領域のいずれかの波長のものを用いてもよい
が、3原色に対応する波長のものを順次用いてホログラ
ム材料113を多重露光すれば、より高い効率で波面変
換を行い得るようにすることができる。
【0093】実光束発生手段110の第2の構成は、例
えばリフレクタ103が図10に示すような、下記(数
2)で示される放物線をZ(光軸)軸回りに回転させた
放物面鏡である場合、例えば同図のA点を通り、光束S
1〜S2の範囲の角度で発散する光束を実光束Sとする
ようにしたものである。
【数2】
【0094】z=x2/2p+p/2 ただし、pは正の定数である。
【0095】すなわち、ランプ102の発光領域がメタ
ルハライドランプのように円筒状であって放物面の焦点
F(p,0)を中心として点C(p+Δz,0)と点D
(p−Δz,0)との間に位置する場合、焦点Fから放
物面上の点Aに向けて発せられた光束は、点Aからz軸
に平行な方向(S0)に進み、点C、Dから発せられた
光束は、S0と角度Δθ1またはΔθ2をなす方向に進
む。そこで、例えばx軸を含みz軸に垂直な平面上に平
面状の模擬発光面131を配置するとすると、この模擬
発光面131の表面側から照射されたレーザ光の反射
光、または裏面側から照射されたレーザ光の透過光が、
上記S0、S1、S2などの方向に進むように、模擬発
光面131の表面形状を形成することにより、実光束S
を得ることができる。より具体的には、例えばシート状
の樹脂材料や、金属材料、プラスチック材料、また、こ
れらの表面にフォトレジスト層を形成したものなどに、
電子ビーム露光や、エンボス加工、イオンビームエッチ
ングなどによって鋸刃状、階段状などの凹凸を形成する
ことにより、上記のような模擬発光面131を構成する
ことができ、この模擬発光面131にレーザ光を照射し
て反射または透過させて得られる実光束Sでホログラム
材料113を露光することにより、ホログラム素子10
5を形成することができる。
【0096】実光束発生手段110の第3の構成は、前
述のように、上記第1の構成、または第2の構成により
生じた実光束Sと、所定の光束との2光束干渉縞をホロ
グラム材料に記録してマスターホログラムを作製し、こ
のマスターホログラムに上記所定の光束と同じ光束を照
射して、実光束Sを再生するようにしたものである。こ
のようなマスターホログラムを用いることにより、第1
の構成または第2の構成によって多重露光を行う場合と
同様のホログラム素子105を1回の露光で作製するこ
とができる。なお、マスターホログラムの材料として
は、前記ホログラム素子105のホログラム材料113
について説明したような種々のものを用いることができ
る。
【0097】また、理想光束発生手段111の第1の構
成は、上記実光束発生手段110の第1の構成と同様に
模擬発光体とリフレクタを用いるものであるが、模擬発
光体として前述のように点光源を模したサイズの小さい
ものを用いる点、およびリフレクタとして、実際の画像
表示装置101で用いられるリフレクタ103の形状や
精度に係らず、所望の理想光束が得られる形状および精
度のリフレクタを用いる点が異なる。すなわち、理想光
束として平行光束を得る場合には、放物面鏡を用い、模
擬発光体を放物面の焦点に配置すればよい。また、所定
の1点に集光する光束を得る場合には、楕円面鏡を用
い、模擬発光体を一方の焦点に配置したり、球面鏡を用
いて模擬発光体を球面の中心に配置したりすればよい。
【0098】理想光束発生手段111の第2の構成は、
前述のようにリフレクタや模擬発光体などを用いること
なく、理想光束Tそのものを直接発生させるようにした
もので、例えばレーザ光を屈折光学系により拡大するな
どして、ほぼ平面波とした平行光束や、収束光束、発散
光束などを生じさせるようにしたものである。
【0099】理想光束発生手段111の第3の構成は、
上記第1の構成、または第2の構成により生じた理想光
束Tと、所定の光束との2光束干渉縞をホログラム材料
に記録してマスターホログラムを作製し、このマスター
ホログラムに上記所定の光束と同じ光束を照射して、理
想光束Tを再生するようにしたものである。
【0100】(実施の形態1−2)画像表示装置の他の
例を説明する。なお、以下の説明においては、前記実施
の形態1−1と同様の機能を有する構成要素については
同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0101】ホログラム素子105は、上記のように平
行光束Qを出力するものに限らず、図11に示すよう
に、投射レンズ107の入射瞳に結像される収束光束Q
1を出力するようにしてもよい。このようなホログラム
素子105は、理想光束発生手段111によって、所定
の1点に向けて収束する光束を生じさせることにより作
製することができる。
【0102】上記のような収束光束Q1を出力するホロ
グラム素子105を用いることにより、さらに投射効率
が向上し、ホログラム素子105を用いない場合に比べ
て、1.5倍明るい投射画像を表示させることができ
る。
【0103】(実施の形態1−3)上記のような放物面
鏡のリフレクタ103に代えて、図12に示すように、
球面鏡のリフレクタ141と集光レンズ142とを用い
るようにしてもよい。この場合のホログラム素子105
は、実光束発生手段110によって、集光レンズ142
から出力される光束と同様の光束を生じさせるととも
に、理想光束発生手段111によって平行光束を生じさ
せることにより、作製することができ、実施の形態1−
1と同様の平行光束Q2を出力させることができる。な
お、実施の形態1−2と同様に、理想光束発生手段11
1によって、所定の1点に向けて収束する光束を生じさ
せてホログラム素子105を作製し、投射レンズ107
の入射瞳に結像される収束光束が出力されるようにして
もよい。
【0104】(実施の形態1−4)さらに、図13に示
すように、楕円面鏡のリフレクタ143を用いるように
してもよい。この場合には、ランプ102を楕円面の一
方の焦点付近に配置することにより、リフレクタ143
からの反射光は他方の焦点付近に集光する光束となる。
ただし、ランプ102の発光領域がある程度の大きさを
有するために、リフレクタ143からの反射光は、正確
には他方の焦点に集光しないが、このような光束であっ
ても、理想光束発生手段111により所定の1点に向け
て収束する光束を生じさせて作製されたホログラム素子
105を用いることにより、実施の形態1−2と同様に
投射レンズ107の入射瞳に結像される収束光束Q3を
得ることができる。なお、上記のように楕円面鏡のリフ
レクタ143を用いる場合での、理想光束発生手段11
1によって平行光束を生じさせて作製されたホログラム
素子を用いて、実施の形態1−1と同様の平行光束を出
力させるようにしてもよい。
【0105】(実施の形態1−5)光源光を赤、緑、青
の3原色の光に色分解し、それぞれの色の光に対応した
3枚の透過型の画像表示素子を用いてフルカラー画像を
表示する、いわゆる3板方式の画像表示装置の例を説明
する。
【0106】画像表示装置151には、図14に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にランプ102とリフレ
クタ103とから成る照明光学部104と、ホログラム
素子105とが設けられ、ホログラム素子105から平
行光束Qが出力されるようになっている。この平行光束
Qは、ダイクロイックミラー152,153によって
赤、緑、青の3原色の光束に分離され、全反射ミラー1
54、およびコンデンサレンズ155を介して、赤、
緑、青の画素に対応する液晶パネル156〜158に入
射して輝度変調された後、全反射ミラー159、および
ダイクロイックミラー160,161により構成される
色合成系によって合成され、投射レンズ107によって
図示しないスクリーンに拡大投射されるようになってい
る。
【0107】上記のような3板方式の画像表示装置15
1においては、単板方式に比べて光路長が長くなる。こ
のため、従来の画像表示装置においては、光束の発散に
よるロスが大きくなりがちであるが、上記のようにホロ
グラム素子105を用いることによってほぼ完全な平行
光束Qが得られるため、明るい投射画像を表示させるこ
とができる。
【0108】(実施の形態1−6)反射型の画像表示素
子を用いた3板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0109】画像表示装置171には、図15に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にランプ102とリフレ
クタ103とから成る照明光学部104と、ホログラム
素子105とが設けられ、ホログラム素子105から平
行光束Qが出力されるようになっている。この平行光束
Qは、全反射ミラー172を介してPBS(偏光ビーム
スプリッタ)173に入射し、ランダムな偏光の光束が
ほぼ直線偏光の光束に変換されるようになっている。ほ
ぼ直線偏光に変換された光束は、レンズ174を介して
ダイクロイックミラー175,176によって3原色の
光束に分離され、反射型液晶表示素子177〜179に
入射して輝度変調された後、上記ダイクロイックミラー
175,176によって合成され、投射レンズ107に
よって図示しないスクリーンに拡大投射されるようにな
っている。なお、PBSを3個用いるようにしてもよ
い。
【0110】上記のような反射型の3板方式の画像表示
装置171においても、やはり単板方式に比べて光路長
が長くなるが、従来の画像表示装置では投射効率が例え
ば1ルーメン/ワットと低いのに対して、上記ホログラ
ム素子105を用いた画像表示装置171では、1.8
ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることができる。
【0111】(実施の形態1−7)ホログラム素子とと
もに、さらにインテグレータが設けられた画像表示装置
の例を説明する。
【0112】画像表示装置181には、図16に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にホログラム素子105
が設けられるとともに、ホログラム素子105と画像表
示素子106との間に、第1の蠅の目レンズ182およ
び第2の蠅の目レンズ183から成るインテグレータ1
84が設けられている。
【0113】上記第1の蠅の目レンズ182および第2
の蠅の目レンズ183は、それぞれ微小なレンズ群が形
成されている。すなわち、第1の蠅の目レンズ182の
各微小レンズは、それぞれ第2の蠅の目レンズ183に
おける対応する微小レンズ上に発光領域(発光体)の像
を結像させるようになっている。また、第2の蠅の目レ
ンズ183の各微小レンズは、それぞれ第1の蠅の目レ
ンズ182の各微小レンズの像を画像表示素子106上
の全面に重ね合わせて結像させるようになっている。こ
れにより、照明光学部104から出力される光束が複数
に分割され、それぞれ画像表示素子106上で重ね合わ
されることにより、表示画像における中央部と周辺部と
などでの光量むらの低減が図られる。
【0114】また、ホログラム素子105は、実光束発
生手段110によって照明光学部104から出力される
反射光束Pとほぼ等価な波面を有する光束を生じさせる
とともに、理想光束発生手段111によって平行光束を
生じさせることにより作製されている。
【0115】ここで、実際に作製されるホログラム素子
105には、色収差や倍率収差が発生することがあると
ともに、ホログラム素子105から出力される平行光束
Qは、完全に理想的な平行光束であるとは限らず、必ず
しも変換効率は100%ではない。すなわち、照明光学
部104から出力される反射光束Pの大部分は理想的な
平行光束に変換されるが、一部の光束は、そのまま平行
光束Q中に含まれたりすることがある。そこで、上記の
ようにホログラム素子105を有しない従来の画像表示
装置に用いられるものと同様のインテグレータ184等
と組み合わせることによって、ホログラム素子105に
より平行光束に変換されなかった光束なども有効に利用
されるようになり、ホログラム素子105の収差や波面
変換ロスを補償することができる。
【0116】それゆえ、ホログラム素子105を設ける
ことなく、インテグレータ184だけを設けた従来の画
像表示装置場合に比べて、1.4倍の高い投射効率を得
ることができる。また、周辺光量比(全白信号による表
示をした場合の画面中央部の明るさと周辺部分の明るさ
との比)は、従来と同等の70%以上の高い値を得るこ
とができる。
【0117】(実施の形態1−8)画像表示素子とし
て、例えば米国特許第5096279号に開示されてい
るような反射型偏向素子が用いられる例を説明する。
【0118】画像表示装置191には、図17に示すよ
うに、ランプ102とリフレクタ103とから成る照明
光学部104と、実施の形態1−7と同様のインテグレ
ータ184と、反射型偏向素子である画像表示素子19
2と、投射レンズ107とが設けられている。また、イ
ンテグレータ184の第1の蠅の目レンズ182と第2
の蠅の目レンズ183との間にホログラム素子105が
設けられる一方、インテグレータ184と画像表示素子
192との間には、インテグレータ184から出力され
る光束を平行光束にするレンズ193が設けられてい
る。
【0119】上記ランプ102としては、400ワット
のメタルハライドランプが用いられ、リフレクタ103
には放物面鏡が用いられている。ランプ102の発光領
域の形状はほぼ円筒状で、光軸方向の発光領域(アー
ク)の長さは約4ミリである。このランプ102は、発
光領域がリフレクタ103の焦点付近に位置し、発光領
域の中心軸がリフレクタ103の光軸にほぼ一致するよ
うに配置されている。
【0120】ホログラム素子105は、実光束発生手段
110によって照明光学部104から出力され、第1の
蠅の目レンズ182を介した光束とほぼ等価な波面を有
する光束を生じさせるとともに、理想光束発生手段11
1によって平行光束が第1の蠅の目レンズ182を介し
た光束、またはこれと等価な光束を生じさせることによ
り作製されている。
【0121】レンズ193は、第2の蠅の目レンズ18
3の各微小レンズによってレンズ193の入射面に重ね
合わされた光束を平行光束にして画像表示素子192に
入射させるようになっている。
【0122】画像表示素子192は、画素ごとに入射光
の反射角を変化させ、投射レンズ107に入射する光量
を変化させることにより表示を行うようになっている。
【0123】上記のように構成されることにより、第1
の蠅の目レンズ182から出力された光束が、ホログラ
ム素子105によって、正確に第2の蠅の目レンズ18
3の各微小レンズ(有効領域)に入射する光束に変換さ
れる。すなわち、ホログラム素子105が設けられてい
ない場合には、ランプ102の発光領域がある程度の大
きさを有していることに起因して、第2の蠅の目レンズ
183の各微小レンズに入射しない光束が生じがちであ
るのに対し、ホログラム素子105が設けられているこ
とにより、正確な平行光束(平面波)が第1の蠅の目レ
ンズ182を介した場合とほぼ等価な波面を有する光束
に変換され、確実に第2の蠅の目レンズ183の各微小
レンズに入射する。すなわち、ランプ102から発せら
れるほとんど全ての光束を第2の蠅の目レンズ183の
有効領域に入射させることができ、光量ロスを低減して
光利用効率を向上させることができる。具体的には、例
えば画像表示素子としてマイクロカラーフィルタを有し
ないモノクローム画像の表示用のものを用いる場合、従
来の構成では投射効率が4ルーメン/ワットであったの
に対し、上記のようにホログラム素子105を用いる場
合には8ルーメン/ワットの投射効率を得ることができ
る。
【0124】(実施の形態1−8)前記実施の形態1−
7の構成に、さらに偏光変換素子202が設けられた画
像表示装置の例を説明する。
【0125】この画像表示装置には、図18に示すよう
に、インテグレータ184を構成する第2の蠅の目レン
ズと液晶表示素子106との間に、偏光変換素子202
と集光レンズ203とが設けられている。なお、画像表
示素子106としては例えば透過型液晶パネルが用いら
れ、ランプ102として100Wの超高圧水銀ランプ、
リフレクタ103として放物面鏡が用いられている。
【0126】上記偏光変換素子202は、例えば図19
に示すように、1対の三角柱状プリズムが接合された複
数の角柱体204がさらに平板状に接合されるととも
に、1つおきの角柱体204ごとに偏波面回転手段20
5が設けられて構成されている。上記3角柱状プリズム
の接合面には偏光分離膜206が形成されている。この
偏光分離膜206は、例えば誘電体の多層膜により構成
され、入射した無偏光光の例えばP偏光光(偏光方向が
同図の紙面に平行な偏光)を透過させ、S偏光光(偏光
方向が同図の紙面に垂直な偏光)を反射させるようにな
っている。また、偏波面回転手段205は、入射した光
束の偏波面をほぼ90°回転させる機能を有し、一般的
には位相差が入射波長のほぼ半分の光学的異方性を有す
る光学材料で構成される。
【0127】上記偏光変換素子202は、偏波面回転手
段205が設けられていない角柱体204がそれぞれイ
ンテグレータ184の第2の蠅の目レンズ183を構成
する各レンズに対応するように配置され、第1の蠅の目
レンズ49により各第2の蠅の目レンズに集光された光
束が上記第2の蠅の目レンズに対応した角柱体204に
入射するようになっている。上記角柱体204に入射し
た光束は、P偏光光だけが偏光分離膜206を透過して
出射される一方、S偏光光は偏光分離膜206によって
反射され、隣接する角柱体204の偏光分離膜206で
反射後、偏波面回転手段205によりP偏光光に変換さ
れて出力されるようになっている。すなわち、偏光変換
素子202からは、ランプ102からの無偏光光がP偏
光光に揃えられた光束が出射される。
【0128】ここで、第1の蠅の目レンズ182は、入
射した光束を第2の蠅の目レンズ183を介して上記偏
波面回転手段205が設けられていない角柱体204に
集光させる必要があるが、ホログラム素子105が設け
られていることにより、ランプ102の発光領域が大き
いなどの場合でも、第1の蠅の目レンズ182により確
実に上記のように集光させることができるため、偏光変
換素子202による投射効率向上効果を一層大きくして
明るい画像を表示させることができる。
【0129】すなわち、従来の画像表示装置では、例え
ばランプ102として出力が100ワットで発光領域が
1.45ミリの球状とかなり小さいものを用いても、偏
光変換素子202を設けない場合に比べて1.5倍程度
に明るくなる程度に過ぎず、発光領域が数ミリと大きい
ような高出力ランプを用いる場合には偏光変換素子20
2の有無による投射効率の増大程度はさらに小さくな
り、せいぜい1.2倍程度明るくなる程度であった。こ
れに対して、上記のようにホログラム素子105が設け
られていることにより、前記のようにホログラム素子1
05を通過した光束の波面がほぼ平面波となるため、大
部分の光束を第2の蠅の目レンズ183を介して所定の
角柱体204だけに入射させることができるので、偏光
変換素子202が設けられていない場合に比べて、例え
ば1.8倍明るくすることが可能となった。しかも、発
光領域が大きい例えば400ワットのメタルハライドラ
ンプや2キロワットのキセノンランプなどを用いても、
ホログラム素子105から出力される光束の波面は点光
源を用いた場合の光束の波面とほぼ等しいため、偏光変
換素子202を設けることによる投射効率の大幅な向上
効果を得ることができる。具体的には、上記キセノンラ
ンプを用いた場合でも投射効率を5ルーメン/ワットと
高くすることが可能となり、1万ルーメンの高光出力の
画像表示装置を構成することができた。
【0130】同様の効果は、種々の偏光変換素子を用い
たり、他の位置に偏光変換素子を配置したりした場合で
も得ることができる。例えば偏光変換素子202を第1
の蠅の目レンズ102のランプ102側に配置する特開
平8−234205号公報や、特開平6−202094
号公報の図4(B)等に開示された偏光変換素子を用い
る場合にも同様の効果を得ることができる。
【0131】(実施の形態2−1)インテグレータから
出力される光束を平行光束に変換する反射型のホログラ
ム素子が設けられた画像表示装置の例を説明する。
【0132】画像表示装置211には、図20に示すよ
うに、実施の形態1−1等と同様にランプ102、およ
びリフレクタ103から成る照明光学部104と、第1
の蠅の目レンズ212、第2の蠅の目レンズ213、お
よび折り返しミラー214から成るインテグレータ21
5とが設けられている。上記インテグレータ215は、
実施の形態1−7のインテグレータ184と同様の機能
を有し、投写画像の明るさの均一性が確保されるように
なっている。インテグレータ215から出力された光束
は、ダイクロイックミラー152,153によって3原
色の光束に分離され、後に詳述する反射型のホログラム
素子216〜218を介して、赤、緑、青の画素に対応
する液晶パネル219〜221に入射して輝度変調され
た後、ダイクロイックミラー160,161により色合
成され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射されるようになっている。
【0133】上記画像表示素子219〜221は、各画
素に対応して微小なレンズが形成されたマイクロレンズ
と、各画素ごとに透過する光の光量を制御する液晶パネ
ルとを備え、マイクロレンズに入射した光を液晶パネル
の有効領域に集光させるようになっている。
【0134】ホログラム素子216〜218は、インテ
グレータ215からダイクロイックミラー152,15
3を介して入射した光束を平行光束に変換し、画像表示
素子219〜221に出力するようになっている。それ
ゆえ、マイクロレンズに入射した光束は確実に液晶パネ
ルの有効領域に集光され、上記入射したほとんど全ての
光が利用されるので、実質的な開口率を大幅に増大させ
て投射効率および投写画像の明るさの均一性を向上させ
ることができる。
【0135】具体的には、例えば対角寸法が1.3イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約5
6%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は5ルーメン/ワット
であり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効率は
6ルーメン/ワットであったのに対し、上記のようにさ
らにホログラム素子216〜218を設けることによ
り、8ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることがで
きた。これは、実質的な開口率が56%から約90%に
向上したことに相当する。また、同じ大きさで画素数の
多い液晶パネル、例えば1280×1024画素、また
はそれ以上の画素(例えば1920×1080画素)の
ものを用いても、投写効率はほとんど変わらなかった。
さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回転手段と
を有する偏光変換素子を設けることによって、12ルー
メン/ワットという極めて高い投写効率を実現すること
が可能となった。
【0136】上記のようなホログラム素子216〜21
8は、前記実施の形態1−1のホログラム素子105と
同様にして作製することができる。すなわち、参照光と
しての、実際の画像表示装置211においてホログラム
素子216〜218に入射する光束と等価な波面を有す
る光束と、物体光としての、画像表示素子219〜22
1に入射させようとする平行光束と等価な波面を有する
光束との2光束干渉縞を、フォトポリマー等のホログラ
ム材料に記録することにより作製される。
【0137】具体的には、例えば緑色用のホログラム素
子217を作製する場合、図21に示すように、インテ
グレータ215、ダイクロイックミラー152,15
3、およびホログラム材料217’を実際の画像表示装
置211と同様の光路が形成されるように配置し、レー
ザ231から出力されるレーザ光をビームビームイクス
パンダ232によってビーム幅を広げた後、ビームスプ
リッタ233によって2つの光束V,Wに分離し、光束
Vを折り返しミラー234を介してインテグレータ21
5に入射させる一方、光束Wを直接ホログラム材料21
7’に入射させる。ここで、レーザ光の波長は、実際の
画像表示装置211でホログラム素子に入射する各3原
色の波長帯域に含まれるもの(この場合は緑色)である
ことが望ましく、この場合には、ホログラム素子の回折
効率に対する波長分散の影響を最小限に抑え、ホログラ
ム素子の回折効率を高くすることができる。これによ
り、実際にホログラム素子217が配置される位置で入
射される光束の波面と等価な波面を有する光束と平面波
との2光束干渉縞が形成され、画像表示装置211のダ
イクロイックミラー153による色分離後の光束が入射
したときに、平行光束に変換して画像表示素子220に
出力するホログラム素子217が得られる。
【0138】なお、実際の画像表示装置に集光レンズや
リレーレンズ、偏向変換素子などが設けられる場合に
は、これらの要素も光束Vの光路中に配置すればよい。
【0139】また、上記のほか、前記実施の形態1−1
で説明したような種々の構成によってホログラム素子2
16〜218を作製することができる。
【0140】以上述べたように、本発明の画像表示装置
は、色分離後の照明光束を本発明に係るホログラム素子
216〜218を介して画像表示素子に入力せしめるこ
とによって、投写効率を改善することに特徴を有するも
ので、画像表示素子の光変調材料の種類、光変調方式、
及び駆動素子を形成する材料、駆動方式のいずれを問わ
ず図1に示した構成の画像表示装置と同様の効果を得る
ことができる。
【0141】また、光学系の構成も上記構成に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に則り様々な変形が可能
である。
【0142】(実施の形態2−2)輝度変調された各色
の光束の合成にダイクロイックプリズムが用いられる例
を説明する。
【0143】この画像表示装置231は、図22に示す
ように、実施の形態2−1の画像表示装置211に比べ
て、ダイクロイックミラー160,161に代えてダイ
クロイックプリズム235が設けられている点、および
折り返しミラー232〜234により光路が異なるよう
に構成されている点が異なる。
【0144】すなわち、ランプ102からインテグレー
タ215を介してダイクロイックミラー152に白色の
光束が入射すると、入射光束のうち、赤色成分の光束は
反射され、緑色、青色の光束は透過する。赤色光束は折
り返しミラー233,234を介して、反射型のホログ
ラム素子216へ入射し、略平行光束に変換された後、
表示画像の赤色成分を表示する画像表示素子(液晶パネ
ル)219に入射して輝度変調される。また、前記ダイ
クロイックミラー152を透過した緑色光束および青色
光束は、折り返しミラー232を介してダイクロイック
ミラー153に入射し、緑色光束が反射され、青色光束
のみ透過する。上記緑色光束、および青色光束は、それ
ぞれ反射型のホログラム素子217,218によって反
射される際に、略平行な光束に変換され、表示画像の各
色成分を表示する画像表示素子(液晶パネル)220,
221に入射して輝度変調される。輝度変調された各色
の光束は、ダイクロイックプリズム235によって色合
成され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射される。
【0145】上記のような画像表示装置231において
も、実施の形態2−1と同様に、ランプ102からの出
力光束が、インテグレータ215等を介して伝搬される
平行ではない光束が、ホログラム素子216〜218に
よって略平行な光束に変換された後、画像表示素子21
9〜221に入射し、マイクロレンズによって液晶パネ
ルにおける各画素の開口部にのみ光を入射させることが
可能となるため、実効的な開口率を極めて高くすること
が可能となる。
【0146】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約4
0%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は3.6ルーメン/ワ
ットであり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効
率は4.3ルーメン/ワットであったのに対し、上記の
ようにさらにホログラム素子216〜218を設けるこ
とにより、8ルーメン/ワットと高い投射効率を得るこ
とができた。これは、実質的な開口率が40%から約9
0%に向上したことに相当する。また、同じ大きさで画
素数の多い液晶パネル、例えば1280×1024画
素、またはそれ以上の画素(例えば1920×1080
画素)のものを用いても、投写効率はほとんど変わらな
かった。さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回
転手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、
12ルーメン/ワットという極めて高い投写効率を実現
することが可能となった。
【0147】(実施の形態2−3)反射型のホログラム
素子によって反射されずに透過した光束も有効に利用し
得る画像表示装置の例を説明する。
【0148】画像表示装置241は、図23に示すよう
に、実施の形態2−2の画像表示装置231に比べて、
主として、ホログラム素子216〜218の裏面側に全
反射ミラー242,243またはダイクロイックミラー
245が設けられている点が異なる。
【0149】すなわち、ランプ102からインテグレー
タ215を介してダイクロイックミラー244に白色の
光束が入射すると、入射光束のうち、青色成分の光束は
透過し、他の波長帯域の光束(赤色成分および緑色成分
すなわち黄色の光束)は反射される。
【0150】青色光束は主に青色用ホログラム素子21
8により反射されるとともに平行光束に変換された後、
青色用の画像表示素子(液晶パネル)221に入射して
輝度変調される。また、ホログラム素子218によって
反射されずに透過した青色光束は、全反射ミラー243
によって反射され、再度青色用のホログラム素子218
を透過して、やはり画像表示素子221に入射する。す
なわちホログラム素子218を透過した光束も有効に利
用される。
【0151】また、ダイクロイックミラー244で反射
された黄色光束のうちの緑色光束は、緑色用のホログラ
ム素子217により反射されるとともに平行光束に変換
された後、緑色用の画像表示素子220に入射して輝度
変調される。また、ホログラム素子217によって反射
されずに透過した緑色光束は、ダイクロイックミラー2
45によって反射され、再度緑色用のホログラム素子2
17を透過して、やはり画像表示素子220に入射す
る。
【0152】さらに、ダイクロイックミラー245を透
過した赤色光束は、光路長補償用のリレーレンズ24
6,248および全反射ミラー247を介して赤色用の
ホログラム素子216に入射し、主に反射されるととも
に平行光束に変換された後、赤色用の画像表示素子21
9に入射して輝度変調される。また、ホログラム素子2
16によって反射されずに透過した赤色光束は、全反射
ミラー242によって反射され、再度赤色用のホログラ
ム素子216を透過して、やはり画像表示素子219に
入射する。
【0153】上記輝度変調された各色の光束は、ダイク
ロイックプリズム235によって色合成され、投射レン
ズ107によって図示しないスクリーンに拡大投射され
る。
【0154】上記のように、ホログラム素子216〜2
18の裏面側に全反射ミラー242,243またはダイ
クロイックミラー245が設けられることにより、各ホ
ログラム素子216〜218によって平行光束として反
射されずに各ホログラム素子216〜218を透過した
光束も、大部分の光束を画像表示素子219〜221に
入射させることができる。このような光束は、平行光束
には変換されないが、画像の投射に利用されるので、単
にホログラム素子216〜218だけを用いる場合に比
べて一層高い投射効率を得ることができる。
【0155】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約4
0%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は3.6ルーメン/ワ
ットであり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効
率は4.3ルーメン/ワットであったのに対し、上記の
ようにさらにホログラム素子216〜218を設けるこ
とにより、10ルーメン/ワットと高い投射効率を得る
ことができた。これは、実質的な開口率が40%から約
90%に向上したことに相当する。また、同じ大きさで
画素数の多い液晶パネル、例えば1280×1024画
素、またはそれ以上の画素(例えば1920×1080
画素)のものを用いても、投写効率はほとんど変わらな
かった。さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回
転手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、
12ルーメン/ワットという極めて高い投写効率を実現
することが可能となった。
【0156】なお、ホログラム素子217の裏面側に設
けるミラーとしては、赤色光束を透過させる必要がある
ので、上記のように緑色反射、かつ赤色透過型のダイク
ロイックミラーを用いる必要があるのに対し、ホログラ
ム素子216,218の裏面側に設けるミラーとして
は、上記のように全反射ミラー(通常はアルミニウム薄
膜をガラス基板上に成膜し、場合によっては増反射コー
トを施したもの)を用いてもよいし、赤色光束または青
色光束を反射するダイクロイックミラーを用いてもよ
い。
【0157】また、上記のようにホログラム素子の裏面
側に反射ミラーを設ける構成は、前記実施の形態2−1
や実施の形態2−2、また、以下の画像表示装置などに
適用してもよく、やはり、投射効率をさらに高くするこ
とができる。
【0158】(実施の形態2−4)画像表示素子とし
て、反射型で偏光変調型の液晶表示パネルを用いるとと
もに、白色光束の色分離にもダイクロイックプリズムを
用いた画像表示装置の例を説明する。
【0159】本実施の形態の画像表示装置259では、
図24に示すように、実施の形態2−1〜2−3で説明
した画像表示装置と同様に、ランプ102からの出力光
束をリフレクタ103で反射し、反射後の出力光束を第
1の蠅の目レンズ212および第2の蠅の目レンズ21
3を介して画像表示素子260〜262へ伝搬させるよ
うになっている。
【0160】第2の蠅の目レンズ213と画像表示素子
260〜262の間には、色分離のためのダイクロイッ
クプリズム263、ホログラム素子264〜266およ
びPBS(偏光ビームスプリッタ)267〜269が設
けられている。すなわち、ランプ102からの白色の出
力光束は、ダイクロイックプリズム263によって、
赤、緑、青の3原色の光束に色分離され、色分離された
各光束は、対応するホログラム素子264〜266によ
って所望の光束に変換され、PBS267〜269によ
って所定の偏波面を有する直線偏光光が反射型の画像表
示素子260〜262へ入射して、偏光方向が変調され
るようになっている。
【0161】画像表示素子260〜262で偏光方向が
変調された各原色の光束は、再度PBS267〜269
を介して可視化され、投写レンズ107によりスクリー
ン(不図示)上に拡大投写される。
【0162】上記ホログラム素子264〜266は、実
施の形態2−1と同様に、基本的に参照光束と物体光束
との2光束干渉稿を例えばフォトポリマー等の一般的な
ホログラム材料に記録して作製することができる。ここ
で、ホログラム素子264〜266は、入射光束が変換
されて出力される光束が実施の形態2−1〜2−3と同
様に略平行光束になるようにしてもよいし、またはPB
Sの偏光分離特性が大幅に低下しない程度の入射角の小
さな収束光束になるようにしてもよい。これによって、
以下に示す理由により、装置の小型化を図りつつ、高投
写効率と高コントラストの両立を実現することができ
る。
【0163】一般に、ランプ、リフレクタ、集光レン
ズ、リレーレンズ、インテグレータ、偏光変換素子等に
よって構成される照明光学系のF値と、投写レンズのF
値とは概ね一致するように設定されるが、このF値が小
さいほど投写効率が高くなる一方、液晶パネルおよびP
BSに入射する光束の最大?入射角が大きくなる。ここ
で、PBSは、一般にガラス基板に誘電体多層膜を形成
して、入射光がP偏光光とS偏光光とに分離されるよう
に構成されるが、その偏光分離特性は入射光の入射角に
依存し、設計時の基準入射角からずれるに従って偏光分
離特性が低下する。それゆえ、上記のように反射型の液
晶パネルを用いた画像表示装置では、上記F値が小さい
とコントラストの低下を招きがちになる。そこで、コン
トラストを改善するために、照明光学系のリレーレンズ
によって上記入射角が小さくなるようにする場合には、
いわゆる幾何光学における輝度不変の原理によって、照
明面積が大きくなるため、画面サイズの大きな液晶パネ
ル等を用いる必要があり、装置の大型化を招くことにな
る。これに対して、本実施の形態のようにホログラム素
子を用いることによって、PBSの偏光分離特性が大幅
に低下しないように入射角が小さくなるようにしても、
照明面積が小さくなるようにすることができる。それゆ
え、画面サイズの小さな液晶パネルを用いて装置の小型
化を図りつつ、投写効率が高く、かつコントラストの低
下しない画像表示装置を構成することができる。
【0164】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約7
5%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、ホログラム素子264〜266を用いない
画像表示装置では、コントラストを確保するために投射
レンズ107および照明光学系のF値を4とすると、投
射効率は約2ルーメン/ワットで、コントラストは20
0:1であり、F値を3にすると、4ルーメン/ワット
と明るくできるが、コントラストは100:1に低下し
た。これに対し、上記のようにホログラム素子216〜
218を設けることにより、F値を5と大きくしても約
4.3ルーメン/ワットの投写効率を実現でき、かつF
値が大きい(PBSに対する入射角が小さい)ためコン
トラストを800:1に向上させることができた。
【0165】なお、上記画像表示素子260〜262と
しては、液晶パネルに限らず、入射した直線偏光光をそ
の偏光方向を変調後反射して出力する偏光変調型で反射
型の画像表示素子であればよく、光変調材料や、光変調
の方式、画素の駆動方式などに制約はない。
【0166】また、本実施の形態で構成した画像表示装
置は、PBSを3個使用する3PBS方式であるが、P
BSを1個使用する1PBS方式も構成できる。
【0167】また、投写画像のコントラストを向上させ
るためにPBSと本発明のホログラム素子との間に前置
偏光子(PPBS)を設置してもよい。
【0168】(実施の形態2−5)光軸に対して互いに
異なる角度で配置されたダイクロイックミラーと、マイ
クロレンズアレイ等が形成された画像表示素子とを有す
る単板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0169】この画像表示装置280には、図25に示
すように、2枚のダイクロイックミラー281,282
と、1枚の全反射ミラー283と、各ダイクロイックミ
ラー281,282または全反射ミラー283の表面側
に設けられたホログラム素子284〜286とを有する
色分離手段287、および入射した光束の光路を入射角
に応じて異ならせる光路変換手と液晶パネルとを有する
画像表示素子288が設けられている。この画像表示装
置280の基本的な構成および動作は、「日経エレクト
ロニクス」1995年1月30日号169頁173頁
や、特開平8−292506号公報、または特開平9−
105899号公報の図14等に記載されているものと
同様で、上記ホログラム素子285〜287を備えてい
る点が異なる。
【0170】すなわち、ダイクロイックミラー281,
282および全反射ミラー283は、それぞれ光軸に対
して互いに異なる角度で配置されて、ランプ102から
の白色の出力光束が赤、緑、青の3原色の光束に色分離
され、色分離された各光束は、互いに異なる入射角で画
像表示素子288の光路変換手段に入射するようになっ
ている。ただし、この画像表示装置280では、ホログ
ラム素子284〜286を透過した光束だけが上記のよ
うにダイクロイックミラー281等によって反射される
ようになっているが、この点に関しては後述する。ま
た、光路変換手段としては、例えばマイクロレンズアレ
イや、ホログラムレンズアレイ、シリンドリカルレンズ
等が用いられ、入射した光束をその入射角に応じて、そ
れぞれ液晶パネルにおける互いに異なる色に対応した画
素に入射させるようになっている。
【0171】上記のような構成により、ランプ102か
らリフレクタ104およびインテグレータ215を介し
て色分離手段287に白色の光束が入射すると、入射光
束のうち、青色成分の光束は、青色用のホログラム素子
284により反射されるとともに平行光束に変換された
後、画像表示素子288に入射する。ホログラム素子2
84によって反射されずに透過した青色光束は、青色光
束反射用のダイクロイックミsラー281によって反射
され、再度青色用のホログラム素子284を透過して、
やはり画像表示素子288に入射する。
【0172】同様に、緑色成分の光束は、青色用のホロ
グラム素子284および青色光束反射用のダイクロイッ
クミラー281を透過した後、緑色用のホログラム素子
285により反射されるとともに平行光束に変換されて
画像表示素子288に入射し、ホログラム素子285を
透過した緑色光束は、緑色光束反射用のダイクロイック
ミラー282によって反射され、やはり画像表示素子2
88に入射する。
【0173】また、赤色成分の光束も、青色用および緑
色用のホログラム素子284,285と、青色光束反射
用および緑色光束反射用のダイクロイックミラー28
1,282を透過した後、赤色用のホログラム素子28
6により反射されるとともに平行光束に変換されて画像
表示素子288に入射し、ホログラム素子286を透過
した赤色光束は、全反射ミラー283によって反射さ
れ、やはり画像表示素子288に入射する。
【0174】画像表示素子288の光路変換手段に入射
した各色の光束は、それぞれの入射角に応じて、液晶パ
ネルにおける互いに異なる色に対応した画素に入射して
輝度変調され、投射レンズ107によって図示しないス
クリーンに拡大投射される。ここで、ホログラム素子2
84〜286によって反射された各色の光束は、上記の
ように平行光束に変換されているため、それぞれ液晶パ
ネルにおける各色に対応した画素の有効領域に確実に集
光される。それゆえ、実効的な開口率を極めて高くする
ことができるとともに、各原色の光束の一部が、他の原
色に対応する画素に入射することによる、いわゆるクロ
ストークを最小限に抑制することが可能となる。したが
って、光学系の構成が簡略で、低コストであるという単
板式の特徴を活かしつつ、混色のない鮮明な画像を表示
させることができ、しかも、投射効率および投写画像の
明るさの均一性を向上させることができる。
【0175】具体的には、例えば対角寸法が1.3イン
チで640×480×3の画素が形成された開口率が約
40%の液晶パネル288と、100Wの超高圧水銀ラ
ンプとを用いた場合、ホログラム素子284〜286を
用いない場合の投射効率は高々1.5ルーメン/ワット
であったのに対し、上記のようにホログラム素子284
〜286を設けることにより、単板式でありながら、4
ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることができた。
また、さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回転
手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、8
ルーメン/ワットという極めて高い投写効率を実現する
ことが可能となった。
【0176】(実施の形態3−1)第1の蠅の目レンズ
と第2の蠅の目レンズを有するインテグレータに代え
て、回折光学素子が設けられた画像表示装置の例を説明
する。
【0177】この画像表示装置は、図26に示すよう
に、ランプ102、リフレクタ103、回折光学素子3
01、非球面の補助レンズ302、画像表示素子30
3、および投射レンズ107が設けられて構成されてい
る。すなわち、上記ランプ102から発せられた光束
は、リフレクタ103で反射されて回折光学素子301
に入射し、後述する回折光学素子301の回折領域30
1aごとに回折した光束が補助レンズ302を介して画
像表示素子303の画像表示領域上に重畳されて輝度変
調され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射されるようになっている。
【0178】ランプ102としては、例えば定格出力が
120ワットの超高圧水銀ランプが用いられる。なお、
上記のランプに限らず、実施の形態1−1で説明したよ
うな種々のものを用いることもできる。ここで、ランプ
102の発光領域は小さい方がより好ましいが、発光領
域が比較的大きい場合でも、本発明の相対的な効果は得
られるので、例えば高出力キセノンランプや、高出力メ
タルハライドランプのように発光体が数ミリ程度と大き
いランプを用いてもよい。
【0179】リフレクタ103としては、例えば放物面
鏡が用いられるが、楕円面鏡や球面鏡などを用いてもよ
い。ランプ102が設けられる位置は、放物面鏡の場合
には、その焦点近傍にランプ102の発光領域が位置す
るように設定することが好ましく、楕円面鏡の場合には
第1焦点近傍に、球面鏡の場合には球の中心近傍に位置
するように設定することが好ましい。
【0180】補助レンズ302は、画像表示素子303
への入射光束のテレセントリック性を確保し、投写レン
ズの設計上の負担を小さくするため、すなわちF値等の
制約を緩和するために設けられるもので、投写レンズの
F値に設計上の余裕があれば必ずしも設けなくてもよ
い。
【0181】回折光学素子301は、図27に示すよう
に、光軸方向から見たときの外形が、リフレクタ103
から入射する光束の断面形状に対応した円形で、その内
部領域は、画像表示素子303の画像表示領域と相似な
矩形形状の複数の回折領域301a…に区分けされてい
る。この回折領域301aは、それぞれ、前記のように
入射した光束を回折させて、画像表示素子303の画像
表示領域のほぼ全面にわたって入射させるようになって
いる。すなわち、各回折領域301aから出力された光
束が画像表示素子303上で重畳されることにより、表
示画像における中央部と周辺部となどでの光量むらの低
減が図られる。
【0182】なお、各回折領域301aの形状は、必ず
しも画像表示素子303と相似な矩形形状でなくてもよ
く、また互いに同一の大きさや形状でなくてもよい。ま
た、回折領域301aの大きさや数は、図26および図
27においては便宜上模式的に描かれているが、特に限
定されるものではない。すなわち、各回折領域301a
から出力された光束が、画像表示素子303の画像表示
領域上で概ね重畳されるようになっていれば、光量むら
低減の効果が得られる。ただし、一般に、回折領域30
1aの数を多くする方が、投射画像の明るさの均一性を
より向上させることができ、また、矩形変換効率(矩形
開口率)を高くして投射効率を高くし、より明るい画像
を表示させることができる。また、微小領域301aの
形状が画像表示素子301の形状と相似形である方が、
各回折領域301aからの出力光束を画像表示素子30
3上に重畳させるように作製することが比較的容易にな
る。また、矩形の回折領域301aの周辺部の領域30
1bにもそれぞれ回折作用を生じさせるようにして、画
像表示素子303上の一部の領域に光束を重畳させるよ
うにしてもよい。この場合には、実質的な矩形変換効率
を100%にすることができ、より明るい画像を表示さ
せることが可能となる。
【0183】また、各回折領域301aごとに、画像表
示素子303における回折光学素子からの出力光束が入
射する領域を若干ずらすようにして、投写画像の明るさ
の均一性を一層向上させるようにしてもよい。
【0184】回折光学素子301の具体的な回折構造と
しては、例えば断面形状が鋸刃状に形成された表面レリ
ーフ型の回折格子を適用することができる。また、鋸歯
形状に限らず、鋸歯形状を階段状で近似したマルチレベ
ルの回折格子などとしてもよい。上記鋸刃形状等は、光
学上の計算などにより決定することができる。
【0185】上記のような回折光学素子301は、例え
ば電子ビーム描画法を用いた一般的な半導体プロセス等
により作製可能であり、また大量生産が容易なことか
ら、従来の蠅の目レンズを用いたインテグレータと比べ
てその製造コストを容易に1/10以下程度にすること
ができる。それゆえ、投写レンズ107とともに光学系
要素の大半の製造コストを占めるインテグレータが安価
になることにより、画像表示装置全体の製造コストを例
えば従来の6割程度にまで抑えることが容易にできる。
【0186】また、回折光学素子301は、以下の実施
の形態で説明するような2光束干渉縞によるホログラム
素子を形成することによって作製してもよい。
【0187】画像表示素子109としては、例えば透過
型液晶パネルなど、透過型の種々のものを用いることが
できる。ここで、例えば特開平1−281426号公報
や、特開平3−140920号公報、特開平4−251
221号公報等に多数開示されているように、各画素に
対応したマイクロレンズを備え、画像表示素子への入射
光束を画素の開口部(有効領域)近傍に収束させること
によって実効的な開口率の増加を図ったものを用いても
よい。例えば装置の小型化を図るなどのためにリフレク
タ103の開口形状を小さく設定した場合でも高い投射
効率(光利用効率)得ることができる。すなわち、従来
の蠅の目レンズを用いたインテグレータでは、第1の蠅
の目レンズの各単体レンズと、第2の蠅の目レンズの各
単体レンズとが対応するように設けられる。ところが、
リフレクタの開口形状が小さいと、リフレクタから出力
される光束の平行光からのズレが大きくなりがちであり
光束の平行度が低下しがちでありこの場合、蠅の目レン
ズの各単体レンズ間でクロストークが生じやすくなる。
それゆえ、第1レンズアレイの像が画像表示素子よりも
かなり大きくなり、画像表示素子を有効に照明できなか
った。
【0188】これに対して、上記のように回折光学素子
301を用いた場合には、回折光学素子301の各回折
領域301aによる回折光束が直接液晶表示素子に入射
するため、2つの蠅の目レンズを用いる場合のようなク
ロストークが生じることはなく、したがって、リフレク
タから出力される光束の平行光からのズレが大きくなっ
ても光束の平行度が多少低下しても画像表示素子303
における照明領域が若干ずれるずれたり広がったりする
程度にすぎず、マイクロレンズによる実質的な開口率の
増大効果は適切に得られるので、高い投射効率が得られ
る。また、リフレクタから出力される光束の平行度が低
い光源、すなわち、発光領域が比較的大きいランプを用
いる場合には、理想的な平行光束が出力されるとした場
合に画像表示素子が照明される領域を画像表示領域より
も小さく設定し、出力光束が平行光束でないことによる
ずれ等によって画像表示素子の全体が照明されるように
してもよい。
【0189】上記のように、蠅の目レンズを有するイン
テグレータに代えて回折光学素子を用いることにより、
表示画像における中央部と周辺部となどでの光量むらを
確実に低減できるとともに、投射効率を向上させること
ができる。投射効率に関しては、例えば従来の画像表示
装置では投写効率が高々5ルーメン/ワット程度である
のに対して、上記画像表示装置では7.5ルーメン/ワ
ットと高い効率を得ることができた。
【0190】また、表示画像の明るさの低下を招くこと
なくリフレクタの開口形状を小さくすることができるの
で、画像表示装置の小型化を容易に図ることもできる。
具体的には、例えば従来の通常のリフレクタの開口径が
100mm程度であるのに対して50mm程度にするこ
とができ、光軸方向の寸法も従来の約1/2程度にする
ことができる。さらに、投写レンズのF値を小さくし、
回折光学素子と画像表示素子との距離を短くして、より
一層小型化を図ることも容易にできる。
【0191】(実施の形態3−2)実施の形態3−1と
同様の回折光学素子を用いた画像表示装置であって、光
源光を赤、緑、青の3原色の光に色分解し、それぞれの
色の光に対応した3枚の透過型の画像表示素子を用いて
フルカラー画像を表示する、いわゆる3板方式の画像表
示装置の例を説明する。
【0192】本実施の形態における画像表示装置は、図
28に示すように、ランプ102の出力光束を、リフレ
クタ103で反射後、回折光学素子301を介して画像
表示素子314〜316の照明光束とするようになって
いる。回折光学素子301は実施の形態3−1と同様の
ものである。すなわち、複数の回折領域が形成され、各
回折領域の出力光束が、それぞれダイクロイックミラー
317,318により3原色に分離された後、各色の画
像を表示する画像表示素子314〜316上で重畳され
るようになっている。
【0193】より詳しくは、回折光学素子301から出
力された白色光束の中で、ダイクロイックミラー317
により青色成分の光束のみが透過し、他の波長成分は反
射される。青色成分の光束は反射ミラー319を介して
青色画像表示用の画像表示素子314へ入射する。ダイ
クロイックミラー317の反射光の中で、緑色成分はダ
イクロイックミラー318により反射されて緑色用の画
像表示素子315へ入射する。赤色成分は、リレーレン
ズ320,321、及び反射ミラー322,323を介
して赤色表示用の画像表示素子316に入射する。各画
像表示素子314〜316に入射した各色の光束は、輝
度変調された後、色合成のためのダイクロイックプリズ
ム324により合成され、投写レンズ107によりスク
リーン(不図示)上に拡大投影される。
【0194】なお、図29に示すように、ダイクロイッ
クプリズムを用いず、ダイクロイックミラー339,3
40によって色合成するようにしてもよい。すなわち、
ランプ102の出力光束をリフレクタ103で集光後、
実施の形態3−1と同様の回折光学素子301で各回折
領域ごとに回折させて分離し、各回折領域の出力光束を
ダイクロイックミラー333,334および反射ミラー
335を介して画像表示素子314〜316上で重畳し
て輝度変調し、画像表示素子314〜316の出力光束
をダイクロイックミラー339,340および反射ミラ
ー341からなる色合成系により合成して、投写レンズ
107によりスクリーン(不図示)上に拡大投写するこ
とにより同様にフルカラー画像が表示される。
【0195】本実施の形態における画像表示装置でも、
実施の形態3−1と同様に、従来の高価な1対の蠅の目
レンズに代えて、安価な回折光学素子を用いてインテグ
レータを構成することにより、製造コストの増大を大幅
に抑制できるとともに、投射効率を向上させ、さらに、
リフレクタの外径寸法を小さくすることができ、画像表
示装置の薄型化、軽量化を図ることができる。
【0196】なお、回折光学素子301は、上記のよう
にランプ102とダイクロイックミラー317等との間
に設けてもよいが、ダイクロイックミラー317等と画
像表示素子314等との間に設けるようにしてもよい。
【0197】また、リフレクタとして、以下の実施の形
態3−3のような楕円面鏡を用いたり、球面鏡を用いた
り、また、回折光学素子として、実施の形態3−4のよ
うなホログラム素子を用いたりしてもよい。
【0198】(実施の形態3−3)リフレクタに楕円面
鏡を用いた画像表示装置の例を説明する。
【0199】この画像表示装置は、図30に示すよう
に、実施の形態3−1の画像表示装置(図26)と比べ
て、放物面鏡であるリフレクタ103に代えて楕円面鏡
であるリフレクタ353が設けられている点と、回折光
学素子301および投射レンズ107に代えて、リフレ
クタ353からの反射光束が収束光束であることに対応
した回折光学素子351および投射レンズ357が設け
られている点が異なり、その他の構成および作用は同様
である。すなわち、楕円面鏡であるリフレクタ353の
第1焦点にランプ102の発光領域が配置される場合、
リフレクタ353からの反射光束は概ね第2焦点に集光
される。回折光学素子351は、上記反射光束の経路上
に設置されるため、回折光学素子351の上記反射光束
が入射する領域、すなわち回折光束が出射する領域の直
径は、リフレクタ353の外径(開口径)よりも小さく
なる。それゆえ、回折光学素子351の外径を小さくす
ることができるとともに、画像表示素子303に入射す
る回折光束の最大入射角を小さくすることができるの
で、投射レンズ357として、F値が大きく製造コスト
の安価なものを用いることができる。
【0200】なお、回折光学素子351に複数の回折領
域が形成され、各回折領域の出力光束が画像表示素子上
で重畳されるように構成されている点や作製方法も実施
の形態3−1と同様である。
【0201】また、投射効率を向上させ得る効果、特に
画像表示素子としてマイクロレンズを備えたものを用い
る場合の実効的な開口率の向上による投射効率を向上さ
せ得る効果などについては、前記実施の形態3−1と同
様である。
【0202】また、ランプ102の発光領域が比較的大
きい場合には、リフレクタ353からの反射光束は1点
に集光せず、第2焦点の前後に集光される成分が多くな
り、画像表示素子303上で重畳される光源の像にズレ
(例えば回折像)を生じる。そこで、反射光束の集光度
が悪い場合には、このズレを当初から見込んで、各回折
領域における回折光束が画像表示素子303を照明する
面積が小さくなるように設定、第2焦点へ集光する光束
からずれた光束によりそれ以外の部分が照明されるよう
にしてもよい。
【0203】(実施の形態3−4)回折光学素子とし
て、2光束干渉露光やCGH(Computer Generated Hol
ogram)によって作製されるホログラム素子を用いた画
像表示装置の例を説明する。
【0204】この画像表示装置は、図31に示すよう
に、実施の形態3−1の画像表示装置(図26)と比べ
て、回折光学素子301に代えて、回折光学素子361
が設けられている点と、ランプ103およびリフレクタ
102の光軸(照明光学系の光軸)が、ホログラム素子
361および投射レンズ107等の光軸(投射光学系の
光軸)と所定の角度をなすように構成されている点とが
異なり、その他の構成および作用は同様である。
【0205】上記ホログラム素子361は、位相型の体
積ホログラムとし、リフレクタ103からの反射光束が
例えば30°の入射角で入射するように設定されてい
る。これは高次回折光をなくして透過型ホログラムの回
折効率を高くするためである。また、ホログラム素子3
61をその法線方向から見たときの外形は、図32に示
すようにx軸方向に長軸を有する楕円形に形成されてい
る。これは、一般にそうであるように、リフレクタ10
3からの出力光束は円形であるため、照明光学系の光軸
と投写光学系の光軸とが平行でない場合には、ホログラ
ム素子361に投影される円形像が同図に示すような楕
円形となるからである。
【0206】ホログラム素子361の内部領域には、実
施の形態3−1のホログラム素子301と同様に、複数
の矩形の回折領域361a…が形成されている。この矩
形の各回折領域361aの形状は、画像表示素子303
の画像表示領域を、ホログラム素子361の外形におけ
る長軸:短軸比だけ縦方向に引き伸ばした形状と相似に
なるように形成されている。図32においては、画像表
示素子303が16(水平方向):9(垂直方向)のア
スペクト比を有するいわゆるハイビジョン(HDTV)
画像を表示するようになっている場合の例を表してい
る。
【0207】なお、実施の形態3−1で説明したのと同
様に、上記回折領域361aの形状は、必ずしも画像表
示素子303に対応した形状でなくてもよく、また互い
に同一の大きさや形状でなくてもよい。すなわち、回折
領域361aの大きさや形状、また、数は、特に限定さ
れず、各回折領域361aから出力された光束が、画像
表示素子363の画像表示領域上で概ね重畳されるよう
になっていれば、光量むら低減の効果が得られる。
【0208】なお、本実施の形態のように照明光学系の
光軸と投射光学系の光軸とが平行でない場合でも、当然
ながら表面レリーフ型の回折光学素子を用いることもで
きる。
【0209】次に、上記ホログラム素子361の作製方
法について説明する。
【0210】ホログラム素子361は、電子ビーム描画
などにより、計算された干渉稿をフォトレジストに記録
して作製することなども可能であるが、ここではフォト
ポリマーなどの干渉稿の露光によって作製する場合につ
いて説明する。
【0211】一般にホログラム素子は可干渉な2光束
(参照光と物体光)を干渉させ、発生した干渉稿を、フ
ォトポリマーなどの記録材料の露光によって記録するこ
とにより作製される。参照光としては、リフレクタから
の出力光束と略等しい光束を用いればよい。例えば上記
のようにリフレクタ103に放物面鏡を用いる場合に
は、実際の照明光学系における光軸と平行な角度で平行
光を入射すればよい。また、物体光としては、各回折領
域361aを形成しようとする領域から画像表示素子3
03の表示領域全面にわたって入射し、画像表示素子3
03上で重畳されるような光路の光束が用いられる。
【0212】以下、図33に基づいて具体的に説明す
る。図33は、ホログラム材料371の回折領域が形成
されるべき1つの領域371aに干渉稿を記録する場合
の干渉露光系の配置図である。
【0213】ホログラム素子361を作製するためのホ
ログラム材料371としては、前記実施の形態1−1で
示したような種々のものを用いることができる。
【0214】レーザ372から出力された平行光束L
は、ハーフミラー373により透過光Mと反射光Nとに
2分されるようになっている。
【0215】透過光Mは、ミラー374、およびマスク
375における、ホログラム材料371の領域371a
に対応して設けられた開口部375aを介して、所定の
入射角でホログラム材料371の領域371aに参照光
として入射する。上記所定の入射角とは、実際に構成す
る画像表示装置におけるリフレクタ103の光軸(回転
放物面鏡の回転軸)とホログラム素子361の法線とが
なす角度と等しい角度である。
【0216】一方、反射光Nは、集光レンズ376によ
って、マスク375の開口部375aを通過後に補助レ
ンズ372を介して画像表示素子373の表示領域と概
ね同一な領域を照明する光束に変換され、ホログラム材
料371の領域371aに物体光として入射する。
【0217】上記のようにしてホログラム材料371に
入射した2つの光束によって形成される干渉稿をホログ
ラム材料371に記録することにより、1つの回折領域
が形成され、これを各回折領域ごとに順次繰り返すこと
によって、前記のようなホログラム素子361が作製さ
れる。
【0218】ホログラム素子361を作製する別の方法
について説明する。
【0219】この方法では、参照光については上記の場
合と同様であるが、物体光を生成するために、図34に
示すようにレンズアレイ381が用いられる。このレン
ズアレイ381には、それぞれホログラム材料371の
回折領域が形成されるべき各領域371aに対応したレ
ンズ381aが形成されている。各レンズ381aは、
それぞれ、上記ホログラム材料371の各領域371a
に対する前記の方法の集光レンズ376と同様な作用を
するようになっている。
【0220】ここで、ホログラム材料371の露光は、
前記の方法のようにマスク375を用いるなどして各領
域371aごとにするようにしてもよいが、図34に示
すようなマスク382を用いることにより複数の領域3
71aに対して同時に露光を行うことができる。上記マ
スク382には、それぞれレンズアレイ381の各レン
ズ381a、およびホログラム材料371の各領域37
1aに対応した開口部382aが形成され、ホログラム
材料371における、各レンズ381aを介した物体光
の入射する領域が、概ね、それぞれ互いに重ならず、か
つ隙間があかないように形成されている。
【0221】なお、以下に説明する実施の形態3−5の
ようにリフレクタとして放物面鏡ではなく楕円面鏡を用
いる画像表示装置の場合には、参照光として、平行な光
束ではなく、実際の照明光学系において第2焦点に集光
する光束と等価な光束を用いればよい。このような光束
は、リフレクタの光軸上上記透過光Mの光路中に所定の
屈折パワーを有するレンズを配置することによって容易
に得ることができる。
【0222】また、前記実施の形態1−1で説明したよ
うな種々の方法により、参照光や物体光を生成して各回
折領域361aを形成するようにしてもよい。
【0223】(実施の形態3−5)図35に示すよう
に、回折光学素子として、ホログラム素子391を用い
るとともに、リフレクタに楕円面鏡353を用いるよう
にしてもよい。
【0224】すなわち、ランプ102からの出力光束が
楕円面鏡からなるリフレクタ353によりその第2焦点
へと集光される経路上に、回折領域391aが形成され
たホログラム素子391を配置すればよい。これによ
り、ホログラム素子391の各回折領域391aからの
回折光束は、補助レンズ302(省略可能)を介して画
像表示素子303へと入射する。画像表示素子303の
出力光束は投写レンズ357によりスクリーン(不図
示)上へ拡大投写される。
【0225】上記ホログラム素子391は、前記実施の
形態3−4で説明したように、参照光として、上記リフ
レクタ353からの第2焦点に集光する反射光束と等価
な光束を参照光として用いることにより作製することが
できる。
【0226】上記のような画像表示装置においても、実
施の形態3−3の画像表示装置と同様に、ホログラム素
子391を第2焦点に近づけて配置し小さくできるよう
にすることで、画像表示素子303へ入射する照明光束
の最大入射角度が小さくなることによる製造コストの低
減や、画像表示素子303のマイクロレンズのゲインの
増大などによる投射効率の向上効果が得られる。
【0227】(実施の形態3−6)図36に示すよう
に、反射型のホログラム素子401を用いるようにして
もよい。
【0228】この反射型のホログラム素子401として
は、例えば、いわゆる体積ホログラムが用いられる。こ
のホログラム素子401は、その法線が照明光学系の光
軸および投射光学系の光軸と例えば45°の角度をなす
ように配置されるが、回折領域401aが形成され、各
回折領域401aから出力される回折光が画像表示素子
303上で重畳されるようになっている。このようなホ
ログラム素子401も、前記実施の形態1−1や実施の
形態3−3で説明したような方法によって作製すること
ができる。また、リフレクタとして、実施の形態3−5
と同様に楕円面鏡を用いたり球面鏡を用いるなどしても
よい。
【0229】(実施の形態3−7)回折光学素子として
ホログラム素子を用いるとともに、色分離および色合成
にダイクロイックプリズムを用い、画像表示素子として
透過型の表示素子を用いてフルカラー画像を表示する3
板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0230】この画像表示装置は、図37に示すよう
に、ランプ102の白色出力光束が、リフレクタ103
により集光され、ミラー414により反射された後、色
分離のためのダイクロイックプリズム415に入射し、
3原色の光束に分離されるようになっている。各色に分
離された光束は、実施の形態3−6と同様の複数の回折
領域が形成された反射型のホログラム素子416〜41
8に入射し、各回折領域で回折された光束が、ミラー4
19〜421を介して透過型の画像表示素子422〜4
24上で重畳されて輝度変調され、ダイクロイックプリ
ズム425によって合成された後、投射レンズ107に
よって図示しないスクリーンに拡大投射されるようにな
っている。
【0231】上記のような画像表示装置においても、製
造コストの低減や、投射効率の向上効果が得られる。
【0232】なお、各ホログラム素子416〜418
は、その回折効率の波長分散のピークが、入射する光束
の波長帯域の中に含まれるようにすることでより一層高
い効率を実現することができる。具体的には、ホログラ
ム作成時のレーザ光として、それぞれ入射する光束の波
長のものを用いるなどすればよい。
【0233】また、リフレクタとしては、放物面鏡に限
らず、楕円面鏡や、球面鏡などを用いてもよい。
【0234】また、ホログラム素子に代えて、実施の形
態3−1で示したようなレリーフ型の回折光学素子を用
いてもよい。
【0235】(実施の形態3−8)画像表示素子として
反射型の表示素子を用いている点が前記実施の形態3−
7と異なる画像表示装置の例を説明する。
【0236】この画像表示装置は、図38に示すよう
に、ランプ102の白色出力光束が、リフレクタ103
により集光され、ミラー414により反射された後、色
分離のためのダイクロイックプリズム415に入射し、
3原色の光束に分離されるようになっている。各色に分
離された光束は、実施の形態3−6と同様の複数の回折
領域が形成された反射型のホログラム素子416〜41
8に入射し、各回折領域で回折された光束が、PBS4
31〜433を介して反射型の画像表示素子434〜4
36上で重畳されて輝度変調され、再度PBS431〜
433を介してダイクロイックプリズム425により合
成された後、投射レンズ107によって図示しないスク
リーンに拡大投射されるようになっている。
【0237】上記のような反射型の画像表示素子434
〜436としては、偏光型の画像表示素子であって、電
気書き込み型または光書き込み型の反射型液晶パネルな
どを用いることができる。
【0238】このように構成された場合でも、製造コス
トの低減や、投射効率の向上等の効果は同様である。
【0239】(実施の形態3−9)実施の形態3−2
(図28)の構成に、さらに偏光変換素子が設けられた
画像表示装置の例を説明する。
【0240】この画像表示装置は、図39に示すよう
に、ランプ102からの出力光束が、例えば放物面鏡の
リフレクタ103により略平行な反射光束として出力さ
れ、同図の紙面に垂直な方向に長手方向をそろえて配置
された偏光変換素子444のシリンドリカルレンズアレ
イ441によりスリット状に集光されてシリンドリカル
レンズ441の焦点近傍で細長いスリット状に結像する
ようになっている。偏光分離素子442および偏波面回
転手段443は、上記焦点近傍に配置され、リフレクタ
103からの反射光束の偏光方向が特定の方向に揃えら
れた光束が出力されるようになっている。その出力光路
の経路上に、複数の回折領域が形成された回折光学素子
301が設けられている。その他の構成は実施の形態3
−2(図28)と同様である。
【0241】この画像表示装置では、上記偏光変換素子
444によって偏光方向が変換される点を除き、実施の
形態3−2(図28)と同様にして、投写画像の明るさ
の均一性が高い画像が表示される。
【0242】上記のようにインテグレータとしての機能
を有する回折光学素子301と偏光変換素子444とを
組み合わせることにより、より一層高い投写効率を実現
することができる。
【0243】なお、実施の形態3−2(図29)のよう
にダイクロイックミラーによって色合成する構成に偏光
変換素子を組み合わせても、同様の効果が得られる。
【0244】(実施の形態3−10)この実施の形態の
画像表示装置は、図40に示すように、前記実施の形態
3−2で示したのと同様の回折光学素子301を備えた
画像表示装置に、さらに、前記実施の形態1−1等で説
明したホログラム素子105と同様の機能を有する反射
型のホログラム素子399と、が設けられて構成されて
いる。その他の構成は、実施の形態3−2と同様であ
る。これにより、ランプ102の発光領域がある程度の
大きさを有している場合や、リフレクタ103として放
物面鏡や楕円面鏡、球面鏡などの何れを用いた場合で
も、ホログラム素子399によって、リフレクタ103
からの反射光束が理想的な点光源と所望のリフレクタと
を用いた場合と同様の平行光束や収束光束に変換される
ので、高い投射効率を得ることができ、高い投射効率を
得ることができるとともに、回折光学素子301に形成
された各回折領域から出力された光束が画像表示素子3
14〜316上で重畳されるので、表示画像における中
央部と周辺部となどでの光量むらを低減することができ
る。
【0245】なお、ホログラム素子399としては、実
施の形態1−1等と同様の透過型のものを用いたりして
もよい一方、回折光学素子301として反射型のものを
用いたりしてもよい。
【0246】また、液晶表示素子としても、図15や図
24で示したような構成などを用いて反射型のものを使
用するようにしてもよい。
【0247】また、さらに、実施の形態108で説明し
た偏光変換素子などを設けて、一層投射効率を高くでき
るようにしてもよい。
【0248】なお、上記の各例では画像表示素子として
液晶パネルを用いているが、この液晶パネルは、例えば
特開平1−281426号公報、特開平3−14092
0号公報、特開平4−251221号公報等に多数開示
されているように、各画素に1つのマイクロレンズを配
置し、入射光束を画素の開口部近傍に収束せしめること
で実効的開口率を増加せしめる機能を有する画像表示素
子であればよく、光変調材料、光変調の方式、及び画素
の駆動方式に制約はない。
【0249】すなわち、ツイストネマティック液晶(以
下TN液晶と略記する)をはじめとして、垂直配向液晶
(以下VA液晶と略記する)等の種々の液晶材料、また
は電気光学効果を有する光学結晶などの光学的異方性を
有している光学材料を用いた偏光型画像表示素子を用い
ることもできる。また、偏光型画像表示素子だけではな
く、高分子分散型液晶(以下、PDLCと略記する)を
用いて入射光束を散乱することで画像を表示する散乱型
画像表示素子を用いることもできる。
【0250】また、例えば特願平7−284759号公
報に開示されているような回折型の画像表示素子を用い
ることもできる。
【0251】さらに素子の駆動としては、TFTだけで
はなく薄膜ダイオード(以下、TFDと略記する)を用
いた画像表示素子を用いることができる。また、TF
T、TFD等の駆動素子を形成する材料として、高温多
結晶シリコン(以下、高温p−Siと略記する)、低温
多結晶シリコン(以下、低温p−Siと略記する)、ア
モルファスシリコン(以下、a−Siと略記する)を用
いた画像表示素子を用いることもできる。
【0252】また、透過型液晶パネルは、例えば特開平
1−281426、特開平3−140920、特開平4
−251221等に多数開示されているように、各画素
に1つのマイクロレンズを配置し、入射光束を画素の開
口部近傍に収束せしめることで実効的開口率を増加せし
める機能を有するものを用いてもよく、また、光変調材
料、光変調の方式、及び画素の駆動方式に制約はない。
【0253】すなわち、ツイストネマティック液晶(以
下TN液晶と略記する)をはじめとして、垂直配向液晶
(以下VA液晶と略記する)等の種々の液晶材料、ある
いは電気光学効果を有する光学結晶などの光学的異方性
を有している光学材料を用いた偏光型画像表示素子を用
いることもできる。
【0254】また、偏光型画像表示素子だけではなく、
高分子分散型液晶(以下、PDLCと略記する)を用い
て入射光束を散乱することで画像を表示する散乱型画像
表示素子を用いることもできる。
【0255】また、例えば特願平7−284759に開
示されているような回折型の画像表示素子や、いわゆる
DMD素子と呼ばれる光偏向型の画像表示素子なども用
いることができる。
【0256】また、各画素に駆動素子を形成するアクテ
ィブマトリックス方式(以下、AM方式と略記する)、
単純な行列電極で直接素子を駆動する単純(パッシブ)
マトリックス方式(以下、PM方式と略記する)のいず
れの駆動方式の画像表示素子も用いることができる。
【0257】また、ランプとして、メタルハライドラン
プ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ラン
プ等を使用することができる。発光体は小さい方がより
好ましいが、本発明においては、特に発光体が小さくな
ければならないわけではなく、例えば高出力キセノンラ
ンプや、高出力メタルハライドランプのように発光体が
数ミリと大きいランプを用いてもかまわない。
【0258】本発明における集光手段に相当するリフレ
クタとしては、放物面鏡、楕円面鏡、球面鏡を用いるこ
とが好ましい。その際放物面鏡の場合には焦点近傍に、
楕円面鏡の場合には第1焦点近傍に、球面鏡の場合には
球の中心近傍にランプ2の発光体を設置することが好ま
しい。
【0259】また、色合成系にダイクロイックミラー1
5、16を用いたが、ダイクロイックプリズムを用いて
色合成系を構成しても良い。また、色合成系を用いず
に、3枚の液晶パネルからの出力光束を、各々対応する
3本の投写レンズを用いて投写し、スクリーン上で合成
しても良い。また、色分解系にダイクロイックプリズム
を用いることも可能である。
【0260】また、画像表示素子が液晶パネルのように
偏光型の場合には、本発明の照明光学系において、偏光
分離手段と、偏波面回転手段からなる偏光変換素子を付
加することによって、より一層の投写効率の改善も可能
となる。偏光変換素子としては例えば、特開平5−10
7505号公報、特開平6−202094号公報、特開
平7−294906号公報、特開平8−234205号
公報、特開平9−105936号公報等に開示されてい
るように、偏光分離手段と、偏波面回転手段の組み合わ
せから構成されるあらゆる偏光変換素子を用いることが
できる。いずれの偏光変換素子を用いた場合にあって
も、基本的な光学系の構成及び後述のホログラム素子の
作製方法は変わらない。
【0261】また、各実施の形態で示した種々の構成を
組み合わせるようにしてもよい。
【0262】尚、本発明のホログラム素子及び該ホログ
ラム素子を用いた画像表示装置は、本発明の主旨に則
り、種々の変形が可能であり、実施の形態で構成した実
施例に限定されるものではない。
【0263】
【発明の効果】本発明によれば、発光体の大きなランプ
の出力光束を小さな発光体からの出力光束に変換するこ
とができるので、照明光学系の集光効率を飛躍的に向上
させることができる。
【0264】さらに、発光体の大きさに起因する集光光
学系の収差の影響により発生していたインテグレータ及
び偏光変換素子の集光効率、もしくは偏光変換効率のロ
スを最小限に抑えることが可能となり、均一で、明るい
(投射効率の高い)画像を表示できる。
【0265】また、ランプの出力を大きくし、同時にラ
ンプの発光体が大きくなっても投射効率を下げることが
ないので、極めて光輝度な画像を表示することができ
る。
【0266】また、本発明のホログラム素子では、画像
表示装置に用いる照明光学系の略平行光束ではない照明
光束を、略平行光束に変換することが可能となる。
【0267】また、該ホログラム素子を用いた本発明の
画像表示装置では、マイクロレンズを形成した画像表示
素子へ入射する光束を略平行光束に変換できるため、マ
イクロレンズに入射した光束の大部分を画素の開口部へ
集束できるので、実効的な開口率を100%に近づける
ことが可能となり、明るい画像を表示することができ
る。
【0268】その際、インテグレータ、またはインテグ
レータと偏光変換素子を組み合わせた照明光学系におい
ても、本発明に係るホログラム素子は照明光学系の出力
光束を略平面波に変換することができるので、マイクロ
レンズアレイの開口率を実効的に高くする機能は損なわ
れず、均一性が高いだけではなく、より一層投写効率の
高い、明るい画像表示装置を構成することが可能であ
る。
【0269】また、反射型の液晶パネルを用いた画像表
示装置にあっては、F値を小さくしても集光効率を高く
することができるため、小さい液晶パネルを用いても、
コントラストが高く、かつ高い投写効率を実現すること
が可能となった。
【0270】さらに、単板式において、本発明に係るホ
ログラム素子をダイクロイックミラーと組み合わせるこ
とによって、単板式でありながら高い投写効率を実現す
ることが可能となった。
【0271】また、本発明の回折光学素子を用いた画像
表示装置により、従来高価な蠅の目レンズを2枚用いて
いた画像表示装置を安価に構成できる。同時にコンパク
トで、軽量化も図ることができる。特に、回折光学素子
を小さくすることにより、各画素に対応するマイクロレ
ンズ形成した画像表示素子を用いた場合には、従来の光
学系に比べてマイクロレンズ導入による実効的開口率増
加を高くすることができる。また、従来の偏光変換素子
と組み合わせることで、より一層高い投写効率を実現で
き、明るい画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投写型画像表示装置の構成図
【図2】従来の画像表示装置の構成図
【図3】従来の投写型画像表示装置に用いるインテグレ
ータを示す構成図
【図4】従来の投写型画像表示装置に用いるインテグレ
ータを示す構成図
【図5】実施の形態1で構成した画像表示装置の構成図
【図6】画像表示装置に用いるホログラム素子を作製す
るための光束の照明方法を示す図
【図7】画像表示装置に用いるホログラム素子を作製す
るための光束の照明方法を示す図
【図8】画像表示装置に用いるホログラム素子を作製す
るための光束の照明方法を示す図
【図9】画像表示装置に用いるホログラム素子を作製す
るための入射光束を発生させる原理図
【図10】画像表示装置に用いるホログラム素子を作製
するための入射光束を発生させる原理図
【図11】実施の形態1で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図12】実施の形態1で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図13】実施の形態1で構成した画像表示装置の構成
【図14】実施の形態1で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図15】実施の形態1で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図16】実施の形態1で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図17】実施の形態2で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図18】実施の形態3で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図19】同他の画像表示装置に用いる偏光変換素子を
示す図
【図20】実施の形態1の画像表示装置の構成図
【図21】ホログラム素子を作製するための光学系の構
成図
【図22】実施の形態2の画像表示装置の構成図
【図23】実施の形態3の画像表示装置の構成図
【図24】実施の形態4の画像表示装置の構成図
【図25】実施の形態5の画像表示装置の構成図
【図26】一実施の形態で構成した画像表示装置の構成
【図27】回折光学素子の平面図
【図28】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図29】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図30】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図31】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図32】回折光学素子の平面図
【図33】ホログラム素子の作製方法の説明図
【図34】ホログラム素子の他の作製方法の説明図
【図35】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図36】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図37】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図38】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図39】一実施の形態で構成した他の画像表示装置の
構成図
【図40】
【符号の説明】
101 画像表示装置 102 ランプ 103 リフレクタ 104 照明光学部 105 ホログラム素子 106 画像表示素子 107 投射レンズ 109 画像表示素子 110 実光束発生手段 111 理想光束発生手段 111a 点光源 111b リフレクタ 112 ハーフミラー 113 ホログラム材料 121 リフレクタ 121a 開口部 122 模擬発光体 131 模擬発光面 141 リフレクタ 142 集光レンズ 143 リフレクタ 151 画像表示装置 152 ダイクロイックミラー 153 ダイクロイックミラー 154 全反射ミラー 155 コンデンサレンズ 156〜158 液晶パネル 159 全反射ミラー 160,161 ダイクロイックミラー 171 画像表示装置 172 全反射ミラー 174 レンズ 175,176 ダイクロイックミラー 177〜179 反射型液晶表示素子 181 画像表示装置 182 目レンズ 183 目レンズ 184 インテグレータ 191 画像表示装置 192 画像表示素子 193 レンズ 202 偏光変換素子 203 集光レンズ 204 角柱体 205 偏波面回転手段 206 偏光分離膜 211 画像表示装置 212 目レンズ 213 目レンズ 214 ミラー 215 インテグレータ 216〜218 ホログラム素子 217,218 ホログラム素子 219〜221 画像表示素子 231 レーザ 231 画像表示装置 232〜234 ミラー 234 ミラー 235 ダイクロイックプリズム 241 画像表示装置 242,243 全反射ミラー 244 ダイクロイックミラー 245 ダイクロイックミラー 246,248 リレーレンズ 247 全反射ミラー 259 画像表示装置 260〜262 画像表示素子 263 ダイクロイックプリズム 264〜266 ホログラム素子 267〜269 PBS 280 画像表示装置 281,282 ダイクロイックミラー 283 全反射ミラー 284〜286 ホログラム素子 285〜287 ホログラム素子 288 画像表示素子 301 ホログラム素子 301a 回折領域 301b 領域 302 補助レンズ 303 画像表示素子 314〜316 画像表示素子 317,318 ダイクロイックミラー 319 反射ミラー 320,321 リレーレンズ 322,323 反射ミラー 324 ダイクロイックプリズム 333,334 ダイクロイックミラー 335 反射ミラー 339,340 ダイクロイックミラー 341 反射ミラー 351 回折光学素子 353 楕円面鏡 357 投射レンズ 361 回折光学素子 361a 回折領域 363 画像表示素子 371 ホログラム材料 371a 領域 372 レーザ 373 ハーフミラー 374 ミラー 375 マスク 375a 開口部 376 集光レンズ 381 レンズアレイ 381a レンズ 382 マスク 382a 開口部 391 ホログラム素子 391a 回折領域 399 ホログラム素子 401 ホログラム素子 401a 回折領域 414 ミラー 415 ダイクロイックプリズム 416〜418 ホログラム素子 419〜421 ミラー 422〜424 画像表示素子 425 ダイクロイックプリズム 431〜433 PBS 434〜436 画像表示素子 441 シリンドリカルレンズ 442 偏光分離素子 443 偏波面回転手段 444 偏光変換素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月28日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 画像表示装置、回折光学素子、ホログ
ラム素子、およびホログラム素子の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、明るく、高品位な
画面を表示する画像表示装置に関するものである。ま
た、上記画像表示装置に用いられる回折光学素子、ホロ
グラム素子、およびホログラム素子の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】まず、以下で示す従来技術の概要につい
て説明する。 (画像表示装置) 従来の一般的な画像表示装置、特に
光源ランプからの光を液晶パネル等の画像表示素子によ
って輝度変調し、スクリーン上に拡大投射する投射型画
像表示装置について説明する。 (インテグレータ) 主として、投射画像の中央部の明
るさと周辺部の明るさを均一にするために設けられてい
るインテグレータについて説明する。 (偏光変換素子) 投射効率を向上させて明るい画像を
表示させるために設けられている偏光変換素子について
説明する。 (その他の技術) 投射効率を向上させて明るい画像を
表示させるための他の技術について説明する。 以下、詳細に説明する。 (画像表示装置) 従来の直視型テレビでは大型化が困難
であることから、近年、高輝度ランプからの光を画像表
示素子によって輝度変調し、スクリーン上に拡大投射
る投射型画像表示装置の開発が進められている(例え
ば、オープラスイー、1993年8月号、58項−10
1項)。
【0003】図1に従来の一般的な画像表示装置であ
り、画像表示素子として液晶パネルを用いた構成例を示
す。ランプ2からの出力光3をリフレクター4で反射
し、出力光束5を集光光学系(図示せず)により集光、
伝搬し、色分離のためのダイクロイックミラー12、1
3により赤色、緑色、青色の3原色に分離し、全反射ミ
ラー14、コンデンサーレンズ15を介して液晶パネル
16〜18に入射せしめる。
【0004】液晶パネル16〜18により変調された出
力光は、色合成のためのダイクロイックプリズム(図示
せず)もしくは、ダイクロイックミラー19、20及び
全反射ミラー14’により合成され、投射レンズ9によ
りスクリーン(図示せず)上に拡大投射される。
【0005】上記液晶パネル16〜18等は、主に透過
型、反射型に区別されるが、いずれも偏光板もしくは偏
光ビームスプリッタ(以下PBSと略記する)を介して
入射される特定の直線偏光光を、液晶材料により変調す
ることにより画像を表示する。
【0006】また液晶パネル16〜18は一般的には各
画素を駆動するためのスイッチング素子として薄膜トラ
ンジスタ(以下TFTと略記する)を各画素に配置した
アクティブマトリックス方式が主流であり、TFTは多
結晶ポリシリコンで形成されるのが一般的である。
【0007】また、他の従来の一般的な画像表示装置の
構成例を図2に示す。
【0008】ランプ22からの出力光をリフレクター2
3で反射後、第1の蠅の目レンズ24、第2の蠅の目レ
ンズ25からなるインテグレータ、折り返しミラー29
によって伝搬し、さらに色分離のためのダイクロイック
ミラー30、31により赤色、緑色、青色の3原色に分
離し、画像表示素子35〜37に入射せしめる。
【0009】画像表示素子35〜37は、入射光束が画
像表示素子を透過する間に変調する透過型と、入射光束
を反射後出力する間に変調する反射型に大別される。さ
らに変調の方式として入射光束の偏光状態を変化せしめ
る偏光型と、入射光束を散乱することにより変調する散
乱型に大別される。
【0010】偏光型の画像表示素子においては、透過型
及び反射型のいずれも偏光板もしくは偏光ビームスプリ
ッタ(以下PBSと略記する)を介して入射される特定
の直線偏光光を、例えば液晶材料により変調することに
より画像を表示する。散乱型の画像表示素子において
は、透過型及び反射型のいずれも入射光束を散乱せしめ
ることで黒を表示し、入射光束を散乱せずに出力するこ
とで白を表示する。
【0011】図1、2では画像表示素子を3枚用いた構
成(以下、三板式と略記する)であるが、後述するよう
に1枚の画像表示素子でカラー画像を表示する方式(以
下、単板式と略記する)もある。
【0012】ランプ2等としては、発光効率が高く、発
光体の体積が小さく高輝度で、演色性の高いランプが求
められており、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、超高圧水銀ランプなどが用いられている。
【0013】リフレクタ3等としては、反射後の光束を
有効に活用しやすいことから、放物面鏡、楕円面鏡、球
面鏡などが用いられており、発光体がそれら反射鏡の焦
点もしくは第一焦点もしくは中心に配置される場合が多
い。
【0014】近年の画像表示装置においては、全白信号
を表示した際の、(1)投射画像の中央部の明るさと周
辺部の明るさを均一にする、(2)投射される全光束
(ルーメン)をランプの消費電力(ワット)で除した値
として定義される投射効率(ルーメン/ワット)を向上
する、ことが開発の主な課題であり、(1)については
インテグレータの導入により、(2)についてはインテ
グレータと発光体の小さな高輝度ランプとの組み合わせ
によって、又は画像表示素子として液晶パネルのような
偏光表示手段を用いる画像表示装置にあっては、さらに
偏光変換素子を組み合わせることによって、解決が試み
られている。また、マイクロレンズを液晶パネルに形成
することによる投射効率の改善も多数検討されている。
【0015】(インテグレータ)次に、インテグレータ
について説明する。インテグレータとは、例えば特開平
3−111806号公報、特開平5−346557号公
報に開示されているように、微小レンズを2次元に配置
して構成される蠅の目レンズを2種類組み合わせて構成
される。インテグレータの具体的構成例を図3に示す。
これは、光源からの出力光束を複数の領域に分割し、そ
れらを被照明体物上にて重畳することにより、照明光の
均一性を向上せしめるものである。
【0016】ランプ42の出力光束43はリフレクタ
で反射後(光束45)、第1の蠅の目レンズ49へ入
射する。リフレクタ44及び第1の蠅の目レンズ49
よって、ランプ42の発光体の像は、第1の蠅の目レン
49の各レンズに対応する第2の蠅の目レンズ50
各レンズ上に結像する。第2の蠅の目レンズ50の各レ
ンズは第1の蠅の目レンズ49を構成する各レンズの像
を画像表示素子47上に結像させるような構成となって
いる。尚、必要に応じて、第2の蠅の目レンズと画像表
示素子の間にリレーレンズ、補助レンズが配置される
が、インテグレータとしての基本的機能は変わらない。
【0017】上記構成により、第2の蠅の目レンズ50
の各レンズが画像表示素子47上に結像する像は、リフ
レクタ44から出力される輝度分布の大きな出力光束を
第1の蠅の目レンズ49の各レンズにより分割し、それ
らを画像表示素子47上に重ね合わせた結果となる。こ
のような原理により投射画像における画像中央部に対す
る周辺部の明るさを70%以上に高くすることが可能と
なっている。
【0018】また、インテグレータの導入により、画像
表示装置の投射効率も向上せしめることができる。一般
にリフレクタ44により反射された光束は略円形である
が、画像表示素子47は、例えば4:3の長方形(ある
いは16:9の矩形)である。それゆえ画像表示素子4
7を円形に照明する場合には円に内接する長方形の面積
比しか有効に活用されなかった。これを矩形変換効率と
呼び、4:3の長方形を外形とする(アスペクト比の)
画像表示素子47を用いる場合には、矩形変換効率は、
約61%であった。
【0019】
【0020】しかしながら、特開平5−346557の
図2に開示されているように、インテグレータの第1の
蠅の目レンズ49に用いるレンズの開口形状を例えば
4:3として画像表示素子の形状と相似形にすることに
加えて、円形の照明領域の中に第1の蠅の目レンズの各
レンズを密に形成することによって、矩形変換効率を約
80%に向上することが可能となっている。
【0021】(偏光変換素子)次に偏光変換素子につい
て説明する。前述の偏光型画像表示素子を用いた画像表
示装置においては、ランプの出力光のなかで、特定方向
の偏光成分しか有効に活用できないという欠点があり、
投射効率が低く、明るい画像を得るためには出力の大き
な光源を用いなければならないという課題があった。偏
光変換素子はこうした課題を解決することを目的として
開発され、偏光板で吸収、もしくはPBSで反射され液
晶パネルに入射されない偏光成分を、該偏光成分に対し
概ね直交する偏波面を持つ偏光成分に有効に変換するも
のである。
【0022】偏光変換素子は、例えば特開平5−107
505号公報、特開平6−202094号公報、特開平
7−294906号公報、特開平8−234205号公
報、特開平9−105936号公報等に多数開示されて
いるが、基本的には、偏光分離手段と、偏波面回転手段
の組み合わせからなる。
【0023】図4に一般的な偏光変換素子38の構成図
を示す。無偏光光(ランダムな偏光の光束)62を偏光
分離手段60により互いに直交する偏光成分、すなわち
P偏光光(偏光分離手段により反射されずに透過する紙
面に平行な偏光方向を有する光束)63、S偏光光(偏
光分離手段により反射され、紙面に垂直な偏光方向を有
する光束)64に分離し、S偏光光64のみを反射手段
60’(一般的に偏光分離手段60と同種の膜を用い
る)により反射し、偏波面回転手段61によりP偏光光
63’に変換する原理に基づいている。
【0024】近年では、レンズアレイ66との組み合わ
せで構成される場合が多く、前記五つの参考例もレンズ
アレイとの組み合わせにより使用することができる (その他の技術) 次にマイクロレンズを形成した液晶パ
ネルについて説明する。通常の画像表示素子では、各画
素毎に画素を駆動するTFTを形成しており、そのため
に画素の中でTFTを形成している部分は光を透過する
ことができない。すなわち各画素の面積に対する実際に
光が透過することができる面積の比(開口率)が小さい
という欠点がある。
【0025】これは高解像度な画像表示素子において一
層顕著となり、対角1.3インチのパネルに1024×
768画素を形成した画像表示素子においては開口率は
約56%程度であり、対角0.9インチの画像表示素子
に同数の画素を形成した場合には高々40%程度とな
る。さらに画素数を増やして解像度を上げたり、または
画素数は同一であっても画像表示素子を小型にしようと
すると開口率は著しく低下し、結果として投射効率が低
下してしまう。
【0026】そこで、例えば特開平1−281426号
公報、特開平3−140920号公報、特開平4−25
1221号公報など多数の参考例に開示されているよう
に、入射側のガラス基板にマイクロレンズを形成し、か
つ各画素に一つのマイクロレンズを対応せしめ、開口部
(各画素の中で光が透過することができる部分)にのみ
入射光を集束せしめ、実効的な開口率を改善することが
考えられている。
【0027】また一枚の画像表示素子を用いた単板式の
画像表示装置も開発されている。単板式は三板式に比べ
て画像表示素子が少なくてすみ、光学系の構成が簡略と
なることから、画像表示装置を実用化する上で重要とな
る低コスト化を実現することができる。さらに、セット
の軽量化及びカラーコンバーゼンスを不要とできるなど
の効果が期待できる。
【0028】カラーコンバーゼンスとは、例えば三板式
において、各画像表示素子の対応する画素の出力をスク
リーン上で位置合わせすることであり、位置合わせのた
めの機構部品点数の増加、及び調整に多大の時間を要す
ること等によるコストアップの要因となっている。
【0029】その一方で、単板式は三板式に比べて投射
効率が劣るという欠点がある。例えば、カラーフィルタ
ーを内部に設けた場合には、原理的に光の強度は1/3
になってしまい画像が暗くなるという欠点があった。こ
れは、三板式では色分離された3原色がほとんど吸収さ
れることなく利用することができるのに対し、カラーフ
ィルターが特定波長帯域の光束のみ透過し、他の波長帯
域の光を吸収もしくは反射してしまい画素に入力しない
からである。
【0030】そこで、例えば「日経エレクトロニクス」
1995年1月30日号169頁173頁(以下、参考
例1と略記する)、特開平8−292506号公報(以
下、参考例2と略記する)、特開平9−105899号
公報の図14(以下、参考例3と略記する)、「日経エ
レクトロニクス」1996年10月21日号18頁19
頁図4(a)(以下、参考例4と略記する)、特開平6
−222361号公報(以下、参考例5と略記する)等
に多数開示されているように、白色光を3原色に分離
後、対応する画素に各原色を入射せしめることで投射
率を改善することが提案されている。
【0031】上記参考例は、いずれも白色光を3原色に
分離する色分離手段と、分離した後の光束を対応する各
画素に入射せしめる光路変換手段からなる。色分離手段
としては、参考例1、2、3に開示されているように、
光軸に対して互いに異なる角度で配置されたダイクロイ
ックミラー(以下、異傾斜角ダイクロイックミラーと略
記する)を用いる場合が多く、光路変換手段としてマイ
クロレンズアレイ(参考例1)、ホログラムレンズアレ
イ(参考例2)、シリンドリカルレンズ(参考例3)な
どを用いている。
【0032】また、例えば参考例4、5に開示されてい
るようにホログラム素子などの回折光学素子を用いて、
色分離手段と光路変換手段を兼用する場合がある。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の画像表示装置では、以下のような問題点が
あった。
【0034】インテグレータ、及び偏光変換素子の機能
を有効に活用するためには、発光体の小さな高輝度ラン
プを使用する必要があった。以下にその理由を簡潔に記
す。インテグレータにあっては、第1の蠅の目レンズを
構成する各レンズ(以下、第1レンズ群と略記する)
が、第2の蠅の目レンズの対応する各レンズ(以下、第
2レンズ群と略記する)に発光体の実像を形成するが、
このとき、第2レンズ群の開口よりも大きな像を結像し
た場合には、有効に画像表示素子に伝搬されない光束が
生じてしまい、投射効率の損失となってしまう。それゆ
え発光体が小さいほど上述の伝搬ロスが小さくなるた
め、インテグレータを有効に機能せしめることができ
る。
【0035】以上の現象は、画像表示素子として偏光表
示手段を用いない場合、例えばポリマー分散型液晶パネ
ルや、米国特許第5096279号明細書に開示されて
いる光偏向型の画像表示素子を用いている場合にも同様
である。
【0036】また、偏光変換素子にあっては、例えばイ
ンテグレータとの組み合わせにより構成する場合(実用
的にはほとんどの例)では、上述のインテグレータの場
合と同様に、偏光分離手段にのみ光束を集光せねばなら
ない。例えば図4に示した偏光分離素子58にあって、
偏光分離手段60ではなく、それに隣接する偏波面回転
手段61を設けた反射手段60’に光が入射した成分は
有効に利用されず損失となる。
【0037】これは第1の蠅の目レンズのランプ側に偏
光変換素子を配置し、偏光分離後の照射角を偏光成分に
よって異ならしめる場合も同様で、この場合には、第2
の蠅の目レンズの前もしくは後に設置される偏波面回転
手段に特定の偏光成分のみを入射せねばならない。従っ
て偏光変換素子の効率を向上せしめ、ひいては投射効率
を向上するために、発光体の小さなランプが必要とされ
ているのである。
【0038】例えば、偏光変換素子単体をレーザ光のよ
うな平行光で照射し、その効率を調べると、例えば図4
に示した素子の場合では、P偏光光63の透過率は約9
6%、また、S偏光光64が偏光分離素子58に入射
後、偏波面回転手段61によりP偏光光63へ変換され
る効率は約91%と極めて高い性能を有し、無偏光光6
2がP偏光光63へ変換される効率は、約94%にな
る。偏光表示手段を用いる画像表示装置にあっては、こ
の効率を偏光利用効率と定義することができる。しかし
ながら実際に発光体の長さが約1.45ミリと小さいラ
ンプを用いた場合でも偏光利用効率は約80%未満に低
下し、発光体の長さが約3ミリのランプを用いた場合
は60%程度に低下し、偏光変換素子がない場合の偏光
利用効率50%と大差なくなってしまうのは、上述のラ
ンプの発光体の大きさに起因しているのである。
【0039】更に、上記理由とは別に、ランプからの出
力光を有効に集光するためのリフレクターとの組み合わ
せにおいても発光体の小さな光源は必要である。例え
ば、リフレクターとして放物面鏡を用いる場合を考え
る。この放物面鏡は、放物線を光軸と一致する回転軸に
より回転せしめて形成される凹面を反射面として有す
る。一般的には光軸上の放物線の焦点近傍に発光体は設
置される。なぜなら、放物線の焦点より発散した光束は
放物面で反射後平行光線となるからである。
【0040】しかしながら実際のランプの発光体は点で
はなく有限な大きさを持っているため、収束光や発散光
が生じて損失となってしまう。こうした理由からも発光
体の小さなランプが不可欠であった。つあり発光体が極
めて小さく、ほぼ点光源とみなせるランプを用いれば、
前述のインテグレータ、偏光変換素子の本来有する機能
を活かして極めて高い投射効率を実現できると考えられ
る。
【0041】上述のように発光体の大きさによりインテ
グレータの性能及び偏光変換素子の偏光変換効率は大き
く影響を受けるが、このことはより高輝度な画像を表示
する際に重要な問題となる。例えば、100〜200ワ
ット程度であれば、発光体の大きさは高々2ミリ程度で
あり、上述のようにインテグレータ、及び偏光変換素子
の機能としてある程度満足できるが、それ以上の高出力
ランプを用いた場合には、発光体がランプ出力の増加と
ともに大きくなってしまう。
【0042】それゆえ、100〜200ワット程度の低
出力ランプを用いた画像表示装置では、6ルーメン/ワ
ットという高い投射効率も可能であるが、それ以上の高
出力ランプを用いる場合には高々3ルーメン/ワット程
度しか実現できていない。
【0043】つまり100ワットのランプを用いて6ル
ーメン/ワットの計600ルーメンの光出力を有する画
像表示装置は実現できても、例えば200ワットのラン
プを用いて1200ルーメンの光出力を有する画像表示
装置の実現は困難であった。以上のように高出力ランプ
を用いて投射光束を大きくしようとすると投射効率が著
しく低下していた。
【0044】インテグレータと偏光変換素子の組み合わ
せにおいては、発光体の小さな高輝度ランプの開発によ
って、近年では高い投射効率を実現することが可能とな
ってきた。しかしながら、インテグレータとマイクロレ
ンズを形成した画像表示素子を組み合わせた場合、また
はインテグレータと偏光変換素子に加えてマイクロレン
ズを形成した画像表示素子を組み合わせた場合に、実効
的な画像表示素子の開口率を向上しようとしても大きな
効果が得られないという課題があった。以下にその理由
を簡潔に記す。
【0045】そもそも、マイクロレンズによる実効的開
口率向上の効果を大きくするためには、マイクロレンズ
への入射光束は光軸に対して略平行であることが好まし
い。なぜならマイクロレンズの光軸に対して斜めに入射
する光束は、画素の開口部以外の部分に入射してしまう
ためである。
【0046】発光体の小さな高輝度ランプの光束を放物
面鏡によって集光することにより略平行に近い光束を得
ることができるが、実際の照明光学系では、前述のイン
テグレータ、または偏光変換素子を用いることが不可欠
であるため、必ずしも画像表示素子すなわちマイクロレ
ンズに入射する光束は略平行な光束とは限らないのであ
る。
【0047】それゆえ、理想的には実効的な開口率をほ
ぼ100%にできるはずであるにもかかわらず、前述の
例ではマイクロレンズを導入しても高々1.2倍の開口
率の向上しか見込めず、対角1.3インチの画像表示素
子では実効的な開口率が67%、対角0.9インチの画
像表示素子では55%程度であり、半分近く光束を損失
していた。
【0048】同様の現象は、参考例1、2、3の単板式
画像表示装置に見られるように、光路変換手段としてマ
イクロレンズを用いる場合にも発生する。すなわち、異
傾斜角ダイクロイックミラーによって画像表示素子に入
射する3原色の入射角を互いに異ならしめ、一つのマイ
クロレンズによって各原色の画像信号を表示する画素に
異なる角度で光束を入射せしめる場合に、入射光束が平
行光束でないために、混色及び効率の低下が見られてい
る。
【0049】例えば、参考例1に開示されている例で
は、本来例えば緑色の信号を表示する画素に斜めから赤
色、もしくは青色の光束が入射し、本来の色と異なる色
調の画像が表示されたり、または画素の開口部に有効に
光束が入射せず、効率が低いという問題があった。
【0050】上述のように、投射効率が高く、明るさの
均一性の高い画像表示が可能な画像表示装置を構成する
ためには、インテグレータ、偏光変換素子、マイクロレ
ンズの機能を有効に活用せねばならない。
【0051】中でもインテグレータは、画像の明るさの
均一性を確保するだけではなく、偏光変換を行うために
不可欠な光学要素であるが、レンズを2次元に配置し、
しかも2つの蠅の目レンズを組み合わせねばならず高価
なものとなっており、コストアップを招いていた。すな
わち、インテグレータを複製するための金型の作製及び
硝材などが高価であり、投射レンズとともに光学系の大
半のコストを占めていた。
【0052】また、その機能を実現するためには特定の
距離が必要で、コンパクトな光学系を構成することが不
可能であった。すなわち従来のインテグレータでは、第
1の蠅の目レンズを構成する各レンズは、入射する光束
を対応する第2の蠅の目レンズの各レンズに集光せねば
ならない。また、同時に第2の蠅の目レンズの各レンズ
は、第1の蠅の目レンズの各レンズの像を画像表示素子
上に結像せねばならない。その際の倍率は、第1の蠅の
目レンズと第2の蠅の目レンズ間の距離L1、及び第2
の蠅の目レンズと画像表示素子との距離L2の比、すな
わちL2/L1により決定される。一方矩形変換効率を
高めるためには、第1の蠅の目レンズを小さくし、反射
鏡からの略円形の出力光束内に密に配置すればよいが、
その結果、コストアップになることに加えて倍率を高く
せねばならずL2が大きくなりコンパクトな構成ができ
なかった。また、1枚の蠅の目レンズでインテグレータ
を構成することもできなかった。
【0053】以上詳細に述べたように、本発明は、画像
の明るさの均一性を高くしたまま、かつ高い光利用効率
を実現するための回折光学素子、及びそれを用いた画像
表示装置を提供するものである。
【0054】また、以上の課題は、その光学的挙動がい
わゆる幾何光学で記述されるレンズを用いているために
生じる問題であった。本願発明は、こうした幾何光学の
制約を受けない波動光学に基づく回折光学素子によっ
て、上述の課題を解決するものであるが、これまでにも
回折光学素子を画像表示装置に用いた例は多数開示され
ている。しかしながらこれらは、本願発明の回折光学素
子並びにそれを用いた画像表示装置と技術的思想を全く
別にするものである。
【0055】例えば、特開平6−222361号公報、
特開平9−73014号公報(以下、従来例1)では、
白色バックライト光をホログラムにより各色成分ごとに
収束せしめることによって、光利用効率を改善する手法
が開示されている。また、例えば特開平8−22065
6号公報(以下、従来例2)では、液晶パネルの出力側
にホログラム素子を設けて、液晶パネルの出力光束の主
光線を光軸に対して平行とする例が開示されている。
【0056】しかしながら、従来例1に開示されたホロ
グラムは、微小領域に分離され、各微小領域は集光性を
有するが、これは単に対応する画素に所望の光の光束を
集光せしめる機能であり、いわば波長選択性を有するマ
イクロレンズアレイとして機能するにすぎず、本願発明
の回折光学素子の特徴である、照明光の明るさの均一性
(換言すれば投射画像の明るさの均一性)を保ちつつ、
投射効率(光利用効率)を向上せしめる機能を一切有し
ていないものであり、本願発明の回折光学素子とは、そ
の技術的な思想を全く別にするものである。
【0057】また、従来例2におけるホログラムは、液
晶表示素子の出力側(投射レンズ側)に配置され、その
機能は各色ごとに異なる角度で出力される液晶表示素子
の出力光束をおのおの平行化することにより、投射レン
ズに対する仕様の負担を軽減するものである。従って、
従来例2におけるホログラムは、液晶パネルに入射する
照明光の均一性を高くする本願発明の回折光学素子と
は、その技術的思想を全く別にするものである。
【0058】また、半導体の製造分野で使用される露光
装置においては、例えば、特開平10−70070号公
報(以下、従来例3)に開示されているように、光源か
らの出力光束を回折光学素子により分離する手法が開示
されている。従来例3にあっては、分離後の出力光束を
再度オプティカルインテグレータに入射し、レンズ系に
より被照明物体に重畳せしめており、単に光源からの出
力光束を分離しているにすぎない。すなわち、5重極照
明を用いた投影光学系において、回路パターンの方向性
を考慮して投影解像力を向上せしめるために用いられて
いるにすぎず、照明光の照度の均一性は、微小レンズを
2次元に配置したレンズアレイにより2次光源を形成
し、2次光源像をコンデンサーレンズで照明物体上に重
畳することで確保している。
【0059】また、特開昭63−267900号公報
(以下、従来例4)では、ホログラムヘッドに入射した
光が感光材料上で重畳される引例を開示している。しか
しながら、従来例4では、二光束干渉露光を行う場合
に、互いのビームの交わる角度を変化させながらなおか
つ精密な位置あわせを実現することを目的としており、
ビームを重畳させることにより照度の均一性を向上せし
めることについては何ら開示していない。さらにホログ
ラムヘッドに入射する光に対して、2種類の開口を設
け、これらの干渉縞を得ることを目的としており、本願
発明のように回折光学素子全面に入射する光をすべて重
畳せしめるものではない。
【0060】以上述べたように、回折光学素子を画像表
示装置に適用している従来例1、2にあっては単なる波
長選択性と集光性を有するホログラム、あるいは、液晶
表示素子の出力光束の角度を変えるホログラム素子が開
示されているにすぎない。また、回折光学素子により入
射光を分離する従来例3、4では、分離することで投影
解像力を向上せしめる手法、あるいは位置あわせを改善
する手法が開示されているにすぎない。このように、本
願発明の特徴である、回折光学素子をインテグレータと
して用いることで、画像表示素子に対する照度を均一化
せしめるという技術的思想は、従来例には何ら開示され
ていない新規なものである。
【0061】
【課題を解決するための手段】上記の点に鑑み、本発明
は、インテグレータ、偏光変換素子、マイクロレンズの
機能を有効に活用し、画像の明るさの均一性を高くした
まま、かつ高い光利用効率を実現するための回折光学素
子、及びそれを用いた画像表示装置を提供するものであ
る。また、偏光選択性に優れ回折効率の高い回折光学素
子を偏光分離素子として利用した光利用効率の高い偏光
照明装置を提供すること及びこの偏光照明装置と投射光
学系を組み合わせ明るい投射映像を形成することができ
る投射型画像表示装置を実現することを目的とする。上
記目的を達成するため、本発明の画像表示装置は、少な
くとも、画像表示手段と、前記画像表示手段を照明する
照明手段を備え、前記画像表示手段は、該画像表示手段
に入射する前記照明手段からの照明光を変調し出力する
ことで画像を表示し、前記照明手段は、少なくとも発光
手段と、前記発光手段の出力光束を集光する第1の集光
手段と、前記第1の集光手段の出力光束の波面を変換す
る第1の波面変換手段からなり、前記第1の波面変換手
段は、前記第1の集光手段の出力光束の波面と略等価な
第1の光束と、第2の光束を干渉せしめて形成した第1
のホログラム素子であることを特徴とする。
【0062】また、物体光と参照光を干渉せしめて作成
されるホログラム素子であって、前記物体光が略平行な
光束(以下、物体光束と略記する)であり、前記参照光
が発光手段から発せられる第1の光束を集光及び伝搬せ
しめる照明手段からの出力光束と略等価な波面を有する
光束(以下、参照光束と略記する)であることを特徴と
する。
【0063】また、複数の微小領域からなる回折光学素
子であって、前記微小領域の出力光束は、前記回折光学
素子の法線方向と所定の角度で交わる平面上で概ね互い
に重なりあう光束であることを特徴とする。
【0064】
【発明の実施の形態】(実施の形態1−1)マイクロカ
ラーフィルタを備えた1枚の画像表示素子を用いてフル
カラー画像を表示する、いわゆる単板方式の画像表示装
置の例を説明する。
【0065】画像表示装置101は、図5に示すよう
に、ランプ102とリフレクタ103とから成る照明光
学部104と、回折光学素子であるホログラム素子10
5と、画像表示素子106と、投射レンズ107とが設
けられて構成されている。
【0066】上記ランプ102としては、例えば定格出
力が400ワットのメタルハライドランプが用いられ
る。このランプ102の発光領域の形状はほぼ円筒状
で、光軸方向の発光領域(アーク)の長さは約4ミリで
ある。なお、ランプ102としては、メタルハライドラ
ンプに限らず、ハロゲンランプや、キセノンランプ、超
高圧水銀ランプ等を使用することもできる。
【0067】上記リフレクタ103は、反射面が放物面
をなすように形成され、ランプ102は、発光領域の中
心軸が放物面の光軸にほぼ一致し、上記放物面の焦点と
発光領域の中心とがほぼ一致するように配置されてい
る。ただし、ランプ102は理想的な点光源ではなく、
発光領域がある程度の大きさを有しているため、反射光
束Pは厳密に平行に進む光束ではない。
【0068】ホログラム素子105は、上記のような反
射光束Pをほぼ正確に平行な平行光束(平面波)Qに変
換して画像表示素子106に入射させるようになってい
る。すなわち、反射光束Pが参照光として入射されるこ
とにより、平行光束Qが物体光として再生出力される。
上記ホログラム素子105は、例えば赤、緑、および青
の波長の3種類のレーザ光を用いて多重露光して形成さ
れるが、詳細については後述する。
【0069】画像表示素子106は、各画素ごとに赤、
緑、または青の光を透過させる領域が形成されたマイク
ロカラーフィルタを有して各画素ごとに透過する光の光
量を制御する液晶パネルを備え、各画素ごとに透過する
光を輝度変調して、輝度変調された光束Rを投射レンズ
107に入射させるようになっている。
【0070】投射レンズ107は、入射した光束を図示
しないスクリーンに拡大投射するようになっている。
【0071】上記のように、ホログラム素子105によ
って、リフレクタ103からの反射光束Pが平行光束Q
に変換されることにより、ランプ102が高出力で発光
領域が大きい場合でも、理想的な点光源を用いた場合と
同様の光束が得られる。それゆえ、ホログラム素子10
5を用いない場合に比べて、1.2倍の投射効率、すな
わち1.2倍明るい投射画像を得ることができる。
【0072】次に、上記ホログラム素子105、および
その作製方法について詳細に説明する。
【0073】このホログラム素子105は、上記反射光
束Pとほぼ等価な波面を有する参照光としての光束(以
下「実光束」という。)、および上記平行光束Qとほぼ
等価な波面を有する物体光としての光束(以下「理想光
束」という。)とを例えばフォトポリマー等のホログラ
ム材料に照射して2光束干渉縞を形成することにより作
製される。これにより、ホログラム素子105は、リフ
レクタ103からの反射光束Pを参照光として入射させ
ることにより、物体光として上記のようにほぼ正確に平
行な平行光束Qを出射させることができる。
【0074】ここで、光束と波面について簡単に説明す
る。一般に光は正弦的に振動する波動として下記(数
1)で記述することができる。
【数1】
【0075】u = Aexpi(ωt−k・r) 但し、Aは複素振幅、iは虚数単位、ωは角速度、tは
時刻、kは波動ベクトル、rは空間の座標を決める位置
ベクトルである。
【0076】この波動ベクトルと垂直な面を一般に波面
と呼ぶ。
【0077】光束とは複数の光波(波動としての光)が
集まったものであり、等方性の媒質中では波動ベクトル
が光波の進行方向を意味することから、「光束の波面」
を「複数の光波の波面の集合体」と定義する。
【0078】また、例えば「反射光束Pまたは平行光束
Q(実光束または理想光束)とほぼ等価な波面」とは、
「反射光束Pまたは平行光束Qに含まれるあらゆる光波
の波面とおおよそ等しい波面の集合体」と定義する。
【0079】また、例えば「反射光束Pまたは平行光束
Qとほぼ等価な波面を有する光束」とは、「反射光束P
または平行光束Qに含まれるあらゆる光波の波面とおお
よそ等しい波面を有する光波の集合体である光束」と定
義する。
【0080】ホログラム素子105は、図6に示すよう
に、それぞれ、実光束発生手段110または理想光束発
生手段111から出力される可干渉な実光束Sと理想光
束Tとをハーフミラー112を介してホログラム材料1
13に同一方向から照射し、干渉縞を生じさせることに
より、透過型のホログラム素子として形成される。ま
た、図7に示すように、ハーフミラーを112介さず
に、実光束Sと理想光束Tとを直接ホログラム材料11
3に照射するようにしてもよい。さらに、図8に示すよ
うに、ホログラム材料113の両面側から実光束Sと理
想光束Tとを照射することにより、リップマン型のホロ
グラム素子として形成するようにしてもよい。なお、図
6〜図8においては、便宜上、実光束発生手段110
が、ランプ102とリフレクタ103とを有し、理想光
束発生手段111が、点光源111aとリフレクタ11
1bとを有するように描いているが、これは、実光束発
生手段110が、前記ランプ102からリフレクタ10
3を介して出力される反射光束Pとほぼ等価な波面を有
する実光束を出力する一方、理想光束発生手段111
が、前記ほぼ正確に平行な平行光束Qとほぼ等価な波面
を有する理想光束を出力するように構成されていること
を示すものである。
【0081】上記ホログラム材料113としては、例え
ば塩乳剤(漂白タイプ)や、鉄をドーピングしたニオブ
酸リチウムなどのフォトリフラクティブ結晶、重クロム
酸ゼラチン、フォトポリマ等の一般的なホログラム材
料、干渉縞を凹凸の変化として記録するフォトレジスト
(これらは2光束干渉ではなく計算などに基づいて作製
する場合、電子ビーム描画、イオンビームエッチング、
エンボス法等で形成される。)、フォトサーモプラステ
ィック、UVキュアラブル液晶、液晶ポリマーとフォト
レジストの混合物等を用いることもできる。
【0082】上記実光束発生手段110および理想光束
発生手段111は、具体的には、例えばそれぞれ以下の
ような3つの構成のものを用いることができる。まず、
各構成の概要について説明する。
【0083】実光束発生手段110の第1の構成は、画
像表示装置101のランプ102における発光領域と同
様の形状を有し、可干渉な光束を発する模擬発光体を用
い、この模擬発光体からの光束を画像表示装置101の
リフレクタ103と同様のリフレクタで反射させて実光
束Sとするようにしたものである。
【0084】第2の構成は、リフレクタや模擬発光体な
どを用いることなく、上記第1の構成におけるリフレク
タ103から反射される実光束Sとほぼ等価な発散角等
の光束を直接生じさせるようにしたものである。
【0085】第3の構成は、上記第1の構成、または第
2の構成により生じた実光束S(物体光)と、所定の光
束(参照光)とを干渉させてマスターホログラムを作製
し、このマスターホログラムに上記所定の光束と同じ光
束(参照光)を照射して、実光束S(物体光)を再生す
るようにしたものである。
【0086】また、理想光束発生手段111の第1の構
成は、実光束発生手段110の第1の構成と同様に模擬
発光体とリフレクタを用いるものである。ただし、模擬
発光体として、理想的なランプの発光領域の形状、すな
わち点光源を模した、サイズの小さいものを用いるとと
もに、リフレクタとして、精度の高いものを用いること
が好ましい。
【0087】第2の構成は、実光束発生手段110の第
2の構成と同様にリフレクタや模擬発光体などを用いる
ことなく、理想光束Tそのものを直接発生させるように
したものである。
【0088】第3の構成は、やはり実光束発生手段11
0の第3の構成と同様に、上記第1の構成、または第2
の構成により生じた理想光束T(物体光)と、所定の光
束(参照光)とを干渉させて作製したマスターホログラ
ムを用いるものである。
【0089】以下、上記実光束発生手段110および理
想光束発生手段111の各具体的な構成について、詳細
に説明する。
【0090】実光束発生手段110の第1の構成は、図
9に示すように、リフレクタ121の内部に模擬発光体
122が細い針状の支持部材(不図示)に支持されて配
置されたものである。上記リフレクタ121は、画像表
示装置101のリフレクタ103と同様の形状のものが
用いられる。ここで、リフレクタ103,121の形状
は、ホログラム素子105からどのような光束を出力さ
せるかに係らず設定することができる。すなわち、画像
表示装置101において実際にホログラム素子105か
ら出力される光束は、理想光束Tと等価なものとなるの
で、例えばリフレクタ103,121に楕円面鏡を用い
て、ホログラム素子105から点光源と放物面鏡とから
得られるのと等価な平行光束を出力させるようにした
り、リフレクタ103,121に放物面鏡を用いて、ホ
ログラム素子105から楕円面鏡や球面鏡から得られる
のと等価な収束光束を出力させるようにしたりすること
もできる。
【0091】また、上記模擬発光体122の形状および
位置は、画像表示装置101のランプ102における発
光領域と同様に設定されている。具体的には、例えばラ
ンプ102が前記のようにメタルハライドランプである
場合には、円柱状で、その長軸がリフレクタ121の光
軸にほぼ一致するように配置される。また、ランプ10
2がキセノンランプである場合には、ほぼ球状で、その
中心がリフレクタ121の光軸上に位置するように配置
される。また、模擬発光体122は、光の反射性を有す
る材料から成り、リフレクタ121の開口部121aか
ら入射したレーザ光Uをリフレクタ121内で散乱させ
て、実光束Sを生じるようになっている。すなわち、ラ
ンプ102の発光領域と同様の形状で可干渉な光束を発
する発光体を形成することは困難であるが、上記のよう
に模擬発光体122を用いることにより、容易に同様の
光束を発生させて実光束Sを得ることができる。模擬発
光体122の具体的な材料としては、アルミニウムやス
テンレス等の金属材料を用いたり、ガラスやセラミッ
ク、または樹脂材料等の表面に光の反射性を有する金属
薄膜等を形成したものを用いたりすることができる。ま
た、模擬発光体122の表面は、機械的または化学的な
加工などによって若干の散乱性を持たせることが好まし
い。さらに、模擬発光体122の表面に、ランプ102
の発光管(石英等から成る球状などのケーシング)と等
価な石英やガラスなどの被覆を施してもよい。
【0092】なお、レーザ光Uを模擬発光体122の全
表面にわたって照射するためには、レーザ光Uを走査し
たり、リフレクタ121における複数の開口部121a
から同時に、または順次照射したりするようにすればよ
い。また、順次照射する場合には、ホログラム材料11
3を多重露光するようにすればよい。さらに、ランプ1
02における発光領域の内部から発せられる光束につい
ても、正確に波面変換を行い得るようにするためには、
上記模擬発光体122よりも小さな外形を有するいくつ
かの模擬発光体を用いて、ホログラム材料113を多重
露光するようにすればよい。これにより、一層波面変換
効率を向上させることができる。また、模擬発光体12
2で散乱された光束のうち、リフレクタ121で反射さ
れずに直接ホログラム材料113に至る光束も生じる
が、これにより、画像表示装置101の使用時において
ランプ102から直接照射されるような光束も有効に利
用することができるホログラム素子105を形成するこ
とができる。すなわち、ランプ102から直接照射され
る光束は、発散角が大きいために、従来の画像表示装置
ではほとんど画像表示素子106を介して投射レンズ1
07に至らず、有効に利用することができなかったが、
本発明によれば、そのような光束も有効に利用され、一
層投射効率を高くすることができる。また、レーザ光U
は、可視光領域のいずれかの波長のものを用いてもよい
が、3原色に対応する波長のものを順次用いてホログラ
ム材料113を多重露光すれば、より高い効率で波面変
換を行い得るようにすることができる。
【0093】実光束発生手段110の第2の構成は、例
えばリフレクタ103が図10に示すような、下記(数
2)で示される放物線をZ(光軸)軸回りに回転させた
放物面鏡である場合、例えば同図のA点を通り、光束S
1〜S2の範囲の角度で発散する光束を実光束Sとする
ようにしたものである。
【数2】
【0094】z=x2/2p+p/2 ただし、pは正の定数である。
【0095】すなわち、ランプ102の発光領域がメタ
ルハライドランプのように円筒状であって放物面の焦点
F(p,0)を中心として点C(p+Δz,0)と点D
(p−Δz,0)との間に位置する場合、焦点Fから放
物面上の点Aに向けて発せられた光束は、点Aからz軸
に平行な方向(S0)に進み、点C、Dから発せられた
光束は、S0と角度Δθ1またはΔθ2をなす方向に進
む。そこで、例えばx軸を含みz軸に垂直な平面上に平
面状の模擬発光面131を配置するとすると、この模擬
発光面131の表面側から照射されたレーザ光の反射
光、または裏面側から照射されたレーザ光の透過光が、
上記S0、S1、S2などの方向に進むように、模擬発
光面131の表面形状を形成することにより、実光束S
を得ることができる。より具体的には、例えばシート状
の樹脂材料や、金属材料、プラスチック材料、また、こ
れらの表面にフォトレジスト層を形成したものなどに、
電子ビーム露光や、エンボス加工、イオンビームエッチ
ングなどによって鋸刃状、階段状などの凹凸を形成する
ことにより、上記のような模擬発光面131を構成する
ことができ、この模擬発光面131にレーザ光を照射し
て反射または透過させて得られる実光束Sでホログラム
材料113を露光することにより、ホログラム素子10
5を形成することができる。
【0096】実光束発生手段110の第3の構成は、前
述のように、上記第1の構成、または第2の構成により
生じた実光束Sと、所定の光束との2光束干渉縞をホロ
グラム材料に記録してマスターホログラムを作製し、こ
のマスターホログラムに上記所定の光束と同じ光束を照
射して、実光束Sを再生するようにしたものである。こ
のようなマスターホログラムを用いることにより、第1
の構成または第2の構成によって多重露光を行う場合と
同様のホログラム素子105を1回の露光で作製するこ
とができる。なお、マスターホログラムの材料として
は、前記ホログラム素子105のホログラム材料113
について説明したような種々のものを用いることができ
る。
【0097】また、理想光束発生手段111の第1の構
成は、上記実光束発生手段110の第1の構成と同様に
模擬発光体とリフレクタを用いるものであるが、模擬発
光体として前述のように点光源を模したサイズの小さい
ものを用いる点、およびリフレクタとして、実際の画像
表示装置101で用いられるリフレクタ103の形状や
精度に係らず、所望の理想光束が得られる形状および精
度のリフレクタを用いる点が異なる。すなわち、理想光
束として平行光束を得る場合には、放物面鏡を用い、模
擬発光体を放物面の焦点に配置すればよい。また、所定
の1点に集光する光束を得る場合には、楕円面鏡を用
い、模擬発光体を一方の焦点に配置したり、球面鏡を用
いて模擬発光体を球面の中心に配置したりすればよい。
【0098】理想光束発生手段111の第2の構成は、
前述のようにリフレクタや模擬発光体などを用いること
なく、理想光束Tそのものを直接発生させるようにした
もので、例えばレーザ光を屈折光学系により拡大するな
どして、ほぼ平面波とした平行光束や、収束光束、発散
光束などを生じさせるようにしたものである。
【0099】理想光束発生手段111の第3の構成は、
上記第1の構成、または第2の構成により生じた理想光
束Tと、所定の光束との2光束干渉縞をホログラム材料
に記録してマスターホログラムを作製し、このマスター
ホログラムに上記所定の光束と同じ光束を照射して、理
想光束Tを再生するようにしたものである。
【0100】(実施の形態1−2)画像表示装置の他の
例を説明する。なお、以下の説明においては、前記実施
の形態1−1と同様の機能を有する構成要素については
同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0101】ホログラム素子105は、上記のように平
行光束Qを出力するものに限らず、図11に示すよう
に、投射レンズ107の入射瞳に集光される収束光束Q
1を出力するようにしてもよい。このようなホログラム
素子105は、理想光束発生手段111によって、所定
の1点に向けて収束する光束を生じさせることにより作
製することができる。
【0102】上記のような収束光束Q1を出力するホロ
グラム素子105を用いることにより、さらに投射効率
が向上し、ホログラム素子105を用いない場合に比べ
て、1.5倍明るい投射画像を表示させることができ
る。
【0103】(実施の形態1−3)上記のような放物面
鏡のリフレクタ103に代えて、図12に示すように、
球面鏡のリフレクタ141と集光レンズ142とを用い
るようにしてもよい。この場合のホログラム素子105
は、実光束発生手段110によって、集光レンズ142
から出力される光束と同様の光束を生じさせるととも
に、理想光束発生手段111によって平行光束を生じさ
せることにより、作製することができ、実施の形態1−
1と同様の平行光束Q2を出力させることができる。な
お、実施の形態1−2と同様に、理想光束発生手段11
1によって、所定の1点に向けて収束する光束を生じさ
せてホログラム素子105を作製し、投射レンズ107
の入射瞳に集光される収束光束が出力されるようにして
もよい。
【0104】(実施の形態1−4)さらに、図13に示
すように、楕円面鏡のリフレクタ143を用いるように
してもよい。この場合には、ランプ102を楕円面の一
方の焦点付近に配置することにより、リフレクタ143
からの反射光は他方の焦点付近に集光する光束となる。
ただし、ランプ102の発光領域がある程度の大きさを
有するために、リフレクタ143からの反射光は、正確
には他方の焦点に集光しないが、このような光束であっ
ても、理想光束発生手段111により所定の1点に向け
て収束する光束を生じさせて作製されたホログラム素子
105を用いることにより、実施の形態1−2と同様に
投射レンズ107の入射瞳に集光される収束光束Q3を
得ることができる。なお、上記のように楕円面鏡のリフ
レクタ143を用いる場合での、理想光束発生手段11
1によって平行光束を生じさせて作製されたホログラム
素子を用いて、実施の形態1−1と同様の平行光束を出
力させるようにしてもよい。
【0105】(実施の形態1−5)光源光を赤、緑、青
の3原色の光に色分解し、それぞれの色の光に対応した
3枚の透過型の画像表示素子を用いてフルカラー画像を
表示する、いわゆる3板方式の画像表示装置の例を説明
する。
【0106】画像表示装置151には、図14に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にランプ102とリフレ
クタ103とから成る照明光学部104と、ホログラム
素子105とが設けられ、ホログラム素子105から平
行光束Qが出力されるようになっている。この平行光束
Qは、ダイクロイックミラー152,153によって
赤、緑、青の3原色の光束に分離され、全反射ミラー1
54、およびコンデンサレンズ155を介して、赤、
緑、青の画素に対応する液晶パネル156〜158に入
射して輝度変調された後、全反射ミラー159、および
ダイクロイックミラー160,161により構成される
色合成系によって合成され、投射レンズ107によって
図示しないスクリーンに拡大投射されるようになってい
る。
【0107】上記のような3板方式の画像表示装置15
1においては、単板方式に比べて光路長が長くなる。こ
のため、従来の画像表示装置においては、光束の発散に
よるロスが大きくなりがちであるが、上記のようにホロ
グラム素子105を用いることによってほぼ完全な平行
光束Qが得られるため、明るい投射画像を表示させるこ
とができる。
【0108】(実施の形態1−6)反射型の画像表示素
子を用いた3板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0109】画像表示装置171には、図15に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にランプ102とリフレ
クタ103とから成る照明光学部104と、ホログラム
素子105とが設けられ、ホログラム素子105から平
行光束Qが出力されるようになっている。この平行光束
Qは、全反射ミラー172を介してPBS(偏光ビーム
スプリッタ)173に入射し、ランダムな偏光の光束が
ほぼ直線偏光の光束に変換されるようになっている。ほ
ぼ直線偏光に変換された光束は、レンズ174を介して
ダイクロイックミラー175,176によって3原色の
光束に分離され、反射型液晶表示素子177〜179に
入射して輝度変調された後、上記ダイクロイックミラー
175,176によって合成され、投射レンズ107に
よって図示しないスクリーンに拡大投射されるようにな
っている。なお、PBSを3個用いるようにしてもよ
い。
【0110】上記のような反射型の3板方式の画像表示
装置171においても、やはり単板方式に比べて光路長
が長くなるが、従来の画像表示装置では投射効率が例え
ば1ルーメン/ワットと低いのに対して、上記ホログラ
ム素子105を用いた画像表示装置171では、1.8
ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることができる。
【0111】(実施の形態1−7)ホログラム素子とと
もに、さらにインテグレータが設けられた画像表示装置
の例を説明する。
【0112】画像表示装置181には、図16に示すよ
うに、実施の形態1−1と同様にホログラム素子105
が設けられるとともに、ホログラム素子105と画像表
示素子106との間に、第1の蠅の目レンズ182およ
び第2の蠅の目レンズ183から成るインテグレータ1
84が設けられている。
【0113】上記第1の蠅の目レンズ182および第2
の蠅の目レンズ183は、それぞれ微小なレンズ群が形
成されている。すなわち、第1の蠅の目レンズ182の
各微小レンズは、それぞれ第2の蠅の目レンズ183に
おける対応する微小レンズ上に発光領域(発光体)の像
を結像させるようになっている。また、第2の蠅の目レ
ンズ183の各微小レンズは、それぞれ第1の蠅の目レ
ンズ182の各微小レンズの像を画像表示素子106上
の全面に重ね合わせて結像させるようになっている。こ
れにより、照明光学部104から出力される光束が複数
に分割され、それぞれ画像表示素子106上で重ね合わ
されることにより、表示画像における中央部と周辺部と
などでの光量むらの低減が図られる。
【0114】また、ホログラム素子105は、実光束発
生手段110によって照明光学部104から出力される
反射光束Pとほぼ等価な波面を有する光束を生じさせる
とともに、理想光束発生手段111によって平行光束を
生じさせることにより作製されている。
【0115】ここで、実際に作製されるホログラム素子
105には、色収差や倍率収差が発生することがあると
ともに、ホログラム素子105から出力される平行光束
Qは、完全に理想的な平行光束であるとは限らず、必ず
しも変換効率は100%ではない。すなわち、照明光学
部104から出力される反射光束Pの大部分は理想的な
平行光束に変換されるが、一部の光束は、そのまま平行
光束Q中に含まれたりすることがある。そこで、上記の
ようにホログラム素子105を有しない従来の画像表示
装置に用いられるものと同様のインテグレータ184等
と組み合わせることによって、ホログラム素子105に
より平行光束に変換されなかった光束なども有効に利用
されるようになり、ホログラム素子105の収差や波面
変換ロスを補償することができる。
【0116】それゆえ、ホログラム素子105を設ける
ことなく、インテグレータ184だけを設けた従来の画
像表示装置場合に比べて、1.4倍の高い投射効率を得
ることができる。また、周辺光量比(全白信号による表
示をした場合の画面中央部の明るさと周辺部分の明るさ
との比)は、従来と同等の70%以上の高い値を得るこ
とができる。
【0117】(実施の形態1−8)画像表示素子とし
て、例えば米国特許第5096279号に開示されてい
るような反射型偏向素子が用いられる例を説明する。
【0118】画像表示装置191には、図17に示すよ
うに、ランプ102とリフレクタ103とから成る照明
光学部104と、実施の形態1−7と同様のインテグレ
ータ184と、反射型偏向素子である画像表示素子19
2と、投射レンズ107とが設けられている。また、イ
ンテグレータ184の第1の蠅の目レンズ182と第2
の蠅の目レンズ183との間にホログラム素子105が
設けられる一方、インテグレータ184と画像表示素子
192との間には、インテグレータ184から出力され
る光束を平行光束にするレンズ193が設けられてい
る。
【0119】上記ランプ102としては、400ワット
のメタルハライドランプが用いられ、リフレクタ103
には放物面鏡が用いられている。ランプ102の発光領
域の形状はほぼ円筒状で、光軸方向の発光領域(アー
ク)の長さは約4ミリである。このランプ102は、発
光領域がリフレクタ103の焦点付近に位置し、発光領
域の中心軸がリフレクタ103の光軸にほぼ一致するよ
うに配置されている。
【0120】ホログラム素子105は、実光束発生手段
110によって照明光学部104から出力され、第1の
蠅の目レンズ182を介した光束とほぼ等価な波面を有
する光束を生じさせるとともに、理想光束発生手段11
1によって平行光束が第1の蠅の目レンズ182を介し
た光束、またはこれと等価な光束を生じさせることによ
り作製されている。
【0121】レンズ193は、第2の蠅の目レンズ18
3の各微小レンズによってレンズ193の入射面に重ね
合わされた光束を平行光束にして画像表示素子192に
入射させるようになっている。
【0122】画像表示素子192は、画素ごとに入射光
の反射角を変化させ、投射レンズ107に入射する光量
を変化させることにより表示を行うようになっている。
【0123】上記のように構成されることにより、第1
の蠅の目レンズ182から出力された光束が、ホログラ
ム素子105によって、正確に第2の蠅の目レンズ18
3の各微小レンズ(有効領域)に入射する光束に変換さ
れる。すなわち、ホログラム素子105が設けられてい
ない場合には、ランプ102の発光領域がある程度の大
きさを有していることに起因して、第2の蠅の目レンズ
183の各微小レンズに入射しない光束が生じがちであ
るのに対し、ホログラム素子105が設けられているこ
とにより、正確な平行光束(平面波)が第1の蠅の目レ
ンズ182を介した場合とほぼ等価な波面を有する光束
に変換され、確実に第2の蠅の目レンズ183の各微小
レンズに入射する。すなわち、ランプ102から発せら
れるほとんど全ての光束を第2の蠅の目レンズ183の
有効領域に入射させることができ、光量ロスを低減して
光利用効率を向上させることができる。具体的には、例
えば画像表示素子としてマイクロカラーフィルタを有し
ないモノクローム画像の表示用のものを用いる場合、従
来の構成では投射効率が4ルーメン/ワットであったの
に対し、上記のようにホログラム素子105を用いる場
合には8ルーメン/ワットの投射効率を得ることができ
る。
【0124】(実施の形態1−)前記実施の形態1−
7の構成に、さらに偏光変換素子202が設けられた画
像表示装置の例を説明する。
【0125】この画像表示装置には、図18に示すよう
に、インテグレータ184を構成する第2の蠅の目レン
ズと画像表示素子106との間に、偏光変換素子202
と集光レンズ203とが設けられている。なお、画像表
示素子106としては例えば透過型液晶パネルが用いら
れ、ランプ102として100Wの超高圧水銀ランプ、
リフレクタ103として放物面鏡が用いられている。
【0126】上記偏光変換素子202は、例えば図19
に示すように、1対の三角柱状プリズムが接合された複
数の角柱体204がさらに平板状に接合されるととも
に、1つおきの角柱体204ごとに偏波面回転手段20
5が設けられて構成されている。上記3角柱状プリズム
の接合面には偏光分離膜206が形成されている。この
偏光分離膜206は、例えば誘電体の多層膜により構成
され、入射した無偏光光の例えばP偏光光(偏光方向が
同図の紙面に平行な偏光)を透過させ、S偏光光(偏光
方向が同図の紙面に垂直な偏光)を反射させるようにな
っている。また、偏波面回転手段205は、入射した光
束の偏波面をほぼ90°回転させる機能を有し、一般的
には位相差が入射波長のほぼ半分の光学的異方性を有す
る光学材料で構成される。
【0127】上記偏光変換素子202は、偏波面回転手
段205が設けられていない角柱体204がそれぞれイ
ンテグレータ184の第2の蠅の目レンズ183を構成
する各レンズに対応するように配置され、第1の蠅の目
レンズ182により各第2の蠅の目レンズに集光された
光束が上記第2の蠅の目レンズに対応した角柱体204
に入射するようになっている。上記角柱体204に入射
した光束は、P偏光光だけが偏光分離膜206を透過し
て出射される一方、S偏光光は偏光分離膜206によっ
て反射され、隣接する角柱体204の偏光分離膜206
で反射後、偏波面回転手段205によりP偏光光に変換
されて出力されるようになっている。すなわち、偏光変
換素子202からは、ランプ102からの無偏光光がP
偏光光に揃えられた光束が出射される。
【0128】ここで、第1の蠅の目レンズ182は、入
射した光束を第2の蠅の目レンズ183を介して上記偏
波面回転手段205が設けられていない角柱体204に
集光させる必要があるが、ホログラム素子105が設け
られていることにより、ランプ102の発光領域が大き
いなどの場合でも、第1の蠅の目レンズ182により確
実に上記のように集光させることができるため、偏光変
換素子202による投射効率向上効果を一層大きくして
明るい画像を表示させることができる。
【0129】すなわち、従来の画像表示装置では、例え
ばランプ102として出力が100ワットで発光領域が
1.45ミリの球状とかなり小さいものを用いても、偏
光変換素子202を設けない場合に比べて1.5倍程度
に明るくなる程度に過ぎず、発光領域が数ミリと大きい
ような高出力ランプを用いる場合には偏光変換素子20
2の有無による投射効率の増大程度はさらに小さくな
り、せいぜい1.2倍程度明るくなる程度であった。こ
れに対して、上記のようにホログラム素子105が設け
られていることにより、前記のようにホログラム素子1
05を通過した光束の波面がほぼ平面波となるため、大
部分の光束を第2の蠅の目レンズ183を介して所定の
角柱体204だけに入射させることができるので、偏光
変換素子202が設けられていない場合に比べて、例え
ば1.8倍明るくすることが可能となった。しかも、発
光領域が大きい例えば400ワットのメタルハライドラ
ンプや2キロワットのキセノンランプなどを用いても、
ホログラム素子105から出力される光束の波面は点光
源を用いた場合の光束の波面とほぼ等しいため、偏光変
換素子202を設けることによる投射効率の大幅な向上
効果を得ることができる。具体的には、上記キセノンラ
ンプを用いた場合でも投射効率を5ルーメン/ワットと
高くすることが可能となり、1万ルーメンの高光出力の
画像表示装置を構成することができた。
【0130】同様の効果は、種々の偏光変換素子を用い
たり、他の位置に偏光変換素子を配置したりした場合で
も得ることができる。例えば偏光変換素子202を第1
の蠅の目レンズ182のランプ102側に配置する特開
平8−234205号公報や、特開平6−202094
号公報の図4(B)等に開示された偏光変換素子を用い
る場合にも同様の効果を得ることができる。
【0131】(実施の形態2−1)インテグレータから
出力される光束を平行光束に変換する反射型のホログラ
ム素子が設けられた画像表示装置の例を説明する。
【0132】画像表示装置211には、図20に示すよ
うに、実施の形態1−1等と同様にランプ102、およ
びリフレクタ103から成る照明光学部104と、第1
の蠅の目レンズ212、第2の蠅の目レンズ213、お
よび折り返しミラー214から成るインテグレータ21
5とが設けられている。上記インテグレータ215は、
実施の形態1−7のインテグレータ184と同様の機能
を有し、投射画像の明るさの均一性が確保されるように
なっている。インテグレータ215から出力された光束
は、ダイクロイックミラー152,153によって3原
色の光束に分離され、後に詳述する反射型のホログラム
素子216〜218を介して、赤、緑、青の画素に対応
する液晶パネル219〜221に入射して輝度変調され
た後、ダイクロイックミラー160,161により色合
成され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射されるようになっている。
【0133】上記画像表示素子219〜221は、各画
素に対応して微小なレンズが形成されたマイクロレンズ
と、各画素ごとに透過する光の光量を制御する液晶パネ
ルとを備え、マイクロレンズに入射した光を液晶パネル
の有効領域に集光させるようになっている。
【0134】ホログラム素子216〜218は、インテ
グレータ215からダイクロイックミラー152,15
3を介して入射した光束を平行光束に変換し、画像表示
素子219〜221に出力するようになっている。それ
ゆえ、マイクロレンズに入射した光束は確実に液晶パネ
ルの有効領域に集光され、上記入射したほとんど全ての
光が利用されるので、実質的な開口率を大幅に増大させ
て投射効率および投射画像の明るさの均一性を向上させ
ることができる。
【0135】具体的には、例えば対角寸法が1.3イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約5
6%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は5ルーメン/ワット
であり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効率は
6ルーメン/ワットであったのに対し、上記のようにさ
らにホログラム素子216〜218を設けることによ
り、8ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることがで
きた。これは、実質的な開口率が56%から約90%に
向上したことに相当する。また、同じ大きさで画素数の
多い液晶パネル、例えば1280×1024画素、また
はそれ以上の画素(例えば1920×1080画素)の
ものを用いても、投射効率はほとんど変わらなかった。
さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回転手段と
を有する偏光変換素子を設けることによって、12ルー
メン/ワットという極めて高い投射効率を実現すること
が可能となった。
【0136】上記のようなホログラム素子216〜21
8は、前記実施の形態1−1のホログラム素子105と
同様にして作製することができる。すなわち、参照光と
しての、実際の画像表示装置211においてホログラム
素子216〜218に入射する光束と等価な波面を有す
る光束と、物体光としての、画像表示素子219〜22
1に入射させようとする平行光束と等価な波面を有する
光束との2光束干渉縞を、フォトポリマー等のホログラ
ム材料に記録することにより作製される。
【0137】具体的には、例えば緑色用のホログラム素
子217を作製する場合、図21に示すように、インテ
グレータ215、ダイクロイックミラー152,15
3、およびホログラム材料217’を実際の画像表示装
置211と同様の光路が形成されるように配置し、レー
ザ231から出力されるレーザ光をビームビームイクス
パンダ232によってビーム幅を広げた後、ビームスプ
リッタ233によって2つの光束V,Wに分離し、光束
Vを折り返しミラー234を介してインテグレータ21
5に入射させる一方、光束Wを直接ホログラム材料21
7’に入射させる。ここで、レーザ光の波長は、実際の
画像表示装置211でホログラム素子に入射する各3原
色の波長帯域に含まれるもの(この場合は緑色)である
ことが望ましく、この場合には、ホログラム素子の回折
効率に対する波長分散の影響を最小限に抑え、ホログラ
ム素子の回折効率を高くすることができる。これによ
り、実際にホログラム素子217が配置される位置で入
射される光束の波面と等価な波面を有する光束と平面波
との2光束干渉縞が形成され、画像表示装置211のダ
イクロイックミラー153による色分離後の光束が入射
したときに、平行光束に変換して画像表示素子220に
出力するホログラム素子217が得られる。
【0138】なお、実際の画像表示装置に集光レンズや
リレーレンズ、偏光変換素子などが設けられる場合に
は、これらの要素も光束Vの光路中に配置すればよい。
【0139】また、上記のほか、前記実施の形態1−1
で説明したような種々の構成によってホログラム素子2
16〜218を作製することができる。
【0140】以上述べたように、本発明の画像表示装置
は、色分離後の照明光束を本発明に係るホログラム素子
216〜218を介して画像表示素子に入力せしめるこ
とによって、投射効率を改善することに特徴を有するも
ので、画像表示素子の光変調材料の種類、光変調方式、
及び駆動素子を形成する材料、駆動方式のいずれを問わ
図5に示した構成の画像表示装置と同様の効果を得る
ことができる。
【0141】また、光学系の構成も上記構成に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に則り様々な変形が可能
である。
【0142】(実施の形態2−2)輝度変調された各色
の光束の合成にダイクロイックプリズムが用いられる例
を説明する。
【0143】この画像表示装置231は、図22に示す
ように、実施の形態2−1の画像表示装置211に比べ
て、主として、ダイクロイックミラー160,161に
代えてダイクロイックプリズム235が設けられている
が異なる。
【0144】すなわち、ランプ102からインテグレー
タ215を介してダイクロイックミラー152に白色の
光束が入射すると、入射光束のうち、赤色成分の光束は
反射され、緑色、青色の光束は透過する。赤色光束は折
り返しミラー233,234を介して、反射型のホログ
ラム素子216へ入射し、略平行光束に変換された後、
表示画像の赤色成分を表示する画像表示素子(液晶パネ
ル)219に入射して輝度変調される。また、前記ダイ
クロイックミラー152を透過した緑色光束および青色
光束は、折り返しミラー232を介してダイクロイック
ミラー153に入射し、緑色光束が反射され、青色光束
のみ透過する。上記緑色光束、および青色光束は、それ
ぞれ反射型のホログラム素子217,218によって反
射される際に、略平行な光束に変換され、表示画像の各
色成分を表示する画像表示素子(液晶パネル)220,
221に入射して輝度変調される。輝度変調された各色
の光束は、ダイクロイックプリズム235によって色合
成され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射される。
【0145】上記のような画像表示装置231において
も、実施の形態2−1と同様に、ランプ102からの出
力光束が、インテグレータ215等を介して伝搬される
平行ではない光束が、ホログラム素子216〜218に
よって略平行な光束に変換された後、画像表示素子21
9〜221に入射し、マイクロレンズによって液晶パネ
ルにおける各画素の開口部にのみ光を入射させることが
可能となるため、実効的な開口率を極めて高くすること
が可能となる。
【0146】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約4
0%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は3.6ルーメン/ワ
ットであり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効
率は4.3ルーメン/ワットであったのに対し、上記の
ようにさらにホログラム素子216〜218を設けるこ
とにより、8ルーメン/ワットと高い投射効率を得るこ
とができた。これは、実質的な開口率が40%から約9
0%に向上したことに相当する。また、同じ大きさで画
素数の多い液晶パネル、例えば1280×1024画
素、またはそれ以上の画素(例えば1920×1080
画素)のものを用いても、投射効率はほとんど変わらな
かった。さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回
転手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、
12ルーメン/ワットという極めて高い投射効率を実現
することが可能となった。
【0147】(実施の形態2−3)反射型のホログラム
素子によって反射されずに透過した光束も有効に利用し
得る画像表示装置の例を説明する。
【0148】画像表示装置241は、図23に示すよう
に、実施の形態2−2の画像表示装置231に比べて、
主として、ホログラム素子216〜218の裏面側に全
反射ミラー242,243またはダイクロイックミラー
245が設けられている点が異なる。
【0149】すなわち、ランプ102からインテグレー
タ215を介してダイクロイックミラー244に白色の
光束が入射すると、入射光束のうち、青色成分の光束は
透過し、他の波長帯域の光束(赤色成分および緑色成分
すなわち黄色の光束)は反射される。
【0150】青色光束は主に青色用ホログラム素子21
8により反射されるとともに平行光束に変換された後、
青色用の画像表示素子(液晶パネル)221に入射して
輝度変調される。また、ホログラム素子218によって
反射されずに透過した青色光束は、全反射ミラー243
によって反射され、再度青色用のホログラム素子218
を透過して、やはり画像表示素子221に入射する。す
なわちホログラム素子218を透過した光束も有効に利
用される。
【0151】また、ダイクロイックミラー244で反射
された黄色光束のうちの緑色光束は、緑色用のホログラ
ム素子217により反射されるとともに平行光束に変換
された後、緑色用の画像表示素子220に入射して輝度
変調される。また、ホログラム素子217によって反射
されずに透過した緑色光束は、ダイクロイックミラー2
45によって反射され、再度緑色用のホログラム素子2
17を透過して、やはり画像表示素子220に入射す
る。
【0152】さらに、ダイクロイックミラー245を透
過した赤色光束は、光路長補償用のリレーレンズ24
6,248および全反射ミラー247を介して赤色用の
ホログラム素子216に入射し、主に反射されるととも
に平行光束に変換された後、赤色用の画像表示素子21
9に入射して輝度変調される。また、ホログラム素子2
16によって反射されずに透過した赤色光束は、全反射
ミラー242によって反射され、再度赤色用のホログラ
ム素子216を透過して、やはり画像表示素子219に
入射する。
【0153】上記輝度変調された各色の光束は、ダイク
ロイックプリズム235によって色合成され、投射レン
ズ107によって図示しないスクリーンに拡大投射され
る。
【0154】上記のように、ホログラム素子216〜2
18の裏面側に全反射ミラー242,243またはダイ
クロイックミラー245が設けられることにより、各ホ
ログラム素子216〜218によって平行光束として反
射されずに各ホログラム素子216〜218を透過した
光束の大部分を画像表示素子219〜221に入射させ
ることができる。このような光束は、平行光束には変換
されないが、画像の投射に利用されるので、単にホログ
ラム素子216〜218だけを用いる場合に比べて一層
高い投射効率を得ることができる。
【0155】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約4
0%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、マイクロレンズもホログラム素子216〜
218も用いない場合の投射効率は3.6ルーメン/ワ
ットであり、マイクロレンズだけを用いた場合の投射効
率は4.3ルーメン/ワットであったのに対し、上記の
ようにさらにホログラム素子216〜218を設けるこ
とにより、10ルーメン/ワットと高い投射効率を得る
ことができた。これは、実質的な開口率が40%から約
90%に向上したことに相当する。また、同じ大きさで
画素数の多い液晶パネル、例えば1280×1024画
素、またはそれ以上の画素(例えば1920×1080
画素)のものを用いても、投射効率はほとんど変わらな
かった。さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回
転手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、
12ルーメン/ワットという極めて高い投射効率を実現
することが可能となった。
【0156】なお、ホログラム素子217の裏面側に設
けるミラーとしては、赤色光束を透過させる必要がある
ので、上記のように緑色反射、かつ赤色透過型のダイク
ロイックミラーを用いる必要があるのに対し、ホログラ
ム素子216,218の裏面側に設けるミラーとして
は、上記のように全反射ミラー(通常はアルミニウム薄
膜をガラス基板上に成膜し、場合によっては増反射コー
トを施したもの)を用いてもよいし、赤色光束または青
色光束を反射するダイクロイックミラーを用いてもよ
い。
【0157】また、上記のようにホログラム素子の裏面
側に反射ミラーを設ける構成は、前記実施の形態2−1
や実施の形態2−2、また、以下の画像表示装置などに
適用してもよく、やはり、投射効率をさらに高くするこ
とができる。
【0158】(実施の形態2−4)画像表示素子とし
て、反射型で偏光変調型の液晶表示パネルを用いるとと
もに、白色光束の色分離にもダイクロイックプリズムを
用いた画像表示装置の例を説明する。
【0159】本実施の形態2−4の画像表示装置259
では、図24に示すように、実施の形態2−1〜2−3
で説明した画像表示装置と同様に、ランプ102からの
出力光束をリフレクタ103で反射し、反射後の出力光
束を第1の蠅の目レンズ212および第2の蠅の目レン
ズ213を介して画像表示素子260〜262へ伝搬さ
せるようになっている。
【0160】第2の蠅の目レンズ213と画像表示素子
260〜262の間には、色分離のためのダイクロイッ
クプリズム263、ホログラム素子264〜266およ
びPBS(偏光ビームスプリッタ)267〜269が設
けられている。すなわち、ランプ102からの白色の出
力光束は、ダイクロイックプリズム263によって、
赤、緑、青の3原色の光束に色分離され、色分離された
各光束は、対応するホログラム素子264〜266によ
って所望の光束に変換され、PBS267〜269によ
って所定の偏波面を有する直線偏光光が反射型の画像表
示素子260〜262へ入射して、偏光方向が変調され
るようになっている。
【0161】画像表示素子260〜262で偏光方向が
変調された各原色の光束は、再度PBS267〜269
を介して可視化され、投射レンズ107によりスクリー
ン(不図示)上に拡大投射される。
【0162】上記ホログラム素子264〜266は、実
施の形態2−1と同様に、基本的に参照光束と物体光束
との2光束干渉縞を例えばフォトポリマー等の一般的な
ホログラム材料に記録して作製することができる。ここ
で、ホログラム素子264〜266は、入射光束が変換
されて出力される光束が実施の形態2−1〜2−3と同
様に略平行光束になるようにしてもよいし、またはPB
Sの偏光分離特性が大幅に低下しない程度の入射角の小
さな収束光束になるようにしてもよい。これによって、
以下に示す理由により、装置の小型化を図りつつ、高
効率と高コントラストの両立を実現することができ
る。
【0163】一般に、ランプ、リフレクタ、集光レン
ズ、リレーレンズ、インテグレータ、偏光変換素子等に
よって構成される照明光学系のF値と、投射レンズのF
値とは概ね一致するように設定されるが、このF値が小
さいほど投射効率が高くなる一方、液晶パネルおよびP
BSに入射する光束の最大入射角が大きくなる。ここ
で、PBSは、一般にガラス基板に誘電体多層膜を形成
して、入射光がP偏光光とS偏光光とに分離されるよう
に構成されるが、その偏光分離特性は入射光の入射角に
依存し、設計時の基準入射角からずれるに従って偏光分
離特性が低下する。それゆえ、上記のように反射型の液
晶パネルを用いた画像表示装置では、上記F値が小さい
とコントラストの低下を招きがちになる。そこで、コン
トラストを改善するために、照明光学系のリレーレンズ
によって上記入射角が小さくなるようにする場合には、
いわゆる幾何光学における輝度不変の原理によって、照
明面積が大きくなるため、画面サイズの大きな液晶パネ
ル等を用いる必要があり、装置の大型化を招くことにな
る。これに対して、本実施の形態2−4のようにホログ
ラム素子を用いることによって、PBSの偏光分離特性
が大幅に低下しないように入射角が小さくなるようにし
ても、照明面積が小さくなるようにすることができる。
それゆえ、画面サイズの小さな液晶パネルを用いて装置
の小型化を図りつつ、投射効率が高く、かつコントラス
トの低下しない画像表示装置を構成することができる。
【0164】具体的には、例えば対角寸法が0.9イン
チで1024×768の画素が形成された開口率が約7
5%の液晶パネルと、100Wの超高圧水銀ランプとを
用いた場合、ホログラム素子264〜266を用いない
画像表示装置では、コントラストを確保するために投射
レンズ107および照明光学系のF値を4とすると、投
射効率は約2ルーメン/ワットで、コントラストは20
0:1であり、F値を3にすると、4ルーメン/ワット
と明るくできるが、コントラストは100:1に低下し
た。これに対し、上記のようにホログラム素子216〜
218を設けることにより、F値を5と大きくしても約
4.3ルーメン/ワットの投射効率を実現でき、かつF
値が大きい(PBSに対する入射角が小さい)ためコン
トラストを800:1に向上させることができた。
【0165】なお、上記画像表示素子260〜262と
しては、液晶パネルに限らず、入射した直線偏光光をそ
の偏光方向を変調後反射して出力する偏光変調型で反射
型の画像表示素子であればよく、光変調材料や、光変調
の方式、画素の駆動方式などに制約はない。
【0166】また、本実施の形態2−4で構成した画像
表示装置は、PBSを3個使用する3PBS方式である
が、PBSを1個使用する1PBS方式も構成できる。
【0167】また、投射画像のコントラストを向上させ
るためにPBSと本発明のホログラム素子との間に前置
偏光子(PPBS)を設置してもよい。
【0168】(実施の形態2−5)光軸に対して互いに
異なる角度で配置されたダイクロイックミラーと、マイ
クロレンズアレイ等が形成された画像表示素子とを有す
る単板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0169】この画像表示装置280には、図25に示
すように、2枚のダイクロイックミラー281,282
と、1枚の全反射ミラー283と、各ダイクロイックミ
ラー281,282または全反射ミラー283の表面側
に設けられたホログラム素子284〜286とを有する
色分離手段287、および入射した光束の光路を入射角
に応じて異ならせる光路変換手と液晶パネルとを有する
画像表示素子288が設けられている。この画像表示装
置280の基本的な構成および動作は、「日経エレクト
ロニクス」1995年1月30日号169頁173頁
や、特開平8−292506号公報、または特開平9−
105899号公報の図14等に記載されているものと
同様で、上記ホログラム素子285〜287を備えてい
る点が異なる。
【0170】すなわち、ダイクロイックミラー281,
282および全反射ミラー283は、それぞれ光軸に対
して互いに異なる角度で配置されて、ランプ102から
の白色の出力光束が赤、緑、青の3原色の光束に色分離
され、色分離された各光束は、互いに異なる入射角で画
像表示素子288の光路変換手段に入射するようになっ
ている。ただし、この画像表示装置280では、ホログ
ラム素子284〜286を透過した光束だけが上記のよ
うにダイクロイックミラー281等によって反射される
ようになっているが、この点に関しては後述する。ま
た、光路変換手段としては、例えばマイクロレンズアレ
イや、ホログラムレンズアレイ、シリンドリカルレンズ
等が用いられ、入射した光束をその入射角に応じて、そ
れぞれ液晶パネルにおける互いに異なる色に対応した画
素に入射させるようになっている。
【0171】上記のような構成により、ランプ102か
らリフレクタ103およびインテグレータ215を介し
て色分離手段287に白色の光束が入射すると、入射光
束のうち、青色成分の光束は、青色用のホログラム素子
284により反射されるとともに平行光束に変換された
後、画像表示素子288に入射する。ホログラム素子2
84によって反射されずに透過した青色光束は、青色光
束反射用のダイクロイックミラー281によって反射さ
れ、再度青色用のホログラム素子284を透過して、や
はり画像表示素子288に入射する。
【0172】同様に、緑色成分の光束は、青色用のホロ
グラム素子284および青色光束反射用のダイクロイッ
クミラー281を透過した後、緑色用のホログラム素子
285により反射されるとともに平行光束に変換されて
画像表示素子288に入射し、ホログラム素子285を
透過した緑色光束は、緑色光束反射用のダイクロイック
ミラー282によって反射され、やはり画像表示素子2
88に入射する。
【0173】また、赤色成分の光束も、青色用および緑
色用のホログラム素子284,285と、青色光束反射
用および緑色光束反射用のダイクロイックミラー28
1,282を透過した後、赤色用のホログラム素子28
6により反射されるとともに平行光束に変換されて画像
表示素子288に入射し、ホログラム素子286を透過
した赤色光束は、全反射ミラー283によって反射さ
れ、やはり画像表示素子288に入射する。
【0174】画像表示素子288の光路変換手段に入射
した各色の光束は、それぞれの入射角に応じて、液晶パ
ネルにおける互いに異なる色に対応した画素に入射して
輝度変調され、投射レンズ107によって図示しないス
クリーンに拡大投射される。ここで、ホログラム素子2
84〜286によって反射された各色の光束は、上記の
ように平行光束に変換されているため、それぞれ液晶パ
ネルにおける各色に対応した画素の有効領域に確実に集
光される。それゆえ、実効的な開口率を極めて高くする
ことができるとともに、各原色の光束の一部が、他の原
色に対応する画素に入射することによる、いわゆるクロ
ストークを最小限に抑制することが可能となる。したが
って、光学系の構成が簡略で、低コストであるという単
板式の特徴を活かしつつ、混色のない鮮明な画像を表示
させることができ、しかも、投射効率および投射画像の
明るさの均一性を向上させることができる。
【0175】具体的には、例えば対角寸法が1.3イン
チで640×480×3の画素が形成された開口率が約
40%の液晶パネル288と、100Wの超高圧水銀ラ
ンプとを用いた場合、ホログラム素子284〜286を
用いない場合の投射効率は高々1.5ルーメン/ワット
であったのに対し、上記のようにホログラム素子284
〜286を設けることにより、単板式でありながら、4
ルーメン/ワットと高い投射効率を得ることができた。
また、さらに、照明光学系に偏光分離手段と偏波面回転
手段とを有する偏光変換素子を設けることによって、8
ルーメン/ワットという極めて高い投射効率を実現する
ことが可能となった。
【0176】(実施の形態3−1)第1の蠅の目レンズ
と第2の蠅の目レンズを有するインテグレータに代え
て、回折光学素子が設けられた画像表示装置の例を説明
する。
【0177】この画像表示装置は、図26に示すよう
に、ランプ102、リフレクタ103、回折光学素子3
01、非球面の補助レンズ302、画像表示素子30
3、および投射レンズ107が設けられて構成されてい
る。すなわち、上記ランプ102から発せられた光束
は、リフレクタ103で反射されて回折光学素子301
に入射し、後述する回折光学素子301の回折領域30
1aごとに回折した光束が補助レンズ302を介して画
像表示素子303の画像表示領域上に重畳されて輝度変
調され、投射レンズ107によって図示しないスクリー
ンに拡大投射されるようになっている。
【0178】ランプ102としては、例えば定格出力が
120ワットの超高圧水銀ランプが用いられる。なお、
上記のランプに限らず、実施の形態1−1で説明したよ
うな種々のものを用いることもできる。ここで、ランプ
102の発光領域は小さい方がより好ましいが、発光領
域が比較的大きい場合でも、本発明の相対的な効果は得
られるので、例えば高出力キセノンランプや、高出力メ
タルハライドランプのように発光体が数ミリ程度と大き
いランプを用いてもよい。
【0179】リフレクタ103としては、例えば放物面
鏡が用いられるが、楕円面鏡や球面鏡などを用いてもよ
い。ランプ102が設けられる位置は、放物面鏡の場合
には、その焦点近傍にランプ102の発光領域が位置す
るように設定することが好ましく、楕円面鏡の場合には
第1焦点近傍に、球面鏡の場合には球の中心近傍に位置
するように設定することが好ましい。
【0180】補助レンズ302は、画像表示素子303
への入射光束のテレセントリック性を確保し、投射レン
ズの設計上の負担を小さくするため、すなわちF値等の
制約を緩和するために設けられるもので、投射レンズの
F値に設計上の余裕があれば必ずしも設けなくてもよ
い。
【0181】回折光学素子301は、図27に示すよう
に、光軸方向から見たときの外形が、リフレクタ103
から入射する光束の断面形状に対応した円形で、その内
部領域は、画像表示素子303の画像表示領域と相似な
矩形形状の複数の回折領域301a…に区分けされてい
る。この回折領域301aは、それぞれ、前記のように
入射した光束を回折させて、画像表示素子303の画像
表示領域のほぼ全面にわたって入射させるようになって
いる。すなわち、各回折領域301aから出力された光
束が画像表示素子303上で重畳されることにより、表
示画像における中央部と周辺部となどでの光量むらの低
減が図られる。
【0182】なお、各回折領域301aの形状は、必ず
しも画像表示素子303と相似な矩形形状でなくてもよ
く、また互いに同一の大きさや形状でなくてもよい。ま
た、回折領域301aの大きさや数は、図26および図
27においては便宜上模式的に描かれているが、特に限
定されるものではない。すなわち、各回折領域301a
から出力された光束が、画像表示素子303の画像表示
領域上で概ね重畳されるようになっていれば、光量むら
低減の効果が得られる。ただし、一般に、回折領域30
1aの数を多くする方が、投射画像の明るさの均一性を
より向上させることができ、また、矩形変換効率(矩形
開口率)を高くして投射効率を高くし、より明るい画像
を表示させることができる。また、微小領域301aの
形状が画像表示素子301の形状と相似形である方が、
各回折領域301aからの出力光束を画像表示素子30
3上に重畳させるように作製することが比較的容易にな
る。また、矩形の回折領域301aの周辺部の領域30
1bにもそれぞれ回折作用を生じさせるようにして、画
像表示素子303上の一部の領域に光束を重畳させるよ
うにしてもよい。この場合には、実質的な矩形変換効率
を100%にすることができ、より明るい画像を表示さ
せることが可能となる。
【0183】また、各回折領域301aごとに、画像表
示素子303における回折光学素子からの出力光束が入
射する領域を若干ずらすようにして、投射画像の明るさ
の均一性を一層向上させるようにしてもよい。
【0184】回折光学素子301の具体的な回折構造と
しては、例えば断面形状が鋸刃状に形成された表面レリ
ーフ型の回折格子を適用することができる。また、鋸歯
形状に限らず、鋸歯形状を階段状で近似したマルチレベ
ルの回折格子などとしてもよい。上記鋸刃形状等は、光
学上の計算などにより決定することができる。
【0185】上記のような回折光学素子301は、例え
ば電子ビーム描画法を用いた一般的な半導体プロセス等
により作製可能であり、また大量生産が容易なことか
ら、従来の蠅の目レンズを用いたインテグレータと比べ
てその製造コストを容易に1/10以下程度にすること
ができる。それゆえ、投射レンズ107とともに光学系
要素の大半の製造コストを占めるインテグレータが安価
になることにより、画像表示装置全体の製造コストを例
えば従来の6割程度にまで抑えることが容易にできる。
【0186】また、回折光学素子301は、以下の実施
の形態3−4で説明するような2光束干渉縞によるホロ
グラム素子を形成することによって作製してもよい。
【0187】画像表示素子303としては、例えば透過
型液晶パネルなど、透過型の種々のものを用いることが
できる。ここで、例えば特開平1−281426号公報
や、特開平3−140920号公報、特開平4−251
221号公報等に多数開示されているように、各画素に
対応したマイクロレンズを備え、画像表示素子への入射
光束を画素の開口部(有効領域)近傍に収束させること
によって実効的な開口率の増加を図ったものを用いても
よい。例えば装置の小型化を図るなどのためにリフレク
タ103の開口形状を小さく設定した場合でも高い投射
効率(光利用効率)得ることができる。すなわち、従
来の蠅の目レンズを用いたインテグレータでは、第1の
蠅の目レンズの各単体レンズと、第2の蠅の目レンズの
各単体レンズとが対応するように設けられる。ところ
が、リフレクタの開口形状が小さいと、リフレクタから
出力される光束の平行光からのズレが大きくなりがちで
ありこの場合、蠅の目レンズの各単体レンズ間でクロ
ストークが生じやすくなる。それゆえ、第1レンズアレ
イの像が画像表示素子よりもかなり大きくなり、画像表
示素子を有効に照明できなかった。
【0188】これに対して、上記のように回折光学素子
301を用いた場合には、回折光学素子301の各回折
領域301aによる回折光束が直接液晶表示素子に入射
するため、2つの蠅の目レンズを用いる場合のようなク
ロストークが生じることはなく、したがって、リフレク
タから出力される光束の平行光からのズレが多少大きく
なっても画像表示素子303における照明領域が若干ず
れたり広がったりする程度にすぎない。しかも、マイク
ロレンズによる実質的な開口率の増大効果は適切に得ら
れるので、高い投射効率が得られる。また、リフレクタ
から出力される光束の平行度が低い光源、すなわち、発
光領域が比較的大きいランプを用いる場合には、理想的
な平行光束が出力されるとした場合に画像表示素子が照
明される領域を画像表示領域よりも小さく設定し、出力
光束が平行光束でないことによるずれ等によって画像表
示素子の全体が照明されるようにしてもよい。
【0189】上記のように、蠅の目レンズを有するイン
テグレータに代えて回折光学素子を用いることにより、
表示画像における中央部と周辺部となどでの光量むらを
確実に低減できるとともに、投射効率を向上させること
ができる。投射効率に関しては、例えば従来の画像表示
装置では投射効率が高々5ルーメン/ワット程度である
のに対して、上記画像表示装置では7.5ルーメン/ワ
ットと高い効率を得ることができた。
【0190】また、表示画像の明るさの低下を招くこと
なくリフレクタの開口形状を小さくすることができるの
で、画像表示装置の小型化を容易に図ることもできる。
具体的には、例えば従来の通常のリフレクタの開口径が
100mm程度であるのに対して50mm程度にするこ
とができ、光軸方向の寸法も従来の約1/2程度にする
ことができる。さらに、投射レンズのF値を小さくし、
回折光学素子と画像表示素子との距離を短くして、より
一層小型化を図ることも容易にできる。
【0191】(実施の形態3−2)実施の形態3−1と
同様の回折光学素子を用いた画像表示装置であって、光
源光を赤、緑、青の3原色の光に色分解し、それぞれの
色の光に対応した3枚の透過型の画像表示素子を用いて
フルカラー画像を表示する、いわゆる3板方式の画像表
示装置の例を説明する。
【0192】本実施の形態3−2における画像表示装置
は、図28に示すように、ランプ102の出力光束を、
リフレクタ103で反射後、回折光学素子301を介し
て画像表示素子314〜316の照明光束とするように
なっている。回折光学素子301は実施の形態3−1と
同様のものである。すなわち、複数の回折領域が形成さ
れ、各回折領域の出力光束が、それぞれダイクロイック
ミラー317,318により3原色に分離された後、各
色の画像を表示する画像表示素子314〜316上で重
畳されるようになっている。
【0193】より詳しくは、回折光学素子301から出
力された白色光束の中で、ダイクロイックミラー317
により青色成分の光束のみが透過し、他の波長成分は反
射される。青色成分の光束は反射ミラー319を介して
青色画像表示用の画像表示素子314へ入射する。ダイ
クロイックミラー317の反射光の中で、緑色成分はダ
イクロイックミラー318により反射されて緑色用の画
像表示素子315へ入射する。赤色成分は、リレーレン
ズ320,321、及び反射ミラー322,323を介
して赤色表示用の画像表示素子316に入射する。各画
像表示素子314〜316に入射した各色の光束は、輝
度変調された後、色合成のためのダイクロイックプリズ
ム324により合成され、投射レンズ107によりスク
リーン(不図示)上に拡大投影される。
【0194】なお、図29に示すように、ダイクロイッ
クプリズムを用いず、ダイクロイックミラー339,3
40によって色合成するようにしてもよい。すなわち、
ランプ102の出力光束をリフレクタ103で集光後、
実施の形態3−1と同様の回折光学素子301で各回折
領域ごとに回折させて分離し、各回折領域の出力光束を
ダイクロイックミラー333,334および反射ミラー
335を介して画像表示素子314〜316上で重畳し
て輝度変調し、画像表示素子314〜316の出力光束
をダイクロイックミラー339,340および反射ミラ
ー341からなる色合成系により合成して、投射レンズ
107によりスクリーン(不図示)上に拡大投射するこ
とにより同様にフルカラー画像が表示される。
【0195】本実施の形態3−2における画像表示装置
でも、実施の形態3−1と同様に、従来の高価な1対の
蠅の目レンズに代えて、安価な回折光学素子を用いてイ
ンテグレータを構成することにより、製造コストの増大
を大幅に抑制できるとともに、投射効率を向上させ、さ
らに、リフレクタの外径寸法を小さくすることができ、
画像表示装置の薄型化、軽量化を図ることができる。
【0196】なお、回折光学素子301は、上記のよう
にランプ102とダイクロイックミラー317,333
との間に設けてもよいが、ダイクロイックミラー31
7,333と画像表示素子314等との間に設けるよう
にしてもよい。
【0197】また、リフレクタとして、以下の実施の形
態3−3のような楕円面鏡を用いたり、球面鏡を用いた
り、また、回折光学素子として、実施の形態3−4のよ
うなホログラム素子を用いたりしてもよい。
【0198】(実施の形態3−3)リフレクタに楕円面
鏡を用いた画像表示装置の例を説明する。
【0199】この画像表示装置は、図30に示すよう
に、実施の形態3−1の画像表示装置(図26)と比べ
て、放物面鏡であるリフレクタ103に代えて楕円面鏡
であるリフレクタ353が設けられている点と、回折光
学素子301および投射レンズ107に代えて、リフレ
クタ353からの反射光束が収束光束であることに対応
した回折光学素子351および投射レンズ357が設け
られている点が異なり、その他の構成および作用は同様
である。すなわち、楕円面鏡であるリフレクタ353の
第1焦点にランプ102の発光領域が配置される場合、
リフレクタ353からの反射光束は概ね第2焦点に集光
される。回折光学素子351は、上記反射光束の経路上
に設置されるため、回折光学素子351の上記反射光束
が入射する領域、すなわち回折光束が出射する領域の直
径は、リフレクタ353の外径(開口径)よりも小さく
なる。それゆえ、回折光学素子351の外径を小さくす
ることができるとともに、画像表示素子303に入射す
る回折光束の最大入射角を小さくすることができるの
で、投射レンズ357として、F値が大きく製造コスト
の安価なものを用いることができる。
【0200】なお、回折光学素子351に複数の回折領
域が形成され、各回折領域の出力光束が画像表示素子上
で重畳されるように構成されている点や作製方法も実施
の形態3−1と同様である。
【0201】また、投射効率を向上させ得る効果など
ついては、前記実施の形態3−1と同様である。
【0202】また、ランプ102の発光領域が比較的大
きい場合には、リフレクタ353からの反射光束は1点
に集光せず、第2焦点の前後に集光される成分が多くな
り、画像表示素子303上で重畳される光源の像にズレ
(例えば回折像)を生じる。そこで、反射光束の集光度
が悪い場合には、このズレを当初から見込んで、各回折
領域における回折光束が画像表示素子303を照明する
面積が小さくなるように設定、第2焦点へ集光する光束
からずれた光束によりそれ以外の部分が照明されるよう
にしてもよい。
【0203】(実施の形態3−4)回折光学素子とし
て、2光束干渉露光やCGH(Computer Generated Hol
ogram)によって作製されるホログラム素子を用いた画
像表示装置の例を説明する。
【0204】この画像表示装置は、図31に示すよう
に、実施の形態3−1の画像表示装置(図26)と比べ
て、回折光学素子301に代えて、ホログラム素子36
1が設けられている点と、ランプ102およびリフレク
103の光軸(照明光学系の光軸)が、ホログラム素
子361および投射レンズ107等の光軸(投射光学系
の光軸)と所定の角度をなすように構成されている点と
が異なり、その他の構成および作用は同様である。
【0205】上記ホログラム素子361は、位相型の体
積ホログラムとし、リフレクタ103からの反射光束が
例えば30°の入射角で入射するように設定されてい
る。これは高次回折光をなくして透過型ホログラムの回
折効率を高くするためである。また、ホログラム素子3
61をその法線方向から見たときの外形は、図32に示
すようにx軸方向に長軸を有する楕円形に形成されてい
る。これは、一般にそうであるように、リフレクタ10
3からの出力光束は円形であるため、照明光学系の光軸
投射光学系の光軸とが平行でない場合には、ホログラ
ム素子361に投影される円形像が同図に示すような楕
円形となるからである。
【0206】ホログラム素子361の内部領域には、実
施の形態3−1のホログラム素子301と同様に、複数
の矩形の回折領域361a…が形成されている。この矩
形の各回折領域361aの形状は、画像表示素子303
画像表示領域と相似になるように形成されている。図
32においては、画像表示素子303が16(水平方
向):9(垂直方向)のアスペクト比を有するいわゆる
ハイビジョン(HDTV)画像を表示するようになって
いる場合の例を表している。
【0207】なお、実施の形態3−1で説明したのと同
様に、上記回折領域361aの形状は、必ずしも画像表
示素子303に対応した形状でなくてもよく、また互い
に同一の大きさや形状でなくてもよい。すなわち、回折
領域361aの大きさや形状、また、数は、特に限定さ
れず、各回折領域361aから出力された光束が、画像
表示素子363の画像表示領域上で概ね重畳されるよう
になっていれば、光量むら低減の効果が得られる。
【0208】なお、本実施の形態3−4のように照明光
学系の光軸と投射光学系の光軸とが平行でない場合で
も、当然ながら表面レリーフ型の回折光学素子を用いる
こともできる。
【0209】次に、上記ホログラム素子361の作製方
法について説明する。
【0210】ホログラム素子361は、電子ビーム描画
などにより、計算された干渉縞をフォトレジストに記録
して作製することなども可能であるが、ここではフォト
ポリマーなどを干渉縞で露光することによって作製する
場合について説明する。
【0211】一般にホログラム素子は可干渉な2光束
(参照光と物体光)を干渉させ、発生した干渉縞を、フ
ォトポリマーなどの記録材料に、露光によって記録する
ことにより作製される。参照光としては、リフレクタか
らの出力光束と略等しい光束を用いればよい。例えば上
記のようにリフレクタ103に放物面鏡を用いる場合に
は、実際の照明光学系における光軸と平行な角度で平行
光を入射すればよい。また、物体光としては、各回折領
域361aを形成しようとする領域から画像表示素子3
03の表示領域全面にわたって入射し、画像表示素子3
03上で重畳されるような光路の光束が用いられる。
【0212】以下、図33に基づいて具体的に説明す
る。図33は、ホログラム材料371の回折領域が形成
されるべき1つの領域371aに干渉縞を記録する場合
の干渉露光系の配置図である。
【0213】ホログラム素子361を作製するためのホ
ログラム材料371としては、前記実施の形態1−1で
示したような種々のものを用いることができる。
【0214】レーザ372から出力された平行光束L
は、ハーフミラー373により透過光Mと反射光Nとに
2分されるようになっている。
【0215】透過光Mは、ミラー374、およびマスク
375における、ホログラム材料371の領域371a
に対応して設けられた開口部375aを介して、所定の
入射角でホログラム材料371の領域371aに参照光
として入射する。上記所定の入射角とは、実際に構成す
る画像表示装置におけるリフレクタ103の光軸(回転
放物面鏡の回転軸)とホログラム素子361の法線とが
なす角度と等しい角度である。
【0216】一方、反射光Nは、集光レンズ376によ
って、マスク375の開口部375aを通過後に補助レ
ンズ372を介して画像表示素子373の表示領域と概
ね同一な領域を照明する光束に変換され、ホログラム材
料371の領域371aに物体光として入射する。
【0217】上記のようにしてホログラム材料371に
入射した2つの光束によって形成される干渉縞をホログ
ラム材料371に記録することにより、1つの回折領域
が形成され、これを各回折領域ごとに順次繰り返すこと
によって、前記のようなホログラム素子361が作製さ
れる。
【0218】ホログラム素子361を作製する別の方法
について説明する。
【0219】この方法では、参照光については上記の場
合と同様であるが、物体光を生成するために、図34に
示すようにレンズアレイ381が用いられる。このレン
ズアレイ381には、それぞれホログラム材料371の
回折領域が形成されるべき各領域371aに対応したレ
ンズ381aが形成されている。各レンズ381aは、
それぞれ、上記ホログラム材料371の各領域371a
に対する前記の方法の集光レンズ376と同様な作用を
するようになっている。
【0220】ここで、ホログラム材料371の露光は、
前記の方法のようにマスク375を用いるなどして各領
域371aごとにするようにしてもよいが、図34に示
すようなマスク382を用いることにより複数の領域3
71aに対して同時に露光を行うことができる。上記マ
スク382には、それぞれレンズアレイ381の各レン
ズ381a、およびホログラム材料371の各領域37
1aに対応した開口部382aが形成され、ホログラム
材料371における、各レンズ381aを介した物体光
の入射する領域が、概ね、それぞれ互いに重ならず、か
つ隙間があかないように形成されている。
【0221】なお、以下に説明する実施の形態3−5の
ようにリフレクタとして放物面鏡ではなく楕円面鏡を用
いる画像表示装置の場合には、参照光として、平行な光
束ではなく、実際の照明光学系において第2焦点に集光
する光束と等価な光束を用いればよい。このような光束
は、リフレクタの光軸上(上記透過光Mの光路中)に所
定の屈折パワーを有するレンズを配置することによって
容易に得ることができる。
【0222】また、前記実施の形態1−1で説明したよ
うな種々の方法により、参照光や物体光を生成して各回
折領域361aを形成するようにしてもよい。
【0223】(実施の形態3−5)図35に示すよう
に、回折光学素子として、ホログラム素子391を用い
るとともに、リフレクタに楕円面鏡353を用いるよう
にしてもよい。
【0224】すなわち、ランプ102からの出力光束が
楕円面鏡からなるリフレクタ353によりその第2焦点
へと集光される経路上に、回折領域391aが形成され
たホログラム素子391を配置すればよい。これによ
り、ホログラム素子391の各回折領域391aからの
回折光束は、補助レンズ302(省略可能)を介して画
像表示素子303へと入射する。画像表示素子303の
出力光束は投射レンズ357によりスクリーン(不図
示)上へ拡大投射される。
【0225】上記ホログラム素子391は、前記実施の
形態3−4で説明したように、参照光として、上記リフ
レクタ353からの第2焦点に集光する反射光束と等価
な光束を参照光として用いることにより作製することが
できる。
【0226】上記のような画像表示装置においても、実
施の形態3−3の画像表示装置と同様に、ホログラム素
子391を第2焦点に近づけて配置し小さくできるよう
にすることで、画像表示素子303へ入射する照明光束
の最大入射角度が小さくなることによる製造コストの低
減や、画像表示素子303のマイクロレンズのゲインの
増大などによる投射効率の向上効果が得られる。
【0227】(実施の形態3−6)図36に示すよう
に、反射型のホログラム素子401を用いるようにして
もよい。
【0228】この反射型のホログラム素子401として
は、例えば、いわゆる体積ホログラムが用いられる。こ
のホログラム素子401は、その法線が照明光学系の光
軸および投射光学系の光軸と例えば45°の角度をなす
ように配置されるが、回折領域401aが形成され、各
回折領域401aから出力される回折光が画像表示素子
303上で重畳されるようになっている。このようなホ
ログラム素子401も、前記実施の形態1−1や実施の
形態3−3で説明したような方法によって作製すること
ができる。また、リフレクタとして、実施の形態3−5
と同様に楕円面鏡を用いたり球面鏡を用いるなどしても
よい。
【0229】(実施の形態3−7)回折光学素子として
ホログラム素子を用いるとともに、色分離および色合成
にダイクロイックプリズムを用い、画像表示素子として
透過型の表示素子を用いてフルカラー画像を表示する3
板方式の画像表示装置の例を説明する。
【0230】この画像表示装置は、図37に示すよう
に、ランプ102の白色出力光束が、リフレクタ103
により集光され、ミラー414により反射された後、色
分離のためのダイクロイックプリズム415に入射し、
3原色の光束に分離されるようになっている。各色に分
離された光束は、実施の形態3−6と同様の複数の回折
領域が形成された反射型のホログラム素子416〜41
8に入射し、各回折領域で回折された光束が、ミラー4
19〜421を介して透過型の画像表示素子422〜4
24上で重畳されて輝度変調され、ダイクロイックプリ
ズム425によって合成された後、投射レンズ107に
よって図示しないスクリーンに拡大投射されるようにな
っている。
【0231】上記のような画像表示装置においても、製
造コストの低減や、投射効率の向上効果が得られる。
【0232】なお、各ホログラム素子416〜418
は、その回折効率の波長分散のピークが、入射する光束
の波長帯域の中に含まれるようにすることでより一層高
い効率を実現することができる。具体的には、ホログラ
ム作成時のレーザ光として、その波長が、それぞれ入射
する各原色の波長帯に含まれるものを用いるなどすれば
よい。
【0233】また、リフレクタとしては、放物面鏡に限
らず、楕円面鏡や、球面鏡などを用いてもよい。
【0234】また、ホログラム素子に代えて、実施の形
態3−1で示したようなレリーフ型の回折光学素子を用
いてもよい。
【0235】(実施の形態3−8)画像表示素子として
反射型の表示素子を用いている点が前記実施の形態3−
7と異なる画像表示装置の例を説明する。
【0236】この画像表示装置は、図38に示すよう
に、ランプ102の白色出力光束が、リフレクタ103
により集光され、ミラー414により反射された後、色
分離のためのダイクロイックプリズム415に入射し、
3原色の光束に分離されるようになっている。各色に分
離された光束は、実施の形態3−6と同様の複数の回折
領域が形成された反射型のホログラム素子416〜41
8に入射し、各回折領域で回折された光束が、PBS4
31〜433を介して反射型の画像表示素子434〜4
36上で重畳されて輝度変調され、再度PBS431〜
433を介してダイクロイックプリズム425により合
成された後、投射レンズ107によって図示しないスク
リーンに拡大投射されるようになっている。
【0237】上記のような反射型の画像表示素子434
〜436としては、偏光型の画像表示素子であって、電
気書き込み型または光書き込み型の反射型液晶パネルな
どを用いることができる。
【0238】このように構成された場合でも、製造コス
トの低減や、投射効率の向上等の効果は同様である。
【0239】(実施の形態3−9)実施の形態3−2
(図28)の構成に、さらに偏光変換素子が設けられた
画像表示装置の例を説明する。
【0240】この画像表示装置は、図39に示すよう
に、ランプ102からの出力光束が、例えば放物面鏡の
リフレクタ103により略平行な反射光束として出力さ
れ、同図の紙面に垂直な方向に長手方向をそろえて配置
された偏光変換素子444のシリンドリカルレンズアレ
イ441によりスリット状に集光されてシリンドリカル
レンズ441の焦点近傍で細長いスリット状に結像する
ようになっている。偏光分離素子442および偏波面回
転手段443は、上記焦点近傍に配置され、リフレクタ
103からの反射光束の偏光方向が特定の方向に揃えら
れた光束が出力されるようになっている。その出力光路
の経路上に、複数の回折領域が形成された回折光学素子
301が設けられている。その他の構成は実施の形態3
−2(図28)と同様である。
【0241】この画像表示装置では、上記偏光変換素子
444によって偏光方向が変換される点を除き、実施の
形態3−2(図28)と同様にして、投射画像の明るさ
の均一性が高い画像が表示される。
【0242】上記のようにインテグレータとしての機能
を有する回折光学素子301と偏光変換素子444とを
組み合わせることにより、より一層高い投射効率を実現
することができる。
【0243】なお、実施の形態3−2(図29)のよう
にダイクロイックミラーによって色合成する構成に偏光
変換素子を組み合わせても、同様の効果が得られる。
【0244】(実施の形態3−10)この実施の形態
−10の画像表示装置は、図40に示すように、前記実
施の形態3−2で示したのと同様の回折光学素子301
を備えた画像表示装置に、さらに、前記実施の形態1−
1等で説明したホログラム素子105と同様の機能を有
する反射型のホログラム素子399と、が設けられて構
成されている。その他の構成は、実施の形態3−2と同
様である。これにより、ランプ102の発光領域がある
程度の大きさを有している場合や、リフレクタ103と
して放物面鏡や楕円面鏡、球面鏡などの何れを用いた場
合でも、ホログラム素子399によって、リフレクタ1
03からの反射光束が理想的な点光源と所望のリフレク
タとを用いた場合と同様の平行光束や収束光束に変換さ
れるので、高い投射効率を得ることができ、高い投射効
率を得ることができるとともに、回折光学素子301に
形成された各回折領域から出力された光束が画像表示素
子314〜316上で重畳されるので、表示画像におけ
る中央部と周辺部となどでの光量むらを低減することが
できる。
【0245】なお、ホログラム素子399としては、実
施の形態1−1等と同様の透過型のものを用いたりして
もよい一方、回折光学素子301として反射型のものを
用いたりしてもよい。
【0246】また、液晶表示素子としても、図15や図
24で示したような構成などを用いて反射型のものを使
用するようにしてもよい。
【0247】また、さらに、実施の形態1−9で説明し
た偏光変換素子などを設けて、一層投射効率を高くでき
るようにしてもよい。
【0248】なお、上記の各例では画像表示素子として
液晶パネルを用いているが、この液晶パネルは、
【0249】
【0250】
【0251】
【0252】例えば特開平1−281426、特開平3
−140920、特開平4−251221等に多数開示
されているように、各画素に1つのマイクロレンズを配
置し、入射光束を画素の開口部近傍に収束せしめること
で実効的開口率を増加せしめる機能を有するものを用い
てもよく、また、光変調材料、光変調の方式、及び画素
の駆動方式に制約はない。
【0253】すなわち、ツイストネマティック液晶(以
下TN液晶と略記する)をはじめとして、垂直配向液晶
(以下VA液晶と略記する)等の種々の液晶材料、ある
いは電気光学効果を有する光学結晶などの光学的異方性
を有している光学材料を用いた偏光型画像表示素子を用
いることもできる。
【0254】また、偏光型画像表示素子だけではなく、
高分子分散型液晶(以下、PDLCと略記する)を用い
て入射光束を散乱することで画像を表示する散乱型画像
表示素子を用いることもできる。
【0255】また、例えば特願平7−284759に開
示されているような回折型の画像表示素子や、いわゆる
DMD素子と呼ばれる光偏向型の画像表示素子なども用
いることができる。
【0256】また、各画素に駆動素子を形成するアクテ
ィブマトリックス方式(以下、AM方式と略記する)、
単純な行列電極で直接素子を駆動する単純(パッシブ)
マトリックス方式(以下、PM方式と略記する)のいず
れの駆動方式の画像表示素子も用いることができる。
らに素子の駆動としては、TFTだけではなく薄膜ダイ
オード(以下、TFDと略記する)を用いた画像表示素
子を用いることができる。また、TFT、TFD等の駆
動素子を形成する材料として、高温多結晶シリコン(以
下、高温p−Siと略記する)、低温多結晶シリコン
(以下、低温p−Siと略記する)、アモルファスシリ
コン(以下、a−Siと略記する)を用いた画像表示素
子を用いることもできる。
【0257】また、ランプとして、メタルハライドラン
プ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、超高圧水銀ラン
プ等を使用することができる。発光体は小さい方がより
好ましいが、本発明においては、特に発光体が小さくな
ければならないわけではなく、例えば高出力キセノンラ
ンプや、高出力メタルハライドランプのように発光体が
数ミリと大きいランプを用いてもかまわない。
【0258】本発明における集光手段に相当するリフレ
クタとしては、放物面鏡、楕円面鏡、球面鏡を用いるこ
とが好ましい。その際放物面鏡の場合には焦点近傍に、
楕円面鏡の場合には第1焦点近傍に、球面鏡の場合には
球の中心近傍にランプ102の発光体を設置することが
好ましい。
【0259】また、色合成系にダイクロイックミラー
用いたが、ダイクロイックプリズムを用いて色合成系を
構成しても良い。また、色合成系を用いずに、3枚の液
晶パネルからの出力光束を、各々対応する3本の投射
ンズを用いて投射し、スクリーン上で合成しても良い。
また、色分解系にダイクロイックプリズムを用いること
も可能である。
【0260】また、画像表示素子が液晶パネルのように
偏光型の場合には、本発明の照明光学系において、偏光
分離手段と、偏波面回転手段からなる偏光変換素子を付
加することによって、より一層の投射効率の改善も可能
となる。偏光変換素子としては例えば、特開平5−10
7505号公報、特開平6−202094号公報、特開
平7−294906号公報、特開平8−234205号
公報、特開平9−105936号公報等に開示されてい
るように、偏光分離手段と、偏波面回転手段の組み合わ
せから構成されるあらゆる偏光変換素子を用いることが
できる。いずれの偏光変換素子を用いた場合にあって
も、基本的な光学系の構成及び前述回折光学素子の作
製方法は変わらない。
【0261】また、各実施の形態1−1〜3−10で示
した種々の構成を組み合わせるようにしてもよい。
【0262】尚、本発明の回折光学素子及び該回折光学
素子を用いた画像表示装置は、本発明の主旨に則り、種
々の変形が可能であり、実施の形態1−1〜3−10
構成した実施例に限定されるものではない。
【0263】
【発明の効果】本発明によれば、発光体の大きなランプ
の出力光束を小さな発光体からの出力光束に変換するこ
とができるので、照明光学系の集光効率を飛躍的に向上
させることができる。
【0264】さらに、発光体の大きさに起因する集光光
学系の収差の影響により発生していたインテグレータ及
び偏光変換素子の集光効率、もしくは偏光変換効率のロ
スを最小限に抑えることが可能となり、均一で、明るい
(投射効率の高い)画像を表示できる。
【0265】また、ランプの出力を大きくし、同時にラ
ンプの発光体が大きくなっても投射効率を下げることが
ないので、極めて高輝度な画像を表示することができ
る。
【0266】また、本発明のホログラム素子では、画像
表示装置に用いる照明光学系の略平行光束ではない照明
光束を、略平行光束に変換することが可能となる。
【0267】また、該ホログラム素子を用いた本発明の
画像表示装置では、マイクロレンズを形成した画像表示
素子へ入射する光束を略平行光束に変換できるため、マ
イクロレンズに入射した光束の大部分を画素の開口部へ
集束できるので、実効的な開口率を100%に近づける
ことが可能となり、明るい画像を表示することができ
る。
【0268】その際、インテグレータ、またはインテグ
レータと偏光変換素子を組み合わせた照明光学系におい
ても、本発明に係るホログラム素子は照明光学系の出力
光束を略平面波に変換することができるので、マイクロ
レンズアレイの開口率を実効的に高くする機能は損なわ
れず、均一性が高いだけではなく、より一層投射効率の
高い、明るい画像表示装置を構成することが可能であ
る。
【0269】また、反射型の液晶パネルを用いた画像表
示装置にあっては、F値を小さくしても集光効率を高く
することができるため、小さい液晶パネルを用いても、
コントラストが高く、かつ高い投射効率を実現すること
が可能となった。
【0270】さらに、単板式において、本発明に係るホ
ログラム素子をダイクロイックミラーと組み合わせるこ
とによって、単板式でありながら高い投射効率を実現す
ることが可能となった。
【0271】また、本発明の回折光学素子を用いた画像
表示装置により、従来高価な蠅の目レンズを2枚用いて
いた画像表示装置を安価に構成できる。同時にコンパク
トで、軽量化も図ることができる。特に、回折光学素子
を小さくすることにより、各画素に対応するマイクロレ
ンズ形成した画像表示素子を用いた場合には、従来の光
学系に比べてマイクロレンズ導入による実効的開口率増
加を高くすることができる。また、従来の偏光変換素子
と組み合わせることで、より一層高い投射効率を実現で
き、明るい画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の投射型画像表示装置の構成図である。
【図2】 従来の他の投射型画像表示装置の構成図であ
る。
【図3】 従来の投射型画像表示装置に用いるインテグ
レータを示す構成図である。
【図4】 従来の投射型画像表示装置に用いる偏光変換
素子を示す構成図である。
【図5】 実施の形態1−1で構成した画像表示装置の
構成図である。
【図6】 画像表示装置に用いるホログラム素子を作製
するための光束の照明方法を示す図である。
【図7】 画像表示装置に用いるホログラム素子を作製
するための他の光束の照明方法を示す図である。
【図8】 画像表示装置に用いるホログラム素子を作製
するためのさらに他の光束の照明方法を示す図である。
【図9】 画像表示装置に用いるホログラム素子を作製
するための入射光束を発生させる原理図である。
【図10】 画像表示装置に用いるホログラム素子を作
製するための入射光束を発生させる他の原理図である。
【図11】 実施の形態1−2で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図12】 実施の形態1−3で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図13】 実施の形態1−4で構成した画像表示装置
の構成図である。
【図14】 実施の形態1−5で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図15】 実施の形態1−6で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図16】 実施の形態1−7で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図17】 実施の形態1−8で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図18】 実施の形態1−9で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図19】 同他の画像表示装置に用いる偏光変換素子
を示す図である。
【図20】 実施の形態2−1の画像表示装置の構成図
である。
【図21】 ホログラム素子を作製するための光学系の
構成図である。
【図22】 実施の形態2−2の画像表示装置の構成図
である。
【図23】 実施の形態2−3の画像表示装置の構成図
である。
【図24】 実施の形態2−4の画像表示装置の構成図
である。
【図25】 実施の形態2−5の画像表示装置の構成図
である。
【図26】 実施の形態3−1で構成した画像表示装置
の構成図である。
【図27】 回折光学素子の平面図である。
【図28】 実施の形態3−2で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図29】 実施の形態3−2で構成したさらに他の画
像表示装置の構成図である。
【図30】 実施の形態3−3で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図31】 実施の形態3−4で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図32】 回折光学素子の平面図である。
【図33】 ホログラム素子の作製方法の説明図であ
る。
【図34】 ホログラム素子の他の作製方法の説明図で
ある。
【図35】 実施の形態3−5で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図36】 実施の形態3−6で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図37】 実施の形態3−7で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図38】 実施の形態3−8で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図39】 実施の形態3−9で構成した他の画像表示
装置の構成図である。
【図40】 実施の形態3−10で構成した他の画像表
示装置の構成図である。
【符号の説明】101 画像表示装置 102 ランプ 103 リフレクタ 104 照明光学部 105 ホログラム素子 106 画像表示素子 107 投射レンズ 110 実光束発生手段 111 理想光束発生手段 111a 点光源 111b リフレクタ 112 ハーフミラー 113 ホログラム材料 121 リフレクタ 121a 開口部 122 模擬発光体 131 模擬発光面 141 リフレクタ 142 集光レンズ 143 リフレクタ 151 画像表示装置 152 ダイクロイックミラー 153 ダイクロイックミラー 154 全反射ミラー 155 コンデンサレンズ 156〜158 液晶パネル 159 全反射ミラー 160,161 ダイクロイックミラー 171 画像表示装置 172 全反射ミラー 174 レンズ 175,176 ダイクロイックミラー 177〜179 反射型液晶表示素子 181 画像表示装置 182 第1の蠅の目レンズ 183 第2の蠅の目レンズ 184 インテグレータ 191 画像表示装置 192 画像表示素子 193 レンズ 202 偏光変換素子 203 集光レンズ 204 角柱体 205 偏波面回転手段 206 偏光分離膜 211 画像表示装置 212 第1の蠅の目レンズ 213 第2の蠅の目レンズ 214 ミラー 215 インテグレータ 216 ホログラム素子 216〜218 ホログラム素子 217 ホログラム素子 218 ホログラム素子 219〜221 画像表示素子 231 画像表示装置 232 ミラー 233 ビームスプリッタ 234 ミラー 235 ダイクロイックプリズム 241 画像表示装置 242,243 全反射ミラー 243 全反射ミラー 244 ダイクロイックミラー 245 ダイクロイックミラー 246,248 リレーレンズ 247 全反射ミラー 259 画像表示装置 260〜262 画像表示素子 263 ダイクロイックプリズム 264〜266 ホログラム素子 267〜269 PBS 280 画像表示装置 281 ダイクロイックミラー 282 ダイクロイックミラー 283 全反射ミラー 284 ホログラム素子 285 ホログラム素子 286 ホログラム素子 287 色分離手段 288 画像表示素子 301 ホログラム素子 301 回折光学素子 301a 回折領域 301a 微小領域 301b 領域 302 補助レンズ 303 画像表示素子 314 画像表示素子 315 画像表示素子 316 画像表示素子 317 ダイクロイックミラー 318 ダイクロイックミラー 319 反射ミラー 320,321 リレーレンズ 322,323 反射ミラー 324 ダイクロイックプリズム 333,334 ダイクロイックミラー 335 反射ミラー 339,340 ダイクロイックミラー 341 反射ミラー 351 回折光学素子 353 リフレクタ 357 投射レンズ 361 ホログラム素子 361a 回折領域 363 画像表示素子 371 ホログラム材料 371a 領域 372 レーザ 373 ハーフミラー 374 ミラー 375 マスク 375a 開口部 376 集光レンズ 381 レンズアレイ 381a レンズ 382 マスク 382a 開口部 391 ホログラム素子 391a 回折領域 399 ホログラム素子 401 ホログラム素子 401a 回折領域 414 ミラー 415 ダイクロイックプリズム 416〜418 ホログラム素子 419〜421 ミラー 422〜424 画像表示素子 425 ダイクロイックプリズム 431〜433 PBS 434〜436 画像表示素子 441 シリンドリカルレンズ 441 シリンドリカルレンズアレイ 442 偏光分離素子 443 偏波面回転手段 444 偏光変換素子
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正10】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図20
【補正方法】変更
【補正内容】
【図20】
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
【手続補正12】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図30
【補正方法】変更
【補正内容】
【図30】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】変更
【補正内容】
【図32】
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図33
【補正方法】変更
【補正内容】
【図33】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図34
【補正方法】変更
【補正内容】
【図34】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図37
【補正方法】変更
【補正内容】
【図37】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図38
【補正方法】変更
【補正内容】
【図38】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/1335 530 G02F 1/1335 530 G03H 1/04 G03H 1/04

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、画像表示手段と、前記画像表
    示手段を照明する照明手段を備え、前記画像表示手段
    は、該画像表示手段に入射する前記照明手段からの照明
    光を変調し出力することで画像を表示し、前記照明手段
    は、少なくとも発光手段と、前記発光手段の出力光束を
    集光する第1の集光手段と、前記第1の集光手段の出力
    光束の波面を変換する第1の波面変換手段からなり、前
    記第1の波面変換手段は、前記第1の集光手段の出力光
    束の波面と略等価な第1の光束と、第2の光束を干渉せ
    しめて形成した第1のホログラム素子であることを特徴
    とする画像表示装置。
  2. 【請求項2】前記照明手段は、前記発光手段の出力光束
    を集光する第1の集光手段と、前記第1の集光手段の出
    力光束を伝搬する第2の集光手段と、前記第2の集光手
    段からの出力光束の波面を変換する第2の波面変換手段
    を具備し、前記第2の波面変換手段は、前記第2の集光
    手段の出力光束の波面と略等価な第1の光束と、第3の
    光束を干渉せしめて形成した第2のホログラム素子であ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置。
  3. 【請求項3】前記照明手段が、複数のレンズを2次元に
    アレイ状に配置して成る第1及び第2の蠅の目レンズか
    ら構成されるインテグレータを具備することを特徴とす
    る請求項1または2記載の画像表示装置。
  4. 【請求項4】前記画像表示手段が、偏光表示手段であ
    り、該偏光表示手段は、入射する前記照明手段からの照
    明光の中で、概ね特定の方向に偏向した偏光光を分離
    し、該偏光光を変調することで画像を表示することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像表示装
    置。
  5. 【請求項5】前記照明手段が、ランダム偏光光を概ね特
    定方向の偏光光に変換する偏光変換手段を具備すること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像表示
    装置。
  6. 【請求項6】前記第2の集光手段の最終出力手段が、前
    記第1の蠅の目レンズであることを特徴とする請求項2
    〜5のいずれかに記載の画像表示装置。
  7. 【請求項7】前記第2もしくは第3の光束は、前記発光
    手段の発光体より体積の小さな微小発光体からの出力光
    束又は該出力光束を反射鏡にて反射せしめた光束、もし
    くは該出力光束又は該光束を第3の集光手段により伝搬
    せしめた光束の波面と略等価であることを特徴とする請
    求項1〜6のいずれかに記載の画像表示装置。
  8. 【請求項8】前記第2の光束もしくは前記第3の光束
    は、略平面波もしくは該略平面波を第3の集光手段によ
    り伝搬せしめた光束の波面と略等価な波面を有する光束
    であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載
    の画像表示装置。
  9. 【請求項9】前記第2の集光手段の最終出力手段が前記
    第1の蠅の目レンズであり、前記第3の集光手段の最終
    出力手段が第3の蠅の目レンズであり、前記第3の蠅の
    目レンズと前記第2の蠅の目レンズが一対でインテグレ
    ータを構成することを特徴とする請求項2〜8のいずれ
    かに記載の画像表示装置。
  10. 【請求項10】前記反射鏡が、回転放物面鏡もしくは回
    転楕円面鏡もしくは球面鏡であることを特徴とする請求
    項1〜9のいずれかに記載の画像表示装置。
  11. 【請求項11】前記偏光変換素子は、少なくとも偏光分
    離手段と偏波面回転手段を具備してなり、かつ、前記偏
    光分離手段により分離された互いに概ね直交する偏波面
    の一方の偏波面を、前記偏波面回転手段が略90°回転
    せしめる構成であることを特徴とする請求項1〜10の
    いずれかに記載の画像表示装置。
  12. 【請求項12】前記ホログラム素子は、参照光束発生手
    段より発生された参照光束及び物体光束発生手段より発
    生された物体光束の2光束を干渉せしめて形成される干
    渉縞をホログラム材料に記録せしめることにより作製さ
    れ、2分されたレーザー光の一方を前記参照光束発生手
    段に入射せしめることにより前記参照光束を発生させ、
    該2分されたレーザー光の他の一方を前記物体抗争発生
    手段に入射せしめて前記物体光束を発生させることを特
    徴とするホログラム素子の製造方法。
  13. 【請求項13】前記参照光束発生手段が、反射鏡、及び
    所定の位置に静置された微小形状の第1の反射体を少な
    くとも備え、前記2分されたレーザー光の一方を反射鏡
    に設けた1つもしくは複数の透過孔より入射せしめて前
    記第1の反射体を照明し、前記第1の反射体からの反射
    もしくは散乱光束、及び該反射もしくは散乱光束を反射
    鏡にて再度反射せしめた光束のいずれかもしくは両者を
    前記参照光束とすることを特徴とする請求項12記載の
    ホログラム素子の製造方法。
  14. 【請求項14】前記物体光束発生手段が、反射鏡、及び
    所定の位置に静置された第2の反射体を少なくとも備
    え、前記レーザー光を反射鏡に設けた1つもしくは複数
    の透過孔より入射せしめて前記第2の反射体を照明し、
    前記第2の反射体からの反射もしくは散乱光束、及び該
    反射もしくは散乱光束を反射鏡にて再度反射せしめた光
    束のいずれかもしくは両者を前記物体光束とすることを
    特徴とするホログラム素子の製造方法であって、前記第
    2の反射体の形状が、前記画像表示装置に用いる前記発
    光手段の発光体の形状と略等しいことを特徴とする請求
    項12記載のホログラム素子の製造方法。
  15. 【請求項15】前記第2の反射体の大きさを複数回にわ
    たって小さく、もしくは大きくすることで複数回にわた
    って異なる物体光束を発生せしめ、複数の該物体光束と
    前記参照光束を干渉せしめ前記ホログラム材料に多重記
    録せしめることを特徴とする請求項12〜14のいずれ
    かに記載のホログラム素子の製造方法。
  16. 【請求項16】前記物体光束発生手段が、入射レーザー
    光束を特定の立体角内に出力する発散光束発生手段であ
    ることを特徴とする請求項12または13記載のホログ
    ラム素子の製造方法。
  17. 【請求項17】前記発散光束発生手段の出力光束が、前
    記画像表示装置においてホログラム素子に入射される光
    束と略等しいことを特徴とする請求項12、13、16
    のいずれかに記載のホログラム素子の製造方法。
  18. 【請求項18】前記発散光束発生手段、及び前記物体光
    束発生手段のいずれか一方もしくは両者が、1つもしく
    は複数の集光レンズ、及びインテグレータのいずれか一
    方もしくは両者を含むことを特徴とする請求項12〜1
    7のいずれかに記載のホログラム素子の製造方法。
  19. 【請求項19】前記参照光束発生手段、及び前記物体光
    束発生手段のいずれか一方もしくは両者が、前記参照光
    束もしくは前記物体光束を記録せしめたホログラムであ
    ることを特徴とする請求項12〜18のいずれかに記載
    のホログラム素子の製造方法。
  20. 【請求項20】異なる波長の複数のレーザー光を用い
    て、前記参照光束及び前記物体光束を発生せしめ、異な
    る波長により形成した複数の2光束干渉縞を前記ホログ
    ラム材料に多重記録することを特徴とする請求項12〜
    19のいずれかに記載のホログラム素子の製造方法。
  21. 【請求項21】物体光と参照光を干渉せしめて作成され
    るホログラム素子であって、前記物体光が略平行な光束
    (以下、物体光束と略記する)であり、前記参照光が発
    光手段から発せられる第1の光束を集光及び伝搬せしめ
    る照明手段からの出力光束と略等価な波面を有する光束
    (以下、参照光束と略記する)であることを特徴とする
    ホログラム素子。
  22. 【請求項22】前記照明手段は、少なくとも前記第1の
    光束を集光する集光手段と、前記集光手段により集光さ
    れた第2の光束を伝搬せしめる複数のレンズを2次元に
    アレイ状に配置してなる第1の蠅の目レンズ及び第2の
    蠅の目レンズを組み合わせたインテグレータを具備して
    いることを特徴とする請求項1記載のホログラム素子。
  23. 【請求項23】前記照明手段は、入射光束を偏波面が互
    いに直交する成分に分離する偏光分離手段と、分離され
    た偏光成分のいずれか一方の偏光成分の偏波面を略90
    度回転せしめる偏波面回転手段を具備することを特徴と
    する請求項1または2記載のホログラム素子。
  24. 【請求項24】前記ホログラム素子は、干渉稿を作成
    後、裏面に反射ミラーを設置していることを特長とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のホログラム素子。
  25. 【請求項25】前記反射ミラーは、特定の波長帯域の光
    束を選択的に反射せしめることを特長とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のホログラム素子。
  26. 【請求項26】少なくとも、前記ホログラム素子と、前
    記ホログラム素子を照明する前記照明手段と、前記ホロ
    グラム素子の出力光束を変調することで画像を表示する
    画像表示手段とを具備してなり、前記画像表示手段は各
    画素に対応するマイクロレンズを具備し、前記マイクロ
    レンズは、入射した光束を概ね画素の開口部分に収束せ
    しめる機能を有することを特徴とする画像表示装置。
  27. 【請求項27】前記照明手段は、白色入射光束を固有の
    波長帯域を有する3原色に分離する色分離手段を具備
    し、前記3原色の中の特定の原色の波長帯域に含まれる
    波長を有する前記物体光束及び参照光束で作成された前
    記ホログラム素子の出力光束が、対応する原色の画像信
    号を表示する前記画像表示手段の入射光束であることを
    特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
  28. 【請求項28】前記色分離手段は、特定の波長帯域の3
    原色を選択的に反射せしめるダイクロイックミラーであ
    り、かつ各ダイクロイックミラーの光入射側に、対応す
    るダイクロイックミラーが選択的に反射せしめる波長帯
    域に含まれる波長の物体光束及び参照光束によって形成
    された前記ホログラム素子を配置してなることを特長と
    する請求項6または7記載の画像表示装置。
  29. 【請求項29】少なくとも、前記ホログラム素子と、前
    記ホログラム素子を照明する前記照明手段と、前記ホロ
    グラム素子の出力光束を変調することで画像を表示する
    画像表示手段とを具備してなり、前記画像表示手段は、
    3原色の中から対応する原色の画像信号のみを表示する
    3つの画素を一組とする画素構造を有し、かつ一組の画
    素構造に対応する光路変換手段を具備していることを特
    長とする画像表示装置。
  30. 【請求項30】前記照明手段は、少なくとも色分離手段
    を具備し、前記色分離手段は、特定の波長帯域の3原色
    を選択的に反射せしめるダイクロイックミラーであり、
    かつ、各ダイクロイックミラーの光入射側に、対応する
    ダイクロイックミラーが選択的に反射せしめる波長帯域
    に含まれる波長の物体光束及び参照光束によって形成さ
    れた前記ホログラム素子を配置してなり、かつ前記照明
    光学系の光軸に対する各ダイクロイックミラーの傾角を
    各々異ならしめることで3原色毎に前記画像表示手段に
    入射する角度を異ならしめ、画像表示手段に形成された
    前記光路変換手段は、前記ホログラム素子及び前記ダイ
    クロイックミラーによって異なる方向から入射される各
    原色を、対応する原色の画像信号のみを表示する各画素
    の開口部に概ね集束せしめる機能を有することを特長と
    する請求項9に記載の画像表示装置。
  31. 【請求項31】前記光路変換手段は、マイクロレンズア
    レイ、回折光学素子、シリンドリカルレンズのいずれか
    であることを特徴とする請求項9または10記載の画像
    表示装置。
  32. 【請求項32】複数の微小領域からなる回折光学素子で
    あって、前記微小領域の出力光束は、前記回折光学素子
    の法線方向と所定の角度で交わる平面上で概ね互いに重
    なりあう光束であることを特徴とする回折光学素子。
  33. 【請求項33】前記回折光学素子は、物体光と参照光を
    干渉せしめて作成される複数の微小領域からなるホログ
    ラムであって、前記複数の微小領域の物体光は、前記ホ
    ログラムの法線方向と所定の角度で交わる平面上で概ね
    互いに重なりあう光束であることを特徴とする請求項1
    に記載の回折光学素子。
  34. 【請求項34】前記各微小領域の物体光が前記平面上で
    互いに概ね重なりあう形状は、矩形であることを特徴と
    する請求項1、2に記載の回折光学素子。
  35. 【請求項35】前記参照光は、前記ホログラムに所定の
    角度で入射する略平行光束であることを特徴とする請求
    項1、2、3に記載の回折光学素子。
  36. 【請求項36】前記参照光は、前記ホログラムに対し
    て、所定の角度で交わる光軸上の一点に概ね収束される
    収束光であることを特徴とする請求項1、2、3に記載
    の回折光学素子。
  37. 【請求項37】少なくとも、前記回折光学素子と、前記
    回折光学素子を照明する照明手段と、前記回折光学素子
    の出力光束を変調することで画像を表示する画像表示手
    段とを具備してなり、前記回折光学素子の出力光束は、
    前記画像表示手段上で互いに概ね重なり合い、かつ前記
    出力光束が互いに概ね重なり合った形状が、前記画像表
    示手段の画像表示領域と略等しい大きさの矩形であるこ
    とを特徴とする画像表示装置。
  38. 【請求項38】前記画像表示手段は各画素に対応するマ
    イクロレンズを具備しており、前記マイクロレンズは、
    入射した光束を概ね画素の開口部分に収束せしめる機能
    を有することを特徴とする請求項6に記載の画像表示装
    置。
  39. 【請求項39】前記回折光学素子の法線と、前記照明手
    段の光軸が平行ではなく、かつ前記照明手段からの出力
    光束が前記回折光学素子を照明する領域が略楕円形状で
    あって、前記楕円形状の長軸方向と、前記画像表示手段
    の画像表示領域の長手方向が概ね一致することを特徴と
    する請求項6、7に記載の画像表示装置。
  40. 【請求項40】前記照明手段が、無偏光な光束の偏光方
    向を、特定方向にそろえる機能を有する偏光分離手段及
    び偏波面回転手段を有することを特徴とする請求項6、
    7、8に記載の画像表示装置。
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JP2002022963A (ja) * 2000-07-12 2002-01-23 Dainippon Printing Co Ltd ホログラム偏光分離素子とそのホログラム偏光分離素子を用いた偏光分離色分離光学系
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