JP4666543B2 - 反射型ホログラムスクリーン - Google Patents
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Description
本発明は、反射型ホログラムスクリーンに関し、特に、広い視域がとれて明るい投影表示用の反射型ホログラムスクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、反射型ホログラムを用いた反射型ホログラムスクリーンが種々提案されている(例えば、特開平8−202248号、特開平9−34015号)。これらは、スクリーンの拡散性を得るため、拡散光と参照光の干渉により反射型ホログラムを記録している。また、カラー表示を可能にするために、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の多層記録したり多重記録をしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の反射型ホログラムスクリーンにおいては、反射ホログラム自体が散乱型であるので、記録されている干渉縞が単一の体積型の干渉縞でないため、回折効率が低下してしまう問題がある。また、RGBをそれぞれ別の層に記録する場合(多層記録)には、作製に手間がかかりコストアップになる問題がある。一方、1層に多重記録する場合には、十分な回折効率が得られない問題がある。
【0004】
本発明は従来技術のこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い視域がとれかつ明るい投影表示用の反射型ホログラムスクリーンを提供することがである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の反射型ホログラムスクリーンは、反射型体積ホログラムからなり、集光性あるいは発散性を持たず、干渉縞がホログラム面に平行に記録されていて、反射回折する波長が異なる微小な要素ホログラムが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムと、その入射側に配置され、斜め方向から入射した光を正面方向のある角度範囲内へ散乱するホログラム透過散乱層とからなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明においては、反射型ホログラムスクリーンが、反射型体積ホログラムからなり、集光性あるいは発散性を持たず、干渉縞がホログラム面に平行に記録されていて、反射回折する波長が異なる微小な要素ホログラムが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムと、その入射側に配置され、斜め方向から入射した光を正面方向のある角度範囲内へ散乱するホログラム透過散乱層とからなるので、広い視域内でスクリーン面を明るく観察でき、かつ、色再現性の良い投影表示用の反射型スクリーンを得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に基づく反射型ホログラムスクリーンとそれを用いた投影表示装置を実施例に基づいて説明する。
【0012】
本発明の第1の反射型ホログラムスクリーンの基本要素を構成する反射型ホログラム1は、図2(a)に平面図、図2(b)に断面図を示すように、微小な要素ホログラム1R、1G、1Bが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなるものであって、これら要素ホログラム1R、1G、1Bは体積型反射ホログラムからなっている。その中、赤色反射回折ホログラム要素1Rは入射角θ1 の所定方向から入射する白色光11中の赤色波長成分λR 及びその近傍の波長の光のみを特定方向に回折する反射型ホログラムからなり、緑色反射回折ホログラム要素1Gはその白色光11中の緑色波長成分λG 及びその近傍の波長の光のみを同じ特定方向に回折する反射型ホログラムからなり、青色反射回折ホログラム要素1Bはその白色光11中の青色波長成分λB 及びその近傍の波長の光のみを同じ特定方向に回折する反射型ホログラムからなるものである。そのため、反射型ホログラム1に入射角θ1 で白色光11が入射すると、要素ホログラム1R、1G、1Bからはそれぞれ波長λR の赤色光、波長λG の緑色光、波長λB の青色光が同じ特定の方向に回折されるが、各要素ホログラム1R、1G、1Bが微小であるため、全体の回折光12はその回折方向から見ると白色に見えるものであり、したがって、反射型ホログラム1の面も白色に見えるものである。そして、各要素ホログラム1R、1G、1Bは、集光あるいは発散することなく回折する単純なブラッグ格子状の干渉縞からなる反射型体積ホログラムからなる。なお、このような反射型ホログラム1の作製方法については後で触れる。
【0013】
このように、反射回折波長を面積分割してなり集光性あるいは発散性を有さない反射型ホログラム1の入射側に透過散乱板を配置することにより、本発明に基づく第1の投影表示用の反射型ホログラムスクリーンが構成される。その実施例を以下に説明する。
【0014】
図1はこの実施例の投影表示用の反射型ホログラムスクリーンの構成と作用を説明するための図であり、上記のような集光性あるいは発散性を持たず反射回折する波長が異なる要素ホログラム1R、1G、1Bが面積分割してアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラム1の入射側に、すりガラスあるいは乳白色板のような透過散乱板2を配置することにより、本発明の1実施例の反射型ホログラムスクリーン3Aが構成されている。このような反射型ホログラムスクリーン3Aに所定の斜めの入射角θ1 で白色の投影光11が入射すると、透過散乱板2である程度の散乱角内に散乱し、次いで、その散乱光は反射型ホログラム1の各要素ホログラム1R、1G、1Bの平行な干渉縞で波長選択を受けると同時にその干渉縞に対して略正反射される方向に回折され、その回折光は透過散乱板2で再度散乱される。したがって、この反射型ホログラムスクリーン3Aにおいては、遠方の観察者の眼Eがこの散乱角範囲内にあるかぎり、全ての要素ホログラム1R、1G、1Bからの3つ色全ての散乱光を観察することができる。したがって、図2の反射型ホログラム1単体に比べてより広い視域内で反射型ホログラムスクリーン3Aを白色に観察することができる。ただし、この反射型ホログラムスクリーン3Aの構成においては、すりガラスや乳白色板は等方方向に散乱し、また、吸収もあるため、光の損失が多くなり、ある程度明るさが犠牲になる可能性がある。
【0015】
そこで、次の図3(a)、(b)、図4(a)、(b)の実施例においては、反射型ホログラム1の入射側に配置する透過散乱板として指向性を持つホログラム透過散乱板を配置し、散乱方向を制限することにより、より明るい反射型ホログラムスクリーンとなる。以下、順に説明する。
【0016】
図3(a)、(b)は反射型ホログラム1を構成する要素ホログラム1R、1G、1Bの干渉縞がホログラム面に平行に記録されている反射型ホログラム1aの場合であり、このような場合、白色の投影光11が直接入射すると、回折光は正反射方向に回折される。その場合に、図3(a)においては、所定の入射角で入射する投影光11はホログラム透過散乱板4aで回折されずに透過し、その透過光は反射型ホログラム1aの各要素ホログラム1R、1G、1Bで波長選択を受けると同時に正反射方向へ回折され、その回折光はホログラム透過散乱板4aで正面方向のある角度範囲内へ散乱するように回折される。したがって、このような反射型ホログラムスクリーン3Bによると、正面方向の散乱光の角度範囲内で明るく広い視域を有する反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0017】
また、図3(b)においては、所定の入射角で入射する白色の投影光11はまずホログラム透過散乱板4bである角度範囲内へ散乱するように回折され、その回折光は反射型ホログラム1aの各要素ホログラム1R、1G、1Bで波長選択を受けると同時に正反射方向へ回折され、その回折光はホログラム透過散乱板4bで正面方向へ散乱するように再度回折される。したがって、このような反射型ホログラムスクリーン3Cによると、正面方向の散乱光の角度範囲内で明るく広い視域を有する反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0018】
次に、図4(a)、(b)は反射型ホログラム1を構成する要素ホログラム1R、1G、1Bの干渉縞がホログラム面に対して傾いて記録されており、白色の投影光11が直接入射すると、回折光は正面方向に回折される反射型ホログラム1bの場合である。この場合に、図4(a)においては、所定の入射角で入射する投影光11はホログラム透過散乱板4cで回折されずに透過し、その透過光は反射型ホログラム1bの各要素ホログラム1R、1G、1Bで波長選択を受けると同時に正面方向へ回折され、その回折光はホログラム透過散乱板4cで正面方向のある角度範囲内へ散乱するように回折される。したがって、このような反射型ホログラムスクリーン3Dによると、正面方向の散乱光の角度範囲内で明るく広い視域を有する反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0019】
また、図4(b)においては、所定の入射角で入射する投影光11はホログラム透過散乱板4dである角度範囲内へ散乱するように回折され、その回折光は反射型ホログラム1bの各要素ホログラム1R、1G、1Bで波長選択を受けると同時に正面方向を中心にある角度範囲内に回折され、その回折光はホログラム透過散乱板4dで正面方向へ散乱するように再度回折される。したがって、このような反射型ホログラムスクリーン3Eによると、正面方向の散乱光の角度範囲内で明るく広い視域を有する反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0020】
このように、反射型ホログラム1a、1bの入射側に配置されるホログラム透過散乱板4a〜4dは若干の回折特性の差はあるが、集光性も発散性もない要素ホログラム1R、1G、1Bからなる反射型ホログラム1a、1bの入射側に配置することにより、所定の制限された角度範囲内にそれぞれの波長成分を損失なく明るく回折することができ広い視域を有する反射型ホログラムスクリーンを構成することができる。
【0021】
なお、以上のような回折特性を持つホログラム透過散乱板4a〜4dは、例えば図5に示したような配置で撮影することにより作製できる。図5(a)の場合は、図3(a)、(b)に示した特性のホログラム透過散乱板4a、4bを作製するための配置であり、フォトポリマー等のホログラム感光材料20に面して間隔をおいてガラスあるいは乳白色板のような透過散乱板2を略平行に配置し、透過散乱板2の裏面側から所定波長の照明光21で照明し、透過散乱板2の透過側に散乱光22を発生させ、その散乱光22を物体光としてホログラム感光材料20の1面に入射させる。同時に、投影光11の入射角と同じ入射角で可干渉な参照光23を同じ側からホログラム感光材料20に入射させてその物体光22と参照光23を干渉させて記録する。この場合、ホログラム感光材料20中に記録されたホログラムの再生照明光の入射角の角度依存性が高い場合に、図3(a)のホログラム透過散乱板4aとなり、相対的にその角度依存性が低い場合に、図3(b)のホログラム透過散乱板4bとなる。
【0022】
図5(b)の場合は、図4(a)、(b)に示した特性のホログラム透過散乱板4c、4dを作製するための配置であり、フォトポリマー等のホログラム感光材料20に面して間隔をおいてガラスあるいは乳白色板のような透過散乱板2を略平行に配置し、透過散乱板2の裏面に略垂直に所定波長の照明光21を入射させ、透過散乱板2で散乱された散乱光24と透過散乱板2で散乱を受けずに透過した透過光25とを同時にホログラム感光材料20に入射させ、その散乱光24と透過光25と干渉させて記録する。この場合、ホログラム感光材料20中に記録されたホログラムの再生照明光の入射角の角度依存性が高い場合に、図4(a)のホログラム透過散乱板4cとなり、相対的にその角度依存性が低い場合に、図4(b)のホログラム透過散乱板4dとなる。
【0023】
次に、本発明に基づく第2の投影表示用の反射型ホログラムスクリーンについて説明する。この第2の反射型ホログラムスクリーンは、集光性あるいは発散性を持ち反射回折する波長が異なる要素ホログラムが面積分割してアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラム単体からなるものである。図6に、その1実施例の反射型ホログラムスクリーン13の断面図を示す。この反射型ホログラムスクリーン13は、微小なR、G、B三原色の要素ホログラム13R、13G、13Bが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなるものであって、これら要素ホログラム13R、13G、13Bは体積型反射ホログラムからなっている。この中、赤色反射回折ホログラム要素13Rは入射角θ1 の所定方向から入射する白色光11中の赤色波長成分λR 及びその近傍の波長の光のみを特定方向に回折する反射型ホログラムからなり、同様に緑色反射回折ホログラム要素13Gは、緑色波長成分λG 及びその近傍の波長の光のみを回折するものであり、青色反射回折ホログラム要素13Bは、青色波長成分λB 及びその近傍の波長の光のみを回折するものである。ただし、それらのホログラム要素からの反射回折光12R、12G、12Bは、図6に示すように、略同じ距離の焦点位置に集光するものである。すなわち、各要素ホログラム13R、13G、13Bはそれぞれ赤色波長λR 、緑色波長λG 、青色波長λB を選択的に回折すると共に集光性の回折特性を持つ体積型反射ホログラムからなるものである。そのため、所定の入射角θ1 で白色の投影光11が入射すると、各要素ホログラム13R、13G、13Bで回折された対応する色の波長成分の回折光12R、12G、12Bは一旦集光し、その後、各要素ホログラム13R、13G、13Bの径と焦点距離で決まる立体角α内に均一に発散してゆくので、遠方の観察者の眼Eがこの角度範囲内にあるかぎり、全ての要素ホログラム13R、13G、13Bからの3つ色全ての表示光12R、12G、12Bを観察することができることになる。したがって、図2の反射型ホログラム1単体に比べてより広い視域内で反射型ホログラムスクリーン13を白色に観察することができる。しかも、各要素ホログラム13R、13G、13Bには単一の体積型の干渉縞しか記録されていないので高い回折効率となり、明るい反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0024】
ところで、図6の場合は、各要素ホログラム13R、13G、13Bで回折された回折光12R、12G、12Bは、一旦集光した後発散するものであったが、各要素ホログラムを発散性の回折特性を持つ体積型反射ホログラムからなるものとしても同様の特性のものを得ることができる。その場合の反射型ホログラムスクリーンの断面図を図7に示す。この反射型ホログラムスクリーン14は、微小なR、G、B三原色の要素ホログラム14R、14G、14Bが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなるものであって、これら要素ホログラム14R、14G、14Bは体積型反射ホログラムからなっている。この中、赤色反射回折ホログラム要素14Rは入射角θ1 の所定方向から入射する白色光11中の赤色波長成分λR 及びその近傍の波長の光のみを特定方向に回折する反射型ホログラムからなり、同様に緑色反射回折ホログラム要素14Gは、緑色波長成分λG 及びその近傍の波長の光のみを回折するものであり、青色反射回折ホログラム要素14Bは、青色波長成分λB 及びその近傍の波長の光のみを回折するものである。そして、これらのホログラム要素からの反射回折光12R、12G、12Bは、図7に示すように、略同じ距離の焦点位置から発散する発散性の回折特性を持つ体積型反射ホログラムからなるものである。そのため、所定の入射角θ1 で白色の投影光11が入射すると、各要素ホログラム14R、14G、14Bで回折された対応する色の波長成分の回折光12R、12G、12Bは、それらの径と焦点距離で決まる立体角α内に均一に発散してゆくので、遠方の観察者の眼Eがこの角度範囲内にあるかぎり、全ての要素ホログラム14R、14G、14Bからの3つ色全ての表示光12R、12G、12Bを観察することができることになる。したがって、図2の反射型ホログラム1単体に比べてより広い視域内で反射型ホログラムスクリーン14を白色に観察することができる。しかも、各要素ホログラム14R、14G、14Bには単一の体積型の干渉縞しか記録されていないので高い回折効率となり、明るい反射型ホログラムスクリーンとなる。
【0025】
図6、図7のような、集光性あるいは発散性で異なる波長の光を選択的に反射回折する要素ホログラムがアレー状に周期的に配置されている反射型ホログラムスクリーン13、14を作製するには、例えば図8(a)、(b)に示すような配置で撮影すればよい。図8(a)において、フォトポリマー等の厚みのあるホログラム感光材料20の表面側から、まず入射角θ1 で波長λR の平行光31を入射させると共に、その裏面側からその平行光31と可干渉な平行光32を集光レンズ33を介して集光光32’として入射させ、平行光31と集光光32’とを感光材料20中で干渉させて記録する。ただし、この記録の際、集光レンズ33は、作製する反射型ホログラムスクリーン13の赤色反射回折ホログラム要素13Rの位置に対応するようにアレー状に配置しておき、それ以外には平行光32が入射しないように、集光レンズ33間に遮光マスク34を配置しておく。また、表面側から入射する平行光31も、作製する反射型ホログラムスクリーン13の赤色反射回折ホログラム要素13Rの領域以外には入射しないように、感光材料20の表面側に遮光マスク34’を配置しておく。
【0026】
このようにして赤色反射回折ホログラム要素13Rを記録し、次に、集光レンズ33、遮光マスク34、34’を1つのホログラム要素分移動して、今度は平行光31と平行光32の波長をλG に変更して同様にして緑色反射回折ホログラム要素13Gを記録し、さらに、同様にして、平行光31と平行光32の波長をλB に変更して青色反射回折ホログラム要素13Bを記録することにより、図6の集光性で異なる波長の光を選択的に反射回折するホログラム要素13R、13G、13Bがアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムスクリーン13が得られる。
【0027】
図8(b)は、図7の発散性で異なる波長の光を選択的に反射回折するホログラム要素14R、14G、14Bがアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムスクリーン14を撮影するための配置を示す図であり、図8(a)との違いは、ホログラム感光材料20の裏面側から入射させた平行光32を集光レンズ33を介して一旦集光させた後に発散光32”として入射させる点だけであり、その他は図8(a)の場合と同様であり、同様にして図7の発散性で異なる波長の光を選択的に反射回折するホログラム要素14R、14G、14Bがアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムスクリーン14が得られる。
【0028】
なお、図8(a)又は(b)の配置において、集光レンズ33を省いて、平行光31と平行光32の波長を順次λR 、λG 、λB と変更して1つのホログラム要素分移動しながら同様に記録することにより、図2の、集光性あるいは発散性を持たず反射回折する波長が異なる要素ホログラム1R、1G、1Bが面積分割してアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラム1を作製することができる。
【0029】
ところで、図1の反射型体積ホログラムからなる要素ホログラムのアレーからなる反射型ホログラム1と、その入射側に配置されたすりガラスあるいは乳白色板のような透過散乱板2とからなる反射型ホログラムスクリーン3Aは、反射型ホログラム1及び透過散乱板2を透過した光は散乱されるため、反射型ホログラムスクリーン3Aを通してその背後にある物体あるいは画像を明瞭に見ることはできないが、図3、図4、図6、図7に示した1枚又は2枚の体積型ホログラムからなる反射型ホログラムスクリーン3B〜3E、13、14の場合は、回折波長以外の波長は何ら散乱されずに透過するので、これら反射型ホログラムスクリーンの背後にある物体あるいは画像を表示像と重畳して見ることができる。したがって、このような反射型ホログラムスクリーンは、窓、ショーウインドウ等のガラスの代わりに、あるいは、その上に貼り付けて用いることにより、投影画像を表示させながら、窓の内外又は、ショーウインドウ内の景色、物品等も同時に見せることができるものとなる。
【0030】
さて、本発明は、以上のような、集光性も発散性もなく異なる波長の光を選択的に反射回折する微小なホログラム要素がアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラム1、1a、1bとその入射側に透過散乱板2、4a〜4dが配置されて構成された反射型ホログラムスクリーン3A〜3E、及び、集光性あるいは発散性で異なる波長の光を選択的に反射回折する微小なホログラム要素がアレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムスクリーン13、14を用いる投影表示装置を含むものである。その1例の構成を図9に模式的に示す。図9においては、反射型ホログラムスクリーンとして、図1の構成の反射型ホログラムスクリーン3Aを用いるものとしているが、その代わりに、図3、図4、図6、図7に示した反射型ホログラムスクリーン3B〜3E、13、14の何れかのものを用いてもよい。この配置において、投影表示装置40を含み、この投影表示装置40は、投影レンズ41と、液晶表示装置のような画像表示装置42と、その画像表示装置42を背面あるいは前面側から照明する照明光源43(図9の場合は、画像表示装置42を背面から照明する照明光源)とからなり、画像表示装置42の表示面に表示された画像を入射角θ1 近傍の入射角で反射型ホログラムスクリーン3A上に投影して結像させる。この投影像は、反射型ホログラムスクリーン3Aの略正面方向の観察者の眼Eによって観察される。
【0031】
前記したように、本発明の反射型ホログラムスクリーン3A等は広い視域で明るい投影像が得られるので、反射型ホログラムスクリーン3Aの正面方向の広い範囲で画像表示装置42に表示された画像を明るく観察できる。
【0032】
なお、画像表示装置42の表示がR、G、B三原色の画素の集合からなる場合に、反射型ホログラムスクリーン3Aのスクリーン面に投影された1画素内に、反射型ホログラムスクリーンを構成する要素ホログラム1R、1G、1B(13R、13G、13B;14R、14G、14B)の相互に隣接する少なくとも3つの要素ホログラムが入るように、投影表示装置40の倍率を選ぶか、画像表示装置42の画素の寸法を選ぶか、あるいは、反射型ホログラムスクリーン3Aの要素ホログラム1R、1G、1Bの寸法を選ぶ必要がある。この関係を満足しない場合は、投影画像を色再現性良く観察することができなくなる恐れがある。
【0033】
なお、図9の投影表示装置40は単板式のカラー画像投影装置としたが、もちろん、三板式のカラー画像投影装置の場合も同様である。
【0034】
以上、本発明の反射型ホログラムスクリーン及びそれを用いた投影表示装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の反射型ホログラムスクリーンによると、反射型ホログラムスクリーンが、反射型体積ホログラムからなり、集光性あるいは発散性を持たず、干渉縞がホログラム面に平行に記録されていて、反射回折する波長が異なる微小な要素ホログラムが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムと、その入射側に配置され、斜め方向から入射した光を正面方向のある角度範囲内へ散乱するホログラム透過散乱層とからなるので、広い視域内でスクリーン面を明るく観察でき、かつ、色再現性の良い投影表示用の反射型スクリーンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく1実施例の投影表示用の反射型ホログラムスクリーンの構成と作用を説明するための図である。
【図2】図1の反射型ホログラムスクリーンの基本要素を構成する反射型ホログラムの平面図と断面図である。
【図3】本発明に基づいてホログラム透過散乱板を用いた反射型ホログラムスクリーンの構成と作用を説明するための図である。
【図4】本発明に基づいてホログラム透過散乱板を用いた反射型ホログラムスクリーンの別の実施例の構成と作用を示す図である。
【図5】図3と図4で用いているホログラム透過散乱板を作製するための配置を示す図である。
【図6】本発明に基づく反射型ホログラムスクリーンの別の実施例の断面図である。
【図7】本発明に基づく反射型ホログラムスクリーンのさらに別の実施例の断面図である。
【図8】図6、図7の反射型ホログラムスクリーンを作製するための配置を示す図である。
【図9】本発明の反射型ホログラムスクリーンを用いる投影表示装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
E…観察者の眼
1、1a、1b…反射型ホログラム
1R、1G、1B…要素ホログラム
2…透過散乱板(すりガラス、乳白色板)
3A、3B、3C、3D、3E…反射型ホログラムスクリーン
4a、4b、4c、4d…ホログラム透過散乱板
11…投影光
12…回折光
13…反射型ホログラムスクリーン
13R、13G、13B…要素ホログラム
14…反射型ホログラムスクリーン
14R、14G、14B…要素ホログラム
20…ホログラム感光材料
21…照明光
22…散乱光(物体光)
23…参照光
24…散乱光
25…透過光
31…平行光
32…平行光
32’…集光光
32”…発散光
33…集光レンズ
34、34’…遮光マスク
40…投影表示装置
41…投影レンズ
42…画像表示装置
43…照明光源
Claims (1)
- 反射型体積ホログラムからなり、集光性あるいは発散性を持たず、干渉縞がホログラム面に平行に記録されていて、反射回折する波長が異なる微小な要素ホログラムが1次元あるいは2次元アレー状に周期的に配置されてなる反射型ホログラムと、その入射側に配置され、斜め方向から入射した光を正面方向のある角度範囲内へ散乱するホログラム透過散乱層とからなることを特徴とする反射型ホログラムスクリーン。
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