JP3071983B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

ポリエステルの製造方法

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JP3071983B2
JP3071983B2 JP5204014A JP20401493A JP3071983B2 JP 3071983 B2 JP3071983 B2 JP 3071983B2 JP 5204014 A JP5204014 A JP 5204014A JP 20401493 A JP20401493 A JP 20401493A JP 3071983 B2 JP3071983 B2 JP 3071983B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形時の結晶化速度が改
善され、機械的性質、成形加工性等に優れたポリエステ
ル樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
ブチレンテレフタレート(以下PBTと略称する)は自
動車部品、電気機器部品、機械部品などの工業用プラス
チック分野で広く使用されており、その機械的性質、成
形加工性は原料ポリマーの結晶性に依存する度合いが高
い。このため高度の機械的性質の要求される工業用プラ
スチック分野において好適な成形品として使用するには
結晶性が高く結晶化速度の速い原料ポリマーを製造する
ことが必要である。PBTは他の樹脂に比べて比較的速
い結晶化速度を有してはいるが、更に機械的性質、成形
のハイサイクル化等のためには尚充分でない場合も多
く、特にPBTに共重合成分を用いて製造されるコポリ
エステルは、一般に共重合成分が結晶化の阻害因子とな
り結晶化速度を著しく低下させ、機械的性質、成形性等
を損なっている。一般に結晶化速度の高いPBTを製造
する方法としては、溶融重縮合反応完結後に特定の結晶
核剤及び/又は結晶化促進剤を押出機等を用いて溶融混
合する方法、あるいはこれらの物質を溶融重縮合完結以
前に添加する方法等がとられているが、かかる結晶核
剤、結晶化促進剤の配合は煩雑であり、また分散が不均
一となったりして必ずしも充分な結晶化速度の改善が得
られず、機械的強度の改善も充分でない場合があり、ま
たそれ自体が他の副作用を惹起して好ましくない場合も
ある。又、一旦成形した成形品を加熱処理(アニーリン
グ)して結晶化し、機械的性質の改善を図ることも知ら
れているが、これも工程が煩雑化し好ましくない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この点を
一層改善し、溶融成形時の結晶化速度を改善し、優れた
機械的性質を有する成形品を直接得るべく鋭意検討を重
ねた結果、特定の溶融重縮合したポリエステルを特定条
件で固相重合することにより上記特性を満足する成形品
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はテレフタル酸またはその低級アルコール
エステルを主体とする酸成分と1,4 −ブタンジオールを
主体とするジオール成分とからポリエステルを製造する
にあたり、エステル交換反応或いはエステル化反応によ
って得られる生成物を溶融重縮合して固有粘度0.70以下
のプレポリマーとし、これを一旦固化した後、不活性気
流下または減圧下で、その結晶融解エンタルピーの増加
分が10 J/g以上となり、製造チップの固有粘度が0.70以
上1.05以下となるように固相重合することを特徴とする
ポリエステルの製造方法に関するものである。
【0004】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
ポリエステルは、主構成酸成分としてテレフタル酸また
はそのジメチルエステル等の低級アルコールエステル
を、また主構成アルコール成分として1,4 −ブタンジオ
ールを用いて得られるPBTおよびその共重合体であ
る。共重合PBTを調製する場合には、酸構成成分コモ
ノマーとして、前記主要構成酸成分以外の酸成分である
4,4'−ビフェニルジカルボン酸、2,6 −ナフタレンジカ
ルボン酸、2,7 −ナフタレンジカルボン酸、ジフェン
酸、アジピン酸、セバシン酸,1,4 −シクロヘキサンジ
カルボン酸およびこれらのジメチルエステル等の従来公
知の二官能性カルボン酸またはその低級アルコールエス
テルの一種または二種以上を用いることが可能である。
また、ジオール構成成分コモノマーとしては前記主要構
成ジオール成分以外のジオール成分であるエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,3 −プロパンジオール、1,5 −ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオー
ル、1,10−デカンジオール、1,4 −シクロヘキサンジオ
ール、1,4 −シクロヘキサンジメタノール、p−キシリ
デングリコール、ハイドロキノンのアルキレンオキシド
付加体、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンのアルキレンオキシド付加体、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルホンのアルキレンオキシド付加体、2,6
−ジヒドロキシナフタレンのアルキレンオキシド付加体
等の従来公知の二官能性ジオールの一種または二種以上
を用いることが可能である。またコモノマーとして難燃
性を付与するために上記物質のハロゲン置換体等を用い
ても良い。これらの共重合成分の導入量は、好ましくは
全構成繰り返しエステル単位に対し20モル%以下であ
り、特に好ましくは15モル%以下である。共重合成分の
導入量が全構成繰り返しエステル単位に対し20モル%を
越えた場合には結晶化速度や機械的強度が著しく低下し
好ましくない。また、トリメシン酸トリメチル、トリメ
リット酸トリメチル、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトールの如き三官能以上の多官能化合物、ステ
アリルアルコール、o−ベンゾイル安息香酸メチル、モ
ノエポキシ化合物の如き単官能化合物、p−ヒドロキシ
エトキシベンゼンカルボン酸エステルの如きヒドロキシ
カルボン酸誘導体、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラヒドロフランの如きポリアルキレングリコール等を
少量使用或いは、上記共重合成分と併用することも可能
である。
【0005】本発明の製造法は、先ずテレフタル酸又は
その低級アルコールエステルと1,4−ブタンジオールを
主たる原料とし、エステル化又はエステル交換反応を経
て溶融重縮合を行い特定のプレポリマーを調製する。こ
こでエステル交換反応は、テレフタル酸の低級アルコー
ルエステルと1,4 −ブタンジオールとをモル比1:1〜
1:2で常圧下、温度140 〜230 ℃で連続的に生成する
メタノール等の低級アルコールを除去しながら行う。実
用的な反応速度を得るための触媒としてはチタン化合
物、スズ化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、マンガン化合
物などが例示され、その中でも有機チタネート化合物、
四塩化チタン化合物及びこれらの加水分解物或いは加ア
ルコール分解物、酸化スズ化合物、酢酸スズ化合物、有
機スズ化合物等が好適である。さらに具体的には、テト
ラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テト
ラエチルチタネート、テトラメチルチタネート及びそれ
らの加水分解物、四塩化チタン及び硫酸チタン等の加水
分解物、チタンフッ化カリ、チタンフッ化亜鉛、チタン
フッ化コバルトなどの無機チタン化合物、シュウ酸チタ
ン、シュウ酸チタンカリ等のポリエステル製造触媒とし
て従来公知のチタン化合物、及び/又は、ジブチルスズ
オキシド、ジブチルスズアセテート、ジオクチルスズジ
アセテート、ジフェニルスズジラウリルメリカプチド、
ポリジブチルスズセバケート、ジブチルスズエチレング
リコレート、ジオクチルスズチオサリチレート、ジフェ
ニルスズベンゼンスルホネート、ジメチルスズ−p−ト
ルエンスルホネート等のポリエステル製造触媒として従
来公知のスズ化合物が挙げられる。特に好ましいものと
しては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタ
ネート、四塩化チタンの加水分解物、ジブチルスズオキ
シド、ジブチルスズアセテート、ジオクチルスズジアセ
テート等が挙げられる。これらの触媒の添加は必要に応
じて反応中数回に分けることも可能である。又、テレフ
タル酸と1,4 −ブタンジオールを主たる原料とするエス
テル化反応はテレフタル酸1モルに対して、1,4 −ブタ
ンジオール1〜5モルの割合で常圧下叉は加圧下190 〜
250 ℃の温度で、連続的に生成する水を除去しながら行
なわれる。このとき上記のチタン化合物あるいはスズ化
合物等の存在下で行なうと好都合なことが多い。
【0006】溶融重縮合反応は上記エステル交換反応或
いはエステル化反応によって得られる生成物を180 〜26
0 ℃で反応系を減圧にし、過剰の1,4 −ブタンジオール
及び副生物を連続的に除去しながら特定の重合度(固有
粘度)が得られるまで溶融重合を行なう。かかる溶融重
縮合反応で実用的な反応速度を得るための触媒として
は、前記エステル交換反応或いはエステル化反応に使用
される如き化合物がそのまま使用可能であり、また縮合
反応の速度を向上するために縮合反応開始以前に更にこ
れらの一種叉は二種以上を追加することも可能である。
また、モノマー調合段階又は溶融重縮合段階でりん系化
合物及び/又はアルカリ性化合物等を加えることも可能
であり、特に、適量のりん系化合物を用いた場合、本発
明において結晶化速度、機械的強度を効率良く高めるこ
とができる。ここで代表的なりん系化合物としてはトリ
フェニルフォスファイト、トリドデシルフォスファイ
ト、トリデシルフォスファイト、トリオクチルフォスフ
ァイト、トリプロピルフォスファイト、トリエチルフォ
スファイト、ジフェニルデシルフォスファイト、トリス
(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ト
リス(4−オクチルフェニル)フォスファイト、トリス
(4−(1−フェニルエチルフェニル))フォスファイ
ト、テトラキス(2,4 −ジ−t−ブチルフェニル)−4,
4'−ビスフェニレンフォスフォナイト、3,5 −ジブチル
−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネートジエチルエ
ステル、トリフェニルフォスフィン、トリドデシルフォ
スフィン、トリデシルフォスフィン、トリオクチルフォ
スフィン、トリプロピルフォスフィン、テトラアルキル
ホスホニウムのハロゲン化物、テトラアルキルホスホニ
ウムのスルホン酸塩化合物等が挙げられる。
【0007】本発明においては、上記溶融重縮合された
PBTプレポリマーはオルソクロロフェノール中25℃で
の固有粘度を0.70以下に留めることが必要である。特に
本発明の効果を上げるためには固有粘度が0.50以下の値
とすることが好ましく、溶融重縮合段階でのプレポリマ
ーの固有粘度が0.70を越えた場合、結晶化速度や機械的
強度の改善効果が少なくなり好ましくない。また、プレ
ポリマーの固有粘度の下限値は特に限定する必要はない
が、溶融重縮合の反応器から効率良くプレポリマーをス
トランド状またはシート状として排出しこれを固化する
ために、固有粘度0.30以上のものが好ましい。
【0008】このプレポリマーは次いで冷却固化し、粉
砕または粒状化した後、固相重合に移行する。冷却固化
は通常の方法で行なわれる。例えば、溶融重縮合反応器
からストランド状またはシート状に排出したプレポリマ
ーを気流下または水中へ導いて冷却固化し、粉砕または
切断する。この際、分子量の増加が固相重合中均一に行
なわれる様に出来る限り均一な大きさのチップとするの
が有利である。次いで、固化、細解したポリマーチップ
は、その融点から5〜60℃低い温度にて保持され適当な
ガス導入口、排気口、真空連結器等を有した反応器に移
し、不活性気流下または真空中にて加熱処理し固相重合
を行う。この反応器はバッチ式、連続式いずれでもよ
い。尚、固相重合中にポリマーチップが相互に融着する
のを防止するため、その予備処理として固相重合に先だ
ちチップの乾燥処理を行っても良い。
【0009】本発明においては、上記固相重合された製
造チップはオルソクロロフェノール中25℃の固有粘度を
0.70以上1.05以下とすることが必要である。所望の重合
度(固有粘度)は滞留時間、処理温度等により適宜調節
することができる。固有粘度が1.05を越えた場合は、結
晶化速度や機械的強度が低下し、改善効果が少なくな
り、又、0.70未満の場合には伸度や靭性等の低下がみら
れるため、いずれの場合も好ましくない。一般に、かか
る固有粘度値は溶融重縮合のみでも可能であり、また一
般に固相重合によりポリエステルの固有粘度を向上させ
ることは周知であるが、本発明の効果を充分発揮するた
めには、単に固有粘度が前記範囲のものであればよいと
いうものではなく、また単に固相重合を行えばよいもの
でもなく、更にそのチップの固相重合の間における結晶
融解エンタルピーの増加分が10 J/g以上となる様
に処理することが必須であり重要な要件である。特に1
3 J/g以上とすることが好ましい。結晶融解エンタ
ルピーの増加分は固相重合後の製造チップの結晶融解エ
ンタルピーとプレポリマーチップの結晶融解エンタルピ
ーとの差により求められる。固相重合時の結晶融解エン
タルピーの増加分が10 J/g以下の場合には、溶融成形に
おける結晶化速度や機械的強度の改善効果が少なくなり
好ましくなく、また該条件は前述の固有粘度の条件を併
せて満足することが必要である。ここでこれらの条件、
特に固相重合時の結晶融解エンタルピーの増加を満足す
るためには、後述する実施例でも示すように固相重合に
供するプレポリマーの固有粘度、固相重合条件(温度お
よび時間等)、りん化合物等の有無等が極めて重要な因
子となる。これらの条件は、一般の固相重合により一様
に得られるものではなく、特定の条件を必要とするが、
若干の予備試行実験により求めることができる。かかる
固相重合時における結晶化(結晶融解エンタルピーの増
加分)の如き履歴の影響は、一旦溶融して成形される成
形品においては溶融時に消滅し、ポリマー構造や成形条
件によって規制されるべきものと考えるのが常識である
が、意外にも固相重合の間の前記履歴条件が溶融成形加
工の際の結晶化速度、射出成形における成形加工性、成
形品の機械的強度に顕著な改善効果をもたらすのであ
る。この様にして製造されたチップはそのまま溶融成形
に供することも可能であり、さらに溶融混練して組成物
として成形に供することも可能である。。
【0010】尚、本発明のポリエスエテルの製造におい
て、本発明の要件を満たす限り、必要に応じ結晶核剤や
それ以外の添加剤、他の熱可塑性樹脂、有機充填剤、無
機充填剤等を一種または二種以上を重合中に補助的に添
加使用することもできる。また、本発明の要件を満たす
条件にて調製したPBT系ポリエステルは、更にこれら
の物質を補助的に配合した組成物としてもその効果が得
られる。添加剤としては、例えば従来公知の紫外線吸収
剤や抗酸化剤等の安定剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助
剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤、可塑剤、滑剤、離
型剤が例示される。また、無機充填剤として、ガラス繊
維、ミルドガラスファイバー、ガラスビーズ、ガラスフ
レーク、シリカ、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタ
ン酸カリウム繊維、カーボン繊維、カーボンブラック、
黒鉛、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、
タルク、クレー等の珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化
亜鉛、酸化アンチモン、アルミナ等の金属酸化物、カル
シウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の炭酸塩や硫酸
塩、さらには炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等が例示
され、有機充填剤としては高融点の芳香族ポリエステル
繊維、液晶性ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊
維、フッ素樹脂繊維、ポリイミド繊維等が例示される。
また、熱可塑性樹脂としてポリエステルエラストマーお
よび本発明以外のポリエステル系樹脂、ポリオレフィン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
カーボネート、ポリアセタール、ポリアリーレンオキシ
ド、ポリアリーレンスルフィド、フッ素樹脂等も一定の
限度内であれば使用可能である。
【0011】
【発明の効果】以上の如く、本発明により得られるポリ
エステルは結晶化速度が改善され、射出成形における成
形加工性、成形品の機械的強度に優れ、成形材料として
非常に有用である。
【0012】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 テレフタル酸ジメチル194 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル126 重量部、及びチタニウムテトラブトキシド1.21重
量部を、撹拌機及び留出塔を備え、十分に窒素置換した
反応器に仕込み、反応器内の温度を140 ℃とし、更に、
徐々に温度を上昇させ副生するメタノールを留去し、エ
ステル交換反応を行った。留出メタノールが理論量の85
重量%の時点で反応物質の温度は185 ℃に上昇し、次い
でこれを温度210 ℃の別の反応器に移し、1時間で1.0t
orr まで減圧し、同時に反応温度を250 ℃まで上昇さ
せ、1.0torr の圧力で2.0 時間撹拌を続けて溶融重縮合
を行った後、溶融物を噴出口からストランドとして押し
出し、そのストランドを水で冷却し、熱風下を通して付
着水を除去し切断して直径2mm、長さ3mmの大きさの白
色、円筒状のプレポリマーチップとした。得られたプレ
ポリマーはオルソクロロフェノール中25℃での固有粘度
0.45を有していた。次に、このチップ状プレポリマーを
予備加熱器(滞留30分)を経て、ジャケット付き(210
℃熱媒通過)縦型円筒状の固相反応器の上部へ供給し、
器内に一定の滞留時間を保つ様一定の高さに堆積させ
て、下部より抜き取り、且つ下部より乾燥した210 ℃の
窒素を供給し上部より排出させて窒素気流下での連続固
相重合を行った。この反応系の内部温度は上部で205
℃、下部で208 ℃であり、滞留時間は10時間であった。
得られたポリマーの固有粘度はオルソクロロフェノール
中25℃で固有粘度0.95を有していた。また製造チップの
固相重合時の結晶融解エンタルピーの増加分は14.3 J/g
であった。得られた製造チップについて、乾燥後、DS
C測定器により一旦溶融した後197 ℃に保持して等温結
晶化時間を測定することにより結晶化速度の評価を行っ
た。又、射出成形にてASTM1号引張り試験片を作成し、
これをASTM D 638に準じて引張り強度の評価を行った。
結果を表1に示す。尚、試験片の成形は下記条件にて行
った。 成形機 ;東芝IS30EPN シリンダー温度 ;250 ℃(ノズル)−245 ℃(第3ゾーン)−240 ℃−(第 2ゾーン)−220 ℃(第1ゾーン) 金型温度 ;65℃ スクリュー回転数;120rpm また、等温結晶化時間測定の具体的条件は下記の通りである。 融解温度 ;260 ℃ 融解時間 ;3分 降温速度 ;80℃/分(260 ℃から197 ℃) ホールド温度 ;197 ℃ 実施例2〜3,比較例1実施例1に対し、溶融重合時間(250 ℃、1.0torr 到達
以後の処理時間)を加減して プレポリマーの固有粘度を
変え、製品の固有粘度を略一定(0.95)とすべく固相重
合時間を調製した以外は実施例1と同様に溶融重縮合、
および固相重合を行った。結果を併せて表1に示す。 実施例4〜5,比較例2〜3溶融重合条件、即ちプレポリマーの固有粘度を一定と
し、 固相重合時間を変えることにより製造チップの固有
粘度を変えた以外は実施例1と同様に溶融重縮合、およ
び固相重合を行った。結果を併せて表1に示す。 比較例4溶融重合時間により プレポリマーの固有粘度を変え、更
固相重合時間を変えて、結晶融解エンタルピーの増加
分が本発明の要件を満足しない場合について、実施例1
と同様に溶融重縮合、および固相重合を行った。結果を
併せて表1に示す。尚、変化させた重合条件についても
表1の( )内に併記した。
【0013】
【表1】
【0014】実施例6 テレフタル酸ジメチル194 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル126 重量部、及びチタニウムテトラブトキシド1.21重
量部を実施例1と同様にエステル交換反応をさせ、次い
でこれを温度210 ℃の別の反応器に移し、1時間で1.0t
orr まで減圧し、同時に反応温度を250 ℃まで上昇させ
た。1.0torr の圧力で1.9 時間撹拌を続けた後、反応系
内にトリデシルフォスファイト1.87重量部を投入し、さ
らに0.2時間重合を行った。溶融物を噴出口からストラ
ンドとして押し出し、実施例1と同様な白色、円筒状の
プレポリマーチップとした。得られたプレポリマーは固
有粘度0.44を有していた。次に、このチップ状プレポリ
マーを実施例1と同様な固相反応器へ供給した。滞留時
間は15時間で、得られたポリマーは固有粘度0.94を有
し、また製造チップの結晶融解エンタルピーの増加分は
18.1 J/gであった。得られた製造チップについて、実施
例1と同様に結晶化速度、引張り強度の評価を行った。
結果を表2に示す。
【0015】実施例7,比較例5 テレフタル酸ジメチル194 重量部、1,4 −ブタンジオー
ル126 重量部、及びチタニウムテトラブトキシド1.21重
量部を実施例1と同様にエステル交換反応をさせ、次い
でこれを温度210 ℃の別の反応器に移し、1時間で1.0t
orr まで減圧し、同時に反応温度を250 ℃まで上昇させ
た。1.0torr の圧力で1.9 時間撹拌を続けた後、反応系
内にトリデシルフォスファイト1.87重量部、窒化ホウ素
0.2 重量部および融解状態のポリエチレンワックス(平
均分子量5000)2.2 重量部を投入し、さらに0.2 時間重
合を行った。溶融物を噴出口からストランドとして押し
出し、実施例1と同様な白色、円筒状のプレポリマーチ
ップとした。得られたプレポリマーは固有粘度0.45を有
していた。次に、このチップ状プレポリマーを実施例1
と同様な固相反応器へ供給した。滞留時間は14時間で、
得られたポリマーは固有粘度0.94を有していた。この際
のチップの結晶融解エンタルピーの増加分は14.5 J/gで
あった。得られた製造チップについて、実施例1と同様
に結晶化速度、引張り強度の評価を行った。一方、比較
のため、プレポリマーの固有粘度を0.85として実施例7
と同様に固相重合し、固有粘度0.94とした。この際の結
晶融解エンタルピーの増加分は5.7J/g であった。評価
値を併せて表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】実施例8,比較例6 テレフタル酸ジメチル170 重量部、イソフタル酸ジメチ
ル24.0重量部、1,4 −ブタンジオール126 重量部、及び
チタニウムテトラブトキシド1.21重量部を実施例1と同
様にエステル交換反応をさせ、次いでこれを温度210 ℃
の別の反応器に移し、1時間で1.0torr まで減圧し、同
時に反応温度を250 ℃まで上昇させた。1.0torr の圧力
で2.0 時間撹拌を続けた後、反応系内にトリデシルフォ
スファイト1.87重量部および窒化ホウ素0.1 重量部を投
入し、さらに0.2 時間重合を行った。溶融物を噴出口か
らストランドとして押し出し、実施例1と同様な円筒状
のプレポリマーチップとした。得られたプレポリマーは
固有粘度0.44を有していた。次に、このチップ状プレポ
リマーを実施例1と同様な固相反応器へ供給した。器内
に一定の滞留時間を保つ様一定の高さに堆積させて、下
部より抜き取り、且つ下部より乾燥した185 ℃の窒素を
供給し上部より排出させて窒素気流下での連続固相重合
を行った。この反応系の内部温度は上部で185 ℃、下部
で188 ℃であり、滞留時間は20時間であった。得られた
ポリマーは固有粘度1.01を有し、また固相重合の間の結
晶融解エンタルピーの増加分は12.1 J/gであった。一
方、比較のため、プレポリマーの固有粘度を0.86として
実施例8と同様に固相重合をし、固有粘度1.00の製品を
得た。このものの固相重合の間の結晶融解エンタルピー
の増加分は6.4 J/g であった。評価値を併せて表3に示
す。尚、この場合の結晶化速度の評価は184 ℃に保持し
て等温結晶化時間を測定することにより行った。
【0018】
【表3】

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはその低級アルコール
    エステルを主体とする酸成分と1,4 −ブタンジオールを
    主体とするジオール成分とからポリエステルを製造する
    にあたり、エステル交換反応或いはエステル化反応によ
    って得られる生成物を溶融重縮合して固有粘度0.70以下
    のプレポリマーとし、これを一旦固化した後、不活性気
    流下または減圧下で、その結晶融解エンタルピーの増加
    分が10J/g以上となり、製造チップの固有粘度が0.70以
    上1.05以下となるように固相重合することを特徴とする
    ポリエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】固相重合開始前のプレポリマーが固有粘度
    0.50以下である請求項1記載のポリエステルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】溶融重縮合を完結する以前に少なくとも一
    種のりん系化合物を反応系中に添加する請求項1又は2
    記載のポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項記載の製造方法
    より得られるポリエステルあるいはその組成物を溶融成
    形してなる成形品。
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