JPH0873710A - 強化ポリエステル樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

強化ポリエステル樹脂組成物およびその製造法

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JPH0873710A
JPH0873710A JP20853394A JP20853394A JPH0873710A JP H0873710 A JPH0873710 A JP H0873710A JP 20853394 A JP20853394 A JP 20853394A JP 20853394 A JP20853394 A JP 20853394A JP H0873710 A JPH0873710 A JP H0873710A
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polyester
fluoromica
reinforced
based mineral
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JP20853394A
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Kenji Yasue
健治 安江
Tsuneo Tamura
恒雄 田村
Yoshitoshi Watanabe
美登志 渡邉
Shinichiro Katahira
新一郎 片平
Izumi Yoshida
泉 吉田
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (1)ポリエステル100重量部と、タルク
と珪フッ化アルカリまたはフッ化アルカリの混合物を加
熱処理して得られる膨潤性のフッ素雲母0.01〜10
0重量部とからなる強化ポリエステル樹脂組成物。 (2)ポリエステル100重量部を形成するモノマー量
に対して、膨潤性フッ素雲母系鉱物が0.01〜100
重量部存在した状態で、ポリエステルの重合を行うこと
を特徴とする強化ポリエステル樹脂組成物の製造法。 【効果】 機械的強度、靭性、耐熱性および寸法安定性
に優れ、また、成形品のそりがなく、表面光沢にも優れ
た性能を有する強化樹脂組成物が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ポリエステルと特定のフッ素雲
母系鉱物とからなる機械的強度、靭性、耐熱性および寸
法安定性に優れた強化ポリエステル樹脂組成物およびそ
の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルをガラス繊維や炭素繊維な
どの繊維状強化材やタルクなどの無機質で強化した樹脂
組成物は広く知られている。しかしこれらの強化材はポ
リエステルとの親和性に乏しく、強化ポリエステル樹脂
組成物の機械的強度や耐熱性は改良されるものの、靭性
や成形性が低下し、また繊維状強化材で強化した樹脂組
成物では成形品のそりが大きくなるなどの問題点があっ
た。しかも、これら強化材で強化した樹脂組成物では、
強化材を多量に配合しないと機械的強度や耐熱性が向上
しないので、成形品表面の光沢に代表される外観が悪く
なるという問題点があった。
【0003】このような強化ポリエステル樹脂組成物の
欠点を改良するため、ポリエステルにワラストナイトな
どの無機充填材を配合することが試みられている(特開
昭54−17959)。また、チタン酸カリウム繊維な
どの繊維状微粒子を配合することも提案されている(湯
本和男編、「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」、P
351、日刊工業新聞社、1989年)が、従来の強化
材の問題点を解決するには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決し、成形品のそりがなく、機械的強度、靭性、
耐熱性、寸法安定性および表面光沢に優れた強化ポリエ
ステル樹脂組成物およびその製造法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエ
ステルと特定のフッ素雲母系鉱物とからなる強化ポリエ
ステル樹脂組成物が優れた性能を有し、また、特定の製
造法を用いることによりさらに効果的に本発明の課題を
解決することができることを見い出し、本発明に到達し
た。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 ポリエステル100重量部と、膨潤性フッ素雲母系
鉱物0.01〜100重量部とからなる強化ポリエステ
ル樹脂組成物。
【0007】 ポリエステル100重量部を形成する
モノマ−量に対して膨潤性フッ素雲母系鉱物が0.01
〜100重量部存在した状態でポリエステルの重合を行
うことを特徴とする強化ポリエステル樹脂組成物の製造
法。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明で用いられる膨潤性フッ素雲母系鉱
物は、タルクとナトリウムおよび/またはリチウムの珪
フッ化物もしくはフッ化物との混合物を加熱処理して得
られる。その具体的方法としては例えば特開平2−14
9415号公報に開示された方法がある。すなわち、タ
ルクを出発物質として用い、これにナトリウムイオンお
よび/またはリチウムイオンをインターカレーションし
て膨潤性フッ素雲母系鉱物を得る方法である。この方法
ではタルクに珪フッ化物および/またはフッ化物を混合
し、磁性ルツボ内で約700〜1200℃で短時間加熱
処理することによってフッ素雲母系鉱物が得られる。本
発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物は特にこの方法で
製造されたものが好ましい。
【0010】膨潤性のフッ素雲母系鉱物を得るために
は、珪フッ化物あるいはフッ化物を構成する金属はアル
カリ金属のうち、ナトリウムあるいはリチウムとするこ
とが必要である。これらのアルカリ金属は単独で用いて
もよいし併用してもよい。アルカリ金属のうち、カリウ
ムの場合には膨潤性のフッ素雲母系雲母が得られないの
で好ましくないが、ナトリウムあるいはリチウムと併用
し、かつ限定された量であれば膨潤性を調節する目的で
用いることも可能である。また、タルクと混合する珪フ
ッ化物および/またはフッ化物の量は混合物全体の10
〜35重量%の範囲が好ましく、この範囲を外れると膨
潤性フッ素雲母系鉱物の生成率が低下する。
【0011】本発明で用いられる膨潤性のフッ素雲母系
鉱物は次式で示される。
【0012】 α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2 ここで、Mはナトリウムまたはリチウムを表し、α、
β、γ、aおよびbはそれぞれ係数を表し、0.1≦α
≦2、2≦β≦3.5、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦
b≦1、a+b=1である。
【0013】本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母系鉱
物がカルボン酸類、アルコール類、水分子などの極性分
子を層間に吸収することにより、層間距離が拡がり、あ
るいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子となる特性を
意味し、前記の式で表されるフッ素雲母系鉱物はこのよ
うな膨潤性を示す。
【0014】膨潤性フッ素雲母系鉱物は、粒径が15μ
m以下、特に10μm以下で、X線粉末法で測定してC
軸方向の層厚みが9〜20Åのものが好ましい。
【0015】膨潤性フッ素雲母系鉱物を前もってオニウ
ム化合物などで膨潤化処理を行ってからモノマーあるい
はオリゴマーに所定量配合した後、重合するとより優れ
た機械的および熱的性能を有する強化ポリエステル樹脂
組成物が得られる。このようなオニウム化合物としては
アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物、アルソニウ
ム化合物、スチボニウム化合物、オキソニウム化合物、
スルホニウム化合物、セレノニウム化合物、スタノニウ
ム化合物、ヨードニウム化合物などがある。膨潤化処理
は、たとえば、これらオニウム化合物の水溶液に膨潤性
フッ素雲母系鉱物を混合し、沈澱物をろ過することによ
って行うことができる。このように処理された膨潤性フ
ッ素雲母系鉱物は乾燥後、本発明に用いることができ
る。
【0016】また本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱
物を製造する工程において、アルミナ(Al2 3 )を
少量配合し、生成する膨潤性フッ素雲母系鉱物の膨潤性
を調節することも可能である。
【0017】本発明で用いる膨潤性フッ素雲母系鉱物
は、従来の非膨潤性の無機質であるタルクなどに比べ
て、より優れた結晶化促進効果を有する。この効果は特
に膨潤性フッ素雲母系鉱物の存在下にポリエステルの重
合を行って得られる強化ポリエステル樹脂組成物の場合
に顕著に現れる。
【0018】本発明におけるポリエステルはエステル結
合を主鎖に有する重合体であって、一般にジカルボン酸
とジオールとから製造される。
【0019】このようなポリエステルを形成するモノマ
ーの例を挙げると、次のようなものがある。ジカルボン
酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル
酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジフェニル
ジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、ジグリコール酸など
がある。
【0020】ジオールとしてはエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタ
ノール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどがある。
【0021】本発明における好ましいポリエステルとし
てはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリブチレ
ンナフタレートがあり、特に好ましいのはポリエチレン
テレフタレートとポリブチレンテレフタレートである。
これらのポリエステルにはその30モル%以下の範囲内
で他の成分を共重合することも可能である。
【0022】本発明におけるポリエステルは通常公知の
溶融重合法で、あるいはさらに固相重合法を併用して製
造される。ポリエステルの固有粘度としては特に制限は
ないが、溶媒としてフェノール/テトラクロルエタン=
60/40(重量比)を用い、温度20℃の条件で求め
た固有粘度が0.5〜2.0の範囲であることが好まし
い。固有粘度が0.5未満の場合は、樹脂組成物の機械
的性能が低下するので好ましくない。逆に2.0を超え
る場合には樹脂組成物の成形性が急速に低下するので好
ましくない。
【0023】膨潤性フッ素雲母系鉱物の配合量はポリエ
ステル100重量部あるいはそれを形成するモノマー量
に対して0.01〜100重量部である。0.01重量
部未満では本発明の目的とする機械的強度、耐熱性、寸
法安定性の改良効果が得られず、100重量部を超える
場合には靭性の低下が大きくなるので好ましくない。
【0024】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物は、
ポリエステルを形成するモノマーあるいはオリゴマーに
対して、膨潤性フッ素雲母系鉱物を所定量存在させた状
態で重合することによって膨潤性フッ素雲母系鉱物がポ
リエステル中に十分細かく分散し、本発明の効果がもっ
とも顕著に現れる。
【0025】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物は、
直接エステル化法およびエステル交換法のいずれの方法
でも製造することができる。直接エステル化法において
はテレフタル酸とエチレングリコールとからビスヒドロ
キシエチルテレフタレートを生成するエステル化工程、
また、エステル交換法においてはジメチルテレフタレー
トとエチレングリコールとからビスヒドロキシエチルテ
レフタレートを生成するエステル交換工程を膨潤性フッ
素雲母系鉱物の存在下で行うこともできるし、その後の
ビスヒドロキシエチルテレフタレートの重縮合工程を膨
潤性フッ素雲母系鉱物の存在下で行ってもよい。
【0026】本発明の方法において膨潤性フッ素雲母系
鉱物は直接反応系に加えてもよいし、あらかじめ一方の
モノマー例えばエチレングリコールに混合してから反応
系に加えてもよい。また触媒その他の配合剤と混合して
加えることもできる。
【0027】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物を製
造する場合、公知のエステル交換触媒あるいは重縮合触
媒を用いることができる。エステル交換触媒としては、
ナトリウムやマグネシウムのメチラート、あるいは亜
鉛、カドミウム、マンガン、コバルト、カルシウム、バ
リウムなどの脂肪酸塩、あるいは炭酸塩、金属マグネシ
ウム、鉛、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウムなどの酸化
物などがある。重縮合触媒としては上記エステル交換触
媒に加えて、チタン、アンチモン、スズもしくはゲルマ
ニウムのアルコキシド、酸化物、炭酸塩、水酸化物、硫
酸塩、塩化物などがある。
【0028】本発明の強化ポリエステル樹脂組成物に
は、その特性を大きく損なわない限りにおいて顔料、熱
安定剤、酸化防止剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤
などを添加することもできる。熱安定剤や酸化防止剤と
しては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合
物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物などを使用する
ことができる。これら熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤な
どの添加剤は一般に溶融混練時あるいは重合時に加えら
れる。
【0029】本発明の樹脂組成物は通常の成形加工方法
で目的の成形品とすることができる。たとえば射出成
形、押出し成形、吹き込み成形、焼結成形などの熱溶融
成形法や、有機溶媒溶液から流延法により薄膜とするこ
ともできる。本発明の樹脂組成物は機械的強度、耐熱性
および寸法安定性がポリエステル単独の場合に比べて顕
著に改良され、温度による機械的性質や寸法の変化が少
ない。本発明の樹脂組成物はその優れた性能により、電
気電子機器分野におけるスイッチやコネクターなどの機
構部品やハウジング類、自動車分野におけるアンダーボ
ンネット部品や外装部品、外板部品あるいはリフレクタ
ーなどの光学部品など、あるいは機械分野におけるギア
やベアリングリテーナーなど、あるいはボトルに代表さ
れる容器類、さらには、繊維やフィルムとすることも可
能である。
【0030】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0031】なお、実施例および比較例に用いたフッ素
雲母系鉱物および測定法は次のとおりである。
【0032】(1)フッ素雲母系鉱物 ボールミルにより平均粒径が2μmとなるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μmの表1に示す
珪フッ化物、フッ化物あるいはアルミナを表1に示す割
合(重量部)で混合し、これを磁性ルツボに入れ、電気
炉で1時間800℃に保持し、M−1からM−6のフッ
素雲母系鉱物を合成した。
【0033】生成したフッ素雲母系鉱物をX線粉末法で
測定した結果、M−1からM−6は、原料タルクのC軸
方向の厚み9.2Åに対応するピークは消失し、膨潤性
フッ素雲母系鉱物の生成を示す、12〜16Åに対応す
るピークが認められた。
【0034】
【表1】
【0035】(2)測定法 (a) 曲げ強度および曲げ弾性率 3.2mm厚みの試験片を用い、ASTM D638に
基づいて測定した。
【0036】(b) アイゾット衝撃試験 上記試験片を用い、ASTM D256に基づいて測定
した。
【0037】(C) 熱変形温度(HDT) 上記試験片を用い、ASTM D648に基づいて、荷
重18.6kg/cm2 および4.5kg/cm2 で測
定した。
【0038】(d) 成形収縮率 ポリエチレンテレフタレートの場合、シリンダー温度2
70℃、金型温度60℃の条件で射出成形機を用い、縦
5cm×横5cm、厚み3mmの金型を用いて試験片を
成形し、縦と横方向の平均の成形収縮率を求めた。ポリ
ブチレンテレフタレートの場合、シリンダー温度を24
0℃とした以外は同様にして成形収縮率を求めた。
【0039】(e) 線膨張係数 成形収縮率の測定に用いた試験片の中央部から1cm角
の試料を切り出し、線膨張率測定器(島津製作所社製、
TMA−50型)を用い、3℃/分の昇温速度で25℃
から70℃までの温度での平均の線膨張係数を測定し
た。線膨張係数は縦方向と横方向の平均の値で表した。
【0040】(f) そり 成形収縮率の測定に用いた試験片を凹面を下にして水平
面上に載せ、凸面の水平面からの最大高さから試験片の
厚み3mmを減じた値をもってそりの量とした。
【0041】(g) 表面光沢度 成形収縮率の測定に用いた試験片を用い、光沢度計(村
上色彩技術研究所社製、グロスメーターGM−30)に
より、60度の角度での表面光沢度を測定した。
【0042】(h) 結晶化促進効果 ペレットを融点以上に加熱後、水中に投じ急冷すること
により、非晶試料を得た。この試料の結晶化速度のピー
ク温度をDSC(示差熱分析計)を用い、20℃/分の
昇温速度で求め、このピーク温度により結晶化促進効果
を評価した。(ピーク温度が低いほど結晶化促進効果が
大きい。) 実施例1 攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を備えたエステル化槽と重縮合槽との2槽からなる重合
装置を用いて強化ポリエチレンテレフタレート樹脂組成
物を製造した。エステル化槽にエチレングリコールとテ
レフタル酸をモル比1.6:1の割合で仕込み、さらに
フッ素雲母系鉱物M−1を理論生成ポリマー量100重
量部に対して2重量部となるように仕込んだ。255℃
で2時間反応を行い、ビスヒドロキシエチルテレフタレ
ートを主成分とするオリゴマーを得た。その後、反応内
容物を重縮合槽に移送した。重縮合槽に触媒として三酸
化アンチモンをテレフタル酸のモル数に対して100p
pm添加し、減圧下で、常法により275℃で4時間反
応を行い、取り出し口から溶融ポリマーを排出し、これ
を冷却してカットしペレットとした。得られたペレット
の見かけの固有粘度は0.60であった。このペレット
を用い、シリンダー温度270℃、金型温度60℃の条
件で射出成形機により、各種試験片を成形し、性能の評
価を行った。
【0043】その結果を表2に掲げた。
【0044】実施例2 フッ素雲母系鉱物M−1の配合量を5重量部とした他は
実施例1と同様にして強化ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物を製造した。得られたペレットの見かけの固
有粘度は0.56であった。以下実施例1の場合と同様
にして性能評価を行った。その結果を表2に掲げた。
【0045】実施例3 フッ素雲母系鉱物M−1の配合量を1重量部とした他は
実施例1と同様にして強化ポリエチレンテレフタレート
樹脂組成物を製造した。得られたペレットの見かけの固
有粘度は0.59であった。以下実施例1の場合と同様
にして性能評価を行った。その結果を表2に掲げた。
【0046】実施例4 攪拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取り出し口
を備えたエステル交換槽と重縮合槽との2槽からなる重
合装置を用いて強化ポリエチレンテレフタレート樹脂組
成物を製造した。エステル交換槽にエチレングリコール
とジメチルテレフタレートとをモル比1.3:1の割合
で仕込み、さらにフッ素雲母系鉱物M−2を理論生成ポ
リマー量100重量部に対して2重量部となるように仕
込んだ。
【0047】触媒として酢酸亜鉛をテレフタル酸のモル
数に対して50ppm添加し、255℃で2時間反応を
行い、ビスヒドロキシエチルテレフタレートを主成分と
するオリゴマーを得た。その後、反応内容物を重縮合槽
に移送した。重縮合槽にさらに触媒として三酸化アンチ
モンをテレフタル酸のモル数に対して100ppm添加
し、減圧下で、常法により275℃で4時間反応を行
い、取り出し口から溶融ポリマーを排出し、これを冷却
してカットしペレットとした。得られたペレットの見か
けの固有粘度は0.58であった。以下実施例1の場合
と同様にして性能評価を行った。その結果を表2に掲げ
た。
【0048】実施例5 フッ素雲母系鉱物をM−3とした他は実施例4と同様に
して強化ポリエチレンテレフタレート樹脂組成物を製造
した。得られたペレットの見かけの固有粘度は0.61
であった。以下実施例1の場合と同様にして性能評価を
行った。その結果を表2に掲げた。
【0049】
【表2】
【0050】実施例6 実施例1で用いたと同じ重合装置を用い、強化ポリブチ
レンテレフタレート樹脂組成物を製造した。エステル化
槽に1,4−ブタンジオールとテレフタル酸をモル比
1.6:1の割合で仕込み、さらにフッ素雲母系鉱物M
−4を理論生成ポリマー量100重量部に対して2重量
部となるように仕込んだ。220℃で2時間反応を行
い、ビスヒドロキシブチルテレフタレートを主成分とす
るオリゴマーを得た。その後、反応内容物を重縮合槽に
移送した。重縮合槽にテトラ−n−ブチルチタネートを
テレフタル酸のモル数に対して100ppm添加し、減
圧下で、常法により250℃で4時間反応を行い、取り
出し口から溶融ポリマーを排出し、これを冷却してカッ
トしペレットとした。得られたペレットの見かけの固有
粘度は0.85であった。このペレットを用い、シリン
ダー温度240℃、金型温度60℃の条件で射出成形機
により、各種試験片を成形し、性能の評価を行った。そ
の結果を表3に掲げた。
【0051】実施例7 フッ素雲母系鉱物M−4の配合量を5重量部とした他は
実施例6と同様にして強化ポリブチレンテレフタレート
樹脂組成物を製造した。得られたペレットの見かけの固
有粘度は0.56であった。以下実施例6の場合と同様
にして性能評価を行った。その結果を表3に掲げた。
【0052】実施例8 フッ素雲母系鉱物M−4の配合量を1重量部とした他は
実施例6と同様にして強化ポリブチレンテレフタレート
樹脂組成物を製造した。得られたペレットの見かけの固
有粘度は0.90であった。以下実施例6の場合と同様
にして性能評価を行った。その結果を表3に掲げた。
【0053】実施例9 フッ素雲母系鉱物をM−5とした他は実施例6と同様に
して強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を製造
した。得られたペレットの見かけの固有粘度は0.87
であった。以下実施例6の場合と同様にして性能評価を
行った。その結果を表3に掲げた。
【0054】実施例10 フッ素雲母系鉱物をM−6とした他は実施例6と同様に
して強化ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を製造
した。得られたペレットの見かけの固有粘度は0.89
であった。以下実施例6の場合と同様にして性能評価を
行った。その結果を表3に掲げた。
【0055】
【表3】
【0056】比較例1 フッ素雲母系鉱物を配合しなかった他は実施例1と同様
にしてポリエチレンテレフタレートを製造した。得られ
たペレットの固有粘度は0.59であった。以下実施例
1と同様にして性能評価を行った。その結果を表4に掲
げた。
【0057】比較例2 実施例1で得られたポリエチレンテレフタレートにガラ
ス繊維(日本電気硝子社製、T277チョップドストラ
ンド、直径13μm、長さ3mm)を30重量%(ポリ
エチレンテレフタレート100重量部に対して43重量
部)配合し、押出機を用い、シリンダー温度270℃で
コンパウンドし、ガラス繊維強化樹脂組成物のペレット
を得た。以下実施例1と同様にして性能評価を行った。
その結果を表4に掲げた。
【0058】比較例3 フッ素雲母系鉱物を配合しなかった他は実施例6と同様
にしてポリブチレンテレフタレートを製造した。得られ
たペレットの固有粘度は0.91であった。以下実施例
6と同様にして性能評価を行った。その結果を表4に掲
げた。
【0059】比較例4 フッ素雲母系鉱物の代わりにタルクを2重量部配合した
他は実施例6と同様にして強化ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂組成物を製造した。得られたペレットの固有粘
度は0.90であった。以下実施例6と同様にして性能
評価を行った。
【0060】その結果を表4に掲げた。
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、従来の強化材で強化さ
れた樹脂組成物に比べて機械的強度、靭性、耐熱性およ
び寸法安定性に優れ、また、成形品のそりがなく、表面
光沢にも優れた性能を有する強化樹脂組成物が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片平 新一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 吉田 泉 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル100重量部と、膨潤性フ
    ッ素雲母系鉱物0.01〜100重量部とからなる強化
    ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 膨潤性フッ素雲母系鉱物が、タルクとナ
    トリウムおよび/またはリチウムの珪フッ化物もしくは
    フッ化物との混合物を加熱して得られたものである請求
    項1記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 膨潤性フッ素雲母系鉱物が、タルク90
    〜65重量%とナトリウムおよび/またはリチウムの珪
    フッ化物もしくはフッ化物10〜35重量%との混合物
    を加熱して得られたものである請求項1記載の強化ポリ
    エステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリエステルが、ポリエチレンテレフタ
    レートまたはポリブチレンテレフタレートである請求項
    1記載の強化ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ポリエステル100重量部を形成するモノ
    マー量に対して膨潤性フッ素雲母系鉱物が0.01〜1
    00重量部存在した状態でポリエステルの重合を行うこ
    とを特徴とする強化ポリエステル樹脂組成物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002060599A (ja) * 2000-08-23 2002-02-26 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 照明部品用ポリエステル樹脂成形体
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