JPH11315136A - ポリエステル樹脂および押出成形体 - Google Patents

ポリエステル樹脂および押出成形体

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JPH11315136A
JPH11315136A JP10125032A JP12503298A JPH11315136A JP H11315136 A JPH11315136 A JP H11315136A JP 10125032 A JP10125032 A JP 10125032A JP 12503298 A JP12503298 A JP 12503298A JP H11315136 A JPH11315136 A JP H11315136A
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JP
Japan
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polyester resin
acid
mol
component
molding
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JP10125032A
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English (en)
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Makoto Tokumizu
眞 徳水
Jun Yoshida
純 吉田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融粘度が高く押出成形に適しており、か
つ、得られる押出成形体の機械的特性、外観、透明性が
良好となるポリエステル樹脂およびその成形体。 【解決手段】 (A)テレフタル酸単位を80〜100
モル%含むジカルボン酸成分と、(B)エチレングリコ
ール単位を主とする2価アルコール成分と、(C)3価
以上の多価カルボン酸または多価アルコール化合物の少
なくとも1種の成分を0.05〜2モル%とを有し、フ
ェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中での25
℃における極限粘度[η]が0.50dl/g以上であ
るポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂の2
70℃における溶融張力が0.8〜5gである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエステル樹脂及
びそれよりなる成形体に関するものであり、建材や各種
の内装部品、カード等に広く利用されるポリエステル樹
脂およびその押出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル樹脂は、溶融粘度が高く、溶
融樹脂の著しいドローダウンが生じないので、押出成形
法に適しており、様々な押出成形体に広く利用されてい
る。しかしながら、塩化ビニル樹脂は、可塑剤や金属系
安定剤等の添加物により衛生面で問題があり、しかも、
焼却すると、有害ガスを生成する問題がある。そこで、
従来広く使用されていた塩化ビニル樹脂に代るものとし
て、透明性、機械的特性、ガスバリヤー性等の各種物性
に優れ、しかも、成形した際に、残留モノマーや有害な
物質が生ずるおそれがなく、衛生性、安全性に優れてい
るポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステ
ル樹脂が、シートなどの産業資材を中心に使用されるよ
うになってきた。シート成形法としては、溶融可塑化樹
脂をフラットダイを通して押し出し、ポリシングロール
を通して所定の厚さとする方法が一般的に挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、汎用の
ポリエステル樹脂は、一般に、溶融粘度が低く、その為
に、厚さ1mm程度に押出成形しようとすると、押出し
後のシートが著しくドローダウンし、賦形することが難
しい。しかも、押出し時に、球晶が生成し易く、透明性
が損なわれたり、結晶固化により賦形不良が生じる問題
がある。その為、形状および寸法が均一で、しかも透明
性に優れた厚いシートを得ることは事実上きわめて困難
であった。そこで、ポリエステル樹脂の溶融粘度を向上
させるべく、固相重合による分子量増加の他、押出成形
に適するポリエステル樹脂に関する種々の提案が従来か
らなされている。例えば、特開昭54−137095号
公報には、多官能モノマーを共重合し、溶融粘度を上昇
する方法が開示されているが、多官能モノマーによる部
分的なゲル化の為にシートに厚みムラが発生するという
問題がある。特開平7−207003号公報には、シク
ロヘキサンジメタノール等を共重合することで、結晶性
を抑制し、成形温度を低く設定することで溶融粘度を上
昇させる方法が提案されている。しかし、押出成形に適
する十分な溶融粘度は得られておらず、また、低温で成
形を行なう為に成形体の外観が損なわれやすい。特開平
9−176296号公報には、多官能モノマーと共に単
官能モノマーを共重合することにより3次元化を防止
し、外観の向上を図る提案がなされているが、成形体の
機械的特性が満足できるものではなかった。
【0004】本発明は前記課題を解決する為になされた
もので、溶融粘度が高く押出成形に適しており、かつ、
得られる押出成形体の機械的特性、外観、透明性が良好
となるポリエステル樹脂およびその成形体を目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した如
き現状の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ポリエ
ステル樹脂に特定の成分を共重合することで、押出成形
に適する上に、表面外観、機械的特性等が向上すること
を見い出し、本発明に到達したものである。本発明のポ
リエステル樹脂は、(A)テレフタル酸単位を80〜1
00モル%含むジカルボン酸成分と、(B)エチレング
リコール単位を主とする2価アルコール成分と、(C)
3価以上の多価カルボン酸または多価アルコール化合物
の少なくとも1種の成分を0.05〜2モル%とを有
し、フェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中で
の25℃における極限粘度[η]が0.50dl/g以
上であるポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹
脂の270℃における溶融張力が0.8〜5gであるこ
とを特徴とするものである。本発明の押出成形体は、こ
のポリエステル樹脂を押し出して成形してなるものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂におい
ては、(A)成分として、テレフタル酸単位を必須とし
て含むジカルボン酸を含有する。(A)成分中、テレフ
タル酸以外に含まれるものとしては、例えば、シュウ
酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、ダイマ
ー酸、1,3若しくは1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、シクロペンタンジカルボン酸、4,4’−ジシクロ
ヘキシルジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、イソフ
タル酸、ナフタレン−1,4若しくは2,6−ジカルボン
酸、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニル
ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、5−スルホイソフタル酸、3−スルホイソフタル
酸ナトリウム等芳香族ジカルボン酸およびこれらのエス
テル形成誘導体が挙げられる。エステル形成誘導体とし
ては、低級アルキルエステルやアリールエステル、炭酸
エステル、酸ハロゲン化物等が挙げられる。また、これ
らの中でも、耐熱性の観点から、芳香族ジカルボン酸お
よびそれらのエステル形成誘導体を酸成分とするものが
好ましい。なかでも、イソフタル酸単位及び又は2,6
−ナフタレンジカルボン酸単位を含むものが好ましく、
その割合は、1〜20モル%とすることが好ましい。テ
レフタル酸成分は全酸成分中80モル%以上含有されて
いることが好ましく、85モル%以上含有されていれば
より好ましい。これはテレフタル酸成分が80モル%未
満であると、成形体の機械的強度が低下するおそれがあ
り、生産性も低下するからである。
【0007】本発明のポリエステル樹脂には、(B)成
分として、エチレングリコール単位を主とする2価アル
コール成分を有する。この(B)成分は、色調、透明
性、耐熱性、耐衝撃性等の為、以下のグリコール成分を
共重合できる。例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ダイマージオール、
シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、下記化学式(1)、(2)、(3)で示されるアル
コール成分、およびこれらの誘導体のエチレンオキサイ
ド付加物等を含有することができる。特に、下記化学式
(1)〜(3)で示されるものが、透明性、耐衝撃性を
も改善できて好ましい。なかでも、次式(3)に示され
るビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ま
しい。特に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2付
加物(m=n=1)が好ましい。
【0008】
【化1】 化学式中、Aは、CH2、C(CH3)2、C(CF3)2
O、S、または、SO2を示し、1≦m+n≦4を満足
する。
【化2】 化学式中、Aは、CH2、C(CH3)2、C(CF3)2
O、S、または、SO2を示し、RはC1〜C5のアル
キル基を示し、1≦m+n≦4を満足する。
【化3】 化学式中、1≦m+n≦4を満足する。(B)成分に
は、成形体の耐熱性の点から、エチレングリコールを5
0モル%以上含有することが好ましい。70〜100モ
ル%であればより好ましい。上記化学式(1)〜(3)
に示される化合物は、(B)成分中に1〜20モル%含
有されることが好ましい。上記化学式(1)〜(3)に
示される化合物において、m+nが4よりも大きくなる
と、耐熱性が低下する傾向がある。
【0009】本発明の(C)成分として含有される3価
以上の多価カルボン酸または多価アルコール化合物は、
少量でありながら樹脂に溶融張力を効果的に付与するも
ので、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、およ
びこれらの無水物等の多価カルボン酸、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等の多価
アルコールが挙げられる。
【0010】本発明において、(A)成分と(B)成分
の配合比は、モル比で98〜100:98〜100であ
ることが好ましい。(C)成分の配合量としては、モル
比で(A)成分または(B)成分を100としたとき
に、0.05〜2モルとなる範囲が好ましい。即ち例え
ば、(C)成分が多価カルボン酸であるときは(A)成
分に対して0.05〜2モル%、また、(C)成分が多
価アルコール化合物であるときは(B)成分に対して
0.05〜2モル%となる。(C)成分が0.05モル%
未満であると、(C)成分を配合した効果が十分に得ら
れず、2モル%よりも多いと、ゲル化による反応の制御
が困難になる傾向がある。0.1〜1モル%であればよ
り好ましい。
【0011】本発明のポリエステル樹脂の重合度として
は、25℃のフェノール/テトラクロロエタン等量混合
溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.50dl/g
以上となる重合度が好ましい。0.6〜1.4dl/gで
あればより好ましい。0.5dl/g未満であると、溶
融粘度が低く、ドローダウンが大きく、成形時のロスが
大きくなる。1.4dl/gを越えるものは重合が困難
であるうえ、成形時に高い成形圧を必要とし、かつ成形
加工性が悪くなる。この極限粘度は、重合条件を適宜変
更することにより調整することができる。例えば、重合
組成、重合温度、重合触媒量や種類、反応停止攪拌トル
ク、固相重合条件等を変更することで目的とするポリエ
ステル樹脂を得られる。本発明のポリエステル樹脂の2
70℃での溶融張力は、0.8〜5gが望ましい。0.8
g未満であると、押出成形時のドローダウンが大きく、
ロスが大きくなる。また、5gよりも高いと、成形時の
残存応力が大きくなり、成形体の寸法安定性が低下する
傾向にある。
【0012】本発明のポリエステル樹脂は、周知の直接
重合法や、エステル交換法等により製造できる。例え
ば、エステル交換法では、上述した各成分を反応容器内
に仕込み、エステル交換触媒の存在下で150〜250
℃まで加熱して十分にエステル交換反応を行った後、重
合触媒を加え5mmHg以下の減圧下で250〜300
℃に加熱し、2〜5時間反応させることによって本発明
の樹脂を得ることができる。また、エステル化法では、
例えば、各成分を反応容器内に仕込み、窒素で加圧した
状態で150〜250℃まで加熱して十分にエステル化
反応を行った後、重合触媒を加え5mmHg以下の減圧
下で250〜300℃に加熱し、2〜5時間反応させる
ことによって本発明の樹脂を得ることができる。
【0013】本発明のポリエステル樹脂を製造する際に
使用される触媒としては、例えば、エステル交換触媒と
して、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム、テ
トラブトキシチタン等が挙げられ、重合触媒として、三
酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニ
ウム、テトラブトキシチタン、ジブチルスズオキシド等
が挙げられ、全酸成分に対して20〜1000ppmの
範囲で添加される。重合反応を安定して行う為に、以下
のような抗酸化剤を0.03〜2重量%程添加すること
ができる。例えば、テトラキス(メチレン−3−(ドデ
シルチオ)プロピオネート)メタン、テトラキス(メチ
レン(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシ
ンナメート))メタン、トリデシルフォスフェート、ト
リス(2,4−ジブチルフェニル)フォスファイト、テ
トラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチ
ル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタ
ン等が挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み合
わせて使用することができる。中でも、テトラキス(メ
チレン(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロ
シンナメート))メタン、トリデシルフォスフェート、
テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブ
チル−4’−ヒドロキシフェニル)プリオネート)メタ
ンが好ましい。
【0014】さらに必要に応じて、紫外線吸収剤、光安
定剤、離型剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤等の添加剤、
ならびにポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
オキシメチレン、ポリメチルメタクリレート等の他の樹
脂、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無
機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料を配合
することができる。本発明のポリエステル樹脂は、種々
の成形方法により様々な成形体に成形可能であるが、専
ら押出成形に適しており、射出成形、ブロー成形等によ
り、シート状成形体に特に好適である。本発明のポリエ
ステル樹脂を使用した成形体に、さらに特定の性能を付
与する為に、従来周知の各種の加工処理を施すことも可
能である。例えば、紫外線、α線、β線、γ線、あるい
は電子線等の照射、コロナ処理、プラズマ照射処理、火
炎処理、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ
アミド、ポリオレフィン等の樹脂の塗布、ラミネート、
あるいは金属の蒸着等が挙げられる。押出成形体として
は、その寸法安定性が0.01〜1.0%のものが望ま
れ、本発明により実現される。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。 [実施例1]テレフタル酸775.6g、イソフタル酸
86.2g、エチレングリコール483.3g、トリメチ
ロールプロパン3.5gを反応容器に入れ、190〜2
25℃で3時間加熱攪拌してエステル化反応を行なっ
た。次いで、260℃に昇温し、重合触媒として三酸化
アンチモン0.34gを添加して重合反応を進行させ
た。得られたポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が
0.64dl/gであった。この樹脂を80℃、8時間
乾燥してペレットとし、さらに280℃で射出成形して
厚さ200μmのシート状の成形体を得た。得られたシ
ート状の押出成形体について、その耐衝撃性、寸法安定
性、外観の試験、評価を行なった。
【0016】[実施例2]テレフタル酸ジメチル94
2.6g、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル6
2.4g、エチレングリコール761.8g、トリメチロ
ールプロパン6.9g、エステル交換触媒として酢酸マ
ンガン0.40gを反応容器に入れ、エステル交換反応
を行なった。次いで、リン酸0.10g、二酸化ゲルマ
ニウム0.30g添加し、重合反応を進行させた。得ら
れたポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が0.55d
l/gであった。この樹脂を用いて実施例1と同様にし
て、各評価を行った。 [実施例3]テレフタル酸734.2g、イソフタル酸
129.6g、エチレングリコール484.4g、トリメ
チロールプロパン0.7gを反応容器に入れ、実施例1
と同様にしてエステル化反応を行なった。次いで、重合
触媒として三酸化アンチモン0.35gを添加して重合
反応を進行させた。得られたポリエステル樹脂は、極限
粘度[η]が0.74dl/gであった。この樹脂を用
いて実施例1と同様にして、各評価を行った。
【0017】[実施例4]テレフタル酸859.7g、
無水トリメリット酸3.0g、エチレングリコール48
3.5gを反応容器に入れ、実施例1と同様にしてエス
テル化反応を行なった。次いで、重合触媒として三酸化
アンチモン0.35gを添加して重合反応を進行させ
た。得られたポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が
0.62dl/gであった。この樹脂を用いて実施例1
と同様にして、各評価を行った。 [実施例5]テレフタル酸757.7g、エチレングリ
コール396.6g、ビスフェノールAのエチレンオキ
サイド2モル付加物151.4g、トリメチロールプロ
パン1.8g、エステル交換触媒として酢酸マンガン0.
40gを反応容器に入れ、エステル交換反応を行なっ
た。次いで、リン酸0.08g、二酸化ゲルマニウム0.
23gを添加して重合反応を進行させた。得られたポリ
エステル樹脂は、極限粘度[η]が1.07dl/gで
あった。この樹脂を用いて実施例1と同様にして、各評
価を行った。
【0018】[比較例1]テレフタル酸735.1g、
イソフタル酸84.5g、エチレングリコール473.8
g、無水トリメリット酸29.3gを反応容器に入れ、
エステル化後、重合触媒として三酸化アンチモン0.3
4gを添加して重合反応を進行させた。得られたポリエ
ステル樹脂は、極限粘度[η]が1.00dl/gであ
った。この樹脂を用いて実施例1と同様にして、各評価
を行った。 [比較例2]テレフタル酸ジメチル982.2g、2,6
−ナフタレンジカルボン酸ジメチル25.2g、エチレ
ングリコール769.6g、トリメチロールプロパン3.
5g、エステル交換触媒として酢酸マンガン0.40g
を反応容器に入れ、エステル交換反応を行なった。次い
で、リン酸0.10g、二酸化ゲルマニウム0.30gを
添加して重合反応を進行させた。得られたポリエステル
樹脂は、極限粘度[η]が0.48dl/gであった。
この樹脂を用いて実施例1と同様にして、各評価を行っ
た。
【0019】[比較例3]テレフタル酸647.8g、
イソフタル酸215.9g、エチレングリコール484.
4g、トリメチロールプロパン0.7gを反応容器に入
れ、エステル化反応を行なった後、重合触媒として三酸
化アンチモン0.35gを添加して重合反応を進行させ
た。得られたポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が
0.67dl/gであった。この樹脂を用いて実施例1
と同様にして、各評価を行った。 [比較例4]テレフタル酸715.2g、エチレングリ
コール361.0g、ビスフェノールAのエチレンオキ
サイド2モル付加物214.4gを反応容器に入れ、エ
ステル化反応を行なった後、重合触媒として三酸化アン
チモン0.29gを添加して重合反応を進行させた。得
られたポリエステル樹脂は、極限粘度[η]が0.81
dl/gであった。この樹脂を用いて実施例1と同様に
して、各評価を行った。
【0020】各試験、評価方法は次の通りである。 〔極限粘度〕フェノール/1,1,2,2−テトラクロロ
エタン=重量比1/1の混合溶媒に重合したチップの粉
砕物を溶解させ、25℃で測定した。 〔溶融張力〕キャピログラフを使用し、270℃、L/
D=10で押し出した際の溶融樹脂を引き取る際の荷重
(g)を測定した。 〔耐衝撃性〕280℃でTダイ法により200μmのシ
ートを成膜し、23℃で24時間放置後、落錘式試験機
でシートが破壊する高さを測定し、試験に供したサンプ
ルの個数の50%以上が破壊する高さを求めた。 〇:50%破壊高さが90cm以上 △:50%破壊高さが60〜90cm ×:50%破壊高さが60cm未満 〔寸法安定性〕280℃で溶融し、射出成形した100
×100×2mmの試験片を23℃で24時間放置した
後、正確に寸法を測定した値をA0、この試験片を40
℃の条件下で100時間後、23℃、24時間放置後に
測定した値をAとし、次式により算出した。 寸法安定性=(A0−A)/A0 〔溶融粘度〕キャピログラフを使用し、280℃、L/
D=10、剪断速度1200(1/秒)で押出した際の
粘度を測定した。 〔外観〕1mm厚押出成形体の表面状態を目視にて観察
した。尚、表1に示してある樹脂組成は、各重合したチ
ップに対し、熱分解クロマトグラフィー及びアルカリ分
解物についての高速液体クロマトグラフィーにより樹脂
組成分析を行った結果である。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、本実施例のポリ
エステル樹脂であると、溶融粘度が大きく成形性が良好
である上に、耐衝撃性、寸法安定性、外観が良好であ
る。対して、無水トリメリット酸の配合量が多く、溶融
張力が大きい比較例1のポリエステル樹脂からなる成形
体は、耐衝撃性、寸法安定性、外観が悪化する。また、
極限粘度が小さい比較例2では、溶融粘度が小さい上に
耐衝撃性も悪い。テレフタル酸が少ない比較例3では、
耐衝撃性、寸法安定性に劣る。3価以上の多価カルボン
酸または多価アルコール化合物を含まず、溶融張力が小
さい比較例4では、押出成形体が得られず、耐衝撃性お
よび成形体外観の評価を行なえなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂は、溶融粘度
が高く、押出成形に優れ、得られる押出成形体は、機械
的特性、外観、透明性等の諸物性、成形加工性に優れ、
実用上、十分な耐衝撃性を示す。また、寸法安定性、金
型転写性、表面光沢に優れた特性を有し、建材、内装部
品、カード等に広く利用される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)テレフタル酸単位を80〜100
    モル%含むジカルボン酸成分と、(B)エチレングリコ
    ール単位を主とする2価アルコール成分と、(C)3価
    以上の多価カルボン酸または多価アルコール化合物の少
    なくとも1種の成分を0.05〜2モル%とを有し、フ
    ェノール/テトラクロロエタン等量混合溶媒中での25
    ℃における極限粘度[η]が0.50dl/g以上であ
    るポリエステル樹脂であって、該ポリエステル樹脂の2
    70℃における溶融張力が0.8〜5gであることを特
    徴とするポリエステル樹脂。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂を押し
    出して成形してなることを特徴とする押出成形体。
JP10125032A 1998-05-07 1998-05-07 ポリエステル樹脂および押出成形体 Withdrawn JPH11315136A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005171081A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Toyo Seikan Kaisha Ltd 圧縮成形用ポリエステル樹脂及びこの樹脂から成るプリフォーム及びポリエステル容器
JP2015151510A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 大和製罐株式会社 共重合ポリエステル樹脂及びその中空容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005171081A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Toyo Seikan Kaisha Ltd 圧縮成形用ポリエステル樹脂及びこの樹脂から成るプリフォーム及びポリエステル容器
JP2015151510A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 大和製罐株式会社 共重合ポリエステル樹脂及びその中空容器

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