JP2001183605A - 回折、散乱をなす光学素子を使用した投光、表示装置 - Google Patents

回折、散乱をなす光学素子を使用した投光、表示装置

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JP2001183605A
JP2001183605A JP2000025452A JP2000025452A JP2001183605A JP 2001183605 A JP2001183605 A JP 2001183605A JP 2000025452 A JP2000025452 A JP 2000025452A JP 2000025452 A JP2000025452 A JP 2000025452A JP 2001183605 A JP2001183605 A JP 2001183605A
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hologram
incident
scattering
scattering screen
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JP2000025452A
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Yasunori Kuratomi
靖規 藏富
Akifumi Ogiwara
昭文 荻原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被照明物体を均一かつ高い光利用効率で照明
する照明装置及び色彩、視野特性、明るさとその均一性
に優れた画像を表示する装置等を安価に提供する。 【解決手段】 回折光学素子を使用する。特に、その入
射角度や波長による散乱異方性、回折効率の変化を利用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投光装置、特に回
折、散乱をなす薄膜光学素子を使用した画像投写装置や
画像表示装置や照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の技術の高度化のもと、シーンある
いはスクリーン等の中央部と周辺部で画像の明度が均質
な照明装置や照射領域の中央部と周辺部で光エネルギー
が均質な投光装置に対する要望が高くなり、このためか
かる要望を充たすための照明装置が種々開発され、また
提案されている。
【0003】次に、近年の液晶、レーザそしてこれに伴
うホログラム等の発達のもとで、回折、散乱等を利用し
て種々の機能、作用、効果をなす(あるいは、それらの
技術を利用した)薄膜光学素子が画像の投写装置に広く
採用されるようになってきている。
【0004】まず、シーン等被投光部の中央と周辺部の
照度が均一な照明あるいは投光装置について説明する。
【0005】明るく、均一に物体を照明する照明装置
は、液晶プロジェクタの照明光学系や、IC、LSI等
の半導体デバイス製造時に用いられる投影露光装置等に
おいて重要な役を担う。
【0006】そして、これらに用いられる照明装置で
は、例えば図の1(a)に示すように、光源からの光束
を一対の蠅の目レンズ(レンズアレイ)によるリレー光
学系を介して物体を照明するものである。すなわち、ラ
ンプ102からの光束は、リフレクタ103で反射され
た後、第1の蠅の目レンズ104へ入射する。その際、
ランプ(正確には発光体)102の像は、リフレクタ1
03及び第1の蠅の目レンズ104によって、第1の蠅
の目レンズ104の各微小レンズに対応する第2の蠅の
目レンズ105の各微小レンズ上に結像されるようにな
っている。更に、第2の蠅の目レンズ105の各レンズ
は、第1の蠅の目レンズ104を構成する各レンズの像
を被照明物(体)106上に結像する。
【0007】以上の構成により、第2の蠅の目レンズの
各レンズが被照明物体上に結像する像は、リフレクタか
ら出力される輝度分布の大きな出力光束を第1の蠅の目
レンズの各レンズにより分割し、それらを被照明物体上
に重ね合わせた結果となる。そして、この原理により、
被照明物体における中央部に対する周辺部の明るさを8
0%以上とすることが可能となる。
【0008】なおここに、蠅の目レンズを使用するの
は、図1の(b)に示すようにレフレクターからの反射
光は、その中心部若しくは光源対応部から離れた位置ほ
ど光源から離れるためどうしてもエネルギー密度が小さ
くなり、また中心部は光源が存在するためその影となる
こと等のため、そのままでは被投光面(物体)の中心と
周辺部とで明度あるいはエネルギー密度が不均一となる
のを補償するためである。
【0009】また、蠅の目レンズを2個使用するのは、
1個だけでは周辺がぼやける等して充分な補償が困難な
ことによる。
【0010】更にまた、より一層の補償をなすため、図
1の(c)に示すように蠅の目レンズ104を構成する
微小レンズ1041は被照明物体106と相似な形状と
なっているのが原則である。すなわち例えば、被照明物
体が画像表示用の通常のスクリーンならば、縦横比が3
対4、ハイビジョン用スクリーンならば9対16等であ
る。
【0011】その他、用途等にもよるが、蠅の目レンズ
は数cm角程度、微小レンズは数mm角程度、焦点距離
は50〜60mm程度等である。
【0012】ただし、これらの事項は、いわば周知技術
であるためこれ以上の説明は省略する。
【0013】また、液晶プロジェクタの照明光学系に用
いる場合には、インテグレータにより光利用効率をも向
上せしめることができる。なおこの場合には、図2に示
すように必要に応じて第2のレンズアレイ105と被照
明物体(液晶パネル等の画像表示素子)106の間に集
光を行なうコンデンサーレンズ107、色分解用ダイク
ロイックミラー、リレーレンズ、補助レンズ(いずれも
不図示)が配置されるが、インテグレータとしての基本
的機能は変わらない。
【0014】ところで、一般に、リフレクタにより反射
された光束は略円形であるが、被照明物体(この場合は
液晶パネル。本図1では106)は、例えば4対3ある
いは16対9等の矩形である。そのためそのままでは被
照明物体を照明する場合には、円形の光束は、円に内接
する該矩形の面積比しか有効に活用されないことにな
る。これを矩形変換効率と呼ぶ。そして、例えば上述の
4対3の矩形の物体の場合、矩形変換効率は約61%で
ある。そこでこれを向上させるため、特開平5−346
557号の図2に開示されているように、インテグレー
タの第1の蠅の目レンズに用いるレンズの開口形状を被
照明物体の形状と相似形の4対3とし、更に第1の蠅の
目レンズの円形に照明される有効領域の中の各微小レン
ズを密に形成して、約80%に向上させたりしている。
【0015】次に、同じくそのままでは光源からの光束
(光線)の中で有効に被照明物体を照明できるのは、反
射鏡により一度反射され第1のレンズアレイに入射した
光束だけである。何故ならば、光源から直接第1のレン
ズアレイを構成する微小レンズに入射した光束や開口部
に向かう光束は、第2のレンズアレイにおける対応する
微小レンズに入射できず、物体の照明に寄与しないから
である。
【0016】さてここで、光源の発光体を中心として反
射鏡により覆われている立体角を4πで除した値を鏡立
体角比と定義する。これは光源があらゆる方向に等しく
発光していると仮定した場合に、反射鏡により反射され
る光束と光源からの全光束との比を表す。そして、この
照明光学系における鏡立体角比は70%程度である。
【0017】そのため、例えばアイ・イー・イー・イー
トランザクションズ オン コンスーマーエレクトロ
ニクス、第43巻、第3号、1997年、801頁〜8
06頁(IEEE Transactions on
Consumer Electronics, Vo
l.43, No.3 AUGUST (1997),
pp801−806)に開示されているように2種類の
反射鏡を用いて、鏡立体角比を高くする試みもなされて
いる。この原理を図3を用いて説明する。
【0018】本図において、光源102は、従来より在
るレフレクタたる楕円面鏡103及び鏡立体角改善のた
めの球面鏡113により覆われており、楕円面鏡の焦点
及び球面鏡の中心は概ね光源の発光体の位置と一致させ
てある。そして、これにより従来楕円面鏡の開口部より
逃げていた光束は球面鏡により光源へ反射され、再度光
源から周囲に放出されるからである。
【0019】次に、薄膜光学素子を使用した画像の投写
装置について説明する。
【0020】近年のホログラフィックスクリーンの発
達、そしてこれに伴うにショールームや展示会若しくは
店舗等で人目を引くために画像をショウウィンドウや窓
等を兼ねたホログラフィックスクリーンに投写する装置
が多数開発されている(特開平5−88020号公報、
特開平9−33856号公報他)。これらはいずれも、
ホログラムを例えばショウウィンドウや窓等のガラスを
基板としてこれに張り付けてホログラフィックスクリー
ンを形成し、これに例えば斜めから画像(光)を投写
し、観察者の方向へこの画像(光)を回折させて画像を
表示するものである。この場合、ホログラムに特有の回
折効率の角度依存性、すなわち所定の角度以外から大き
くはずれた光束が入射すると回折効率が低下する現象を
利用して、画像を投写しない場合には観察者はガラスの
向こう側にある展示物を見ることができるため、暗室等
でなくある程度明るい人通り等での人目を引く広告媒体
として有用である。
【0021】また、ホログラフィックスクリーンの代わ
りに散乱異方性を有する光制御フィルムを用いることも
なされている。ここに、散乱異方性を有する光制御フィ
ルムとは、特定の角度範囲から入射する光を(大きく)
散乱し(より正確には、投射画像を人が明瞭に視認しう
る様に光を散乱し(結像し)、更にその結像光を反入射
側へ透過させる(注、完全な透明膜やこれに近い透明膜
等ならば光はそのまま通過するため投射画像は人に見え
ず、白壁なら光は後ろ側には透過しないため後ろからは
投射画像は人に見えない。)。ただし、誤解の恐れもな
く、一々正確に記載するのは煩雑となるので、単に「散
乱」と記す。)、それ以外の角度で入射する光を(ほぼ
そのまま)透過させるものである。
【0022】ただし、ホログラフィックの原理及びその
特徴等については、例えば 飼沼芳郎 著 「干渉およ
び干渉性(特に97〜105頁)」 共立出版刊、その
他久保田敏弘 著 「ホログラフィ入門」等に記載され
ている周知技術である。このため、それらについての説
明は省略する。
【0023】ところでこの光制御フィルムを用いた場合
には、像が最も明るく観察されるのが、例えば液晶プロ
ジェクタからなる投写型画像表示手段(なお、スクリー
ンが白布ならば通常の投写型画像表示手段と同じ作用を
なす)とスクリーンを結ぶ延長線上となる。つまり、斜
め下から画像を投写する場合には斜め上からスクリーン
をのぞき込む形となる。さて、このような従来のホログ
ラフィックスクリーンを用いた画像表示装置では、視野
域(観察者が画像を明るく良好に観察できる角度範囲)
を広げるために、物体光として例えば散乱光を用いる等
としている(特開平8−202248号公報)。
【0024】この場合、ホログラムに固有の波長依存性
により、干渉縞を露光するのに使用した波長(以下、
「主波長」と略記する)に対して最も回折効率が高くな
り、これからずれるに従って回折効率は低下する。更
に、散乱される角度が入射波長により異なる結果、白色
を表示しようとしてもどうしてもある程度色度が変わ
り、更に白色を表示可能な視野域が狭くなる。この様子
を図4の(a)に示す。本図において、711は投射光
であり、入はその入射主波長であり、入1はこれからず
れた波長である。入1と入の波長の相違のもと、ホログ
ラフィック700により異なる方向に回折している。
【0025】これを解決するため、ホログラムスクリー
ンでは異なる波長で多重露光を行うか、あるいは複数の
層を積層化することで各色の回折範囲を重ねなければな
らない。しかしながら赤、緑、青のいわゆる3原色を代
表する波長でホログラムを作成しても、実際の投写型画
像表示手段から入射する光に含まれるすべての光に対し
て視野域を良好に一致させることは困難である。それゆ
え、特に大画面化した場合の色再現性が悪く、左右で色
が異なる等の不都合が生じる。更に、多重露光などの手
間がかかるためホログラムスクリーンは非常に高価であ
る。
【0026】すなわち、従来のホログラフィックスクリ
ーンを用いた画像表示装置では、波長依存性や、角度依
存性を持つ回折という現象に基づき機能を発揮するた
め、明るく、色再現性の優れた大きな画像を表示するの
は困難であった。
【0027】更に、厳密には画像の投写技術ではない
が、ホログラムのような薄膜を使用した光制御素子は画
像表示装置の品位を向上させるための手段としての応用
も検討されている。例えば、エスアイディー98、ダイ
ジェスト、1139頁から1142頁(SID98DI
GEST、pp.1139−1142)に開示されてい
るように、反射型液晶表示装置においては、入射外光が
表面で反射して画像と同時に観察されるためコントラス
トの低下及び視認性の低下が生じうるが、これを改善す
るために外光入射面にホログラムを設置する等である。
【0028】さて、このホログラムでは、特定の角度か
ら入射する外光を回折し特定の方向に偏向せしめ反射型
液晶表示装置の入射光とする。そしてこれにより、反射
型液晶表示装置により変調後出力される画像と光入射側
の表面の直接反射光を分離するものである。更に、表示
画像を明瞭に観察できる範囲を広げるため、ホログラム
自身に散乱機能を持たせる場合もある(特開平8−20
2248号)。
【0029】ところで、ホログラムのみを用いた光制御
素子の場合には、どうしても画像の色再現性が悪く、原
画像に忠実な色調の表示が困難である。すなわち、ホロ
グラムは回折効率に波長依存性がある。このため、ホロ
グラムにより偏向され反射型画像表示装置の入射光とな
る回折光が、通常は太陽光、あるいは蛍光灯などのほぼ
白色光である外光と波長スペクトルが異なることによ
る。
【0030】例えば、ホログラムを緑色(例えば波長5
14.5ナノメートル)レーザ光で作成した場合、赤、
青色の回折効率が低下し緑色気味の入射光となる。この
ため、白色画像ならばどうしても緑気味になる。
【0031】これを解決するため、異なる波長(例えば
赤、緑、青のいわゆる3原色)で多重露光を行うか、あ
るいは複数の層を積層化することで各色の回折範囲を重
ねることが考えられる。しかし、多重露光の場合には形
成される干渉稿が複雑になり高い効率が実現できず暗い
画像となる。また、積層化すると高価で製作(製造)が
困難である。特に積層化して作成した透過型のホログラ
ムの場合には、回折効率の波長依存性が比較的緩やかに
変化するため、各層によって一つの原色のみを選択的に
対応させようとしても、他の色も同時に回折してしま
う。例えば赤色に対して作成したホログラムで緑、青色
も同時に回折され、このときこの2色は所望の方向から
異なる方向に回折するため、結果的に効率を落としてし
まうこととなる。
【0032】つまり投写型画像表示手段から入射するす
べての波長の光に対して、画像視認可能範囲を良好に一
致させることは困難である。特に、ショウウィンドウ等
での表示等大画面化した場合の色再現性が悪く、左右で
色が異なったりする。更に、多重露光等の手間がかかる
ためホログラムスクリーンは非常に高価である。
【0033】そこで、回折でなく散乱を利用する光制御
フィルムをスクリーンとして用いることが考えられる。
散乱の場合には波長依存性がないため、色再現性は良好
であるが、最も明るく観察されるのは投写型画像表示手
段とスクリーンを結ぶ線上となる。これを図4の(b)
を用いて説明する。投写型画像表示手段502の投写画
像は散乱スクリーン501に結像される。その結果、投
写画像が散乱スクリーン501上に表示されるが、最も
明るいのはスクリーンに垂直な方向ではなく、光線入射
方向となるため、観察者506は上方から像を観察せね
ばならない。このため、各種機器の配置等に制約が生じ
ることとなる。
【0034】このため、投写型画像表示手段の設置場所
の都合上、斜め下(上)から画像を投写すると、斜め上
(下)からスクリーンをのぞき込まなければ明るい像を
観察できない。それゆえ、ショールームで人目を引くた
め画像を表示しようとして、観察者が投写型画像表示手
段をのぞき込める(仰ぎ見る)位置に来た場合のみ像を
観察できることとなり、歩行中の者にとっては画像表示
がなされていることに気付きにくく、広告媒体としての
機能発揮が不十分である。
【0035】それ以前に、高い位置に画像を表示して下
側からのぞく、例えば地下街や広いビルの内部の通路に
面したショールーム等において、天井からつり下げたプ
ロジェクタからの投射画像を斜め下のガラスウィンドウ
に表示し、通行中の者がこの画像を見上げるようにする
のは、歩行者の安全の面からも好ましくない場合が多
く、あまり一般的でない。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一対の
蠅の目レンズからなるインテグレータを使用した照明装
置は、照明光の明るさの均一性が確保され、光の利用効
率は高められるものの製造が複雑かつ困難であり、製造
の歩留まりが低く、金型及び硝材が高価なため、どうし
ても高コストとなる。
【0037】また、鏡立体角比の改善のため球面鏡を使
用すれば、 (1)光源の発光体を被覆するガラス管球のため球面鏡
から戻ってきた光が楕円面鏡の焦点を必ずしも通過しな
いため、やはり集光ロスが生じる。
【0038】(2)楕円面鏡の第2焦点(F2)に集光
される光束のケラレを避けるため、球面鏡をカバーする
範囲に制約があるため、鏡立体角比を100%やそれ近
くにすることはできない。
【0039】(3)一旦出力された光束が再度光源の発
光体近傍に戻されるため光源の温度が上昇し、その寿命
が低下する。
【0040】(4)新たに球面鏡を付加するため、コス
トのみならず重量が大幅に増加する。
【0041】また、ホログラム等を利用した画像の表示
においては、上述の如く単にコスト等に問題があるだけ
でなく、それら以前に視野角度が狭い、色彩の再現の困
難性、配置の制約等本来の性能が未だ不充分である。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の課題を解
決するためなされたものであり、その手段として以下の
ようにしている。
【0043】第1の発明群においては、1の発明は液晶
プロジェクタの光源に用いられる照明装置において、ス
クリーン、感光体等を均等に照らすため、複数の微小領
域を2次元的に配置してなる回折光学素子と同じく蠅の
目レンズ(レンズアレイ)とを有する照明装置としてい
る。
【0044】そして、回折光学素子と蠅の目レンズの各
微小領域は(原則として)1対1に対応してなり、前者
に入射した光源光束は後者に収束光束として入射し、更
に被照明物(体)(ここに、「物(体)」と記載する
も、勿論領域、場所等をも含む。)に到達する。これに
より安価しかも光束の均等性の優れた照明装置となる。
【0045】なお、この照明装置は何か特別な理由でも
有れば別であるが、原則として、楕円鏡、放物面鏡らの
ミラーを有し、更に回折光学素子等の各微小領域は宣伝
広告用のスクリーン等で何か顧客の注意を引くため等特
別の目的が有れば別であるが、被照明物体の平面形と相
似等光利用の面から好適な形状とされているのは勿論で
ある。
【0046】また、1の発明は、投写光の後流側に液晶
プロジェクタ等の偏光を利用して光の透過を制御する偏
光透過手段が存在する場合特にそうであるが、光の利用
効率を向上させるべく偏光分離手段と偏波面回転手段を
有している。そして、偏光分離手段は光の進行方向(後
流)側へ位置する偏光透過手段をそれが開(ON)の場
合にそのまま通過する偏光成分と通過しない偏光成分に
分離し、前者の成分光はそのまま後流側へ通過させる。
一方、後者の成分光は分離する。そして、偏波面回転手
段が、この分離された偏光成分を通過する偏光成分にな
るよう偏波面を(原則)90度回転させ、この回転させ
た光を後流側へ通過させる。
【0047】また1の発明は、回折光学素子は波長によ
り入射角の透過依存性が変化するため、各波長に応じて
最適の入射角となるよう工夫したものである。従って、
ホログラム等の回折光学素子製作時に、その用途のため
参照光と物体方のなす角度が大な場合に特に効果が発揮
される。更にこの場合、照明装置の用途や光源の種類に
もよるが、原則として赤、緑、青の3原則に分離して各
原色毎に回折光学素子への最適な入射角となるようにさ
れる。なお、高圧水銀ランプ、炭素アーク電極ランプ、
白熱電球等光源の色温度の如何によっては、太陽光に近
い色彩となるように角度、配置、反射率等に工夫がなさ
れていても良い。
【0048】また1の発明においては、色分離手段とし
てダイクロイックミラーを採用している。このため、各
色用のダイクロイックミラーは、反射する対象の色彩に
相応して光源からの光軸に対して最適の角をなすよう
に、そして(原則として)対象とする色の波長から定ま
る順に、配置されている。更に、反射された各色光は回
折光学素子へ(原則としてほぼ同じ角度で)投射される
こととなる。勿論、最下流側のダイクロイックミラーを
除き、各ダイクロイックミラーは、反射対象外の色彩を
透過させ、この透過した色の光は後流のダイクロイック
ミラーへ入射することとなる。
【0049】なおこの際、最後流のダイクロイックミラ
ーは、実質的に透過すべき色の光束がないため、単なる
ミラーやグレーティングミラー等の一般的あるいは当該
色専用のミラーであっても良い(均等なものとして、本
発明に含まれる)。
【0050】また、1の発明にあっては、第1の蠅の目
レンズの役を担う回折光学素子の上流側に、光源(含
む、ミラー、リフレクター)からの光束をこの第1の蠅
の目レンズに最適な入射角となるよう光軸を曲げる入射
角調整用回折光学素子を有している。このため、光源と
第1の蠅の目レンズの役を担う回折光学素子等をほぼ直
線状に配列することが可能となる。このため、装置がコ
ンパクトになる。
【0051】また、1の発明においては、光源と集光
(光源からの光を効率的に利用する。従って、1点等に
集めることに限定されない。例えば、放物面鏡では、平
行光となる。)用の反射鏡とを有する照明装置におい
て、反射鏡の開口部やその後流(被照明物側)に薄い回
折手段が設けられている。そしてこの回折手段は、一旦
反射鏡にて反射された光束は直交若しくは(反射鏡の種
類等にもよるが、光軸に対して多少開きぎみであったり
光軸寄りー楕円面強等ーであったりするがともかく)こ
れに近い角度にて入射することとなるためそのまま通過
させる。この一方、反射鏡に反射されずこのため従来な
らばその開口部より外部へ逃げる筈の光源からの直接の
光束は、回折手段に対し(光軸に対して多少開きぎみ
で)ある程度(大きな)斜の角度を有して入射するた
め、被照明物体の方へ向かうべく曲げられることとな
る。そして、これにより、鏡立体角比がひいては光の利
用率が向上する。
【0052】なお、この薄い回折手段は、光源と被照明
物とを結ぶ光軸に対して直交して設けられるのが原則で
あるが、反射鏡の周辺部等は適宜丸味(立体的な丸味)
を有していたり、光軸部は光源の丁度裏となるため口金
のため通過光が存在しないことが多いので、かかる場合
には一層の熱の放散のため中央に孔が設けられたりして
いても良いのは勿論である。また、情況、必要に応じて
他の集光用の光学素子、例えば凸レンズやフレネルレン
ズをも有しているのは勿論である。
【0053】また1の発明においては、反射鏡により一
旦反射され、被照明物体に照射される光束と、反射鏡の
開口部の主にその外周部で回折手段により回折されて被
照明物体に照射される光束とは、光軸に対してなす角度
等各種性質が異なる。このため、反射された光束をその
性質に応じて適切に被照明体へ導く。そして光軸側(中
心)に位置することとなる光学系と、回折された光束を
適切に被照明物体へ導く外周側の光学系とを有してい
る。
【0054】なおこの際、これらの光学系は一対の蠅の
目レンズ又は回折光学素子と蠅の目レンズの組等を有す
る光学系からなっているのが光の収束等の面から好まし
い。
【0055】また、光軸側と外周側のレンズ等は同一平
面をなすのが製造装置のコンパクト化等の面から好まし
い。
【0056】また1の発明においては、特に1点や狭い
領域に集めると言う意味での集光に適した楕円鏡にて反
射された光束を集める光軸側インテグレータは、複数の
微小領域を2次元に配置した蠅の目レンズ回折光学素子
等の上流側の光学素子と、同じく微小領域を2次元に配
列した蠅の目レンズ等の下流側光学素子とを有してい
る。このため、光源からの光束は精度良好にそして均等
に被照明物体を照射することとなる。
【0057】なおこの場合、必要に応じてコンデンサー
レンズ等他の光学素子を有していても良い(むしろ、有
するのが原則で有ろう)のは勿論である。
【0058】また1の発明においては、楕円鏡等にて反
射されなかった光束を集める外周側のインテグレータ
は、複数の微小領域を2次元に配置した蠅の目レンズや
回折光学素子等の上流側の光学素子と、同じく微小領域
を2次元に配列した蠅の目レンズ等の下流側光学素子と
を有している。このため、本来は鏡開口部を通して逃げ
るため利用されない筈の光束は精度良好にそして均等に
被照明物体を照射することとなる。
【0059】このため、半導体装置等に利用する場合、
被照物の光軸の中心部、外周部ともほぼ均一にしかもエ
ネルギー密度の高い光が照射され、これにより露光時間
の短縮等がなされる。
【0060】また1の発明においては、光軸の中心部、
外周部とも光学系の光学素子は被照射物と相似やこれに
近い形状等の微小レンズの2次元配列体からなり、しか
も上流側と下流側で各微小レンズは光束を精度、均等性
良く被照射物に入射させるため従来の照明装置と同様に
対になっている。
【0061】これにより、精度、均一性、光利用効率等
が大きく改善される。
【0062】また1の発明においては、照明装置の下流
側には通常の(高分子分散型でない)液晶表示等偏光を
利用して画像の表示、光の通過の開閉(ON、OFF)
をなす機器等が在る。そして、この機器の表示特性、明
度等を良くするため、照明装置の2つのインテグレータ
は偏光分離手段と偏波面回転技術とを有している。
【0063】そして、偏光分離手段は光源光(含む、反
射光)を上述の機器の開の際に適合した(通過する)偏
光成分と該偏光成分に直交する偏光成分とに分離し、前
者の成分はそのまま通過させ、後者の成分は反射等して
分離させる。次に、偏波面回転手段は、この分離された
成分光を上記通過した成分光と同じ偏光度を有するよう
90°(勿論、多少の誤差は有りうる)回転させる。そ
して、この回転された偏光成分も当然上記機器へ入射さ
れる。このため、液晶表示装置の画面がより明るくなる
等の効果が発揮される。
【0064】なお、後流側の集光用光学機器が透光に対
して、偏光依存性を有している場合も、本発明の効果が
発揮される。更に、偏光を使用しない表示装置、例えば
映画フィルム、での光源に使用する場合には、他の構成
と換装可能とされていても良い。
【0065】また、1の発明においては、反射鏡の開口
部に設けられている回折手段は容易に製作可能なため安
価、かつ軽量のホログラムとしている。
【0066】また1の発明においては、中心側及び外周
側のインテグレータの少くも一方の少くも一の光学素子
は安価なホログラフィックレンズとしている。なおこの
場合、例えば上流側は微小なレンズが平面(2次元)的
に配列されたホログラフィックレンズであり、後流側は
蠅の目レンズとされたりする。
【0067】第2の発明群においては、1の発明はショ
ウウィンドウのケースを兼ねた本来透明やこれに近い
(多少色ずいている等のことも有りうる。)ガラス等の
スクリーン等に入射光の角度に対して散乱異方性を有す
るスクリーン膜を設け、更にその反入射光側に原則とし
て密接して設けられたフレネル(回折)レンズ等の光の
進行する角度を変更する手段とを有している。
【0068】そして、投写型画像表示手段(装置)が、
スクリーンに画像光を投写した場合、その光束は入射角
の関係でスクリーンをそのままでは透過せず、表面で散
乱される、ひいては画像を反光源側から視認可能な様に
結像させる位置に配置されている。そしてこれにより投
写型画像表示手段から画像光が投写されている際には、
人の往来のため多少明るい場所でもスクリーンに非常に
明るく色彩の再現性の優れた画像が表示される。
【0069】ところでこの際、このスクリーンの反射光
側に(間に、ショウウィンドウのガラスや反射防止膜等
が存在することが多いであろうが、ともかくショウウィ
ンドウならば原則として実質的には密接して)フレネル
レンズが配置してある。
【0070】そしてその焦点が投写型画像表示手段の近
傍(画像が実用上ぼやけたり、見難く成ったりしない位
置。従って、同一位置も含む。)にあるフレネルレンズ
がこの散乱された光を(その集光性故に)観察者側に
(ほぼ)平行に向ける。これにより、ショウウィンドウ
等に明るく色彩も優れた画像が表示される。
【0071】そして勿論、投写型画像表示手段が画像先
を投写していないときには、例えばフレネルレンズを上
方に移動させることにより、散乱スクリーンは多くの場
合観察者の目の高さやこれに近い位置にあるため散乱ス
クリーン面にほぼ直交して入射される展示品からの光を
(ほとんど)そのまま通過させ、ショウウィンドウ内の
展示品等がそのまま見えることとなる。
【0072】また1の発明においては、(凸型の)フレ
ネルレンズと散乱スクリーンの間隔は、フレネルレンズ
の焦点距離以下とされ、これにより観察には拡大された
画像が表示されることとなる。
【0073】なお、通路(道路)等との位置関係で、シ
ョウウィンドウとこれに表示された画像を見る人との距
離がほぼ一定の範囲内にあるときには、このことをも考
慮してフレネルレンズの焦点距離が定められれば一層好
ましくなる。また必要に応じてショウウィンドウのガラ
ス、フレネルレンズ、散乱スクリーン等には反射防止膜
等が形成されている。
【0074】また、1の発明においては、散乱異方性を
有するスクリーンの裏(反光源側、観察者側)の表面に
散乱光を表示に好ましい方向に回折等するホログラム等
の光偏向手段が、光の反射等によるロスを無くすため原
則として密接して(間に空気層等を設けない。ただし、
散乱スクリーンとホログラム間に透明なガラス板や更に
は反射防止膜等が存在する場合は密接してに含まれ
る。)設置されている。更に、投写型画像表示手段は、
スクリーンに対して投写光が散乱される角度となる位置
に配置されている。そして、画像光を散乱スクリーンに
投写すると、画像光が散乱されることにより、明るく色
彩の再現性も良好な画像が表示される。更に、スクリー
ンの裏面のホログラムが画像光を観察者にとり最適な方
向へ曲げる。
【0075】なお、投写型画像表示装置が画像光を投写
していないときには、観察者は、ホログラム、散乱異方
性を有するスクリーン等を介してショウウィンドウ内に
展示された商品等を見ることが可能となる。なおまた、
コスト等の面から好ましくは、このホログラムは可干渉
な二光束の干渉露光にて製作されている。
【0076】また、1の発明においては散乱スクリーン
背面のホログラムは、その製作時の参照光入射角度と投
写型画像表示手段からの投写光の角度とが略等しく(具
体的には視野角等の面からは±14°以下、良好な画像
の面からは好ましくは±7°以内。また、同一の場合を
も含む)かつ物体光入射角度と画像表示範囲とが略一致
する(具体的には、±10(=tan14°)以内、好
ましくは±12(=tan7°)%以内、より好ましく
は±6%以内。)ようにしている。そしてこれにより明
度、色彩の再現性、実際の使用時の各機器等の配置の自
由度の面から優れたものとなる。
【0077】また、1の発明においては、散乱スクリー
ンの入射角を散乱する角度とホログラムの参照先入射角
度が略等しい(具体的には±14°以内、好ましくは±
7°以内、より好ましくは±3°以内)としている。こ
れにより、優れた表示、各機器の配置の自由度の増大が
得られる。
【0078】また、1の発明においては、色彩の再現
性、画像の明度等の面から優れたホログラムを使用した
画像表示装置とするため、ホログラム作成時のレーザ光
や物体光の入射方向、散乱スクリーンの配置やその機能
面からの選定に工夫を凝らしている。具体的には、1の
発明においては、画像表示装置の使用態様、状態を考慮
の上、ホログラム製作時の物体光を収束光としたり発散
光としたりしている。
【0079】同じく、1の発明においては、散乱異方性
スクリーンの下流(反光源側)に光の進行方向を変化さ
せる(回折させる)変更手段を有している。
【0080】これらの発明におけるホログラムの製造方
法は、ホログラム記録材料のレーザ光入射面に、第2の
散乱スクリーンを配置し、散乱角度範囲内より物体光を
入射し、散乱角度範囲外から参照光を入射せしめること
によって形成される干渉稿をホログラム記録材料に記録
することを特徴とする。上記配置により物体光だけが散
乱光となるため、散乱光を再生するホログラムを容易に
作成できる。
【0081】回折効率を高くするためには、参照光の入
射角度を投写型画像表示手段が散乱スクリーンに画像を
入力する入射角と略等しくすることが好ましい。同時に
物体光の入射角度を散乱スクリーンの散乱角度範囲外と
することで、画像非表示時にガラス基板の内部を観察で
きるホログラムとすることができる。
【0082】光反射部材に設置するホログラムを作成す
る場合には、参照光入射角度を投写型画像表示手段の投
写画像が光反射部材により反射された後散乱スクリーン
に裏面から入射する入射角と略等しく(機器の配置等の
都合で5度程度の誤差は有りえる。好ましくは、2度以
内。)している。
【0083】ガラス等の透明部材、鏡等の光反射部材、
いずれの部材と組み合わせる場合でも、第2の散乱スク
リーンとして、法線方向から入射する光線のみを選択的
に拡散せしめる散乱スクリーンを用いることで入射画像
を法線方向に偏向するホログラムを作成する。これを用
いることでスクリーンの正面から明るい画像を観察でき
る。
【0084】これにより、散乱スクリーンは投写された
画像光を散乱し、偏向手段が下流側へ居る観察者の方向
へこの投写され、散乱された光を向ける。このため、視
野域が拡がる。
【0085】なお、第2の散乱スクリーンに入射する物
体光は収束光、発散光いずれでもよく、画像を表示する
範囲に応じて変えることができる。つまり物体光を収束
光とすることにより画像を観察できる範囲は狭いが明る
い画像表示が可能となる。それに対して、物体光を発散
光とすることにより、画像は暗いが広い範囲で画像を観
察させることができる。
【0086】また、1の発明においては、偏向手段を薄
く、軽く、コストも低いフレネルレンズとしている。
【0087】また、1の発明においては、偏向手段を薄
く、軽く、コストも低いホログラムとしている。
【0088】また、1の発明においては、入射角異方性
を有する散乱スクリーンの背面に(原則として間に少く
も空気層を介在させず)反射部材を設けており、また投
写型画像表示手段は、散乱スクリーンがダイレクトに入
(投)射された光を角度の都合で散乱する、その背面
(反光源側)の反射部材にて反射された背面からの入射
光を散乱するの少くも一方がなされる位置に設けられて
いる。そしてこれにより、投写型画像表示手段からの投
写画像光は散乱スクリーン上に明るく、色彩の再現性良
く表示される。しかも、広い角度から画像を観察するこ
とが可能である。なおこの場合、散乱スクリーンはハー
フミラーであっても良い。特に、この場合には入射光が
散乱されるときにはハーフミラーの両面から画像を観察
することが可能となる。
【0089】また、現実の問題として、散乱スクリー
ン、反射部材更にはこれらを固定支持するガラス板には
厚さがあるが、観察者が見る画像の大きさ、精度に比較
した場合この厚さによる画像のぶれ、ぼけは問題となら
ないのは言うまでもない。
【0090】また、1の発明においては、散乱スクリー
ンの表側(投写型画像表示手段や観察者側)に薄い偏向
手段を設けている。そしてこの偏向手段は、投写型画像
表示手段から投(入)射される画像光はそのまま(実際
上反射、散乱することがない)透過させ、背面から入射
される反射光、散乱光を観察者側の方へ向ける。
【0091】また、1の発明においては、偏向手段、更
には回折光学素子としてのホログラム製作時の参照先の
入射角度等が、使用時に投写される画像光の入射角度等
を考慮して製作されている。
【0092】また、1の発明においては散乱異方性を有
する散乱スクリーンとその背面(反光源側)に配置され
た光偏向手段とを有する光制御素子としている。そし
て、この光偏向手段は上述の各発明と同じく回折光学素
子、特にホログラムであるのが価格、重量、画像の性質
等の面から好ましい。また、同じくホログラムの製造に
際しての干渉光の入射角、干渉等は光制御素子としての
使用状態を考慮の上なされる。
【0093】また、1の発明においては、入射角につい
ての散乱異方性を有する散乱スクリーン、入射光を回折
させる光偏向手段、反射手段を有する光制御素子を反射
型液晶表示装置の表示部に使用している。これにより、
表示部表面に反射された外光は表示面を見る者の目に入
らない方向へ向けられ、表示のため反射手段で反射され
た光は見る者の目に入る方向へ向けられる。
【0094】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態に
基づいて説明する。
【0095】以下、(第1ーi)は、第1の発明群につ
いての第iの実施の形態である。なお、第2の発明群に
ついての第iの実施の形態は(第2ーi)となる。
【0096】(第1−1の実施の形態)本実施の形態
は、照明装置の低コスト化、軽量化のため、1の蠅の目
レンズの換えて回折光学素子を使用するものである。
【0097】図5に本実施の形態の照明装置の構成を示
す。ランプ102から出力された光束は、リフレクタ1
03で反射され、図に示す所定の角θにて回折光学素子
101へ入射する。さて、この回折光学素子は微小領域
に分割されており、各領域は入射した光束を蠅の目レン
ズ1051の対応する微小レンズに集光する。蠅の目レ
ンズを構成する各レンズは、各々対応する微小領域の像
を、コンデンサーレンズ107を介して被照明物体10
6上に結像する。
【0098】つまり、回折光学素子は入射角により入射
光を適切に屈折させるため、丁度蠅の目レンズの役を担
うこととなる。このため回折光学素子は蠅の目レンズと
対をなすことでインテグレータとして作用し、被照明物
体の照明光の明るさの均一性を高めつつ効率よく集光す
る役を担うものである。
【0099】図6に、この回折光学素子101の平面形
状を示す。上述のごとく各微小領域1011の像が被照
明物体に重畳されることにより、各部の照度の均一性を
高めるのであるため、各微小領域は被照明物体と略相似
な形状とすることが好ましい。また、リフレクタから反
射で出される光束は略円形であるが、本実施の形態で示
すリフレクタの光軸と回折光学素子の法線として定義で
きる光軸が角度θをなして交わる場合には、回折光学素
子に投影される光束の像はx軸を長軸とする楕円形とな
る。それゆえ回折光学素子は楕円形の有効領域1012
中に微小領域を隙間なく配置せしめることが望ましい。
【0100】なお一般に、画像の縦横比は3対4、9対
16等横が長い長方形であるため、画像の表示に使用す
る場合にはこの有効領域も横長となるようにするのが好
ましい。
【0101】次に、本実施の形態にて使用する回折光学
素子そのものについて説明する。
【0102】この回折光学素子は、二光束干渉露光ある
いはCGH(コンピュータ・ジェネレテック・ホログラ
ム、計算フォログラム)によって製作される位相型の体
積ホログラム素子である。透過型及び反射型いずれの型
も可能であり、図5に示す回折光学素子は透過型であ
る。
【0103】この回折光学素子素子に用いるホログラム
材料としては、例えば銀塩乳剤(漂白タイプ)、鉄をド
ーピングしたニオブ酸リチウム等のフォトリフラクティ
ブ結晶、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー等の一般
的なホログラム材料、干渉稿を凹凸の変化として記録す
るフォトレジスト(これらは電子ビーム描画、イオンビ
ームエッチング、エンボス法等で形成される)やフォト
サーモプラスティック、UVキュアラブル液晶(特願平
9−327769号等)、液晶ポリマーとフォトレジス
トの混合物(特願平9−319346号)等がある。本
実施の形態においては、フォトポリマーを用いた。
【0104】次に、この回折光学素子の製造方法につい
て説明する。
【0105】フォトレジストに電子ビーム描画等により
計算された干渉稿を記録することも可能であるが、本実
施の形態では、フォトポリマーに直接干渉稿を記録する
ものを採用した。
【0106】さて、一般にホログラムはレーザ光等可干
渉な2光束を干渉させてできた干渉稿を、フォトポリマ
ー等の記録材料に露光して製作される。なおここで、可
干渉な2光束とは、干渉縞が形成可能な分離された2つ
の(原則)光束を意味する。
【0107】具体的には、以下の手順で製作(製造)し
た。 (1)清浄なガラス基板の片側にフォトポリマーをラミ
ネートしてサンプルとする。(ガラス基板の光入射面に
反射防止膜をコートしたものを用いてもよい) (2)静置された上記サンプルに可干渉な2光束を照射
する。(なお、2光束の一方は参照光となり、もう一方
は物体光となる) (3)数10〜数100ミリジュール/平方センチメー
トル程度のエネルギーとなるまで露光する。この際、干
渉稿の強弱に応じてフォトポリマー内で光重合が進行
し、干渉稿の強弱に応じた屈折率の分布が形成される。 (4)干渉稿に応じた所定の屈折率分布の生じた時点で
フォトポリマーに強い紫外線を照射し、屈折率分布はそ
のまま保持しつつ反応を進行させ、屈折率分布を固定す
る。 (5)120℃、2時間程度のベーク処理を行い、屈折
率分布はそのままで屈折率差のみを大きくする。
【0108】以上により回折光学素子が製作される。
尚、本実施の形態では、信頼性、特に耐久性、耐環境性
を高めるため、上述の(4)と(5)の処理の間にUV
シール処理を施した。これは、フォトポリマーの表面に
UV硬化樹脂を薄く一様に塗布し、更にその上面をガラ
ス基板でカバー後UV硬化樹脂を硬化させるものであ
る。これにより、いわば表裏のガラス基板間にUV硬化
樹脂を介してフォトポリマーを挟みこむものである。
(従って、本実施の形態では関係がないが、パトカー等
の自動車のフロントガラス等に使用する場合、種々の情
報の表示と併せて事故時のガラスの飛散防止の役をも担
わせることも可能である。また、商業地のビルの通行人
への宣伝、広告のために画像を表示するのを兼ねた窓ガ
ラス等においては、更に断熱の役をも担わせることも可
能である。)さて、このようにして製作した回折光学素
子は、干渉露光した際の参照光と同一の方向から光を入
射すると、物体光が再生される。なお、この際の入射光
を再生光、再生される光を再生物体光と言う。
【0109】本実施の形態の回折光学素子の役割あるい
は機能は、再生光を光源の出力光束とし、再生物体光と
して従来のインテグレータにおける第1の蠅の目レンズ
と等価な収束光を出力することにある。
【0110】次にまた、図7を参照しつつ上記回折光学
素子の回折作用発揮のための製作手順を説明する。
【0111】本図の(a)に示すように、リファレンス
用ホログラム作製サンプル701に参照光702と、例
えば平面波703を蠅の目レンズ104に入射して形成
される物体光704を干渉させて形成される干渉稿を記
録する。なおこの際、ここで使用する蠅の目レンズ10
4が回折光学素子で置き換えたい従来のインテグレータ
を構成する第1の蠅の目レンズである。
【0112】本図の(b)に、このような干渉露光によ
り作製されたリファレンス用ホログラム705を用い
て、回折光学素子用のサンプル706を露光する様子を
示す。
【0113】すなわち、リファレンス用ホログラムに参
照光と共役な再生光707を入射する。するとリファレ
ンス用ホログラムから共役な再生物体光708が再生さ
れる。この共役な再生物体光708と第2の参照光70
9(共役な再生光707と必ずしも同一の角度でなくて
もよい)との干渉稿を記録して回折光学素子が製作され
る。
【0114】再生時には、図8に示すように第2の参照
光と共役な第2の再生光710を入射すると第1の蠅の
目レンズに平面波が入射した場合の物体光704が再生
される。実際には第2の再生光として、ランプの出力光
束を用いればよい。
【0115】尚、第1の蠅の目レンズが収束光に対し
て、すなわち楕円面鏡をリフレクタとする光源に対して
設計されている場合には、平面波に変えて収束光を蠅の
目レンズに入射した際の出力光束をリファレンス用ホロ
グラム作製時の物体光とすればよい。
【0116】さて、実際の製造においては、一度リファ
レンス用ホログラムさえ製作しておれば、本図の(b)
に示した光学系において回折光学素子の露光が行われ
る。そして、この露光に要する時間はレーザ光の出力に
も依存するが、およそ10〜60秒程度であり、作成プ
ロセスも単純かつ容易である。
【0117】このため、歩留まりも高い。従って、金型
を起こして製作する蠅の目レンズに比較し、材料費や製
作費が極めて安くなる。具体的には、蠅の目レンズの1
0分の1以下程度となる。
【0118】なおこの際、第2の再生光の入射角度θは
30゜以上が好ましい。これは、再生したい物体光を図
中のZ軸すなわち蠅の目レンズ、回折光学素子の法線方
向に高い効率で伝搬せしめるために、回折光学素子をい
わゆる体積型のホログラム(記録される干渉稿のピッチ
に対して数倍以上厚いホログラム)とするためである。
【0119】本実施の形態の照明装置を投写型画像表示
装置として用いる場合には、図5に示したように、被照
明物体として例えば透過型液晶パネル1061を用い、
その出力を収差の少ない投写レンズ108によってスク
リーン(不図示)上に拡大投影することにより、画像を
表示することができる。この際、回折光学素子及び蠅の
目レンズがインテグレータとして良好に作用するので、
投写された画像の全白信号表示時の明るさの均一性は画
面全域にわたって高く保持される。例えば、中心部の明
るさに対して周辺部の明るさは80%以上となった。ま
た、ランプの光利用効率も高く、5ルーメン/ワットで
あった。そして、これらの数字は、回折の結果一部光が
失われる等であるにもかかわらず蠅の目レンズ2個を使
用する従来の照明装置の場合とほぼ同等の値である。
【0120】次に、本実施の形態の投写型画像表示装置
の価格であるが、高価な蠅の目レンズを2個も使用する
必要がないため、製造コストはおよそ従来の6割程度と
なった。
【0121】尚、ランプとして、本実施の形態において
は、例えば、定格出力120Wの超高圧水銀ランプを用
いた。しかしその他、メタルハライドランプ、ハロゲン
ランプ、キセノンランプ、炭素アーク電極ランプ等を使
用してもよい。そしてこのことは他の実施の形態、発明
においても同様である。また、発光体は一般的には小さ
い方が効率の面からは好ましいが、必ずしも発光体が小
さくなければならないわけではなく、例えば発光体が数
ミリと大きい高出力キセノンランプや、高出力メタルハ
ライドランプを用いてもかまわない。
【0122】次に、ランプの出力を集めるため使用する
リフレクタとしては、放物面鏡、楕円面鏡、球面鏡を用
いることができる。その際、集光の面からは発光体はリ
クレクタが放物面鏡の場合には焦点(各図では、Fとし
て示す)近傍に、楕円面鏡の場合には第1焦点(F1)
近傍に、球面鏡の場合には球の中心近傍にランプを設置
するのが好ましい。本実施の形態においては、例えば放
物面鏡を用いたが、楕円面鏡を用いる場合には、出力光
束が楕円面鏡の第2焦点(F2)に集光される収束光束
となる。従ってこの場合には、図7(b)における回折
光学素子用のサンプルを露光するための参照光として
は、第2の参照光は平行でなく、第2焦点から楕円面鏡
のF値と略等しい角度で発散する光とすればよい。
【0123】なお、本実施の形態においては、回折光学
素子として位相型の体積ホログラムを用いたが、これは
例えば表面レリーフ型であっても良い。この際も図6に
示すように回折光学素子にて光束が照明される有効領域
は楕円形状であり、このためその内部に矩形の微小領域
を密に配置すればよい。
【0124】回折光学素子作製時には、各微小領域の出
力光束が、蠅の目レンズの対応する各レンズへ概ね集光
されるように断面の鋸歯形状を計算し、例えば電子ビー
ム描画法により作製できる。尚、回折格子の形状は鋸歯
形状に限定されず、鋸歯形状を階段状で近似したマルチ
レベルの回折素子としてもよい。そしてこれらは、一般
的な半導体プロセスにより作成可能であり、また大量生
産が容易なことから、これまた従来の蠅の目レンズに較
べてその作製コストを1/10程度にすることができ
る。
【0125】その結果、投写レンズと並んで光学系の大
半のコストを占めるインテグレータに要する費用を少な
くすることができるため、この場合でも液晶プロジェク
タの製造コストを、従来の6割程度にまで抑えることが
できた。
【0126】尚、表面レリーフ型の回折光学素子を用い
る場合には、その断面形状を変えることにより、ランプ
及びリフレクタの光軸と回折光学素子の法線とを概ね平
行にすることができる。その場合には回折光学素子10
1の有効領域は例えば円形で、その内部に矩形の微小領
域を構成すればよい。
【0127】本実施の形態では、照明装置を例えば透過
型液晶パネルを用いた液晶プロジェクタに応用している
が、種々の画像表示素子に使用して種々の投写型画像表
示装置とすることが可能である。
【0128】なおここに、透過型液晶パネルは、例えば
特開平1−281426、特開平3−140920、特
開平4−251221等に開示されているように、各画
素に1つのマイクロレンズを配置し、入射光束を画素の
開口部近傍に収束せしめることで実効的開口率を増加せ
しめる機能を有するものを用いてもよく、また本発明へ
の適用に際して光変調材料、光変調の方式及び画素の駆
動方式に制約はないのは勿論である。
【0129】すなわち、ツイストネマティック液晶(以
下TN液晶と略記する)をはじめとして、垂直配向液晶
(以下VA液晶と略記する)等の種々の液晶材料、ある
いは電気光学効果を有する光学結晶などの光学的異方性
を有している光学材料を用いた偏光型画像表示素子を用
いることもできる。また、偏光型画像表示素子だけでは
なく、高分子分散型液晶(以下、PDLCと略記する)
を用いて入射光束を散乱することで画像を表示する散乱
型画像表示素子を用いることもできる。また、例えば特
願平7−284759号に開示されているような回折型
の画像表示素子や、いわゆるDMD素子と呼ばれる光偏
向型の画像表示素子なども用いることができる。
【0130】また、図5に示した画像表示装置の変形例
として、例えば、コンデンサーレンズと透過型液晶パネ
ル等の画像表示素子の間に、ダイクロイックミラーから
なる色分離光学系を配置してフルカラーの画像表示装置
とすることも可能である。この際、画像表示素子と投写
レンズの間に色合成系を配置すればよい。これについて
は、後に説明する。
【0131】以上詳細に述べたように、本発明によれば
安価な照明装置を提供できる。また、該照明装置を用い
て、従来よりも安価な投写型画像表示装置を提供するこ
とができる。さらに、本発明の照明装置を用いること
で、小型、コンパクトで、光利用効率の高い明るい投写
型画像表示装置とすることができる。
【0132】(第1−2の実施の形態)本実施の形態
は、先の実施の形態の照明装置に偏光変換素子を組み入
れたものである。
【0133】偏光型液晶パネルを用いた投写型画像表示
装置に本発明の照明装置を使用する場合には、この照明
装置に偏光変換素子を組み合わせることにより、一層光
利用効率を高めることが可能となる。以下、これについ
て説明する。
【0134】図9に、この偏光変換素子を組み入れた照
明装置を用いた投写型画表示装置を示す。この照明装置
の基本的な構成は、上述のごとく図5に示す先の実施の
形態の照明装置と同様である。ただし、蠅の目レンズ1
04とコンデンサーレンズ107の間に偏光変換素子1
20を配置している点が相違する。なお、この偏光変換
素子は後に詳しく説明するが回折光学素子とランプの
間、あるいは回折光学素子と蠅の目レンズの間に配置す
ることも可能である。
【0135】まず、本実施の形態で用いた偏光変換素子
の動作を図10を参照しつつ説明する。
【0136】偏光型液晶パネルを用いた投写型画像表示
装置においては、原理上ランプの出力光のなかで特定方
向の偏光成分しか有効に活用できないため、そのままで
は投写効率が低くなる。このため、明るい画像を得るた
めには出力の大きな光源を用いなければならない。偏光
変換素子は、かかる欠点を解決することを目的として開
発されたものであり、偏光板で吸収若しくはPBS(プ
ッシュ・ブルーム・スキャナ)で反射され液晶パネルに
入射されない偏光成分を、該偏光成分に対し概ね直交す
る偏波面を持つ偏光成分に変換することにより、有効に
利用するものである。
【0137】この偏光変換素子は、例えば特開平5−1
07505号、特開平6−202094号、特開平7−
294906号、特開平8−234205号、特開平9
−105936等にて多数開示されているが、基本的に
は偏光分離手段と偏波面回転手段の組み合わせからな
る。
【0138】図10に示した偏光変換素子120は、三
角柱状のプリズムを接合して直方体とし、さらにその直
方体を両面が平行な板を形成するように貼り合わせてな
る。
【0139】そして、三角柱のプリズムの貼り合わせ面
には誘電体多層膜からなる偏光分離膜121が形成され
ている。
【0140】回折光学素子101から出力され、蠅の目
レンズ104へ集光された無偏光光(ランダムな偏光の
光束)703は偏光分離膜により互いに直交する偏光成
分、すなわちP偏光光(偏光分離手段により反射されず
に透過する紙面に平行な偏光方向を有する光束)12
2、S偏光光(偏光分離手段により反射され、紙面に垂
直な偏光方向を有する光束)123に分離され、S偏光
光のみが反射手段124(一般的に偏光分離膜と同種の
膜を用いる)により反射され、偏波面回転手段125に
よりP偏光光1221に変換される。
【0141】その他、例えば特開平6−202094
号、特開平8−234205号に開示されているよう
に、回折光学素子のランプ側に偏光分離手段を設置し、
偏光分離後の光束の照射角を偏光成分に応じて数度変え
ることにより、蠅の目レンズ上で結像する位置を偏光成
分毎に変え、一方の偏光成分のみ偏波面の回転を行う方
式も用いることができる。この方式の応用として、回折
光学素子と蠅の目レンズの間に偏光分離素子を形成する
構成も可能である。
【0142】本実施の形態における投写型画像表示装置
にあっても、従来の高価な1対の蠅の目レンズに変え
て、安価な回折光学素子を用いてインテグレータを構成
しているため、コストを大幅に抑制できた。さらに、偏
光変換素子を用いているため、8ルーメン/ワットの高
い光利用効率を実現できた。
【0143】(第1−3の実施の形態)本実施の形態
は、回折光学素子とランプの間に色分離手段を設け、更
なる高効率化を図るものである。
【0144】以下、本実施の形態を図を参照しつつ説明
する。図11に示したように本実施の形態では、リフレ
クタ103からの光束をダイクロイックミラー141〜
143を介して、3原色毎に回折光学素子101へ入射
する角度を最適化するものである。
【0145】体積型ホログラムを用いた回折光学素子に
おいては、例えば参照光の入射角度と物体光の入射角度
の差を30゜前後に設定すると再生光に対する回折効率
の波長依存性を小さくすることができる。この入射角度
差が大きくなると波長依存性は大きくなり、参照光と同
じ角度で再生光を入射する場合には、参照光の波長と再
生光の波長のズレが大きくなると回折効率は小さくな
る。
【0146】しかしながら、ダイクロイックミラーを用
いることにより、波長依存性の大きくなるような場合
(参照光と物体光の入射角度差が大きい場合)であって
も高い効率を得ることが可能となる。図12は、51
4.5ナノメートルの波長のレーザー光で製作した回折
光学素子の原色毎の回折効率の例である。本図において
は参照光の入射角は45゜であり、再生光としてB
(青)は465ナノメートルの青色光、G(緑)は53
5ナノメートルの緑色光、R(赤)は640ナノメート
ルの赤色光を入射したときの回折効率である。
【0147】本図からわかるように、G光に対して図上
左右5゜程度ずれたところに各々B光とR光に対する回
折効率のピークが見られる。従って、このような角度依
存性を有する回折光学素子に対する入射角度を概ね3原
色毎に5゜程度ずらすことにより、各原色の回折効率が
ほぼバランス良くしかも最も高くなることがわかる。
【0148】図11に示した照明装置においては、各原
色が上記の最適な入射角度で入射できるよう、各色を選
択的に反射するダイクロイックミラー141〜143
が、各々異なる角度で配置されている。すなわち青色反
射のダイクロイックミラー141によって青色光が概ね
40゜で、緑色反射のダイクロイックミラー142によ
って緑色光が概ね45゜で、赤色反射のダイクロイック
ミラー143によって赤色光が概ね50゜の角度で、各
々回折光学素子101に入射する。その結果、3原色が
ほぼ等しくかつ高い効率で回折されるので、より一層光
利用効率を高くできた。
【0149】さて、ダイクロイックミラーは、蠅の目レ
ンズに比較して十分に安価であるため、3枚使用して回
折光学素子101と組み合わせても蠅の目レンズの4分
の1〜5分の1程度と極めて安価になる。すなわち、本
実施の形態の照明装置は、従来の照明装置よりも安価に
製作することができた。また、投写型画像表示装置とし
ても、投写レンズと並んで光学系のコストの大半を占め
るインテグレータが安価であるため、従来の投写型画像
表示装置の7割程度にすることができた。
【0150】(第1−4の実施の形態)本実施の形態
は、第1の実施の形態において、リフレクタと回折光学
素子の間に更に第2の回折光学素子を配置して照明装置
をよりコンパクトに構成したものである。
【0151】本実施の形態の照明装置及び該照明装置を
用いた投写型画像表示装置の構成を図13に示す。本図
において、1010は、リフレクタ103と回折光学素
子101の間に配置された第2の回折光学素子である。
【0152】この第2の回折格子は、もとから在る回折
光学素子101と同様に位相型の体積ホログラムや、表
面レリーフ型の回折光学素子を用いることができるが、
いずれの場合も垂直に入射する光束を、光軸に対して鋭
角をなす角度で出力する役を担う。
【0153】この場合、前述の理由で、回折光学素子と
して体積ホログラムを用いる場合には、参照光と物体光
の入射角度差を概ね30゜以上とすることが好ましい。
また、物体光すなわちインテグレータを構成する第1の
蠅の目レンズの出力光束は回折光学素子の法線にほぼ平
行とすれば、各レンズの焦点距離を一様にすることがで
きるため製造の面から好ましい。従ってこのためには、
再生光すなわちリフレクタの出力光を30゜以上傾けて
回折光学素子へ入射せねばならないが、その結果リフレ
クタと回折光学素子を密着せしめることが困難となり、
コンパクトさを損ねていた。さらに、円形の断面形状の
光束が投影されるため、回折光学素子の楕円形の有効領
域(図6参照)内に微小領域を配置せねばならなかっ
た。
【0154】一方、本実施の形態の照明装置では、第2
の回折光学素子が、垂直に入射した光束を光軸に対して
概ね30゜以上の角度で出力し回折光学素子に入射す
る。それゆえリフレクタの光軸を回折光学素子の法線
(物体光の光軸)と略平行にしてリフレクタ、第2の回
折光学素子、回折光学素子をこの順に密接に配置してコ
ンパクトにしつつ、高い光利用効率を得ることができ
る。
【0155】また、第2の回折光学素子も、回折光学素
子と同様蠅の目レンズに比較して安価に製作できるた
め、本実施の形態の照明装置を用いた投写型画像表示装
置も、従来のものに比較して2〜3割安価になった。
【0156】尚、以上の4つの実施の形態の照明装置に
おいて、他の蠅の目レンズをも更に回折光学素子で置き
換えても良い。
【0157】また、本実施の形態で説明した照明装置を
用いて投影露光装置、すなわちIC、LSI、CCD、
液晶パネル、磁気ヘッドなどのデバイス製造装置である
ところのいわゆるステッパーを構成することができる。
その際には、本願発明に係る照明装置からの露光光で照
明したフォトマスクやレチクル等の原板上の任意のパタ
ーンを感光剤を塗布したウエハ上に投影転写する。
【0158】(第1−5の実施の形態)本実施の形態
は、回折光学素子を使用して、この回折の入射角依存性
を利用して鏡立体角比を改善するものである。
【0159】図14は、本実施の形態の照明装置の構成
を示したものである。
【0160】本実施の形態においては、基本的な構成は
図2に示す従来のものと同じである。しかし、楕円面鏡
1031前面の開口部に、集光用の回折光学素子104
を配置し、2つの蠅の目レンズが各々中心側の小径の円
形のもの1040、1050と外周側の同心かつドーナ
ッツ型のもの1042、1052の2つよりなっている
のが相違する。
【0161】さて、光源102の発光体中心を楕円面リ
フレクタの焦点近傍に配置することにより、楕円面リフ
レクタ1031により反射された光束は第2焦点(F
2)近傍へ向かって集光され、入射角が大きいためリフ
レクタ前面の回折光学素子101はそのまま通過し、光
軸の経路上に配置された中心側に在る小径の蠅の目レン
ズ1040に入射する。
【0162】一方リフレクタで反射されず光源から直接
出力されて外部へ出る光束は、リフレクタ開口部近傍に
配置された回折光学素子101へ入射し、入射角が大き
いため外周側の蠅の目レンズ1042へ入射するよう回
折される。
【0163】中心側の第1の蠅の目レンズ1040に入
射した光束は、その微小レンズによって、同じく中心側
の第2の蠅の目レンズ1050の対応する微小レンズに
集光される。同様に、本来非利用の筈のランプからの光
は、回折光学素子101によって回折され、外周側の第
1の蠅の目レンズ1042に入射し、この蠅の目レンズ
の微小レンズによって、外周側の第2の蠅の目レンズ1
052中の対応する微小レンズに集光される。
【0164】さて、第1の蠅の目レンズ及び第2の蠅の
目レンズの外周部は、各々中心側の第1の蠅の目レン
ズ、第2の蠅の目レンズの微小レンズの像をコンデンサ
ーレンズ107を介して被照明物体106上に重畳する
配置となっている。
【0165】以上の説明で判るように、本実施の形態で
は中心側の蠅の目レンズが第1のインテグレータとし
て、外周側の蠅の目レンズが第2のインテグレータとし
て機能し、これによりリフレクタによる反射光と、回折
光学素子による回折光を各々独立に集光し被照明物体を
照明する。
【0166】さて、図3に示した従来の反射鏡同士の組
み合わせの場合には、リフレクタの反射光が球面鏡11
3によってケラレないようにするために、集光される光
束115の外径よりも球面鏡の内径を大きくせねばなら
ず、このため、鏡立体角比を100%近くにする事は事
実上不可能であった。
【0167】しかしながら本実施の形態の照明装置で
は、楕円面鏡の反射光が回折光学素子に入射しても大部
分の光束は回折されずに中心側の第1のレンズアレイへ
集光される。すなわち、回折光学素子の回折効率は、入
射角度によって異なる(角度選択性を有しており)ため
リフレクタからの反射光束はほとんど回折せずにそのま
ま直進せしめる。この一方、光源からの直接光は、入射
角度が30度程度と大きいため、これのみを選択的に回
折する。
【0168】このため、リフレクタの開口部をすべて回
折光学素子で覆い、反射光はそのまま通過させ、従来発
散して利用できなかった直接光は回折により屈折させる
ことにより利用することが可能となる。その結果、集光
効率を大幅に向上することとなる。
【0169】また、従来の照明装置では、球面鏡は強い
光にさらされても球面形状を正確に保つ必要上厚さ数ミ
リのガラス球に形成されており、高価でもあった。これ
に対して、本発明の照明装置に用いる回折光学素子は、
安価そして容易に製作可能である。
【0170】さて、このリフレクタの鏡立体角比を改善
するため用いる回折光学素子としては、インテグレータ
側の改良に関するため用いる回折光学素子と同じく、い
わゆるホログラムを用いることができる。そして、この
ホログラムは二光束干渉露光によってホログラム材料に
所望の干渉稿を記録することにより作製される。また、
ホログラム材料としては、前述の材料を使用しうる。な
お、本実施の形態にあっては、例えばフォトポリマー
(デュポン社製)を用いて、回折効率が最も高くなる位
相型の体積ホログラムとした。
【0171】次に、本実施の形態で用いた回折光学素子
の製造方法であるが、これも基本は先の第1から第4の
実施の形態のものと同じである。
【0172】さて、本実施の形態での回折光学素子とし
て用いるホログラムの機能は、再生光を光源の出力光束
とし、再生物体光として外周側の第2の蠅の目レンズに
入射する光束を出力することである。
【0173】図15に、本実施の形態で用いる回折光学
素子の特定領域1013を作る場合に照射する参照光7
02及び物体光704の関係を示す。
【0174】この特定領域とは、楕円型リフレクタ10
31の焦点Fから発散する球面波を参照光704とし
て、この特定領域を通過して外周側の第2の蠅の目レン
ズ1042に入射する例えば平面波を物体光として、こ
れらの干渉稿が記録されたホログラムである。
【0175】このような干渉稿を記録して作製された特
定領域に光源102からの出力光束を再生光702とし
て入射すると、図16に示すように入射光束は記録した
物体光の方向に回折され、外周側の第1の蠅の目レンズ
に導かれる。そして、この蠅の目レンズに入射した光束
は第2の蠅の目レンズ、コンデンサーレンズを介して被
照明物体を有効に照明する。
【0176】なお、この特定領域にはリフレクタから反
射した光束も入射するが、反射光束と物体光のなす角度
θが十分大きければホログラムの角度選択性によって反
射光束はほとんど回折されず中心側の第1の蠅の目レン
ズへ入射する。従って、回折光学素子をリフレクタの開
口部全面を覆うように配置しても、楕円面鏡からの反射
光と、光源の発光体からの直接光を良好に分離して各々
を被照明領域に導くことが可能となる。その結果、鏡立
体角比が極めて高くなる。
【0177】次に、この回折光学素子は、複数の領域に
分けて作製しても良い。すなわち、物体光としては回折
光学素子を通過して外周側の第1の蠅の目レンズに入射
する光束であればよく、このため特定領域毎に物体光を
変えても良い。また、特定領域との各部と外周側第1の
蠅の目レンズの各微小レンズを一対一に対応させても良
い。
【0178】また、回折光学素子は必ずしも楕円面鏡の
開口部全面を覆うように作製しなくても良い。
【0179】また、直接ただ1個の物として製造するの
でなく、ケースによってはいわゆる扇子型の小さな物を
幾つか製造し、これらを繋ぎあわせてドーナツ型等にし
ても良い。
【0180】さて、光源から直接光軸に沿ってほぼ平行
に若しくは浅い角度で出力される光束は光源の発光体を
覆う管球及び電極を支持する口金にケラレてほとんど出
力されない。また、楕円型リフレクタで反射され、開口
部中心近傍の光軸上に近い経路を通過して第2焦点へ集
光される光と、発光体からの直接光とのなす角は小さい
ため、本来第2焦点方向へ向かうべき反射光束の一部が
回折される可能性がある。このため、特に光軸近傍には
回折機能を必ずしも持たせなくても良い。なおこの場
合、回折された光束が外周側の第1の蠅の目レンズに入
射し第2の蠅の目レンズ、コンデンサーレンズを介して
被照明領域へ導かれれば効率にはほとんど変化がないた
め、光軸近傍の直接光束はあえて回折させる必要がな
く、ひいてはこのようにしても効率はほとんど変化しな
い。
【0181】また、第1の蠅の目レンズ、第2の蠅の目
レンズとも中心側と外周側のものは必ずしも光軸に垂直
な同一平面上に連続して配置される必要はなく、同一平
面上に分離して配置されたり、あるいは異なる平面上に
配置されていても良い。
【0182】また、本実施の形態の照明光学装置をプロ
ジェクションディスプレイに使用する場合には、中心側
の第1及び第2の蠅の目レンズの各微小レンズの外形を
被照明物体である画像表示素子(例えば液晶パネルな
ど)の開口形状と略相似とし外周側の、第1及び第2の
蠅の目レンズの各微小レンズの出力が被照明物体上で重
畳するようにすることができる。この場合、図2の説明
で多少言及したが色分離のためのダイクロイックミラ
ー、あるいはリレーレンズを用いることができる。
【0183】また、例えば特開平5−346557号公
報に開示されているように各レンズの光軸を適宜偏心せ
しめることによって、外周側の第1及び第2の蠅の目レ
ンズの外形を小さくしたり、コンデンサレンズを省略す
ることもできる。
【0184】また、中心側及び外周側の第1の蠅の目レ
ンズを設置する場所としては、第2焦点よりも被照明領
域寄りとする事もできる。図17に示したのはその一例
である。また、第1の蠅の目レンズで中心側の外形がほ
ぼ楕円面鏡の大きさと同程度で、外周側がその外周部に
配置されにようにすることもできる。
【0185】(第1−6の実施の形態)本実施の形態
は、先の照明装置を液晶プロジェクションディスプレイ
の照明光学系に用いるため、偏光変換素子と組み合わせ
たものである。
【0186】さて、偏光変換素子は、一般に偏光分離素
子と偏波面回転手段からなる。そして、偏光分離素子に
よって入射する無偏光な光束を互いに偏波面が直交する
光束に分離し、偏波面回転手段によって一方の偏波面を
概ね90度回転せしめて出力し、略直線偏光光に変換す
ることにより、元来が光の透過(明暗)の制御に偏光を
利用する液晶プロジェクションディスプレイの光利用効
率を改善するものである。
【0187】さて、偏光変換素子を組み合わせる場合、
偏光分離手段の設置場所は3通りある。すなわち、第1
の蠅の目レンズよりも光源側、第1の蠅の目レンズと第
2の蠅の目レンズの間、及び第2の蠅の目レンズの被照
明物体側である。
【0188】本実施の形態では、上記第3の場合であ
る。図18に、本実施の形態の照明装置の構成図を示
す。本図に明瞭に示すように、偏光変換素子は偏光分離
素子120と偏波面回転手段125からなる。
【0189】この偏光変換素子120は、例えばエスア
イディー 97 ダイジェスト 993頁〜996頁
(SID 97 DIGEST pp.993−99
6)に開示されているようにPBS(偏光ビームスピリ
ッター)アレイを用いたものである。すなわち三角柱状
のプリズムを接合して直方体とし、さらにその直方体を
貼り合わせてなる。プリズムの貼り合わせ面には誘電体
多層膜からなる偏光分離膜が形成されている。偏波面回
転手段としてはいわゆる2分の1波長板を用いることが
できる。
【0190】本実施の形態においては、先の第2の実施
の形態の偏光変換素子と同じとした。この様に構成した
照明装置にあっては、第1の蠅の目レンズによって集光
された光束が、偏光分離素子に入射しP偏光光とS偏光
光に分離され、いずれか一方が偏波面回転手段によりそ
の偏波面を概ね90度回転されて出力されるため、液晶
パネル106に入射した光はほぼ直線偏光となる。この
ため液晶パネルの入射側に設けられた偏光板(不図示)
による吸収がほとんどなくなるため光利用効率が一層高
くなる。
【0191】尚、偏光分離素子としてPBSアレイと用
いたが、その他の原題による手段を適用しても良い。
【0192】また、本発明群の照明装置を用いて投影露
光装置、すなわちIC、LSI、CCD、液晶パネル、
磁気ヘッドなどのデバイス製造装置であるところのいわ
ゆるステッパーを構成してもよい。この際には、本発明
の照明装置からの露光光で照明したフォトマスクやレチ
クル等の原板上の任意のパターンを感光剤を塗布したウ
エハ上に投影転写する。「以下、第2の発明群を、その
実施の形態に基づいて説明する。」 (第2−1の実施の形態)本実施の形態は、散乱異方性
スクリーンとホログラムを組合せて、色再現性を向上さ
せるものである。
【0193】図19に本実施の形態の画像表示装置の効
果が発揮されている様子を示す。投写型画像表示手段5
02からの画像光束は散乱異方性スクリーン(誤解の恐
れもないこと、一々「散乱異方性スクリーン」と記すの
は煩雑でもあるので、「散乱スクリーン」と記す。)5
03に投影される。さて、この散乱異方性を有するスク
リーンは特定の角度範囲(以下、散乱角度範囲と略記す
る)より入射する光束を散乱して透過せしめ、かつ散乱
角度範囲以外からの入射光をそのまま透過するという機
能を有する。具体的には、かかる機能を有する光制御フ
ィルムからなる材料(例えば商品名ルミスティー、住友
化学製)を例えば透明なガラス基板に張り付けて製作し
たものである。
【0194】ところで、この散乱された画像光束は、従
来ならば投影される方向(図中右斜め上方向)が最も明
るいこととなる。そこで、薄いフレネルレンズ(回折レ
ンズ)504を散乱スクリーンの観察者506側に配置
している。この際、フレネルレンズの焦点を概ね投写型
画像表示手段のレンズ近傍に位置するようにすること
で、散乱光を観察者の方向へ向けることが可能となる。
このため、画像を明るくすることができる。しかもこの
際、散乱スクリーンは波長選択性が小さいため、投写さ
れた画像の色を忠実に表示する事ができ、色再現性に優
れた画像を表示できることとなる。
【0195】投写型画像表示手段としては、通常の液晶
プロジェクタ、米国特許5096279号公報に開示さ
れているような光偏向型の画像表示素子を用いたDLP
プロジェクタ、CRTプロジェクタ、レーザ走査型の画
像表示手段等を用いることができるが先の第1の発明群
の各実施の形態のものを用いるのがより好ましい。な
お、液晶プロジェクタを使用する場合台形補正が生じう
るため、信号を変換し台形歪みを除去するようにしてい
ても良い。
【0196】また、散乱スクリーン及び光偏向手段は必
ずしも投写画像と同一の大きさ、形状である必要はな
い。例えば散乱スクリーンの外形を例えばハート型とす
ると、投写画像を該ハート型で切り取った画像のみが散
乱され法線方向に偏向される。それゆえ透明なガラス上
にハート型の外形(輪郭)を持つ映像が表示される。こ
れは光偏向手段であるフレネルレンズについても同様で
ある。さらに同一形状の微小片を複数個配列して散乱ス
クリーン若しくは光偏向手段を形成することもできる。
【0197】また情況にもよるが、散乱スクリーンの反
観察者側には、可能な限り散乱光が向かわない様に反射
防止膜の形成等の適切な処理がなされているのが好まし
いであろう。
【0198】また、以下に述べる全ての実施の形態にお
いて同様であるが、散乱スクリーン、光偏向手段及び透
明部材を密着し貼り合わせる場合には、界面の不要な反
射を極力抑えるため、空気と接する界面には反射防止膜
を形成し、各異種界面の接着には各部材とほぼ等しい屈
折率であり透光性を有する接着剤を用いることが望まし
い。
【0199】また、散乱スクリーン及び光偏向手段が設
置される透明部材としては、例えば、ショーウインド
ー、建築物の窓ガラス、車、電車、航空機、船舶等の交
通手段のフロントガラス、サイドガラス、リアガラス、
めがね、カウンターの仕切りガラス等のあらゆるガラ
ス、プラスチック、各種樹脂等の光透過機能を有する部
材を用いることができる。尚、透明部材は必ずしも全面
が透明である必要はなく、画像が表示される部分のみが
透明であってもよい。
【0200】(第2−2の実施の形態)本実施の形態
は、先の実施の形態におけるフレネルレンズの配置を改
良したものである。
【0201】図20に、本発明の他の実施の形態の画像
表示装置の構成を示す。本実施の形態においては、フレ
ネルレンズ504が散乱スクリーン505から離れて設
置されているため、実線の矢印で示す散乱スクリーンに
表示された像を上下方向の矢印付破線で示すように拡大
し、かつ散乱スクリーンの垂直方向に画像を明るく表示
することとなる。これは、右斜め上へ散乱された光を、
フレネルレンズが垂直方向に偏向すると同時に、観察者
に対して拡大された虚像を表示するためである。従って
単に、明るいだけでなく大きな画像を表示することがで
きる。
【0202】なおこの場合、フレネルレンズと散乱スク
リーンとの距離はフレネルレンズの焦点距離以下なのは
勿論である。
【0203】また、散乱スクリーンは図示しないガラス
板(ショウウィンドウのガラス等)に貼り付けられてい
たりするのが原則である。ケースによっては、フレネル
レンズも同様にガラス板に貼り付けられていよう。
【0204】(第2−3の実施の形態)図21に本実施
の形態の画像表示装置の構成を示す。
【0205】先の第2−1の実施の形態と同じく投写型
画像表示手段502は、選択的な散乱異方性を有する散
乱スクリーン503へ画像を投写する。なお、この際の
入射(投射)角は散乱スクリーンの散乱角度範囲内であ
る。
【0206】ここに、入射角とは画像表示手段の光出力
部(例えば液晶プロジェクタの投写レンズ)と散乱スク
リーン上の各点を結ぶ線分が散乱スクリーンの法線とな
す角度であり、散乱角度範囲とは、散乱スクリーンが入
射光を散乱して透過する角度範囲である。
【0207】さて、この散乱スクリーンは投写された画
像光束を散乱するが、ホログラム700がない場合、最
も明るく画像が観察されるのは光線入射方向であり、そ
のままでは観察者は上方から像を観察せねばならない。
【0208】しかしながら、本実施の形態の画像表示装
置にあっては、ホログラムがフレネルレンズと同様に観
察者の方向に光を集める作用をなしつつ回折して偏向す
る作用を有する。それゆえ、散乱スクリーン503の法
線方向で最も明るい像を観察することができる。更に、
単なる透過光でなく予め散乱した(すなわちある角度範
囲に散乱された)光がホログラムに入射するため、画像
は法線方向のみならずある所定の角度範囲内の上下左右
方向にも偏向される。それゆえ画像視認可能範囲を広く
することができる。
【0209】なお、より離れた距離に位置する観察者に
対して最も明るい像を見せたければ、平行光若しくは平
行光に近いゆるやかな収束光とすればよい。これらはい
ずれも設計事項であり、最も明るく観察させる位置によ
って変えることができる。
【0210】また、散乱スクリーンは法線方向近傍(例
えば±10゜〜±20゜程度)の入射光は散乱せずに透
過する配置となっている。これは法線方向近傍は散乱角
度範囲外であることを意味する。それゆえ、投写型画像
表示手段から画像が出力されない場合には、観察者は内
部の様子を良好に観察することができるのである。
【0211】また、後述する干渉露光により作成された
ホログラムを用いる場合、ホログラムは、その作成時の
参照光入射角度が散乱スクリーンに対する投写画像の入
射角とほぼ等しくかつ散乱スクリーンの散乱角度範囲内
に入るように配置され、また、物体光入射角度が散乱ス
クリーンの散乱角度範囲外となるようにホログラムは配
置されるのは勿論である。
【0212】なおこのホログラムは、例えば図22に示
すように、互いに干渉可能なレーザー光(通常はレーザ
ー光を分離して形成される)702及び704により形
成される干渉稿をホログラム記録材料701に記録して
製作される。
【0213】ホログラム記録材料としては、第1の発明
群と同じ物を使用しえる。
【0214】その他、計算機シミュレーションにより得
られた干渉稿をフォトレジストなどに公知技術である電
子ビーム描画などで形成したホログラムも用いても良
い。すなわち、光偏向機能を有する広義の回折光学素子
全てを用いることが可能である。ただし、本実施の形態
にあっては、フォトポリマー(デュポン社製)を用い
て、回折効率が最も高くなる屈折率分布型の体積ホログ
ラムとした。この場合、参照光702は概ね投写型画像
表示装置から散乱スクリーンへ入射する光束と概ね等し
い角度で入射する光束を用いることができる。また、物
体光704は、視野域(画像を明るく良好に表示したい
範囲)と概ね一致した角度とすることができる。
【0215】なお、このホログラムも、何も直接1枚の
大きな物として製造する必要はなく、小さな物を多数繋
げて製作しても良い。
【0216】なおまた、ここで念のため記載するが、本
実施の形態でのホログラムは、従来のホログラムスクリ
ーンと異なり視野域を広げるための散乱機能を必ずしも
必要とせず、散乱異方性を持つスクリーンと組み合わせ
て用いられものである。すなわちホログラム以外に散乱
手段を別途付加している。
【0217】さて、従来のホログラムスクリーンでは視
野域(視野角)を広げるために、ホログラムスクリーン
自体に必ず散乱異方性に対する機能(特定の視野域に光
を振り分ける機能)を持たせる必要があった。それ故、
例えば特開平9−33856号公報の図3に開示されて
いるように、物体光として散乱光を用いる必要があっ
た。なおここに散乱光とは、いわゆる完全拡散光という
意味だけではなく、広義にある特定の立体角内におおよ
そ光を分配された光のことを指す。
【0218】しかしながら、本実施の形態の画像表示装
置では、散乱スクリーンにより投写画像をいったん散乱
した上でホログラムにより観察者側へ画像の向きを変え
ている。つまり、視野域を広げるための散乱機能と、観
察者側へ光を向ける偏向機能を別々に設けたことにな
る。その結果、従来のホログラムスクリーンに比較して
良好な色再現性、及び均一性を実現できる。つまり、ホ
ログラムだけに散乱機能を持たせようとすると、図4の
(a)に示すごとく波長依存性の影響を強く受けるた
め、回折効率そのものが低下し、不必要に広い範囲に光
を拡げてしまうことによる。
【0219】また、ホログラムに強い散乱性能を持たせ
る必要がなく、この面からも、従来のホログラムスクリ
ーンに較べて安価となる。
【0220】次に、本機能を分割すると良好な色再現性
が得られる理由を図23を参照しながら説明する。尚、
本図では説明の便宜上散乱スクリーン503とホログラ
ム504の間隔を空けているが、密着しているのが望ま
しい。
【0221】本実施の形態の画像表示装置では、入射光
は散乱スクリーン503の散乱角度範囲から入射する
と、散乱スクリーンによって散乱される。この時概ね入
射方向に最も明るい輝度分布を持つ。ホログラム504
はこの入射角を観察者506の方向へ偏向する機能を有
する。さてこの際ホログラム105は製作時の物体光の
方向に光を回折するだけではなく、ある特定の角度内に
光を散乱できる。なぜなら、散乱スクリーンによって入
射光が予め散乱されているからである。近似的には入射
角が±Δθの範囲に散乱されていると、ホログラムに散
乱機能がなくても偏向された光は概ね±Δθ程度広がる
のである。ホログラム自体に例えば±Δθ' 程度の散乱
機能があれば光はより一層広がり、概ね±(Δθ+Δ
θ' )程度に広がる。このホログラムそのものに強い散
乱機能を持たせなくても視野域を広くとることができ
る。
【0222】しかも、良好な色再現性を確保することも
できるが、以下この理由を概略説明する。なお、詳しく
は後の実施の形態の所で説明する。
【0223】いま、ホログラムは波長λの干渉露光によ
り作成され、参照光の入射角度は投写画像の入射角度と
略等しいαとする。波長λ及びそれと異なる波長λ1の
光が散乱スクリーンに角度αで入射すると、散乱スクリ
ーンの散乱機能が波長に依存しないためλ及びλ1とも
ほとんど同一方向にほぼ同一の効率で散乱される。
【0224】角度αでホログラムに入射した波長λとλ
1の光は、波長依存性により各々異なる角度に回折され
る。しかしながら、本実施の形態においてはホログラム
の入射光が予め散乱されているためホログラムにとって
はある角度分布を持った光が一点に入射することにな
る。つまり入射するすべての波長がある角度分布を持っ
てホログラム上の一点に入射する。それゆえ像観察者の
方向に強く回折される成分が各々の波長に存在するので
画像視認範囲が広く色再現性が良好な画像を表示でき
る。
【0225】例えば、図はλ1>λの場合であるが、こ
のときλ1はλに較べて大きな角度で偏向される。それ
ゆえ観察者の目に向かう波長λ1の光は、観察者の目に
向かう波長λの光の入射角(この場合はα)よりも大き
い角度α1(>α)で入射した成分である。波長λの光
は製作時の角度αで入射しているので高い効率で観察者
の方へ回折される。角度αで入射した波長λ1の光の回
折効率は低いが、α1(>α)で入射した波長λ1の光
の回折効率は、広く知られているように波長λ1の光が
角度αで入射するときよりも高くなる。それゆえ観察者
にλ、λ1ともに高い効率で光が入射するため色再現性
が良好となる。これは他の波長λ2(λ2<λ)の場合
も同様である。
【0226】このように予め散乱させた光をホログラム
に入射することによりすべての色を高い効率で像観察者
の方向へ偏向することができるため色再現性がよいので
ある。また、このホログラムでは特に多重露光などの必
要がなく極めて安価にかつ容易に製作できる。
【0227】なお勿論、ホログラムに更に散乱機能をも
たせても良い。この場合には、表示画像の色再現性の良
好さに加えて、視野域を著しく広げることが可能にな
る。すなわち、主波長λを例えば514.5ナノメート
ルとする。同一角度で入射すると可視全域では波長に応
じておおよそ±7度程度の範囲に回折角度は分布する。
このことは逆に、±7度以上の散乱光が入射すれば必ず
主波長λが回折される方向に可視全域の波長が回折成分
を有することを意味する。それゆえ散乱スクリーンとホ
ログラムを組み合わせることで色再現性の良好な視野域
を広げることができるのである。
【0228】なお、念のため記載するならば画像を表示
しないときには良好に透過像を観察することができるの
はもちろんである。
【0229】次に、説明がダブル面もあるが、本発明の
趣旨に直結するので本実施の形態でのホログラムの作製
について図24を参照しつつ説明する。
【0230】ガラス基板にラミネートされたフォトポリ
マーからなるホログラム記録材料7011と散乱スクリ
ーン503を密着して配置する。参照光702は投写型
画像表示手段から画像が入射する方向と略等しい方向か
ら投照される。物体光704はホログラム記録材料に略
垂直な方向から投照される。
【0231】この時散乱スクリーンは垂直方向近傍(例
えば、±10°〜±20°程度)から入射する光のみ選
択的に拡散せしめる機能を有する。従って参照光は散乱
されることなくホログラム記録材料に入射するのに対し
て、物体光は散乱スクリーンにより散乱されてホログラ
ム記録材料に入射する。そして、これら2光束の干渉稿
をホログラム記録材料に記録される。以上により、散乱
機能を有するホログラムが極めて容易に製作できる。
【0232】尚、例えば物体光を例えば長焦点のフレネ
ルレンズを介して入射してもよい。すなわち、例えば物
体光を収束光とすると視野域は若干狭くなるが明るく、
より色再現性の優れた表示が可能となる。また、物体光
を適当な発散光とする等その拡がりを調整することによ
り一層視野域を広くしたりすることができる。
【0233】(第2−4の実施の形態)本実施の形態
は、散乱スクリーン及び光偏向手段を反射部材に設置し
たものである。
【0234】本実施の形態における画像表示装置の構成
を図25に示す。本図にて明瞭に判るように、この画像
表示装置は、光偏向手段130、散乱スクリーン503
が図上左からこの順に右の反射部材500に密着して配
置されている。投写型画像表示手段502の出力光は光
偏向手段を介して散乱スクリーン上に像を形成する。さ
てこの際、光偏向手段は角度−α近傍で入射する光束を
略法線方向に偏向せしめるが、角度αで直接入射する光
束はそのまま透過する角度依存性を有している。また、
散乱スクリーンは入射角α若しくは−αの少なくともい
ずれか一方の角度近傍から入射する光束を散乱する。
【0235】さて、角度αが散乱角度範囲内の場合に
は、光偏向手段を透過した画像は散乱スクリーンで散乱
され、その後反射部材により反射される。このため、そ
の反射光は再度散乱スクリーンを通過し、角度−αを中
心としてある角度範囲に散乱された光束として光偏向手
段に入射する。
【0236】角度−αが散乱角度範囲内である場合に
は、角度αで散乱スクリーンに入射した光が反射部材で
反射され、−αの角度近傍で再度散乱スクリーンに入射
した際に散乱される。
【0237】角度α及び−αいずれの角度も散乱角度範
囲にある場合には、直接入射したときと反射部材で反射
後通過する時の2回散乱作用を受けて光偏向手段に入射
する。いずれにせよ、光偏向手段には入射角度−α近傍
の光束が入射し、光偏向手段はその入射光を法線方向近
傍に偏向する作用をなす。
【0238】以上の作用により、観察者506に投写画
像が観察されることとなる。さて、画像が投写されない
場合にはこの構成の鏡として作用する。このため、例え
ば画像表示と非表示を交互に繰り返すことにより画像表
示と鏡面とを交互に切り替えることが可能となり、顧客
の着目を引く広告媒体として使用することが可能とな
る。
【0239】また、本実施の形態の画像表示装置も先の
実施の形態で述べた画像表示装置と同様に、画像視認可
能範囲が広く、良好な色再現性の画像を表示する事がで
きる。
【0240】また、例えば反射部材としてハーフミラー
を用いれば、画像とハーフミラー越しの様子を自由に切
り替えて、より一層の広告効果を発揮させることも可能
となる。
【0241】なお、光偏向手段としては、本実施の形態
においては2光束干渉露光により作成したホログラムを
用いたが、その他の回折光学素子を用いても良いのは勿
論である。
【0242】次に、かなり重複することにもなるが、反
射部材を併用するため本実施の形態で使用したホログラ
ムの製作方法について説明する。
【0243】図26に示すように、ホログラム記録材料
7011に散乱スクリーン503を密着して配置した系
に、可干渉な二光束を参照光702、物体光704とし
て露光し形成される干渉稿をホログラム記録材料に記録
する。この際、参照光は散乱スクリーンの散乱角度範囲
外である入射角で入射させる。それゆえ参照光は散乱さ
れることなくホログラム記録材料に入射する。この入射
角は、構成する画像表示装置において反射部材により反
射された画像がホログラムに入射する角度と略等しい角
度、すなわち図25に示す前述の構成における角度−α
と略等しい角度である。
【0244】一方物体光は散乱角度範囲内で散乱スクリ
ーンに入射し散乱されてホログラム記録材料に入射す
る。なお、本実施の形態においては物体光の入射角度は
法線方向に入射する略平行光としているが、これは画像
表示装置の機能として付加すべき画像視認可能範囲に応
じて決めれば良く、収束光、発散光のいずれでもよい。
すなわち収束光とした場合には画像視認可能範囲は狭く
なるが、像観察者に明るい画像を表示することができ
る。一方発散光であれば画像は暗くなるが、画像視認可
能範囲を広げることができる。このため、用途、設置場
所に応じて適宜最適なものが選択されることとなる。
【0245】(第2−5の実施の形態)本実施の形態
は、液晶表示装置、ショウウィンドウでのホログラム映
像等に用いる光制御素子に関する。
【0246】図27に、本実施の形態の光制御素子の構
成を示す。本図において、501は散乱スクリーンであ
り、702はホログラムである。また、712は白色外
光である。
【0247】そして、散乱スクリーンとホログラムは図
に示すごとく密着されており、これにより光制御素子を
構成する。
【0248】以下、この光制御素子の原理、作用等を説
明する。
【0249】本実施の形態のホログラムを製作する際の
参照光は入射角度αの略平行光を、また物体光は入射角
度βの略平行光を用いた。なお、参照光の入射角は散乱
スクリーン散乱角度範囲(α±Δα)内である。
【0250】さて、この光制御素子に角度αで入射した
白色外光712は散乱スクリーンにある特定の角度範囲
例えばα±Δθの範囲に分布する散乱光となり、その下
で背面側のホログラムへ入射する。さて、このホログラ
ムは、入射光を概ね角度β±Δθの範囲に偏向して出力
する性質を有している。そして、この角度βで出力され
る光は、ホログラムのみからなる光制御素子を透過した
白色外光に比較して白色に近くなっている。
【0251】以下、先の(2ー3)の実施の形態のとこ
ろで概略説明したのと重複する面も有るが、これについ
て少し詳しく説明する。図28は、従来のホログラムの
みを用いた場合と本実施の形態の光制御素子との違いを
説明するための図である。本図において(a)がホログ
ラムのみを用いた光制御素子の場合であり、(b)は本
実施の形態の光制御素子である。(a)に示すように、
ホログラムに角度αから波長λ、λ1及びλ2(λ1>
λ>λ2)の外光712が入射したとする。なお、ここ
に波長λはホログラムを製作するのに使用した光の波長
である。この際、波長λの光は角度βで出力されるがλ
1、λ2の光は波長に応じてβ1(<β)、β2(>
β)と異なる角度で出力される。従って、角度βの方向
にいる観察者(不図示)からはλの光だけが観察され、
このため外光と色が大きく異なる。
【0252】これに対して、本実施の形態の散乱スクリ
ーンを有する光制御素子の場合には、(b)に示すよう
に、散乱スクリーン101によって特定の角度範囲に広
がった光がホログラム102に入力するため角度βの方
向にいる観察者は、波長λ1及びλ2の光の色をも観察
することとなる。
【0253】この理由であるが、散乱スクリーンの散乱
機能は一般に波長依存性が小さい。このため、波長λ、
λ1、λ2の光を共に概ね±Δθの範囲に散乱して出力
する。従って、β−β1<Δθ、β2−β<Δθであれ
ば角度βの方向から見る者にとり、波長λ、λ1、λ2
の光が向かうこととなる。このため、出力光は元の外光
の色に近くなるQ 次に、従来のホログラムの物体光として散乱光を用いた
場合であるが、これも問題がある。これを図29を用い
て説明する。このホログラム700は、作成波長λ、参
照光の入射角度をα、物体光は入射角度β±θの散乱光
として製作したものである。この場合、図28に示す本
実施の形態の光制御素子と同様に角度βの方向から波長
λ1及び波長λ2の光を観察することは可能である。し
かしながら、この場合の波長λ1、λ2の光の回折効率
は波長λに比較して低くなる。このため、ホログラム単
体で使用する場合に比較すれば確かに外光の色に近い
が、やはり限界がある。すなわち、同一角度αで入射し
た波長λ1、λ2がホログラムの散乱作用により角度β
に回折される場合、ホログラムは一般的に図30に示す
ような回折効率の波長依存性があるため、効率が低くな
るからである。
【0254】図28の(a)に示すように、ホログラム
に角度αで入射した波長λ1の光は強く偏向されて角度
β1(<β)に出力される。それゆえ波長λ1の光で角
度βの方向に偏向されるのは、αよりも大きな角度α1
で入射した成分波である。本実施の形態光制御素子で
は、散乱スクリーンにより角度αで入射した波長λ1の
光の一部は角度α1(>α)でホログラムに入射する。
このとき、図31に示すようにホログラムの性質として
回折効率は角度αで入射したときよりも高くなる。
【0255】波長λ2(<λ)の場合には角度β2(>
β)で出力される。従って角度β方向に偏向されるのは
αよりも小さな角度α2で入射した成分である。波長λ
2に対する角度依存性は図31に示すように波長λ1の
場合とは逆に小さな入射角度の場合に回折効率が高くな
る。このように本発明の光制御素子の場合には製作波長
λよりも長波長λ1、短波長λ2のいずれの場合にも回
折効率の高い入射角が角度β方向に偏向される。
【0256】それゆえ単一のホログラムに散乱機能を持
たせて各波長を角度βに偏向させる従来のホログラムよ
りも色再現性が良好となる。つまり、本実施の形態の光
制御素子によれば、異なる波長の光を同一方向にほぼ同
一の効率で回折、偏向できる。
【0257】次に、図32を参照しながら物体光が散乱
光である場合、すなわち図29で示したホログラムの作
成方法について説明する。
【0258】ホログラム記録材料7011と散乱スクリ
ーン503が密着して配置されている。参照光702は
角度αで入射する略平行光である。物体光704は角度
βで入射する略平行光である。このとき参照光入射角α
は散乱スクリーン503の散乱角度範囲外であり、同時
に物体光入射角は散乱角度内とする。その結果、参照光
は散乱されることなく散乱スクリーンを透過するのに対
して、物体光は散乱スクリーンにより散乱され例えばβ
±Δβの角度に散乱され透過する。この二光束による干
渉稿をホログラム記録材料に記録することによりホログ
ラムが作成できる。
【0259】(第2−6の実施の形態)本実施の形態
は、先の第2−5の実施の形態の光制御素子を用いた画
像表示装置に関する。
【0260】図33に、本実施の形態の液晶を使用した
反射型の画像表示装置(表示素子)の断面を示す。反射
型画像表示装置に上記実施の形態で説明した本発明に係
る光制御素子1が密着して配置されている。尚、本実施
の形態においては、先の実施の形態で説明した散乱スク
リーン503とホログラム700を組み合わせた例につ
いて述べる。
【0261】画像を読み出すための外光712は概ね角
度αで入射すると、概ね角度−α方向へ向かう表面反射
成分7121を除いて散乱スクリーンへ入射する。散乱
スクリーンが入射光を散乱する散乱角度範囲はα±Δα
であるから外光は散乱され角度α±Δθの範囲に広がっ
て光偏向手段であるホログラムへ入射する。
【0262】ホログラムは回折機能により入射光を概ね
β±Δθに偏向し反射型画像表示装置2の入力光として
出力する。反射型画像表示装置は外光を変調及び反射す
ることで画像を表示するものであれば何でも良く、例え
ば本実施の形態においては通常の反射型液晶表示装置を
用いた。反射型液晶表示装置に入力した外光は偏光板7
13、ガラス及びITO714、例えばカラーフィルタ
715、液晶層716を通過し、背景側の基板800に
設けられたミラー500で反射される。更に再度液晶
層、カラーフィルタ、ガラス及びITO、偏光板を通過
し画像を表示する出力光7121となる。
【0263】さてこの際、出力光は概ね角度−β±Δθ
の範囲に分布している。ホログラムは、入射角−β±Δ
θの入射光に対しては回折効率は十分低いので回折され
ずそのまま透過する。また、散乱スクリーンに対しても
角度−β±Δθを散乱角度範囲外とすることでそのまま
透過する。従って画像は概ね角度−β±Δθの範囲で観
察することができる。
【0264】つまり、表面反射成分光と画像として観察
される出力光とが明確に分離できることとなる。このた
め、従来の散乱機能をもたせたホログラムのみを設置し
た画像表示装置に比較してコントラストが高く、視認性
の高い良好な画像を表示できる。これは、別途設けた散
乱スクリーンに散乱機能を付与することで、色再現性が
格段に改善されたことによる。尚、光偏向手段(本実施
の形態ではホログラム)にも散乱機能を持たせることに
より、色再現がよい画像を視認できる範囲をより一層広
げるようにしても良い。
【0265】尚、ここで用いる散乱スクリーンは散乱異
方性を有することが望ましい。すなわち外光が入射する
角度近傍の入射光を散乱する一方で、反射型画像表示装
置から出力される光を透過することが望ましい。なぜな
ら反射型画像表示装置の出力画像を散乱してしまうと、
画像がぼけて視認性が悪くなるからである。
【0266】また、本実施の形態の反射型の液晶表示装
置の、液晶の動作モード、カラー表示方式には依存しな
い。むろんモノクロ表示の反射型液晶装置を用いても良
い。さらに反射型の液晶表示装置のミラーは鏡面でも散
乱性を有するミラーであっても良い。
【0267】また、反射型液晶表示装置以外にも、例え
ば米国特許5096279号公報に開示されているよう
な光偏向型の画像表示装置を用いてもかまわない。
【0268】また、散乱スクリーン及び光偏向手段は必
ずしも反射型画像表示装置の表示画像と同一の大きさ、
形状である必要はない。例えば、散乱スクリーンの外形
をハート型とし、ハート型で切り取った画像のみが偏向
され、これにより角度−β方向より画像を観察するとハ
ート型の外形(輪郭)を持つ明るい映像が表示されるよ
うにしてもよい。そして、このことは光偏向手段につい
ても同様である。更に、同一形状の微小片を複数個配列
して散乱スクリーン、光偏向手段を形成してもよい。な
おこれは、他の実施の形態の各回折光学素子においても
同様である。
【0269】以上、本発明をその幾つかの実施の形態に
基づいて説明してきたが、本発明は何もこれらに限定さ
れないのは勿論である。すなわち、例えば以下のように
してもよい。
【0270】1)第1の発明群において、比照射物は液
晶表示装置であるため、図9や図13に示す後流側の蠅
の目レンズも回折素子としている。これにより、より安
価な投写装置となる。図34の(a)と(b)にこれら
を示す。
【0271】2)光源が高圧水銀灯等紫外線をかなり含
むものであり、このため、この紫外線が観察者に何等の
悪影響を及ぼしたり比照射物を分解したり、寿命を短く
したりする恐れがある場合、図11において最上流にダ
イクロイックミラーとして一番最初に紫外線を異方向へ
反射して排除するミラー1400を設置している。図3
5の(a)にこれを示す。同(b)に、図5に示す照明
装置の回折光学素子の光源側前面に紫外線を吸収するガ
ラス140を設けている場合を示す。
【0272】3)光源の冷却のため、鏡面開口端と集光
用回折素子(やこれを張り付けたガラス板)との間に空
隙を設けている。図36にこれを示す。
【0273】4)図11に示すダイクロイックミラーと
して、螺旋ピッチに対応した波長の光のみ反射し、他の
光は透過するコレステリック型構造の物質(液晶等)を
使用している。
【0274】5)第2の発明群において、図19等に示
す散乱につき入射角依存性を有する散乱スクリーンとホ
ログラフィック等からなる薄膜の下流側(反光源側)に
ハーフミラー(半反射手段)1032を設けている。こ
れにより、この薄膜の両側(例えば室内外)から画像を
見ることが可能となる。図37にてこれを示す。またこ
のため、この場合には、進行方向に応じて通路を区分け
する仕切りの一部(原則上部あるいは目の位置)を兼ね
たスクリーンに、宣伝、広告の画像を表示し、併せて画
像光により通路の照明(の一部)をなす様な使用も可能
である。
【0275】なおこの際、このハーフミラーの反射光と
透過光の比は、何も1対1でなく、暗い側に行く光の量
が少なくなるよう、反射部に調整手段を付していても良
いのは勿論である。。
【0276】6)回折光学素子や散乱スクリーン等を支
持する薄膜は、ショウウィンドウや窓等のガラスでな
く、プラスチック、壁や金属薄膜等である。なお、壁や
金属薄膜の場合には、更にミラーが併用されることとな
る。
【0277】7)画像の形状、回折光学素子や散乱スク
リーン等は、通常のスクリーンのような四角形でなく、
円形、ハート形等としている。なおこの場合、上述の説
明で判るように、多少形状が複雑でも、容易に製作可能
である。
【0278】同じく、必ずしも平面状でなく、比投射面
の形状にあわせて、円筒上、球状、等としている。
【0279】また、小さい素子、特にレプリカを多数貼
り合わせて任意の大きな形状の物を形成することも可能
である。そしてこれにより、特に広い表示面や複雑な立
体形状の表示面を、安価に製作できる。
【0280】8)投写される画像の性質やこれに要求さ
れる鮮明度等の必要に応じて、より鮮明な投写画像とな
すべく台形補正を行っている。
【0281】9)光の利用効率を少でも上げるため各構
成要素の薄膜に色彩に応じての反射防止膜を形成した
り、内部に空気が入り込むのを防止するため真空中で接
着したりしている。あるいはまた、接着剤、支持材とし
てのガラス板やプラスチック板の誘電率と回折光学素子
の誘電率を極力同じとするように材料を選定している。
【0282】
【発明の効果】以上の説明で判るように、本発明におい
ては画像投写や半導体製造等に用いられる照明装置のコ
ストの低下や小型軽量化がなされる。
【0283】また同じく、照明装置の効率が上昇する。
【0284】また同じく、長寿化が達成される。
【0285】また同じく、投光面や画面のエネルギー密
度や明度の均一性が達成される。
【0286】液晶表示装置、ショウウィンドウや地下街
の通路への画像の投写装置に使用した場合特にそうであ
るが、色彩の再現性、明暗の判別、各機器の配置、見え
る画像の大きさや視野角等の面から優れた画像投写装置
となる。
【0287】また同じく、ミラーやハーフミラーと組み
合せて壁面等に画像を表示するのに使用した場合にも、
同様の効果が達せられる。
【0288】また、外光を利用する液晶表示装置の表示
部に使用した場合、明暗の比が大きく見易い表示装置と
なしうる。
【0289】また、ショウウィンドウ等に使用した場
合、画像が大きく鮮明なため、顧客の注意を換気し易く
なり、宣伝、広告効果も大きくなる。
【0290】次に本発明に関わる照明装置の製造の便宜
の面からは、回折光学素子そのものが蠅の目レンズ等に
比較して製造容易、しかも微小レンズを多数形成して大
きいレンズとする等のことも可能であるため一層コスト
ダウンとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 液晶プロジェクタの照明光学系、ICの製造
用投写露光装置等に用いられる従来の照明装置の構成と
原理を示した図である。
【図2】 上記従来の照明装置の他の例である。
【図3】 上記従来の照明装置において、鏡立体角比を
高くするため試みられている技術の例である。
【図4】 従来のフォログラフィックスクリーンにおい
て、回折に起因する欠点の原因とこれをなくすべく試み
られている技術の例であり、またその構成を示す。
【図5】 第1の発明群の第1(1−1)の実施の形態
としての照明装置の構成図である。
【図6】 上記実施の形態における回折光学素子の平面
図である。
【図7】 上記実施の形態における回折光学素子の回折
作用発揮のための製作手順を示す図である。
【図8】 上記実施の形態における回折光学素子の機能
発揮の原理を示す図である。
【図9】 本発明の第1−2の実施の形態の照明装置及
び該照明装置を用いた投写型画像表示装置の構成を示す
図である。
【図10】 上記実施の形態の照明装置に用いた偏光変
換素子の構成を示す図である。
【図11】 本発明の第1−3の実施の形態の照明装置
及び該照明装置を用いた投写型画像表示装置の構成を示
す図である。
【図12】 上記実施の形態の照明装置に用いた回折光
学素子の特定波長(各原色)毎の回折効率の入射角度依
存性を示す図である。
【図13】 第1−4の実施の形態としての他の照明装
置及び該照明装置を用いた投写型画像表示装置の構成図
である。
【図14】 回折光学素子をリフレクタの鏡立体角比の
向上に用いる第1−5の実施の形態の構成図である。
【図15】 照明装置の鏡立体比の向上に用いる回折光
学素子の特定領域に記録する干渉稿を作製するための参
照光及び物体光の照射方法を示す図である。
【図16】 上記実施の形態の照明装置での回折光学素
子の機能を説明する図である。
【図17】 上記実施の形態の照明装置の他の応用(変
形)例の図である。
【図18】 本発明の第1−6の実施の形態の構成図で
ある。
【図19】 本発明の第2−1の実施の形態の機能、効
果が発揮されている様子を示す図である。
【図20】 同じく、第2−2の実施の形態の機能、効
果が発揮されている様子を示す図である。
【図21】 第2−3の実施の形態の構成を示す図であ
る。
【図22】 上記実施の形態でのホログラムの製作時の
干渉光等との関係を示す図である。
【図23】 上記実施の形態の効果が発揮される原理を
示す図である。
【図24】 上記実施の形態での散乱機能を有するホロ
グラムスクリーンの製造方法を示す図である。
【図25】 本発明の第2−4の実施の形態としての反
射型ホログラムスクリーンの構成を示す図である。
【図26】 上記実施の形態での散乱機能を有するホロ
グラムスクリーンの製造方法を示す図である。
【図27】 本発明の第2−5の実施の形態の原理、構
成を示す図である。
【図28】 従来の光制御素子(a)と上記実施の形態
の光制御素子(b)との作用の相違を説明するための図
である。
【図29】 ホログラムの物体光として散乱光を用いた
場合を説明するための図である。
【図30】 ホログラムによる回折効率の入射波長依存
性を示す図である。
【図31】 ホログラムによる回折効率の入射角依存性
を示す図である。
【図32】 上記実施の形態でのホログラムの製作のた
めの露光の様子を示す図である。
【図33】 本発明の第2−6の実施の形態としての画
像表示装置の反射部の断面を示す図である。
【図34】 第1−1の実施の形態(a)と第1−4の
実施の形態(b)の変形例を示す図である。
【図35】 第1−3の実施の形態(a)と第1−5の
実施の形態(b)の変形例を示す図である。
【図36】 第1−5の実施の形態の他の変形例を示す
図である。
【図37】 第2−1の実施の形態の他の変形例を示す
図である。
【符号の説明】
1010 第2の回折光学素子 101 回折光学素子 1011 回折光学素子の微小領域 1012 回折光学素子の有効領域 1013 回折光学素子の特定領域 102 ランプ 103 リフレクタ 1031 楕円面鏡 1032 半反射鏡(ハーフミラー) 104 (第1の)蠅の目レンズ 1040 第1の蠅の目レンズ(中心側) 1041 微小蠅の目レンズ 1042 第1の蠅の目レンズ(外周側) 105 (第2の)蠅の目レンズ 1050 第2の蠅の目レンズ(中心側) 1051 微小蠅の目レンズ 1052 第2の蠅の目レンズ(外周側) 106 被照明物体 1061 透過型液晶パネル 107 コンデンサーレンズ 108 投写レンズ 112 一旦球面鏡にて反射された光 113 球面鏡 120 偏光交換素子 121 偏光分離膜 122 P偏光光 1221 変換されたP偏光光 123 S偏光光 124 反射手段 125 偏波面回転手段 130 光偏向手段 140 ダイクロイックミラー(紫外線) 141 ダイクロイックミラー(青) 142 ダイクロイックミラー(緑) 143 ダイクロイックミラー(赤) 200 ホログラム 500 反射部板(ミラー) 501 散乱スクリーン 502 投写型画像表示手段 503 散乱スクリーン(実施の形態) 504 フレネルレンズ 506 観察者 700 ホログラフィク(ホログラムスクリーン) 701 リファレンス用ホログラム製作サンプル 7011 ホログラム用材料 702 参照光 703 平面波 704 物体光 705 リファレンス用ホログラム 706 回折光学素子用のサンプル 707 参照光と共役な再生光 708 共役な再生物体光 709 第2の参照光 710 第2の再生光 711 投射光 712 白色外光 7121 外光の表面反射光 7122 外光の反射光 713 偏向板 714 ITO 715 カラーフィルタ 716 液晶層 800 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/00 360 H04N 5/74 A 5C060 H04N 5/74 9/31 C 5G435 9/31 G02F 1/1335 530 (31)優先権主張番号 特願平11−284392 (32)優先日 平成11年10月5日(1999.10.5) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平11−289578 (32)優先日 平成11年10月12日(1999.10.12) (33)優先権主張国 日本(JP) Fターム(参考) 2H049 CA01 CA05 CA08 CA09 CA17 CA22 CA28 2H091 FA02X FA05Z FA08X FA19Z FA27X FA29Z FA41Z FB02 FB07 FC10 FC23 FD06 FD21 LA12 LA15 LA18 MA07 2H099 AA12 BA09 CA02 CA17 DA09 2K008 AA10 BB04 CC01 CC03 DD13 EE01 FF17 FF27 HH19 HH27 5C058 AB06 BA06 BA31 EA01 EA12 EA13 EA26 EA32 EA51 5C060 BA04 BC01 DA04 GA02 GC02 GC06 HC01 HC04 HC07 HC08 HC20 HC25 HD01 HD02 HD05 JA11 JA13 JB06 5G435 BB17 DD06 DD07 FF05 GG04 GG06 GG28 LL15

Claims (73)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 前記光源からの光束を被照明体に均等に集めるべく複数
    の微小領域を2次元に配置した回折光学素子と、 前記回折光学素子を透過した光束を被照明体に均等に集
    めるべく上記複数の各微小領域に対応する複数の微小レ
    ンズを2次元に配置した蠅の目レンズとを有しているこ
    とを特徴とする照明装置。
  2. 【請求項2】 前記回折光学素子の後流側へ位置し、よ
    り後流側の偏光透過手段を通過する偏光成分はそのまま
    透過させ、通過しない偏光成分は分離させる偏光分離手
    段と、 該偏光分離手段の分離した偏光の偏波面をより下流の偏
    光透過手段に対応した角に回転させて前記蠅の目レンズ
    に入力させる偏波面回転手段を具備することを特徴とす
    る請求項1記載の照明装置。
  3. 【請求項3】 前記回折光学素子の上流側に設けられ、
    光源から出力される光束を複数色の光束に分離せしめ、
    かつ分離された各色の光束毎に波長から定まる適切な角
    度で前記回折光学素子に入射せしめる色分離手段を有し
    ていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載
    の照明装置。
  4. 【請求項4】 前記色分離手段は、 上記分離した複数の色の光束のうち特定の一色のみを選
    択的に反射せしめる各色用のダイクロイックミラーを光
    源の光軸に対して各々互いに異なる所定の角度で交差さ
    せつつ組み合わせてなるダイクロイックミラー型色分離
    手段であることを特徴とする請求項1若しくは請求項2
    記載の照明装置。
  5. 【請求項5】 前記色分離手段は、 上記分離した複数の色の光束のうち特定の一色のみを選
    択的に反射せしめる各色用のダイクロイックミラーを光
    源の光軸に対して各々互いに異なる所定の角度で交差さ
    せつつ組み合わせてなるダイクロイックミラー型色分離
    手段であることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
  6. 【請求項6】 前記光源から出力される光束を光軸に対
    して前記光学素子に対して最適の入射角となるよう鋭角
    に回折せしめる入射角調節用回折光学素子を有している
    ことを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載の照明
    装置。
  7. 【請求項7】 光源と、該光源の出力光を反射し集光す
    る反射鏡とを有する照明装置において、 上記反射鏡の開口部に位置し、更に上記光源の出力光の
    中で上記反射鏡により反射された光はそのまま透過さ
    せ、この一方反射されずに直接反射鏡の開口部より外部
    方向に出力される光束は、直角からある程度反光軸側に
    斜いて入射することとなるためこれを被照明物を照射す
    ることとなるように回折せしめる回折手段を有している
    ことを特徴とする照明装置。
  8. 【請求項8】 反射鏡により一旦反射され、所定の角度
    等を有して集光される第1の光束を被照明体に適切に照
    射させる一組の光学系からなる光軸側のインテグレータ
    と、 反射鏡により反射されず前記回折手段により回折され、
    集光される第2の光束を被照明体に適切に照射させる一
    組の光学系からなる外周側インテグレータとを有してい
    ることを特徴とする請求項7記載の照明装置。
  9. 【請求項9】 前記反射鏡は楕円面鏡であり、 更に、 前記光軸側インテグレータは、 前記光源からの光束を被照明体に均等に複数の微小領域
    を2次元に配置した光学素子と、 前記光学素子を透過した光束を被照明体に均等に集める
    べく上記複数の各微小領域に対応する複数の微小レンズ
    を2次元に配置した光学素子とを有していることを特徴
    とする請求項8記載の照明装置。
  10. 【請求項10】 前記外周側インテグレータは、 前記回折手段にて回折された光学系からの光束を被照明
    体に均等に集めるべく複数の微小領域を2次元に配置し
    た光学素子と、 前記光学素子を透過した光束を被照明体に均等に集める
    べく上記複数の各微小領域に対応する複数の微小レンズ
    を2次元に配置した光学素子とを有していることを特徴
    とする請求項8記載の照明装置。
  11. 【請求項11】 前記光軸側インテグレータと外周側イ
    ンテグレータは、 各々の複数の各微小領域が集める光が共に、同一の被照
    明物体上で概ね重畳される内外重量型インテグレータで
    あることを特徴とする請求項8、請求項9若しくは請求
    項10記載の照明装置。
  12. 【請求項12】 前記光軸側インテグレータと外周側イ
    ンテグレータは、照明装置の下流側へ位置する偏光透過
    手段を通過する偏光成分はそのまま透過させ、通過しな
    い偏光成分は分離させる偏光分離手段と、 該偏光分離手段の分離した偏光成分を上記下流側の偏光
    透過手段に対応した角に回転させる偏波面回転手段とを
    有していることを特徴とする請求項8、請求項9若しく
    は請求項10記載の照明装置。
  13. 【請求項13】 前記光軸側インテグレータと外周側イ
    ンテグレータは、 各々の複数の各微小領域が集める光が共に、同一の被照
    明物体上で概ね重畳される内外重量型インテグレータで
    あることを特徴とする請求項11記載の照明装置。
  14. 【請求項14】 前記回折手段は、 ホログラムよりなるホログラム型回折手段であることを
    特徴とする請求項7、請求項8、請求項9若しくは請求
    項10記載の照明装置。
  15. 【請求項15】 前記回折手段は、 ホログラムよりなるホログラム型回折手段であることを
    特徴とする請求項11記載の照明装置。
  16. 【請求項16】 前記回折手段は、 ホログラムよりなるホログラム型回折手段であることを
    特徴とする請求項12記載の照明装置。
  17. 【請求項17】 前記回折手段は、 ホログラムよりなるホログラム型回折手段であることを
    特徴とする請求項13記載の照明装置。
  18. 【請求項18】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項
    8、請求項9若しくは請求項10記載の照明装置。
  19. 【請求項19】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項1
    1記載の照明装置。
  20. 【請求項20】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項1
    2記載の照明装置。
  21. 【請求項21】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項1
    3記載の照明装置。
  22. 【請求項22】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項1
    4記載の照明装置。
  23. 【請求項23】 前記中心側及び外周側のインテグレー
    タの少なくとも一方の少くも1の光学素子がホログラフ
    ィックレンズを使用していることを特徴とする請求項1
    5、請求項16若しくは請求項17記載の照明装置。
  24. 【請求項24】 所定の角度範囲内より入射する光束を
    散乱し、かつ該所定の角度範囲外より入射する光束を概
    ね散乱せず透過させる散乱異方性を有する散乱スクリー
    ンと、 該散乱スクリーンに対して投写する画像の入射角度が概
    ね上記所定の入射角度範囲内であるそして該散乱スクリ
    ーンに投写画像を概ね結像させる投写型画像表示手段
    と、 前記散乱スクリーンの反入射光側表面側に設置されたそ
    して焦点が前記投写型画像表示手段の近傍でありそして
    散乱スクリーンにて散乱された入射光を所定の方向に曲
    げるフレネルレンズ等の光偏向手段とを有していること
    を特徴とする画像表示装置。
  25. 【請求項25】 光偏向手段としての前記フレネルレン
    ズは、 前記散乱スクリーンとの距離がフレネルレンズの焦点距
    離以下に配置され、これにより散乱スクリーンの画像を
    拡大表示する拡大表示フレネルレンズであることを特徴
    とする請求項24記載画像表示装置。
  26. 【請求項26】 所定の角度範囲内より入射する光束を
    散乱し、かつ該所定の角度範囲外より入射する光束を概
    ね散乱せず透過させるという散乱異方性を有する、かつ
    その裏方向表面側に散乱された入射光を所定の方向に曲
    げるホログラム等の光偏光手段が設置された散乱スクリ
    ーンと、 該散乱スクリーンに対する画像光の入射角度が概ね上記
    所定の入射角度範囲内であるそして該散乱スクリーンに
    投写画像を概ね結像させる投写型画像表示手段とを有し
    ていることを特徴とする画像表示装置。
  27. 【請求項27】 上記ホログラムは、 その製作時の参照光入射角度が前記投写型画像表示手段
    の入射角と略等しく、かつ物体光入射角度分布が画像表
    示範囲と略一致する状態で製作された角度考慮型ホログ
    ラムであることを特徴とする請求項26記載の画像表示
    装置。
  28. 【請求項28】 前記散乱スクリーンは、 その入射光を散乱する入射角度が上記ホログラムの参照
    光入射角度と略等しい入射光角度整合型散乱スクリーン
    であることを特徴とする請求項26若しくは請求項27
    記載の画像表示装置。
  29. 【請求項29】 請求項26若しくは請求項27記載の
    発明の画像表示装置に使用するホログラムの製造方法で
    あって、 上記参照光の入射角方向に対して散乱機能を持たない上
    記ホログラム製散乱スクリーン形成のために、ホログラ
    ム記録材料のレーザ光入射側に散乱スクリーンを配置す
    る配置ステップと、 上記散乱スクリーンが散乱せしめる方向から物体光を入
    射する入射ステップとを有していることを特徴とするホ
    ログラム製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の発明の画像表示装置
    に使用するホログラムの製造方法であって、 上記参照光の入射角方向に対して散乱機能を持たない上
    記ホログラム製散乱スクリーン形成のために、ホログラ
    ム記録材料のレーザ光入射側に散乱スクリーンを配置す
    る配置ステップと、 上記散乱スクリーンが散乱せしめる方向から物体光を入
    射する入射ステップとを有していることを特徴とするホ
    ログラム製造方法。
  31. 【請求項31】 上記配置する散乱スクリーンとして、 略垂直入射光線のみを選択的に拡散せしめる機能を有す
    る垂直入射光選択散乱スクリーンを選定する散乱スクリ
    ーン選定ステップを有していることを特徴とする請求項
    29記載のホログラム製造方法。
  32. 【請求項32】 上記配置する散乱スクリーンとして、 略垂直入射光線のみを選択的に拡散せしめる機能を有す
    る垂直入射光選択散乱スクリーンを選定する散乱スクリ
    ーン選定ステップを有していることを特徴とする請求項
    30記載のホログラム製造方法。
  33. 【請求項33】 物体光として収束光若しくは発散光を
    選定する物体光角選定ステップを有していることを特徴
    とする請求項29記載のホログラム製造方法。
  34. 【請求項34】 上記配置する散乱スクリーンとして、 略垂直入射光線のみを選択的に拡散せしめる機能を有す
    る垂直入射光選択散乱スクリーンを選定する散乱スクリ
    ーン選定ステップを有していることを特徴とする請求項
    30記載のホログラム製造方法。
  35. 【請求項35】 上記配置する散乱スクリーンとして、 略垂直入射光線のみを選択的に拡散せしめる機能を有す
    る垂直入射光選択散乱スクリーンを選定する散乱スクリ
    ーン選定ステップを有していることを特徴とする請求項
    31記載のホログラム製造方法。
  36. 【請求項36】 上記配置する散乱スクリーンとして、 略垂直入射光線のみを選択的に拡散せしめる機能を有す
    る垂直入射光選択散乱スクリーンを選定する散乱スクリ
    ーン選定ステップを有していることを特徴とする請求項
    32記載のホログラム製造方法。
  37. 【請求項37】 投写型画像表示手段と、 前記投写型画像表示手段の下流側に配置され、該投写型
    画像表表示手段からの出力画像光が投影される散乱スク
    リーンと、 前記散乱スクリーンの下流側前方に配置され、該散乱ス
    クリーンからの散乱光を所定の方向に向ける偏向手段と
    を有していることを特徴とする画像表示装置。
  38. 【請求項38】 前記偏向手段は、 フレネルレンズであることを特徴とする請求項37記載
    の画像表示装置。
  39. 【請求項39】 前記偏向手段は、 ホログラムであることを特徴とする請求項37記載の画
    像表示装置。
  40. 【請求項40】 散乱スクリーンと反射部材と投写型画
    像表示手段とを有する画像表示装置であって、 上記散乱スクリーンは、 所定の角度範囲内より入射する光束を散乱し、かつ所定
    の角度範囲外より入射する光束を概ね散乱せず透過させ
    る散乱異方性を有する異方性散乱スクリーンであり、 上記反射部材は、 上記投写型画像表示手段からのそして上記散乱スクリー
    ンを透過した若しくは散乱されて透過した画像光を反射
    するべく散乱スクリーンの背面に位置する背面反射部材
    であり、 上記投写型画像表示手段は、 前記散乱スクリーン近傍に結像し、かつその投写する画
    像光の入射角、一旦上記散乱スクリーンを透過し更に上
    記反射部材により反射されて再度上記散乱スクリーンに
    背面から入射する画像光の入射角の少くも一方が上記入
    射角を散乱させる所定の角度範囲内に位置する投写画像
    光被散乱配置型投写型画像表示手段であることを特徴と
    する画像表示装置。
  41. 【請求項41】 前記画像表示装置は、 散乱スクリーンの表側表面に、投写型画像表示手段から
    の投写光は散乱せずに透過させるが、背景の散乱スクリ
    ーン側から入射してくる光は所定の方向に屈折させる光
    偏向手段を有していることを特徴とする請求項40記載
    の画像表示装置。
  42. 【請求項42】 前記光偏向手段は、 回折光学素子を使用した回折光偏向手段であることを特
    徴とする請求項41記載の画像表示装置。
  43. 【請求項43】 前記回折光学素子がホログラムを使用
    したホログラム型光学素子であることを特徴とする請求
    項42記載の画像表示装置。
  44. 【請求項44】 前記ホログラムは、可干渉な二光束の
    干渉露光により製作されていることを特徴とする請求項
    43記載の画像表示装置。
  45. 【請求項45】 前記ホログラムは、その製作時の参照
    光入射角度が前記投写型画像表示手段の投写画像が前記
    反射部材により反射された後前記ホログラムに入射する
    角度と略等しくなるようにされている入射角度整合型ホ
    ログラムであることを特徴とする請求項43若しくは請
    求項44記載の画像表示装置。
  46. 【請求項46】 前記ホログラムは、 その製作時の参照光入射角度が、前記散乱スクリーンが
    入射光を散乱する所定の入射角度範囲内となるようにさ
    れている入射角度整合型ホログラムであることを特徴と
    する請求項43若しくは請求項44記載の画像表示装
    置。
  47. 【請求項47】 請求項45若しくは請求項46記載の
    発明に使用するホログラムの製造方法であって、 ホログラム記録材料のレーザ光入射面に、所定の入射角
    度範囲内より入射する光束を散乱せしめかつ上記所定の
    入射角度範囲外より入射する光束を概ね透過せしめる散
    乱異方性を有する散乱スクリーンを配置する散乱スクリ
    ーン配置ステップと、 上記所定の入射角度範囲内より物体光を入射し、上記所
    定の入射角度範囲外から参照光を入射せしめる光入射ス
    テップと、 前記光入射ステップによって形成される干渉稿をホログ
    ラム記録材料に記録する記録ステップとを有しているこ
    とを特徴とするホログラムの製造方法。
  48. 【請求項48】 前記光入射ステップは、 参照光の入射角度として前記投写型画像表示手段が前記
    散乱スクリーンに画像を入力する入射角と略等しい入射
    角整合入射ステップであることを特徴とする請求項47
    記載のホログラムの製造方法。
  49. 【請求項49】 前記光入射ステップは、 物体光の入射角度として、上記配置される散乱スクリー
    ンの上記所定の入射角度範囲外とする物体光入射角整合
    入射ステップであることを特徴とする請求項47若しく
    は請求項48記載のホログラムの製造方法。
  50. 【請求項50】 前記光入射ステップは、 参照光の入射角度として、前記投写型画像表示手段の投
    写画像が反射部材により反射された後散乱スクリーンに
    画像を入力する入射角と略等しいようにする参照光入射
    角整合ステップであることを特徴とする請求項47若し
    くは請求項48記載のホログラムの製造方法。
  51. 【請求項51】 前記光入射ステップは、 参照光の入射角度として、前記投写型画像表示手段の投
    写画像が反射部材により反射された後散乱スクリーンに
    画像を入力する入射角と略等しいようにする参照光入射
    角整合ステップであることを特徴とする請求項49記載
    のホログラムの製造方法。
  52. 【請求項52】 前記散乱スクリーン配置ステップは、 配置する散乱スクリーンとして、略垂直入射光線のみを
    選択的に拡散せしめる機能を有することを特徴とする請
    求項47若しくは請求項48記載のホログラムの製造方
    法。
  53. 【請求項53】 前記散乱スクリーン配置ステップは、 配置する散乱スクリーンとして、略垂直入射光線のみを
    選択的に拡散せしめる機能を有することを特徴とする請
    求項49記載のホログラムの製造方法。
  54. 【請求項54】 前記散乱スクリーン配置ステップは、 配置する散乱スクリーンとして、略垂直入射光線のみを
    選択的に拡散せしめる機能を有することを特徴とする請
    求項50記載のホログラムの製造方法。
  55. 【請求項55】 前記散乱スクリーン配置ステップは、 配置する散乱スクリーンとして、略垂直入射光線のみを
    選択的に拡散せしめる機能を有することを特徴とする請
    求項52記載のホログラムの製造方法。
  56. 【請求項56】 所定の角度範囲内より入射する光束を
    散乱させ、所定の角度範囲外より入射する光束を概ね散
    乱せず透過せしめる散乱異方性を有する散乱スクリーン
    と、 前記散乱スクリーンの反入射光側に設置され、そして散
    乱光や透過光を所定の角度屈折させて通過させる光偏向
    手段とを有していることを特徴とする光制御素子。
  57. 【請求項57】 散乱スクリーンと光偏向手段と反射手
    段とを有する画像表示用の光制御素子であって、 上記散乱スクリーンは、 所定の角度範囲内より入射する光束を散乱させ、所定の
    角度範囲外より入射する光束を概ね散乱せず通過させる
    散乱異方性散乱を有するものであり、 上記光偏向手段は、 上記散乱スクリーンの反入射光側に設置され、そして散
    乱スクリーンを通過してきた光束や上記反射手段からの
    反射光を所定の角度偏向して通過させるものであり、 上記反射手段は上記光偏向手段の反入射光側に設置さ
    れ、該光偏向手段を通過してきた光を反射するものであ
    ることを特徴とする光制御素子。
  58. 【請求項58】 前記光偏向手段は、 回折光学素子を使用した回折偏向手段であることを特徴
    とする請求項56若しくは請求項57記載の光制御素
    子。
  59. 【請求項59】 前記回折光学素子は、 ホログラムを使用したホログラム型回折光学素子である
    ことを特徴とする請求項58記載の光制御素子。
  60. 【請求項60】 前記ホログラムは、 その製作時の参照光入射角度が上記散乱異方性を有する
    散乱スクリーンの所定の入射角度範囲内とされた参照先
    入射角考慮ホログラムであることを特徴とする請求項5
    9に記載の光制御素子。
  61. 【請求項61】 前記ホログラムは、 前記散乱異方性を有する散乱スクリーンにより散乱され
    た光を回折し偏向して出力する回折利用ホログラムであ
    ることを特徴とする請求項59若しくは請求項60記載
    の光制御素子。
  62. 【請求項62】 前記回折光学素子としてのホログラム
    作成時の物体光が、略平行光、収束光、発散光若しくは
    散乱光のいずれかであることを特徴とする請求項59若
    しくは請求項60記載の光制御素子。
  63. 【請求項63】 前記回折光学素子としてのホログラム
    製作時の物体光が、略平行光、収束光、発散光若しくは
    散乱光のいずれかであることを特徴とする請求項61記
    載の光制御素子。
  64. 【請求項64】 前記回折光学素子としてのホログラム
    は、 これにより偏向された入射光が裏面に設置された反射手
    段により反射された後再度上記散乱スクリーンに入射す
    る角度は、前記散乱スクリーンの所定の角度範囲外とな
    る反射後入射角考慮ホログラムであることを特徴とする
    請求項59若しくは請求項60記載の光制御素子。
  65. 【請求項65】 前記回折光学素子としてのホログラム
    は、 これにより偏向された入射光が裏面に設置された反射手
    段により反射された後再度上記散乱スクリーンに入射す
    る角度は、散乱スクリーンの所定の角度範囲外となる反
    射後入射角考慮ホログラムであることを特徴とする請求
    項61記載の光制御素子。
  66. 【請求項66】 前記回折光学素子としてのホログラム
    は、 これにより偏向された入射光が裏面に設置された反射手
    段により反射された後再度上記散乱スクリーンに入射す
    る角度は、散乱スクリーンの所定の角度範囲外となる反
    射後入射角考慮ホログラムであることを特徴とする請求
    項62記載の光制御素子。
  67. 【請求項67】 前記回折光学素子としてのホログラム
    は、 これにより偏向された入射光が裏面に設置された反射手
    段により反射された後再度上記散乱スクリーンに入射す
    る角度は、散乱スクリーンの所定の角度範囲外となる反
    射後入射角考慮ホログラムであることを特徴とする請求
    項63記載の光制御素子。
  68. 【請求項68】 散乱スクリーンと光偏向手段と反射手
    段とを有する画像表示用の光制御素子を表示部の素子に
    有する反射型液晶表示装置であって、 上記散乱スクリーンは、所定の角度範囲内より入射する
    光束を散乱させ、所定の角度範囲外より入射する光束を
    概ね散乱せず通過させる散乱異方性散乱スクリーンであ
    り、 上記光偏向手段は、 上記散乱スクリーンの反射入射光側に設置され、そして
    散乱スクリーンを通過してきた光束や上記反射手段から
    の反射光を所定の角度屈折して通過させるものであり、 上記反射手段は上記光偏向手段の反入射光側に設置さ
    れ、該光偏向手段を通過してきた光を反射するものであ
    ることを特徴とする反射型液晶表示装置。
  69. 【請求項69】 前記光偏向手段は、 回折光学素子を使用した回折偏向手段であることを特徴
    とする請求項68記載の反射型液晶表示装置。
  70. 【請求項70】 前記回折光学素子は、 ホログラムを使用したホログラム型光学素子であること
    を特徴とする請求項69記載の反射型液晶表示装置。
  71. 【請求項71】 散乱スクリーンと光偏向手段と半反射
    手段とを有する画像表示用の光制御素子であって、 上記散乱スクリーンは、 所定の角度範囲内より入射する光束を散乱させ、所定の
    角度範囲外より入射する光束を概ね散乱せず通過させる
    散乱異方性散乱を有するものであり、上記光偏向手段
    は、 上記散乱スクリーンの反入射光側に設置され、そして散
    乱スクリーンを通過してきた光束や上記半反射手段から
    の反射光を所定の角度偏向して通過させるものであり、 上記半反射手段は、 上記光偏向手段の反入射光側に設置され、該光偏向手段
    を通過してきた光の一部をそのまま通過させ、残りを反
    射するものであることを特徴とする光制御素子。
  72. 【請求項72】 前記光偏向手段は、 回折光学素子を使用した回折偏向手段であることを特徴
    とする請求項71記載の光制御素子。
  73. 【請求項73】 前記回折光学素子は、 ホログラムを使用したホログラム型回折光学素子である
    ことを特徴とする請求項72記載の光制御素子。
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